JP2004034543A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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JP2004034543A JP2002195914A JP2002195914A JP2004034543A JP 2004034543 A JP2004034543 A JP 2004034543A JP 2002195914 A JP2002195914 A JP 2002195914A JP 2002195914 A JP2002195914 A JP 2002195914A JP 2004034543 A JP2004034543 A JP 2004034543A
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Wataru Ishikawa
石川 渉
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Abstract

【課題】UVインクの安定した吐出と、安定した硬化とを可能とすることで高品質な画像形成を行うことができるインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】インクジェットプリンタは、記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有する。また、紫外線が照射されることにより硬化するカチオン硬化型のUVインクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される記録媒体の画像形成面に吐出し画像形成を行う。前記記録ヘッド内のUVインクの温度を第一の目標設定温度に制御するヘッド温度調節機構6と、前記記録ヘッドから吐出されたUVインクが着弾して画像形成が行われる記録媒体の温度を第二の目標設定温度に制御するメディア温度調節機構5とを備える。これにより、吐出される前から硬化するまで、カチオン硬化型のUVインクの温度が制御され、UVインクを安定して吐出し、かつ、高湿度下でも安定して硬化させることができる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精細な画像を多くの種類の記録媒体に安定して再現できるインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御するインクジェット記録方式の装置(インクジェットプリンタ)と、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクと、インクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせて用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
今日のインクジェット記録方式の画質向上は、インクジェットプリンタと、このインクジェットプリンタで使用されるインク及び専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットプリンタでは、記録媒体が制限されてしまうことにより、記録媒体のコストアップが問題となるとともに、インクジェットプリンタの応用範囲が狭くなってしまう。
そこで、専用紙と異なる記録媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、記録後紫外線(UV)光により架橋させるUVインクジェット方式などである。
【0004】
中でも、UVインクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号、特開平6−200204号、特表2000−504778において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
【0005】
しかしながら、これらのインクを用いたとしても、記録媒体の種類や作業環境によって、着弾後のドット径が大きく変化してしまい、すべての記録媒体に対して、高品質で高精細な画像を形成することは不可能である。
また、従来のUVインクジェット方式に用いられるインクには、記録媒体が収縮しやすいという問題点があった。特に、食品包装をはじめとする軟包装で使われる薄膜プラスチックフィルムや、粘着ラベルなどでは、特に収縮が起こりやすく、その結果、軟包装印刷やラベル印刷において、UVインクジェット方式が未だ実用化されていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、UVインク(光硬化型インク)には、例えば、ラジカル硬化型インクと、カチオン硬化型インクとが知られているが、本出願人らは、カチオン硬化型インク、特に、特定の組成のカチオン硬化型インクを用いることにより、上述の薄膜プラスチックフィルムや粘着ラベルにおいても、画像形成時の収縮を防止できることを見いだした。
しかし、カチオン硬化型インクは、水(湿度)の影響を受けやすく、例えば、記録媒体にUVインクを着弾させて画像形成する際に、周囲の湿度の影響で、紫外線を照射しても充分にUVインクが硬化しないという問題点があった。
【0007】
UVインクジェットプリンタでは、記録ヘッドから吐出したUVインクが記録媒体上に着弾した際に、液滴の状態から記録媒体の表面に沿って広がりドットを形成する。ここで、記録媒体上に高精細な画像を形成するためには、記録媒体上に多数形成された各ドットの径が、各ドット間や形成された各画像間で大きく異ならないことが好ましいが、上述のように湿度の影響などにより、UVインクが紫外線を照射してから短時間で硬化しないと、ドット径が変化してしまい、ドット径が安定しないという問題があった。
また、UVインクジェットプリンタで画像形成を行う場合には、異なる色のインクが重ねた状態や隣接した状態で、記録媒体上に着弾させられることになるが、上述のように、紫外線を照射してから短時間でUVインクが硬化しないと、異なる色のインク同士が混じり、画質に悪影響がでるといった問題があった。
【0008】
なお、カチオン硬化型インクの水の影響による問題点を解決するための提案として、特開2002−137375号公報には、印刷媒体(記録媒体)に着弾した紫外線硬化型インク(UVインク)を加熱する加熱手段を設けたインクジェットプリンタが記載されている。
上記公報によれば、記憶媒体に着弾したUVインクを加熱して、UVインクに紫外線を照射することにより多湿な状態でもUVインクが硬化することが記載されている。
【0009】
しかし、記録媒体に着弾してからUVインクを加熱するのでは、UVインクの温度が上昇するまでタイムラグがあり、かつ、記録ヘッドから吐出される際のインク温度によりタイムラグとなる時間が異なることになる。したがって、UVインクを充分に硬化させることが可能だとしても、UVインクを加熱してからUVインクが硬化するまでの時間が必ずしも一定とならず、上記公報の方法では、ドット径を安定させることができないので、高品質で高精細な画像形成を行うことが困難であった。また、上述のタイムラグが長くなった場合に、異なる色のUVインク同士が混じる可能性があった。
【0010】
本発明の課題は、多くの種類の記録媒体に対し、文字品質に優れ、色混じりの発生がなく、高精細な画像を記録することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、活性エネルギ線が照射されることにより硬化する活性エネルギ線硬化インクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される前記記録媒体に吐出し画像形成を行うインクジェットプリンタであって、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記記録ヘッドから吐出された前記活性エネルギ線硬化インクが着弾して画像形成が行われる前記記録媒体を前記活性エネルギ線硬化インクの着弾前に加熱するメディア加熱手段とを備え、前記活性エネルギ線硬化インクがカチオン硬化型であることを特徴とするインクジェットプリンタである。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、活性エネルギ線硬化インク(以下、光硬化インク(活性エネルギ線を光とした場合)、UVインク(活性エネルギ線を紫外線とした場合)もしくはカチオン硬化型インクという場合がある)がカチオン硬化型とされることにより、薄膜プラスチックフィルムや粘着ラベルにおいても、画像形成時の収縮を防止できる。
また、カチオン硬化型インクは、硬化時の周囲の湿度の影響で充分に硬化しない場合があるが、記録ヘッド内でカチオン硬化型インクを加熱するとともに、カチオン硬化型インクが着弾する記録媒体を加熱することにより、カチオン硬化型インクが活性エネルギ線の照射により硬化する際に、カチオン硬化型インクに含まれるカチオン重合物質の重合反応が促進されてカチオン硬化型インクを充分に硬化させることができる。
【0013】
さらに、記録ヘッド内でカチオン硬化型インクを加熱するとともに、記録媒体を加熱することにより、カチオン硬化型インクは、記録媒体に着弾された段階で既に加熱されて高温となっているので、安定してカチオン重合物質の重合反応が促進され、記録ヘッドから吐出される多数のカチオン硬化型インク滴の硬化時間が安定し、記録媒体上のインクのドット径を安定させることができる。
なお、記録ヘッド内でカチオン硬化型インクを加熱せずに、記録媒体だけ加熱した場合には、記録媒体へ着弾する前のカチオン硬化型インクの温度が低い可能性もあり、記録媒体にカチオン硬化型インクが着弾してから加熱されてカチオン重合物質の重合が促進される温度となるまでの時間が画像形成時によって異なる可能性があり、必ずしも充分に記録媒体上のドット径を安定させることができない。
【0014】
また、カチオン硬化型インク(活性エネルギ線硬化インク)は、インクとしては高粘度であるが加熱することにより低粘度化することが可能であり、記録ヘッド内で加熱することにより、カチオン硬化型インクを低粘度化して記録ヘッドからの吐出量を安定することができるので、これによっても記録媒体上のインクのドット径を安定化することができる。
【0015】
以上のことから、カチオン硬化型インクを用いてインクジェット記録方式で画像を形成するとともに、記録ヘッド内でカチオン硬化型インクを加熱し、かつ、記録媒体を加熱することにより、薄膜プラスチックフィルム等の柔らかい記録媒体にも、記録媒体を収縮させてシワが生じたりカールしたりすることなく、かつ、安定したドット径で画像を形成することができる。従って、様々な材質の記録媒体に対して高品質の画像形成が可能となる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、前記メディア加熱手段が、前記活性エネルギ線硬化インクの着弾以後も前記記録媒体を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタである。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、カチオン硬化型インクは、記録媒体に着弾し、活性エネルギ線を照射されてから重合性化合物が重合を開始して硬化することになるので、カチオン硬化型インクの着弾前だけではなく、着弾した後も記録媒体を加熱することにより、より安定してカチオン重合性化合物の重合反応を促進することができる。従って、より確実に請求項1に記載の発明の効果を得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、活性エネルギ線が照射されることにより硬化する活性エネルギ線硬化インクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される前記記録媒体に吐出し画像形成を行うインクジェットプリンタであって、
前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を第一の目標設定温度範囲内に制御するヘッド温度調節機構と、前記記録ヘッドから吐出された前記活性エネルギ線硬化インクが着弾して画像形成が行われる前記記録媒体の温度を第二の目標設定温度範囲内に制御するメディア温度調節機構とを備え、前記活性エネルギ線硬化インクがカチオン硬化型であることを特徴とするインクジェットプリンタである。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、カチオン硬化型インクの温度を第一の目標設定温度範囲内に制御するとともに、記録媒体を第二の目標設定温度範囲内に制御するので、第一の目標設定温度範囲を、カチオン硬化型インクのカチオン重合性化合物の重合反応が充分に促進される温度とするとともに、カチオン硬化型インクが記録ヘッドから安定して吐出される粘度となる温度とし、かつ、第二の目標設定温度範囲を、記録媒体に着弾したカチオン硬化型インクのカチオン重合性化合物の重合反応が充分に促進される温度とするとともに、記録媒体が活性エネルギ線の照射と加熱とにより悪影響を受けない温度とすることができる。
また、カチオン硬化型インクの種類と記録媒体の種類とが変更されない場合には、第一及び第二の目標設定温度をほぼ一定とすることにより、カチオン硬化型インクの重合速度を一定とし、かつ、粘度を一定とすることが可能となり、より確実に記録媒体上のインクのドット径を安定させることができる。
すなわち、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用効果をより確実に得ることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を前記活性エネルギ線硬化インクが着弾する前に前記第二の目標設定温度範囲内に制御し、前記活性エネルギ線硬化インクが着弾した後も前記第二の目標設定温度範囲内に制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタである。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、カチオン硬化型インクは、記録媒体に着弾し、活性エネルギ線を照射されてから重合性化合物が重合を開始して硬化することになるので、カチオン硬化型インクの着弾前だけではなく、着弾した後も記録媒体を第二の目標設定温度に制御することにより、より安定してカチオン重合性化合物の重合反応を促進することができる。従って、さらに、確実に請求項3記載の発明の効果を得ることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、前記ヘッド温度調節機構は、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を検出するヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド内インク加熱手段を制御するヘッド温度制御手段とを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットプリンタである。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、ヘッド温度制御手段が、ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、ヘッド温度調節手段を制御するので、記録ヘッド内にある活性エネルギ線インクの温度に対応させて、ヘッド温度調節手段の出力を変更することができる。つまり、記録ヘッド内の活性エネルギ線硬化インクの温度が、第一の目標設定温度以上であれば、ヘッド温度調節手段の出力を弱め、第一の目標設定温度以下であれば、出力を強めることが可能となる。したがって、記録ヘッド内で効率的に活性エネルギ線硬化インクを加熱できる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、前記記録媒体の加熱を行うメディア加熱手段と、前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、前記メディア加熱手段を制御するメディア温度制御手段とを備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタである。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、メディア温度制御手段が、メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、メディア温度調節手段を制御するので、温度調節前の記録媒体の温度に対応させて、メディア温度調節手段の出力を変更することができる。つまり、記録媒体の温度が、第二の目標設定温度付近であれば、メディア温度調節手段の出力を弱め、第二の目標設定温度付近でなければ、出力を強めることが可能となる。したがって、効率的に記録媒体の温度制御ができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、前記ヘッド温度調節機構は、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を検出するヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド内インク加熱手段を制御するヘッド温度制御手段とを備え、前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、前記記録媒体の加熱を行うメディア加熱手段と、前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて前記メディア加熱手段を制御するメディア温度制御手段とを備え、前記ヘッド温度制御手段と前記メディア温度制御手段は、共通の制御装置で構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットプリンタである。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5及び6の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度制御手段と前記メディア温度制御手段が、共通の制御装置で構成されているため、インクジェットプリンタの構成要素が少なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効率的にヘッド内の活性エネルギ線硬化インクの温度制御と、記録媒体の温度制御を行うことができる。
【0028】
請求項8に記載の発明は、前記ヘッド温度調節機構は、前記第一の目標設定温度範囲を変更可能となっていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタである。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、前記ヘッド温度調節機構が第一の目標設定温度を変更可能となっており、外気温などの外部環境の違いや、活性エネルギ線硬化インクの種類等に応じて、最適な第一の目標設定温度を設定することができる。なお、第一の目標設定温度の変更には、手動の場合と自動の場合があり、手動の場合には、キーボード等の入力手段から入力した変更値に基づきヘッド温度調節機構が第一の目標設定温度を設定し、自動の場合には、ヘッド温度調節機構がセンサ等から得られる種々の条件から自動的に適切な第一の目標設定温度を設定する。
【0030】
請求項9に記載の発明は、前記メディア温度調節機構は、前記第二の目標設定温度範囲を変更可能となっていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタである。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、前記メディア温度調節機構が第二の目標設定温度を変更可能となっており、外気温などの外部環境の違いや、紙の違いなど記録媒体の種類等に応じて、最適な第二の目標設定温度を設定することができる。なお、第二の目標設定温度の変更には、手動の場合と自動の場合があり、手動の場合には、キーボード等の入力手段から入力した変更値に基づきメディア温度調節機構が第二の目標設定温度を設定し、自動の場合には、メディア温度調節機構がセンサ等から得られる種々の条件から自動的に適切な第二の目標設定温度を設定する。
【0032】
請求項10に記載の発明は、前記ヘッド温度調節機構は、前記第一の目標設定温度範囲を変更可能となっており、前記メディア温度調節機構は、前記第二の目標設定温度範囲を変更可能となっており、前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機構とは、前記第一の目標設定温度範囲と前記第二の目標設定温度範囲とのうちの一方の目標設定温度範囲の変更に連動して他方の目標設定温度を変更するようになっていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタである。
【0033】
請求項10に記載の発明によれば、請求項8及び9の効果を奏すると共に、前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機構が、一方の目標設定温度の変更に連動して他方の目標設定温度を変更するようになっているため、外部環境や活性エネルギ線硬化インクの種類、記録媒体の種類等を総合的に判断した上で、各目標設定温度を適切な温度に設定することができ、より確実かつ効率的に高品質な画像形成を行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェットプリンタに係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0035】
図1は、シート状の記録媒体への画像形成工程をわかりやすく説明するためのインクジェットプリンタの要部断面図である。
同図に示すように、インクジェットプリンタAは、概略的に、シート状用紙、樹脂フィルム等の記録媒体Rを搬送する役割を担う搬送ローラ1a、1bと、該搬送ローラ1a、1bにより搬送された記録媒体Rに画像形成を行う画像形成部2と、該画像形成部2でインクの付着した記録媒体RにUVを照射するUVランプ(UV照射手段)3と、記録媒体Rを搬送方向Fにガイドするガイド部材4と、を備えている。そして、搬送ローラ1aにより搬送された記録媒体Rが、画像形成部2を経て、さらに搬送ローラ1bにより搬送されるような搬送経路が、搬送方向Fに沿って確立されている。
【0036】
なお、本実施の形態では、給紙源がロール状に巻かれた樹脂フィルム(薄膜プラスチックフィルム)を適用する例を示し、このロール状の樹脂フィルムを「記録媒体R」と表現する。また、この記録媒体Rとしては、上記ロール状の樹脂フィルムに限らず、例えばカットシート状であってもよく、さらに記憶媒体は、各種の紙であっても、各種の布地や不織布で有っても良い。さらに、記録媒体Rは、他の材質のものであってもよく、例えば、金属であってもよい。また、記録媒体Rは、シート状に限られるものではなく、板状であってもよい。
【0037】
図1に示すように、搬送ローラ1a、1bは、画像形成部2で記録媒体Rに画像形成が行われる前後の位置に互いに離間して配置されている。搬送ローラ1a、1bは互いに同じ方向に回転駆動し、記録媒体Rを搬送方向Fに送り出す搬送手段としての機能を有するものである。
【0038】
画像形成部2には、インクジェット方式の記録ヘッド21と、該記録ヘッド21を備えるキャリッジ22と、該キャリッジ22の移動を案内するキャリッジレール23とが備えられている。
【0039】
記録ヘッド21には、シアン(C)、マジェンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)等のインク(Y、M、C、Kのプロセスカラーインクは、それぞれ濃度の異なるものが有っても良い。また、プロセスカラー以外に、白、RGB等の特色のインクを用いても良い)が不図示のチューブやインクカートリッジ(インクタンク)によって供給される。このインクは、常温において高粘性を有し、加熱により低粘性を有し、さらにUVを照射すると硬化する性質をもっている。以下、このインクを「UVインク」として称することにする。なお、この実施の形態では、カチオン硬化型のUVインクを使用しており、UVインクの詳細については後述する。
【0040】
キャリッジ22は記録ヘッド21を備え、連結部22aを介してキャリッジレール23に接続されている。キャリッジレール23は、記録媒体Rの搬送方向Fに略直交して延在するレールであって、搬送方向Fと略直交する方向(図1紙面において表側から裏側若しくは裏側から表側に向かう方向)にキャリッジ22を案内するものである。なお、このキャリッジレール23の延在する方向を「走査方向」と称して、以下の説明を行う。
記録媒体Rに画像形成が行われる場合には、キャリッジ22がキャリッジレール23に案内されるとともに走査方向に移動しながら、記録ヘッド21から記録媒体RにUVインクが吐出されるようになっている。
【0041】
UVランプ(活性エネルギ線照射手段)3は、画像形成部2での工程の後に、UVインクの付着した記録媒体Rの画像形成面にUVを照射するものである。UVを照射することにより当該記録媒体Rに付着したUVインクは硬化するようになっている。このUVランプ3は、連結部3aを介して前述したキャリッジレール23に固定されている。
【0042】
ガイド部材4は、記録媒体Rの幅と同じ又はその幅より大きな幅を有する板状の部材である。このガイド部材4は、記録ヘッド21に対向して配置されて記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを非画像形成面側から支持し、かつ、該記録媒体Rを搬送方向Fにガイドするものである。なお、「非画像形成面」とは、記録媒体Rの画像形成面の反対側の面、すなわち画像形成が行われない面である。
なお、詳細には、ガイド部材4のうち記録ヘッド21に対向して配置される部分はプラテン4aとなっている。このプラテン4aの裏側には吸引室(図示略)が設けられているとともに、該吸引室に連通する複数の小孔からなる吸引口(図示略)が設けられ、記録ヘッド21による画像形成時に、このプラテン4aは記録媒体Rの非画像形成面を吸引保持している。
【0043】
そして、上記した各構成要素を組み合わせることにより、搬送ローラ1a、1bにより搬送された記録媒体Rが非画像形成面側からガイド部材4により支持された状態で、キャリッジ22が走査方向に移動しながら、記録ヘッド21からUVインクが当該記録媒体Rの画像形成面に吐出されて、画像形成が行われるのである。
【0044】
ここで、本発明の特徴部分の構成を説明する。
インクジェットプリンタAには、図2に示すメディア温度調節機構5及びヘッド温度調節機構6が備えられている。
メディア温度調節機構5は、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rの温度を第二の目標設定温度(例えば、設定温度プラス・マイナス1℃等の範囲)に制御することにより、記録媒体Rに着弾したUVインクを所定の温度に制御するものである。また、記録媒体Rに着弾したUVインクを所定の温度に制御することにより、湿度の影響を受けずにカチオン硬化型のインクを硬化させるためのものである。
【0045】
図2に示すように、メディア温度調節機構5は、概略して、メディア温度調節手段51と、メディア温度検出手段52と、入力手段53と、メディア温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)とを備えている。なお、メディア温度調節手段51、メディア温度検出手段52及び入力手段53と、メディア温度制御手段(制御部30)との間は、インターフェース31を介して互いに接続されている。
【0046】
メディア温度調節手段51は、搬送手段としての搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体Rの搬送経路の少なくとも一部の近傍に備えられ、記録媒体Rの加熱を行うものである。なお、温度制御中、加熱により記録媒体Rの温度が上がりすぎた場合や、記録媒体R周囲の温度が高くなりすぎたような場合に、前記メディア温度調節手段に加熱機能だけではなく冷却機能を持たせ、記録媒体の温度を制御するものとしても良い。具体的には、図1に示すように、メディア温度調節手段51は、記録ヘッド21により画像形成が行われる前の記録媒体Rの画像形成面側に配置されており、ヒータ51aと、リフレクタ51bとを備えている。
【0047】
ヒータ51aは、記録媒体Rの幅方向(図1紙面において表側から裏側又は裏側から表側に向かう方向)に延在する熱源として機能を有するものである。
リフレクタ51bは、記録媒体Rの画像形成面側が開放された状態でヒータ51aを覆って配置され、ヒータ51aを作動させることにより生じるヒータ51aからの輻射熱を反射するものである。
従って、これらヒータ51a及びリフレクタ51bが、記録媒体Rを画像形成面側から加熱するメディア温度調節手段51としての機能を有する。
なお、メディア温度調節手段51が冷却機能を有する場合に、例えば、冷却手段として、ヒートポンプ等の気化熱により冷却を行うものや、ペルチェ素子等を用いることができ、かつ、室温程度への冷却であれば、冷却フィンや冷却ファン等を用いることができる。
【0048】
メディア温度検出手段52は、図1において搬送ローラ1a、1bにより搬送される記録媒体Rの搬送経路の少なくとも一部の近傍に配置され、記録媒体Rの温度を検出するものである。具体的には、メディア温度検出手段52は、記録ヘッド21により画像形成が行われる前の記録媒体Rの画像形成面側に配置されており、図1に示す温度センサ52aに相当するものである。図1に示すように、温度センサ52aは前述のリフレクタ51bに固定されるとともに、記録媒体Rの表面には直接接触しない非接触型センサとなっている。この温度センサ52aにより、記録媒体Rの温度を検出するようになっている。そして、この温度検出手段52としての温度センサ52aは、図2に示すように、検出結果としての記録媒体Rの温度情報(以下、”検出温度情報”と称する)を制御部30に入力する。
【0049】
入力手段53は、操作盤、キーボード等であり、記録媒体Rの種類(形態、材質、厚み等)に関する情報(以下、”設定情報”と称する)を制御部30に入力するものである。この入力手段53は、オペレータの手動操作により操作盤、キーボード等に設定情報が打ち込まれると、打ち込まれた設定情報を制御部30に入力する。なお、具体的には、設定情報は、形態:フィルム,材質:樹脂,厚み:0.05mm等の記録媒体Rが有する性質に関する情報となっている。
【0050】
制御部30は、メモリ33と、CPU32とを備えている。
メモリ33は、メディア温度検出手段52から出力された検出温度情報、入力手段から出力された設定情報等を記憶する。また、メモリ33は、設定情報に対応する目標設定温度の情報(以下、”目標設定温度情報”と称する)をデータテーブルとして記憶している。従って、メモリ33では、入力手段53による設定情報に応じて目標設定温度情報が切り替えられるようになっている。具体的には、形態:ロール状フィルム,材質:樹脂,厚み:0.05mm等といった設定情報から、形態:ロール紙,材質:紙,厚み:0.01mm等といった設定情報に変更されると、目標設定温度も40℃から50℃に切り替わるように目標設定温度情報が切り替えられるようになっている。
なお、前記目標設定温度は、入力手段による手動の設定情報の変更に基づいて変更される他、センサ等により設定情報や他の条件を取得して、自動的に目標設定温度を変更する場合もある。
【0051】
CPU32は、メモリ33に記憶された検出温度情報及び目標設定温度情報を読み出し、これら情報の比較をする等の各種演算を行う。そして、CPU32は、演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が必要であると判断した場合には、メディア温度調節手段51に加熱又は冷却の少なくとも一方を行わせる作動信号を送る。また、CPU32は、演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が不必要であると判断した場合には、メディア温度調節手段51に作動信号は送らない。
【0052】
インターフェース31は、上記したメディア温度調節手段51、メディア温度検出手段52又は入力手段53と、制御部30との間で行われる各種情報及び信号の転送を媒介するものである。
【0053】
次に、ヘッド温度調節機構6について説明する。
ヘッド温度調節機構6は、記録ヘッド21内のインクを第一の目標設定温度(例えば、設定温度プラス・マイナス1℃等の範囲)に制御することにより、UVインクを安定した低粘度状態で吐出できるように制御するとともに、カチオン硬化型のUVインクの温度を一定の温度に保持するとともに、高湿度下でも硬化するように温めるものである。
すなわち、ヘッド温度調節機構は、メディア温度調節機構5により温度制御された記録媒体Rに着弾されるインクの温度を記憶ヘッド21内において、高湿度下でも紫外線照射により硬化する温度で、かつ、安定吐出が可能な粘度にUVインク粘度を下げる温度で、さらに、環境条件等によって温度変化せずにほぼ一定の温度となるように制御するものである。
【0054】
図2に示すように、ヘッド温度調節機構6は、概略して、ヘッド温度調節手段(面ヒーター16及びヘッドヒーター13)と、ヘッド温度検出手段(ヘッド温度センサ)19と、ヘッド温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)とを備えている。なお、ヘッド温度調節手段、ヘッド温度検出手段と、ヘッド温度制御手段(制御部30)との間は、インターフェース31を介して互いに接続されている。
【0055】
記録ヘッド21には、図3または図4に示すように、インクが注入されるインク入口部17と、インクを吐出する複数の吐出口15と、インク入口部17から吐出口15までインクを導くヘッド内供給路(供給路)11と、ヘッド内供給路11のインク温度を検出するヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19と、ヘッド内供給路11の外部の少なくとも一部からインクを加熱する面ヒーター(ヘッド温度調節手段(ヘッド内インク加熱手段))16と、ヘッド内供給路11の内部の少なくとも一部でインクを加熱するヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段(ヘッド内インク加熱手段))13とが設けられている。
【0056】
インク入口部17は、図4(a)、(b)に示すように、記録ヘッド21の側部から内部に向かって先細る漏斗形状に形成されている。このインク入口部17は、インク供給路(図示省略)と接続されており、インクタンク(図示省略)からインク供給路を介してインクが供給される。
【0057】
吐出口15は、記録ヘッド21の下面(ノズル面15a)に備えられており、この下面のセンターラインに沿って等間隔に並ぶよう配置されている。
【0058】
ヘッド内供給路11は、インク入口部17から吐出口15までインクを導く過程で、一旦インクを収納するインク収納部18と、インク収納部18から吐出口15までインクを導くインクノズル12とを備えている。
【0059】
インク収納部18は、先方(図4(a)では左)に向かって細くなる側面視台形形状に形成されている。このインク収納部18には、インク入口部17の先端が後面に接続され、インク収納部18とインク入口部の両者を連通している。
また、このインク収納部18には、吐出口15までインクを導くインクノズル12が、各吐出口に対応するように複数、ノズル面15aと対向する下面に設けられている。つまり、インクノズル12は、インク入口部17から流れ込むインクの流れ方向に沿うように、等間隔で並んで配置されている。
このように、インクの流れ方向に沿うようにインクノズル12を配置した場合、インク入口部17から離れた位置にあるインクノズル12に流れ込むインクの圧力が弱まってしまい、安定した吐出を行えないおそれがある。このため、本実施の形態では、インク収納部18の形状を先方に向かって細くなる側面視台形形状に形成することで、各インクノズルに流れ込むインクの圧力がばらつくことを防止している。
【0060】
ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19は、インク入口部17から流入してきたインクの温度を検出するために、インク入口部17近傍、つまりインク収納部18の後面から内部に向かって延出した状態に設けられている。
【0061】
面ヒーター16は、記録ヘッド21内部でヘッド内供給路11を覆うようにコ字状に形成されており、この面ヒーター16が、ヘッド内供給路11のインクを加熱し低粘度化する。
【0062】
ヘッドヒーター13は、円柱形状に形成され、インク収納部18下部でインクノズル12の並びに沿った状態となるように、インク収納部18の先端から後端に掛け渡されている。そして、このヘッドヒーター13によって、各吐出口から吐出されるインクの各温度が所定温度範囲内となるように、インクは加熱される。
このように、ヘッドヒーター13は、インク収納部18下部でインクノズル12の並びに沿った状態であるため、各インクノズル12に流入する前のインクの各温度がばらつくことなく加熱することができる。
【0063】
ヘッド温度制御手段(ここでは制御部30が相当する)は、図2に示すように、インターフェイス31、CPU32、メモリ33等から構成され、メモリ33中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従いインターフェイス31に接続された各種機器を制御するようになっている。なお、この実施の形態では、ヘッド温度制御手段とメディア温度制御手段が共通の制御装置(すなわち、制御部30)で構成されている。
【0064】
インターフェイス31には、面ヒーター(ヘッド温度調節手段)16と、ヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段)13と、ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)19などが電気的に接続されている。
【0065】
メモリ32には、インク供給における各種データや、インクジェットプリンタの各部の動作に関する各種制御プログラムや制御データなどが書き込まれている。
インク供給における各種データとは、インクタンクの交換時期の基準となるインクタンクのインク残量と、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱を行うか否かの基準となるインク温度と、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱温度データなどである。
【0066】
面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱を行うか否かの基準となるインク温度は、ヘッド内供給路11から吐出口15まで、面ヒーター16およびヘッドヒーター13による加熱が行われない状態でインクが供給された場合、つまりインクが冷めながら吐出口15にまで至る場合であっても、吐出口15に至ったインクの温度が安定吐出可能な温度以上となるように設定されている。
面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱温度データは、ヘッド内供給路11のインクを安定吐出可能な所定温度範囲(インクの粘度が10mPa・s以上50mPa・s以下となる温度範囲、好ましくはインクの粘度が20mPa・s以上40mPa・s以下となる温度範囲)内にまで加熱できる、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の加熱温度であり、この加熱温度がヘッド温度センサ19で検出されるインク温度に応じて設定されている。つまり、検出されたインク温度が低ければ、インクになるたけ多くの熱量を与えなければならないので、加熱温度を高温に設定し、インク温度が高ければ、インクに対してそれほど多くの熱量を与える必要もないので、加熱温度は低温に設定されている。
【0067】
なお、この実施の形態で用いられるカチオン硬化型のUVインクは、上述の粘度となる温度範囲において、例えば、湿度70%以上等の高湿度状態でも、紫外線照射によりUVインキが硬化する温度となっている。
【0068】
メモリ33は、画像形成される画像データ等の各種データを記憶する記憶領域とCPU32による作業領域なども備えられている。
【0069】
CPU32は、メモリ33に格納されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを、メモリ33内の作業領域に展開し、各センサからの入力信号に応じて、プログラムに従った各種処理を実行する。
【0070】
ここで、このインクジェットプリンタで使用されるインクについて説明する。
このUVインクは、上述のようにカチオン硬化型のものであり、少なくとも、UV照射により重合して硬化するカチオン重合性化合物とこのカチオン重合性化合物の重合反応をUV照射により開始させるためのカチオン性光重合開始剤(光酸発生剤)とインキとしての色をだすための色材とを含むものである。また、UVインクには、カチオン硬化型の光硬化樹脂で用いられる周知の各種添加剤のうちの少なくとも一部を添加するものとしても良い。また、この例では、UVインクとしたが、必ずしも、紫外線により硬化が開始されるものだけではなく、放射線、電磁波等の活性エネルギ線で重合を開始させるカチオン性重合開始剤を用いるものとしても良い。すなわち、活性エネルギ線は、基本的に、紫外線、赤外線、可視光(可視光を吸収する開始剤が色を有するものとなり、余り好ましくはない)等の光を含む電磁波であるが、電子線硬化型のインクの開発も進められており、電子線であっても良い。なお、上述のように、この例においては、エネルギ線として紫外線を用いた場合を例として記載している。
【0071】
光カチオン重合性化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714、特開2001−31892、特開2001−40068、特開2001−55507、特開2001−310938、特開2001−310937、特開2001−220526に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0072】
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0073】
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
【0074】
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0075】
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0076】
ビニルエーテル化合物としては、例えばエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【0077】
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0078】
本発明で用いられるオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526、特開2001−310937に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0079】
オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になったり、又組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなってしまう。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
1個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(1)で示される化合物等が挙げられる。
【0080】
【化1】
Figure 2004034543
【0081】
式(1)において、R1は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基或いは3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基或いはフェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基或いはブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基或いはブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、又はエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基或いはペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られる組成物が粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
【0082】
次ぎに、2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(2)で示される化合物等が挙げられる。
【化2】
Figure 2004034543
式(2)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基或いはブチレン基等の線状或いは分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基或いはポリ(プロピレンオキシ)基等の線状或いは分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基或いはブテニレン基等の線状或いは分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基、カルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、又はカルバモイル基を含むアルキレン基等である。
【0083】
又、R3は、下記式(3)、(4)及び(5)で示される基から選択される多価基でもある。
【化3】
Figure 2004034543
式(3)において、R4は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基或いはブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子或いは臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基である。
【0084】
【化4】
Figure 2004034543
式(4)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2又はC(CH3)2である。
【0085】
【化5】
Figure 2004034543
式(5)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。nは、0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基或いはブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。
【0086】
R7は、下記式(6)で示される基から選択される基でもある。
【化6】
Figure 2004034543
式(6)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基である。mは、0〜100の整数である。
【0087】
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記式(7)及び(8)で示される化合物等が挙げられる。
【化7】
Figure 2004034543
式(7)で示される化合物は、式(2)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。
【0088】
【化8】
Figure 2004034543
式(8)で示される化合物は、一般式(2)において、R1がエチル基、R3が式(5)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
【0089】
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記した化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(9)で示される化合物がある。式(9)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。
【化9】
Figure 2004034543
【0090】
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(10)で示される化合物等が挙げられる。
【化10】
Figure 2004034543
式(10)において、R1は、前記一般式(1)におけるものと同様の基である。R9は、例えば下記式(11)〜(13)で示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記式(14)で示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記式(15)で示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
【化11】
Figure 2004034543
式(11)において、R10はメチル基、エチル基又はプロピル基等の低級アルキル基である。
【0091】
【化12】
Figure 2004034543
【化13】
Figure 2004034543
【化14】
Figure 2004034543
式(14)において、lは1〜10の整数である。
【0092】
【化15】
Figure 2004034543
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記式(16)で示される化合物等が挙げられる。
【化16】
Figure 2004034543
【0093】
さらに、上記した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記式(17)で示される化合物がある。
【化17】
Figure 2004034543
式(17)において、R8は式(6)におけるものと同様の基である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
【0094】
本発明で使用するオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す化合物がある。
【化18】
Figure 2004034543
【化19】
Figure 2004034543
【化20】
Figure 2004034543
【0095】
上記オキセタン環を有する化合物の製造方法は特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えばパティソン(D.B.Pattison,J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。又、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する、1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。
【0096】
これらの例として、例えば以下の化合物が挙げられる。
【化21】
Figure 2004034543
ここで、pは20〜200である。
【0097】
【化22】
Figure 2004034543
ここで、qは15〜100である。
【0098】
【化23】
Figure 2004034543
ここで、sは20〜200である。
【0099】
本発明においては、インク硬化の際の記録媒体Rの収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
【0100】
上述のカチオン性光重合開始剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメ−ジング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨ−ドニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C6F5)4−,PF6−,AsF6−,SbF6−,CF3SO3−塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
【化24】
Figure 2004034543
【0101】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
【化25】
Figure 2004034543
【0102】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。以下に具体的な化合物を例示する。
【化26】
Figure 2004034543
【0103】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【化27】
Figure 2004034543
【0104】
本発明のインクは、特開平8−248561、特開平9−034106をはじめてとし、既に公知となっている活性エネルギ線の照射で発生した酸により新たに酸を発生する酸増殖剤を含有することが好ましい。酸増殖剤を用いることで、さらなる吐出安定性向上を可能とする。
本発明に係るインクでは、対イオンとしてアリールボレート化合物を有するジアゾニウム、ヨードニウム又はスルホニウムの芳香族オニウム化合物、鉄アレン錯体から選ばれる少なくとも1種の光酸発生剤が含有されることが好ましい。
【0105】
上述の色材としては、重合性化合物の主成分に溶解または分散できる色材が使用できるが、耐候性の点でから顔料が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I Pigment Yellow−1、3、12、13、14、17、81、83、87、95、109、42、
C.I Pigment Orange−16、36、38、
C.I Pigment Red−5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、144、146、185、101、
C.I Pigment Violet−19、23、
C.I Pigment Blue−15:1、15:3、15:4、18、60、27、29、
C.I Pigment Green−7、36、
C.I Pigment White−6、18、21、
C.I Pigment Black−7、
【0106】
また、本発明において、プラスチックフィルムのような透明基材での色の隠蔽性を上げる為に、白インクを用いることが好ましい。特に、軟包装画像形成、ラベル画像形成においては、白インクを用いることが好ましいが、吐出量が多くなるため、前述した吐出安定性、記録媒体Rのカール・しわの発生の観点から、自ずと使用量に関しては制限がある。
【0107】
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズが挙げられる。
【0108】
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる照射線硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
【0109】
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。
【0110】
この例のUVインクには、上記説明した以外に様々な添加剤を用いることができる。例えば、インク組成物の保存性を高めるため、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。紫外線硬化型のインクは、加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。この他にも、必要に応じて、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
【0111】
記録媒体Rとの密着性を改善するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。この場合、耐溶剤性やVOC(揮発性有機化合物)の問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その使用量は0.1〜5%の範囲であり、好ましくは0.1〜3%である。また、加熱によりUVインクの硬化を促進させるために熱酸発生剤が含まれるものとしても良い。また、ラジカル重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
【0112】
上述のようなUVインクは、インクジェット記録方式により記録媒体R上に吐出、描画し、次いで紫外線(活性エネルギ線)を照射してインクを硬化させることになる。
ここで、インクが着弾し、紫外線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、2〜20μmであることが好ましい。スクリーン画像形成分野では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録媒体Rが薄いプラスチック材料であることが多い軟包装画像形成分野では、前述した記録媒体Rのカール・しわの問題でだけでなく、画像形成物全体のこし・質感が変わってしまうという問題が有るため使えない。
【0113】
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを30〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性エネルギ線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0114】
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなり、酸増殖剤が必須となる。
本発明の画像記録方法においては、発生光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に紫外線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
【0115】
光(紫外線)の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらのいずれの照射方法も用いることができる。
【0116】
また、紫外線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で紫外線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性エネルギ線を照射する方法も好ましい態様の1つである。紫外線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録媒体Rの収縮を抑えることが可能となる。
【0117】
この例では、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いることが好ましい。従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、硬化に有効な波長域における最高照度が50mW/cm2を超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特にシュリンクラベルなどでは、記録媒体Rの収縮があまりにも大きく、実質上使用できないのが現状であった。この例では、酸増殖剤を用いることで、硬化に有効な波長域における最高照度が0.1〜50mW/cm2の低照度の紫外線を用いても、高精細な画像を形成でき、かつ、記録媒体Rの収縮もない。
【0118】
紫外線照射で用いる光源の例としては、低圧水銀ランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、捕虫灯、ブラックライト、殺菌灯、冷陰極管、LEDをなどがあるが、これらに限定されない。
また、本発明では、硬化に有効な波長域における最高照度が50〜3000mW/cm2の紫外線を用いることも有効である。従来のUVインクジェット記録に用いられる高照度の光源であるが、上述のように記録媒体Rの収縮課題が有り、軟包装画像形成・ラベル画像形成分野では実質UVインクジェット記録は使用されていなかった。本発明の構成では、この問題は解消され、従来使われている高照度の光源を用いても、各種プラスチックフィルムへの高精細画像の形成が可能となる。光源の例としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプなどが有るが、これらに限定されない。
【0119】
この例で用いることのできる記録媒体Rとしては、通常の非コート紙、コート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが使用できる。
【0120】
また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録媒体Rの中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱などにより、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
【0121】
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギは大きく異なり、記録媒体Rによってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギが35〜60dyn/cmの広範囲の記録媒体Rに良好な高精細な画像を形成できる。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録媒体Rのコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録媒体Rを使用する方が有利である。
【0122】
次ぎに、本発明のインクジェットプリンタAの動作について説明する。
インクジェットプリンタにおいては、インクカートリッジ、記録媒体R等をセットし、電源を投入することにより、画像形成可能な状態となる。
インクカートリッジからインクの供給が行われると、制御部30は、ヘッド温度センサ19の検知結果に基づいて、インク収納部18内のインク温度を検知する。そして、制御部30は、この検知された温度に対応した加熱温度データを選択し、その選択された加熱温度データに基づいて面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力状態を制御して、ヘッド内供給路11のインクが所定温度範囲内(例えば、第一の目標設定温度の上下1℃の範囲内)となるように加熱を行う。
【0123】
次に、記録媒体Rが給紙されてから排紙されるまでの動作を説明する。
まず、ここでは、オペレータの手動操作により、操作盤、キーボード等の入力手段53に設定情報が打ち込まれる。この場合、設定情報は、形態:ロール状のフィルム、材質:PET,厚み:0.05mm等の記録媒体Rが有する性質に関する情報となっている。これにより、入力手段53はインターフェース31を介して設定情報を制御部30に入力する。この設定情報は制御部30のメモリ33に記憶される。
インクジェットプリンタA内では、スピンドル(図示しない)にセットされた記録媒体Rの先端が給紙ガイド(図示しない)に沿って搬送ローラ1aまで誘導され、記録媒体R先端の位置合わせが行われる。
【0124】
位置合わせされた記録媒体Rは、搬送ローラ1aにより画像形成部2へ搬送される。この間、メディア温度検出手段52としての温度センサ52aは、記録ヘッド21により画像形成が行われるべき記録媒体Rの温度を検出する。温度センサ52aは、検出温度情報を、インターフェース31を介して制御部30に入力する。この検出温度情報は制御部30のメモリ33に記憶される。
そして、制御部30のCPU32は、メモリ33に記憶された検出温度情報と、設定情報に対応する目標設定温度情報とを読み出し、比較演算する。そして、CPU32は、その演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が必要であると判断した場合には、作動信号をメディア温度調節手段51にインターフェース31を介して入力する。すると、メディア温度調節手段51は作動する。この場合、ヒータ51aが作動してヒータ51aから輻射熱が発生し、記録媒体Rを画像形成面側から加熱する。
また、当該演算結果に伴い記録媒体Rの温度の上昇又は下降が不必要であると判断した場合には、CPU32は、作動信号をメディア温度調節手段51に入力しない。従って、メディア温度調節手段51としてのヒータ51aは作動せず、記録媒体Rの加熱は行われない。
このようにして、メディア温度調節機構5は、メディア温度検出手段52による検出温度情報に基づいて、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rの温度を第二の目標設定温度に制御している。
【0125】
引き続き、メディア温度調節機構5により温度が制御された状態で、記録媒体Rは、ガイド部材4により非画像形成面側が支持されるとともに搬送方向Fにガイドされる。なお、この記録媒体Rは、ガイド部材4により非画像形成面側が支持されるが、上述したようにプラテン4aによって吸引保持された状態となっている。
【0126】
そして、非画像形成面が支持されている記録媒体Rの画像形成面に、記録ヘッド21により画像形成が行われる。詳しくは、記録媒体Rの非画像形成面がプラテン4aにより吸引保持された状態で、キャリッジ22の動作に付随して記録ヘッド21が走査方向に移動しながら記録媒体の画像形成面にUVインクを吐出し、画像形成が行われるのである。画像形成が行われた後の記録媒体Rは、記録ヘッド21より搬送方向Fの下流側、すなわちUVランプ3の直下へと搬送される。
【0127】
引き続き、UVランプ3の直下に搬送された記録媒体R、言い換えればUVインクが付着した記録媒体Rに、UVランプ3からUVが照射され、記録媒体Rに付着したUVインクが硬化することになる。そして、以上の工程を経た記録媒体Rは、排紙ガイド(図示しない)を通過して排紙されるのである。
【0128】
なお、この実施の形態においては、ヘッド温度調節機構のヘッド温度制御手段とメディア温度調節機構のメディア温度制御手段が共通の制御装置で構成されている。これにより、インクジェットプリンタの構成要素が少なくて済むと共に、双方の制御を連動させて効率的にヘッド内のUVインクの温度制御と、UV照射前の記録媒体の温度制御を行うことができる。
また、本実施の形態では、目標設定温度を変更可能となっているが、ここでは、前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機構が、一方の目標設定温度の変更に連動して他方の目標設定温度を変更するようになっている。このため、外部環境やUVインクの種類、記録媒体の種類等を総合的に判断した上で、各目標設定温度を適切な温度に設定することができ、より確実かつ効率的に高品質な画像形成を行うことができる。例えば、入力手段53によって記録媒体Rの変更が入力されたときには、適切な第二の目標設定温度を導出すると共に、それに応じた第一の目標設定温度も導出できるようになっている。
【0129】
以上、本実施の形態に係るインクジェットプリンタAによれば、ヘッド温度調節機構6によって、記録ヘッド21内のUVインクの温度を第一の目標設定温度に制御できるため、一定の粘度に低粘度化したUVインクを吐出することができる。また、予めUVインクの温度を、高湿度状態でも硬化可能な温度に上げるとともに、ほぼ一定の温度に制御することができる。
【0130】
また、メディア温度調節機構5によって、記録媒体Rの温度を第二の目標設定温度に制御できるため、記録ヘッド内においてほぼ一定の温度に制御されてほぼ一定の粘度されるとともに記録媒体Rに着弾したUVインクを、今度は一定の温度に制御された記録媒体Rの温度に基づいて一定の粘度とすることができ、これにより、画像形成品質の向上を図ることができる。この場合、記録媒体Rの温度は常に一定した温度にされているので、この記録媒体Rに付着したUVインクは低粘性の状態から高粘性の状態になるまでの時間は、記録媒体Rの温度に起因して変化することはなくなる。
【0131】
従って、記録媒体R上でのUVインクの液滴径は常に安定したものとなる。さらに、ヘッド温度調節機構6によって、高湿度下でも充分にUVインクが硬化する温度である第一の目標設定温度に制御されたUVインクが、メディア温度調節機構5によって、同じく高湿度下でも充分にUVインクが硬化する温度に制御された記録媒体上に着弾することにより、高湿度下でも記録媒体R上に着弾した各インク滴(ドット)が、紫外線の照射によりほぼ同様の条件で確実に硬化することになる。
【0132】
以上のことから、記録媒体RへのUVインクの付着性、滲み性が常に安定するとともに、UVインクのドット径が安定し、かつ、色混じりの無いものとなる。これにより、環境の影響を受け、記録ヘッド21に供給される前のUVインクの温度と、画像形成前の記録媒体Rの温度が変化したとしても、UVインク及び記録媒体Rの温度変化と、吐出されたUVインクの周囲の湿度とに起因して画像形成品質が劣化することのない、高品質な画像を形することができる。
【0133】
なお、記録ヘッド21内でヘッド温度調節機構6により制御されるインクの温度と、メディア温度調節機構5により制御される記録媒体Rの温度とは、同じ温度となる可能性もあるが、基本的にそれぞれ別に決められ、異なる温度となる。すなわち、記録ヘッド21内のインクの温度は、高湿度下でもUVインクが充分に硬化する温度で、かつ、UVインクの粘度が記録ヘッドから安定して吐出できる粘度に低下する温度とされ、記録媒体Rの温度は、着弾して付着したUVインクが好ましいドット径となる粘度となり、かつ、高湿度下でも固まる温度とされる。そして、記録ヘッド21から吐出されるインクの温度と、インクが着弾する記録媒体Rの温度とがほぼ一定となっているので、記録ヘッド21から吐出されて記録媒体Rに着弾するUVインクは、いつでも、ほぼ同様に温度変化することになり、安定したドット径で、高品質の画像形成が可能となる。
【0134】
また、本実施の形態に係るインクジェットプリンタAでは、ヘッド温度制御手段30が、ヘッド温度検出手段19の検出結果に基づいて、ヘッド温度調節手段13,16を制御するので、記録ヘッド21内にあるUVインクの温度に対応させて、ヘッド温度調節手段13,16の出力を変更することができる。これにより、記録ヘッド内のUVインクの温度を第一の目標設定温度により確実に制御することができ、高品質の画像形成をより確実に保持することができる。
さらに、メディア温度制御手段30が、メディア温度検出手段52の検出結果に基づいて、メディア温度調節手段51を制御するので、温度調節前の記録媒体Rの温度に対応させて、メディア温度調節手段51の出力を変更することができる。これにより、記録媒体Rの温度を第二の目標設定温度により確実に制御することができ、高品質の画像形成をより確実に保持することができる。
【0135】
次に、上述したメディア温度調節機構5の変形例を図5〜図6を参照して説明する。なお、詳細には、図5〜図7に示す変形例において、図2に示すメディア温度調節手段51又はメディア温度検出手段52の少なくとも一方が異なり、それ以外の構成要素は上記例と同様である。従って、これら構成要素には上記例と同様の符号を付し、詳細な説明は割愛する。
【0136】
図5に示すように、メディア温度調節手段51としてペルチェ素子を用いた加熱・冷却システムを適用する。この加熱・冷却システムは、ペルチェ素子を内蔵したペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを備えている。これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gは、記録媒体Rを間に介在させるように互いに隣接して配置され、互いに逆回転駆動し記録媒体Rを挟持した状態で搬送方向Fへ搬送する。これらペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gにおいて、内蔵されたペルチェ素子が作動すると、挟持した記録媒体Rを画像形成面及び非画像形成面の両面側から加熱もしくは冷却できるようになっている。なお、ペルチェ素子は吸熱と放熱を同時に行うので、例えば、冷却を行う場合には、ペルチェ素子内蔵ローラ51f、51gを空洞にし、この空洞となった部分にファン等によって送風し、放熱する必要がある。
【0137】
また、メディア温度検出手段52として熱電対センサ52bを適用する。熱電対センサ52bは、二つの異なる種類の金属を環状に連結し二接点の温度差により発生する熱電量から記録媒体Rの温度を検出する。
従って、この場合、メディア温度検出手段52としての熱電対センサ52bによる検出温度情報に基づいて、このペルチェ素子を用いた冷却システムを作動させ、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを冷却し、この記録媒体Rの温度を目標設定温度に制御している。
【0138】
さらに、図6に示すように、メディア温度調節手段51としてヒータ51h及び輻射ランプ51iを用いた加熱システムを適用する。ヒータ51hは、ガイド部材4の背面側に配置されている。ヒータ51hが作動すると、ガイド部材4(又はプラテン4a)を媒介して、ガイド部材4(又はプラテン4a)により非画像形成面側が支持された記録媒体Rを、非画像形成面側から加熱できるようになっている。なお、ガイド部材4(又はプラテン4a)は、熱伝導率の大きい材料で形成されていることが好ましく、記録媒体Rを加熱することを迅速かつ効率的に媒介することのできる材料で形成されていることが好ましい。輻射ランプ51iは、画像形成部2のキャリッジレール23に固定されているとともに、赤外線を輻射するものである。輻射ランプ51iが作動すると、赤外線を記録媒体Rの画像形成面側に輻射し、画像形成面側から記録媒体Rを加熱できるようになっている。また、メディア温度検出手段52として図4に示すものと同様の熱電対センサ52bを適用する。
従って、この場合、メディア温度検出手段52としての熱電対センサ52bによる検出温度情報に基づいて、これらヒータ51h及び輻射ランプ51iを用いた加熱システムを作動させ、記録ヘッド21により画像形成が行われる記録媒体Rを加熱し、この記録媒体Rの温度を目標設定温度に制御している。なお、この場合、ヒータ51h及び輻射ランプ51iの一方だけの加熱システムを設けるようにして、記録媒体Rの温度を制御してもよい。
【0139】
以上、図5及び図6に示す変形例においても、図1に示す上記例と同様の効果を奏する。また、図1、図5及び図6に示した例では、メディア温度調節機構5により記録媒体Rの温度を第二の目標設定温度に制御しているが、記録媒体Rの冷却も可能とすれば、UV照射による記録媒体Rの温度が高温化するのを抑えることができ、記録媒体Rが変質するのを防止することができる。
なお、図1、図5及び図6に示した例では、記録ヘッド21より搬送方向Fの上流側の位置又は記録ヘッド21に対向する位置にメディア温度調節手段51を設けて、画像形成が行われる前又は画像形成中(画像形成の前後を僅かに含む)の記録媒体Rの加熱もしくは加熱及び冷却を行っているが、それに加えて、メディア温度調節手段51を記録ヘッド21より搬送方向Fの下流側の位置(但しUV照射手段よりは上流側)に設けて画像形成が行われた後の記録媒体Rの加熱又は冷却を行ってもよい。記録媒体Rは、基本的にUVインクが着弾する直前までに目標設定温度となるようにされ、着弾後もUV照射が終わるまで、ほぼ目標設定温度を維持していることが好ましい。
【0140】
また、ここで、図6に示すヒータ51hのように、メディア温度調節手段51を記録媒体Rの非画像形成面側に備え、かつ、記録媒体Rの非画像形成面側から記録媒体Rの加熱もしくは加熱と冷却とを行うことが好ましい。何故なら、記録媒体Rの画像形成面側が温度調節手段51による加熱もしくは加熱と冷却との影響を直接受けることはないので、画像形成面の表面が変質し画像形成品質に影響するということはなく、これにより、画像形成品質の劣化を防止でき、高品質の画像形成を保持することができるからである。また、図6に示すヒータ51hのように、ガイド部材4(又はプラテン4a)の背面側にメディア温度調節手段51を設ける場合には、ガイド部材4(又はプラテン4a)が熱伝導率の大きい材料で形成されていることが好ましく、記録媒体Rを加熱又は冷却することを迅速かつ効率的に媒介することのできる材料で形成されていることが好ましい。
【0141】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタAによれば、面ヒーター16およびヘッドヒーター13によって、記録ヘッド21のインクが加熱されるので、記録ヘッド21内に供給されたインクが、記録ヘッド21の温度の影響で冷やされることを防止でき、記録ヘッド21内においてもインクを安定吐出に必要なだけ低粘度化することができる。したがって、安定吐出が保たれ、明瞭な画像形成を行うことが可能となる。
また、万が一、記録ヘッド21内のインクが冷やされ高粘度化してしまったとしても、面ヒーター16およびヘッドヒーター13により再びインクを加熱し低粘度化することができる。
【0142】
さらに、ヘッド温度制御手段(制御部30)が、ヘッド温度センサ19の検出結果に基づいて、面ヒーター16およびヘッドヒーター13を制御するので、記録ヘッド21内にあるインクの温度に対応させて、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力を変更することができる。つまり、記録ヘッド21のインクの温度が、第一の目標設定温度以上(例えば、安定吐出に必要なだけ低粘度化している温度)であれば、面ヒーター16およびヘッドヒーター13の出力を弱め、第一の目標設定温度以下であれば、出力を強めることが可能となる。したがって、記録ヘッド21内で効率的にインクを加熱できる。
【0143】
なお、今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0144】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
この実施例で用いたカチオン硬化型インクの組成を表1に示す。また、比較例として用いたラジカル硬化型インクの組成を表2に示す。
【表1】
Figure 2004034543
【表2】
Figure 2004034543
【0145】
表1及び表2において、K、C、M、Yは、それぞれ、濃ブラック、濃シアン、濃マゼンダ、濃イエローのインクを示し、Lk、Lc、Lm、Lyは、それぞれ、淡ブラック、淡シアン、淡マゼンダ、淡イエローのインクである。なお、各インクの成分は、各成分の質量%で表わした。
【0146】
また、表1における酸増殖剤は、下記のものである。
【化28】
Figure 2004034543
また、表1における開始剤(光酸発生剤)は、下記のものである。
【化29】
Figure 2004034543
また、表1及び表2に示される酸化チタンの粒径は、平均粒径である。
【0147】
また、この実施例で用いられたインクジェットプリンタは、基本的に図1に示す構成を有するものであるが、記録ヘッド22をピエゾ素子を用いたピエゾ型インクジェットノズルを有するものとした。また、インク供給系は、インクタンク、供給パイプ(チューブ)、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付配管、ピエゾ型インクジェットノズルを有する記録ヘッド22からなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱し、上述のように記録ヘッド22を加熱できるようになったものである。
記録ヘッド22は、2〜15plのマルチサイズドットを720×720dpi(dpiとは、1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表わす)の解像度で吐出できるよう駆動し、上述のインクを吐出するものとした。
着弾後の照射条件は、表3に示す通りとした。なお、記録媒体上の照度の調整は、図1に示すUVランプ3と記録媒体との距離の調整により行った。また、UVランプ3は、記録ヘッド22の両横に設置した。
【0148】
表3に実験条件を示す。
【表3】
Figure 2004034543
そして、インクジェットプリンタによる画像形成は、表3に記載の記録材料からなるシート状の記録媒体Rに行われたもので、記録媒体Rは、表3に示す表面エネルギを有する幅600mm、長さ1000mの長尺なロール状の記録媒体Rに500m以上の画像形成を行った。画像には、文字とカラーの絵が含まれる。なお、文字としては、Y、M、C、Kの各色の目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字した。
また、記録媒体Rとしては、OPP(Oriented polypropylene)、PET(polyester)、ONy(Oriented nylon)、シュリンクPVC(Polyvinyl chloride)、シュリンクOPS(Oriented polystyrene)、ユポ粘着紙(合成紙ユポ ユポ・コーポレーション)を用いた。
【0149】
そして、比較例及び実施例における記録ヘッド22内のUVインク温度(第一の目標設定温度)と、インク着弾時前後の記録媒体Rの温度は、以下のような設定とした。
試験No.1〜6(比較例)は、UVインクとしてラジカル硬化型インクを用い、UVインク及び上述の6種類の記録媒体Rは、加熱せず、温度制御を行わないものとした。 試験No.7〜12(比較例)は、UVインクとしてラジカル硬化型インクを用い、UVインクが50℃となるようにインクの加熱を制御し、上述の6種類の記録媒体Rが40℃となるように記録媒体Rの加熱を制御した。
試験No.13〜18(比較例)は、UVインクとしてカチオン硬化型インクを用い、UVインクが50℃となるように、インクの加熱を制御し、上述の6種類の記録媒体Rは加熱せず、温度制御を行わないものとした。
【0150】
試験No.19〜24(実施例)は、UVインクとしてカチオン硬化型インクを用い、UVインクが50℃となるようにインクの加熱を制御し、上述の6種類の記録媒体Rが40℃となるように記録媒体Rの加熱を制御した。
試験No.25〜30(実施例)は、UVインクとしてカチオン硬化型インクを用い、UVインクが50℃となるようにインクの加熱を制御し、上述の6種類の記録媒体Rが50℃となるように記録媒体Rの加熱を制御した。
【0151】
表4に実験結果を示す。
【表4】
Figure 2004034543
表4における文字品質の◎、○、△、×は、上述の6ポイントの文字について、文字のガサツキをルーペで拡大して以下のような定義に基づいて評価したものである。
◎…ガサツキ無し。
○…僅かにガサツキが見える。
△…ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル。
×…ガサツキがひどく、文字がかすれて使えないレベル。
【0152】
色混じり(滲み)の◎、○、△、×は、形成された画像の隣合う各色ドットをルーペで拡大し、滲み具合を以下のような定義に基づいて目視評価したものである。
◎…隣り合うドット形状が真円を保ち、滲みがない。
○…隣り合うドット形状がほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない。
△…隣り合うドットが少し滲んでいてドット形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル。
×…隣り合うドットが滲んで混じり合っており、使えないレベル。
【0153】
印刷物のしわ、カールの◎、○、△、×は、印刷直後に印刷物を手に取り、照射・硬化によりしわやカールが発生していないかを目視評価した。
◎…しわ、カールが見られず良好。
○…ほとんどシワ、カールが見られずほぼ良好。
△…シワ、カールが僅かに見られるがなんとか実用に耐えられるレベル。
×…印刷物にしわがより、カールも見られ、使えないレベル。
なお、以上の評価は、1000mの記録媒体Rに対して500m以上に渡って画像形成を行った際の、10m目と、100m目と、500m目とでそれぞれ評価を行った。
【0154】
表4に示すように、試験No.1〜6(比較例)のラジカル硬化型インクを用い、UVインク及び記録媒体Rの温度制御をしなかったものは、文字品質と、色混じりと、印刷物のしわ及びカールとの全てが×という評価となった。
また、試験No.7〜12(比較例)のラジカル硬化型インクを用い、UVインク及び記録媒体Rをそれぞれ50℃と40℃とに制御したものについては、試験No.1〜6に対して大幅な改善が見られるが、記録媒体Rの材料によっては、文字品質と、色混じりと、印刷物のしわ及びカールとで、評価が△となるものがあり、実施例と比較して品質が劣っている。
【0155】
また、試験No.13〜18(比較例)のカチオン硬化型インクを用い、UVインクを50℃で制御し、記録媒体Rの温度を制御しなかったものについては、10mでは、×の評価となるものは無かったが、100mを超えると、色混じりとしわ及びカールとで評価が×となるものが増え、×でなくとも△となり、○となるものはなかった。
【0156】
また、試験No.19〜30(実施例)のカチオン硬化型インクを用い、UVインク及び記録媒体Rをそれぞれ50℃と、40℃もしくは50℃に制御したものについては、評価が△となるものがなく、一部に◎も見られた。また、インク温度が40℃のNo.19〜24に対して、インク温度50℃のNo.25〜No.30では、シュリンクPVC及びシュリンクOPSを除く記録媒体で、印刷物のしわ及びカールに対して改善が見られ、温度が高い方が、良好な結果が得られる可能性があるが、記録媒体の種類によっては(例えば、熱で収縮しやすいシュリンクのフィルムなど)、加熱による影響がでる可能性がある。
【0157】
すなわち、熱に強い記録媒体R(例えば、耐熱温度が60℃以上)ならば、40℃以上、もしくは50℃以上の加熱が好ましく、記録媒体Rの熱による影響がでるまでの温度、例えば、100℃以下(耐熱温度が60℃ならば60℃以下)までの加熱で、良好な結果が得られると思われる。
一方、熱で収縮させるように形成されたシュリンクフィルムなどにおいては、例えば、室温より高く(例えば、20℃以上)、50℃以下や、40℃以下が好ましい。
以上のように、本発明によれば、各種の記録媒体Rに対して、文字品質が良好で、色混じりや滲みがなく、かつ、記録媒体にしわやカールの生じることがない、高品質な画像形成が可能となった。
【0158】
【発明の効果】
本発明によれば、カチオン硬化型インクを用いてインクジェット記録方式で画像を形成するとともに、記録ヘッド内でカチオン硬化型インクを加熱し、かつ、記録媒体を加熱することにより、薄膜プラスチックフィルム等の柔らかい記録媒体にも、記録媒体を収縮させてシワが生じたりカールしたりすることなく、かつ、安定したドット径で画像を形成することができる。従って、様々な材質の記録媒体に対して高品質の画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るインクジェットプリンタの画像形成部分を示す要部断面図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタに備わる制御部の主要制御ブロック図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタに備わる記録ヘッドを表す斜視図である。
【図4】図3の記録ヘッドの断面図であり、(a)は図3のD面に沿った断面図、(b)は図3のE面に沿った断面図である。
【図5】前記画像形成部分の変形例を示す要部断面図である。
【図6】前記画像形成部分の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
A  インクジェットプリンタ
F  搬送方向
R  記録媒体
1a、1b 搬送ローラ(搬送手段)
3  UVランプ(UV照射手段)
4  ガイド部材
5  メディア温度調節機構
6  ヘッド温度調節機構
11  ヘッド内供給路(供給路)
13  ヘッドヒーター(ヘッド温度調節手段)
15  吐出口
16  面ヒーター(ヘッド温度調節手段)
17  インク入口部
18  インク収納部
19  ヘッド温度センサ(ヘッド温度検出手段)
30  制御部(ヘッド温度制御手段、メディア温度制御手段)
21  記録ヘッド
51  メディア温度調節手段
51a ヒータ(メディア温度調節手段の一部)
51b リフレクタ(メディア温度調節手段の一部)
51c コンプレッサー(メディア温度調節手段の一部)
51d 冷却部(メディア温度調節手段の一部)
51e ホース(メディア温度調節手段の一部)
51f、51g ペルチェ素子内蔵ローラ(メディア温度調節手段の一部)
51h ヒータ(メディア温度調節手段の一部)
51i 輻射ランプ(メディア温度調節手段の一部)
52  メディア温度検出手段
52a 温度センサ(メディア温度検出手段)
52b 熱電対センサ(メディア温度検出手段)

Claims (10)

  1. インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、活性エネルギ線が照射されることにより硬化する活性エネルギ線硬化インクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される前記記録媒体に吐出し画像形成を行うインクジェットプリンタであって、
    前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、
    前記記録ヘッドから吐出された前記活性エネルギ線硬化インクが着弾して画像形成が行われる前記記録媒体を前記活性エネルギ線硬化インクの着弾前に加熱するメディア加熱手段とを備え、
    前記活性エネルギ線硬化インクがカチオン硬化型であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記メディア加熱手段は、前記活性エネルギ線硬化インクの着弾以後も前記記録媒体を加熱することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. インクを吐出する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを有し、活性エネルギ線が照射されることにより硬化する活性エネルギ線硬化インクを、前記記録ヘッドから、前記搬送手段に搬送される前記記録媒体に吐出し画像形成を行うインクジェットプリンタであって、
    前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を第一の目標設定温度範囲内に制御するヘッド温度調節機構と、
    前記記録ヘッドから吐出された前記活性エネルギ線硬化インクが着弾して画像形成が行われる前記記録媒体の温度を第二の目標設定温度範囲内に制御するメディア温度調節機構とを備え、
    前記活性エネルギ線硬化インクがカチオン硬化型であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を前記活性エネルギ線硬化インクが着弾する前に前記第二の目標設定温度範囲内に制御し、前記活性エネルギ線硬化インクが着弾した後も前記第二の目標設定温度範囲内に制御することを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記ヘッド温度調節機構は、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を検出するヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド内インク加熱手段を制御するヘッド温度制御手段とを備えることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、前記記録媒体の加熱を行うメディア加熱手段と、前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、前記メディア加熱手段を制御するメディア温度制御手段とを備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記ヘッド温度調節機構は、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの温度を検出するヘッド温度検出手段と、前記記録ヘッド内の前記活性エネルギ線硬化インクの加熱を行うヘッド内インク加熱手段と、前記ヘッド温度検出手段の検出結果に基づいて、前記ヘッド内インク加熱手段を制御するヘッド温度制御手段とを備え、
    前記メディア温度調節機構は、前記記録媒体の温度を検出するメディア温度検出手段と、前記記録媒体の加熱を行うメディア加熱手段と、前記メディア温度検出手段の検出結果に基づいて、前記メディア加熱手段を制御するメディア温度制御手段とを備え、
    前記ヘッド温度制御手段と前記メディア温度制御手段は、共通の制御装置で構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記ヘッド温度調節機構は、前記第一の目標設定温度範囲を変更可能となっていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記メディア温度調節機構は、前記第二の目標設定温度範囲を変更可能となっていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記ヘッド温度調節機構は、前記第一の目標設定温度範囲を変更可能となっており、
    前記メディア温度調節機構は、前記第二の目標設定温度範囲を変更可能となっており、
    前記ヘッド温度調節機構と前記メディア温度調節機構とは、前記第一の目標設定温度範囲と前記第二の目標設定温度範囲とのうちの一方の目標設定温度範囲の変更に連動して他方の目標設定温度範囲を変更するようになっていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
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