JP2004120338A - Cdma受信装置 - Google Patents

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JP2004120338A
JP2004120338A JP2002280773A JP2002280773A JP2004120338A JP 2004120338 A JP2004120338 A JP 2004120338A JP 2002280773 A JP2002280773 A JP 2002280773A JP 2002280773 A JP2002280773 A JP 2002280773A JP 2004120338 A JP2004120338 A JP 2004120338A
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Masaru Kimura
木村 大
Morihiko Minowa
箕輪 守彦
Noriyuki Kawaguchi
川口 紀幸
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Abstract

【目的】受信信号電力推定値に加わる雑音及び干渉電力によるオフセット分を除去可能なことを課題とする。
【構成】複数の受信パイロット信号を平均化して得た伝搬路推定値を用いて該複数の受信パイロット信号を同期検波し、得られたパイロット部同期検波結果に基づき受信信号電力を推定する機能を備えたCDMA受信装置において、前記複数の受信パイロット信号の内の1の受信パイロット信号についての同期検波に際して用いる前記伝搬路推定値から少なくとも該1の受信パイロット信号の成分を除去したものを用いて同期検波を行う。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はCDMA受信装置に関し、更に詳しくは、複数の受信パイロット信号を平均化して得た伝搬路推定値(チャネル推定値とも呼ばれる)を用いて該複数の受信パイロット信号を同期検波し、得られたパイロット部同期検波結果に基づき受信信号電力を推定する機能を備えたCDMA受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA(Code Division Multiple Access)方式では、アンテナダイバーシチ受信に加え、パスダイバーシチを利用したRAKE受信機を用いて受信品質の向上を図っている。図8にW−CDMA上りリンクのフレームフォーマットを示す。図において、データシンボルと、パイロットシンボル及び制御用シンボルは、それぞれQPSK変調のI軸、Q軸に対する互いに直交するチャネライゼーションコードによって多重され、更にチャネル固有のスクランブリングコードが乗算されている。
【0003】
基地局の受信機では、サーチャが検出した複数の遅延波タイミングでそれぞれに拡散コード及びチャネライゼーションコードを乗算することによりパイロットシンボルを逆拡散し、更に、既知のパイロットパターンをキャンセルすることで伝搬路成分を取り出し、それをシンボル間及びスロット間で重み付け平均することにより伝搬路(チャネル)推定値を得ている。一方、同様にして逆拡散されたデータシンボルは、前記伝搬路推定値によって位相補償(同期検波)された後に、フィンガ合成され、更に誤り訂正等の復号処理を経、こうしてデータ受信系列が得られる。
【0004】
またCDMA方式の必須技術として、受信品質を一定に保つべく送信側の電力を遠隔制御する所謂送信電力制御がある。送信電力制御は、受信SIR(Signalto Interference Ratio)推定値を利用して制御を行う。例えば上り信号において、基地局におけるSIR推定値が目標SIRよりも大きい又は小さい場合は、端末の送信電力を一定の電力だけ減少又は増加させるための送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)ビットを下り信号に埋め込み、送信する。移動端末ではTPCビットを受信・復調し、その結果に従って送信電力を増減させる。送信電力制御は伝搬路状態の急速な変動に追従することが必要であるため、スロット毎にSIR推定を行い、TPCビットを作成する。
【0005】
従来のSIR推定装置では、逆拡散後のパイロットシンボルを上記伝搬路推定値を用いて位相補償、周波数偏差補償した後、これらをフィンガ合成して得た信号のスロット内平均値を受信信号電力推定値(S値)、スロット内分散値をS値で除算したものを干渉電力推定値(I値)とする。このうち、S値は瞬時に変動する一方、I値は瞬時に変動しないものと考えることができるので、I値に関しては更に一定期間の平均化を行う。こうして得られたS値とI値の比がSIR推定値となる。
【0006】
またW−CDMA方式に準拠する基地局受信機では、比較的長期間にわたる平均的なSIRをSIR測定値として上位レイヤに報告する機能を有する。この場合はS値についてもスロット間で平均を取ることにより得られたS値とI値の比をSIR測定値とする。
【0007】
また、移動通信における伝搬路は端末周辺の建物等により反射、回折、散乱を受けるために多重波伝搬路となり、端末周辺には様々な方向から到来する多数の波が相互に干渉しあう。このような環境中を端末が移動すると、受信波がランダムに位相及び振幅変動する。また端末から送信される信号についても同様の変動を受ける。これをフェージングと呼び、その変動の度合いを示すフェージング周波数は端末の移動速度に依存する。
【0008】
前記伝搬路推定装置における最適な重み係数はフェージング周波数に依存するため、フェージング周波数を推定してこれを重み係数にフィードバックすることにより、受信特性の向上を図ることができる。フェージング周波数はパイロットシンボルの時間相関値を求めることで推定できる。具体的には、パイロットシンボルを平均後に一定の時間差で遅延検波を行い、受信信号電力推定値を用いて規格化することにより、時間相関値を得ることが出来る。時間相関値はフェージング周波数を変数とするベッセル関数として表されるため、時間相関値から逆算してフェージング周波数を求めることができる。
【0009】
従来は、スロット内の複数パイロットシンボルを平均化してスロット毎にチャネル(伝搬路)を推定すると共に、これらを複数スロット間で重み付け加算して得たチャネル推定値を、データシンボルの同期検波や送信電力制御に利用するものが知られている(例えば特許文献1)。また、従来は、パイロットシンボルによる受信信号電力推定値を利用してSIR推定やフェージング周波数推定を行うものが知られている(例えば特許文献2,特許文献3)。以上の技術的な背景に鑑み、以下に従来技術の問題点を具体的に説明する。
【0010】
図9は従来の一例の伝搬路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図であり、パイロットシンボル系列の平均に基づき求めた伝搬路推定値を用いてパイロットシンボルを同期検波すると共に、該検波出力を平均化して受信信号電力推定値を得る場合を示している。
【0011】
図において、24は逆拡散後のパイロットシンボル系列に基づき伝搬路(チャネル)推定値を求める伝播路推定部であって、ここには、逆拡散後のパイロットシンボル系列に既知のパイロットパターンを乗算してパイロットパターンをキャンセルする乗算器241と、パターンキャンセルされたパイロットシンボル系列のスロット内加算(平均化)を行う累積加算部(Tsym)242と、スロット内加算結果を保持するラッチ(LTH)243と、ラッチ出力を各1スロット分遅延させる遅延素子(Tslot)244と、入力のフェージング周波数推定値fに基づき対応する重み係数の組wを出力する重み係数選択テーブル245と、各遅延出力に各重み係数を乗算する乗算器246と、入力の周波数偏差推定値Δfに基づき対応する周波数偏差補正量を生成する周波数偏差補正量制御部247と、各遅延出力に各補正量を乗算する乗算器248と、上記重み付け及び周波数偏差補正後の各遅延出力を加算する加算器249とが含まれる。
【0012】
56は上記伝播路推定値に基づき検波対象のパイロットシンボルを同期検波するパイロット同期検波部であり、ここには、上記パターンキャンセル後のパイロットシンボル系列を2スロット分遅延させる遅延回路561と、上記伝播路推定値の複素共役を求める複素共役器(conj)562と、遅延パイロットシンボルに伝播路推定値の複素共役を乗算して同期検波を行う乗算器563とが含まれる。
【0013】
そして、図示しないが、各検波出力のパイロットシンボルをフィンガ合成すると共に、該合成出力(即ち、パイロット部同期検波結果)を平均化することにより、SIR推定やフェージング周波数推定に使用するための受信信号電力推定値を得ている。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−51424号公報(実施の形態1、図1,図3)。
【0015】
【特許文献2】
特開平10−247894号公報(カラム2、42〜49行、図10)
【0016】
【特許文献3】
特開2001−358621号公報(カラム3の45行〜カラム5の32行、図1)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来方式による伝搬路推定値には検波対象のパイロットシンボル成分が含まれているため、検波後のパイロットシンボルにつき求めた受信信号電力推定値には、本来の信号成分のみならず、自己相関による雑音電力成分及び干渉電力成分が加わっており、平均化によってはこれらの成分を完全に抑圧することができず、雑音電力及び干渉電力の和に比例したオフセットが生じてしまう問題があった。ここで「オフセット」とは理想的な平均値(期待値)が真の値からずれることを言う。以下、これを具体的に説明する。
【0018】
今、逆拡散及びパターンキャンセル後のkシンボル目のパイロット信号rを(1)式、
【0019】
【数1】
Figure 2004120338
【0020】
とおく。ここで、sは信号成分を表し、シンボル間では変化しないものと仮定する。また、nは雑音成分を表す。スロット内伝搬路推定値ξはこれを平均化したものであり、例えば、Kシンボル分を等重みで平均化する場合は(2)式、
【0021】
【数2】
Figure 2004120338
【0022】
で表せる。一方、この伝搬路推定値ξを使用したmシンボル目のパイロットシンボルの同期検波結果は(3)式、
【0023】
【数3】
Figure 2004120338
【0024】
で表せる。ここで、*は複素共役を表す。またSは信号電力を表し、S=|s|である。更に、これらがフィンガ合成されると共に、該検波結果の平均を取ると(4)式、
【0025】
【数4】
Figure 2004120338
【0026】
となる。但し、(5)式、
【0027】
【数5】
Figure 2004120338
【0028】
の関係を用いた。ここで、E[d]は平均化を表し、またNは平均雑音電力を表す。
【0029】
上記(4)式において、受信信号電力の期待される値は信号電力Sであるが、オフセット分N/Kが加わってしまっている。平均化のためのシンボル数Kが大きい場合はオフセットも小さいが、平均化シンボル数Kが少ない場合は期待される結果との差分が大きくなる。このため、SIR推定値、SIR測定値、フェージング周波数推定値にも同様にオフセットが生じる問題があった。
【0030】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、受信信号電力推定値に加わる雑音及び干渉電力によるオフセット分を除去可能なCDMA受信装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)のCDMA受信装置は、複数の受信パイロット信号(例えば受信パイロットシンボル)を平均化して得た伝搬路推定値を用いて該複数の受信パイロット信号を同期検波し、得られたパイロット部同期検波結果に基づき受信信号電力を推定する機能を備えたCDMA受信装置において、前記複数の受信パイロット信号の内の1の受信パイロット信号についての同期検波に際して用いる前記伝搬路推定値から少なくとも該1の受信パイロット信号の成分を除去したものを用いて同期検波を行うものである。
【0032】
本発明(1)においては、伝搬路推定値から少なくとも検波されるパイロット信号の成分を除去したものを用いて同期検波を行うため、干渉と雑音の自己相関による干渉電力及び雑音電力成分を取り除くことが出来、その出力の平均化によりオフセットのない受信信号電力推定値を得ることが出来る。以下、これを具体的に説明する。
【0033】
伝搬路推定値ξから検波されるパイロット信号rを除去した後に同期検波を行うと、その同期検波結果は(6)式、
【0034】
【数6】
Figure 2004120338
【0035】
で表される。この検波結果d’mを平均化すると(7)式、
【0036】
【数7】
Figure 2004120338
【0037】
の関係となり、該平均値からは平均雑音電力Nの項が消えることがわかる。
【0038】
なお、信号電力Sの(K−1)/K倍になっている分は、重み係数wを適当に調整することで消去できる。従って、同期検波結果からノイズによるオフセット成分を除去することが出来る。
【0039】
また、上記複数の受信パイロット信号(受信パイロットシンボル)を平均化する方法には、単にK個分の要素を累積加算する方法、該累積加算結果を1/K倍して平均値を求める方法、K個分の要素を重み付け加算する方法、又は各要素の自乗和の平方根を求める方法等、他の様々な平均化の方法が含まれる。
【0040】
本発明(2)では、上記本発明(1)において、伝搬路推定値は、検波される前記1の受信パイロット信号を除いた前後M個の受信パイロット信号を重み付け加算して得られるものである。従って、この場合の伝搬路推定値には、もともと検波されるパイロット信号の成分が含まれていないため、該成分を別途に除去する必要がない。
【0041】
本発明(3)では、上記本発明(1)又は(2)において、複数のパイロット部同期検波結果につき、スロット内平均値の2乗を分散値で除算することによりSIR推定値を求めるSIR推定手段を備えるものである。
【0042】
本発明(3)によれば、こうして得られたSIR推定値は、雑音電力及び干渉電力のオフセットを受けないため、雑音電力や干渉電力が支配的になるような低SIR時には、特にSIR推定値の精度が向上する。更に、このSIR推定値を利用して制御を行う送信電力制御の精度が向上し、受信特性、チャネル容量等のシステム性能が向上する。
【0043】
本発明(4)では、上記本発明(1)又は(2)において、複数のパイロット部同期検波結果につき、平均値の2乗をAGCキャンセルしたものをS測定値、分散値を前記平均値の2乗で除算し、かつAGCキャンセルしたものをI測定値とすると共に、前記S測定値をI測定値で除算してSIR測定値を求めるSIR測定手段を備えるものである。
【0044】
本発明(4)によれば、こうして得られたSIR測定値は、雑音電力及び干渉電力のオフセットを受けないため、雑音電力や干渉電力が支配的になるような低SIR時には、特にSIR測定値の精度が向上する。
【0045】
本発明(5)では、上記本発明(1)又は(2)において、複数の受信パイロット信号の平均値を遅延検波してから最大比合成及び時間平均することにより得られた時間相関値を、複数のパイロット部同期検波結果に基づき求めた受信信号電力推定値により規格化し、フェージング周波数を推定するフェージング周波数推定手段を備えるものである。
【0046】
本発明(5)によれば、受信パイロット信号に基づく時間相関値を、パイロット部同期検波結果に基づき求めた受信信号電力推定値により規格化するため、雑音電力や干渉電力のオフセットのないフェージング周波数推定値が得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。
【0048】
図2は実施の形態による基地局受信部のブロック図で、W−CDMA方式への適用例を示している。図において、11はアンテナ、12はバンドパスフィルタ(BPF)、13は周波数変換部(ミキサ)、14はローカル発振器、15は(π/2)移相器、16はローパスフィルタ(LPF)、17はAGC(Auto Gain Cancel)部、18はA/D変換器、20はサーチャ部、21a,21bはフィンガ部、22はパイロット部逆拡散部、23はデータ部逆拡散部、24は伝搬路(チャネル)推定部、25はスロット間遅延検波部、26はパイロット部同期検波部、27はデータ部同期検波部、28はフィンガ合成部、31はフェージング周波数推定部、32はSIR推定部、33はSIR測定部、34は復調データの誤り訂正部、35は周波数偏差推定部、36は送信電力制御(TPC)ビット作成部である。
【0049】
アンテナ11の受信信号を周波数変換して複素ベースバンド信号とし、AGC17で振幅調整した後、A/D変換してフィンガ部21a,21b及びサーチャ部20に入力する。サーチャ部20ではデジタル複素信号と参照コードとの相関値を求め、各パスに対応した逆拡散タイミングを決定し、フィンガ部21a,21bに加える。
【0050】
フィンガ部21aにおいて、パイロット部逆拡散部22では、パイロット部毎にサーチャ20で検出したタイミングに従ってスクランブリングコード及びチャネライゼーションコードが乗算され、同一シンボル内で積分され、パイロットシンボル系列が得られる。また、データ部逆拡散部23では、データ部毎にサーチャ20で検出したタイミングに従ってスクランブリングコード及びチャネライゼーションコードが乗算され、同一シンボル内で積分され、データシンボル系列が得られる。
【0051】
伝播路(チャネル)推定部24では、パイロットシンボル系列をスロット内加算(平均化)すると共に、スロット間でフェージング周波数fに応じた重み付け、及び周波数偏差Δfに応じた位相補償を行って後、これらを加算し、伝搬路推定値を求める。スロット間遅延検波部25では、入力のパイロットシンボル系列に基づきスロット間遅延検波を行う。パイロット部同期検波部26では、伝搬路推定値を用いて各パイロットシンボルの同期検波を行う。データ部同期検波部27では、伝搬路推定値を用いて各データシンボルの同期検波を行う。
【0052】
各検波出力はフィンガ合成部28でそれぞれにフィンガ合成され、この内のパイロット部遅延検波結果はフェージング周波数推定部31及び周波数偏差推定部35に加えられ、またパイロット部同期検波結果はフェージング周波数推定部31、SIR推定部32及びSIR測定部33に加えられ、そして、データ同期検波結果(復調データ)は、誤り訂正部34に加えられる。なお、フェージング周波数推定部31、SIR推定部32及びSIR測定部33の詳細については後述する。
【0053】
図3は実施の形態による伝播路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図であり、図において、伝播路推定部24については上記図9で述べたものと同様でよい。一方、パイロット同期検波部26には、2スロット分の遅延回路261と、検波対象のパイロットシンボルに重み係数w及び位相補償情報exp(jθ)を乗算する乗算器262と、該補正後のパイロットシンボル信号成分を伝播路推定値から減算(除去)する減算器263と、該減算出力の複素共役を求める複素共役器(conj)264と、該共役出力で前記補正後のパイロットシンボル信号成分を同期検波する乗算器265とが含まれる。
【0054】
パイロット同期検波部26では、検波されるパイロットシンボルに重み係数wと周波数偏差補正項exp(jθ)とを乗算したものを伝搬路推定値から除いてから同期検波を行う。これにより、伝搬路推定値から検波されるパイロットシンボル成分が除去されるため、干渉と雑音の自己相関による干渉電力及び雑音電力成分を取り除くことが出来る。また各同期検波結果の平均化によりオフセットのない受信信号電力推定値を得ることが出来る。
【0055】
図4は他の実施の形態による伝播路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図であり、検波されるパイロット信号を除いた前後M個のパイロット信号を重み付け加算して伝搬路推定値を形成する場合を示している。上記図3の伝播路推定部24と比較すると、この伝搬路推定部24’では、パイロットシンボル系列のスロット内加算(平均化)を行う累積加算部(Tsym)242が削除されており、よって検波されるパイロットシンボル毎に異なる伝搬路推定値が得られる。また、シンボル遅延部244における中央の遅延素子のパイロットシンボル出力が加算器249に入力されないため、この伝搬路推定値には、もともと検波されるパイロット信号の成分が含まれない。
【0056】
パイロット同期検波部26’において、ここではMシンボル分の遅延素子(Tsym)266を設けることで、同期検波の位相同期を得ている。またこの伝搬路推定値には、検波されるパイロット信号の成分が含まれないため、該成分を別途に除去する必要がない。
【0057】
図5は実施の形態によるSIR推定部のブロック図であり、このSIR推定部32には、パイロット部同期検波結果のスロット内平均値Sを求めるスロット内平均部321と、その電力(I+Q)を求める2乗演算部322と、前記スロット内平均値Sからパイロット部同期検波結果を差し引く減算器325と、減算出力の電力を求める2乗演算部326と、該電力の加算平均(分散)Vを求める平均器327と、該分散Vの逆数を求める逆数器328と、前記スロット内平均電力に分散の逆数1/Vを乗算してSIR推定値を求める乗算器323と、該求めたSIR推定値と所定の基準SIR値とを比較する比較部324とが含まれる。
【0058】
動作を概説すると、送信電力制御はスロット単位で行うため、入力のパイロット部同期検波結果をスロット内平均した値を平均受信電力Sとする。また、平均受信電力Sと各受信電力との差を2乗した後にこれらを平均化することで、受信信号電力推定値の分散Vを求める。SIR推定値は、平均受信電力Sを2乗して分散Vで除算することにより求め、これを基準SIR値と大小比較することで、下りTPCビットを作成する。
【0059】
こうして得られたSIR推定値は雑音電力及び干渉電力のオフセットを受けないため、雑音電力や干渉電力が支配的になるような低SIR時には、特にSIR推定値の精度が向上する。更に、このSIR推定値を利用して制御を行う送信電力制御の精度が向上し、受信特性、チャネル容量等のシステム性能が向上する。
【0060】
図6は実施の形態によるSIR測定部のブロック図であり、このSIR測定部33には、パイロット部同期検波結果のスロット内平均値Sを求めるスロット内平均部331と、該平均値Sの実部を抽出する実部抽出部(Re[ ])332と、その出力を平均化する平均部333と、該平均出力の逆数を求める逆数器338と、前記平均出力につきAGCゲインをキャンセルしてS測定値を形成するAGCキャンセル部334と、前記スロット内平均値Sからパイロット部同期検波結果を差し引く減算器335と、該減算出力の電力を求める2乗演算部336と、その出力の加算平均(分散)Vを求める平均器337と、該分散Vに1/Sを乗算する乗算器339と、該乗算出力につきAGCゲインをキャンセルしてI測定値を形成するAGCキャンセル部340と、該I測定値の逆数を求める逆数器(1/)341と、前記S測定値とI測定値の逆数を乗算してSIR測定値を形成する乗算器343とが含まれる。
【0061】
動作を概説すると、入力のパイロット部同期検波結果をスロット内平均した値につき実数部を取り出したものを平均化し、更にAGCのゲインをキャンセルすることによりS測定値を求める。また、上記SIR推定部32におけると同様に求めた分散VをS測定値で除算し、更にAGCのゲインをキャンセルすることによりI測定値を求める。そして、S測定値とI測定値の比S/IによりSIR測定値を求める。
【0062】
上記SIR推定値と同様に、得られたSIR測定値は雑音電力及び干渉電力のオフセットを受けないため、雑音電力や干渉電力が支配的になるような低SIR時には、特にSIR測定値の精度が向上する。
【0063】
図7は実施の形態によるフェージング周波数推定部のブロック図であり、このフェージング周波数推定部31には、パイロット部遅延検波結果の周波数偏差を補正する周波数偏差補正部311と、該補正後出力の実部を抽出する実部抽出部(Re[ ])312と、各実部を平均化する平均部313と、パイロット部同期検波結果の実部を抽出する実部抽出部(Re[ ])314と、各実部を平均化する平均部315と、その逆数を求める逆数器(1/)316と、前記パイロット部遅延検波結果に基づく実部平均値に、前記パイロット部遅延検波結果に基づく実部平均値の逆数を乗算して、時間相関値を求める乗算器317と、得られた時間相関値から対応するフェージング周波数推定値fを求めるテーブル318とが含まれる。
【0064】
ところで、今、パイロット受信信号をs(t)、受信信号の複素共役をs’(t)、τをスロット間隔(Tslot)、Re [ ]を複素数の実数部、< >を時間平均とすると、フェージングの時間相関値ρ(τ)は(8)式、
【0065】
【数8】
Figure 2004120338
【0066】
で与えられる。また、J( )を第1種0次のベッセル関数、f をフェージング周波数推定値とすると、フェージング時間相関値ρ(τ)の期待値は(9)式、
【0067】
【数9】
Figure 2004120338
【0068】
で与えられることが知られている。
【0069】
そこで、上記パイロット部遅延検波結果を周波数偏差補正した後に実部を取り出し、一定時間平均し、これをパイロット部同期検波結果に基づく平均受信電力推定値で規格化して時間相関値ρ(τ)を求める。時間相関値ρ(τ)の期待値Rは上記(9)式で表されるため、求めた時間相関値からテーブル318を用いてフェージング周波数推定値fを求めることが出来る。こうして、雑音電力や干渉電力のオフセットのないフェージング周波数推定値を求めることが出来る。
【0070】
なお、上記本発明に好適なる実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、制御、処理及びこれらの組み合わせの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0071】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、受信信号電力推定値に加わる雑音及び干渉電力によるオフセットを除去することが出来る。また、SIR推定値、SIR測定値及びフェージング周波数推定値のオフセットも同様に除去することが出来、結果的に受信特性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態による基地局受信部のブロック図である。
【図3】実施の形態による伝播路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図である。
【図4】他の実施の形態による伝播路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図である。
【図5】実施の形態によるSIR推定部のブロック図である。
【図6】実施の形態によるSIR測定部のブロック図である。
【図7】実施の形態によるフェージング周波数推定部のブロック図である。
【図8】W−CDMA上りリンクのフレームフォーマットを示す図である。
【図9】従来の伝播路推定部及びパイロット同期検波部のブロック図である。
【符号の説明】
17 AGC(Auto Gain Cancel)部
20 サーチャ部
21a,21b フィンガ部
22 パイロット部逆拡散部
23 データ部逆拡散部
24 伝搬路(チャネル)推定部
25 スロット間遅延検波部
26 パイロット部同期検波部
27 データ部同期検波部
28 フィンガ合成部
31 フェージング周波数推定部
32 SIR推定部
33 SIR測定部
34 誤り訂正部
35 周波数偏差推定部
36 送信電力制御(TPC)ビット作成部

Claims (5)

  1. 複数の受信パイロット信号を平均化して得た伝搬路推定値を用いて該複数の受信パイロット信号を同期検波し、得られたパイロット部同期検波結果に基づき受信信号電力を推定する機能を備えたCDMA受信装置において、
    前記複数の受信パイロット信号の内の1の受信パイロット信号についての同期検波に際して用いる前記伝搬路推定値から少なくとも該1の受信パイロット信号の成分を除去したものを用いて同期検波を行うことを特徴とするCDMA受信装置。
  2. 伝搬路推定値は、検波される前記1の受信パイロット信号を除いた前後M個の受信パイロット信号を重み付け加算して得られることを特徴とする請求項1記載のCDMA受信装置。
  3. 複数のパイロット部同期検波結果につき、スロット内平均値の2乗を分散値で除算することによりSIR推定値を求めるSIR推定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のCDMA受信装置。
  4. 複数のパイロット部同期検波結果につき、平均値の2乗をAGCキャンセルしたものをS測定値、分散値を前記平均値の2乗で除算し、かつAGCキャンセルしたものをI測定値とすると共に、前記S測定値をI測定値で除算してSIR測定値を求めるSIR測定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のCDMA受信装置。
  5. 複数の受信パイロット信号の平均値を遅延検波してから最大比合成及び時間平均することにより得られた時間相関値を、複数のパイロット部同期検波結果に基づき求めた受信信号電力推定値により規格化し、フェージング周波数を推定するフェージング周波数推定手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のCDMA受信装置。
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