JP4383336B2 - 磁気テープ - Google Patents

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Description

本発明は、高記録密度特性に優れた磁気テープ、特にリニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに用いる磁気テープに関する。
磁気テープカートリッジは、オーディオテープカートリッジ、ビデオテープカートリッジ、コンピュータテープカートリッジ等、種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープカートリッジの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数100GBの記録容量のものが商品化されている。また、1TBを超える大容量バックアップテープカートリッジも提案されている。
磁気テープカートリッジには、ビデオテープカートリッジやDDSコンピュータカートリッジに用いられているようなヘリキャルスキャンレコーディングタイプのカートリッジと、LTOコンピュータカートリッジに用いられるようなリニアレコーディングタイプのカートリッジに大別される。
DDSコンピュータカートリッジのようなヘリキャルスキャンレコーディングタイプのカートリッジは、磁気テープを走行させながら磁気ヘッドを回転させることで、磁気テープの長手方向と一定角度の方向に磁気記録するタイプで、トラック幅が狭くできるので磁気テープ単位面積当りの記録密度を高くできる反面、記録・再生には1対の磁気ヘッド(記録と再生に同一の磁気ヘッドを用いる場合は1個の磁気ヘッド)を使用するので、一般的に転送速度が遅い。このタイプでは2個のリールを内蔵したカートリッジが使用される。
なお、ヘリキャルスキャンレコーディングタイプのカートリッジを記録・再生する装置で多数対の磁気ヘッドを搭載しているタイプのものもあるが、このタイプでは多数対の磁気ヘッドは時間差を設けて記録・再生されるので、同時に使用される磁気ヘッドは1対のみである。
一方、LTOコンピュータカートリッジのようなリニアレコーディングタイプのカートリッジは、磁気テープの長手方向に沿って磁気記録するタイプで、図1に示すように、磁気テープの長手方向にのびるサーボバンド200と、データ記録用のデータバンド300が設けられている。このうちサーボバンド200は、各々サーボトラック番号を磁気的に記録した複数のサーボ信号記録部201からなる。磁気テープのサーボと記録・再生を行う磁気ヘッドアレイ(図示せず)は、一対(順方向用と逆方向用)のサーボトラック用の磁気抵抗効果型(MR)ヘッドと、例えば8x2対の磁気ヘッド(一般に磁気誘導型の記録ヘッド16個と再生用MRヘッド16個)で構成され、サーボトラック用のMRヘッドからの信号に基づいて磁気ヘッドアレイ全体が連動して動くことで、記録・再生用ヘッドがテープ幅方向に移動してデータトラックに到達する。このタイプでは数トラック(8x2対の磁気ヘッドを使用した場合は8トラック)を同時に記録・再生できるので、一般的に転送速度が極めて速い。このタイプではカートリッジ1巻あたりの記憶容量を高くするため、図2、3に示すような、1個のリールを内蔵したカートリッジが使用される。
なお、このタイプでは、上述の磁気テープの磁気記録層にサーボトラック用の磁気信号を記録する方式の他、磁気テープのバック層にサーボトラック用の磁気信号を記録する方式、バック層にサーボトラック用の光学信号を設ける方式もある。
データバックアップ用テープカートリッジの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化にともない、転送速度が速く、かつカートリッジ1巻あたりの記憶容量も高い、単一リールのリニアレコーディングタイプのカートリッジが主流になりつつある。
このような高記録密度の磁気テープカートリッジに装着する磁気テープには、塗布型および薄膜型の磁気テープが使用される。塗布型の磁気テープは、微粒子化した磁性粉末を塗膜中に高密度充填した磁性層を最上層に形成したもので、最上層磁性層の平滑化や、高保磁力化、薄層化により高記録密度を実現している。また、薄膜型磁気テープは、斜め蒸着法やスパッタ法によって、金属薄膜を最上層磁性層として設けたもので、塗布型と同様に、最上層磁性層の磁性粒子の微細化や、最上層磁性層の平滑化、高保磁力化、薄層化により高記録密度を実現している。
塗布型の磁気テープでは、高記録密度に対応した短波長領域での良好な電磁変換特性を確保するには、用いる磁性粉末が特に重要である。磁性粉末の改良に関しては、主として、短波長記録に対応するために、年々、微粒子化とともに、高保磁力化、高飽和磁化で代表される磁気特性の改善が図られている。
塗布型の高記録密度の磁気テープでは、オーディオ用や家庭用ビデオテープに使用されていた強磁性酸化鉄、Co変性強磁性酸化鉄、酸化クロム等に代えて、現在では、長軸方向の粒子サイズが100nm程度の針状の金属磁性粉末が主として使用されている。
また、希土類元素と、鉄または鉄を主体とする遷移金属元素と、窒素とからなる平均粒子径が5〜50nmの略粒状である窒化鉄系磁性粉末が提案されており、その保磁力は210kA/m以上のものも開示されている(特許文献1、2参照)。具体的には、特許文献1、2には、最上層磁性層に含まれる磁性粉末が、希土類元素と、鉄または鉄を主体とする遷移金属元素とからなる(特にコアー部分がFe162からなる)、平均粒子径が5〜50nmで平均軸比が1以上2以下である略粒状の希土類−鉄系磁性粉末である磁気記録媒体が開示されている。
さらに詳しくは、特許文献1では、サーボ信号を記録した磁気テープを1リールタイプのカートリッジに収容し、サーボ信号によりデータトラックをトレースすることにより、高いトラック密度を実現した、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに使用する磁気テープが開示されている。また、再生ヘッドに磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)を搭載することにより、0.09μm以下の上層磁性層厚さでも、高再生出力(高C)、高再生出力ノイズ比(高C/N)を実現している。特許文献2には、上記の特許文献1の磁気記録媒体にサーボ信号記録用の下層磁性層を形成し、サーボ信号出力を高くして、サーボトラッキング特性を向上させた、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープが開示されている。
また、電磁変換特性の改善のため、磁性層中の磁性粉末の配向構造を規定した磁気記録媒体の提案もなされている(特許文献3〜5参照)。例えば、特許文献3、4には、短波長信号から長波長信号の幅広い記録波長領域において高い電磁変換特性を発揮する磁気記録媒体を得る目的で、磁性粉末として板状の強磁性六方晶系フェライトを主体としたものを使用し、磁性層の厚さを1μm以下とした磁気記録媒体において、長手方向の抗磁力をHc1、垂直方向の抗磁力をHc2、幅方向の抗磁力をHc3としたとき、Hc1>Hc2>Hc3の関係、またはHc2>Hc1>Hc3の関係を有するようにした磁気記録媒体が開示されている。
特許文献5には、高出力化等のすぐれた短波長特性を発揮する磁気記録媒体を得る目的で、平均粒子径が5〜100nmの粒状の希土類−遷移金属系磁性粉末を使用し、磁性層の厚さを300nm以下とした磁気記録媒体において、長手方向の保磁力/幅方向の保磁力との比が1.20以上、かつ長手方向における角形比/幅方向における角形比との比が1.9以上の磁気記録媒体が開示されている。
特許文献6には、数平均粒子径が5〜50nmの板状、粒状ないし楕円状の磁性粉を使用し、磁性層厚さを0.09μm以下に設定すると共に、下塗層、バックコート層に、数平均粒子径が10〜100nmの板状粒子を含有させることで、高記録密度特性に優れた磁気記録媒体が開示されている。また、スリッティング条件を改良することで、エッジウィーブ量を0.8μm未満に低減させた、オフトラック量の小さい磁気記録媒体が開示されているが、磁性粉末の配向構造には言及されていない。
特許文献7〜9には、薄膜型磁気記録媒体として、純CoやCoNi、CoCr、CoP、CoP、CoPt、CoTa、CoNiCr、CoCrTa、FeNi、FeCoCoNiO、CoO、CoSm、CoCrPt、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoNiPt、CoNiCrPtB、Co合金にSiO等の化合物を加えた金属または合金磁性層を有する磁気記録媒体が開示されている。特許文献8は、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに適用する薄膜型磁気テープに関するものである。
特許文献9には、磁化容易軸を配向させる方法として、基板表面、又は基板に非磁性被覆層が形成された表面に同心状テキスチャリングを施す方法が開示されている。同心状テキスチャリングの形成方法として、遊離砥粒とテキスチャーテープを使用した機械式テキスチャリングや、レーザー光線などを利用したテキスチャリング加工、又はこれらの併用で、円周方向に研磨することによって基板円周方向に微小溝を多数形成する方法が記載されている。機械的テキスチャリングを施すための遊離砥粒としては、ダイアモンド砥粒、表面がグラファイト化処理されているダイアモンド砥粒、アルミナ砥粒が用いられている。
WO03/079332A1パンフレット(国際公開第03/079332号パンフレット) WO03/079333A1パンフレット(国際公開第03/079333号パンフレット) 特開平06−274847号公報 特開平06−282835号公報 特開2003−272123号公報 特開2004−005896号公報 特開平05−151551号公報 特開2003−178414号公報 特開2002−074601号公報
特許文献1〜9に開示される磁気記録媒体は、各文献に記載される前記独自の構成とすることでそれに応じた特有の効果が奏されるが、本発明者らの検討では、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープとしては、いずれの磁気記録媒体も高記録密度特性の改善の面でなお十分でないことがわかった。この原因は、磁気テープの長手方向に磁気記録するリニアレコーディングタイプの磁気テープに求められる特性と、磁気テープの長手方向に対して一定の角度で磁気記録されるヘリキャルスキャンタイプの磁気テープに求められる特性とは、基本的に異なるためである。すなわち、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープは、磁気テープの長手方向の保磁力が高く、かつ最上層磁性層の長手方向の磁気異方性(最上層磁性層の長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との差)を大きくする必要がある。
例えば、特許文献1〜3、9に開示されている磁気テープは、最上層磁性層の長手方向の保磁力は高いが、長手方向と幅方向との磁気異方性について配慮されていない。また、特許文献4〜6に開示されている磁気テープでは、最上層磁性層の長手方向と幅方向との磁気異方性について配慮されているが、磁気異方性は不充分であった。また、特許文献4〜6にはリニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに対応する磁気テープが開示されていない。
特許文献7には、CoO薄膜の磁気テープを用いたリニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに対応する磁気テープの開示はあるが、実施例に開示されている磁気テープ長手方向の保磁力が1800Oe(143.2kA/m)および1500Oe(119.4kA/m)と低い。
また、リニアトラッキングタイプでは、磁気テープが高速(3m/秒以上)で順走行記録再生・停止・逆走行記録再生を繰り返しながら、サーボ信号によって磁気ヘッドアレイが磁気テープ幅方向に移動して、複数のデータトラックに記録・再生を同時に行うので、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープにおいては、同時に1本のデータトラックのみを記録・再生するヘリキャルスキャンタイプの磁気テープにはない問題点があることがわかった。
すなわち、リニアトラッキングタイプでは、磁気テープの長手方向に沿って記録されたサーボトラック信号に基づいて磁気ヘッドアレイが磁気テープ幅方向に移動してデータトラックに記録再生を行う。その際、図4に示すように、磁気テープ3は、長手方向に沿った両端部(テープエッジ)のうちの一方のテープエッジ3aが、磁気記録再生装置(テープ駆動装置)に備えられたガイドローラのフランジ71内面によってテープ幅方向位置を規制された状態で走行する。磁気テープ3のテープエッジ3aには、通常、エッジウィーブと呼ばれる波打ち状の凹凸(テープ幅方向の端面がテープ長手方向に沿って波打つことによってできた凹凸)が存在する。そのため、磁気テープ3は上記の走行基準となるフランジ71内面に沿って走行していてもその幅方向の位置が微妙に変動する。通常、磁気テープの位置がその幅方向に微妙に変動しても、サーボ信号によって磁気ヘッドアレイ全体がテープ幅方向に移動して、記録・再生用ヘッドは絶えず正しいデータトラックに到達するようになっている。しかし、周期の短いエッジウィーブがあると、磁気ヘッドアレイがエッジウィーブに追随できずオフトラックの原因になる。記録トラック幅と再生トラック幅の差が小さい程オフトラックが起こりやすく、再生出力の低下やエラーレート上昇の原因になる。
エッジウィーブの波長をf(mm)、磁気テープの走行速度をV(mm/秒)とすると、磁気テープは、(V/f)の周波数で幅方向に振動する。このような幅方向の振動に対して、磁気ヘッドアレイの追従度合いには、周波数依存性があり、例えば、振動数が45Hz(45/秒)以下であれば磁気ヘッドアレイは磁気テープの振動に殆ど追随でき、一例のドライブでは、オフトラック量はエッジウィーブ量の20%以下である。一方、振動数が200Hz以上であれば磁気ヘッドアレイは磁気テープの振動に全く追随できないので、エッジウィーブ量が100%オフトラック量になる。即ち、振動数が45Hz(45/秒)以下であれば磁気ヘッドアレイは磁気テープの振動にほぼ追随できるので、エッジウィーブがあっても、記録・再生用ヘッドアレイは絶えず正しいデータトラックに到達でき、オフトラックによる再生出力低下は殆ど起こらない。また、Vは通常4.5m/秒[=4500mm/秒]程度なので、オフトラックに影響するエッジウィーブの波長は100(mm)以下である。従って、波長が100(mm)以下のエッジウィーブを一定以下に制御すればよい。また、波長が100(mm)以下のエッジウィーブ量は、記録トラック幅をW(μm)、再生トラック幅R(μm)とすると、エッジウィーブ量を、(W−R)の1/4以下である必要がある。1TB以上の磁気テープカートリッジを実現するためには、(W−R)は4μm以下になると予想されるので、エッジウィーブ量は1.0μm以下にする必要がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を克服し、高出力でかつ良好な再生出力ノイズ比(C/N)を示す、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに適した磁気テープを提供すること、特に1TB以上の高容量に対応しうる、短波長域の電磁変換特性[特に、高再生出力ノイズ比(C/N)]、トラックキング特性に優れた、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープを提供することを課題としている。
本発明者らは、上記の課題の解決方法を詳細に検討した結果、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジ用の磁気テープにおいて、磁気テープのエッジウィーブ量を小さくすると共に、最上層磁性層の長手方向の磁気異方性を大きくしたときに、高密度記録特性、オフトラック特性が格段に優れた、磁気テープカートリッジ用の磁気テープが得られることを知り、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面に、少なくとも1層の磁性層を有する磁気テープにおいて、前記磁気テープのエッジウィーブが1μm以下であり、かつ前記磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差〔HcMD−HcTD〕が140kA/m以上HcMD以下である磁気テープに関するものである。
長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との差(HcMD−HcTD)は、140kA/m以上が好ましく、155kA/m以上がより好ましく、160kA/m以上がさらに好ましく、180kA/m以上がいっそう好ましい。
なお、HcMD、HcTDは何れも正の値なので、(HcMD−HcTD)はHcMD以下である。
前記磁気テープのエッジウィーブ量は1μm以下が好ましく、0.8μm以下が好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。エッジウィーブ量は理想的には0であるが、0.1μm程度のエッジウィーブがあっても実用上問題にならないので、エッジウィーブ量の実用上の下限は0.1μmである。
磁気テープの長手方向の角形(Br/Bm)MDと幅方向の角形(Br/Bm)TDとの比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]は3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上がさらに好ましく、4.5以上がいっそう好ましい。通常は12以下である。磁気テープの長手方向のヤング率EMDは、11GPa以上が好ましく、12GPa以上がより好ましく、14GPa以上がさらに好ましい。通常、EMDは、30GPa以下である。
本発明の磁気テープには、薄膜型、塗布型のいずれの磁気テープを使用してもよいが、塗布型の磁気テープはコストが低く、かつ生産性が高いのでより好ましい。塗布型を中心に本発明を説明する。
本発明の薄膜型の磁気テープでは、CoPt系のような結晶磁気異方性の高い磁性材料を使用することで磁気テープ長手方向の最上層磁性層の保磁力を高くする。また、斜め蒸着、非磁性支持体の長手方向に沿ってのテキスチャリング処理、非磁性支持体の長手方向への延伸処理、金属薄膜作製時の長手方向への磁界(通常0.00001〜0.001T)の印加、下層の形成、およびこれらを2つ以上組合わせると、最上層磁性層の長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との差が大きくなるので好ましい。さらに、再生ノイズを低くするためには磁性体の結晶粒子径を30nm以下にすることが好ましい。
エッジウィーブ量を小さくするには、磁気テープの厚さむらを小さくする、改良したスリッティング法を採用する、ことが有効である。
なお、薄膜型の磁気テープでは、最上層磁性層の上に5〜30nm厚さ(特に5〜15nm厚さ)のダイアモンドライクカーボン(DLC)保護膜を形成し、かつDLC保護膜の上にフッ素系の潤滑剤を塗布することで耐久性を高めることが好ましい。
一方、本発明の磁気テープカートリッジに使用する塗布型の磁気テープでは、略粒状の特定の微粒子磁性粉末を使用し、磁場配向等の方法により最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTD との差(HcMD−HcTD)を大きくすると、短波長記録時の出力Cが大きくノイズNが小さくなり、特に良好な短波長記録再生特性が得られる。また、下層の凹凸やうねりを抑制して厚さむらを小さくし磁気テープの厚さむらを押さえる、改良したスリッティング法を採用する等の方法で、エッジウィーブ量を小さくして、オフトラックを抑制することで良好なサーボ特性が得られる。
なお、(HcMD−HcTD)がHcMDの90%を超える塗布型の磁気テープの作製は難しい。このような磁気テープの作製が難しい理由は、磁性粉末の粒子形状が略粒状で完全な球ではなく、またカーボンブラックやアルミナ等の充填剤の存在、磁性粉末の不均一分散等により、磁性粒子の回転が束縛されて、磁性粉末の磁化容易軸を長手方向に完全に配向させることが難しいためである。なお、小規模実験によると、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力の差をHcMDの90%にするためには、完全な球に近く、単結晶に近い磁性粉末を充分分散し、カーボンブラックやアルミナ等の充填剤を除去する方法、またはカーボンブラックやアルミナ等の充填剤を磁性粉末とは別に分散した後、磁性粉末の分散体と混合する方法(本願発明では別分散法という)を採用し、0.7T以上の磁界中で配向および乾燥を行う方法が有効である。
(HcMD−HcTD)が140kA/m以上の本発明の磁気テープが短波長域において優れたC/Nが得られる理由は明確ではないが、例えば以下のような理由が考えられる。すなわち、長手方向の保磁力HcMDが大きく、幅方向の保磁力HcTDが小さい場合には、磁化容易軸がほぼ完全に長手方向に向いているために、反磁界による磁化反転が起こらず、出力Cが大きく、ノイズNが小さく、出力ノイズ比(C/N)が大きくなる。これに対して、長手方向の保磁力HcMDが大きくても、幅方向の保磁力HcTDが大きい場合には、磁化容易軸が充分長手方向に向いていないために、幅方向に向いた磁化容易軸を介して反磁界によって磁化の一部が反転する。この磁化反転は、記録磁化が反転する領域で顕著になり、出力Cの低下やノイズNの上昇の原因となり、出力ノイズ比(C/N)低下の原因になる。
また、長手方向の保磁力HcMDが大きいほど反磁界による自己減磁も小さくなるため、この長手方向のHcMDを大きくして、これと幅方向のHcTDとの差(HcMD−HcTD)を大きくする、つまり(HcMD −HcTD )の値を140kA/m以上、より好ましくは155kA/m以上、さらに好ましくは160kA/m以上、いっそう好ましくは180kA/m以上とすることにより、C/Nを高くすることができる。長手方向の保磁力HcMD が大きくしても、(HcMD−HcTD)の値が140kA/m未満ではC/N向上効果が小さい。(HcMD−HcTD)の値を140kA/m以上にするためには、HcTDは通常、16〜180kA/m、好ましくは20〜120kA/m、より好ましくは20〜105kA/mである。
以上のように、本発明では、全く新しい着眼点として、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに使用する磁気テープの長手方向の保磁力HcMDを大きくし、幅方向の保磁力HcTDを小さくして、長手方向の保磁力と幅方向の保磁力との差(HcMD−HcTD)を特定値以上に規定することで、電磁変換特性の大幅な改善をはかれることを見出したものである。上記差が特定値未満では、短波長域のC/Nが確保できなくなる。但し、HcMDとHcTDは何れも正の値なので、(HcMD−HcTD)はHcMD 以下である。また、エッジウィーブ量を特定値以下に規定することで、オフトラックを防止して、磁気テープカートリッジの信頼性を向上できる。
本発明において、保磁力HcMDおよびHcTDは、東英工業社製の試料振動型磁力計で、25℃、外部磁場1273.3kA/mで定法に準じて測定した値である。測定試料の調製は、長手方向を一致させて磁気テープ20枚を貼り合わせ、これを直径8mmに打ち抜いて行った。測定値は、磁気テープの長手方向および幅方向に10回測定した平均値である。
なお、2層以上の磁性層を有する磁気テープの最上層磁性層の保磁力HcMDおよびHcTDを測定する場合には、磁化の値をカー回転角で測定する方法を利用してもよい。この場合には、直径8mmに打ち抜いた磁気テープ1枚を使用する。
エッジウィーブ量は、サーボライターにエッジウィーブ量測定装置(キーエンス社製)を取り付け、テープ長さ50mにわたって連続測定した。ついで、得られたエッジウィーブ量のフーリエ解析を行い、周波数(波長)とエッジウィーブ量を求めた。ついで、周波数と磁気テープ走行速度との関係から、磁気テープ長手方向のエッジウィーブ波長を求め、波長が100mm以下のエッジウィーブ量の最大値を求め、この値を磁気テープのエッジウィーブ量とした。
磁気テープの保磁力は、従来では、通常、長手方向の保磁力(HcMD)を指していた。これは、HcMDが短波長記録時の反磁場による出力低下に影響し、HcMDを大きくすると反磁場による出力低下を小さくでき、短波長出力を向上できるためである。しかし、本発明のように、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに装着する、1TBを超える大容量高密度記録(概ね1.0Gb/in2 を超える)磁気テープに要求される短波長域におけるC、C/Nの向上には、磁気テープの幅方向の保磁力(HcTD)を小さくするのが効果的であり、さらに長手方向と幅方向とに分けて保磁力を制御して(HcMD−HcTD)の値を調整することが、上記特性の向上に極めて効果的であることをはじめて見出したものである。
本発明において、(HcMD−HcTD)の値を140kA/m以上にするための手段は、特に制限されないが、塗布型の磁気テープを用いる場合では、好ましくは以下の(a)〜(d)の方法が挙げられる。
以下の(a)〜(d)の方法を単独で用いて、好ましくはこれらの幾つかを併用することにより、所定の(HcMD−HcTD)の値を有する磁気テープを製造することができる。もちろん、(HcMD−HcTD)の値を制御する方法は、以下の(a)〜(e)の方法に限定されず、他の公知の方法を、適宜併用しても差し支えない。
(a) 同じ長手方向の保磁力でも、幅方向の保磁力を小さくして、(HcMD−HcTD)の値を大きくするには、磁性粉末の形状を選定する。
磁性粉末が球に近い程磁性粉末が磁場配向しやすいので、磁性粉末の形状は略粒状である。また、単結晶の磁性粉末に近い程磁場配向した場合のHcTDが小さくなり、(HcMD−HcTD)が大きくなる。略粒状の磁性粉末とは、軸比(長径/短径)が2未満、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.5未満である、球状、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状、板状、略板状の粒子である。
なお、長径とは、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状では最大さしわたし径であり、板状、略板状粒子では板径である。また、短径とは、略球状、楕円体状、略楕円体状、多面体状、略多面体状粒子では最大さしわたし径と直角方向のさしわたし最大径であり、板状、略板状粒子では板厚である。磁性粉末が単結晶か否かは高分解能TEMで格子像を観察することで判断できる。
HcMDに対し、相対的にHcTD をより小さくして、(HcMD−HcTD)の値を大きくするには、略粒状の微粒子磁性粉末の粒子サイズは30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm以下がさらに好ましく、15nm未満が最も好ましい。また、3nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。この範囲の粒子サイズが好ましいのは、3nm未満では磁性粉末の磁気塗料への分散が難しいため、相対的にHcTD が高くなり、(HcMD−HcTD)の値が小さくなりやすい。また、30nmを超えると、磁気テープのノイズが高くなる傾向にある。
(b) 焼結の少ない磁性粉末を用いることが好ましい。
本発明の磁気テープに用いられる最上層磁性層に含まれる略粒状の磁性粉末としては、希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタンのように、その酸化物が600℃以下の水素還元によって還元されない元素(特に、希土類元素、アルミニウム、珪素)の少なくとも一つが外層部分に主体的に存在し、かつ鉄または鉄を主体とする遷移金属元素と窒素がコアー部分に主体的に存在するものが好ましい。
磁性粉の外層部分をこのような構成にすることにより、磁性粉製造時の磁性粉末どうしの焼結が防止され、HcMDに対して、相対的にHcTDをより小さくして、(HcMD−HcTD)の値を大きくすることができる。さらに、コアー部分がFe162 相を含有する窒化鉄系磁性粉末がより好ましい。また、磁性粉末の粒子毎の窒素等の組成分布が小さいことが好ましい。
(c) 媒体の長手方向の角形を制御することが好ましい。
記録方向つまり長手方向の保磁力HcMDを大きくすることと電磁変換特性を低下させないことのため、長手方向の角形(Br/Bm)MDは0.75以上であるのが好ましい。(Br/Bm)MDは大きければ大きいほど好ましい。理論的な理想値としては1であるが、現実的には0.95程度が限界である。また、幅方向の角形(Br/Bm)TDを小さくして長手方向の角形と幅方向の角形との比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]を大きくすることが好ましい。さらに、長手方向媒体のSFD(異方性磁界分布)は小さい方が好ましい。SFDは1.0以下が好ましく、0.7以下がより好ましい。粒子径がそろっている、つまり粒度分布が狭い磁性粉末を用いると、SFDは良好になる。媒体のSFDが小さい方が、同じ長手方向の角形を示しても幅方向の保磁力HcTDが小さく、(HcMD−HcTD)の値を大きくする効果がある。粒子径がそろっている方が均一分散が行えて同様の効果が生じる。
これらを具現化する方法としては、最上層磁性層の塗布後に強い(例えば0.5T以上の)配向磁界を印加し、その後、均一配向磁界(例えば0.1T以上)を最上層磁性層が略乾燥するまで継続して印加すればよい。均一磁界の印加方法としては、反発磁石を多数並べる方法と、ソレノイドを使用する方法、両者の併用方法があり、いずれの方法を採用してもよい。反発磁石を多数並べる方法はランニングコストが安いという長所があるが、反発磁石と反発磁石の間で磁界が磁気媒体膜面方向に対して磁界が垂直方向に立ったり、磁界がない部分や反転が生じたりするので、磁性塗膜の乾燥位置を長手方向に磁界が生じている部分にうまく合わせる必要がある。一方、ソレノイドを使用する方法は電力等のランニングコストは高いが、配向磁界が磁気テープの長手方向に正確に向くので、磁性粉末の磁化容易軸の長手方向への配向が良くなり、長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)が非常に大きくなるという長所を有する。
(d) HcMDに対して、相対的にHcTDをより小さくして、(HcMD−HcTD)を大きくするには、磁性塗料での磁性粉末の分散性を向上させることが有効である。
このための手法は、微粒子磁性粉末の分散性を上げるために従来から用いられている公知の手法が可能であり、これらを適宜組み合せて実施すればよい。磁性塗料の調製においては、磁性粉末を混練する前に、分散工程で良くほぐれるように、予め分散剤や樹脂と一緒に高速撹拌混合しておくのが好ましい。
混練には、樹脂とよくなじむように、大きなせん断力がかかる加圧型混練機や連続式2軸混練機等を用いるのが好ましく、通常の混練機であるならば、磁性粉末のバッチ量を適宜工夫するのが好ましい。分散は、通常のサンドミル型の分散機でよい。分散メディアとしては、従来の一般的な材質のものが使えるが、粒径が1mm未満で、チタニア、ジルコニアを主成分とする比重の大きいビーズを使用するのが好ましい。これは小粒径で比重が大きいほど分散能力が大きく、磁性粉末がよくほぐれて配向しやすく、かつテープ幅方向の保磁力が小さくなりやすいからである。また、磁性粉末の表面を分散しやすいように、公知の表面処理剤で処理してもよい。さらに、バインダとして用いる樹脂には、分散性を向上させる官能基を持つ従来公知の樹脂を使用するのが好ましい。また、カーボンブラックやアルミナのような充填剤を磁性粉末とは別に分散して、予め分散しておいた磁性粉末や分散剤、樹脂の分散塗料に添加して磁性層用の塗料にする方法が好ましい。
(e) HcMDに対して、相対的にHcTDをより小さくして、(HcMD−HcTD)を大きくするには、下層の研磨剤等を表面処理して研磨剤等の分散性を向上して、下層表面の凹凸やうねりをなくことで下層の上に形成する磁性層の凹凸やうねりをなくことが好ましい。磁性層の凹凸やうねりがない程磁性粉末の磁化容易軸が磁気テープ長手方向に配向しやすくなるからである。下層の研磨剤等の分散性を向上する方法の一例としては、酸化鉄等のような研磨剤等の表面をアルミナ、シリカやジルコニア(特にアルミナ)で被覆する方法がある。その他、下層の研磨剤等の分散性を向上する方法には従来公知の方法を用いることができる。
塗布型磁気テープのエッジウィーブ量を低減する方法には、(1)下層やバックコート層の研磨剤等の分散性を向上して、磁気テープの厚さむらを低減する方法、(2)スリッタ装置のテンションカットローラをメッシュサクションローラにして周期が100mm以下のエッジウィーブの発生を抑制する、スリッタ刃の駆動ベルトのないダイレクトドライブにしてエッジウィーブ量を低減する方法が有効である。また、薄膜型磁気テープの場合には、(3)均一膜厚の非磁性支持体を使用すると共に、テープ送り速度や蒸着・スパッタ条件の安定化により下層、磁性層厚さを均一にして磁気テープの厚さむらを低減する方法、(2)の方法によってエッジウィーブ量を低減する方法が有効である。その他、周期の短いエッジウィーブ量を低減するための従来公知の方法を用いることができる。
このように、本発明によれば、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに使用する磁気テープのエッジウィーブ量、磁性層の配向構造を規制したことにより、電磁変換特性、オフトラックが少なく信頼性に優れた磁気テープ、特に、再生出力ノイズ比(C/N)が高く、信頼性の高い磁気テープを提供することができる。
以下に、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジにおける、本発明の磁気テープの構成要素として、磁気テープカートリッジの構造、磁気テープの構成、非磁性支持体、磁性層、磁性粉末、磁性塗料の調製、磁場配向処理、下層、潤滑剤、バック層、有機溶剤、スリッタ装置の順に、項分けして、詳しく説明することにする。
<磁気テープカートリッジの構造>
リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジの一例を示す。図2は本発明が適用される磁気テープカートリッジの一般的な構造を示し、図3はその内部構造を示す。図2において、磁気テープカートリッジは、上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に接合してなる角箱状のケース本体1を有し、ケース本体1の内部に配置した1個のリール2に磁気テープ3を巻装している。ケース本体1の前壁6の一側端には、テープ引出口4が開口してある。テープ引出口4は、スライド開閉可能なドア5で開閉できるようになっている。リール2に巻装した磁気テープ3をケース外へ引き出し操作するために、磁気テープ3の繰り出し端にテープ引出具7が連結されている。符号20は、ドア5を閉じ勝手に移動付勢するためのドアばねを示す。
図3において、リール2は、上鍔部21と下鍔部22、および下鍔部22と一体に成形されて上向きに開口する有底筒状の巻芯部23とからなる。巻芯部23の底壁23cは、ケース底壁の駆動軸挿入口1c上に位置している。巻芯部23の底壁23cの外周には、テープ駆動装置(磁気記録再生装置)側の部材に係合するギヤ歯が形成されており、底壁23cの中心には、テープ駆動装置側のロック解除ピン(図示せず)の挿入を許す底孔23dが設けられている。ケース本体1内には、不使用時にリール2の不用意な回転を阻止するリールロック機構が備えられている。符号12は、このリールロック機構を構成するブレーキボタンを示し、符号17は、同じくブレーキボタン12を図中の下方に付勢するスプリングを示している。
上記の磁気テープカートリッジに備えられた磁気テープ3は、図1に示すように、当該磁気テープ3に記録されたサーボ信号によってトラッキング制御される。サーボ信号は磁気テープの磁気記録面またはバック層に磁気信号として記録したものであってもよいし、磁気テープのバックコート層に凹部や光を吸収する材料で光学信号を形成したものであってもよい。つまり、本願発明の磁気テープカートリッジは、磁気サーボ方式および光学サーボ方式のいずれにも適用できるものである。
また、高記録密度化のためには、本発明の磁気テープカートリッジは磁気テープにおける磁気記録信号が、磁気抵抗効果型素子を利用した再生ヘッド(MRヘッド)によって再生されるものであることが好ましい。さらに、磁気サーボ方式では、サーボ信号もMRヘッドによって再生されるものであることが好ましい。
<磁気テープの構成>
本発明の磁気テープは、非磁性支持体、非磁性支持体の上に少なくとも1層の磁性層を有する構成で、高密度記録に寄与する磁性層は最上層磁性層である。また、必要に応じて、磁性層形成面(記録面)とは反対の面にバック層を設けてもよく、最上層磁性層と非磁性支持体の間に下層を設けてもよい。さらに、最上層磁性層の下に下層を介してサーボ信号を記録する下層磁性層を設けてもよい。
前記磁気テープのエッジウィーブ量は1μm以下が好ましく、0.8μm以下が好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。エッジウィーブ量を1μm以下にするとオフトラックが小さくなるためである。エッジウィーブ量は理想的には0であるが、0.1μm程度のエッジウィーブがあっても実用上問題にならないので、エッジウィーブ量の実用上の下限は0.1μmである。
磁気テープの厚さ(磁気テープの総厚)は、6μm未満が好ましく、5.5μm未満がより好ましく、5.0μm未満がさらに好ましい。磁気テープの厚さが6μm以上では、リールに巻回できる磁気テープの全長が短くなって、磁気テープカートリッジ1巻当たりの容量が低下するためである。また、薄い非磁性支持体は得にくいのと、得られても高コストなので、磁気テープの厚さは通常2.5μm以上である。
磁気テープの長手方向のヤング率EMDは、11GPa以上が好ましく、12GPa以上がより好ましく、14GPa以上がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、リニアトラッキングタイプでは、磁気テープが高速(3m/秒以上)で順走行・停止・逆走行を繰り返しながら、記録・再生を行うので、EMDが11GPa未満になると、磁気テープが伸びたり、傷ついたりして、エラーレートが高くなる場合があるためである。このようなエラーレートの上昇は、磁気テープの厚さが6μm未満で顕著になる。通常、EMD は、30GPa以下である。この理由は、30GPa以上のEMDは得にくいのと、得られても高コストになるためである。また、EMD が30GPaを超えると、磁気テープと磁気ヘッドアレイとのコンタクトが悪くなって、C/Nの低下やエラーレートの上昇が起こる場合があるためである。
磁気テープの長手方向のヤング率EMDと幅方向のヤング率ETDの比(EMD/ETD)は、0.75以上が好ましく、1.0以上が好ましく、1.2以上がさらに好ましい。(EMD/ETD)が0.75未満だと、磁気テープと磁気ヘッドアレイとのコンタクトが悪くなって、C/Nの低下やエラーレートの上昇が起こる場合があるためである。また、(EMD/ETD)が2.5を越える磁気テープは得にくいので、(EMD/ETD)は通常2.5以下である。
<非磁性支持体>
非磁性支持体には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナフタレンテレフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等が使用される。
非磁性支持体の厚さは、用途により異なるが、通常2〜5μm、好ましくは2〜4.5μm、より好ましくは2〜4μmである。この範囲の厚さの非磁性支持体が使用されるのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、5μmを超えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記録容量が小さくなるためである。
非磁性支持体の長手方向のヤング率ESMDは、非磁性支持体の厚さによって異なるが、通常12GPa以上のものが好ましい。15GPa以上がより好ましく、17GPa以上がさらに好ましい。この範囲のヤング率の非磁性支持体が好ましいのは、12GPa未満では、磁気テープの長手方向のヤング率EMDが低くなる場合があるためである。非磁性支持体の長手方向のヤング率ESMDを高くする方法には、芳香族ポリアミド、芳香族ポリイミドのようにヤング率が高い樹脂のフィルムを用いて長手方向に延伸する、フィルム中にヤング率の高いフィラを添加する、フィルムの表面にヤング率の高い金属等の膜を形成する、ヤング率の高い金属等をフィルムでラミネートする方法等がある。
なお、長手方向のヤング率ESMDが高い非磁性支持体は高コストなので、ESMDは通常40GPa以下である。
長手方向のヤング率をESMD、幅方向のヤング率をESTD とした時の比(ESMD /ESTD )は、0.75以上が好ましく、1.0以上がより好ましく、1.3以上がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、(ESMD/ESTD)を0.75以上にすると、磁気テープの(EMD/ETD)を0.75以上にしやすいためである。非磁性支持体の(ESMD/ESTD)は、フィルムの長手方向と幅方向の延伸割合によって決まり、長手方向の延伸割合が高い程、(ESMD/ESTD)が高くなる。フィルムの長手方向と幅方向の延伸割合が同じ場合は、(ESMD/ESTD)がほぼ1.0になる。(ESMD/ESTD)は通常3.0以下である。
<磁性層>
磁性層は、少なくとも1層の、記録層として設けられる最上層磁性層からなり、この最上層磁性層の厚さは、5〜90nmが好ましい。この範囲が好ましいのは、5nm未満では均一厚さの磁性層形成が難しく、90nmを超えると厚さ減磁により再生出力の低下が起こりやすいためである。
なお、最上層磁性層が90nm以下と薄い場合、非磁性下層を介して最上層磁性層の下に、サーボ信号記録用の下層磁性層を設けてもよい。
磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力は、160〜400kA/mが好ましく、200kA/m以上がより好ましく、220kA/m以上がさらに好ましく、250kA/m以上がいっそう好ましい。160kA/m未満では、記録波長を十分小さくし難く、400kA/mを超えると、磁気ヘッドによる記録が不十分になる場合がある。380kA/m以下が好ましく、350kA/m以下がより好ましい。
磁気テープの最上層磁性層の長手方向の角形(Br/Bm)MDと幅方向の角形(Br/Bm)TDとの比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]は3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上がさらに好ましく、4.5以上がいっそう好ましい。通常は12以下である。[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]は3.0以上が好ましいのは、[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]が3.0未満だと、再生出力(C)や再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなる場合があるためである。
磁気テープの最上層磁性層における長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの比(HcMD/HcTD)は2.2以上が好ましい。(HcMD/HcTD)は2.2未満だと、再生出力(C)や再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなる場合があるためである。通常は10以下である。
磁気テープの最上層磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さδとの積(Br・δ)が0.0018μTm以上、0.05μTm以下が好ましい。Br・δが0.0018μTm未満だと、MRヘッドを使用した場合も再生出力(C)が小さくなり再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなり、Br・δが0.05μTmを越えると、MRヘッドが飽和してノイズ(N)が高くなり再生出力ノイズ比(C/N)が小さくなるためである。
薄膜型磁気テープの磁性層には、特許文献9〜11に記載の純CoやCoNi、CoCr、CoP、CoP、CoPt、CoTa、CoNiCr、CoCrTa、FeNi、FeCoCoNiO、CoO、CoSm、CoCrPt、CoCrPtTa、CoCrPtB、CoNiPt、CoNiCrPtB、Co合金にSiO等の化合物を加えた金属または合金磁性層の何れを使用しても良いが、特にCoPt系の合金磁性層が最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDが高く、かつ長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)が高くしやすいので好ましく使用される。
<磁性粉末>
塗布型磁気テープでは磁性粉末を磁性層に用いるが、この磁性粉末の特性が磁気テープの特性に重要な役割を果たす。上述のように塗布型磁気テープには、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載の略粒状の磁性粉末の使用が好ましい。略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末が、本発明の塗布型磁気テープの最上層磁性層の微粒子磁性粉末として、特に好ましい。
具体的には、希土類、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等のようにその酸化物が600℃以下の水素還元温度で還元されない元素(特に希土類元素、アルミニウム、珪素)の少なくとも一つの元素を外層部分に主体的に含有し、コアー部分にFe16を含有する窒化鉄系微粒子磁性粉末が好ましい。ここでいうコアー部分にFe162 を含有する窒化鉄系微粒子磁性粉末には、Fe16相の、鉄(Fe)の一部が鉄以外の元素、窒素(N)の一部が窒素以外の元素で置換されたもの、鉄と窒素の化学量論量が16:2よりずれたものを含む。
なお、希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等は、磁性粉末の製造工程の一つである水素還元工程における粒子間の焼結を防止して粒子サイズの小さい窒化鉄系微粒子磁性粉末を得やすくするためである。また、コアー部分に窒化物(特に、Fe16相)を主体的に含有させる理由は、保磁力、飽和磁化の高い窒化鉄系微粒子磁性粉末を得やすくするためである。希土類元素の中、イットリウム、サマリウムまたはネオジムが、還元時の粒子形状の維持効果が大きいので好ましい。また、必要に応じて、アルミニウム、珪素、リン、ジルコニウムのように分散性向上に有効な元素または化合物(特にアルミナのような酸化物)を、磁性粉末表面にさらに含有または吸着させてもよい。
粒子サイズは、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm未満がさらに好ましい。粒子サイズを3nm以上にすると、磁性塗料調製時の分散が容易である。5nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。粒子サイズが30nmを超えたり、3nm未満の磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均粒子サイズが30nm以下、3nm以上が好ましい。また、軸比(長径/短径)は2未満であるのが磁性粉末の充填性が高くなるので好ましく、1.5以下がより好ましく、1.5未満がさらに好ましい。軸比が2を超える磁性粒子の混入を排除するものではないが、その場合でも、平均軸比が2未満が好ましい。
なお、粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率20万倍で撮影した写真から求めた最大さしわたし径(長軸径)である。均粒子サイズは、同写真から粒子サイズ(最大さしわたし径、長軸径)を求め、50個の粒子サイズを算術平均して求めた。また、軸比は、同写真から求めた最大さしわたし径(長軸径)と、最大さしわたし径方向と直交する方向のさしわたし最大径(短軸径)との比〔(最大さしわたし径)/(最大さしわたし径方向と直交する方向のさしわたし最大径)〕である。平均軸比は、個々の粒子の軸比を求め、50個の軸比を算術平均して求めた。テープ状となった媒体においての磁性粉粒子サイズは、媒体の縦断面(長手方向に切断)の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を倍率20万倍で撮影して求めた。
磁性粉末の外層部分に主体的に存在する希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の、鉄に対する合算含有量は、0.2〜20原子%が好ましく、2〜10原子%がより好ましい。希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の合算含有量が少なすぎると、還元時に焼結などにより粗大粒子が生成しやすくなり、粒度分布が悪くなり、幅方向の保磁力(HcTD)が大きくなりやすい。また、希土類元素、アルミニウム、珪素、ジルコニウム、チタン等の合算含有量が多すぎると、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。合算含有量の中で、希土類元素の含有量は、0.2〜15原子%が好ましく、2〜10原子%がより好ましい。希土類元素が多すぎると、コストアップの要因になるばかりでなく、飽和磁化の過度な低下が起こりやすい。希土類元素が少なすぎると、希土類元素に基づく磁気異方性の寄与が小さくなる場合がある。
鉄に対する窒素の含有量は、1.0〜20原子%が好ましく、3〜13原子%がより好ましい。8〜13原子%がさらに好ましい。鉄に対する窒素の含有量が少なすぎると、Fe16相の形成量が少なく、磁気異方性の寄与が小さく、保磁力増加や飽和磁化増加の効果(特に、保磁力増加効果)が小さくなる。また、鉄に対する窒素の含有量が多すぎると、FeNやFeN等の保磁力や飽和磁化の小さい窒化鉄や、非磁性窒化物が形成されやすく、保磁力増加や飽和磁化増加の効果が少なくなり、特に飽和磁化の低下が過度になる。
なお、磁性粉末の保磁力は、最上層磁性層の長手方向の保磁力が、160〜400kA/mになるように選択する。
上述のように、希土類−窒化鉄系磁性粉末は、磁気テープ用磁性粉として優れた特性を有するが、それと共に、この磁性粉末は、保存安定性にも優れ、磁気テープを高温多湿環境下に保存したとき、再生出力(C)、再生出力ノイズ比(C/N)の劣化が少ないので、本発明の磁気テープ用に適している。
本発明において、MRヘッドを用いて高いC/Nを実現するには、上記の希土類−窒化鉄系磁性粉末をはじめとした略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末が特に好ましい。窒化鉄系磁性粉末の製造方法については、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載されている方法を使用する。
磁性粉末には、六方晶Ba−フエライト磁性粉を使用することもできる。略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末と同様の理由で、粒子サイズ(板面方向の最大さしわたし)(以下、板径ともいう)は3〜30nmが好ましく、5〜20nmがより好ましい。また、軸比(板径/板厚)(以下、板状比ともいう)は2未満が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.5未満がさらに好ましい。板状比が2以上では、長手方向に磁界を印加して板状磁性粉末の板面を、最上層磁性層の長手方向に配向させても、カレンダ工程で板状磁性粉末の板面が最上層磁性層の垂直方向に倒れて、(HcMD−HcTD)が小さくなったり、カレンダ工程で板状の磁性粉末が下層に食い込んで最上層磁性層と下層の界面が乱れてノイズが高くなるおそれがある。
略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末と同様の理由で、板径が30nmを超えたり、3nm未満となる磁性粒子の混入を排除するものではない。板径(最大さしわたし板径)、板径と板厚の比(板径/板厚)、テープ状になった場合の平均板径等の測定法も、略粒状の窒化鉄系微粒子磁性粉末と同様である。
<結合剤>
塗布型磁気テープの磁性層には、WO03/079332A1、WO03/079333A1等に記載のバインダ樹脂(以下、単にバインダと記載)と量を適用できる。バインダとして2種以上の樹脂を併用する場合、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SOM基どうしの組み合わせが好ましい。−SOM基のような官能基を有する塩化ビニル系樹脂と、−SOM基のような官能基を有するポリウレタン樹脂とを複合するか、同種の官能基を有する複数のポリウレタン樹脂を複合して用いるのがより好ましい。これらのバインダとともに、バインダ中に含まれる官能基等と結合させて架橋するために、ポリイソシアネート化合物等の熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。しかし、下層の上にウエット・オン・ウエットで磁性層を塗布する場合には、下層塗料からある程度のポリイソシアネート化合物が拡散供給されるので、ポリイソシアネート化合物を併用しなくても、磁性層はある程度架橋される。
<充填剤>
塗布型磁気テープの最上層磁性層には、従来公知のα−アルミナ、α−酸化鉄等のモース硬度が6以上の研磨材を単独でまたは組み合せて添加することができる。通常、これら研磨剤の数平均粒子径は、10〜150nmである。また、必要に応じて、数平均粒子径が10〜100nmの板状粒子を添加してもよい。さらに、磁性層には、導電性向上と表面潤滑性向上のため、従来公知の数平均粒子径が10〜100nmのカーボンブラックを添加することができる。また、導電性向上のために、数平均粒子径が10〜100nmの板状ITO粒子を添加してもよい。磁性層に含ませる研磨剤やカーボンブラック等の非磁性粉末は、粒度分布が小さいものほど、幅方向の保磁力(HcTD)が小さくなりやすく、好ましい。
酸化鉄粒子やITO粒子の分散性向上の目的で、アルミナ、シリカ、ジルコニア(特にアルミナ)のようなアルミニウム、珪素、ジルコニウム化合物(特にアルミナのような酸化物)で表面処理することが好ましい。
<磁性塗料の調製>
塗布型磁気テープの最上層磁性層には、粒子サイズが30nm以下の超微粒子磁性粉末を塗膜中に高充填化し、かつ高分散させるためには、下記のような工程で、塗料製造を行うのが好ましい。
混練工程の前工程として、磁性粉の顆粒を解砕機を用いて解砕し、その後、混合機でリン酸系の有機酸等やバインダ樹脂と混合し、磁性粉の表面処理、バインダ樹脂との混合を行う工程を設けるのが好ましい。
混練工程には、連続式2軸混練機により固形分濃度80〜85重量%、磁性粉末に対するバインダ樹脂の割合が17〜30重量%で混練を行うのが好ましい。
混練工程の後工程として、連続式2軸混練機か他の希釈装置を用いて、少なくとも1回以上の、バインダ樹脂溶液および/または溶媒を加えて混練希釈する工程、サンドミル等の微小メデイア回転型分散装置による分散工程等により塗料分散を行うのが好ましい。
なお、磁性層に含ませる非磁性粉末が磁性粉末よりも大きなものでは、非磁性粉末が磁性塗料の分散時に分散力となる分散メディアによるせん断応力を遮断して、磁性粉末の分散を阻害する場合がある。このような非磁性粉末は、磁性粉末とは別に分散してスラリー状にしておき、これを磁性粉末を分散した塗料と混合して磁性層用塗料を調製するようにすると、幅方向の保磁力(HcTD)が小さくなりやすく、(HcMD−HcTD)が高い最上層磁性層が得やすいので好ましい。
<磁場配向処理>
塗布型磁気テープの最上層磁性層の磁場配向処理は、前述したように従来公知の磁場配向方法で行うことができる。塗布後に、反発磁石で強い(例えば0.5T以上)配向磁界を印加し、引き続きソレノイド電磁石で均一配向磁界(例えば0.1T以上)の印加を、最上層磁性層が略乾燥するまで継続させて行うのが好ましい。また、ランニングコストを安くするためには、反発磁石を多数並べる方法を採用してもよいが、磁界の反転が繰り返されるので、均一磁界発生部で乾燥するようにするのが好ましい。
<下層>
本発明の磁気テープカートリッジに使用する磁気テープにおいては、最上層磁性層の配向性の向上、平滑性の向上、厚さむらの低減、耐久性の向上のため、下層を形成するのが望ましい。特に、塗布型磁気テープにおいては下層形成効果が大きい。また、最上層磁性層の磁気記録信号を乱さないため、通常、下層は非磁性である。
薄膜型磁気テープでは、結晶を微細化し、かつその結晶面の配向を制御することを目的として、金属層、合金層、酸化物層を設けても良い。一例をあげると、純Cr、CrにV、Ti、Mo、Zr、Hf、Ta、W、Ge、Nb、Si、Cu、Bから選ばれる1又は2以上の元素を添加した合金や酸化Crなどである。薄膜型磁気テープの下層の厚さは0.1〜50nmが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.1nm未満では、結晶の微細化効果や、結晶面の配向効果が不充分になる場合があり、50nmを超えると効果が飽和するためとコスト高の要因になるためである。
塗布型磁気テープでの下層の厚さは、0.3〜0.9μmが好ましい。0.3μm未満では、磁性層の厚さむらの低減効果、耐久性の向上効果が小さくなる。0.9μmを超えると、磁気テープの全厚が厚くなりすぎて、テープ1巻当りの記録容量が小さくなる。
塗布型磁気テープの下層に使用するバインダ樹脂は、磁性層と同様のものが用いられる。また、下層には、従来公知の酸化チタン、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等の非磁性粒子と、カーボンブラックが使用される。非磁性粒子としては針状、粒状のものが使用されるが、粒状の場合数平均粒子径は10〜200nmである。
通常は、数平均長軸長が50〜200nm、数平均短軸長が5〜100nmの非磁性の酸化鉄と、数平均粒子径が10〜100nmのカーボンブラック、必要により、数平均粒子径が10〜200nmの酸化アルミニウム、特に数平均粒子径が10〜100nmの酸化アルミニウム粒子が用いられる。下層の酸化鉄、酸化チタン等の研磨剤には、分散性向上を目的に、アルミニウム、珪素、ジルコニウムまたはこれらの化合物(特にアルミナのような酸化物)の少なくとも一つで表面処理することが好ましい。処理量は通常2〜15重量%である。
また、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載されるように、0.9μm以下の薄層下層には、数平均板径が10〜100nmの板状酸化アルミニウム粒子や酸化鉄を使用することができる。
このような超微粒子の板状非磁性粉末を使用すると、0.9μm以下の薄層塗布においても厚みむらが小さく、また表面の平滑性が低下することもない。また、板状の粒子が重なった状態で塗膜が形成されるので、塗膜の平面方向の補強効果が大きく、同時に温度、湿度の変化による寸法安定性も大きくなる。
非磁性板状粒子としては、酸化アルミニウムに限らず、セリウムなどの希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物が用いられる。導電性改良の目的で、板状ITO(インジウム、スズ複合酸化物)粒子を添加してもよい。非磁性板状微粒子の製造方法としては、WO030/079332A1、WO03/079333A1に記載の公知の方法が用いられる。
なお、酸化鉄、酸化セリウム、酸化チタン、ITOの分散性向上の目的で、アルミナ、シリカ、ジルコニアのようなアルミニウム、珪素、ジルコニウム化合物(特にアルミナのような酸化物)で表面処理することが好ましい。処理量は通常2〜15重量%である。
<潤滑剤>
薄膜型磁気テープでは、最上層磁性層の上、または5〜30nm(特に5〜15nm)のDLC膜(ダイヤモンドライクカーボン膜)を介してフッ素系の潤滑剤を形成する。
塗布型磁気テープでは、磁性層、下層には、WO03/079332A1、WO03/079333A1に記載の従来公知の潤滑剤を添加でき、その添加量も上記公知の量でよい。例えば、下層にミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸等の炭素数10以上の高級脂肪酸と、ステアリン酸ブチルなどの高級脂肪酸のエステルを含有させると、ヘッドとの摩擦係数が小さくなるので、好ましい。また、磁性層には、パルミチン酸、ステアリン酸等のアミドである脂肪酸アミドと、高級脂肪酸のエステルを含有させると、テープ走行時の摩擦係数が小さくなるので、好ましい。なお、磁性層の潤滑剤と下層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。
<バック層>
本発明の磁気テープを構成する非磁性支持体の他方の面(磁性層が形成されている面とは反対側の面)には、走行性の向上等を目的として、バック層を形成できる。
このバック層は、蒸着、スパッタ、CVD、塗布により、形成できる。バック層に磁気サーボ信号を記録する場合には、従来公知の薄膜型または塗布型磁性層がバック層に使用されるが、磁性層に磁気サーボ信号を記録する場合や、バック層に光学サーボ信号を記録する場合には、バック層としてバックコート層が使用される。バックコート層としては、カーボンブラックとバインダ樹脂からなるバックコート層が一般的である。このようなバックコート層の厚さとしては、0.2〜0.8μmが好ましい。また、表面粗さRaとしては、3〜8nmが好ましく、4〜7nmがより好ましい。
バックコート層に含ませるカーボンブラックには、従来公知のアセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等の小粒径カーボンブラックと、少量の大粒径カーボンブラックを使用する。小粒径カーボンブラックの数平均粒子径は5〜100nmで、大粒径カーボンブラックの数平均粒径200〜400nmである。
バックコート層のバインダ樹脂としては、セルロース系樹脂とポリウレタン系樹脂を使用するのが好ましい。また、バインダ樹脂を硬化するために、ポリイソシアネート化合物等の架橋剤を用いるのが好ましい。
また、バックコート層には、必要により、強度向上を目的として、数平均粒子径が10〜100nmの酸化アルミニウム、セリウム等の希土類元素、ジルコニウム、珪素、チタン、マンガン、鉄等の元素の酸化物または複合酸化物板状粒子や、導電性改良を目的として、板状ITOを添加することができる。
なお、バックコート層の酸化鉄、酸化セリウム、酸化マンガン、ITOの分散性向上の目的で、アルミナ、シリカ、ジルコニアのようなアルミニウム、珪素、ジルコニウム化合物(特にアルミナのような酸化物)で表面処理することが好ましい。処理量は通常2〜15重量%である。
<有機溶剤>
塗布型磁気テープ用の磁性塗料、下層塗料、薄膜型および塗布型磁気テープ用のバックコート層塗料に使用する有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して使用でき、さらにトルエンなどと混合して使用することもできる。
<スリッタ装置>
図5に示したスリッティングシステム100を用いて磁気テープ原反Gを裁断して磁気テープ3とする。ここで、図5中に記載されているテンションカットローラ50のサクション吸引部の拡大図を図6に示す。このサクション吸引部は、図示しない吸引源に連通されて磁気テープ原反を吸引する吸引部51と、外周面に磁気テープ原反が接触するテープ接触部52とからなり、これらを、テンションカットローラ50の外周面に沿って一定間隔をあけて交互に配置した構成である。図示例では、テンションカットローラ50の外周面において、一つの吸引部51の終端から直ぐ隣の吸引部51の終端までの周方向距離、つまり吸引部51の周期T1は例えば13.5mmである。通常、吸引部51は孔が開いているが、改良システムでは、多孔金属を埋め込みメッシュサクションとした。このようなテンションカットローラ50を備えたスリッティングシステム100を使用し、そのサクションの吸引圧を例えば1.33×10Pa(100mmHg)、テンションカットローラ50に対する磁気テープ原反Gの巻付角を例えば188度に設定して、磁気テープ原反Gに対するスリティングを行う。図示はしないが、通常のスリッティングシステムでは、図5中の刃物駆動部60に駆動モータから駆動ベルトを介して動力伝える動力伝達装置がついている。改良装置では刃物駆動部60に駆動ベルトを介さず動力を伝えるダイレクトドライブ方式とした。さらに、ダイレクトドライブの使用するモータを超防振構造に改良して、刃物駆動部60に振動が発生しない構造とした。通常のサクションローラとベルトドライブとの組合せをスリッティングシステムA、メッシュサクションローラとダイレクトドライブとの組合せをスリッティングシステムB、メッシュサクションローラと防振ダイレクトドライブとの組合せをスリッティングシステムCとする。
スリッティングシステムAで用いられるテンションカットローラ50では、外周に沿って一定間隔ごとにサクション吸引部51が設けられている。この部分が、ローラ50の軸方向(図6において紙面と直交する方向)に一定間隔を開けて配置された複数の孔で形成されていたため、磁気テープ原反に対して吸引状態と非吸引状態を繰り返したときに磁気テープ原反が比較的大きくばたつき、その結果、上述したような図6の周期T1に応じた短周期(例えば13.5mm)のエッジウィーブが発生する。これにベルトドライブの振動が刃物駆動部60に加わるため大きいエッジウィーブ量も比較的大きい。
また、スリッティングシステムBでは、上記のサクション吸引部51をメッシュあるいは多孔質材料で形成してメッシュサクションとしたテンションカットローラを使用し、刃物駆動部60への動力伝達機構をダイレクトドライブ方式にしたので、図6の周期T1に応じた短い波長のエッジウィーブは殆どなくなるが、原因は不明であるが例えば波長65mmのエッジウィーブが観察された。但しエッジウィーブ量は従来のスリッティングシステムの場合よりも小さい。このエッジウィーブ量は、スリッティングシステムCに変更すると若干減少する。
例えば波長65mmのエッジウィーブは、磁気テープの厚さむらに起因するもので、刃物の上刃と下刃は一定の圧力で相互に押し付けられているが、磁気テープが厚い部分では、上刃と下刃とのクリアランスが大きく、磁気テープが薄い部分では、上刃と下刃とのクリアランスが小さくなり、厚さむらがあるとエッジウィーブが発生する。この原因に基づくエッジウィーブを低減するためには、磁気テープの厚さむらを低減する必要がある。
リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジに使用する本発明の磁気テープおよび磁気テープカートリッジの好ましい形態としては、下記のようである。
(1) 磁気テープのエッジウィーブ量が1μm以下で、磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差〔HcMD−HcTD〕が140kA/m以上HcMD以下が好ましい。エッジウィーブ量は0.8μm以下がより好ましく、0.6μm以下がさらに好ましい。また、(HcMD−HcTD)は、155kA/m以上がより好ましく、160kA/m以上がさらに好ましく、180kA/m以上がいっそう好ましい。
(2) 磁気テープの最上層磁性層の長手方向の角形(Br/Bm)MDと幅方向の角形(Br/Bm)TDとの比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]が3.0以上が好ましく、3.5以上がより好ましく、4.0以上がさらに好ましく、4.5以上がいっそう好ましい。通常12以下である。
(3) 長手方向のヤング率が11GPa以上が好ましく、長手方向のヤング率は12GPa以上がより好ましく、14GPa以上がさらに好ましい。通常、長手方向のヤング率は30GPa以下である。
(4) 磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDが160〜400kA/mであることが好ましい。
(5) 磁気テープの最上層磁性層における〔(長手方向の保磁力)/(幅方向の保磁力)〕の値が2.2以上であることが好ましい。通常は10以下である。
(6) 磁気テープの上層磁性層の厚さが0.09μm以下であることが好ましい。
(7) 磁気テープの最上層磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さδとの積(Br・δ)が0.0018μTm以上、0.05μTm以下であることが好ましい。
(8) 磁気テープが、非磁性支持体と最上層磁性層との間に、少なくとも1層の下層を有することが好ましい。
(9) 磁気テープが、非磁性支持体の他方の面上に形成されたバック層を有することが好ましい。
(10) 磁気テープのバック層がカーボンブラック粉末と結合剤とを含有するバックコート層であることが好ましい。
(11) 磁気テープの磁気テープの全厚が6μm未満であることが好ましい。
(12) 磁気テープに記録された磁気記録信号は磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)で再生される磁気テープカートリッジが好ましい。
(13) 磁気テープに記録されたサーボ信号によってトラッキングされる磁気記録カートリッジが好ましい。
(14) サーボ信号が、磁気サーボ信号および光学サーボ信号からなる群から選ばれる少なくとも一つのサーボ信号である磁気記録カートリッジが好ましい。
(15) 磁気テープの磁性層およびバック層の少なくとも一方にサーボ信号が記録されている磁気記録カートリッジが好ましい。
(16) サーボ信号は磁気サーボ信号であり、磁気サーボ信号が磁気抵抗効果型磁気ヘッド(MRヘッド)で再生される磁気記録カートリッジが好ましい。
(17) サーボ信号は光学サーボ信号であり、光学サーボ信号で再生される磁気記録カートリッジが好ましい。
(18) 箱状のケース本体、該ケース本体の内部に配置された、磁気テープを巻回した単一リールを有する、リニアトラッキングタイプの磁気テープカートリッジが好ましい。
つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、部とあるのは重量部を示すものとする。
実施例1
<下層塗料成分>
(1)成分
非磁性針状酸化鉄粉末(平均粒径:100nm、軸比:5 68部
Al:10重量%)
粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 8部
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 24部
ステアリン酸 2.0部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 8.8部
(含有−SONa基:1×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SONa基:1×10-4当量/g)
シクロヘキサノン 25部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 10部
(2)成分
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 70部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 20部
(3)成分
ポリイソシアネート 1.4部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 15部
トルエン 10部
<磁性塗料成分>
(1)混練工程成分
粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(A)粉という〕 100部
(外層部分にY,Alを主体的に含有し、コアー部分にFe16
を含有、Y/Fe:5.5原子%、Al/Fe:8.2原子%、
N/Fe:11.9原子%、Fe16相:主相、
飽和磁化量:101.5Am/kg(101.5emu/g)、
Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、
平均粒子サイズ:17nm、平均軸比:1.2)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 13部
(含有−SONa基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.5部
(含有−SONa基:1.0×10-4当量/g)
メチルアシッドホスフェート 2部
テトラヒドロフラン 20部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 9部
(2)希釈工程成分
パルミチン酸アミド 1.5部
ステアリン酸n−ブチル 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 350部
(3)別分散スラリー成分
粒状アルミナ粉末(平均粒径:80nm) 10部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 1部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 15部
(4)配合工程成分
ポリイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(重量で1:1) 29部
上記の下層塗料成分のうち、(1)成分を回分式ニーダで混練したのち、(2)成分を加えて、攪拌後、サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)成分を加えて、攪拌、ろ過したのち、下層塗料(下層用塗料)とした。
これとは別に、上記の磁性塗料成分のうち、(1)の混練工程成分中、磁性粉末全量と樹脂および溶剤の所定量を予め高速撹拌混合しておき、その混合粉末を(1)の混練工程成分となるように調整したのち、連続式2軸混練機で混練し、さらに(2)の希釈工程成分を加えて、連続式2軸混練機で少なくとも2段階以上に分けて希釈を行い、サンドミルで分散メディアとして直径0.5mmのジルコニアビ−ズを用いて、滞留時間を45分として分散した。これに(3)の別分散スラリー成分をサンドミルで滞留時間を40分として分散したものを加え、さらに(4)の配合工程成分を加えて、撹拌、ろ過したのち、磁性塗料とした。
芳香族ポリアミドフイルム(厚さ3.3μm、MD=13.7GPa、TD=13.4GPa、東レ社製の商品名「ミクトロン」)からなる非磁性支持体(ベースフィルム)上に、上記の下層塗料を、乾燥、カレンダ後の厚さが0.6μmとなるように塗布し、この下層上に、さらに上記の磁性塗料を、磁場配向処理、乾燥、カレンダ処理後の磁性層の厚さが0.09μmとなるように、ウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤおよび遠赤外線を用いて乾燥し、磁気シートを作製した。
なお、上記磁場配向処理は、ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)1基、ドライヤ内に50cm長さのソレノイド電磁石(0.2T)5基を20cm間隔で設置して、行った。N−N対向磁石とソレノイド電磁石との距離は20cmで、対向磁石に近いソレノイド電磁石の極はS極である。塗膜の指蝕乾燥位置(粒子が全く動かなくなる位置)は、4台目と5台目のソレノイド電磁石の間であった。塗布速度は100m/分とした。以下、この磁場のかけかたを、配向方法(A)という。
<バックコート層用塗料成分>
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒径:350nm) 10部
粒状酸化鉄粉末(平均粒径:50nm、Al:3重量%) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(SONa基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
上記バックコート層用塗料成分を、サンドミルで滞留時間45分として分散したのち、ポリイソシアネート15部を加えて、ろ過したのち、バックコート層用塗料を調製した。この塗料を、前記の方法で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚さが0.5μmとなるように、塗布し、乾燥した。
その後、この磁気シートを、金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧200kg/cmの条件で、鏡面化処理し、さらに磁気シートをコアーに巻いた状態で、70℃72時間エージングしたのち、上述のスリッティングシステムCを用いて1/2インチ幅に裁断した。これを200m/分で走行させながら、磁性層表面に対し、ラッピングテープ研磨、ブレード研磨、表面拭き取りの後処理を行い、磁気テープを作製した。
ラッピングテープにはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ社製の商品名「トレシー」を用い、走行テンション0.294Nで処理を行った。
このようにして得られた磁気テープにサーボライタで磁気サーボ信号を記録し、コンピュータ用磁気テープを作製した。この磁気テープの残留磁束密度と磁性層厚さの積Br・δは、0.032μTmであった。さらに、この磁気テープを単一リールに巻回し、図2、図3に示すリニアレコーディングタイプのカートリッジに組み込み、コンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例2
磁性塗料成分中、磁性粉末(Y−N−Fe)の平均粒子サイズを13nm(平均軸比は1.2)のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例3
磁性塗料成分中、磁性粉末(Y−N−Fe)の平均粒子サイズを28nm(平均軸比は1.2)のものに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例4
磁場配向処理において、ソレノイド電磁石の強度を0.35Tに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例5
磁性塗料成分中、(3)の別分散スラリー成分の添加を省いた以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例6
磁場配向処理において、ソレノイド電磁石の強度を0.10Tに変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例7
磁場配向処理を、下記のように変更した以外は、実施例1と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmから50cm長さのS−S対向磁石(0.5T)とN−N対向磁石(0.5T)各1基を50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。以下、この磁場のかけかたを、配向方法(B)という。
比較例1
下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例2
磁性塗料成分中、磁性粉末として、σs:110A・m/kg(110emu/g)、Hc:159.2kA/m(2,000Oe)、平均粒子サイズ:35nm、平均軸比:3.5の合金磁性粉末(Al−Y−Co−Fe)を用いたこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例3
磁場配向処理に際し、ドライヤ前に50cm長さのN−N対向磁石(0.5T)を1基のみ設置した。この磁場のかけ方を配向方法(C)という。配向方法(C)としたこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例4
磁性塗料成分中、粒状アルミナの平均粒径を160nmのものに変更し、かつサンドミルの分散メディアを直径1.5mmのチタニアビーズに変更したこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例5
磁性塗料成分中、磁性粉末として、Y/Fe:0.4原子%、Al/Fe:1.5原子%、N/Fe:12.2原子%、Fe16相:主相、飽和磁化量:105.5Am/kg(105.5emu/g)、Hc:202.9kA/m(2,550Oe)、平均粒子サイズ:17nm、平均軸比:1.2)の粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(B)粉という〕を使用したこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例6
磁性塗料成分中、粒状アルミナの平均粒径を160nmのものに変更し、かつサンドミルの分散メディアを直径1.0mmのチタニアビーズに変更したこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用したこと以外は、実施例7と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例7
磁性塗料成分中、磁性粉末として、σs:120A・m/kg(120emu/g)、Hc:171.1kA/m(2,150Oe)、平均粒子サイズ:100nm、平均軸比:6.0の合金磁性粉末(Al−Y−Co−Fe)を用いたこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用した以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
比較例8
磁性塗料成分中、磁性粉末として、Y/Fe:5.5原子%、Al/Fe:8.2原子%、N/Fe:12.2原子%、Fe16相:主相、飽和磁化量:105.5Am/kg(105.5emu/g)、Hc:211.0kA/m(2,650Oe)、平均粒子サイズ:35nm、平均軸比:1.2の粒状磁性粉(Y−N−Fe)〔以下、(C)粉という〕を使用したこと、下層およびバックコート層の研磨剤としてアルミナ処理をしていない酸化鉄を使用した以外は、実施例6と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いて、コンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例8〜12
表3に示す非磁性支持体を使用したことを除き、実施例4と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例13
下層の酸化鉄、およびバックコート層の酸化鉄にアルミナ(Al)処理を施さなかったことを除き実施例4と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例14
下層の酸化鉄にアルミナ(Al)処理を施さなかったことを除き実施例4と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
実施例15
スリッティングシステムBを使用したことを除き実施例4と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
参考例1
スリッティングシステムAを使用したことを除き実施例4と同様にして、磁気テープを作製した。また、これを用いてコンピュータ用磁気テープとコンピュータ用磁気テープカートリッジを作製した。
上記の実施例1〜15および比較例1〜8、参考例1の各磁気テープについて、磁性層(最上層磁性層)の形成に用いた磁性粉末の構成、配向方法、分散機ビーズの構成を、表1にまとめて示した。
なお、磁性層中の磁性粉末の粒子サイズは、下記の方法により測定し、原料磁性粉末とほぼ同様の平均粒子サイズ、平均軸比を有していることを確認した。表1中、「SC」はソレノイド電磁石を意味する。
<磁性粉末の粒子サイズ>
磁気テープを樹脂埋めし、それを集束イオンビーム加工装置で長手方向に厚さ方向の断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM) で20万倍にて必要枚数の磁性層断面の写真撮影を行い、磁性層中の磁性粉末の外形を縁取りする。その外径の最大さしわたしを粒子サイズとして計測する。50個の磁性粉末を計測し、その平均値を平均粒子サイズとした。
また、上記の各磁気テープの磁性層および下層の厚さは、下記の方法により、測定したものである。
<磁性層および下層の厚さ>
磁気テープを樹脂埋めし、それを集束イオンビーム加工装置で長手方向に厚さ方向の断面を切り出し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で2万倍にて10視野の写真撮影を行い、(1)磁性層表面、(2)磁性層−下層の界面、(3)下層−非磁性支持体の界面を縁取りする。つぎに、写真1視野当り、界面に非磁性粉末のかかっていない任意の5個所を選び、(1)−(2)の縁取りした線間の距離を磁性層の厚さ、(2)−(3)の縁取りした線間の距離を下層の厚さ、として計測した。それらの磁性層および下層の厚さを10視野について平均して各層の厚さとした。
Figure 0004383336
つぎに、上記の実施例1〜15および比較例1〜8、参考例1の各磁気テープについて、研磨剤のアルミナ処理の有無、スリッティング方法について表2にまとめて示した。
Figure 0004383336
つぎに、上記の実施例1〜15および比較例1〜8、参考例1の各磁気テープについて、磁気テープの長手方向および幅方向のヤング率を下記に示す条件で測定して求めた結果を表3に示す。
<ヤング率の測定>
非磁性支持体および磁気テープのヤング率は、支持体および磁気テープのS−S曲線から0.3%伸びにおけるヤング率を求めた。0.3%伸びた時点での荷重をa(kgf)、試料幅をw(mm)、試料厚さをt(mm)とすると、ヤング率E=[(荷重a)÷(試料幅w × 試料厚さt)]÷(伸び率0.003)、の式から求めることができる。
なお、測定装置にはソニーマグネスケール社製、MSS−701Sを用い、測定条件は、試料の長さが120mm、試料幅が10mm、チャック間距離が100(mm)、引張り速度が20(mm/分)とした。
Figure 0004383336
つぎに、上記の実施例1〜15および比較例1〜8、参考例1の各磁気テープについて、磁気特性と共に、電磁変換特性として、下記の方法により、出力(C)と出力対ノイズ比(C/N)およびエラーレート、エッジウィーブ量、オフトラック量を測定した。表4に磁気特性の結果を、表5に電磁変換特性、エラーレート特性、エッジウィーブ量、オフトラック量の結果を示した。
<出力と出力対ノイズ比>
磁気テープの電磁変換特性の測定には、ドラムテスターを用いた。ドラムテスターには電磁誘導型磁気ヘッド(トラック幅25μm、ギャップ0.1μm)とMR磁気ヘッド(トラック幅8μm)を装着し、誘導型ヘッドで記録、MRヘッドで再生を行った。
両ヘッドは、回転ドラムに対して異なる場所に設置されており、両ヘッドを上下方向に操作することで、トラッキングを合わせることができる。磁気テープはカートリッジに巻き込んだ状態から適切な量を引き出して廃棄し、さらに60cmを切り出し、さらに4mm幅に加工して、回転ドラムの外周に巻き付けた。記録・再生は磁気テープの長手方向である。
出力およびノイズは、ファンクションジェネレータにより、波長0.2μmの矩形波を書き込み、MR磁気ヘッドの出力をスペクトラムアナライザーに読み込んだ。0.2μmのキャリア値を媒体再生出力Cとした。また、0.2μmの矩形波を書き込んだときに、記録波長0.2μm以上に相当するスペクトルの成分から、再生出力およびシステムノイズを差し引いた値の積分値をノイズ値Nとして用いた。さらに、両者の比をとってC/Nとした。C、C/N共に、比較例1の磁気テープの値との相対値として、求めた。
<エラーレート>
エラーレートは、薄手テープも測定できるように改造したLTOドライブを用いて記録(記録波長0.37μm)・再生することによって求めた。エラーレートは、ドライブから出力されるエラー情報(エラービット数)をもとに、下式より求めた。
エラーレート=(エラービット数/書き込みビット数)
<オフトラック量の測定>
PES(Positioning error signal、位置ずれ量のばらつきを表す数値、標準偏差σの値)をLTOドライブで測定し、換算表によりPESからサーボトラックのオフトラック量を求めた。LTOドライブの記録トラック幅は20.6μm、再生トラック幅は12μm、記録波長は0.37μmである。
Figure 0004383336
Figure 0004383336
平均粒子サイズが17nmの略粒状紛末を用いた場合について、長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)と、出力対ノイズ比(C/N)との結果について、図7にプロットして示した。また、エッジウィーブ量の異なる実施例4、実施例13〜15および参考例1について、エッジウィーブ量とサーボトラックのオフトラック量との関係を図8に示した。さらに、長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)が140kA/m以上の実施例1〜7について、長手方向と幅方向の角形の比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]とC/Nとの関係を図9に示した。
上記の表4〜表5の結果から、長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)が140kA/m以上である実施例1〜15、参考例1の各磁気テープは、上記差(HcMD−HcTD)が140kA/m未満となる比較例1〜8の磁気テープに比べて、ドラムテスターで評価した再生出力(C)および再生出力ノイズ比(C/N)が高いことがわかる。また、図7の結果から、上記比(HcMD−HcTD)が大きくなるほど、C/Nも高くなることもわかる。
上記表5の電磁変換特性のほぼ等しい実施例4、実施例13〜15、参考例1の結果、および図8の結果から、エッジウィーブ量が1μm以下の磁気テープは、エッジウィーブ量が1μmを越えるの磁気テープ(参考例1)に比べてオフトラック量が小さいことがわかる。
上記の表4〜表5の、長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)が140kA/m以上の実施例1〜7の結果、図9の結果から、長手方向と幅方向の角形の比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]が3.0以上になると、C/Nがさらに高くなることがわかる。
上記の表3、表5の実施例4、実施例8〜12の結果から、ドラムテスターによるCおよびC/Nがほぼ等しい磁気テープでも、磁気テープの長手方向のヤング率を11GPa以上にすれば、リニアレコーディングタイプの磁気テープカートリッジで評価した場合のエラーレートが低くなることがわかる。
なお、実施例12の磁気テープは、(HcMD−HcTD)が140kA/m以上なので、ドラムテスターで評価したCおよびC/Nは高いが、磁気テープの長手方向のヤング率が11GPa未満なので、エラーレートは若干高い。
磁気テープに用いられるトラックサーボ方式の一例(磁気サーボ方式)を説明するために使用したもので、磁気テープの磁気記録面(磁性層)にデータトラックとサーボバンドとを交互に設けた状態を示す模式図である。 本発明が適用される磁気テープカートリッジの一般的な構造を示す斜視図である。 本発明が適用される磁気テープカートリッジの内部構造を一部簡略化して示す断面図である。 磁気記録再生装置に備えられたガイドローラに沿って磁気テープが走行する状態を説明するためのガイドローラ部の拡大側面図である。 本発明の実施例において、磁気テープ原反をスリッティングする際に使用したスリッティングシステムの一部簡略化した構成図である。 スリッティングシステムに備えられるテンションカットローラのサクション吸引部を一部簡略化して示す部分断面図である。 磁気テープの長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差(HcMD−HcTD)と、C/Nとの関係を示す特性図である。 エッジウィーブ量とオフトラック量との関係を示す特性図である。 長手方向と幅方向の角形の比[(Br/Bm)MD/(Br/Bm)TD]とC/Nとの関係を示す特性図である。
符号の説明
1 磁気テープカートリッジのケース本体
2 リール
3 磁気テープ

Claims (4)

  1. 非磁性支持体と、非磁性支持体の一方の面に、少なくとも1層の磁性層を有する磁気テープにおいて、前記磁性層に含まれる磁性粉末の平均粒子サイズが30nm以下であり、前記磁気テープのエッジウィーブが1μm以下であり、かつ前記磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力HcMDと幅方向の保磁力HcTDとの差〔HcMD−HcTD〕が140kA/m以上HcMD以下であることを特徴とする磁気テープ。
  2. 前記磁気テープの最上層磁性層の長手方向の保磁力Hc MD と幅方向の保磁力Hc TD との差〔Hc MD −Hc TD 〕が160kA/m以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気テープ。
  3. 前記磁気テープの長手方向の保磁力HcMDが160〜400kA/mであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気テープ。
  4. カートリッジケース及び前記カートリッジケースに組み込まれた請求項1〜のいずれかに記載の磁気記録媒体から成ることを特徴とする、磁気テープカートリッジ。
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