JP4291566B2 - 複合コア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電源回路(電気回路)に用いられるチョークコイルやトランス等のコアに用いて好適な、低損失でかつ高い飽和磁束密度を有する複合コアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フェライトと称される酸化物磁性材料は、硬質磁性材料と軟質磁性材料に分けられる。前者のBaフェライト、Srフェライト等に代表される硬質磁性材料は、保磁力が高く、主として永久磁石等に用いられている。一方、後者のMn-ZnフェライトやNi-Znフェライト等に代表される軟質磁性材料は、わずかな磁界に対しても磁化されやすい(すなわち透磁率が高い)、保磁力が小さい、電気抵抗が高く高周波領域での渦電流損失が少ない等の特徴を有するものである。そのため、家庭用電気機器はもちろんのこと、電源機器、通信機器、計測制御機器、磁気記録さらにはコンピュータなど多方面にわたって用いられている。
【0003】
このような高い透磁率を示す軟質磁性材料としては、上記の酸化物磁性材料(フェライト)以外に、Fe−Ni系合金、Fe−Si−Al合金およびFe−Si合金のような金属系の軟磁性材料を挙げることができる。これらの金属系軟磁性材料は、飽和磁束密度が高いという特徴を有する反面、電気抵抗が低いため、高周波帯域で使用する際には渦電流に起因する磁気損失が大きくなり、高周披帯域まで低損失を維持することができないという欠点がある。
【0004】
近年、電子機器の電源部分に供給される電力も大きくなり、大電流化が進んでいる。そのため、電源等に用いられる磁心材料は、飽和磁束密度の高いものが望ましい。さらに、大電流化とともに、電子機器の小型化・高密度化への要請も強く、使用周波数の高周波化が進んでいる。そのため、例えば、100kHz以上の高周波数帯では、上記金属磁性材料では渦電流損による発熱が大きくなり、その使用はほとんど不可能である。このような理由から、高周波域で用いられる電源回路などの磁芯材料には、Mn-Znフェライト等の酸化物磁性材料が主に用いられている。
【0005】
さて、電源回路に用いられるトランス、チョークコイル等のフェライト磁心の形状には、E型やI型などがあり、E型どうしあるいはE型とI型を「日」の字型に組み合わせて閉磁路を形成するのが一般的である。そして、外側に巻線が施された樹脂製のケース(ボビン)をEコアの中央部分である中脚に嵌め込んでから、別のEコアあるいはIコアと組み合わせてトランスにする。
【0006】
なお、上記磁心はその形状により、Eコアどうしを組み合わせたEE型、EコアとIコアを組み合わせたEI型(ともに中脚が角型)、中脚が円柱形のEER型、外脚の形状が異なるRM型、EP型などにさらに分類されている。
【0007】
さて、ボビン外側の巻線に電流が流されると磁界が発生し、コアを構成する磁性材料は、この磁界によって磁化されて磁束が生じる。この時の単位面積あたりの磁束を磁束密度と称している。コア内に発生した磁束は、中脚部分を通り、Eコアの二本の外脚に分かれて流れ、一方のEコアあるいはIコアを伝って、再び中脚に合流する。
【0008】
また、ボビン外側の巻線に流す電流を増やして行くと、最初はほぼ一定の割合で磁化が進行(透磁率一定)するが、ある値以上の電流になると、それ以上、磁界(電流)を増やしても磁化されない飽和値が存在し、この時の磁束密度を飽和磁束密度と呼んでいる。この飽和磁束密度は、コアを構成する磁性材料によって決まり、酸化物磁性材料のように、透磁率が比較的高く飽和磁束密度が小さい材料では、小さい磁界(電流)で磁気飽和に達してしまう。
【0009】
その他に磁気飽和に関係する特性として、直流重畳特性がある。この直流重畳特性は、コアに施した巻線に直流電流を流して直流バイアス磁界をコアに加えた上で測定された透磁率の直流電流依存性を示すものである。この直流重畳特性は、コアの磁化曲線を反映するもので、電流が増えるとともに、磁化が直線状に増加する透磁率一定の領域から透磁率が減少し始める領域に移行する時の電流値が高いほどが良いとされている。すなわち、直流重畳特性が優れたコアは、それだけ大きい電流をコアに流すことができる。
【0010】
上述したように、酸化物磁性材料であるMn-Znフェライトは、飽和磁束密度が低く、その値は金属系軟磁性材料のそれと比べると半分以下であり、小さい電流でもすぐに磁気飽和する。そこで、これを回避するために、E型コアの中脚の重ね合わせ部分にすき間(ギャップ)を設けて透磁率を下げ、比較的大きな電流に対しても磁気飽和が起こらないような工夫がなされている。
【0011】
しかしながらこの方法は、ギャップを設けることにより磁束が磁心外部に漏れ出して、巻線の銅線表面に渦電流を発生させ、損失を大きくするという問題がある。また、この技術は、磁気飽和する電流値を大きくすることはできても、飽和磁束密度自体を大きくすることはできないという根本的な欠点があり、磁気飽和を防止するためには、磁心の断面積を大きくせざるを得ないという問題があった。
【0012】
これらの問題に対する対策としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。この技術は、フェライトからなる日型磁心の中脚部分を、ギャップを設ける代わりに軟磁性金属粉末磁心で構成することにより、漏れ磁束による渦電流損失を低減し、また磁心全体としての飽和磁束密度を上昇し、直流重畳特性を向上させている。しかし、上記特許文献1のコアは、低損失であるという観点からは、トランスとしては不十分であり、また、直流重畳特性も、低いバイアス磁界に対しては高透磁率であるものの、バイアス磁界の増加にともない、透磁率が急激に減少してしまうという特性でしかなかった。
【0013】
さらに、Mn-Znフェライトの場合、飽和磁束密度は、温度の上昇とともに急激に低下するため、金属系軟磁性材料の飽和磁束密度との差が大きくなり、磁気飽和を起こす電流値はさらに小さくなる。そのため、高い周波数での磁気損失が重視される用途にはMn-Znフェライトを選択し、一方、高い飽和磁束密度を必要とする用途には、金属系磁性材料を選択するという使い分けをせざるを得ないという問題もあった。
【0014】
【特許文献1】
特開2002-57039号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が抱える上記の問題点を解決するために開発されたものであって、その目的は、50kHz以上の周波数領域でも金属系軟磁性材料単体からなるコアより低損失で、かつフェライト単体からなるコアより高い飽和磁束密度を有する複合コアを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記課題を達成するために、フェライトと金属系磁性材料とを組み合わせた複合コアとすることにより、フェライト単体のコアより高い飽和磁束密度を有し、かつ金属系磁性材料単体よりなるコアより低損失なコアを得る技術について鋭意検討を行った。その結果、先に述べた形状のコアにおいて、磁束が流れる径路(磁路)のうちの一部を、フェライトと金属系軟磁性材料とが並存する構成とし、かつその並存部分を構成するフェライトにギャップを設けることにより上記課題を実現できることを見いだした。
【0017】
上記知見に基づき開発された本発明の要旨構成は、フェライトと金属系軟磁性材料とで閉磁路を形成する複合コアであって、上記閉磁路の磁路長の99%以上をフェライトで構成すると共に、残部のフェライトのギャップ部分にはフェライト断面積の80%以下の大きさの金属系軟磁性材料を配置したことを特徴とする複合コアである。
【0018】
なお、本発明の複合コアにおいては、前記閉磁路の磁路長のギャップ部分を除く部分に、フェライトと金属系軟磁性材料とが並存する部分を設けたものであることが好ましく、上記並存する部分は、Eコアの中脚部分であることが好ましい。
【0019】
また、上記複合コアを構成する金属系軟磁性材料の実効透磁率は、フェライトの実効透磁率よりも低く、かつ金属系磁性材料の飽和磁束密度はフェライトの飽和磁束密度よりも高いことが好ましい。
【0020】
さらに、複合コアに設けられたギャップの長さは、フェライト部分の実効透磁率が金属系磁性材料の実効透磁率と等しくなるよう調整したものであることが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る複合コアの構成について説明する。
先述したように、電源回路等に用いられるフェライト磁心の形状は、その用途および要求特性によって多くの種類に分けられるが、その代表的な例として、ERコアの外観を図1(a)に、また、ERコアを組み合わせて日型の閉磁路を形成したコアの側面を図1(b)に示した。なお、図1(b)中には、中脚の中心から片方の外脚の中心を通る磁路を太い点線で示したが、この磁路の長さを磁路長と称している。実際には、反対の外脚部分にも磁束が流れ、中脚を流れる磁束は、それぞれの外脚を流れる磁束の和となる。
【0022】
本発明では、この磁路長に沿う99%以上の長さに相当する部分が、フェライト単体およびフェライトと金属軟磁性材料の並存する部分にて構成され、残りの1%未満の部分にはギャップは設けられ、少なくともこのギャップの部分は金属系軟磁性材料のみで構成されている。その一例を図1(c)に示した。この図では、中脚の中心部に斜線で示した部分が金属系磁性材料であり、それ以外はフェライトである。中脚の断面で見るならば、中心に金属系磁性材料があり、外側をフェライトが取り囲んだ構成となっている。
【0023】
上記の如き構成とすることにより、本発明の複合コアは、磁界が小さい即ち電流値が小さいときには、磁束は透磁率の高いフェライト部分を優先的に流れるため、高周波においても金属系磁性材料の部分で発生する渦電流損失を低く抑えることができ、また、磁界の増加にともない磁束が金属系磁性材料にも流れるようになっても、金属系磁性材料単体コアの場合と比べて渦電流損失を格段に小さくすることができる。
【0024】
しかし、複合コアを構成する金属系磁性材料が、フェライトより高い実効透磁率を持つ場合には、複合コアとしたときに、磁束が金属材料を優先的に通るため、高周波においては渦電流損失が大きくなる。また、この金属系軟磁性材料の飽和磁束密度がフェライトより低い場合は、複合化によりフェライトより高い飽和磁束密度が得られない。ゆえに、金属系磁性材料単体の実効透磁率は、フェライトの実効透磁率よりも低く、かつ、金属磁性材料の単体の飽和磁束密度は、フェライトの飽和磁束密度よりも高いことが必要である。
【0025】
また、このような構成からなる複合コアにおいて、Eコア等の重ね合わせ部分にギャップが無い場合の磁化特性は、フェライトが先に磁気飽和し、その後、透磁率が低く飽和磁束密度が高い金属系軟磁性材料がより高い磁界で飽和に近づくことになるため、磁化曲線は2段階で増加する。そのため、優れた直流重畳特性が得られない。そこで、フェライト部分の透磁率が複合コアに用いている金属系磁性材料単体の透磁率と同等となるように、フェライトからなるEコア等の重ね合わせ部分にギャップを設けることが必要となる。このようにすることにより、複合コアの磁化曲線は、単調に増加して飽和するという単一材料からなるコアのような形となり、しかも、透磁率がほぼ一定の範囲が高い電流値まで伸び、飽和磁束密度もフェライトのそれより大きい値となるため、直流重畳特性が改善されることになる。
【0026】
なお、フェライトの実効透磁率は、一般に、3000〜8000程度であり、一方、金属系軟磁性材料のそれは、例えば鉄の圧粉体で50〜600程度であり、両者の間には大きな開きがある。しかし、この場合でも、フェライトコア部分の透磁率を金属系磁性材料のそれと同じ値とするのに必要なギャップの長さは、コア全体の磁路長の1%未満に過ぎない。そのため、ギャップ部分に相当する磁路においては、磁束は、主に連続している金属系軟磁性材料部分を通ることになるが、この部分の磁路長に占める割合は1%未満と僅かであるので、損失には大きく影響しない。
【0027】
この金属系磁性材料の長さおよび断面積は、所望の飽和磁束密度あるいは損失により決定する。なお、金属系磁性材料の占める部分は、中脚のみに限らず、外脚であっても、全磁路長にわたっていてもかまわないが、フェライト材のギャップの部分を占めることは必須である。しかし、生産上の観点からも、中脚部分にあるのが望ましい。また、中脚中心部に金属系磁性材料を配置する場合、フェライト材に流れる磁束密度と、コアの加工性とを考慮し、中脚の80%以下の断面積とすることが望ましい。
【0028】
次に、本発明に係る複合コアの作製方法について説明する。
フェライトコアは、所望の形状の金型を用いて直接成形するか、あるいは近い形状の汎用形状の金型で成形後、その成形体を加工して所望の形状とした後、焼成する。コアの形状や大きさによっては、焼成してから加工してもよい。一方、金属系磁性材料で作られる部分は、中脚部分に組み込むことを前提にするならば、EE(EI)型複合コアの場合は直方体、ER型複合コアの場合は円柱体とするのが好ましく、比較的単純な形状で構わない。図1(d)に、円柱体の金属系磁性材料を組み込んだER型複合コアの例を示した。
【0029】
EE型あるいはER型以外の形状としては、トロイダル形状がある。この場合には、フェライト、金属系磁性材料ともに同形状のトロイダルリングを作製し、重ね合わせて複合コアとする。ただし、この場合は、両材料の透磁率を合わせるために、フェライトのトロイダルリングの一部にギャップに相当する切れ目を入れることが必要である。
【0030】
フェライト部分に設けるギャップの長さは、フェライト単体の実効透磁率の値から、下記(1)式を用いて、金属系軟磁性材料の実効透磁率に合わせることができる。
μ0μ2=μ0/(1/μ1+l0/l1) ……(1)
ここで、μ0:真空の透磁率
μ1:ギャップが無い場合の実効透磁率
μ2:ギャップを設けたときの実効透磁率
l0:ギャップの長さ
l1:磁路長
である。なお、ギャップが大きくフェライト部分の実効透磁率が金属系磁性材料の実効透磁率を下回るようになると、磁化曲線が単調でなくなり、直流重畳特性が悪くなるだけでなく、ギャップ位置に配置された金属系磁性材料による渦電流損失が大きくなり、全体の損失が増大する。したがって、ギャップの長さは、磁路長の1%未満とし、残部の99%以上の長さに相当する部分は、フェライトおよびフェライトと金属軟磁性材が並存す部分からなる構成とすることが必要である。
【0031】
金属系軟磁性材料としては、鉄、センダスト、パーマロイなどを所望の形状に成形して焼結するかあるいはその焼結体を切削加工して用いることができる。また、透磁率がフェライトより高い材料については、その粉末を、無機または有機結合材と混合して、圧縮成形あるいは射出成形して所望の形状として用いることができる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)
Mn-Znフェライトの粉砕粉を、EER40の金型で加圧成形した後、中脚の部分の長さ方向に、直径8mmφ×深さ10mmの穴を加工機により形成し、酸素分圧を制御した窒素・空気混合ガス雰囲気中で1330℃×3時間の焼成を行ない、一対のEERコア焼結体を得た。なお、焼結による収縮により、上記の形成した穴は、直径約6.6mmφ×長さ8mmとなった。その後、このEERコアを対にして日型としたときに、中脚間のギャップが0.6mmとなるよう研削加工を行った。また、0.1mass%のシリコン系樹脂を混合した鉄粉を加圧成形し、直径6.6mmφ×長さ16mmの円柱体の成形体を得た。そして、上記フェライトEERコア一対の中脚空洞部に上記鉄圧粉体を挟み込む形で組み合わせ、複合コアとした(発明例)。なお、複合コアの作製に用いたMn-Znフェライトおよび鉄粉の透磁率は、それぞれ4000、185であり、またこの複合コアの磁路長は117mmであった。
【0033】
上記のようにして準備したコアの中脚に、1次側3巻・2次側3巻の巻線を施し、100℃、100kHzにて、最大磁束密度を50mTから300mTまで50mTごとに変化させて磁気損失を測定した。また、同様に中脚に、1次側20巻・2次側40巻の巻線を施し、100℃において直流BHループトレーサーで4000A/mまで磁界をかけたときの磁化曲線を求めた。同じく中脚に100巻の巻線を施し、0.4A/mの磁界に対する透磁率を、直流バイアス磁界として最大6000A/mをかけて測定し、直流重畳特性を評価した。
【0034】
また、比較試料として、上記複合コアにおいてギャップを設けないコア(比較例1)とギャップを1.2mmとしたコア(比較例2)を上記と同様の方法により作製し、上記と同様の評価を行った。また、上記複合コアに用いたMn-Znフェライトおよび鉄粉それぞれ単体で、外径30mm、内径20mm、厚み8mmのトロイダルコアを作製し(各々比較例3,4とする)、磁気損失、磁化曲線および直流重畳特性を評価した。
【0035】
上記測定の結果を、磁気損失の最大磁束密度依存性を図2に、磁化曲線を図3に、直流重畳特性を図4に示した。これらの図から、本発明例の複合コアは、フェライト単体コア(比較例3)と比べると、磁気損失においてやや劣っている(図2)ものの、飽和磁束密度は480mTまで向上している(図3)。また、鉄の圧粉体と組み合わせても、ギャップを設けないコア(比較例1)の場合は、直流重畳特性が2段階で変化し(図4)、またギャップが大きいコア(比較例2)の場合は、損失がさらに増加しており(図2)、直流重畳特性においても有意差が見られない(図4)。さらに、鉄の圧粉体単体コア(比較例4)では、飽和磁束密度は高いものの(図3)、損失が非常に大きく(図2)、直流重畳特性においても有意差が見られない(図4)。
【0036】
(実施例2)
実施例1で用いた鉄の圧粉体の替わりに、センダスト合金を同じ寸法の円柱体に切削加工し、熱処理した後に、実施例1で作製したのと同じキャップの大きさが0.6mmのフェライトコアで実施例1と同様に挟み込み、複合コアを作製した。このコアの中脚部分に、1次側3巻・2次側3巻の巻線を施し、100℃、50kHzにて、最大磁束密度を50〜350mTに変化したときの磁気損失を測定した。なお、試験に供したセンダストの透磁率は96000で、フェライトの約20倍であった。
【0037】
上記測定の結果を図5に示す。この図から、フェライトより高透磁率の金属系磁性材料を用いると、金属系磁性材料の磁気損失程度まで磁気損失が大きくなってしまうことがわかる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電源回路に用いられるトランス、チョークコイル等に供して好適な、低損失で、フェライトより高い飽和磁束密度を有する複合コアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)はERコアの外観図を、(b)はERコアを組み合わせて日型の閉磁路を形成したときのコアの側面図を、(c)は本発明の複合コアの側面図を、(d)はERコアの中脚部分に金属系磁性材料を組み込んだときの外観図を示す。
【図2】 各種EER40コアにおける最大磁束密度Tmと損失Pcvとの関係を示すグラフである。
【図3】 各種EER40コアの磁化曲線を示すグラフである。
【図4】 各種EER40コアの直流重畳特性を比較したグラフである。
【図5】 各種EER40コアにおける最大磁束密度Tmと損失Pcvとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1.EERコア
2.フェライト
3.金属系軟磁性材料
4.磁路長l1
5.ギャップl0
Claims (5)
- フェライトと金属系軟磁性材料とで閉磁路を形成する複合コアであって、上記閉磁路の磁路長の99%以上をフェライトで構成すると共に、残部のフェライトのギャップ部分にはフェライト断面積の80%以下の大きさの金属系軟磁性材料を配置したことを特徴とする複合コア。
- 前記閉磁路の磁路長のギャップ部分を除く部分に、フェライトと金属系軟磁性材料とが並存する部分を設けたことを特徴とする請求項1に記載の複合コア。
- 上記フェライトと金属系軟磁性材料が並存する部分が、Eコアの中脚部分であることを特徴とする請求項2に記載の複合コア。
- 上記複合コアを構成する金属系軟磁性材料の実効透磁率はフェライトの実効透磁率よりも低く、かつ金属系磁性材料の飽和磁束密度はフェライトの飽和磁束密度よりも高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合コア。
- 上記フェライト部分の実効透磁率が金属系磁性材料の実効透磁率と等しくなるようギャップの長さを調整したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合コア。
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