JP2004103229A - 低標準偏差の磁束変調特性を有する磁気記録媒体 - Google Patents

低標準偏差の磁束変調特性を有する磁気記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 低標準偏差の磁束変調特性を有する磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 磁束変調を抑制し、SN比を改善した磁気記録媒体である。この磁気記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクの形態をとることができる。厚みがより均一な磁気記録層を設けることによって、磁束変調特性を改良することができる。たとえば、磁気記録媒体は、2000エルステッド以上の保磁力と、磁束変調特性の1シグマ標準偏差0.06未満を有することができる。場合によっては、磁束変調特性の1シグマ標準偏差を0.05未満、さらには0.04にまでとすることができる。磁束変調を抑制することで、記憶密度を上げるのを助けることが可能となる。
【選択図】なし

Description

 本発明はデータ記憶媒体に関し、さらに詳しくは磁気記録媒体および磁気記録媒体の製造に関する。
 磁気記録媒体は各種のデータ記憶用途に広く使用されており、磁気テープまたは磁気ディスクの形態をとることができる。磁気記録媒体には一般に、非磁性基材上にコーティングした磁気記録層を備えている。1層または複数の中間層、たとえばキャリア層や下層(“sub”layer)がその磁気記録層と基材の中間にあってもよい。
 大きなデータ記憶が必要とされ、技術も進歩したために、データ記憶密度が高くなってきた。データは通常、磁気記録層上に形成された数本のトラックの1つに沿って、記録される。データ記憶密度を高めるためには、磁気媒体のトラック数を増やし、それぞれのトラックの長さ方向での磁化数(number of magnetization)を増やすような設計をする。
米国特許第5,759,666号公報 米国特許第5,501,903号公報 米国特許第5,510,187号公報 米国特許第5,763,046号公報 米国特許第4,731,292号公報 米国特許第4,784,907号公報 米国特許第5,763,076号公報 米国特許第4,784,914号公報 米国特許第5,735,969号公報 アンドリュー・ストライトウィーザー・ジュニア(Andrew Streitwieser、Jr)およびクレイトン・H・ヒースコック(Clayton H. Heathcock)著『イントロダクション・ツウ・オーガニック・ケミストリー(Introduction to Organic Chemistry)』、マクミラン・パブリッシング社(McMillan Publishing Co.,Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク(NY、NY))、1976年、第947〜949頁。
 データ記憶密度が高くなってくると、より密に詰め込まれた磁化を効果的に読み取るために、充分なSN比(信号対雑音比)を維持することが課題となってきた。具体的には、許容可能な読取り性能を得るためには、より高速(more aggressive)のドライブに密着し、記録媒体の耐久性があり、より精密なプロセスコントロールすることが必要となっている。
 本発明は、磁束変調が少なくSN比が改良された磁気記録媒体を目的としている。この磁気記録媒体は、磁気テープまたは磁気ディスクの形態をとることができる。
 磁束は、記録層の残留磁気(M)と記録層の厚みの関数である。残留磁気とは、外部磁場を取り除いた後でも磁気記録層を形成する磁気材料中に残る永久磁気である。したがって、この残留磁気がデータ記録を保持していることになる。記録パス(recording path)に沿って記録層の厚みに変動があると、その磁束変調のために、磁気記録媒体に記録されたデータおよびそれからの読取りのSN比に大きな影響がでる。
 本発明による、磁気記録媒体の記録方向に沿っての厚みがより均一な磁気記録層を設けると、この磁束変調特性を改良することが可能である。記録方向とは、テープまたはディスクの上でのトラックの方向のことを指している。ウェット・オン・ウェット・コーティング技術、たとえばスライドコーティングまたはスロットコーティングは、磁気記録層に所望の均質性を有する厚みを与えるのには、特に有用である。特にスライドコーティングは、優れた移動特性とコーティングの均質性を与えることができるが、これについては後に説明する。
 たとえば本発明により、保磁力が2000エルステッド以上で、磁束変調特性の1シグマ標準偏差が0.06未満の磁気記録媒体を得ることができる。いくつかの実施態様においては、磁束変調特性の1シグマ標準偏差を0.05未満、さらには0.04にまですることができる。磁束変調を抑制することで、記憶密度を高め、記録性能を向上させるのを助けることが可能となる。
 一実施態様において本発明は、基材およびその基材の上に形成された磁気記録層を含む磁気記録媒体を提供する。この磁気記録層での磁束変調特性の標準偏差は約0.06以下である。
 別の実施態様において本発明は、基材、前記基材の上に形成されたキャリア層、および前記キャリア層の上に形成された磁気記録層を含む磁気記録媒体を提供する。この磁気記録層は、平均の厚みが0.15μm以下、保磁力が2000エルステッドより大きく、磁束変調特性の標準偏差が約0.06以下である。
 また別の実施態様において本発明は、磁気テープ記録システムを提供する。このシステムには、磁束変調特性の標準偏差が約0.06以下の磁気記録層を有する磁気記録テープ、磁気記録ヘッド、およびその磁気記録媒体からデータ読取りをしたりそれにデータ書込みをする磁気記録を調整するためのコントローラーが備わっている。
 さらなる実施態様において本発明は、第1の流体コーティング配合物をスライドコーターの第1のスライドコーティング表面の上に流し、金属磁気記録粒子を含む第2の流体コーティング配合物をスライドコーターの第2のスライドコーティング表面で前記第1のコーティング配合物の上に流し、この第1および第2のコーティング配合物で多層コーティングを形成し、この多層コーティングを移動している基材の上に流して、基材に第1および第2のコーティング配合物を同時に塗布することを含む、方法を提供する。この方法ではさらに、前記の第2の流体コーティング配合物を調整して、乾燥させた後での磁束変調特性の標準偏差が約0.06以下とすることを含む。
 本発明によって、1つまたは複数の利点が得られる。たとえば、磁束変調特性を抑制することで、データを磁気記録媒体から読み取る時のSN比が改良される。磁束変調の抑制は、記録方向に沿っての磁気記録媒体中の磁気記録層の厚みの均質性を注意深く調節することによって達成できる。一般に、厚みがより均一な磁気記録層では、磁束変調特性が、磁気記録媒体の表面においてより小さな変化しか示さないようにすることができる。したがって本発明によって記録層の厚みをより均一にすることで、SN比の改良と読取り/書込み性能の向上が達成される。SN比の改良は、高密度磁気記録になるほど、特に有利である。
 本発明の1つまたは複数の実施態様の詳細について、以下の記載において説明する。本発明のその他の特徴、目的、利点も、この記載および特許請求の範囲から明らかになるで
あろう。
 図1は磁気記録媒体10Aの横断側面図である。図1に示したように、磁気記録媒体10Aには、基材12、前記基材の上に形成されたキャリア層14、および前記キャリア層の上に形成された磁気記録層16が含まれる。いくつかの実施態様においては、磁気記録層16の上に1つまたは複数のさらなる層を形成させることもできる。磁気記録媒体10Aは、磁気テープまたは磁気ディスクの形態をとることができる。後に述べるが、磁気記録媒体10Aは多層のウェット・オン・ウェット・コーティングプロセス、たとえばスライドコーティングまたは二重スロットコーティング(dual slot coating)で形成させて、磁気記録層16の中での厚みの均質性が高いものを製造することができる。
 均質性を上げることによって、磁気記録層16の中での磁束変調を効果的に抑制して、磁束の均一性を向上させることができ、それによって、磁気記録層に記録されるデータのSN比を改良することが可能となる。さらに、SN比の改良によって、データ記憶密度も上げられるようになる。たとえば、磁気記録媒体10の記録方向に沿っての、磁気記録層16の磁束変調特性の1シグマ標準偏差を0.06未満とし、同時に、保磁力を約2000エルステッド以上、より好ましくは約2400エルステッド以上とすることができる。いくつかの実施態様においては、磁束変調特性の1シグマ標準偏差を0.05未満、さらには0.04にまですることができる。
 図2は、別の磁気記録媒体10Bの横断側面図である。本発明による磁気記録媒体10Bには、図2の磁気記録媒体10Bの磁気記録層16の上に形成させた層18のような、1つまたは複数のさらなる層が含まれる。磁気記録媒体10A、10Bを、本明細書においては一般に、磁気記録媒体10と呼ぶこととする。図2に示した磁気記録媒体10Bの中の追加の層には、たとえば、帯電防止材料、使用時に記録ヘッドのクリーニングに役立つ研磨材料、磁気記録ヘッドと磁気記録媒体の表面との間の摩擦を減少させる潤滑材料、あるいはそれらの組合わせなどを加えることができる。所望する媒体の性能、コーティング性または生産性に合わせて、追加の流体層(fluid layer)を磁気記録媒体10Bに組み入れることもできる。このように、機能性材料を個々の流体層に組み入れることができる。あるいは、1種または複数の機能性材料を、単一の流体層に組み入れて、乾燥させて得られる磁気記録媒体中に多機能性層が形成されるようにすることもできる。
 図3は、図1の磁気記録媒体10Aの横断側面図で、磁気記録層16の厚みTmagを示した図である。図3に示したように、磁気記録層16は、キャリア層14の上側表面に隣接した下側表面19と、キャリア層とは反対側の上側表面21とを有している。磁気記録層16の上側表面21は、露出していてもよいし、あるいは、図2に関して説明したように追加の層でコーティングされていてもよい。厚みTmagは、下側表面19から上側表面21までの間の磁気記録層16の平均の厚みを表すものとする。本発明によれば、平均の厚みTmagは約0.15μm以下、より好ましくは約0.10μm以下であるのがよい。さらに、コーティングの均質性が向上した結果として、磁気記録層16の厚みでは、磁気記録層16における平均の厚みの変化が小さくなったことが示される。厚みの減少および厚み変化の減少によって、磁気記録層16に関わる磁束変調における変動、すなわち変化が効果的に減少する。言い換えれば、記録層における厚みの均質性が向上することで、磁気記録テープの長さ方向および幅方向での磁束変調を抑制することが可能となる。
 図4は、磁気記録媒体における残留磁気および保磁力を示すヒステリシス特性図である。磁気残留(magnetic remanence)(Mr)または残留磁気(remanent magnetization)とは、外部磁場を取り除いた後でも磁気記録層を形成する磁気材料中に残る永久磁気である。したがって、この残留磁気がデータ記録を保持していることになる。磁束は、記録層16における残留磁気と、記録層の厚みとの関数である。したがって、記録パスに沿っての記録層16の厚みに変動があると、磁束の変調につながり、磁気記録媒体に記録されたデータおよびそれからの読取りのSN比に大きな影響がでる。過剰な磁束変調があるとSN比が低下し、有効な記録をするためのエネルギーを多く必要とするようになる。図4は、残留磁気についての一般的な状態を説明するためのものであって、本明細書で考案した何か特定の記録材料のヒステリシス特性図を示す目的のものではない。
 図4に示したように、磁化されていない記録材料に対して外部磁場を加えていくにつれて、誘導磁化は磁化曲線20に沿って増えていく。誘導磁化がついにはHoで飽和に達する。ここで外部磁場を減少させると、誘導磁化も低下するが、最初の磁化曲線には従わない。その代わり、磁気記録材料は新しい磁化曲線22に従うことになるが、これが残留磁気Mrと呼ばれる永久磁気を反映している。外部磁場をさらに減らしていくと(曲線24)、ついには残留磁気はHcで無くなってしまう。残留磁気がゼロとなるような時の外部磁場を、保磁力Hcと名付ける。外部磁場をさらに逆転させていくと(曲線26)、逆符号の永久磁気が生成し、そのうちに飽和に達する。逆方向の磁場に向けて減少させてから順方向の磁場に変化させていくと、曲線28を通ってHoに戻る。
 本発明による、磁気記録媒体の厚みがより均一な磁気記録層を設けると、この磁束変調特性を改良することが可能である。磁気記録層の表面の中で磁束の程度が変化すると、その層に書き込まれた磁化が異なったSN比を示すことになる。したがって、読取りのためにノイズフロアが最悪となるケースを想定しなければならず、一般には、記憶密度および記録性能の向上が妨害される。磁束は、特に磁気記録層の厚み変化によって変化を受けやすい。たとえば、このタイプの変化は、一定の容積の磁気記録層中の磁化材料の量に影響する可能性がある。本明細書に記載しているように、磁気記録媒体は、厚み変化を小さくした磁気記録層を備えている。その結果、本発明によって構成された磁気記録媒体では磁束変調を抑制することが可能である。
 図5は、図1または図2に示した磁気記録媒体10を製造するのに有用な、スライドコーティングシステム30の側面図である。スライドコーティングは、厚みの減少と厚み変化の減少を達成した磁気記録層を得るための好適な技術を代表するものである。その他にも二重スロットコーティングなどの方法でも効果がある。しかしながら一般には、スライドコーティングは、コーティング基材12に、優れた移動特性とコーティングの均質性を与えることができる。図5に示したように、スライドコーティングシステム30ではバックアップローラー32がスライドコーター34の直ぐ近傍にあって、コーティング基材12の裏側、すなわち非コーティング側を支持している。コーティング基材12は、連続ウェブの形態をとっている。基材12が移動する方向に、バックアップローラー32が回転する。基材12は、スライドコーター34に関して、供給ロールおよび巻取りロール(図示せず)の間で移動する。スライドコーター34によって、基材12の上に2つ以上の流体層を積み重ねた配置で同時にコーティングすることができる。コーティングの後、たとえば基材16を乾燥炉(図示せず)に通すことによって、これらの層を乾燥させる。
 スライドコーター34には、多重スライドブロック36、38、40、42が備わっている。図5の実施態様では、スライドコーター34には4つのスライドブロックがある。別の実施態様では、スライドコーター34には、基材12の上にコーティングする流体層の数に応じて、4つより少ない、または4つより多いスライドブロックを含まれていてもよい。いくつかの実施態様においては、たとえば、製造される記録媒体には、キャリア層と記録層だけ、または記録層だけが含まれていてもよい。スライドブロック36、38、40、42によって流体スロット44、46、48と組合せスライド面50が画成される。第1のスライドブロック36はバックアップローラー32に隣接して配置されるが、一方スライドブロック38、40、42は第1のスライドブロック36よりは上側に配置される。スライドブロック36、38、40が、コーティング流体の流れのための連続のスライド面を画成する。
 真空ボックス52を設けて、スライドコーティングシステム30に隣接した陰圧のレベルを調節することもできる。具体的には、真空ボックス52は、スライド面50と基材12の間のコーティングビード53での差圧を保ち、それによってコーティングビード53を安定化させるのに役立つ。真空ボックス52は真空源(図5に示さず)に連結するのがよく、またコーティング領域から回収する材料のための出口(図5に示さず)を備えていてもよい。
 第1の流体56は、第1の流体供給と第1のマニホールド(図5に示さず)を介して第1のスロット44に分配することができる。第2の流体58は、第2の流体供給と第2のマニホールド(図5に示さず)を介して第2のスロット46に分配することができる。第3の流体60は、第3の流体供給と第3のマニホールド(図5に示さず)を介して第3のスロット48に分配することができる。したがって図5に示した実施態様においては、スライドコーター30は3層流体構成物62をコーティングすることが可能で、これには、第1の流体56を含む第1の流体層64、第2の流体58を含む第2の流体層66、および第3の流体60を含む第3の流体層68が含まれる。第1の流体層64は基材12の上にコーティグされ、第2の流体層66は第1の流体層64の上にコーティングされ、第3の流体層68は第2の流体層66の上にコーティングされることができる。第1、第2および第3の流体層64、66、68はそれぞれ、下層、記録層、および、たとえば帯電防止剤またはヘッドクリーニング剤を含む機能性層を形成することができる。第3の流体層68は、実施態様によっては任意である。
 流体56、58、60には、溶媒と溶質とを含むことができる。典型的な溶媒の例としてはたとえば塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、およびそれらの混合物などが挙げられる。溶媒が乾燥すると、コーティングの溶質が後に残る。言い換えれば、塗布の容易さの面からコーティングを液状で塗布するが、最終製品ではそのコーティングを乾燥させる。
 流体56、58、60によって供給される溶質のタイプは形成させるコーティングのタイプによって決まる。たとえば磁気記憶媒体を製造する場合には、溶質には複数の磁性粒子が含まれる。この磁性粒子は、とがったまたは針状の磁性粒子で、主軸に沿ってのその平均長さが約0.3mm未満であることができる。このタイプのとがった粒子として典型的なのが、たとえば、第1鉄酸化物および強磁性鉄酸化物たとえばガンマ酸化第2鉄(γ−Fe)、鉄およびコバルトの複合酸化物の粒子、各種フェライトおよび金属鉄粒子などである。
 それらに代えて、小さな平板状粒子たとえばバリウムフェライトなども使用することができる。これらの粒子は、多価金属たとえばチタン、スズ、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、クロムなどの1種または複数のイオンでドーピングされていてもよい。第1の流体層64は、キャリア層または第2および第3の流体層66、68のための下層として機能させることもできる。この場合、基材12の上の第1の流体層64の濡れ時の厚みは、第2および第3の流体層66、68の濡れ時の厚みよりは実質的に厚めにすることができる。
 流体層64、66、68の流れ方向に対して横方向の流体スロット44、46、48の幅は、基材12の幅に実質的に釣り合ったものとすることができる。スライドブロック36、38、40は、流体スロット44、46、48よりも少し広めにするのがよい。いくつかの実施態様においては、基材12の幅は、15.24cm〜76.2cmの程度とする。磁気テープ媒体を製造する場合、コーティングに続けて基材12を長さ方向に切断して、たとえば幅0.64cmの数本のテープとし、データカートリッジに収容する連続の長さを有する記録テープとしてもよい。磁気ディスク媒体を製造する場合には、基材16から円盤を切り出すか打抜いて、たとえば直径90mmの「クッキー」とし、それをフロッピーディスケットハウジングに組み入れてもよい。いずれの場合でも、それぞれの流体層64、66、68は、基材12の外側の縁部までの幅があるのが好ましい。
 いくつかの実施態様においては、第2の流体層66が磁気記録層を形成し、第2の流体58が金属磁気記録粒子のような磁気材料を含む。この場合、乾燥後には、第2の流体層66が基材12上の磁気記録層を形成する。別の実施態様においては、磁気材料が第1の流体層64に設けられていてもよく、あるいは、流体構成物62の多層流体層64、66、68中に設けられていてもよい。たとえば、流体構成物62での多層が、多重の磁気記録層を形成していてもよい。あるいは、それぞれの磁性層が配列されていて、互いに作用しあいながら、複合多層記録フィルムとなっていてもよい。
 前述のように、第3の流体60には、最終製品の磁気記録媒体に機能性を付与するための各種の物質が含まれていてもよい。言い換えれば、乾燥させた後では第3の流体層68が、磁気記録媒体の機能層を形成する。たとえば、第3の流体60には、帯電防止材料、使用時に記録ヘッドをクリーニングするのに役立つ研磨材料、磁気記録ヘッドと磁気記録媒体の表面との間の摩擦を抑える潤滑材料、またはそれらの組合わせが含まれていてもよい。
 所望する媒体の性能、コーティングまたは生産の容易さを得るために、追加の流体層を導入できるよう、スライドコーター30に追加のスライドブロックを加えることもできる。このようにして、そのような機能性材料を個々の流体層に組み入れることができる。あるいは、1種または複数の機能性材料を、単一の流体に組み入れて、乾燥させて得られる磁気記録媒体中に多機能性層が形成されるようにすることもできる。
 さらに図5に示されているように、、バックアップローラー32は一般に、真空ボックス52の内部においてバックアップローラーの円周表面の相当な部分で、基材12を均質に支持し張力をかけている。さらに、バックアップローラー32は、基材12の移動速度を精密に調節するのにも役立っている。このように、バックアップローラー32は基材12がスライドコーティングシステム30の内部を移動する際にその張力を効果的に調節して、他のコーティング方法に比較すると、すぐれたコーティングの均質性を可能としている。バックアップローラー32はまた、基材12を支持して、コーティングギャップ内での距離を一定に保っている。さらに、スライドコーター34を用いて異なった流体層を同時に塗布することによって、多層コーティング装置からの多層の濡れ表面の相互作用を避けることができ、コーティングの均質性の向上を促進する傾向がある。特に、このようにコーティングの均質性を上げることで、記録層、たとえば第2の流体層66の内部での厚みの均質性が効果的に促進され、それによって最終製品の磁気記録媒体での磁束変調を抑制している。コーティングの厚みの変動を抑えることによって、製造される記録媒体での磁束変調が抑制できる。
 第2の流体層66として使用するのに好適なコーティング配合物は、以下に説明するような配合と特性を有するものである。具体的にはその磁気記録媒体には、バインダーおよび前記バインダー中に分散された複数の磁性粒子を含む磁気コーティング組成物から形成された少なくとも1層の磁性層を含むのが好ましい。第2の流体層62によって形成される少なくとも1層の磁気記録層に加えて、本発明による磁気記録媒体にはさらに、バインダーとその中に分散された任意の非磁性粒子とを含む非磁気コーティング組成物からの第1の流体層64によって形成された非磁性層、および第3の流体層68によって形成された非磁性層が含まれていてもよい。
 上述のように、第2の流体層66の配合に好適な磁気コーティング組成物、およびそれと同様に第1の流体層64の配合に好適な非磁気コーティング組成物には、バインダーが含まれる。磁性層コーティング組成物に使用することができる好適なバインダーの例としては、たとえば、塩化ビニル−酢酸ビニル−コポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−コポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸−ポリマー、塩化ビニル−塩化ビニリデン−コポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリル−コポリマー、アクリル酸エステル−アクリロニトリル−コポリマー、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン−コポリマー、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン−コポリマー、メタクリル酸エステル−スチレン−コポリマー、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル−コポリマー、ブタジエン−アクリロニトリル−コポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸−コポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸コポリマー、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン−コポリマー、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキル樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
 バインダーは適当な非水溶媒中で調製できるが、そのような溶媒としてはたとえば、塩化メチレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、ブチルアルコール、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエンおよびそれらの混合物などがある。
 好適なバインダーとしては、ポリウレタン、非ハロゲン化ビニルコポリマー、ハロゲン化ビニルコポリマー、およびそれらの組合わせなどが挙げられる。本明細書で用いるとき、「非ハロゲン化」という用語は、そのコポリマーに共有結合的に結合したハロゲン原子が含まれない、ということを意味している。したがって、「非ハロゲン化」という用語では、ビニルハライドモノマー、たとえばコポリマーのモノマー成分としての塩化ビニルや塩化ビニリデンは除外されるが、この「非ハロゲン化」という用語は(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのように、塩素がクロリドアニオンとして存在しているようなものをモノマー成分として除外する訳ではない。本明細書で用いるとき、接頭辞の「(メタ)アクリル−」は、「メタクリル−」または「アクリル−」を意味する。ポリマー材料においての「ビニル」という用語は、その材料にビニルモノマー由来のくり返し単位が含まれていることを意味する。ビニルモノマーについて用いる場合の「ビニル」という用語は、フリーラジカル重合性の炭素−炭素二重結合を有する部分を含むモノマーを意味している。そのような部分を有するモノマーは、その炭素−炭素二重結合を用いて、互いに共重合することができる。
 本発明においては、1つの有用なポリウレタンは、カルボキシルポリウレタンポリマーである。(たとえば、特許文献1(カールソン(Carlson)ら)を参照)。このカルボキシルポリウレタンポリマーは典型的には以下の、(i)1種または複数のポリイソシアネート、(ii)カルボン酸官能基を有するポリオール、および(iii)任意成分として、前述のカルボン酸官能基を有するポリオール以外の1種または複数のポリオール、を含む混合物の反応生成物を含み、ここで、反応前には、混合物中に存在するイソシアネート反応性基の数の方がイソシアネート基よりも多く、1gのカルボキシルポリウレタンポリマーあたり少なくとも約0.2meqのカルボン酸基がカルボキシルポリウレタンポリマー上に存在している。典型的には、この反応生成物の数平均分子量は、約2000〜約50,000、好ましくは約5000〜約30,000である。
 本明細書で用いるとき「ポリオール」という用語は、平均して1または複数のヒドロキシル基を含む多価アルコールを指し、たとえば、モノヒドロキシアルコール、ジオール、トリオール、テトロールなどがある。好適なポリオールはジオールで、低分子量(すなわち、数平均分子量約500未満)と典型的には数平均分子量が約500〜約5000のオリゴマー性ジオールの両方を含むものである。低分子量ジオールの代表例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、極性官能基を有するジオール、エチレン性不飽和を有するジオール(たとえば、3−アリルオキシ−1,2−プロパンジオール、1−グリセリル(メタ)アクリレートなど)およびフッ素化ジオールなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。オリゴマー性ジオールの代表例としては、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルトリオール、ポリエステルトリオールなどが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
 「ポリイソシアネート」という用語は、単一の分子内に2つ以上の反応性イソシアネート(すなわち、−NCO)基を持つ各種有機化合物を指し、それらは脂肪族、脂環式、芳香族およびそれらの組合わせでよく、そしてジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネートなど、およびそれらの組合わせなどがある。ジイソシアネートを使用するのが好ましく、それらとしてはたとえばジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートおよびそれらの組合わせなどが挙げられる。
 その他の有用なポリウレタンとしてはホスホン化ポリウレタンがある(たとえば特許文献2(エルキラ(Erkkila)ら)参照)。好ましくは、ホスホン化ポリウレタンには、ポリマーの主鎖の一部を形成する窒素、単結合または2価の結合基(好ましくは4つまでの直鎖状炭素原子を含む)、およびそれぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基からなる群より選択される2つのペンダント基を含み、さらに、環を形成するために必要な数の炭素原子を含む。ホスホン化ポリウレタンは好適に形成させる反応には、中でヒドロキシル基がフレキシブルな鎖で離されているソフトセグメントジオール(典型的には、その分子量が300を超え、たとえばポリカプロラクトンジオールを含む)、中でヒドロキシル基が比較的軟質ではない鎖で離されているハードセグメントジオール(典型的には、その分子量が300未満で、たとえばネオペンチルグリコールを含む)、トリオール(たとえば、ポリカプロラクトントリオール)、ジイソシアネート(たとえば、トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネート)、およびジアルキルホスホネート(たとえば、ジエチルビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート)が含まれる。
 有用な4級アンモニウム含有ポリウレタンの例としては、重合性4級アンモニウム化合物がある(特許文献1(カールソン(carlson)ら)を参照)。具体的には、重合性4級アンモニウム化合物の数平均分子量が約500より大きく、4級アンモニウムポリウレタン、4級アンモニウム官能性非ハロゲン化ビニルコポリマーおよびそれらの組合せからなる群より選択されるのが好ましい。
 好適なバインダーとしては、4級アンモニウム官能性を有するものがよい。本明細書で用いる「4級アンモニウム官能性」という用語は、次式の部分を指す。
Figure 2004103229
 上式の中で、*印をつけた結合はポリマーバインダー樹脂の主鎖に直接、または2官能の結合基を介して間接的についており、Rはそれぞれ独立して各種の基であるかまたは共に環構造の一部となっているが、好ましくはHまたは炭素原子数1〜10のアルキル基、たとえば−CHであり、そしてMは適当な各種対アニオン(たとえばCl、Br)などである。この「4級アンモニウム官能性」という用語にはまた、スルホベタイン(たとえば、−N(CH(CHCHCHSO ))も含まれる。
 1つの実施態様においては、4級アンモニウム官能性ポリマーは、ガラス転移温度(T)が比較的高いいわゆる「ハード樹脂」成分としてポリマーバインダー中に組み込まれた非ハロゲン化ビニルコポリマーである。
 別の実施態様においては、この非ハロゲン化ビニルコポリマーは、複数のペンダントした4級アンモニウム基、複数のペンダントした架橋成分、たとえばOH基または炭素−炭素二重結合を有する部分のような架橋性部分、および複数のペンダントしたニトリル基を含むタイプのものである。理論にとらわれることなく言えば、ニトリル基が、これらのビニルコポリマーとポリウレタンとの相溶性を上げるのに寄与している考えられる。さらに、このビニルコポリマーのペンダントしたヒドロキシル基は、ポリマーバインダー中への磁性顔料の分散を促進するだけではなく、溶解性、架橋性、および他のポリマーとの相溶性をも促進すると考えられる。ビニルコポリマー中の4級アンモニウム基は、ポリマーバインダー中への磁性顔料の分散を促進している。
 さらに別の実施態様においては、4級アンモニウム官能性ポリマーは、分子量が約500を超えるポリウレタン鎖からペンダントした少なくとも1つの4級アンモニウム基を有する4級アンモニウムポリウレタンである。
 その他の有用な非ハロゲン化ビニルコポリマーとしては、複数のペンダントしたニトリル基、複数のペンダントしたヒドロキシル基、および少なくとも1つのペンダントした分散性付与基(たとえば、特許文献2(エルキラ(Erkkila)ら)および特許文献3(クマール(Kumar)ら)参照)を有するものがある。複数のペンダントしたニトリル基、複数のペンダントしたヒドロキシル基、および少なくとも1つのペンダントした分散性付与基を有する非ハロゲン化ビニルコポリマーは、好ましくは、5〜40、好ましくは15〜40重量部の(メタ)アクリロニトリル(30〜80重量部の1種または複数の非ハロゲン化非分散性ビニルモノマー、1〜30重量部の非ハロゲン化、ヒドロキシル官能性ビニルモノマー、および0.25〜10重量部の分散性付与基)を有するモノマーからの非ハロゲン化ビニルモノマーである。分散性付与基は、4級アンモニウム、カルボン酸またはその塩、リン酸またはホスホン酸の酸または塩、硫酸またはスルホン酸の酸または塩、およびそれらの混合物から選択することができる。分散性付与基が4級アンモニウムの場合には、分散性付与基を有するビニルモノマーは(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドであるのが好ましい。
 非ハロゲン化、非分散性のビニルモノマーは、スチレン((メタ)アクリル酸のアルキルエステルであってそのアルキルエステルのアルキル基が炭素原子数1〜20のもの、スチレンおよびそのようなアルキルエステル(たとえば、メチル(メタ)アクリレート、より好ましくはメチルメタクリレート)からのブレンド物であって、スチレンのアルキルエステルに対する重量比が10:90〜90:10の範囲のもの)から選択するのが好ましい。
 ハロゲン化ビニルコポリマーもまた有用で、本発明によるスライドコーティングに使用できることに注目すべきである。そのようなものとしては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、およびそれらの組合せが上げられる(特許文献4(エジリ(Ejiri)ら)参照)。これらの樹脂にはさらに1種または複数の極性基が結合しているのが好ましい。好適な極性基としては、SO、COOM、OSO、P=O(OM)OM、−OP=O(OM)OM、−NRX、OH、NR、N(ここでRは炭化水素基)、エポキシ基、SH、およびCNなどを挙げることができる。さらに有用な塩化ビニル樹脂のタイプの1つは、エポキシ基を含む塩化ビニルコポリマーで、たとえば、塩化ビニル反復単位、エポキシ基含有反復単位、および必要ならば、極性基含有単位(たとえば−SOM、−OSOM、−COOM、および−PO(OM)、ここでMは水素またはアルカリ金属)を含むコポリマーである。これらの中でも、くり返しのエポキシ基および−SONaを含む反復単位を含むコポリマーが、特に有用である。
 上記のポリマーは当業者公知の重合方法によって調製することができるが、そのようなものとしては、バルク重合、溶液重合、乳化重合、懸濁フリーラジカル重合などの方法が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。たとえば、溶液重合法では、所望のモノマーを適切な溶媒中に溶解させ、連鎖移動剤、フリーラジカル重合開始剤およびその他の当業者公知の添加剤を添加し、この溶液を窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気でシールし、次いでその開始剤を活性化させるのに充分な温度にしてこの混合物を撹拌して、コポリマーを調製する。
 当業者公知の各種の添加剤を、本明細書に記載した分散物およびコーティングに加えることができる。分散物およびコーティングには、架橋剤、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、および濡れ剤からなる群より選択された添加剤をさらに加えることができるが、これらに限定される訳ではない。
 たとえば、所望により、バインダー組成物はさらに架橋剤を含んでもよい。好ましい架橋剤のタイプの1つは、磁気記録媒体業界では公知のポリイソシアネート架橋剤で、架橋によって約100℃より高いガラス転移温度を与え、高いガラス転移温度と硬度を有する層を製造するのに使用することができる。特に有用なタイプのポリイソシアネート架橋剤は、過剰のジイソシアネートを、数平均分子量(約200未満)の小さなジオールおよびトリオールと反応させた生成物である。典型的で広く使用されている硬化剤としてはたとえば、トルエンジイソシアネートをブタンジオールまたはジエチレングリコールのようなジオールとの混合物と反応させたアダクトなどがある。このタイプの好適な材料は、バイエル社(Bayer Corporation)から商品名モンジュール(MONDUR)CB−55Nとして入手可能である。その他の有用な高Tg架橋剤としては、商品名モンジュール(MONDUR)CB−601、モンジュール(MONDUR)CB−701、モンジュール(MONDUR)MRSおよびデスモジュール(DESMODUR)L(すべてバイエル社(Bayer Corporation)から入手可能)およびコロネート(CORONATE)L(日本ポリウレタン工業(株)から入手可能)などが市販されている。さらに他のイソシアネート系架橋剤も開示されている(特許文献5(ササキ(Sasaki)ら)参照)。
 架橋をさせたときに強靱かつフレキシブルで脆さのないフィルムを与える、強化ポリイソシアネート架橋剤が望ましい。有用な強化ポリイソシアネート架橋剤の記載があり特許文献1(カールソン(carlson)ら)を参照)、これは、過剰のポリイソシアネートと強化セグメントとして機能するオリゴマー性ポリオールを10〜80重量%含むポリオールとを反応させた生成物として得られる。強化ポリイソシアネート硬化剤を製造するのに有用なオリゴマー性ポリオールは、その数平均分子量が約500〜約5000を有し、ガラス転移温度が約0℃より、好ましくは約マイナス20℃より低いものである。このオリゴマー性ポリオールは、ポリエステルジオール、ポリエステルトリオール、ポリエーテルジオール、ポリエーテルトリオール、ポリカーボネートジオール、ポリカーボネートトリオール、およびそれらの混合物からなる群より選択するのが好ましい。
 好適な強化ポリイソシアネート架橋剤の1つは、CB−55N(前述)を、45重量%の数平均分子量1300のポリカプロラクトンジオールと反応させた生成物から作ったものである。CB−55Nをこのようにして変性すると、架橋がより早く、より強靱なコーティングが得られる。本発明の分散物およびコーティングにおける配合では、粒子を除いた配合固形分の重量を基準にして、強靱化ポリイソシアネート硬化剤を好ましくは約20〜約60重量%、最も好ましくは約30〜約50重量%とする。
 上述のように、その他の添加剤としては、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、および濡れ剤などが挙げられる。所望の摩擦特性および加工特性を得るためには、特許文献に記載のような潤滑剤を使用することが考えられる(特許文献5(ササキ(Sasaki)ら)、特許文献6(マツフジ(Matsufuji)ら)、および特許文献7(エジリ(Ejiri)ら)参照)。有用な潤滑剤の例としては、C10〜C22脂肪酸、脂肪酸のC〜C18アルキルエステル、およびそれらの混合物からなる群より選択されたものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。その他の有用な潤滑剤の例としては、シリコーンオイルのようなシリコーン化合物、フッ素系潤滑剤、フルオロシリコーン、および無機またはプラスチック材料の粉体のような粒子状潤滑剤などからなる群より選択されるものが挙げられる。好適な潤滑剤としては、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸、およびそれらのブチルおよびアミルエステルなどからなる群より選択されるものが挙げられる。典型的には、潤滑剤の混合物、特に脂肪酸と脂肪酸エステルとの混合物が使用される。
 分散物にはさらに、磁性粒子の重量を基準にして、約1〜約10重量%の濡れ剤が含まれていてもよい。好適な濡れ剤としては、グリセロールのプロピレンオキシドアダクトのモノリン酸化物のようなリン酸エステル、たとえば、1モルのリンオキシクロリドを、10〜11モルのプロピレンオキシドと1モルのグリセリンとの反応生成物と反応させた生成物、からなる群より選択されたものがあるが、これらに限定される訳ではない。
 有用なヘッドクリーニング剤の例としては、特許に開示されたものがあるが(特許文献8(マツフジ(Matsufuji)ら)および特許文献5(ササキ(Sasaki)ら)参照)、それらに限定される訳ではない。そのようなヘッドクリーニング剤の例としては、アルミナ、二酸化クロム、アルファ酸化鉄および二酸化チタン粒子からなる群より選択されたものが挙げられるがそれらに限定される訳ではなく、それらの粒子のサイズは約2μm未満、好ましくは0.5μm未満で、そのモース硬度が約5より大であり、これを磁性粒子100部あたり約0.2〜約20部の範囲の量で添加する。
 上記のように、磁性層には複数の磁性粒子が含まれる。磁性粒子としては、とがったものまたは針状のものが好ましい。それらの粒子の主軸に沿った平均の長さは、好ましくは約0.3μm未満、より好ましくは約0.2μm未満である。この粒子の軸比、すなわち長さの直径の大きさに対する比は、最大約5または6〜1までであるのが好ましい。粒子の比表面積は、好ましくは少なくとも約30m/g、より好ましくは少なくとも約40m/gである。このタイプのとがった粒子として典型的なのが、たとえば、第1鉄酸化物および強磁性鉄酸化物(たとえばガンマ酸化第2鉄(γ−Fe)、鉄およびコバルトの複合酸化物の粒子、各種フェライトおよび金属鉄粒子など)である。あるいは、小さな平板状粒子たとえばバリウムフェライトなども使用することができる。これらの粒子は、これは当業者周知のように、多価金属たとえばチタン、スズ、コバルト、ニッケル、亜鉛、マンガン、クロムなどの1種または複数のイオンでドーピングされていてもよい。分散物中の磁性粒子は、約50%〜約90重量%、好ましくは約60%〜約80重量%の範囲の量で存在させておくことができる。
 好適な粒子は、高い保持力と高い飽和磁化を有する金属合金粒子で、存在しているFeの量を基準にして(すなわち、100×Co原子数/Fe原子数)、約15〜45原子%、好ましくは20〜45原子%のCoを含むのがよい。これらの合金粒子の保持力は、好ましくは約1800エルステッド(Oe)より大、より好ましくは約1800〜約2500Oe、さらにより好ましくは、約2000〜約2400Oeである。合金粒子の飽和磁化は、好ましくは130emu/g以上、より好ましくは、135emu/gより大である。そのような金属合金粒子は特許に記載の方法によって調製でき(特許文献9(ローン(Lown)ら)参照)、たとえば同和鉱業(株)(Dowa Mining)、関東電化工業(株)(Kanto Denka)、および戸田工業(株)(Toda Kogyo Corporation)などから市販されている。
 本発明で使用するための磁性粒子には少なくとも第1の表面処理剤が含まれていてもよく、それは望ましくは磁性顔料の表面上に吸着されている。この表面処理剤は、少なくとも1つの酸性基と少なくとも1つの電子吸引性基を含む化合物である。このタイプの多重機能性を有する表面処理剤を使用すると、4級アンモニウム官能性を有するポリマーバインダー中への磁性顔料の分散性が好適に改良される。その結果として、それを用いた磁気記録媒体を製造することが容易になり、また酸および電子吸引性官能性の一方または両方が存在しない表面処理剤を使用した場合に比べて、電磁性能および機械的性能が改善される。
 広い範囲の酸性基を本発明の表面処理剤の酸性基として使用することができ、有利な結果が得られる。好適な酸性基の代表的な例としては、酸無水物基、−COOH基、スルホン酸、ホスホン酸基、そのような基の塩、それらの組合せなどが挙げられる。これらのうちでは、−COOHが、金属粒子磁性顔料と組み合わせたときに現在のところ最も適している。本発明の実施においては、酸性基の塩も、本発明の範囲内の酸性基とみなす。
 本明細書で用いるとき、用語の「電子吸引性」基は、カルボン酸上で水素原子(酸のHは除く)と置換した時に、その酸のpKaを下げるような基であって、すなわち、その官能性基のハメット置換定数が0.1より大きいものである(非特許文献1参照)。電子吸引性基の代表例としては、ニトロ、クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード、オキソ、ペルフルオロアルキル(たとえばトリフルオロメチル)、ペルフルオロアルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、それらの組合せなどが挙げられる。
 磁性層には、本発明の磁気記録媒体を調製する際に、分散を容易にし、磁性顔料の凝集を防止するのに役立つのに充分な量の表面処理剤を含んでいるのが好ましい。表面処理剤の最適量は、いくつかの要因に依存するが、そのような要因としては、表面処理剤の酸当量、表面処理する磁性顔料の比表面積、処理する磁性顔料のpHなどがある。
 1つの好適な実施態様においては、その表面処理剤は次式の化合物で、
  E−X−A
式中、Eは電子吸引性基、Aは酸性基そしてXは芳香族部分を含む。Xが芳香族環で、EとAがその芳香族環において互いにメタまたはパラの位置の置換基であれば好ましい。EとAとが互いにパラの位置にあればより好ましい。EとAの基の間の距離が離れているため、EとAとが互いにオルトの位置にあるのに比較して、EとAとが互いにメタまたはパラの位置にある場合の方が表面処理剤の効果がかなり高い。
 バインダーに添加する前に、複数の磁性粒子をまず濃縮磁性粒子分散物として調製するのが好ましい。この濃縮磁性粒子分散物は、分散技術では公知の方法を用いて調製することができる。この分散物は、分散機械たとえば、高速インペラーミル、アトリッター、サンドミルなどを使用して調製することができる。
 濃縮磁性粒子分散物を適当な非水性有機溶媒で稀釈して、磁気コーティング組成物を作ることができる。前述のように典型的には、非水性有機溶媒バインダーをその中に溶解させるかまたは分散させる。濃縮磁性粒子分散物を稀釈するのに有用な溶媒としては、ケトン類、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン;エステル類、たとえば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、グリコールモノエチルエーテルアセテート;エーテル類、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル、ジオキサン;芳香族炭化水素、たとえばベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロロベンゼン、スチレン;塩素化炭化水素類、たとえば塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロロヒドリン、ジクロロベンゼン;N,N−ジメチルホルムアミド、およびヘキサンなどが挙げられる。
 本発明のいくつかの実施態様においては、本明細書に記載されたバインダーを、磁性が不要なコーティング組成物、たとえば、プライマー/接着促進層、活性化剤層、下層(典型的には、磁性層と基材との間に位置する)およびトップ層などに加えるのも望ましい。たとえば、第1の流体層60のような下層を形成するためのコーティング組成物に、非磁性粒子を加えてもよく、そのような粒子は、たとえば、カーボンブラック、アルファ酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカゲル、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、およびそれらの混合物からなる群より選択される。
 上に列記したような各種の添加剤は、第3の流体層64のような非磁性層に加えてもよい。好適な添加剤には、ヘッドクリーニング剤、潤滑剤、カーボンブラック、分散剤、濡れ剤などが含まれる。
 この実施例で使用した材料はすべて、特に記載しない限り、通常の市場で容易に入手可能なものである。%はすべて、特に記載しない限り、重量%である。コーティング配合物は第1の流体層および第2の流体層の両方のためのものを調製し、基材上にコーティングして磁気記録媒体を形成した。第1の流体層を基材に塗布して下層として用いた。第2の流体層は下層の上に配して、記録層を形成させた。第1の流体層(下層)は以下の配合で作った。
Figure 2004103229
 アルファ酸化鉄は、戸田工業(株)(Toda Kogyo Corp.)から入手したものでその長さは0.15μmであった。BP2000(ブラックパールズ(Black Pearls)2000)はカボット社(Cabot Corporation)から入手した。ミリスチン酸とステアリン酸ブチルはいずれも、ヘンケル・カナダ社(Henkel Canada Ltd.)から入手した。
 第2の流体層は記録層として使用するもので、以下の配合で作った。
Figure 2004103229
 磁性顔料は同和鉱業(株)(Dowa Mining Co.、Ltd.)から入手した。4−ニトロ安息香酸は、ノルディック・シンセシス社(Nordic Synthesis)から入手した。アルミナは、コンデア・ビスタのセラロックス・ディビジョン(Ceralox Division of Condea Vista)から入手した。
 上記の液状コーティング配合物のいくつかの試料を基材上にコーティングして磁気記録媒体を得た。乾燥後には、その磁気記録層は以下の表1に示す特性を示した。
Figure 2004103229
 表1において、コーターは、磁気記録媒体を形成するのに使用したコーターのタイプ、すなわち、スライドコーターかダイコーターかを示している。この実施例では、図5に示したのと同様のスライドコーターを使用した。表1において、Hは記録層の保持力の測定値を示し、SFDはスイッチングフィールドディストリビューションを示し、角形比はヒステリシス曲線の直角度したがって残留磁気対保磁力の比を示し、Tmagは記録方向での磁気記録層の平均厚み(μm)を示し、MRデルタは記録方向での残留磁気の変化を示し、そして、シグマは残留磁気の標準偏差を示している。
 表1に見られるように、得られた磁気記録層では、磁束変調(Mrデルタ)特性の偏差が、試料1および2では0.07以下、試料3、4および5では0.06未満であった。実際には、試料4では標準偏差が0.05未満、試料5では標準偏差が0.04未満であった。
 図6は磁気記録システム76のブロック図で、本明細書に記載した磁気記録媒体10を含むことができる。さらに詳しくは、磁気記録システム76には磁束変調特性が抑制された磁気テープを組み入れることができる。図6に示すように、磁気記録システム76にはテープカートリッジを収納するテープドライブハウジング78を含んでもよい。テープカートリッジ80にはテープリール82を含み、磁気テープをテープドライブハウジング78内の巻取りリール86に送る。テープ84は、テープガイド88A〜88Dで画成されるテープ走路(tape path)を移動する。
 テープ走路でテープ84が、磁気読取り/書込みヘッドアセンブリ90に近接する。ヘッドアセンブリ90には書込みヘッドがあって、データを保存するためにテープ84のトラックを磁化させる。さらにヘッドアセンブリ90には読取りヘッドを含み、テープ84から磁化を読み取ってデータを取り出す。コントローラ92によって、ヘッドアセンブリ90をドライブする電流ドライブ回路(current drive circuit)の操作をコントロールする。コントローラ92は、コンピュータインターフェース96、たとえばPCI、USB、SCSI、IEEE1394などを介して、ホストコンピュータ94に接続されている。本明細書に説明したように、磁気テープ84で残留磁気が減少しSN比が向上した結果として、磁気記録システム76の操作では優れた性能が得られる。
磁気記録媒体の横断側面図である。 別の磁気記録媒体の横断側面図である。 図1の磁気記録媒体の横断側面図で、磁気記録層の厚みを示した図である。 磁気記録媒体における残留磁気および保磁力を示すヒステリシス特性図である。 磁気記録媒体を製造するの有用なスライドコーティング装置の側面図である。 磁気記録システムのブロック図である。
符号の説明
 10A 磁気記録媒体
 10B 磁気記録媒体
 12 基材
 14 キャリア層
 16 磁気記録層
 18 追加の層
 19 下側表面
 21 上側表面
 Tmag 厚み
 20、22、24、26、28 磁化曲線
 Mr 磁気残留または残留磁気
 Ho 磁化飽和点
 Hc 保磁力
 30 スライドコーティングシステム
 32 バックアップローラー
 34 スライドコーター
 36、38、40、42 スライドブロック
 44 第1の流体スロット
 46 第2の流体スロット
 48 第3の流体スロット
 50 スライド面
 52 真空ボックス
 53 コーティングビード
 56 第1の流体
 58 第2の流体
 60 第3の流体
 62 3層流体構成物
 64 第1の流体層
 66 第2の流体層
 68 第3の流体層
 76 磁気記録システム
 78 テープドライブハウジング
 80 テープカートリッジ
 82 テープリール
 84 磁気テープ
 86 巻取りリール
 88A、88B、88C、88D テープガイド
 90 磁気読取り/書込みヘッドアセンブリ
 92 コントローラ
 94 ホストコンピュータ
 96 コンピュータインターフェース

Claims (6)

  1.  基材;および前記基材の上に形成された磁気記録層を含む磁気記録媒体であって、
    前記磁気記録層での磁束変調特性の標準偏差が約0.06以下である磁気記録媒体。
  2.  前記基材と前記磁気記録層との間に形成されたキャリア層をさらに含む、請求項1に記載の媒体。
  3.  前記磁気記録層の平均の厚みが約0.15μm以下である、請求項1または2に記載の媒体。
  4.  前記磁気記録層の保磁力が2400エルステッドより大きい、請求項3に記載の媒体。
  5.  前記磁気記録媒体が磁気記録テープであり、前記磁気記録層がポリマーバインダー中に分散させた金属の磁性粒子を含む、請求項3に記載の媒体。
  6.  前記磁気記録層での磁束変調特性の標準偏差が約0.05以下である、請求項3に記載の媒体。

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