JP2004106525A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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【課題】 記録媒体上でインクの色混じりが発生せずに高精細な画像を形成することのできるインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】 インクジェット記録装置1は、帯状の記録媒体2を搬送する搬送装置3と、記録媒体2の幅方向に渡って配設されるとともに記録媒体2にカチオン重合型インクを液滴として噴出するラインヘッド21,21,…と、記録媒体2に着弾したカチオン重合型インクを紫外線照射するUV光源22,22,…とを備える。更に、インクジェット記録装置1は、記録媒体2の温度を検出する温度検出手段51と、記録媒体2に対して加熱又は冷却を行う温度調節手段53と、画像形成の行われる位置の周辺の湿度を検出する湿度検出手段52と、温度検出手段51による検出結果及び湿度検出手段53による検出結果に基づき温度検出手段53とを備える。
【選択図】   図2

Description

 本発明は、インクを記録媒体に液滴として噴出することで記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置に関する。
 近年、インクジェット画像形成方式ではグラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット画像形成方式では、微細なドットを出射・制御するインクジェット画像形成方式のインクジェット記録装置と、色再現域・耐久性・出射適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせて用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
 今日のインクジェット画像形成方式の画質向上は、インクジェット記録装置、インク及び専用紙の全てが揃って初めて達成される。しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット記録装置では、記録媒体の種類が制限されてしまうことにより、記録媒体のコストアップが問題となるとともにインクジェット記録装置の応用範囲が狭くなってしまう。そこで、専用紙以外の記録媒体に対してもインクジェット画像形成方式により画像を形成する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、紫外線効果型のインクを画像形成後に紫外線(UV)で架橋させるUVインクジェット方式などである。
 中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比較して低臭気であり、速乾性・インク吸収性の無い記録媒体への画像形成ができる点で近年注目されつつあり、紫外線硬化型インク(以下、単にUVインクという。)が例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されている。
 しかしながら、これらのUVインクを用いたとしても、記録媒体の種類や作業環境に依って着弾後のドット径が大きく変化してしまい、すべての記録媒体に対して高品質で高精細な画像を形成することは不可能である。
 また、従来のUVインクは硬化することで収縮し、UVインクの収縮に伴い記録媒体も収縮するという問題点がある。特に、食品包装をはじめとする軟包装で使われる薄膜プラスチックフィルム及び粘着ラベル等はインクの硬化によって特に収縮が起こりやすく、その結果、軟包装印刷又はラベル印刷においてUVインクジェット方式が未だ実用化されていないのが現状である。
特公平5−54667号公報 特開平6−200204号公報 特表2000−504778号公報
 ところで、UVインクとしては、例えば、ラジカル重合型インクとカチオン重合型インクが知られているが、本出願人らは、カチオン重合型インク、特に、特定の組成のカチオン重合型インクを用いることにより、上述の薄膜プラスチックフィルム又は粘着ラベルにおいても、画像形成時の収縮を防止できることを見いだした。
 しかし、カチオン重合型インクの硬化特性は水(湿度)の影響を受けやすく、例えば、記録媒体にカチオン重合型インクを着弾させて画像形成する際に、カチオン重合型インクに紫外線を照射した場合でも充分に周囲の湿度の影響によってカチオン重合型インクが硬化しないという問題点がある。
 UVインクジェット記録装置がUVインクをヘッドから記録媒体に向けて吐出し、吐出されたUVインクが記録媒体上に着弾した際にUVインクが液滴の状態から記録媒体の表面に沿って広がることによって、UVインクが記録媒体の表面上にドットとして形成される。ここで、記録媒体上に高精細な画像を形成するためには、記録媒体上に多数形成されたドットの径がそれぞれのドット間で大きく異ならないことが好ましい。しかし、上述のように湿度の影響に依りカチオン重合型インクが紫外線を照射してから短時間で硬化しない場合には、それぞれのドット径が互いに異なってしまい、高精細な画像形成の観点からも湿度の影響は無視できない。
 そこで、本発明の目的は、記録媒体上でインクの色混じりが発生せずに高精細な画像を形成することのできるインクジェット記録装置を提供することである。
 以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明のように、
 前記搬送手段によって搬送される記録媒体の搬送方向と略直角となる方向に配設されたラインヘッドと、を備え、活性エネルギ線が照射されることにより硬化するインクを前記ラインヘッドから前記搬送手段で搬送される記録媒体に向かって吐出し画像形成を行うインクジェット記録装置であって、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の温度を目標設定温度範囲内に制御する温度制御機構、を備えるインクジェット記録装置を提供する。
 請求項1に記載の発明では、温度制御機構によって記録媒体を目標設定温度範囲内に制御するので、記録媒体の温度をほぼ一定の温度とすることができる。そして、記録媒体をほぼ一定の温度とすることによって、記録媒体に着弾したインクの温度を十分に硬化する温度とすることができるとともに、記録媒体の温度を活性エネルギ線の照射により悪影響を受けない温度とすることができ、記録媒体に着弾したインクは活性エネルギ線の照射により短時間で硬化する。従って、記録媒体に着弾したインクのドット径を安定させることができる。
 また、インクの種類と記録媒体の種類とが変更されない場合には、記録媒体の温度をほぼ一定の温度とすることにより、着弾したどのインクの温度もほぼ一定とすることができ、着弾したインクの硬化速度を一定とし且つ着弾したインクの粘度を一定とすることが可能となり、記録媒体に着弾したインクのドット径をより確実に安定させることができる。
 また、ラインヘッドが搬送される記録媒体の搬送方向と略直角となる方向に配設されているため、ラインヘッドを記録媒体の搬送方向と略直角となる方向に走査せずとも記録媒体に画像形成することができる。走査式のインクジェット記録装置ではインクジェットヘッドが走査している間には記録媒体の搬送を停止しなければならない(つまり、記録媒体を間欠的に搬送しなければならない)が、本発明ではラインヘッドを走査しなくても済むため、記録媒体を停止させずに連続して搬送することができる。記録媒体を連続的に搬送することで、温度制御機構によって記録媒体が部分的に集中して加熱されたり冷却されたりすることもなく、記録媒体を目標温度範囲内でほぼ一定の温度とすることができる。従って、記録媒体に着弾したインクのドット径をより確実に安定させることができる。
 以上のように、インクのドット径を安定させることができるから、記録媒体上でインクの色混じりが発生せずに高精細な画像を形成することができる。
 請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記活性エネルギ線は少なくともその一部に可視光波長領域外の波長成分、すなわち、約380〜700nmの波長域を除く波長成分を含むのが好ましい。
 請求項3に記載の発明のように、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、前記インクがカチオン重合型であることが好ましい。
 請求項3に記載の発明では、インクがカチオン重合型とされることにより、インクは硬化することで収縮せず、薄膜プラスチックフィルム及び粘着ラベルといった軟質な記録媒体に対しても画像形成時の収縮を防止できる。また、カチオン重合型インクは、硬化時における周囲の湿度の影響で充分に硬化しない場合があるが、カチオン重合型インクが活性エネルギ線の照射により硬化する際に、カチオン重合型インクが着弾する記録媒体の温度を制御することによってカチオン重合型インクに含まれるカチオン重合物質の重合反応が記録媒体の熱で促進されるから、カチオン重合型インクを充分に硬化させることができる。従って、様々な材質の記録媒体に対して高品質の画像形成が可能となる。
 請求項4に記載の発明のように、請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度制御機構は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記インクが着弾することで記録媒体に画像形成が行われ前記ラインヘッドに対向する画像形成位置又は前記画像形成位置よりも搬送方向の上流となる上流位置の少なくとも一方で、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の温度を前記目標設定温度範囲内に制御することが好ましい。
 請求項4に記載の発明では、画像形成位置又上流位置の少なくとも一方で記録媒体が目標設定温度範囲内に制御されているため、インクが記録媒体に着弾した時点でインクの温度を十分に硬化する温度とすることができる。
 記録媒体に着弾した後にインクの温度を十分に硬化する温度とする場合では、着弾してからインクの温度が変化するまでタイムラグがあるので、インクが滲む恐れがある。それに対して、本発明では着弾した時点でインクの温度を十分に硬化する温度とすることができるため、着弾したインクが滲むこともないから、異なる色のインク同士が混じることもない。
 請求項5に記載の発明のように、請求項4に記載のインクジェット記録装置において、前記温度制御手段は、前記温度制御手段は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に対して加熱を行う温度調節手段を備え、前記温度調節手段は前記上流位置に配置され、前記記録媒体が前記温度調節手段によって温度調節され熱量を受けた後に前記画像形成位置に搬送された場合に該記録媒体から失われる熱量は、該記録媒体に与えた熱量の15%以下であることが好ましい。
 ここでの熱量とは一般の定義(エネルギ量)と同義であり、温度調節手段によって記録媒体に対して与えられたエネルギ量を示す。具体的には、記録媒体の温度Tを検出し、記録媒体の比熱κと温度制御領域の記録材料の重量Mを乗算した熱容量κMを算出し、κM×Tにより求められる量である。
 請求項5に記載の発明では、当初の熱量の85%以上を持つ記録媒体にインクが着弾することになるため、インクを十分に硬化する温度とすることができる。
 請求項6に記載の発明のように、請求項4又は5に記載のインクジェット記録装置において、上流位置が印字領域の始点から該印字領域の二倍の幅までの間にあることが好ましい。このようにすれば、記録媒体から失われる熱量が、温度調節手段によって記録媒体に与えた熱量の15%以下となる。
 請求項7に記載の発明のように、請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度制御機構は、前記記録媒体の温度を検出する温度検出手段と、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に対して加熱又は冷却のうちの少なくとも一方を行う温度調節手段と、前記温度検出手段によって検出された検出温度を予め設定された設定温度と比較することにより、前記温度調節手段の制御を行う制御手段と、を備えることが好ましい。
 請求項7に記載の発明では、制御手段が温度検出手段による検出温度を設定温度を比較することにより温度調節手段を制御するので、記録媒体の温度に対応させて温度調節手段の出力を変更することができる。つまり、記録媒体の温度が目標設定温度付近であれば、温度調節手段による加熱又は冷却を弱め、目標設定温度付近からかけ離れていれば、温度調節手段による加熱又は冷却を強めることが可能となる。したがって、効率的に記録媒体の温度制御を行うことができる。
 請求項8に記載の発明のように、請求項7に記載のインクジェット記録装置において、前記温度制御機構は、前記記録媒体の周辺の湿度を検出する湿度検出手段を更に有し、前記設定温度は、前記湿度検出手段によって検出された湿度によって変化することが好ましい。
 請求項9に記載の発明のように、請求項8に記載のインクジェット記録装置において、前記設定温度は、前記湿度検出手段によって検出された湿度の増加に伴って高くなることが好ましい。
 請求項10に記載の発明のように、請求項7に記載のインクジェット記録装置において、前記設定温度を前記記録媒体の種類により変化させても良い。
 請求項11に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段は、前記記録媒体を印字領域で平面に保持するプラテンに用いる部材の前記記録媒体が当接する面の裏面に当接するようにしても良い。
 請求項12に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段は軸心回りに回転自在となって支持されるとともに発熱するヒートローラであり、前記ヒートローラは少なくとも90°の中心角にわたってその外周が前記記録媒体に当接する構成としても良い。
 請求項12に記載の発明では、発熱するヒートローラにその大きな面積にわたって記録媒体が当接するため、ヒートローラの熱が効率よく記録媒体に伝導するから、記録媒体を効率よく加熱することができる。従って、効率的に記録媒体の温度制御を行うことができる。
 請求項13に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段は板状を呈するとともに発熱するヒートプレートであり、前記ヒートプレートは前記記録媒体の搬送力の分力により前記記録媒体に当接する構成としても良い。
 請求項13に記載の発明では、記録媒体の搬送力の分力が記録媒体に対しヒートプレートを密着させるように作用するため、ヒートプレートの熱が効率よく記録媒体に伝導するから、記録媒体を効率よく加熱することができる。従って、効率的に記録媒体の温度制御を行うことができる。
 請求項14に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段はペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子と前記記録媒体を伝熱する伝熱部材を用い、前記伝熱部材は前記記録媒体の搬送力の分力により前記記録媒体と当接する構成としても良い。
 請求項14に記載の発明では、ペルチェ素子と記録媒体を伝熱する伝熱部材が搬送力の分力によって記録媒体に密着するので、ペルチェ素子と記録媒体との間で効率よく熱交換を行え、記録媒体を効率よく加熱したり、記録媒体を効率よく冷却したりすることができる。従って、効率的に記録媒体の温度制御を行うことができる。
 請求項15に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に、加熱された温風を吹き付ける温風吹出し装置であっても良い。
 請求項15に記載の発明では、加熱された温風を記録媒体に吹き付けることによって、記録媒体が熱伝達によって効率よく加熱される。従って、効率的に記録媒体の温度制御を行うことができる。
 請求項16に記載の発明のように、請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記温度調節手段は、前記記録媒体の前記ラインヘッドと対向する記録面の裏側に配置されている構成としても良い。
 請求項16に記載の発明では、前記温度調節手段が記録面の裏側に配置されているから、ラインヘッドと記録媒体の間に温度調節手段がなく、ラインヘッドを記録媒体により近づけることができる。ラインヘッドを記録媒体に近づけることで、ラインヘッドから吐出させたインクが周囲の対流などによって飛散することを防止することができる。
 請求項17に記載の発明のように、請求項1から16の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記活性エネルギ線が紫外線であっても良い。
 請求項18に記載の発明のように、請求項1から17の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記ラインヘッドから前記記録媒体に吐出される一滴のインクの量が2〜15plであることが好ましい。
 請求項19に記載の発明のように、請求項1から18の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記インクが前記記録媒体に着弾した後0.001〜2.0秒の間に前記活性エネルギ線が前記インクに照射されることが好ましい。
 請求項20に記載の発明のように、請求項1から19の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記活性エネルギ線の照射が複数の段階に分かれて行われることが好ましい。
 請求項21に記載の発明のように、請求項1から20の何れか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記活性エネルギ線は、前記インクの硬化における最高照度が0.1〜50mW/cm2となる紫外線であることが好ましい。
 本発明によれば、記録媒体をほぼ一定の温度とすることによって、記録媒体に着弾したインクの温度を十分に硬化する温度とすることができるとともに、記録媒体の温度を活性エネルギ線の照射により悪影響を受けない温度とすることができ、記録媒体に着弾したインクは活性エネルギ線の照射により短時間で硬化する。
 また、ラインヘッドを走査しなくても済むため、記録媒体を停止させずに連続して搬送することができる。記録媒体を連続的に搬送することで、記録媒体が部分的に集中して加熱されたり冷却されたりすることもなく、記録媒体を目標温度範囲内でほぼ一定の温度とすることができる。
 従って、記録媒体に着弾したインクのドット径をより確実に安定させることができる。そのため、記録媒体に着弾したインクのドット径を安定させることができる。
 以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
 図1は、本発明が適用されたインクジェット記録装置1を示した側面図である。このインクジェット記録装置1は、止まらずに連続して搬送されている記録媒体2に向けてUVインクを液滴として吐出することで記録媒体2に画像形成を行う装置であり、フィルム状であって且つ帯状である記録媒体2を搬送する搬送装置3と、搬送装置3によって搬送される記録媒体2に対して画像形成を行う画像形成部4と、を具備する。
 搬送装置3は、互いに平行になって配置された元巻きローラ6、従動ローラ7〜13及び駆動ローラ14と、これらローラ6〜14に対して平行な張力調整用ローラ15とを備える。
 元巻きローラ6はその軸心回りに回転自在となって支持されており、元巻きローラ6には記録媒体2が予め巻回されている。従動ローラ7〜13も、それぞれの軸心回りに回転自在となって支持されている。駆動ローラ14は、その軸心回りに回転自在となっており、図示しないモータ等の駆動源によって回転される。
 従動ローラ7,8,9,10,12,13は同一水平面上に配置されており、記録媒体2の搬送方向上流側から従動ローラ7、8、9、10、12、13の順に配列されている。また、元巻きローラ6、従動ローラ11及び駆動ローラ14は、従動ローラ7の下方において同一水平面上に配置されており、記録媒体2の搬送方向上流側から元巻きローラ6、従動ローラ11、駆動ローラ14の順に配列されている。
 張力調整用ローラ15はその軸心回りに回転自在となってアーム16の一端部に取り付けられている。アーム16は、ローラ6〜15の軸心に対して直角となる方向に延在している。アーム16の他端部には空気圧システム及び油圧システムといった駆動手段17が連結されており、駆動手段17によってアーム16に駆動力が付与されることによってアーム16が他端部を中心にして上下に回動される。アーム16が他端部を中心にして上下に回動されることで、張力調整用ローラ15も上下に移動するが、張力調整用ローラ15の上下の移動範囲内に元巻きローラ6、従動ローラ11及び駆動ローラ14のある水平面が含まれている。張力調整用ローラ15が元巻きローラ6、従動ローラ11及び駆動ローラ14と同一水平面に位置した場合には、元巻きローラ6と従動ローラ11の間に張力調整用ローラ15が配される。
 元巻きローラ6から導き出された記録媒体2は、ローラ7、8、15、9、10、11、12、13の順に掛けられ、駆動ローラ14に導かれている。これにより、記録媒体2の搬送される搬送経路が確立される。そして、モータ等の駆動源によって駆動ローラ14が回転することで、記録媒体2が元巻きローラ6から引き出されて、引き出された記録媒体2はローラ7→ローラ8→ローラ15→ローラ9→ローラ10→ローラ11→ローラ12→ローラ13→駆動ローラ14の順に搬送される。なお、従動ローラ9は、少なくとも90°の中心角にわたってその外周が記録媒体2に当接している。
 ここで、駆動手段17によってアーム16が上方へ回動されると張力調整用ローラ15は従動ローラ8及び従動ローラ9に近づき、これによって、記録媒体2の搬送される搬送経路が短くなる。記録媒体2の搬送される搬送経路が短くなることで、記録媒体2の緊張が緩和され、記録媒体2に作用する張力が小さくなる。一方、アーム16が回動へ回動されると張力調整用ローラ15は従動ローラ8及び従動ローラ9から遠ざかり、これによって、従動ローラ8、張力調整用ローラ15、従動ローラ9の順に結んだ経路が長くなる。記録媒体2の搬送される経路が長くなることで、記録媒体2が引張られ、記録媒体2に作用する張力が大きくなる。
 画像形成部4は、従動ローラ9と従動ローラ10との間で張られた記録媒体2の上方において記録媒体2に対向するように配置されている。画像形成部4は、複数のラインヘッド21,21,…と、複数のUV光源22,22,…と、ラインヘッド21,21,…及びUV光源22,22,…を支持する支持体23とを備える。
 ラインヘッド21は、従動ローラ9から従動ローラ10へと記録媒体2が搬送される方向に対して直交する方向つまり記録媒体2の幅方向に延在するように配設されている。ラインヘッド21の下面は従動ローラ9と従動ローラ10との間で張られた記録媒体2に指向されており、その下面には複数の吐出口が記録媒体2の幅方向に列を成して形成されている。ラインヘッド21内にはそれぞれの吐出口に対応してピエゾ素子といった吐出手段が設けられており、それぞれの吐出手段によって各吐出口からUVインクが液滴として吐出される。このようなラインヘッド21が記録媒体2の搬送方向に複数個列となって配列されるようにして支持体23に取り付けられている。一つのラインヘッド21からは数種の色(イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックを基本としており、その他にホワイト、ライトイエロー、ライトマゼンタ、ライトシアン、ライトブラック等がある。)のうちの何れかの色のUVインクが吐出される。基本的にラインヘッド21ごとに異なる色のUVインクのインク滴が吐出されるが、同じ色のUVインクが二以上のラインヘッド21から吐出されても良い。
 UV光源22は、従動ローラ9から従動ローラ10へと記録媒体2が搬送される方向においてそれぞれのラインヘッド21よりも下流側にそれぞれ配置され、支持体23に取り付けられている。つまり、記録媒体2の搬送方向においてUV光源22とラインヘッド21が交互に配置されている。UV光源22も、ラインヘッド21と同様に、記録媒体2の幅方向に延在するように配設されている。このUV光源22は、従動ローラ9から従動ローラ10へと搬送されている記録媒体2に向けて紫外線を照射するものである。UV光源22から発する光は、紫外線波長領域のみの光であっても良いし、紫外線波長領域と可視光波長領域(約380〜700nm)の光を含んでいても良い。つまり、UV光源22から発する光には、可視光波長領域外の光(例えば、紫外線波長領域の光等のインクを硬化させる光)を少なくとも含んでいれば良い。
 画像形成部4の下方にはプラテン24が画像形成部4に対向するように配置されている。このプラテン24と画像形成部4との間で記録媒体2が搬送され、プラテン24は記録媒体2を略平面状に保持するものである。プラテン24の上面にはヒートプレート53aが備わっており、ヒートプレート53aは平板状となっており記録媒体2の幅方向に渡って配設されている。そして、ヒートプレート53aの表面がプラテン24の上面を構成している。従動ローラ9から従動ローラ10へと搬送されている記録媒体2は、ヒートプレート53aの表面に当接し、ヒートプレート53aが発熱することによって加熱される。ここで、記録媒体2が搬送される搬送経路中におけるプラテン24(ヒートプレート53a)上は、ラインヘッド21,21,…に対向した画像形成位置であって、ラインヘッド21,21,…から噴出されたUVインクの液滴が記録媒体2に着弾することで記録媒体2に画像形成が行われる画像形成位置である。
 なお、画像形成位置の範囲(即ち、搬送方向最も上流側に配置されたラインヘッド21から吐出されたインクが記録媒体2に着弾する位置から、搬送方向最も上流側に配置されたラインヘッド21から吐出されたインクが記録媒体2に着弾する位置までの範囲)を印字領域と称する。搬送方向最も上流側に配置されたラインヘッド21から吐出されたインクが記録媒体2に着弾する位置を、印字領域の始点と称し、搬送方向最も上流側に配置されたラインヘッド21から吐出されたインクが記録媒体2に着弾する位置を、印字領域の終点と称する。また、記録媒体2の両面のうち、画像形成位置にある記録媒体2のラインヘッド21に向いた面を記録面と称し、その記録面の反対側を裏面と称する。
 次に、本実施形態においてインクジェット記録装置1の制御構成を図2を用いて説明する。
 インクジェット記録装置1には、図2に示すメディア温度制御機構50が備わっている。
 メディア温度制御機構50は、プラテン24上においてラインヘッド21により画像形成が行われる記録媒体2の温度を目標設定温度範囲内に制御することにより、記録媒体2に着弾したUVインクを所望温度に制御するものである。記録媒体2に着弾したUVインクが所望温度に制御されることによって、着弾したUVインクは湿度の影響を受けずに硬化する。目標設定温度範囲とは、UVインクの硬化を阻害するような雰囲気の湿度であってもUVインクが十分に硬化する温度範囲である。しかしながら樹脂材料に加熱・印字を行う際には、樹脂材料が変形・軟化する場合が懸念される為、温度範囲には上限が生じる。例えば、塩化ビニルでは60℃までとなる。
 メディア温度制御機構50は、温度検出手段51と、湿度検出手段52と、温度調節手段53と、制御手段54とを備える。温度検出手段51、湿度検出手段52及び温度調節手段53は制御手段54に接続されている。
 温度調節手段53は、画像形成位置又は画像形成位置よりも搬送経路の上流となる上流位置に設けられ、画像形成位置又は上流位置で記録媒体2に対して熱を与えることで記録媒体2を加熱するものである。また、温度調節手段53に冷却機能を持たせて、加熱により記録媒体2の温度が上がり過ぎた場合に、或いは、画像形成位置において記録媒体2の周囲の温度が高くなり過ぎた場合に、温度調節手段53によって記録媒体2の熱を放熱させて、記録媒体2を冷却しても良い。
 具体的には、温度調節手段53は、発熱することで記録媒体2に熱を与えて画像形成位置において記録媒体2を加熱するヒートプレート53a(図1に図示)である。また、温度調節手段53の他の例としては、画像形成位置よりも搬送経路の上流側に配置された従動ローラ9に発熱機能を持たせることで従動ローラ9をヒートローラとし、従動ローラ9に当接した記録媒体2に熱を与えることで記録媒体2を加熱することとしても良い。また、記録媒体2に向けて加熱された気体を温風として吹き付ける温風ファンを温度調節手段53として画像形成位置近傍に配設し、画像形成位置又は画像形成位置よりも搬送経路の上流側において記録媒体2を加熱しても良い。また、ヒータといった発熱体を温度調節手段53として画像形成位置の近傍に配設し、発熱体で発した熱が記録媒体2に伝導・伝達・輻射することによって、画像形成位置又は画像形成位置よりも搬送経路の上流側において記録媒体2を加熱することとしても良い。更には、電流が流れることで放熱部(放熱側の伝熱部材)と吸熱部(吸熱側の伝熱部材)との間で熱交換を行うペルチェ素子を温度調節手段53として画像形成位置近傍に配設し、放熱部を記録媒体2に当接させることによって、画像形成位置又は画像形成位置よりも搬送経路の上流側において記録媒体2を加熱させることとしても良い。上記温風ファン、上記ペルチェ素子及び上記発熱体を画像形成位置近傍に配設する場合としては、例えば図1に示したヒートプレート53aに対応する位置(つまり、記録媒体2の裏面と当接する位置)に配設しても良いし、ヒートプレート53aよりも更に下方の位置(つまり、記録媒体2の裏面と対向する位置)に配設しても良い。温風ファンをヒートプレート53aよりも下方の位置に配設する場合には、プラテン24に通気口を形成し、温風ファンで発生した温風を通気口を通じて記録媒体2に吹き付ける。
 温度調節手段53が冷却機能を有する場合に、例えば、ヒートポンプ等の気化熱により冷却を行うもの及びペルチェ素子の吸熱部等を温度調節手段53として用いることができ、かつ、室温程度への冷却であれば記録媒体2に対して室温程度の空気を吹き付ける冷却ファン等を温度調節手段53として用いることができる。ここで、ペルチェ素子の吸熱部を画像形成位置において記録媒体2に当接するようにペルチェ素子を設けても良い。
 以上のような温度調節手段53が、ヒートプレート53a、発熱機能のある従動ローラ9、ペルチェ素子の放熱部、ペルチェ素子の吸熱部のように記録媒体2に直接接すれば、記録媒体2と温度調節手段53との間で効率よく熱伝導するため、記録媒体2を効率よく温度調節することができる。温度調節手段53がヒートプレート53aであっても、発熱する従動ローラ9であっても、ペルチェ素子の放熱部であっても、ペルチェ素子の吸熱部であっても、記録媒体2が温度調節素子53に直接接する場合には、記録媒体2に作用する搬送力の分力によって記録媒体53が温度調節素子53に当接する。
 上述のように温度調節手段53として幾つかの例を挙げたが、画像形成位置又は画像形成位置よりも上流側において記録媒体2に対して熱を需給することによって記録媒体2を加熱・冷却できるものであれば、上記の例に限定されない。勿論、温度調節手段53によって記録媒体2を加熱することのみであっても良いし、記録媒体2を冷却することのみであっても良いし、記録媒体2の加熱及び冷却の両方をできるものとしても良い。
 温度検出手段51は、画像形成位置近傍に配置され、温度調節手段53によって熱が需給されることで温度調節された記録媒体2の温度を検出するものである。温度検出手段51は、検出した温度(以下、検出温度という。)を電気信号として制御手段54へ出力する。例えば、図1に示すように、温度検出手段51は、画像形成位置よりも上流側であって記録媒体2の画像形成面に対向するように配置された非接触型温度センサ51aであり、記録媒体2に直接接触しないで、加熱又は冷却された記録媒体2の温度を検出する。
 湿度検出手段52は、画像形成位置近傍に配置され、ラインヘッド21と記録媒体2との間における雰囲気の湿度を検出する。例えば、図1に示すように、湿度検出手段52は、記録媒体2に接触しない程度に支持体23から下方に延出するようにして支持体23に取り付けられた湿度センサ52aであり、ラインヘッド21と記録媒体2との間における雰囲気の湿度を検出する。湿度検出手段52は、検出した湿度(以下、検出湿度という。)を電気信号として制御手段54へ出力する。
 制御手段54は、基本的には、温度検出手段51で検出された検出温度を表す電気信号及び湿度検出手段52で検出された検出湿度を表す電気信号に基づき温度調節手段53を制御する装置である。制御手段54は、汎用のCPU(central processing unit)及びメモリ等からなる演算処理装置、又は、専用の論理回路を有し、CPU又は論理回路によって検出温度及び検出湿度を認識することができ、CPU又は論理回路によって温度調節手段53に対して制御信号を出力することができる。制御手段54が検出温度及び検出湿度に基づいた制御信号を温度調節手段53へ出力することで、温度調節手段53が制御信号に従って加熱動作、冷却動作、加熱動作の停止、冷却動作の停止、加熱エネルギーの増減、冷却エネルギーの増減を行える。
 ここで、このインクジェット記録装置1に使用されるUVインクについて説明する。このUVインクは、カチオン重合型のものであり、UV照射により重合して硬化するカチオン重合性化合物と、このカチオン重合性化合物の重合反応をUV照射により開始させるためのカチオン重合性光開始剤(光酸発生剤)と、インキとしての色をだすための色材とを少なくとも含むものである。カチオン重合型のUVインクは湿度及び温度の影響を受けやすく、湿度が高くなるにつれて硬化しにくくなるとともに温度が高くなるにつれて硬化しやすくなるという硬化特性を持ったものが多い。また、UVインクには、カチオン重合型の光硬化樹脂で用いられる公知の各種添加剤のうちの少なくとも一部を添加するものとしても良い。
 また、この例では、UVインクとしたが、必ずしも、紫外線により硬化が開始されるものだけではなく、紫外線以外の光(例えば、赤外線及び可視光)の照射によって重合を開始させるカチオン重合性光開始剤を用いるものとしても良い。近年では電子線重合型のインクの開発も進められており、活性エネルギ線として電子線を適用することとしても良い。つまり、本発明における活性エネルギ線とは、可視光、紫外線及び赤外線といった広義の光並びにX線等を含む電磁波だけでなく、電子線等も含む意である。本実施形態では、活性エネルギ線として紫外線を用いた場合を例として説明する。
 カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。例えば、特開平6−9714、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
 芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
 脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
 脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
 これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本実施形態では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
 ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
 これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。また、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
 本実施形態で用いられるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
 オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、又組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本実施形態で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
 オキセタン環を有する化合物の製造方法は特に限定されず、従来知られた方法に従えばよい。上記製造方法は、例えばパティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。又、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する、1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。
 本実施形態においては、UVインクが収縮することに伴って記録媒体の収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
 カチオン重合性光開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストやカチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。好適な化合物の例を以下に挙げる。
 第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4-,PF6-,AsF6-,SbF6-,CF3SO3-塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつものは酸発生能力が高く好ましい。
 第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。
 第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物を上げることができる。
 第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
 本実施形態で使用されるインクは、特開平8−248561、特開平9−034106をはじめてとし、既に公知となっている活性エネルギ線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、さらなる吐出安定性向上を可能とする。
 本実施形態で使用されるインクでは、対イオンとしてアリールボレート化合物を有するジアゾニウム、ヨードニウム又はスルホニウムの芳香族オニウム化合物、鉄アレン錯体から選ばれる少なくとも1種の光酸発生剤が含有されることが好ましい。
 上述の色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用することができるが、耐候性の点でから顔料が好ましい。
 本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
 C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
 C.I Pigment Orange−16、36、38、
 C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
 C.I Pigment Violet−19、23、
 C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
 C.I Pigment Green−7、36、
 C.I Pigment White−6、18、21、
 C.I Pigment Black−7、
 また、本実施形態において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白いUVインクを用いることが好ましい。特に、軟包装画像形成、ラベル画像形成においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、前述した吐出安定性、記録媒体2のカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
 上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。
 また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線重合型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
 顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
 本実施形態で使用されるインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
 本実施形態で使用されるインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。この他にも、必要に応じて、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
 記録媒体2に対する密着性を改善するため、極微量の有機溶剤をUVインクに添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOC(揮発性有機化合物)の問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5%の範囲であり、好ましくは0.1〜3%である。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
 上述のようなUVインクをインクジェット記録方式により記録媒体2上に吐出し、次いで記録媒体2に着弾したUVインクに対して紫外線(活性エネルギ線)を照射してUVインクを硬化させることになる。
 ここで、インクが着弾し、紫外線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることが好ましい。スクリーン画像形成分野では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録媒体Rが薄いプラスチック材料であることが多い軟包装画像形成分野では、前述した記録媒体Rのカール・しわの問題でだけでなく、画像形成物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため使えない。
 また、本実施形態では、吐出する一滴のUVインクの量が2〜15plであることが好ましい。高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなり、酸増殖剤が必須となる。
 本実施形態においては、発生光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に紫外線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
 また、紫外線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に紫外線を照射し、かつ、更にもう一度紫外線を照射する方法も好ましい態様の1つである。紫外線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録媒体2の収縮をより抑えることが可能となる。なお、紫外線照射を3段階以上に分けても良い。
 本実施形態では、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いることが好ましい。従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がることによる滲みを抑制するために、硬化に有効な波長域における最高照度が50mW/cm2を超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、記録媒体2の収縮が大きく、特に記録媒体2としてシュリンクラベルを用いた場合には収縮が非常に大きい。そのため、最高照度が50mW/cm2を越えた紫外線を実質上使用できないのが現状であった。本実施形態では、酸増殖剤を用いることで、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いても、高精細な画像を形成できるとともに記録媒体2の収縮もない。
 また、硬化に有効な波長域における最高照度が50〜3000mW/cm2の紫外線を用いることも有効である。
 紫外線照射で用いるUV光源22の例としては、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LED高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプをなどがあるが、これらに限定されない。
 次に、本実施形態で用いられる記録媒体2について説明する。記録媒体2としては、通常の非コート紙、コート紙の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(延伸ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリアセタール、PVA(ポロビニルアルコール)、ゴム類などを使用することができる。
 また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの種類の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの種類の記録媒体2は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
 本実施形態では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録媒体Rに良好な高精細な画像を形成できる。
 本実施形態では、包装の費用や生産コスト等の記録媒体2のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺な記録媒体2を使用する方が有利である。
 次に、インクジェット記録装置1の動作について説明する。
 インクジェット記録装置1においては、インクカートリッジ、記録媒体2等をセットし、電源を投入することにより、画像形成可能な状態となる。
 そして、インクジェット記録装置1は画像形成動作を行う。つまり、インクジェット記録装置1によって記録媒体2に対して画像形成が行われている間は、駆動ローラ14が回転しているとともに、UV光源22,22,…は紫外線を照射している。記録媒体2が駆動ローラ14に巻回されていくことで、記録媒体2が元巻きローラ6から駆動ローラ14へと搬送される。この間にラインヘッド21,21,…が適宜各吐出口からUVインクを液滴として噴出し、UVインクの液滴がヒートプレート53a上において記録媒体2に着弾する。着弾したUVインクの液滴はUV光源22から発した紫外線に照射されることで硬化し、これにより記録媒体2に画像が形成される。
 そして、画像形成が行われている間に、制御手段54は、記録媒体2の温度が目標設定温度範囲内になるように温度調節手段53を制御する。目標設定温度範囲内とは、画像形成位置における湿度であっても十分にUVインクが硬化する温度範囲である。ここで、目標設定温度範囲の上限を上閾値温度とし、目標設定温度範囲の下限を下閾値温度として、制御手段54による制御の一例を以下で説明する。
 制御手段54は、温度検出手段51から入力した検出温度が目標設定温度範囲に含まれているか否かを判断する。そして、検出温度が上閾値温度より高くなった場合に、制御手段54は、温度調節手段53が記録媒体2を加熱しているとき又は温度調節手段53が加熱も冷却も行っていないときには温度調節手段53に冷却動作させたり、温度調節手段53が記録媒体2を加熱しているときには温度調節手段53による加熱を停止したり、温度調節手段53が記録媒体2を加熱しているときには温度調節手段53による加熱のエネルギーを下げたり、温度調節手段53が記録媒体2を冷却しているときには温度調節手段53による冷却エネルギーを上げたりする。一方、検出温度が下閾値温度より低くなった場合に、制御手段54は、温度調節手段53が記録媒体2を冷却しているとき又は温度調節手段53が加熱も冷却も行っていないときには温度調節手段53に加熱動作させたり、温度調節手段53が記録媒体2を冷却しているときには温度調節手段53による冷却を停止したり、温度調節手段53が記録媒体2を冷却しているときには温度調節手段53による冷却のエネルギーを下げたり、温度調節手段53が記録媒体2を加熱しているときには温度調節手段53による加熱エネルギーを上げたりする。また、検出温度が下閾値温度以上上閾値温度以下である場合には、制御手段4は、温度調節手段53の加熱又は冷却の状態を保持するように温度調節手段53を制御する。なお、制御手段54は、目標設定温度範囲(上閾値温度及び下閾値温度)を記録媒体2の種類毎に記憶し、記録媒体2の種類により目標設定温度範囲を変化させる構成となっていても良い。
 制御手段54は、以上のような温度制御を行っている間に並列して、検出湿度に基づいて目標設定温度範囲を調節する制御を行う。制御手段54は、検出湿度が或る閾値湿度よりも高いか否かを判断する処理を行い、検出湿度が或る閾値湿度よりも高い場合には目標設定温度範囲の上閾値温度及び下閾値温度を高くし、検出湿度がある閾値湿度以下の場合には目標設定温度範囲の上閾値温度及び下閾値温度を低くする。制御手段54は、このように上閾値温度及び下閾値温度を調節した上で、上述したように記録媒体2の温度が目標設定温度範囲内になるように温度調節手段53を制御する。ここで、閾値湿度として、幾つかの値が制御手段54に設定され又は記憶されていても良い。
 なお、目標設定温度範囲を調節する制御として、以下のような処理を行っても良い。ここで、制御手段54のメモリ等には、図3に示すようなデータテーブルが予め記憶されている。データテーブルでは、湿度の項目に対して上閾値温度の項目と下閾値温度の項目が対応づけられている。図3において、湿度a1<湿度a2<湿度a3<湿度a4<湿度a5(a1〜a5は互いに重ならない範囲で幅を持っている。例えば、0%≦湿度a1<20%、20%≦湿度a2<40%、40%≦湿度a3<60%、60%≦湿度a4<80%、80%≦湿度a5≦100%)であれば、上閾値温度b1≦上閾値温度b2≦上閾値温度b3≦上閾値温度b4≦上閾値温度b5(b1〜b5は定数であり)、下閾値温度c1≦下閾値温度c2≦下閾値温度c3≦下閾値温度c4≦下閾値温度c5(c1〜c5は定数であり)である。
 そして、制御手段54は、検出湿度を図3に示された湿度の項目のうちの何れに該当するかを判定する。そして、制御手段54は、該当した湿度の項目に対応する上閾値温度及び下閾値温度に設定した上で、上述したように記録媒体2の温度が目標設定温度範囲内になるように温度調節手段53を制御する。
 例えば、制御手段54が検出湿度を湿度a1に該当したと判断したら、上閾値温度をb1に設定するとともに、下閾値温度をc1に設定し、検出温度が下閾値温度c1から上閾値温度b1の範囲にある否かを判定する。制御手段54は、その判定の結果に基づき上述したように温度調節手段53を制御する。
 以上のように本実施形態によれば、メディア温度制御機構50によって、記録媒体2の温度を目標設定温度範囲内に制御することができるため、記録媒体2をほぼ一定の温度とすることができる。記録媒体2の温度を一定の温度とすることで、着弾したUVインクを記録媒体2の温度に基づいて一定の粘度とすることができ、これにより、画像形成品質の向上を図ることができる。この場合、記録媒体2の温度が常にほぼ一定となっているため、この記録媒体2に付着したUVインクが低粘性の状態から高粘性の状態になって硬化するまでの時間は、常に安定する。従って、記録媒体2上でのUVインクの液滴径は常に安定したものとなる。
 更に、高湿度下でも充分にUVインクが硬化する温度となるようにメディア温度制御機構50によって制御された記録媒体2上に着弾することにより、着弾したUVインクが記録媒体2によって活性化されるから、UVインクが確実に硬化する。また、高湿度下でも記録媒体2上に着弾した全てのUVインクの液滴が、紫外線の照射及び記録媒体2の温度によりほぼ同様の条件で確実に硬化することになる。以上のことから、記録媒体2へのUVインクの付着性、滲み性が常に安定するとともに、UVインクのドット径が安定し、かつ、色混じりの無いものとなる。
 また、周囲の湿度に従ってUVインクの硬化特性が定まり、特に十分にUVインクが硬化する温度が周辺の湿度に影響するが、本実施形態では検出湿度に応じて目標設定温度範囲が調節される。従って、湿度が変化した場合でも記録媒体2に着弾したUVインクは最適な硬化速度で硬化する。つまり、周囲の湿度に起因して画像形成品質が劣化することが無くなり、高品質な画像を形成することができる。
 また、画像形成部4でインクを液滴として噴出するものがラインヘッド21であるため、記録媒体2を停止させずに連続して搬送させても、記録媒体2に画像形成を行うことができる。記録媒体2を連続的に搬送することで、温度調節手段53(例えば、従動ローラ9やヒートプレート53a)によって記録媒体2が部分的に集中して加熱されたり冷却されたりすることもなく、記録媒体2を目標温度範囲内でほぼ一定の温度とすることができる。従って、記録媒体2に着弾したインクのドット径をより確実に安定させることができる。
 また、本実施形態で用いられるUVインクはカチオン重合型であり、カチオン重合型インクは硬化することで収縮しないから、記録媒体2が軟質なものであっても硬質なものであってもUVインクの硬化時において記録媒体2が収縮することを防止することができる。
 なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
 例えば、温度調節手段53は、画像形成位置及び画像形成位置よりも搬送経路の上流となる上流位置の両方に設けられていても良いし(例えば、ヒートローラである従動ローラ9とヒートプレート53aとを併用する。)、画像形成位置のみに設けられていても良いし(例えば、ヒートプレート53aのみを用いる。)、上流位置のみに設けられていても良い(例えば、ヒートローラである従動ローラ9のみを用いる。)。画像形成位置よりも上流となる上流位置のみに温度調節手段53を設置する場合には、印字領域(つまり、画像形成位置の範囲)の始点から、印字領域の長さ(印字領域の始点から終点までの長さ)の二倍となる距離までの間に、温度調節手段53を設置すると良い。例えば、ヒートローラである従動ローラ9のみを用いる場合には、搬送方向最上流に位置するラインヘッド21により吐出されたインクが着弾する位置から従動ローラ9までの距離を、印字領域の始点から終点までの長さの二倍以内にするのことが好ましい。このようにすることによって、従動ローラ9によって熱量を受けた記録媒体2が搬送された印字領域の始点にまで搬送された時には、記録媒体2から失われる熱量は、その従動ローラ9によって受けた熱量の15%以下となる。ここで、温度調節手段53を画像形成位置よりも搬送経路の上流側に設けた場合に、温度調節手段53から印字領域の始点までの搬送経路に沿った長さを変えていったときの記録媒体2の熱量を図4に示す。図4において、上流位置にある温度調節手段53によって記録媒体2に受容された熱量を100%とした場合に、画像形成位置における記録媒体2に保持された熱量の比率と、上流位置から画像形成位置までに搬送される際に損失した熱量の比率と、インクが硬化した否か(○が硬化を表し、×が未硬化を表し、△が少し不完全だが硬化したことを表す。)を示す。図4からわかるように、記録媒体2から失われる熱量の比率が16%である場合には、インクが硬化しないが、記録媒体2から失われる熱量の比率が13%であると、インクが多少硬化する。そして、記録媒体2から失われる熱量の比率が10%以下となると、インクが完全に硬化することがわかる。
本発明が適用されたインクジェット記録装置を示した側面図である。 図1に示されたインクジェット記録装置に備わる温度制御機構を示した機能ブロック図である。 上記温度制御機構による制御に用いられるデータテーブルの一例を示した図面である。 記録媒体に受容された熱量を100%とした場合に、記録媒体が搬送される際に記録媒体から損失した熱量の比率と、インク硬化との関係を示した図面である。
符号の説明
  1 … インクジェット記録装置
  2 … 記録媒体
  3 … 搬送装置(搬送手段)
 50 … メディア温度制御機構(温度制御機構)
 51 … 温度検出手段
 51a … 非接触型温度センサ(温度検出手段)
 52 … 湿度検出手段
 52a … 湿度センサ
 53 … 温度調節手段
 53a … ヒートプレート(温度調節手段)
 54 … 制御手段

Claims (21)

  1.  記録媒体を搬送する搬送手段と、
     前記搬送手段によって搬送される記録媒体の搬送方向と略直角となる方向に配設されたラインヘッドと、を備え、
     活性エネルギ線が照射されることにより硬化するインクを前記ラインヘッドから前記搬送手段で搬送される記録媒体に向かって吐出し画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
     前記搬送手段によって搬送される記録媒体の温度を目標設定温度範囲内に制御する温度制御機構、を備えるインクジェット記録装置。
  2.  前記活性エネルギ線は少なくともその一部に可視光波長領域外の波長成分を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3.  前記インクがカチオン重合型であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4.  前記温度制御機構は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に前記インクが着弾することで記録媒体に画像形成が行われ前記ラインヘッドに対向する画像形成位置又は前記画像形成位置よりも搬送方向の上流となる上流位置の少なくとも一方で、前記搬送手段によって搬送される記録媒体の温度を前記目標設定温度範囲内に制御することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5.  前記温度制御手段は、前記搬送手段によって搬送される記録媒体に対して加熱を行う温度調節手段を備え、
     前記温度調節手段は前記上流位置に配置され、
     前記記録媒体が前記温度調節手段によって温度調節され熱量を受けた後に前記画像形成位置に搬送された場合に該記録媒体から失われる熱量は、該記録媒体に与えた熱量の15%以下であることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6.  前記上流位置が、印字領域の始点から該印字領域の二倍の幅までの間にあることを特徴とする請求項4又は5に記載のインクジェット記録装置。
  7.  前記温度制御機構は、
     前記記録媒体の温度を検出する温度検出手段と、
     前記搬送手段によって搬送される記録媒体に対して加熱又は冷却のうちの少なくとも一方を行う温度調節手段と、
     前記温度検出手段によって検出された検出温度を予め設定された設定温度と比較することにより、前記温度調節手段の制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8.  前記温度制御機構は、前記記録媒体の周辺の湿度を検出する湿度検出手段を更に有し、
     前記設定温度は、前記湿度検出手段によって検出された湿度によって変化することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9.  前記設定温度は、前記湿度検出手段によって検出された湿度の増加に伴って高くなることを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10.  前記設定温度は、前記記録媒体の種類により変化させたことを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  11.  前記温度調節手段は、前記記録媒体を印字領域で平面に保持するプラテンに用いる部材の前記記録媒体が当接する面の裏面に当接することを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  12.  前記温度調節手段は軸心回りに回転自在となって支持されるとともに発熱するヒートローラであり、
     前記ヒートローラは少なくとも90°の中心角にわたってその外周が前記記録媒体に当接することを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  13.  前記温度調節手段は板状を呈するとともに発熱するヒートプレートであり、
     前記ヒートプレートは前記記録媒体の搬送力の分力により前記記録媒体に当接することを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  14.  前記温度調節手段はペルチェ素子であり、前記ペルチェ素子と前記記録媒体を伝熱する伝熱部材を用い、前記伝熱部材は前記記録媒体の搬送力の分力により前記記録媒体と当接することを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  15.  前記温度調節手段は前記搬送手段によって搬送される記録媒体に、加熱された温風を吹き付ける温風吹出し装置であることを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  16.  前記温度調節手段は、前記記録媒体の前記ラインヘッドと対向する記録面の裏側に配置されていることを特徴とする請求項7から15の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  17.  前記活性エネルギ線が紫外線であることを特徴とする請求項1から16の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  18.  前記ラインヘッドから前記記録媒体に吐出される一滴のインクの量が2〜15plであることを特徴とする請求項1から17の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  19.  前記インクが前記記録媒体に着弾した後0.001〜2.0秒の間に前記活性エネルギ線が前記インクに照射されることを特徴とする請求項1から18の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  20.  前記活性エネルギ線の照射が複数の段階に分かれて行われることを特徴とする請求項1から19の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
  21.  前記活性エネルギ線は、前記インクの硬化における最高照度が0.1〜50mW/cm2となる紫外線であることを特徴とする請求項1から20の何れか一項に記載のインクジェット記録装置。
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