JP2004099805A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】粘着性に優れると共に剥離性もよく、粘着シートを剥離した際に商品表面に粘着剤が残ることがなく、また、商品を汚染、腐蝕させることのない粘着シートの提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体2a、2bを交差せしめて形成した布状基材3の片面又は両面に、炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5重量%、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.01〜5.0重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系粘着剤層4が積層されてなる粘着シート1。
【選択図】 図1
【解決手段】熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体2a、2bを交差せしめて形成した布状基材3の片面又は両面に、炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5重量%、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.01〜5.0重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系粘着剤層4が積層されてなる粘着シート1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートに関する。さらに詳しくは、商品のマスキングフィルム、あるいは、包装、梱包、シート状体の張設等に使用される粘着テープとして適する粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、粘着シートは、商品の保護、隠蔽等のマスキングフィルム、あるいは、包装、梱包、シート状体の張設等における固定用テープとして粘着テープは広い分野で使用されている。
【0003】
このような粘着シートとしては、使用する際の基材の強度、あるいは、粘着性に優れると同時に、剥離可能であることも必要とする。すなわち、マスキングフィルム、コイル状金属薄板の仮止めテープ等として使用される場合、使用中は、粘着剤と商品とが強固に密着して、ずれや剥がれを発生させず、また、粘着剤と商品間に薬剤が侵入して汚染したり、商品を腐蝕させるような事態が生じないようにする必要があり、さらに、作業が終了して保護が不要となったときの剥離除去の際には、商品を変形させたり、痛めたりするようなことのないように、綺麗に剥離することが要求される。
【0004】
このような要求を満たす粘着シートとしては、例えば、剥離工程前に紫外線等を照射して接着力を低下させるもの、或いは、マイクロカプセル化した発泡剤を粘着剤中に含有させた粘着シートを使用し、剥離工程前に加熱して発泡させることにより接着面積を低減して接着力を低下させるもの等が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの粘着性を制御する粘着シートを用いる方法では、粘着シートのコストの大幅な上昇を招き、加えて紫外線照射装置等の設置による設備コストの増大や、各工程毎の煩雑な工程管理が必要となり、粘着シート、ひいては最終製品の価格を上昇させる要因となる。
【0006】
また、粘着シートをマスキングフィルム、コイル状金属薄板の仮止め等として使用する際には、商品を腐蝕、変質させるおそれのない粘着剤であることも必要となる。かかる各種の要請を満足させ得る粘着シートは、開発されるに至っていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−81433
【特許文献2】特開2000−319606
【特許文献3】特開平7−242863
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粘着性に優れると共に剥離性もよく、粘着シートを剥離した際に商品表面に粘着剤が残ることがなく、また、商品を汚染、腐蝕させることのない粘着シートであって更に基材強度に優れ結束性が良好な粘着シートを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体を交差せしめて形成した布状基材の片面又は両面に炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5.0重量%、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.01〜5.0重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系粘着剤層が積層されてなる粘着シートを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、布状基材が線状体を織成、編成、又は、からみ織することによって得られたものである上記の粘着シート、及び、布状基材が線状体を一方向に並列し、その上に他の線状体を交差するように配列し、その交点を結合することによって得られたものである上記の粘着シートを提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、線状体がポリオレフィンからなる上記の粘着シート、布状基材を構成する線状体の少なくとも一部が複数のテープ状体を重ね合わせた状態で織成されてなる上記の粘着シート、布状基材の経糸を構成する線状体が複数層を形成するように重なりをもつように重ね織りされてなる上記の粘着シート、布状基材の片面又は両面にポリオレフィンからなる薄層が積層されてなる上記の粘着シート、及び、布状基材の片面又は両面に金属からなる薄層が積層されてなる上記の粘着シートを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明粘着シート1は、図1に示すように、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体2a、2bを交差せしめて形成した布状基材3の片面又は両面に、粘着剤層4が形成される。
【0013】
布状基材3を形成する合成樹脂としては、一般には結晶性樹脂が用いられ、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることができる。
【0014】
中でも加工性と高強度性及び柔軟性からポリエチレン、ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン等のポリオレフィンが望ましい。
【0015】
なお、線状体2は、結晶性の熱可塑性合成樹脂の単層体であってもよいが、基層を形成する熱可塑性樹脂より融点の低い熱可塑性合成樹脂からなる接合層を積層した複合型とすることも可能であり、また、好ましい方法である。
【0016】
たとえば、図3(A)に示すように、基層12を単層で用いることができ、また、図3(B)に示すように、基層12の片面に接合層13が積層されたものであってもよく、また、図3(C)に示すように、基層12の両面に接合層13、13が積層されたものであってもよい。
【0017】
接合層13は、線状体2が布状とされた後、線状体2間を接合し、あるいは、布状基材3と他の基材とを接合するもので、基層12を構成する合成樹脂より融点が低く熱融着性の優れた合成樹脂が用いられる。
【0018】
融点の低い熱可塑性樹脂としては、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層12より低融点、好ましくは、10℃以上低融点の合成樹脂が選択される。中でも加工性と手切れ性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが望ましく、特に、接合の容易性から、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、及び、ポリプロピレンが好ましい。
【0019】
線状体2として積層体が使用される場合において、積層体を成形する手段としては、予め基層12となるシートと接合層13となるシートを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層12となるシートの表面に接合層13となる熱可塑性合成樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層12となるシートに接合層13を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層シートとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いればよいが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の各層間の接着性の点では、多層共押出法によって基層12と接合層13の積層体を一段で得る方法が望ましい。
【0020】
布状基材3を形成する熱可塑性合成樹脂には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;無機充填剤;有機充填剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
【0021】
これら成分は必要に応じて適宜配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の押出機、あるいは、混練機にて混合或いは溶融混練されてフィルム状に成形される。成形方法は、Tダイによる押出し成形法、あるいは、インフレーション成形法を採用することができる。
【0022】
成形されたフィルムは、所定幅にスリットした後で、あるいは、スリットする前に、延伸装置を用いて縦方向に一軸延伸される。
【0023】
延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風炉内でロールによって延伸する方法等によって行なうことができる。
【0024】
延伸倍率は、3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が適当であり、布状基材3の経糸としては、繊度が50〜500デシテックス、好ましくは200〜400デシテックス、糸幅が0.4mm〜2.0mm、好ましくは0.6〜1.5mmが適する。また、緯糸としては、繊度が200〜400デシテックス、好ましくは250〜310デシテックスが適当であり、糸幅が1.0mm〜2.5mm、好ましくは1.1〜1.5mmが適当である。
【0025】
経糸の糸密度は25〜50本/25.4mm、好ましくは30〜46本/25.4mmが適当であり、緯糸の糸密度は12〜25本/25.4mm、好ましくは14〜20本/25.4mmが適当である。
【0026】
得られた線状体2は、図1に示すように、平織り、綾織等の織布とし、また、図2に示すように、多数の熱可塑性樹脂線条体2aを一方向に並列し、その上に直交する方向に多数の熱可塑性樹脂線条体2bを並列して、その交点を接合した交差結合布(ソフ)とすることによって布状基材3とすることができる。また、編組、あるいは、からめ織することによって布状基材3とすることも可能である。
【0027】
また、図4(A)に示すように、肉薄の線状体2bを経糸として用い、複数本を重ね合わせて織成することによって、柔軟でより高強度の粘着シートを得ることができ、また、図4(B)に示すように、経糸となる線状体2bが重なり合った複層となるように織成することによって手切れ性を改良することもできる。
【0028】
得られた布状基材3には、図1に示すように、粘着剤が塗布されて粘着剤層4が形成されるが、その下地材としてポリオレフィン層5を積層することが望ましい。布状基材3に積層されてポリオレフィン層5を形成する熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。特に高圧法低密度ポリエチレン、あるいは、メタロセン触媒を用いて製造した線状低密度ポリエチレンが好ましい。ポリオレフィンによる層を形成することによって手切れ性を改良することができる。
【0029】
また、これらポリオレフィン層5には、酸変性ポリオレフィン、無機充填剤を添加することができ、また、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、顔料等を添加することも可能である。
【0030】
ポリオレフィン層5の形成は、溶融混練されてフィルム状に成形された溶融フィルムをラミネートすることによって形成されるが、ラミネートされる溶融フィルムの温度は布状基材3を構成するポリオレフィンの融点より130〜220℃高い温度とすることが好ましい。ラミネートを高温で行なうことによって、布状基材3にポリオレフィンが浸入して布状基材組織を固定化する結果、手切れ性が向上する。
【0031】
布状基材3に積層されるポリオレフィン層5の厚みは、10〜50μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0032】
また、本発明粘着シート1には、金属箔層6を積層することができる。図5に示すように、布状基材3に接着剤層7を介して金属箔層6を積層しその表面にポリオレフィン層5、粘着剤層4を形成することができる。
【0033】
また、布状基材3の反対面、図において上面には、ポリオレフィン層5を積層することができ、さらに、金属箔層6を積層することも可能である。
【0034】
金属箔層6を形成する金属としては薄膜状に加工されるものであれば制限されるものではなが、一般には、アルミニウム、錫、鉛、銅、真鍮、青銅、鉄、等の箔を用いることができる。適度な剛性を保持させる観点からはアルミニウムが好ましい。
【0035】
金属箔層6の厚さは目的に応じて任意に選定することができるが、ピンホール発生の防止、強度、金属箔の加工性、取扱性、手切れ性の観点から、厚さは0.1〜70μm、好ましくは3〜50μm、特に好ましくは6〜30μmの範囲が好ましい。
【0036】
布状基材3と金属箔層6とを接着する接着剤層7としては、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂を用いることができ、特に線状低密度ポリエチレンを用いて接合することが好ましい。
【0037】
さらに本発明は、必要に応じ、又は、さらなる機能付与を目的としその他の層を設けることができる。その他の層として、ガス不透過層を設けることができ、ガス不透過層としては、金属蒸着フィルム、セラミック蒸着フィルム等を用いることができる。また、耐油性用途にはポリプロピレンフィルム、易開封性用途にはポリスチレン、高剛性用途には紙を積層することができる。さらに、布状基材3の粘着剤4塗布側の反対面には剥離剤層8を形成することもでき、また、好ましい方法である。
【0038】
上記のポリオレフィン層5、金属箔6、あるいは、その他の機能付与層は、目的に応じて、布状基材3の粘着剤層4を形成する側に積層してもよく、また、反対側に積層してもよく、さらには、双方に積層することができる。
【0039】
布状基材3の少なくとも片面側には、炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5重量%、及び、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.005〜5重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系の粘着剤層が形成される。
【0040】
(炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー)
アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートが好適である。該単量体の全単量体に占める割合は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
【0041】
(カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体)
また、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸やこれらのモノエステル等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
【0042】
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体は、単量体全体の0.1〜10重量%共重合される。0.1重量%未満では架橋剤配合後の接着力が不足して被接着物のプレス工程等の作業中に剥離が生じ易くなり、10重量%を超えると粘着剤の極性が大きくなり過ぎて、剥離工程において剥離しにくくなる傾向が避けられず、また、金属腐食にも悪影響を与え、いずれも本発明の課題を達成することができなくなる。
【0043】
(ヒドロキシル基含有単量体)
ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。これらのヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好適に用いられる。
【0044】
ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体は0〜5.0重量%が共重合される。5.0重量%を超えると、逆に凝集力が高くなりすぎ、必要な接着力が得られなくなる。
【0045】
本発明のアクリル系ポリマーには上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体、ヒドロキシル基含有ラジカル単量体以外に、ガラス転移温度や極性等を調整する目的で少量の改質成分単量体が共重合されていてもよい。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が例示できる。これらは目的に応じて単独で用いられてもよいし、2種類以上の適宜の組み合わせとされてもよいが、単量体全体の20重量%程度以内にとどめることが好ましく、10重量%以内程度とすることがより好ましい。過剰に共重合されると、アクリル共重合体本来の粘着性能に影響を与える場合がある。
【0046】
アクリル共重合体を得るための共重合反応は従来公知の方法に従えばよく、特に限定されるものではないが、得られたポリマーと分子内にカルボキシル基またはヒドロキシル基と反応する官能基を有する多官能性化合物、または多官能性化合物及び単官能性化合物を配合する必要があるので、架橋性単量体を共重合して流動性を損なうような重合方式は避けるべきである。適当な重合方法としては、例えば、不活性有機溶媒中での熱や放射線によるラジカル重合、水溶液中での懸濁重合、乳化重合、アクリルモノマー単独でのバルク重合等が挙げられる。
【0047】
アクリル共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値で20万〜150万、より好ましくは30万〜100万程度に設計されればよい。重量平均分子量が20万未満では粘着剤の凝集力が不足しがちであり、逆に150万を超えると塗工適性が低下して均一な粘着剤層が得られない場合がある。
【0048】
(粘着付与剤)
本発明のアクリル共重合体には粘着付与剤がアクリル共重合体100重量部に対して、20重量部以下が配合されてもよい。粘着付与剤樹脂としてはロジン系化合物やテルペンフェノール系樹脂など、当該技術分野で用いられることがある公知の粘着付与樹脂が配合される。
【0049】
(金属腐食防止剤)
粘着剤中にはベンゾトリアゾール系化合物が添加される。ベンゾトリアゾール系化合物には金属腐食を防止する作用が知られており、これを配合することで金属腐食による変色をより効果的に防止することが可能となる。ベンゾトリアゾール系化合物は有効量が添加されればよく、およそ0.01〜5.0重量部程度が有効量である。
【0050】
(架橋剤)
粘着剤を架橋するための架橋剤は特に限定されないが、イソシアネート系化合物やエポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。
【0051】
上記したアクリル共重合体と架橋剤が本発明粘着シートに使用される粘着剤の必須成分であるが、本発明の粘着シートには上記必須成分の他に、必要に応じて少量の任意成分が配合されてもよい。
【0052】
例えば、一般に金属箔の表面には微細な凹凸があるために、粘着シートと積層する際に微小な気泡を巻き込み易い。このような現象を防止するには、金属表面に対する粘着剤の追従性を向上させて気泡を巻き込みにくくすることが重要であり、この目的には、粘着剤組成中に少量の可塑剤を配合することが特に有効である。
【0053】
配合される可塑剤の種類は必ずしも限定されるものではなく、例えば、脂肪族多価カルボン酸のエステル、芳香族多価カルボン酸のエステル、リン酸エステル等の低分子可塑剤やポリエステルのような高分子可塑剤等が例示できるが、種々の実験により脂肪族2塩基酸のエステルが特に有効であり、中でもアジピン酸ジエステルが好適である。また、その配合量は0.05〜4重量%が好ましく、分子量は300以上とすることが望ましい。過剰の配合は粘着剤の凝集力を低下させることになって、剥離工程において糊残りを発生させる恐れを生じ、また、分子量が小さい場合は粘着剤と金属との界面にブリードアウトし易くなる結果、剥離後の金属表面を汚染することになる。
【0054】
所望により上記任意成分が配合されたアクリル共重合体は、通常、適宜の有機溶剤に溶解された上で架橋剤が配合され、長時間を経過しないうちに、好ましくは直接支持体上に塗工した後乾燥され、あるいは、離型処理が施された工程紙上に塗工後乾燥されたものが支持体上に転写されて、支持体と粘着剤層が積層された粘着シートとなされる。塗工手段や乾燥方法に制限はなく、公知のものが採用できる。
【0055】
塗工乾燥された粘着剤層4の厚さについても特に限定されるものではないが、余りに薄い場合は粘着力が不足したり、均一な塗工に支障を来すことがあり、逆に厚過ぎると粘着力が高くなり過ぎ、剥離除去の際に商品を変形させたり、傷めたりする恐れがあるので、1〜50μm程度とされればよい。
【0056】
熱可塑性合成樹脂フィルムを支持体とするときは、粘着剤との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理や火炎処理等の物理的処理またはコロナ処理やプラズマ処理等の化学的処理或いはプライマー処理等を施すことが好ましい。
【0057】
また、支持体の背面、即ち、粘着剤層が積層される面の反対面であって、ロール状に巻き取ったときの粘着剤層表面が接触する面には、巻き戻す際の剥離力(展開力ともいう)を軽くするために、通常は離型処理が施される。離型処理としては、必要により硬化反応を伴うシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフトポリマー系離型剤の塗布、プラズマ処理等が挙げられるが限定されるものではない。
【0058】
【実施例】
次に実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
【0059】
評価方法
a.基材強度
JIS L−1096一般織物試験法6,12,A法に規定されるカットストリップ法にて、オートグラフを用い、試料巾50mm、試料長(チャック間距離)200mm、引張速度300mm/minで破断点に於ける抗張力を求める。
【0060】
判定
○:基材強度が強い
△:基材強度が比較的強い
×:基材強度が弱い
b.結束性
幅100mm、厚み0.5mm、長さ1mの純銅板を外径300mmの巻芯に捲回し、幅25mm、長さ200mmの粘着テープで銅板の端部を結束し、常温で24時間後の粘着テープの浮きの状態を観察する。
【0061】
判定
○:粘着テープの浮きは発生しない
△:粘着テープが部分的に浮く
×:粘着テープが剥がれる
c.糊残り
幅50mm、厚み0.5mm、長さ300mmの純銅板に幅25mm、長さ200mmの粘着テープを貼り付けた後、温度65℃、相対湿度80%RHで3日後の純銅板表面の糊残りを観察。
【0062】
判定
○:糊残りなし
△:テープ貼付部が部分的に糊残り
×:テープ貼付部が全面的に糊残り
d.防錆性
c.と同様の条件で、純銅板表面の汚染性を観察。
【0063】
判定
○:銅表面の錆なし
△:テープ貼付部の端部に錆発生
×:テープ貼付部全体に錆発生
実施例1
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製HY−433、密度0.956、MFR0.55)を、インフレーション成形法によってフィルムとし、得られたフィルムをレザーを用いてスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で9倍に延伸した後、温度120℃の熱風循環式オーブン内で10%の弛緩熱処理を行ない、糸幅1.15mm、繊度340デシテックスの延伸ヤーンを製造して経糸とし、また、同様の方法で、糸幅1.2mm、繊度310デシテックスの延伸ヤーンを製造して緯糸とし、これを、ウオータージェット織機を用いて経糸22本/25.4mm(2重であるため、実際には44本)、緯糸16本/25.4mm、の平織織布とした。
【0064】
得られた織布の両面に、低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製LC−720)を押出しラミネートした(各ラミネート層厚み30μm)。また、片面にコロナ放電処理を行なってぬれ張力を420μN/cmとした。
【0065】
上記基材のコロナ放電処理面に、アクリル酸−n−ブチルを主成分とする重合体(日本合成化学社製コーポニール5407)100重量部に架橋剤としてイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL−55E)を固形分基準で4.0重量部配合し、ベンゾトリアゾールを固形分基準で0.02重量部を添加したアクリル系粘着剤を塗布厚み40μmとなるように塗布した。その評価結果は表1の通りであった。
【0066】
比較例1
ポリエステルフィルムにポリエステル系マルチフィラメントをタテ方向に沿って貼着した基材に、粘着剤としてゴム系粘着剤を塗布して粘着シートを得た。その評価結果は表1の通りであった。
【0067】
比較例2
ポリエステルフィルムからなる基材に、粘着剤としてシリコーン系粘着剤を塗布して粘着シートを得た。その評価結果は表1の通りであった。
【0068】
比較例3
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製HY−433、密度0.956、MFR0.55)を、インフレーション成形法によってフィルムとし、得られたフィルムをレザーを用いてスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で7倍に延伸した後、温度120℃の熱風循環式オーブン内で6%の弛緩熱処理を行ない、糸幅0.56mm、繊度109デシテックスの延伸ヤーンを製造して経糸とし、また、同様の方法で、糸幅1.2mm、繊度310デシテックスの延伸ヤーンを製造して緯糸とし、これを、スルーザー織機を用いて経糸46本/25.4mm、緯糸16本/25.4mm、目付け量40g/m2の平織織布とした。
【0069】
得られた織布の両面に、低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製LC−720)を押出しラミネートした(各ラミネート層厚み35μm)。また、片面にコロナ放電処理を行なってぬれ張力を420μN/cmとした。
【0070】
上記基材のコロナ放電処理面に、アクリル酸−n−ブチルを主成分とする重合体(日本合成化学社製コーポニール5407)100重量部に架橋剤としてイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL−55E)を固形分基準でそれぞれ4.0重量部配合したアクリル系粘着剤を塗布厚み40μmとなるように塗布した。その評価結果は表1の通りであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
粘着性に優れると共に剥離性もよく、粘着シートを剥離した際に商品表面に粘着剤が残ることがなく、また、商品を汚染、腐蝕させることのない粘着シートであって、更に基材強度に優れ結束性が良好な粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明粘着シートの例を示す縦断面図
【図2】本発明粘着シートの他の例を示す縦断面図
【図3】線状体の例を示す縦断面図
【図4】布状基材を示す縦断面図
【図5】本発明粘着シートの他の例を示す縦断面図
【符号の説明】
1.粘着シート
2.線状体
3.布状基材
4.粘着剤層
5.ポリオレフィン層
6.金属箔
7.接着剤層
8.剥離剤層
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートに関する。さらに詳しくは、商品のマスキングフィルム、あるいは、包装、梱包、シート状体の張設等に使用される粘着テープとして適する粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、粘着シートは、商品の保護、隠蔽等のマスキングフィルム、あるいは、包装、梱包、シート状体の張設等における固定用テープとして粘着テープは広い分野で使用されている。
【0003】
このような粘着シートとしては、使用する際の基材の強度、あるいは、粘着性に優れると同時に、剥離可能であることも必要とする。すなわち、マスキングフィルム、コイル状金属薄板の仮止めテープ等として使用される場合、使用中は、粘着剤と商品とが強固に密着して、ずれや剥がれを発生させず、また、粘着剤と商品間に薬剤が侵入して汚染したり、商品を腐蝕させるような事態が生じないようにする必要があり、さらに、作業が終了して保護が不要となったときの剥離除去の際には、商品を変形させたり、痛めたりするようなことのないように、綺麗に剥離することが要求される。
【0004】
このような要求を満たす粘着シートとしては、例えば、剥離工程前に紫外線等を照射して接着力を低下させるもの、或いは、マイクロカプセル化した発泡剤を粘着剤中に含有させた粘着シートを使用し、剥離工程前に加熱して発泡させることにより接着面積を低減して接着力を低下させるもの等が提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの粘着性を制御する粘着シートを用いる方法では、粘着シートのコストの大幅な上昇を招き、加えて紫外線照射装置等の設置による設備コストの増大や、各工程毎の煩雑な工程管理が必要となり、粘着シート、ひいては最終製品の価格を上昇させる要因となる。
【0006】
また、粘着シートをマスキングフィルム、コイル状金属薄板の仮止め等として使用する際には、商品を腐蝕、変質させるおそれのない粘着剤であることも必要となる。かかる各種の要請を満足させ得る粘着シートは、開発されるに至っていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−81433
【特許文献2】特開2000−319606
【特許文献3】特開平7−242863
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、粘着性に優れると共に剥離性もよく、粘着シートを剥離した際に商品表面に粘着剤が残ることがなく、また、商品を汚染、腐蝕させることのない粘着シートであって更に基材強度に優れ結束性が良好な粘着シートを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため鋭意検討した結果なされたもので、具体的には、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体を交差せしめて形成した布状基材の片面又は両面に炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5.0重量%、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.01〜5.0重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系粘着剤層が積層されてなる粘着シートを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、布状基材が線状体を織成、編成、又は、からみ織することによって得られたものである上記の粘着シート、及び、布状基材が線状体を一方向に並列し、その上に他の線状体を交差するように配列し、その交点を結合することによって得られたものである上記の粘着シートを提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、線状体がポリオレフィンからなる上記の粘着シート、布状基材を構成する線状体の少なくとも一部が複数のテープ状体を重ね合わせた状態で織成されてなる上記の粘着シート、布状基材の経糸を構成する線状体が複数層を形成するように重なりをもつように重ね織りされてなる上記の粘着シート、布状基材の片面又は両面にポリオレフィンからなる薄層が積層されてなる上記の粘着シート、及び、布状基材の片面又は両面に金属からなる薄層が積層されてなる上記の粘着シートを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明粘着シート1は、図1に示すように、熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体2a、2bを交差せしめて形成した布状基材3の片面又は両面に、粘着剤層4が形成される。
【0013】
布状基材3を形成する合成樹脂としては、一般には結晶性樹脂が用いられ、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド等を用いることができる。
【0014】
中でも加工性と高強度性及び柔軟性からポリエチレン、ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン等のポリオレフィンが望ましい。
【0015】
なお、線状体2は、結晶性の熱可塑性合成樹脂の単層体であってもよいが、基層を形成する熱可塑性樹脂より融点の低い熱可塑性合成樹脂からなる接合層を積層した複合型とすることも可能であり、また、好ましい方法である。
【0016】
たとえば、図3(A)に示すように、基層12を単層で用いることができ、また、図3(B)に示すように、基層12の片面に接合層13が積層されたものであってもよく、また、図3(C)に示すように、基層12の両面に接合層13、13が積層されたものであってもよい。
【0017】
接合層13は、線状体2が布状とされた後、線状体2間を接合し、あるいは、布状基材3と他の基材とを接合するもので、基層12を構成する合成樹脂より融点が低く熱融着性の優れた合成樹脂が用いられる。
【0018】
融点の低い熱可塑性樹脂としては、具体的には、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層12より低融点、好ましくは、10℃以上低融点の合成樹脂が選択される。中でも加工性と手切れ性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが望ましく、特に、接合の容易性から、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、及び、ポリプロピレンが好ましい。
【0019】
線状体2として積層体が使用される場合において、積層体を成形する手段としては、予め基層12となるシートと接合層13となるシートを形成してドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて複層化する手段や、基層12となるシートの表面に接合層13となる熱可塑性合成樹脂をコーティングする方法、予め形成した基層12となるシートに接合層13を押出ラミネートする方法、あるいは、多層共押出法によって積層シートとして押出成形するなどの公知の手段から適宜選択して用いればよいが、成形の容易さやコスト面、並びに、製品の各層間の接着性の点では、多層共押出法によって基層12と接合層13の積層体を一段で得る方法が望ましい。
【0020】
布状基材3を形成する熱可塑性合成樹脂には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができ、例えば、フェノール系、有機ホスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アルカリ土類金属塩のカルボン酸塩系等の塩素補足剤;アミド系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;含臭素有機系、リン酸系、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、赤リン等の難燃剤;有機顔料;無機顔料;無機充填剤;有機充填剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等を添加することができる。
【0021】
これら成分は必要に応じて適宜配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、Vブレンダー、タンブラーミキサー、リボンミキサー、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、一軸又は二軸の押出機、あるいは、混練機にて混合或いは溶融混練されてフィルム状に成形される。成形方法は、Tダイによる押出し成形法、あるいは、インフレーション成形法を採用することができる。
【0022】
成形されたフィルムは、所定幅にスリットした後で、あるいは、スリットする前に、延伸装置を用いて縦方向に一軸延伸される。
【0023】
延伸方法としては、熱ロールによる延伸、熱板による延伸、熱風炉内でロールによって延伸する方法等によって行なうことができる。
【0024】
延伸倍率は、3〜12倍、好ましくは5〜10倍程度が適当であり、布状基材3の経糸としては、繊度が50〜500デシテックス、好ましくは200〜400デシテックス、糸幅が0.4mm〜2.0mm、好ましくは0.6〜1.5mmが適する。また、緯糸としては、繊度が200〜400デシテックス、好ましくは250〜310デシテックスが適当であり、糸幅が1.0mm〜2.5mm、好ましくは1.1〜1.5mmが適当である。
【0025】
経糸の糸密度は25〜50本/25.4mm、好ましくは30〜46本/25.4mmが適当であり、緯糸の糸密度は12〜25本/25.4mm、好ましくは14〜20本/25.4mmが適当である。
【0026】
得られた線状体2は、図1に示すように、平織り、綾織等の織布とし、また、図2に示すように、多数の熱可塑性樹脂線条体2aを一方向に並列し、その上に直交する方向に多数の熱可塑性樹脂線条体2bを並列して、その交点を接合した交差結合布(ソフ)とすることによって布状基材3とすることができる。また、編組、あるいは、からめ織することによって布状基材3とすることも可能である。
【0027】
また、図4(A)に示すように、肉薄の線状体2bを経糸として用い、複数本を重ね合わせて織成することによって、柔軟でより高強度の粘着シートを得ることができ、また、図4(B)に示すように、経糸となる線状体2bが重なり合った複層となるように織成することによって手切れ性を改良することもできる。
【0028】
得られた布状基材3には、図1に示すように、粘着剤が塗布されて粘着剤層4が形成されるが、その下地材としてポリオレフィン層5を積層することが望ましい。布状基材3に積層されてポリオレフィン層5を形成する熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。特に高圧法低密度ポリエチレン、あるいは、メタロセン触媒を用いて製造した線状低密度ポリエチレンが好ましい。ポリオレフィンによる層を形成することによって手切れ性を改良することができる。
【0029】
また、これらポリオレフィン層5には、酸変性ポリオレフィン、無機充填剤を添加することができ、また、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、顔料等を添加することも可能である。
【0030】
ポリオレフィン層5の形成は、溶融混練されてフィルム状に成形された溶融フィルムをラミネートすることによって形成されるが、ラミネートされる溶融フィルムの温度は布状基材3を構成するポリオレフィンの融点より130〜220℃高い温度とすることが好ましい。ラミネートを高温で行なうことによって、布状基材3にポリオレフィンが浸入して布状基材組織を固定化する結果、手切れ性が向上する。
【0031】
布状基材3に積層されるポリオレフィン層5の厚みは、10〜50μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0032】
また、本発明粘着シート1には、金属箔層6を積層することができる。図5に示すように、布状基材3に接着剤層7を介して金属箔層6を積層しその表面にポリオレフィン層5、粘着剤層4を形成することができる。
【0033】
また、布状基材3の反対面、図において上面には、ポリオレフィン層5を積層することができ、さらに、金属箔層6を積層することも可能である。
【0034】
金属箔層6を形成する金属としては薄膜状に加工されるものであれば制限されるものではなが、一般には、アルミニウム、錫、鉛、銅、真鍮、青銅、鉄、等の箔を用いることができる。適度な剛性を保持させる観点からはアルミニウムが好ましい。
【0035】
金属箔層6の厚さは目的に応じて任意に選定することができるが、ピンホール発生の防止、強度、金属箔の加工性、取扱性、手切れ性の観点から、厚さは0.1〜70μm、好ましくは3〜50μm、特に好ましくは6〜30μmの範囲が好ましい。
【0036】
布状基材3と金属箔層6とを接着する接着剤層7としては、ポリオレフィン系熱可塑性合成樹脂を用いることができ、特に線状低密度ポリエチレンを用いて接合することが好ましい。
【0037】
さらに本発明は、必要に応じ、又は、さらなる機能付与を目的としその他の層を設けることができる。その他の層として、ガス不透過層を設けることができ、ガス不透過層としては、金属蒸着フィルム、セラミック蒸着フィルム等を用いることができる。また、耐油性用途にはポリプロピレンフィルム、易開封性用途にはポリスチレン、高剛性用途には紙を積層することができる。さらに、布状基材3の粘着剤4塗布側の反対面には剥離剤層8を形成することもでき、また、好ましい方法である。
【0038】
上記のポリオレフィン層5、金属箔6、あるいは、その他の機能付与層は、目的に応じて、布状基材3の粘着剤層4を形成する側に積層してもよく、また、反対側に積層してもよく、さらには、双方に積層することができる。
【0039】
布状基材3の少なくとも片面側には、炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5重量%、及び、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤樹脂を0〜20重量部、金属腐食防止性を有するベンゾトリアゾール系化合物0.005〜5重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系の粘着剤層が形成される。
【0040】
(炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー)
アルキル基の炭素数が4〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、特に、n−ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレートが好適である。該単量体の全単量体に占める割合は50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましい。
【0041】
(カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体)
また、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸やこれらのモノエステル等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸が好適に用いられる。
【0042】
カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体は、単量体全体の0.1〜10重量%共重合される。0.1重量%未満では架橋剤配合後の接着力が不足して被接着物のプレス工程等の作業中に剥離が生じ易くなり、10重量%を超えると粘着剤の極性が大きくなり過ぎて、剥離工程において剥離しにくくなる傾向が避けられず、また、金属腐食にも悪影響を与え、いずれも本発明の課題を達成することができなくなる。
【0043】
(ヒドロキシル基含有単量体)
ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。これらのヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体のうち、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートが好適に用いられる。
【0044】
ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体は0〜5.0重量%が共重合される。5.0重量%を超えると、逆に凝集力が高くなりすぎ、必要な接着力が得られなくなる。
【0045】
本発明のアクリル系ポリマーには上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とカルボキシル基含有ラジカル重合性単量体、ヒドロキシル基含有ラジカル単量体以外に、ガラス転移温度や極性等を調整する目的で少量の改質成分単量体が共重合されていてもよい。このような単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピロリドン等が例示できる。これらは目的に応じて単独で用いられてもよいし、2種類以上の適宜の組み合わせとされてもよいが、単量体全体の20重量%程度以内にとどめることが好ましく、10重量%以内程度とすることがより好ましい。過剰に共重合されると、アクリル共重合体本来の粘着性能に影響を与える場合がある。
【0046】
アクリル共重合体を得るための共重合反応は従来公知の方法に従えばよく、特に限定されるものではないが、得られたポリマーと分子内にカルボキシル基またはヒドロキシル基と反応する官能基を有する多官能性化合物、または多官能性化合物及び単官能性化合物を配合する必要があるので、架橋性単量体を共重合して流動性を損なうような重合方式は避けるべきである。適当な重合方法としては、例えば、不活性有機溶媒中での熱や放射線によるラジカル重合、水溶液中での懸濁重合、乳化重合、アクリルモノマー単独でのバルク重合等が挙げられる。
【0047】
アクリル共重合体の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値で20万〜150万、より好ましくは30万〜100万程度に設計されればよい。重量平均分子量が20万未満では粘着剤の凝集力が不足しがちであり、逆に150万を超えると塗工適性が低下して均一な粘着剤層が得られない場合がある。
【0048】
(粘着付与剤)
本発明のアクリル共重合体には粘着付与剤がアクリル共重合体100重量部に対して、20重量部以下が配合されてもよい。粘着付与剤樹脂としてはロジン系化合物やテルペンフェノール系樹脂など、当該技術分野で用いられることがある公知の粘着付与樹脂が配合される。
【0049】
(金属腐食防止剤)
粘着剤中にはベンゾトリアゾール系化合物が添加される。ベンゾトリアゾール系化合物には金属腐食を防止する作用が知られており、これを配合することで金属腐食による変色をより効果的に防止することが可能となる。ベンゾトリアゾール系化合物は有効量が添加されればよく、およそ0.01〜5.0重量部程度が有効量である。
【0050】
(架橋剤)
粘着剤を架橋するための架橋剤は特に限定されないが、イソシアネート系化合物やエポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤が挙げられる。
【0051】
上記したアクリル共重合体と架橋剤が本発明粘着シートに使用される粘着剤の必須成分であるが、本発明の粘着シートには上記必須成分の他に、必要に応じて少量の任意成分が配合されてもよい。
【0052】
例えば、一般に金属箔の表面には微細な凹凸があるために、粘着シートと積層する際に微小な気泡を巻き込み易い。このような現象を防止するには、金属表面に対する粘着剤の追従性を向上させて気泡を巻き込みにくくすることが重要であり、この目的には、粘着剤組成中に少量の可塑剤を配合することが特に有効である。
【0053】
配合される可塑剤の種類は必ずしも限定されるものではなく、例えば、脂肪族多価カルボン酸のエステル、芳香族多価カルボン酸のエステル、リン酸エステル等の低分子可塑剤やポリエステルのような高分子可塑剤等が例示できるが、種々の実験により脂肪族2塩基酸のエステルが特に有効であり、中でもアジピン酸ジエステルが好適である。また、その配合量は0.05〜4重量%が好ましく、分子量は300以上とすることが望ましい。過剰の配合は粘着剤の凝集力を低下させることになって、剥離工程において糊残りを発生させる恐れを生じ、また、分子量が小さい場合は粘着剤と金属との界面にブリードアウトし易くなる結果、剥離後の金属表面を汚染することになる。
【0054】
所望により上記任意成分が配合されたアクリル共重合体は、通常、適宜の有機溶剤に溶解された上で架橋剤が配合され、長時間を経過しないうちに、好ましくは直接支持体上に塗工した後乾燥され、あるいは、離型処理が施された工程紙上に塗工後乾燥されたものが支持体上に転写されて、支持体と粘着剤層が積層された粘着シートとなされる。塗工手段や乾燥方法に制限はなく、公知のものが採用できる。
【0055】
塗工乾燥された粘着剤層4の厚さについても特に限定されるものではないが、余りに薄い場合は粘着力が不足したり、均一な塗工に支障を来すことがあり、逆に厚過ぎると粘着力が高くなり過ぎ、剥離除去の際に商品を変形させたり、傷めたりする恐れがあるので、1〜50μm程度とされればよい。
【0056】
熱可塑性合成樹脂フィルムを支持体とするときは、粘着剤との密着力を高めるため、その表面にサンドブラスト処理や火炎処理等の物理的処理またはコロナ処理やプラズマ処理等の化学的処理或いはプライマー処理等を施すことが好ましい。
【0057】
また、支持体の背面、即ち、粘着剤層が積層される面の反対面であって、ロール状に巻き取ったときの粘着剤層表面が接触する面には、巻き戻す際の剥離力(展開力ともいう)を軽くするために、通常は離型処理が施される。離型処理としては、必要により硬化反応を伴うシリコーン系離型剤、フッ素系離型剤、長鎖アルキルグラフトポリマー系離型剤の塗布、プラズマ処理等が挙げられるが限定されるものではない。
【0058】
【実施例】
次に実施例を挙げて説明するが、本発明は以下の実施例に限定解釈されるものではない。
【0059】
評価方法
a.基材強度
JIS L−1096一般織物試験法6,12,A法に規定されるカットストリップ法にて、オートグラフを用い、試料巾50mm、試料長(チャック間距離)200mm、引張速度300mm/minで破断点に於ける抗張力を求める。
【0060】
判定
○:基材強度が強い
△:基材強度が比較的強い
×:基材強度が弱い
b.結束性
幅100mm、厚み0.5mm、長さ1mの純銅板を外径300mmの巻芯に捲回し、幅25mm、長さ200mmの粘着テープで銅板の端部を結束し、常温で24時間後の粘着テープの浮きの状態を観察する。
【0061】
判定
○:粘着テープの浮きは発生しない
△:粘着テープが部分的に浮く
×:粘着テープが剥がれる
c.糊残り
幅50mm、厚み0.5mm、長さ300mmの純銅板に幅25mm、長さ200mmの粘着テープを貼り付けた後、温度65℃、相対湿度80%RHで3日後の純銅板表面の糊残りを観察。
【0062】
判定
○:糊残りなし
△:テープ貼付部が部分的に糊残り
×:テープ貼付部が全面的に糊残り
d.防錆性
c.と同様の条件で、純銅板表面の汚染性を観察。
【0063】
判定
○:銅表面の錆なし
△:テープ貼付部の端部に錆発生
×:テープ貼付部全体に錆発生
実施例1
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製HY−433、密度0.956、MFR0.55)を、インフレーション成形法によってフィルムとし、得られたフィルムをレザーを用いてスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で9倍に延伸した後、温度120℃の熱風循環式オーブン内で10%の弛緩熱処理を行ない、糸幅1.15mm、繊度340デシテックスの延伸ヤーンを製造して経糸とし、また、同様の方法で、糸幅1.2mm、繊度310デシテックスの延伸ヤーンを製造して緯糸とし、これを、ウオータージェット織機を用いて経糸22本/25.4mm(2重であるため、実際には44本)、緯糸16本/25.4mm、の平織織布とした。
【0064】
得られた織布の両面に、低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製LC−720)を押出しラミネートした(各ラミネート層厚み30μm)。また、片面にコロナ放電処理を行なってぬれ張力を420μN/cmとした。
【0065】
上記基材のコロナ放電処理面に、アクリル酸−n−ブチルを主成分とする重合体(日本合成化学社製コーポニール5407)100重量部に架橋剤としてイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL−55E)を固形分基準で4.0重量部配合し、ベンゾトリアゾールを固形分基準で0.02重量部を添加したアクリル系粘着剤を塗布厚み40μmとなるように塗布した。その評価結果は表1の通りであった。
【0066】
比較例1
ポリエステルフィルムにポリエステル系マルチフィラメントをタテ方向に沿って貼着した基材に、粘着剤としてゴム系粘着剤を塗布して粘着シートを得た。その評価結果は表1の通りであった。
【0067】
比較例2
ポリエステルフィルムからなる基材に、粘着剤としてシリコーン系粘着剤を塗布して粘着シートを得た。その評価結果は表1の通りであった。
【0068】
比較例3
高密度ポリエチレン(日本ポリケム社製HY−433、密度0.956、MFR0.55)を、インフレーション成形法によってフィルムとし、得られたフィルムをレザーを用いてスリットした。次いで、温度110〜120℃の熱板上で7倍に延伸した後、温度120℃の熱風循環式オーブン内で6%の弛緩熱処理を行ない、糸幅0.56mm、繊度109デシテックスの延伸ヤーンを製造して経糸とし、また、同様の方法で、糸幅1.2mm、繊度310デシテックスの延伸ヤーンを製造して緯糸とし、これを、スルーザー織機を用いて経糸46本/25.4mm、緯糸16本/25.4mm、目付け量40g/m2の平織織布とした。
【0069】
得られた織布の両面に、低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製LC−720)を押出しラミネートした(各ラミネート層厚み35μm)。また、片面にコロナ放電処理を行なってぬれ張力を420μN/cmとした。
【0070】
上記基材のコロナ放電処理面に、アクリル酸−n−ブチルを主成分とする重合体(日本合成化学社製コーポニール5407)100重量部に架橋剤としてイソシアネート系硬化剤(日本ポリウレタン工業社製コロネートL−55E)を固形分基準でそれぞれ4.0重量部配合したアクリル系粘着剤を塗布厚み40μmとなるように塗布した。その評価結果は表1の通りであった。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
粘着性に優れると共に剥離性もよく、粘着シートを剥離した際に商品表面に粘着剤が残ることがなく、また、商品を汚染、腐蝕させることのない粘着シートであって、更に基材強度に優れ結束性が良好な粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明粘着シートの例を示す縦断面図
【図2】本発明粘着シートの他の例を示す縦断面図
【図3】線状体の例を示す縦断面図
【図4】布状基材を示す縦断面図
【図5】本発明粘着シートの他の例を示す縦断面図
【符号の説明】
1.粘着シート
2.線状体
3.布状基材
4.粘着剤層
5.ポリオレフィン層
6.金属箔
7.接着剤層
8.剥離剤層
Claims (8)
- 熱可塑性樹脂を一軸延伸して得られた線状体を交差せしめて形成した布状基材の片面又は両面に、炭素数が4〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー50重量%以上、カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体0.1〜10重量%、ヒドロキシル基含有ラジカル重合性単量体0〜5重量%、その他の共重合可能な単量体0〜20重量%からなるアクリル共重合体100重量部と粘着付与剤を0〜20重量部、ベンゾトリアゾール系化合物0.01〜5.0重量部からなる粘着剤組成物を架橋したアクリル系粘着剤層が積層されてなる粘着シート。
- 布状基材が、線状体を織成、編成、又は、からみ織することによって得られたものである請求項1に記載の粘着シート。
- 布状基材が、線状体を一方向に並列し、その上に他の線状体を交差するように配列し、その交点を結合することによって得られたものである請求項1に記載の粘着シート。
- 線状体が、ポリオレフィンからなる請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
- 布状基材を構成する線状体の少なくとも一部が、複数のテープ状体を重ね合わせた状態で織成されてなる請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
- 布状基材の経糸を構成する線状体が、複数層を形成するように重なりを持つように重ね織りされてなる請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
- 布状基材の片面又は両面に、ポリオレフィンからなる薄層が積層されてなる請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シート。
- 布状基材の片面又は両面に金属からなる薄層が積層されてなる請求項1〜7のいずれかに記載の粘着シート。
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