JP2004086165A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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Yukihisa Takeuchi
武内 幸久
Tsutomu Nanataki
七瀧 努
Iwao Owada
大和田 巌
Takayoshi Akao
赤尾 隆嘉
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Abstract

【課題】多数の表示ユニットを配列して大画面の表示装置を構成した場合に、表示ユニット間の輝度ばらつきや継ぎ目を目立たせないようにさせ、しかも、画質の向上を図る。
【解決手段】本実施の形態に係る輝度補正テーブルの作成過程は、まず、ステップS1において、ディスプレイに一様の画像を表示し、全ドットの輝度を検出する。具体的には、ディスプレイの全ドットに対して例えばグレースケールの中間レベル(フルスケールとして256の階調レベルとしたとき、例えば128の階調レベル)の信号を与えて表示させ、この状態で例えばCCDカメラで全ドットの各輝度を測定して、このディスプレイの実測輝度分布を求める。その後、ステップS2において、各ドットの輝度目標値を算出し、次いで、ステップS3において、各ドットの輝度目標値に基づいて各ドットについての輝度補正係数を算出する。
【選択図】図46

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消費電力が小さく、画面輝度の大きな表示装置の製造方法に関し、特に、表示ユニットが複数配列されて構成された表示装置の輝度補正過程に適用して好適な表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示装置として、陰極線管(CRT)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置が知られている。
【0003】
陰極線管としては、通常のテレビジョン受像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られているが、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画面の大きさに比例して表示装置全体の奥行きが大きくなるという問題がある。また、表示画像の周辺部で分解能が低下し、像又は図形が歪む、記憶作用がない、大型表示ができないなどの難点もある。
【0004】
この理由は、電子銃から放射された電子ビームを大きく偏向させることから、電子ビームがブラウン管の蛍光面に斜めに到達する箇所では発光点(ビームスポット)が広がり、像が斜めに表示されるようになる。これにより、表示画像に歪みが生じることになる。また、ブラウン管内部の大きな空間を真空に保つには限度があるからである。
【0005】
一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。また、電圧レベルにより階調表現を行うようにしているため、駆動回路の構成が非常に複雑になるという難点がある。
【0006】
例えば、デジタルデータ線を用いた場合、その駆動回路は、コンポーネントRGBデータ(各8ビット)を所定期間保持するラッチ回路と、電圧セレクタと、階調数に応じた種類の電圧レベルに切り換えるマルチプレクサと、該マルチプレクサからの出力データをデジタルデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、階調数が大きくなるとマルチプレクサにおいて非常に多くのレベルの切換え動作が必要になり、それに伴って、回路構成が複雑になる。
【0007】
アナログデータ線を用いた場合、その駆動回路は、順次入力されるコンポーネントRGBデータ(各8ビット)を水平方向に整列させるためのシフトレジスタと、シフトレジスタからのパラレルデータを所定期間保持するラッチ回路と、電圧レベルの調整をとるレベルシフタと、レベルシフタからの出力データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器からの出力信号をアナログデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、D/A変換器において、オペアンプを使用することにより、階調に応じた所定の電圧を得るようにしているが、階調の範囲が広くなると、高精度の電圧を出力するオペアンプを使用する必要があり、構造が複雑になると共に価格も高くなるという欠点がある。
【0008】
プラズマディスプレイは、液晶表示装置と同様に、表示部自体が体積をとらないため、小型化が可能であり、平板な表示面であるため、見やすいという長所があり、特に、交流型プラズマディスプレイにおいては、セルの記憶作用により、リフレッシュメモリが不要であるという長所も有する。
【0009】
ところで、前記プラズマディスプレイにおいては、セルに記憶作用を持たせるために、印加電圧の極性を交番的に切り換えて放電を持続させる必要がある。従って、駆動回路に、X方向のサスティンパルスを発生させるための第1のパルス発生器と、Y方向のサスティンパルスを発生させるための第2のパルス発生器を設ける必要があり、駆動回路の構成がどうしても複雑になるという問題がある。
【0010】
一方、本出願人は、前記CRT、液晶表示装置やプラズマディスプレイでの問題を解消するために、新規な表示装置を提案した(例えば、特開平7−287176号公報参照)。この表示装置は、図79に示すように、画素毎に配列されたアクチュエータ部1000を有し、各アクチュエータ部1000は、圧電/電歪層1002と該圧電/電歪層1002の上面及び下面にそれぞれ形成された上部電極1004と下部電極1006とを具備したアクチュエータ部本体1008と、該アクチュエータ部本体1008の下部に配設された振動部1010と固定部1012からなる基体1014とを有して構成されている。アクチュエータ部本体1008の下部電極1006は、振動部1010と接触して、振動部1010により前記アクチュエータ部本体1008が支持されている。
【0011】
前記基体1014は、振動部1010及び固定部1012が一体となってセラミックスにて構成され、更に、基体1014には、前記振動部1010が薄肉になるように凹部1016が形成されている。
【0012】
また、アクチュエータ部本体1008の上部電極1004には、光導波板1018との接触面積を所定の大きさにするための変位伝達部1020が接続されており、図79の例では、前記変位伝達部1020は、アクチュエータ部1000が静止している通常状態において、光導波板1018に近接して配置され、励起状態において前記光導波板1018に光の波長以下の距離で接触するように配置されている。
【0013】
そして、前記光導波板1018の例えば端部から光1022を導入する。この場合、光導波板1018の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光1022が光導波板1018の前面及び背面において透過することなく内部で全反射する。この状態で、前記上部電極1004及び下部電極1006を通してアクチュエータ部1000に画像信号の属性に応じた電圧信号を選択的に印加して、該アクチュエータ部1000に通常状態による静止と励起状態による変位を行わせることにより、前記変位伝達部1020の光導波板1018への接触・離隔が制御され、これにより、前記光導波板1018の所定部位の散乱光(漏れ光)1024が制御されて、光導波板1018に画像信号に応じた映像の表示がなされる。
【0014】
この表示装置によれば、(1)消費電力を少なくできること、(2)画面輝度を大きくすることができること、(3)カラー画面にする場合において、画素数を白黒画面の場合に比して増加させる必要がないこと等の利点を有する。
【0015】
上述のような表示装置の周辺回路においては、例えば図80に示すように、多数の画素が配列された表示部1030と、1つの行を構成する多数の画素(画素群)に対して共通とされた垂直選択線1032が必要な行数分導出された垂直シフト回路1034と、1つの列を構成する多数の画素(画素群)に対して共通とされた信号線1036が必要な列数分導出された水平シフト回路1038を有して構成されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような表示装置においては、多数の表示ユニットを並べて大画面ディスプレイを構成する場合がある。その場合、多数の表示ユニットをランダムに配列していくことが考えられるが、表示ユニット間に平均輝度のばらつきがあることから、画質が劣化するおそれがある。
【0017】
つまり、例えば平均輝度の高い表示ユニットに隣接して平均輝度が極端に低い表示ユニットが配列された場合、平均輝度の落差によって表示ユニットの存在が顕著に現れてしまい、表示装置の画面上に表示された画像が見づらいものとなる。しかも、表示ユニットの継ぎ目が目立つという弊害もある。
【0018】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、多数の表示ユニットを配列して大画面の表示装置を構成した場合に、表示ユニット間の輝度ばらつきや継ぎ目を目立たせないようにすることができ、画質の向上を図ることができる表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明の他の目的は、表示むらや明るさの段差などを極力小さくして、人の目に対する違和感をなくし、画像の画質を高めることができる表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の表示用素子が配列された表示ユニットが複数配列されて構成された表示装置の製造方法において、前記表示装置に一様の画像を表示し、各表示用素子の輝度を検出する工程と、前記各表示用素子の輝度目標値を算出する工程と、前記各表示用素子の輝度目標値に基づいて前記各表示用素子についての輝度補正係数を算出する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
輝度目標値として輝度分布のばらつきを抑える値に設定することで、その効果が輝度補正係数に反映される。従って、表示用素子が駆動あるいは発光する際に、発光輝度が輝度補正係数に基づいて補正されることとなるが、このとき、輝度分布のばらつきが有効に抑えられて発光することとなり、表示ユニット間の輝度ばらつきや継ぎ目を目立たせないようにすることができる。
【0022】
そして、前記製造方法において、前記輝度目標値の算出は、当該表示用素子とその周辺に配列された複数の表示用素子の輝度を平均し、該平均値を当該表示用素子の輝度目標値とするようにしてもよい。即ち、移動平均化によって輝度分布のばらつきを抑制するというものである。
【0023】
この場合、当該表示用素子の周辺に配列された複数の表示用素子は、垂直方向に並ぶ2m+1行分の表示用素子群に含まれ、かつ、水平方向に並ぶ2n+1列分の表示用素子群に含まれるようにしてもよい。
【0024】
また、1つの前記表示ユニットについて、垂直方向にM個の表示用素子が配列され、水平方向にN個の表示用素子が配列され、合計でM×N個の表示用素子を有する場合に、前記m及びnは、α及びβをそれぞれ1以上の変数としたとき、
(1/2)M≦2m+1≦αM
(1/2)N≦2n+1≦βN
とする。特に、前記α及びβは、前記輝度補正係数が上限値を超える表示用素子の数が所定数以下となるように設定する。
【0025】
このようにすれば、表示ユニット内の輝度分布のばらつきを抑制しつつ、継ぎ目も目立たなくでき、しかも、表示ユニットの個々の輝度を生かすことができ、明るく発光させることができる表示ユニットを必要以上に輝度低下させることのないようにすることができる。
【0026】
そして、算出された前記輝度目標値のうち、最小値を示す表示用素子を検索し、検索対象の表示用素子について、現在の輝度目標値を一定値だけ向上させるようにしてもよい。
【0027】
前記手法により、表示ユニット間において画像が不連続になるという不都合が解消され(連続面の維持)、しかも、表示ユニットの表示能力を最大まで引き出すことができる。
【0028】
また、その他の方法としては、算出された前記輝度目標値のうち、しきい値を超える表示用素子を検索し、検索対象の表示用素子について、現在の輝度目標値をしきい値まで低減させるようにしてもよい。
【0029】
また、本発明は、前記輝度補正係数の算出において、色温度を加味して行うようにしてもよい。
【0030】
具体的には、算出された前記各表示用素子の輝度目標値について、それぞれ配色に応じた規格化を行い、規格化後の値が一定範囲に入るように修正し、修正後の値に対し、それぞれ配色に応じた復元処理を行って色温度が加味された輝度目標値を得るようにしてもよい。なお、前記色温度が加味された輝度目標値を得る場合、色温度調節定数を乗算する処理を含むようにしてもよい。
【0031】
前記表示ユニットとしては、光源からの光が導入される光導波板と、該光導波板の一方の板面に対向して設けられ、かつ多数の画素に対応した数の表示用素子が配列された駆動部を具備し、入力される画像信号の属性に応じて前記光導波板に対する前記表示用素子におけるアクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、前記光導波板の所定部位の漏れ光を制御することにより、前記光導波板に前記画像信号に応じた映像を表示させる表示ユニットであってもよい。
【0032】
また、本発明は、複数の表示用素子が配列された表示ユニットが複数配列されて構成された表示装置の製造方法において、各表示ユニットについてそれぞれ特性値を得る工程と、得られた特性値に基づいて前記表示ユニットをランク分けする工程と、前記表示装置における前記複数の表示ユニットの配列領域を区分して、各領域に配列すべき表示ユニットのランクを指定する工程と、前記指定に従って前記表示ユニットを配列して前記表示装置を作製することを特徴とする。
【0033】
これにより、表示むらや明るさの段差などを極力小さくすることができ、人の目に対する違和感をなくし、画像の画質を高めることができる。
【0034】
この場合、ランク分けされた表示ユニットを指定された領域に配列する際に、同一ランク内において順序付けされた表示ユニットを所定の規則に従って配列すれば、表示装置全体としてみたとき、滑らかな輝度分布にすることができる。
【0035】
特に、前記表示ユニットの配列領域を中央部分と周辺部分に区分し、前記中央部分にランクの高い表示ユニットを配列し、前記周辺部分にランクの低い表示ユニットを配列してもよい。これは、周辺が暗くても人の目では気づきにくいという特性を利用したもので、人の目に対する違和感をなくす上で有効となる。
【0036】
そして、前記特性値が、表示ユニットを構成する複数の表示用素子の平均輝度と、表示用素子の欠損数である場合に、前記ランク分けは、平均輝度によるランクと欠損数によるランクの総合評価によって決するようにしてもよい。
【0037】
この場合、前記表示ユニットの配列領域を中央部分と周辺部分に区分し、前記中央部分に欠損数によるランクの高い表示ユニットを配列し、前記周辺部分に欠損数によるランクの低い表示ユニットを配列するようにしてもよい。なお、前記中央部分と周辺部分に、前記平均輝度によるランクがほぼ同じである表示ユニットを配列するようにしてもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の製造方法が適用されるディスプレイの実施の形態例(以下、単に実施の形態に係るディスプレイと記す)を図1〜図78を参照しながら説明する。
【0039】
本実施の形態に係るディスプレイ10は、図1に示すように、ディスプレイ10としての表示面積を有する導光板12の背面に、複数個の表示ユニット14が配列されて構成されている。
【0040】
各表示ユニット14は、図2に示すように、光源16からの光18が導入される光導波板20と、該光導波板20の背面に対向して設けられ、かつ多数のアクチュエータ部22が画素に対応してマトリクス状あるいは千鳥状に配列された駆動部24を有して構成されている。
【0041】
画素の配列構成は、例えば図3に示すように、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、水平方向に並ぶ3つのドット26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)で1つの画素28が構成されている。更に、この表示ユニット14においては、画素28の並びを水平方向に16個(48ドット)、垂直方向に16個(16ドット)としている。
【0042】
そして、このディスプレイ10は、図1に示すように、例えばVGAの規格に準拠すべく、水平方向に640画素(1920ドット)が並び、垂直方向に480画素(480ドット)が並ぶように、導光板12の背面に、表示ユニット14を水平方向に40個、垂直方向に30個配列させるようにしている。
【0043】
導光板12は、ガラス板やアクリル板等の可視光領域での光透過率が大であって均一なものが使用され、各表示ユニット14間は、ワイヤボンディングや半田付け、端面コネクタ、裏面コネクタ等で接続することにより相互間の信号供給が行えるようになっている。
【0044】
なお、前記導光板12と各表示ユニット14の光導波板20は屈折率が類似したものが好ましく、導光板12と光導波板20とを貼り合わせる場合には、透明な接着剤を用いてもよい。この接着剤は、導光板12や光導波板20と同様に、可視光領域で均一で、高い透過率を有することが好ましく、また、屈折率も導光板12や光導波板20と近いものに設定することが画面の明るさを確保する上で望ましい。
【0045】
ところで、各表示ユニット14においては、図2に示すように、各アクチュエータ部22上に、それぞれ画素構成体30が積層されている。画素構成体30は、光導波板20との接触面積を大きくして画素に応じた面積にする機能を有する。
【0046】
駆動部24は、例えばセラミックスにて構成されたアクチュエータ基板32を有し、該アクチュエータ基板32の各画素28に応じた位置にアクチュエータ部22が配設されている。前記アクチュエータ基板32は、一主面が光導波板20の背面に対向するように配置されており、該一主面は連続した面(面一)とされている。アクチュエータ基板32の内部には、各画素28に対応した位置にそれぞれ後述する振動部を形成するための空所34が設けられている。各空所34は、アクチュエータ基板32の他端面に設けられた径の小さい貫通孔36を通じて外部と連通されている。
【0047】
前記アクチュエータ基板32のうち、空所34の形成されている部分が薄肉とされ、それ以外の部分が厚肉とされている。薄肉の部分は、外部応力に対して振動を受けやすい構造となって振動部38として機能し、空所34以外の部分は厚肉とされて前記振動部38を支持する固定部40として機能するようになっている。
【0048】
つまり、アクチュエータ基板32は、最下層である基板層32Aと中間層であるスペーサ層32Bと最上層である薄板層32Cの積層体であって、スペーサ層32Bのうち、アクチュエータ部22に対応する箇所に空所34が形成された一体構造体として把握することができる。基板層32Aは、補強用基板として機能するほか、配線用の基板としても機能するようになっている。なお、前記アクチュエータ基板32は、一体焼成であっても、後付けであってもよい。
【0049】
ここで、アクチュエータ部22と画素構成体30の具体例を図4〜図13に基づいて説明する。なお、図4〜図13の例では、後述する桟42と光導波板20との間にギャップ形成層44を設けた場合を示す。
【0050】
まず、アクチュエータ部22は、図4に示すように、前記振動部38と固定部40のほか、該振動部38上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体層等の形状保持層46と、該形状保持層46の上面と下面に形成された一対の電極48(ロウ電極48a及びカラム電極48b)とを有する。
【0051】
一対の電極48は、図4に示すように、形状保持層46に対して上下に形成した構造や片側だけに形成した構造でもよいし、形状保持層46の上部のみに一対の電極48を形成するようにしてもよい。
【0052】
一対の電極48を形状保持層46の上部のみに形成する場合、一対の電極48の平面形状としては、図5に示すように、多数のくし歯が相補的に対峙した形状としてもよく、その他、特開平10−78549号公報にも示されているように、渦巻き状や多枝形状などを採用することができる。
【0053】
形状保持層46の平面形状を例えば楕円形状とし、一対の電極48をくし歯状に形成した場合は、図6A及び図6Bに示すように、形状保持層46の長軸に沿って一対の電極48のくし歯が配列される形態や、図7A及び図7Bに示すように、形状保持層46の短軸に沿って一対の電極48のくし歯が配列される形態などがある。
【0054】
そして、図6A及び図7Aに示すように、一対の電極48のくし歯の部分が形状保持層46の平面形状内に含まれる形態や、図6B及び図7Bに示すように、一対の電極48のくし歯の部分が形状保持層48の平面形状からはみ出した形態などがある。図6B及び図7Bに示す形態の方がアクチュエータ部22の屈曲変位において有利である。
【0055】
ところで、図4に示すように、一対の電極48として、形状保持層46の上面に例えばロウ電極48aを形成し、形状保持層46の下面にカラム電極48bを形成した場合においては、図2に示すように、アクチュエータ部22を空所34側に凸となるように一方向に屈曲変位させることも可能であり、その他、図8に示すように、アクチュエータ部22を光導波板20側に凸となるように、他方向に屈曲変位させることも可能である。なお、図8に示す例は、ギャップ形成層44(図4参照)を形成しない場合を示す。
【0056】
一方、画素構成体30は、例えば図4に示すように、アクチュエータ部22上に形成された変位伝達部としての白色散乱体50と色フィルタ52と透明層54の積層体で構成することができる。
【0057】
更に、図9に示すように、白色散乱体50の下層に光反射層56を介在させるようにしてもよい。この場合、光反射層56とアクチュエータ部22間に絶縁層58を形成することが望ましい。
【0058】
画素構成体30の他の例としては、例えば図10に示すように、アクチュエータ部22上に形成された変位伝達部を兼ねる有色散乱体60と透明層54の積層体で構成することもできる。この場合も図11に示すように、アクチュエータ部22と有色散乱体60との間に光反射層56と絶縁層58を介在させるようにしてもよい。
【0059】
また、この表示ユニット14においては、図2、図4及び図8に示すように、光導波板20とアクチュエータ基板32との間において、画素構成体30以外の部分に形成された桟42を有して構成され、図8の例では、桟42の上面に直接光導波板20が固着された場合を示している。桟42の材質は、熱、圧力に対して変形しないものが好ましい。
【0060】
桟42は、例えば画素構成体30の四方に形成することができる。ここで、画素構成体30の四方とは、図12に示すように、例えば画素構成体30が平面ほぼ矩形あるいは楕円であれば、各コーナー部に対応した位置などが挙げられ、1つの桟42が隣接する画素構成体30と共有される形態を示す。
【0061】
桟42の他の例としては、図13に示すように、桟42に少なくとも1つの画素構成体30を囲む窓部42aを有するように構成してもよい。代表的な構成例としては、例えば、桟42自体を板状に形成し、更に画素構成体30に対応した位置に画素構成体30の外形形状に類似した形状の窓部(開口)42aを形成する。これによって、画素構成体30の側面全部が桟42によって囲まれたかたちになり、アクチュエータ基板32と光導波板20との固着が更に強固なものとなる。
【0062】
ここで、表示ユニット14の各構成部材、特に各構成部材の材料等の選定について説明する。
【0063】
まず、光導波板20に入射される光18としては、紫外域、可視域、赤外域のいずれでもよい。光源16としては、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、レーザー、プラズマ光源、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、冷陰極管などが用いられる。
【0064】
振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。その理由は、アクチュエータ部22を有機接着剤等の耐熱性に劣る材料を用いずに、固定部40によって直接振動部38を支持させる構造とする場合、少なくとも形状保持層46の形成時に、振動部38が変質しないようにするため、振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。
【0065】
また、振動部38は、アクチュエータ基板22上に形成される一対の電極48におけるロウ電極48aに通じる配線とカラム電極48bに通じる配線(例えばデータ線)との電気的な分離を行うために、電気絶縁材料であることが好ましい。
【0066】
従って、振動部38は、高耐熱性の金属あるいはその金属表面をガラス等のセラミック材料で被覆したホーロウ等の材料であってもよいが、セラミックスが最適である。
【0067】
振動部38を構成するセラミックスとしては、例えば安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。安定化された酸化ジルコニウムは、振動部38の厚みが薄くても機械的強度が高いこと、靭性が高いこと、形状保持層46及び一対の電極48との化学反応性が小さいこと等のため、特に好ましい。安定化された酸化ジルコニウムとは、安定化酸化ジルコニウム及び部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等の結晶構造をとるため、相転移を起こさない。
【0068】
一方、酸化ジルコニウムは、1000℃前後で、単斜晶と正方晶とで相転移し、この相転移のときにクラックが発生する場合がある。安定化された酸化ジルコニウムは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有する。振動部22の機械的強度を高めるために、安定化剤が酸化イットリウムを含有することが好ましい。このとき、酸化イットリウムは、好ましくは1.5〜6モル%含有し、更に好ましくは2〜4モル%含有することであり、更に0.1〜5モル%の酸化アルミニウムが含有されていることが好ましい。
【0069】
また、結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよいが、中でも主たる結晶相が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相としたものが、強度、靭性、耐久性の観点から最も好ましい。
【0070】
振動部38がセラミックスからなるとき、多数の結晶粒が振動部38を構成するが、振動部38の機械的強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.05〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。
【0071】
固定部40は、セラミックスからなることが好ましいが、振動部38の材料と同一のセラミックスでもよいし、異なっていてもよい。固定部40を構成するセラミックスとしては、振動部38の材料と同様に、例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。
【0072】
特に、この表示ユニット14で用いられるアクチュエータ基板32は、酸化ジルコニウムを主成分とする材料、酸化アルミニウムを主成分とする材料、又はこれらの混合物を主成分とする材料等が好適に採用される。その中でも、酸化ジルコニウムを主成分としたものが更に好ましい。
【0073】
なお、焼結助剤として粘土等を加えることもあるが、酸化珪素、酸化ホウ素等のガラス化しやすいものが過剰に含まれないように、助剤成分を調節する必要がある。なぜなら、これらガラス化しやすい材料は、アクチュエータ基板32と形状保持層46とを接合させる上で有利ではあるものの、アクチュエータ基板32と形状保持層46との反応を促進し、所定の形状保持層46の組成を維持することが困難となり、その結果、素子特性を低下させる原因となるからである。
【0074】
即ち、アクチュエータ基板32中の酸化珪素等は重量比で3%以下、更に好ましくは1%以下となるように制限することが好ましい。ここで、主成分とは、重量比で50%以上の割合で存在する成分をいう。
【0075】
形状保持層46は、上述したように、圧電/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、形状保持層46として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛等、又はこれらの何れかの組合せを含有するセラミックスが挙げられる。
【0076】
主成分がこれらの化合物を50重量%以上含有するものであってもよいことはいうまでもない。また、前記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有するセラミックスは、形状保持層46を構成する圧電/電歪層の構成材料として最も使用頻度が高い。
【0077】
また、圧電/電歪層をセラミックスにて構成する場合、前記セラミックスに、更に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物、若しくはこれらの何れかの組合せ、又は他の化合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。
【0078】
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にランタンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが好ましい。
【0079】
圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質であってもよく、多孔質の場合、その気孔率は40%以下であることが好ましい。
【0080】
形状保持層46として反強誘電体層を用いる場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分を主成分とするもの、更にはジルコン酸鉛に酸化ランタンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したものが望ましい。
【0081】
特に、下記の組成のようにジルコン酸鉛とスズ酸鉛からなる成分を含む反強誘電体膜をアクチュエータ部22のような膜型素子として適用する場合、比較的低電圧で駆動することができるため、特に好ましい。
【0082】
Pb0.99Nb0.02[(ZrSn1−x1−yTi0.98
但し、0.5 <x< 0.6,0.05<y< 0.063,0.01<Nb< 0.03
また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよく、多孔質の場合には気孔率30%以下であることが望ましい。
【0083】
そして、振動部38の上に形状保持層46を形成する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の各種厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき等の各種薄膜形成法を用いることができる。
【0084】
この実施の形態においては、振動部38上に前記形状保持層46を形成するにあたっては、スクリーン印刷法やディッピング法、塗布法、電気泳動法等による厚膜形成法が好適に採用される。
【0085】
これらの手法は、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンション、エマルジョン、ゾル等を用いて形成することができ、良好な圧電作動特性が得られるからである。
【0086】
特に、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成することができることをはじめ、「電気化学および工業物理化学 Vol.53,No.1(1985),p63〜68 安斎和夫著」あるいは「第1回電気泳動法によるセラミックスの高次成形法 研究討論会 予稿集(1998),p5〜6,p23〜24」等の技術文献に記載されるような特徴を有する。従って、要求精度や信頼性等を考慮して、適宜、手法を選択して用いるとよい。
【0087】
また、前記振動部38の厚みと形状保持層46の厚みは、同次元の厚みであることが好ましい。なぜなら、振動部38の厚みが極端に形状保持層46の厚みより厚くなると(1桁以上異なると)、形状保持層46の焼成収縮に対して、振動部38がその収縮を妨げるように働くため、形状保持層46とアクチュエータ基板22界面での応力が大きくなり、はがれ易くなる。反対に、厚みの次元が同程度であれば、形状保持層46の焼成収縮にアクチュエータ基板32(振動部38)が追従し易くなるため、一体化には好適である。具体的には、振動部38の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、3〜50μmが更に好ましく、5〜20μmが更になお好ましい。一方、形状保持層46は、その厚みとして5〜100μmが好ましく、5〜50μmが更に好ましく、5〜30μmが更になお好ましい。
【0088】
前記形状保持層46の上面及び下面に形成されるロウ電極48a及びカラム電極48b、あるいは形状保持層46上に形成される一対の電極48は、用途に応じて適宜な厚さとするが、0.01〜50μmの厚さであることが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。また、前記ロウ電極48a及びカラム電極48bは、室温で固体であって、導電性の金属で構成されていることが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等を含有する金属単体又は合金が挙げられる。これらの元素を任意の組合せで含有していてもよいことはいうまでもない。
【0089】
光導波板20は、その内部に導入された光18が前面及び背面において光導波板20の外部に透過せずに全反射するような光屈折率を有するものであり、導入される光18の波長領域での透過率が均一で、かつ高いものであることが必要である。このような特性を具備するものであれば、特にその材質は制限されないが、具体的には、例えばガラス、石英、アクリル等の透光性プラスチック、透光性セラミックスなど、あるいは異なる屈折率を有する材料の複数層構造体、又は表面にコーティング層を設けたものなどが一般的なものとして挙げられる。
【0090】
また、画素構成体30に含まれる色フィルタ52及び有色散乱体60等の着色層とは、特定の波長領域の光だけを取り出すために用いられる層であり、例えば特定の波長の光を吸収、透過、反射、散乱させることで発色させるものや、入射した光を別の波長のものに変換させるものなどがある。透明体、半透明体及び不透明体を単独、もしくは組み合わせて用いることができる。
【0091】
構成は、例えば染料、顔料、イオンなどの色素や蛍光体を、ゴム、有機樹脂、透光性セラミックス、ガラス、液体等の内部に分散、溶解したものや、それらの表面に塗布したもの、更には上述の色素や蛍光体等の粉末を焼結させたり、プレスして固めたものなどがある。材質及び構造については、これらを単独で用いてもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0092】
色フィルタ52と有色散乱体60との違いは、光18を導入した光導波板20に画素構成体30を接触させて発光状態にしたときに、着色層のみでの反射、散乱による漏れ光の輝度値が、画素構成体30及びアクチュエータ部22を含めた全構成体の反射、散乱による漏れ光の輝度値の0.5倍以上であれば、その着色層は有色散乱体60であると定義し、0.5倍未満であればその着色層は色フィルタ52であると定義する。
【0093】
測定法の具体例を挙げると、光18が導入された光導波板20の背面に、前記着色層単体を接触させたとき、該着色層から該光導波板20を通過し、前面に漏れ出した光の正面輝度がA(nt)であり、また、該着色層の光導波板20と接する反対側の面に更に画素構成体30を接触させたとき、前面に漏れ出した光の正面輝度がB(nt)であったとすると、A≧0.5×Bを満たすときは、前記着色層は有色散乱体60であり、A<0.5×Bを満たすときは色フィルタ52である。
【0094】
上述の正面輝度とは、輝度を測定する輝度計と前記着色層とを結ぶ線が、前記光導波板20の前記着色層と接する面に対して垂直であるように輝度計を配置(輝度計の検出面は光導波板20の板面に平行)して計測した輝度である。
【0095】
有色散乱体60の利点は、層の厚みにより色調や輝度が変化しにくいことであり、そのための層形成法として、層厚の厳密な制御は難しいが、コストが安いスクリーン印刷など、多種の適用が可能である。
【0096】
また、有色散乱体60が変位伝達部を兼ねることにより、層形成プロセスを簡略化できるほか、それら全体の層厚を薄くできるため、表示ユニット14全体の厚みを薄くすることが可能であり、また、アクチュエータ部22の変位量低下の防止及び応答速度の向上が可能である。
【0097】
色フィルタ52の利点は、光導波板20がフラットで表面平滑性が高いため、光導波板20側に層を形成するときには、層形成が容易になり、プロセスの選択の幅が広がり、安価になるだけでなく、色調、輝度に影響を及ぼす層厚の制御が容易になる。
【0098】
なお、色フィルタ52や有色散乱体60等の着色層の膜形成法としては、特に制限はなく、公知の各種の膜形成法を適用することができる。例えば光導波板20やアクチュエータ部22の面上に、チップ状、フィルム状の着色層を直接貼り付けるフィルム貼着法のほか、着色層の原材料となる粉末、ペースト、液体、気体、イオン等を、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ法、スプレー・ディッピング、塗布等の厚膜形成手法や、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、めっき等の薄膜形成手法により成膜し、着色層を形成する方法がある。
【0099】
また、前記画素構成体30としてその全部あるいは一部に発光層を設けるようにしてもよい。この発光層としては蛍光体層が挙げられる。この蛍光体層は、不可視光(紫外線や赤外線)によって励起され、可視光を発光するものや、可視光によって励起されて可視光を発光するものがあるが、いずれでもよい。
【0100】
また、前記発光層として、蛍光顔料も用いることができる。この蛍光顔料を用いると、顔料自体の色、即ち、反射色にほぼ一致する波長の蛍光が加わるものは、それだけ色刺激が大きく、鮮やかに発光するため、表示素子やディスプレイの高輝度化に対してより好ましく用いられ、一般的な昼光蛍光顔料が好ましく用いられる。
【0101】
また、発光層として、輝尽性蛍光体や、燐光体、あるいは蓄光顔料も用いられる。これらの材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよい。
【0102】
そして、上述した発光材料を単独で用いて発光層を形成したもの、これらの発光材料を樹脂に分散させたものを用いて発光層を形成したもの、あるいはこれらの発光材料を樹脂に溶解させたもので発光層を形成したものが好ましく用いられる。
【0103】
発光材料の残光時間としては、1秒以下が好ましく、より好ましくは30m秒がよい。更に好ましくは数m秒以下がよい。
【0104】
そして、画素構成体30の全部あるいはその一部として前記発光層を用いた場合は、光源16として、前記発光層を励起する波長の光を含み、励起に十分なエネルギー密度を有していれば、特に制限はない。例えば、冷陰極管、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、メタルハライドランプ、キセノンランプ、赤外線レーザを含むレーザ、ブラックライト、ハロゲンランプ、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、プラズマ光源などが用いられる。
【0105】
次に、前記ディスプレイ10の動作を図2を参照しながら簡単に説明する。この動作説明においては、図14に示すように、各アクチュエータ部22のロウ電極48aに印加されるオフセット電位として例えば10Vを使用し、各アクチュエータ部22のカラム電極48bに印加されるオン信号及びオフ信号の電位としてそれぞれ0V及び60Vを使用した例を示す。
【0106】
従って、カラム電極48bにオン信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に低レベル電圧(−10V)がかかり、カラム電極48bにオフ信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V)がかかることになる。
【0107】
そして、まず、光導波板20の例えば端部から光18が導入される。この場合、画素構成体30が光導波板20に接触していない状態で、光導波板20の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光18が光導波板20の前面及び背面において透過することなく内部で全反射させるようにする。光導波板20の反射率nとしては、1.3〜1.8が望ましく、1.4〜1.7がより望ましい。
【0108】
この例においては、アクチュエータ部22の自然状態において、画素構成体30の端面が光導波板20の背面に対して光18の波長以下の距離で接触しているため、光18は、画素構成体30の表面で反射し、散乱光62となる。この散乱光62は、一部は再度光導波板20の中で反射するが、散乱光62の大部分は光導波板20で反射されることなく、光導波板20の前面(表面)を透過することになる。これによって、全てのアクチュエータ部22がオン状態となり、そのオン状態が発光というかたちで具現され、しかも、その発光色は画素構成体30に含まれる色フィルタ52や有色散乱体60あるいは上述した発光層の色に対応したものとなる。この場合、全てのアクチュエータ部22がオン状態となっているため、ディスプレイ10の画面からは白色が表示されることになる。
【0109】
この状態から、あるドット26に対応するアクチュエータ部22にオフ信号が印加されると、当該アクチュエータ部22が図2に示すように、空所20側に凸となるように屈曲変位、即ち、一方向に屈曲変位して、画素構成体30の端面が光導波板20から離間し、当該アクチュエータ部22がオフ状態となり、そのオフ状態が消光というかたちで具現される。
【0110】
つまり、このディスプレイ10は、画素構成体30の光導波板20への接触の有無により、光導波板20の前面における光の発光(漏れ光)の有無を制御することができる。
【0111】
特に、このディスプレイ10では、光導波板20に対して画素構成体30を接近・離隔方向に変位動作させる1つの単位を垂直方向に並べたものを1ドットとし、このドットが水平方向に3つ並んだもの(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)を1画素とし、この画素を多数マトリクス状、あるいは各行に関し千鳥状に配列するようにしているため、入力される画像信号の属性に応じて各画素での変位動作を制御することにより、陰極線管や液晶表示装置並びにプラズマディスプレイと同様に、光導波板20の前面、即ち、表示面に画像信号に応じたカラー映像(文字や図形等)を表示させることができる。
【0112】
そして、このディスプレイ10において、前記ロウ電極48a及びカラム電極48bに通じる配線は、図15に示すように、多数のアクチュエータ部22の行数に応じた本数の配線70と、全アクチュエータ部22の数に応じた本数のデータ線72とを有する。配線70は途中で共通配線74とされる。
【0113】
また、このディスプレイ10は、アクチュエータ部22のカラム電極48bとデータ線72とが接続され、1行のアクチュエータ部22に対して共通の配線70が接続され、前記データ線72はアクチュエータ基板32の例えば背面側に形成されている。
【0114】
配線70は、前列のアクチュエータ部22に関するロウ電極48aから導出されて当該アクチュエータ部22に関するロウ電極48aに接続されて、一つの行に関し、シリーズに配線された形となっている。また、カラム電極48bとデータ線72とはアクチュエータ基板32に形成されたスルーホール78を通じて電気的に接続される。
【0115】
なお、各配線70と各データ線72とが交差する部分には、互いの配線70及び72間の絶縁をとるためにシリコン酸化膜、ガラス膜、樹脂膜等からなる図示しない絶縁膜が介在されている。
【0116】
そして、第1の駆動装置200Aは、図15に示すように、ディスプレイ10の周辺に実装されたロウ電極駆動回路202と、カラム電極駆動回路204と、少なくともカラム電極駆動回路204を制御する信号処理回路206とを有して構成されている。
【0117】
ロウ電極駆動回路202は、共通配線74及び各配線70を介して全アクチュエータ部22のロウ電極48aにオフセット電位(バイアス電位)を供給するように構成されており、1種類のオフセット用電源電圧が電源部208を通じて供給されている。
【0118】
カラム電極駆動回路204は、全ドット数に対応した数のドライバ出力210と、所定数のドライバ出力210が組み込まれた複数のドライバIC210Bとを有して構成され、前記ディスプレイ10の各データ線72にパラレルにデータ信号を出力して、全ドットにそれぞれデータ信号を供給するように構成されている。
【0119】
各ドライバIC210Bは、図16に示すように、例えば240ビット構成のシフトレジスタ212を有し、該シフトレジスタ212の各ビットに対してそれぞれデータ転送部230とドライバ出力210が接続されて構成されている。シフトレジスタ212に供給される240ビットのデータ(ブロックデータDb)の各ビットデータは、それぞれ対応するドットに供給するためのドットデータDdである。
【0120】
データ転送部230は、2つのシフトレジスタ(第1及び第2のシフトレジスタ250及び252)で構成することができる。
【0121】
第1のシフトレジスタ250は、一定のシフトクロックPc1(=T/6)に基づくビットシフト動作によってドットデータDdをシリーズに受け取り、6ビットのドットデータDdが受け取られた段階で該6ビットのドットデータDdをパラレルに出力する直列入力並列出力のシフトレジスタにて構成することができる。
【0122】
第2のシフトレジスタ252は、前記第1のシフトレジスタ250に格納されたドットデータDdをパラレルに受け取り、前記ドットデータDdのビット情報を前記サブフィールドSF1〜SF6の時間的長さに応じたタイミング(T/2、T/4、・・・、T/64)を有するシフトクロックPc2に基づいて順次出力する並列入力直列出力のシフトレジスタで構成することができる。
【0123】
即ち、この第2のシフトレジスタ252においては、第1のシフトレジスタ250から転送された時点で、LSBに格納された0ビット目のビット情報がそのままカラム電極駆動回路204の対応するドライバ出力210に供給され、最初のシフトクロックPc2(=T/2)が経過した時点で、全体のビット情報が右側にビットシフトし、LSBに位置する1ビット目のビット情報がそのままドライバ出力210に供給されることになる。
【0124】
次いで、シフトクロックPc2(=T/4)が経過した時点で、全体のビット情報が右側にビットシフトし、LSBに位置する2ビット目のビット情報がそのままドライバ出力210に供給されることになる。同様に、シフトクロックPc2がT/8、T/16、T/32及びT/64というように順次経過するたびに、全体のビット情報がビットシフトし、ビットシフトするたびにLSBに位置することになる3ビット目、4ビット目、5ビット目及び6ビット目のビット情報が順次ドライバ出力210に供給されることになる。
【0125】
そして、各ドライバ出力210には、2種類のデータ用電源電圧が同じく電源部208を通じて供給されている。
【0126】
カラム電極駆動回路204から全ドットに対してデータ線72が接続されることから、データ線72を引き回すための広い領域を確保する必要があり、しかも、データ線72の配線長の増加に伴う配線容量及び配線抵抗による時定数の影響(信号の減衰等)を考慮する必要があるが、この例では、ディスプレイ10を1200個の表示ユニット14に分割しているため、カラム電極駆動回路204からのデータ線72の引き回しは、表示ユニット14単位に考慮すればよく、広い配線形成のための領域を確保する必要はない。また、配線容量及び配線抵抗についても表示ユニット14単位に考慮すればよいため、信号の減衰等は生じない。
【0127】
前記2種類のデータ用電源電圧は、後述するようにアクチュエータ部22を下方に屈曲変位させるのに十分な高レベル電圧とアクチュエータ部22を元の状態に復帰させるのに十分な低レベル電圧である。
【0128】
信号処理回路206は、少なくとも時間変調方式で階調制御すべく前記カラム電極駆動回路204を制御するように構成されている。
【0129】
ここで、時間変調方式による階調制御について、図17及び図18を参照しながら説明する。まず、1枚の画像の表示期間を1フレームとし、該1フレームを例えば6つに分割した際の1つの分割期間をサブフィールドとしたとき、最初のサブフィールド(第1サブフィールドSF1)が最も長く、サブフィールドの経過毎に1/2の割合で短くなるように設定される。
【0130】
このサブフィールドの長さをデータ値の大きさで表した場合、図17に示すように、第1サブフィールドSF1の期間を例えば「64」としたとき、第2サブフィールドSF2は「32」、第3サブフィールドSF3は「16」、第4サブフィールドSF4は「8」、第5サブフィールドSF5は「4」、第6サブフィールドSF6は「2」として設定される。
【0131】
そして、信号処理回路206において、全ドットについて、それぞれの階調レベルに応じた表示時間を各サブフィールドSF1〜SF6に割り当ててドットデータを作成し、これらドットデータをそれぞれデータ信号としてカラム電極駆動回路204を通じて各サブフィールドSF1〜SF6の期間に出力する。
【0132】
ここで、1つのドットデータでみた場合、そのドットの階調レベルに応じた表示時間が各サブフィールドに割り当てられた時間幅に振り分けられるため、すべてのサブフィールドに振り分けられる場合やいくつかのサブフィールドに振り分けられる場合とがある。
【0133】
例えば、当該ドットの階調レベルが例えば126である場合、すべてのサブフィールドSF1〜SF6が選択されることになり、ドットデータとしては、「000000」のビット列となる。また、階調レベルが78である場合は、第1、第4、第5及び第6サブフィールドSF1、SF4、SF5及びSF6が選ばれることになり、ドットデータとしては、「011000」のビット列となる。
【0134】
データ信号は、ドットデータを構成するビット列の各ビット情報に応じて高レベル及び低レベルに変化するアナログ信号であり、ビット情報が論理的に「0」であれば、低レベル電圧(オン信号)とされ、ビット情報が論理的に「1」であれば、高レベル電圧(オフ信号)とされる。
【0135】
即ち、当該アクチュエータ部22に対して出力されるデータ信号の出力形態としては、例えば選択されたサブフィールドについてはオン信号(低レベル電圧)が出力され、選択されないサブフィールドについてはオフ信号(高レベル電圧)が出力されるという形態となる。
【0136】
そして、前記信号処理回路206は、具体的には、図18に示すように、動画出力機器220からの例えばプログレッシブ方式の動画信号Sv(例えばアナログ動画信号)と同期信号Ssを入力して、フレーム単位にデジタルの画像データDvに変換し、画像メモリ222(フレームバッファ)に書き込む画像データ処理回路224と、ドット単位に設定された階調補正データDcが記録される補正データメモリ226と、画像メモリ222からの画像データDvと補正データメモリ226からの階調補正データDcを読み出し、これらを乗算して補正済画像データDhとする表示コントローラ228とを有して構成されている。
【0137】
動画出力機器220としては、例えば記録媒体に記録された動画あるいは通信(電波、ケーブル等を含む)によって送られてくる動画を受け取って出力するVTRやパーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0138】
表示コントローラ228は、画像メモリ222から画像データDvを読み出す第1の読出し回路232と、補正データメモリ226からの階調補正データDcを読み出す第2の読出し回路234と、第1及び第2の読出し回路232及び234から読み出された画像データDv及び階調補正データDcを乗算して補正済画像データDhとする乗算回路236と、該乗算回路236にて得られた補正済画像データDhを並列に出力する出力ポート238とを有する。
【0139】
ここで、この第1の駆動装置200Aにおけるデータ転送レートを考えると、1フレームの期間T内に1ドット当たり6ビットのデータを伝送する必要から、
43Hz×6bit×(640×3×480)=238Mbps
となる。そして、カラム電極駆動回路204として動作クロックが例えば1MHzのICを用いた場合は、238MHz/1MHz=238並列の1ビット伝送が必要となる。
【0140】
従って、表示コントローラ228における出力ポートOPは、データ伝送のための出力端子を238個有し、乗算回路236から出力される補正済画像データDhをそれぞれ出力端子に対応させて並べ替えて、各出力端子からそれぞれブロックデータDbとして並列に出力するようになっている。この場合、各出力端子から並列にそれぞれ1ビット単位に転送されるレート(転送レート)は1MHzとなっている。
【0141】
第1の駆動装置200Aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0142】
まず、画像データ処理回路224に動画出力機器220からの動画信号Svと同期信号Ssが入力される。該画像データ処理回路224は、入力された動画信号Svを同期信号Ssに基づいてフレーム単位にデジタルの画像データDvに変換し、画像メモリ222(フレームバッファ)に書き込む。
【0143】
表示コントローラ228は、画像メモリ222に書き込まれた画像データDvと補正データメモリ226からの階調補正データDcを読み出し、これらを乗算して補正済画像データDh(1ドット単位に6ビットのドットデータが配列された画像データ)とする。
【0144】
補正済画像データDhは、出力ポートOPにおいて、それぞれ出力端子に対応させたデータ形態に並べ替えられた後、該出力ポートOPから238並列で1ビット/1MHzの転送レートで出力され、それぞれ対応するドライバIC210Bに供給される。
【0145】
各ドライバIC210Bでは、出力ポートOPから送られてくるブロックデータDbがシフトレジスタ212に供給され、該シフトレジスタ212に240個のビット列が揃った段階で、該ビット列がそれぞれ対応するデータ転送部230にドットデータDdとして並列に送られるようになっている。
【0146】
即ち、各データ転送部230は、シフトレジスタ212から送られてくるドットデータDdを一定のシフトクロックPc1で読み込んで、各サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミング(T/2、T/4、・・・、T/64)に応じたタイミングでドットデータDdを出力するという動作を行う。
【0147】
各データ転送部230から出力されたドットデータDdは、それぞれ対応するドライバ出力210に供給される。ドライバ出力210は、ドットデータDdに含まれるビット情報に基づいたデータ信号に変換してそれぞれ対応するドットにデータ線72を通じて出力する。
【0148】
即ち、各ドットには、対応するドットデータDdに含まれるビット情報が、各サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミングに同期してインクリメントされながらデータ信号として供給されることになる。
【0149】
これによって、ディスプレイ10の画面上には、画像データDvに応じたカラー映像が表示されることになる。
【0150】
このように、第1の駆動装置200Aにおいては、1つ以上のアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、1つ以上のドット26で1つの画素28が構成される場合に、全アクチュエータ部22に対してオフセット電位(バイアス電位)を印加するロウ電極駆動回路202と、画像データDvに基づいてドット毎にオン信号とオフ信号からなるデータ信号を出力するカラム電極駆動回路204と、ロウ電極駆動回路202及びカラム電極駆動回路204を制御する信号処理回路206とを具備し、該信号処理回路206において、少なくとも時間変調方式で階調制御すべくカラム電極駆動回路204を制御するようにしたので、ロウ電極駆動回路202に供給すべき電源電圧として1種類のオフセット用電源電圧で済む。これにより、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Aの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0151】
更に、カラムドライバIC(カラム電極駆動回路204)についても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。これは、ディスプレイ10の製造コストの低廉化につながる。
【0152】
上述の例では、各アクチュエータ部22のロウ電極48aに印加されるオフセット電位を10Vにした場合を示したが、その他、図19に示すように、前記オフセット電位を0Vにしてもよい。この場合、オフセット電位として接地電位を使用すればよいため、電源の数を1つ減らすことができる。
【0153】
また、その他の例としては、図20に示すように、電圧印加の極性を逆にするようにしてもよい。例えばオフセット電位を+50Vとし、オン信号及びオフ信号の各電位を60V及び0Vとすればよい。この場合、形状保持層46の分極方向も逆になる。
【0154】
また、別の手法としては、形状保持層46の予め行っておく分極方向を一方向にした状態で、例えば図14に示す電圧印加のパターン(例えば正論理)と図20に示す電圧印加のパターン(例えば負論理)を定期的あるいは一時的に切り換えるようにしてもよい。
【0155】
例えば正論理だけの電圧印加パターンを長時間繰り返していくと、アクチュエータ部22における変位の低下をもたらすおそれがある。そこで、定期的あるいは一時的に負論理の電圧印加パターンを行うことで、前記アクチュエータ部22における変位の低下を補償して安定した耐久性のある画素構成体30のオン/オフを実現させることができる。
【0156】
電圧印加パターンの切換えは、例えばディスプレイ10に対して画像を表示する実際の表示期間においては、正論理による電圧印加パターンで行い、ディスプレイ10に対して画像を表示しない非表示期間においては、負論理による電圧印加パターンで行えばよい。
【0157】
次に、第2の駆動装置200Bについて図21〜図27を参照しながら説明する。
【0158】
この第2の駆動装置200Bは、信号処理回路206での時間変調方式による階調制御が一部異なり、図21に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレームとし、該1フレームを複数に等分割した際の1つの分割期間をリニアサブフィールドとしたとき、信号処理回路206は、各ドットについて、それぞれの階調レベルに応じた表示時間を必要なリニアサブフィールドに連続的に割り当ててドットデータを作成するようになっている。
【0159】
例えば、最大階調が64階調であれば1フレームの期間に63個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF63が割り付けられ、ドットデータDdは、1つのリニアサブフィールド当たり1ビットのデータ構成となる。
【0160】
具体的には、あるドットの階調レベルが62であれば、図22Aに示すように、0ビットと1ビットがそれぞれ「1」であり、残りの連続する2ビットから63ビットにわたって「0」であるドットデータが作成され、階調レベルが8であれば、図22Bに示すように、連続する0ビットから55ビット目にわたって「1」であり、残りの連続する56ビットから63ビットにわたって「0」であるドットデータが作成されることになる。
【0161】
そして、この第2の駆動装置200Bは、図23に示すように、上述した第1の駆動装置200A(図18参照)とほぼ同様の構成を有するが、信号処理回路206のデータ出力系の構成と、カラム電極駆動回路204における各ドライバIC210Bの構成が以下のように異なる。
【0162】
即ち、信号処理回路206のデータ出力系、即ち、表示コントローラ228の後段にデータ転送部230が接続されている。そして、表示コントローラ228の乗算回路236は、第1及び第2の読出し回路232及び234から読み出された画像データDv及び階調補正データDcを乗算して補正済画像データDh(ドット単位に最大階調に応じたビット数のドットデータが配列された画像データ)とし、出力ポートOPを介してそのまま後段のデータ転送部230に出力する。
【0163】
ドライバIC210Bは、図24に示すように、例えば240ビット構成のシフトレジスタ212を有し、該シフトレジスタ212の各ビットに対してドライバ出力210が接続されて構成されている。
【0164】
ここで、この第2の駆動装置200Bにおけるデータ転送レートを考えると、1/64フレームの期間(T/64)内に1ビットのデータを伝送する必要から、
(43×64Hz)×1bit×(640×3×480)=2.5Gbps
となる。そして、カラム電極駆動回路204として動作クロックが例えば1MHzのICを用いた場合は、2.5GHz/1MHz=2500並列の1ビット伝送が必要となる。
【0165】
従って、前記データ転送部230としては、前記ドットデータDdを構成するビット情報を各リニアサブフィールドLSF1〜LSF64の開始タイミングに合わせて出力する回路構成が採用され、例えば図25に示すように、1つの第1データ出力回路270と、該第1データ出力回路270の出力端子の数に応じた第2データ出力回路272を有して構成される。
【0166】
前記第1データ出力回路270は、全ドライバIC210Bを複数にグループ分けし、ドライバIC210B1個当たりの出力数(ドライバIC210Bが出力するドット数)をk、1つのグループにおけるドライバIC210Bの割当て数をm、最大階調に応じたビット数をnとしたとき、1フレームの期間Tに、各出力端子に対し、k×m×nで構成されるデータ群が割り当てられ、各出力端子において、前記データ群を所定のタイミング毎にドット順次に出力するように構成されている。
【0167】
前記第2データ出力回路272は、前記ドライバIC210Bの割当て数mに応じた出力端子を有し、前記第1データ出力回路270から供給されたデータを前記複数の出力端子を通じてパラレルに、割り当てられたドライバIC210Bに出力するように構成されている。
【0168】
例えば、ドライバIC210B1個当たりの出力数(ドライバIC210Bが出力するドット数)を240とし、グループ毎に40個のドライバIC210Bを割り当て、第1データ出力回路270の出力端子の数を96個とした場合、第1データ出力回路270の各出力端子φ1〜φ96には、それぞれ40個の出力端子φ100〜φ139を有する第2データ出力回路272が接続されることになり、この場合、96×40=3840個の並列出力が可能となる。
【0169】
そして、前記第1データ出力回路270は、図26に示すように、表示コントローラ228から供給された補正済画像データDhを240×40個=9600個のドットデータ毎に分割し、各出力端子φ1〜φ96毎に、9600個のドットデータDdを割り当てる。
【0170】
1つの出力端子(例えば出力端子φ1)をみた場合、図27に示すように、9600個のドットデータDdの同一ビット位置にあるビット情報をドット単位に並べてなる9600ビットのビット列300をドットデータDdの0〜63ビットについて作成し、更に、これらビット列を0〜63ビットの順番に並べてなるビット列データ302を作成する。
【0171】
そして、このビット列データ302をT/64の時間内に240×40=9600ビット(ビット列300の長さ)だけ第1データ出力回路270の基準クロックに同期させてビットシフトさせながら出力端子φ1から出力する。基準クロックを例えば40MHzとしたとき、9600ビット構成のビット列300を構成する40ビット構成のビット列300Bの転送周波数が1MHzとなり、カラム電極駆動回路204の転送周波数と同じにすることができる。従って、この第1データ出力回路270として、基準クロックが40MHz以上(例えば44.9MHz)のICを使用することにより、時間的余裕をもってビット列300を転送することができる。
【0172】
第2データ出力回路272は、40ビット構成のビット列300Bがラッチされる毎に40個の出力端子φ100〜φ139よりパラレルにカラム電極駆動回路204の対応する40個のドライバIC210Bに出力する。この一連の動作が240回繰り返されて、各ドライバIC210Bのシフトレジスタ212に240ビット構成のビット列が格納される。
【0173】
シフトレジスタ212に格納されたビット列の各ビット情報はそれぞれドットデータDdとなる。この時点で、シフトレジスタ212から240個のドットデータDdがそれぞれ対応する240個のドライバ出力210に並列に出力される。ドライバ出力210は、ドットデータDdに含まれるビット情報に基づいたデータ信号に変換してそれぞれ対応するドットにデータ線72を通じて出力する。
【0174】
上述の動作がすべてのドットに対して順次繰り返されることによって、ディスプレイ10の画面上には、画像データに応じたカラー映像が表示されることになる。
【0175】
このように、第2の駆動装置200Bにおいても、前記第1の駆動装置200Aと同様に、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Bの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0176】
更に、カラムドライバICについても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。これは、ディスプレイ10の製造コストの低廉化につながる。
【0177】
次に、第3の駆動装置200Cについて図28〜図33を参照しながら説明する。
【0178】
この第3の駆動装置200Cは、図28に示すように、第1の駆動装置200Aと同様の構成を有するが、ロウ電極駆動回路202が、インターレース方式の画像信号に合わせて奇数行の画素と偶数行の画素を交番的に選択するように構成されている点と、カラム電極駆動回路204を構成するドライバ出力210の数が、全ドット数の1/2である点、即ち、ドライバIC210Bの数が第1の駆動装置200Aにおける数の1/2である点で異なる。垂直方向に並ぶ2つのドットの駆動を1つのドライバ出力210が受け持つようになっている。
【0179】
第3の駆動装置200Cの信号処理回路206での時間変調方式による階調制御は、図29に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレーム、該1フレームを2つに分離した期間を1フィールドとし、該1フィールドを例えば6つに分割した際の1つの分割期間をサブフィールドとしたとき、最初のサブフィールド(第1サブフィールドSF1)が最も長く、サブフィールドの経過毎に1/2の割合で短くなるように設定される。
【0180】
そして、ロウ電極駆動回路202は、奇数行に対して共通に設けられた第1のドライバ280と、偶数行に対して共通に設けられた第2のドライバ282を有し、各ドライバ280及び282は、1フィールド毎に選択信号と非選択信号を交番的に出力するように構成されている。奇数行を選択する場合は、第1及び第2のドライバ280及び282からそれぞれ選択信号及び非選択信号が出力され、偶数行を選択する場合は、第1及び第2のドライバ280及び282からそれぞれ非選択信号及び選択信号が出力される。
【0181】
第1及び第2のドライバ280及び282での選択信号及び非選択信号の切換えは、図30に示すように、信号処理回路206に設けられたタイミング発生回路284からの検出信号Sjの入力に基づいて行われる。このタイミング発生回路284は、動画出力機器220から供給される同期信号Ssに基づいてフィールド期間の開始タイミングを検出する回路である。
【0182】
また、カラム電極駆動回路204のドライバ出力210に対応して設けられるデータ転送部230としては、第1の駆動装置200Aにおけるデータ転送部230(図16参照)を使用することができる。垂直方向に並ぶ2ドットに対して1つのドライバ出力210が割り当てられることから、データ転送部230から出力されるドットデータDdは2ドットに対するデータとなる。即ち、2ドット毎のドットデータDdとなる。
【0183】
また、この第3の駆動装置200Cでは、図31に示すように、ロウ電極駆動回路202の第1及び第2のドライバ280及び282から出力される選択信号として10V、非選択信号として−50Vを使用し、また、カラム電極駆動回路204の各ドライバ出力210を通じて出力されるオン信号として0V、オフ信号として60Vを使用した例を示す。
【0184】
従って、ロウ電極48aに選択信号が印加され、カラム電極48bにオン信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に低レベル電圧(−10V)がかかることになり、当該アクチュエータ部22は自然状態、つまり、発光状態となる。
【0185】
ロウ電極48aに選択信号が印加され、カラム電極48bにオフ信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V)がかかることになり、当該アクチュエータ部22は一方向に屈曲変位し、消光状態となる。
【0186】
ロウ電極48aに非選択信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48bに印加されるオン信号又はオフ信号に拘わらず、カラム電極48b及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V又は110V)がかかることになり、当該アクチュエータ部22は一方向に屈曲変位し、消光状態となる。
【0187】
第3の駆動装置200Cは、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0188】
まず、図30に示すように、画像データ処理回路224に動画出力機器220からの例えばインターレース方式の動画信号Sv(例えばアナログ動画信号)と同期信号Ssが入力され、タイミング発生回路284には、動画出力機器220からの同期信号Ssが入力される。
【0189】
前記画像データ処理回路224は、入力された動画信号Svを同期信号Ssに基づいてフィールド単位にデジタルの画像データDvに変換し、画像メモリ222(フィールドバッファ)に書き込む。タイミング発生回路284は、同期信号Ssから1フィールド期間Tfの開始タイミングを検出して検出信号Sjとしてロウ電極駆動回路202に出力する。
【0190】
表示コントローラ228は、画像メモリ222からの画像データDvと補正データメモリ226からの階調補正データDcを読み出し、これらを乗算して補正済画像データDh(2ドット単位に6ビットのドットデータが配列された画像データ)とする。
【0191】
補正済画像データDhは、出力ポートOPにおいて、それぞれ出力端子に対応させたデータ形態に並べ替えられた後、該出力ポートOPから238並列で1ビット/1MHzの転送レートで出力され、それぞれ対応するドライバIC210Bに供給される。
【0192】
そして、各ドライバIC210Bにおけるシフトレジスタ212において240個のビット列が揃った段階で、該ビット列がそれぞれ対応するデータ転送部230に並列に送られる。
【0193】
2ドット単位に設けられたデータ転送部230は、表示コントローラ228から送られてくるドットデータDdを一定クロック(Tf/6)で読み込んで、サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミングに応じたタイミングでドットデータDdを出力するという動作を行う。2ドット毎に出力されたドットデータDdはそれぞれ対応するドライバ出力210に供給される。
【0194】
一方、ロウ電極駆動回路202においては、タイミング発生回路284からの検出信号Sjの入力に基づいて1フィールド毎に奇数行及び偶数行を交番的に選択する。
【0195】
そして、カラム電極駆動回路204は、ドットデータDdに含まれるビット情報に基づいたデータ信号に変換して、垂直方向に並ぶ2ドット単位にデータ線72を通じて出力する。
【0196】
即ち、垂直方向に並ぶ2ドットには、対応するドットデータDdに含まれるビット情報が、サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミングに同期してインクリメントされながらデータ信号として供給されることになるが、垂直方向に並ぶ2ドットのうち、ロウ電極駆動回路202によって選択された行のドットに対して実質的にデータ信号が供給されることになる。次のフィールド期間では、前回非選択とされた行のドットに対して実質的にデータ信号が供給されることになる。
【0197】
上述の動作が順次繰り返されることで、ディスプレイ10の画面上には、画像データDvに応じたカラー映像が表示されることになる。
【0198】
このように、第3の駆動装置200Cにおいては、1つ以上のアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、1つ以上のドット26で1つの画素28が構成される場合に、奇数行の画素と偶数行の画素を交番的に選択するロウ電極駆動回路202と、選択行の画素に対し、前記画像信号に基づいてドット毎に発光信号と消光信号からなるデータ信号を出力するカラム電極駆動回路204と、ロウ電極駆動回路202及びカラム電極駆動回路204を制御する信号処理回路206とを具備し、前記信号処理回路206において、少なくとも時間変調方式で階調制御すべく前記ロウ電極駆動回路202及びカラム電極駆動回路204を制御するようにしたので、ロウ電極駆動回路202に供給すべき電源電圧として2種類の電源電圧で済む。これにより、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Cの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0199】
更に、カラムドライバICについても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。これは、ディスプレイ10の製造コストの低廉化につながる。
【0200】
上述の例では、ロウ電極駆動回路202の第1及び第2のドライバ280及び282から出力される選択信号として10V、非選択信号として−50Vを使用した場合を示したが、その他、図32に示すように、選択信号を0Vとし、非選択信号を−60Vとしてもよい。この場合、選択信号の電位として接地電位を使用すればよいため、電源の数を1つ減らすことができる。
【0201】
また、その他の例としては、図33に示すように、電圧印加の極性を逆にするようにしてもよい。例えば選択信号として50V、非選択信号として110Vを使用し、オン信号及びオフ信号の各電位を60V及び0Vとすればよい。この場合、形状保持層46の分極方向も逆になる。
【0202】
次に、第4の駆動装置200Dについて図34及び図35を参照しながら説明する。
【0203】
この第4の駆動装置200Dは、信号処理回路206での時間変調方式による階調制御が一部異なり、図34に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレーム、該1フレームを2つに分離した期間を1フィールドとし、該1フィールドを複数に等分割した際の1つの分割期間をリニアサブフィールドとしたとき、信号処理回路206は、各2ドットについて、それぞれの階調レベルに応じた表示時間を必要なリニアサブフィールドに連続的に割り当ててドットデータを作成するようになっている。
【0204】
この第4の駆動装置200Dにおける信号処理回路は、図35に示すように、第2の駆動装置200Bの信号処理回路206(図23参照)とほぼ同じ構成を有するが、動画出力機器220から供給される同期信号Ssに基づいてフィールド期間の開始タイミングを検出するタイミング発生回路284を有する点で異なる。
【0205】
そして、表示コントローラ228の後段に接続されるデータ転送部としては、第2の駆動装置200Bにおけるデータ転送部230を使用することができる。
【0206】
この第4の駆動装置200Dにおいても、前記第2の駆動装置200Bと同様に、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Dの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0207】
更に、カラムドライバICについても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。これは、ディスプレイ10の製造コストの低廉化につながる。
【0208】
上述の第3及び第4の駆動装置200C、200Dにおいては、ロウ電極駆動回路202において奇数行の画素と偶数行の画素を交番的に選択するようにしたが、その他、ロウ電極駆動回路202において3行以上の画素を順番に選択するようにしてもよい。
【0209】
次に、第5の駆動装置200Eについて図36〜図39を参照しながら説明する。
【0210】
この第5の駆動装置200Eが適用される表示素子における画素の配列構成は、例えば図36に示すように、水平方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、垂直方向に並ぶ3つのドット26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)で1つの画素28が構成されている。
【0211】
そして、第5の駆動装置200Eの信号処理回路206での時間変調方式による階調制御は、図37に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレーム、該1フレームを3つに分離した期間を1フィールド(第1フィールド、第2フィールド及び第3フィールド)とし、該1フィールドを例えば6つに分割した際の1つの分割期間をサブフィールドとしたとき、最初のサブフィールド(第1サブフィールドSF1)が最も長く、サブフィールドの経過毎に1/2の割合で短くなるように設定される。
【0212】
図38に示すように、ロウ電極駆動回路202は、3n−2行に対して共通に設けられた第1のドライバ500と、3n−1行に対して共通に設けられた第2のドライバ502と、3n行に対して共通に設けられた第3のドライバ504とを有し、各ドライバ500、502及び504は、1フィールド毎に選択信号と非選択信号を順番に出力するように構成されている。
【0213】
3n−2行を選択する場合は、第1、第2及び第3のドライバ500、502及び504からそれぞれ選択信号、非選択信号及び非選択信号が出力され、3n−1行を選択する場合は、第1、第2及び第3のドライバ500、502及び504からそれぞれ非選択信号、選択信号及び非選択信号が出力され、3n行を選択する場合は、第1、第2及び第3のドライバ500、502及び504からそれぞれ非選択信号、非選択信号及び選択信号が出力される。
【0214】
第1、第2及び第3のドライバ500、502及び504での選択信号及び非選択信号の切換えは、図39に示すように、信号処理回路206に設けられたタイミング発生回路506からの検出信号Skの入力に基づいて行われる。即ち、ロウ電極駆動回路202は、タイミング発生回路506からの同期信号Ssに合わせて、3n−2行のドットと3n−1行のドットと3n行のドット(n=1、2、・・・)をそれぞれ順番に選択する。
【0215】
このタイミング発生回路506は、動画出力機器220から供給される同期信号Ssに基づいて1フレーム期間を3分割したタイミングの検出信号Skを生成して出力する。
【0216】
信号処理回路206の画像データ処理回路224は、動画出力機器220からの例えばプログレッシブ方式の動画信号Sv(例えばアナログ動画信号)とタイミング発生回路506からの検出信号Skが入力されて、例えば3原色(赤、緑及び青)単位にデジタルの画像データDvに変換し、それぞれ赤用画像メモリ222R、緑用画像メモリ222G及び青用画像メモリ222Bに書き込むように構成されている。
【0217】
第1の読出し回路232は、タイミング発生回路506からの検出信号Skの入力に基づいて3種類の画像メモリ222R、222G及び222Bから順次画像データDvを読み出すように構成されている。
【0218】
光源16は、タイミング発生回路506からの検出信号Skの入力に基づいて3種類の光(例えば赤色光、緑色光及び青色光)を順次切り換えて出射するように構成されている。
【0219】
また、カラム電極駆動回路204は、ドライバ出力210の数が、全ドット数の1/3であって、ドライバIC210Bの数が第1の駆動装置200Aにおける数の1/3となっており、垂直方向に並ぶ3つのドットの駆動を1つのドライバ出力210が受け持つようになっている。
【0220】
カラム電極駆動回路204のドライバ出力210に対応して設けられるデータ転送部としては、第1の駆動装置200Aにおけるデータ転送部230(図16参照)を使用することができる。垂直方向に並ぶ3ドットに対して1つのドライバ出力210が割り当てられることから、データ転送部230から出力されるドットデータDdは3ドットに対するデータとなる。即ち、3ドット毎のドットデータDdとなる。
【0221】
また、この第5の駆動装置200Eでは、例えば図31に示すように、ロウ電極駆動回路202の第1、第2及び第3のドライバ500、502及び504から出力される選択信号として10V、非選択信号として−50Vを使用し、また、カラム電極駆動回路204の各ドライバ出力210から出力されるオン信号として0V、オフ信号として60Vを使用することができる。
【0222】
第5の駆動装置200Eは、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0223】
まず、図39に示すように、画像データ処理回路224に動画出力機器220からの例えばプログレッシブ方式の動画信号Sv(例えばアナログ動画信号)と同期信号Ssが入力され、タイミング発生回路506には、動画出力機器220からの同期信号Ssが入力される。タイミング発生回路506は、入力される同期信号Ssに基づいて1フレーム期間を3分割したタイミングの検出信号Skを生成して出力する。
【0224】
前記画像データ処理回路224は、入力された動画信号Svをタイミング発生回路506からの検出信号Skに基づいて、3原色(赤、緑及び青)単位にデジタルの画像データDvに変換し、それぞれ赤用画像メモリ222R、緑用画像メモリ222G及び青用画像メモリ222Bに書き込む。
【0225】
表示コントローラ228は、各画像メモリ222R、222G及び222Bからの画像データDvと補正データメモリ226からの階調補正データDcを読み出し、これらを乗算して補正済画像データDh(3ドット単位に6ビットのドットデータが配列された画像データ)とする。
【0226】
補正済画像データDhは、出力ポートOPにおいて、それぞれ出力端子に対応させたデータ形態に並べ替えられた後、該出力ポートOPから238並列で1ビット/1MHzの転送レートで出力され、それぞれ対応するドライバICに供給される。
【0227】
そして、各ドライバIC210Bにおけるシフトレジスタ212において240個のビット列が揃った段階で、該ビット列がそれぞれ対応するデータ転送部230に並列に送られる。
【0228】
3ドット単位に設けられたデータ転送部230は、シフトレジスタ212から送られてくるドットデータDdを一定クロック(Tf/6)で読み込んで、サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミングに応じたタイミングでドットデータDdを出力するという動作を行う。3ドット毎に出力されたドットデータDdはそれぞれ対応するドライバ出力210に供給される。
【0229】
一方、ロウ電極駆動回路202においては、タイミング発生回路506からの検出信号Skの入力に基づいて1フィールド毎に3n−2行、3n−1行及び3n行を順番に選択する。このとき、光源16からはタイミング発生回路506からの検出信号Skの入力に基づいて1フィールド毎に赤色光、緑色光及び青色光が順番に出射される。
【0230】
そして、カラム電極駆動回路204は、ドットデータDdに含まれるビット情報に基づいたデータ信号に変換して、垂直方向に並ぶ3ドット単位にデータ線72を通じて出力する。
【0231】
即ち、垂直方向に並ぶ3ドットには、対応するドットデータDdに含まれるビット情報が、サブフィールドSF1〜SF6の開始タイミングに同期してインクリメントされながらデータ信号として供給されることになるが、垂直方向に並ぶ3ドットのうち、第1フィールドの期間(例えば赤色光が出射されている期間)においては、ロウ電極駆動回路202によって選択された3n−2行(赤色に関する行)のドットに対して実質的にデータ信号が供給されることになる。次の第2フィールドの期間(例えば緑色光が出射されている期間)では、前回非選択とされた3n−1行(緑色に関する行)のドットに対して実質的にデータ信号が供給され、次の第3フィールドの期間(例えば青色光が出射されている期間)では、前回非選択とされた3n行(青色に関する行)のドットに対して実質的にデータ信号が供給されることになる。
【0232】
上述の動作が順次繰り返されることで、ディスプレイ10の画面上には、画像データDvに応じたカラー映像が表示されることになる。
【0233】
このように、第5の駆動装置200Eにおいては、1つ以上のアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、1つ以上のドット26で1つの画素28が構成される場合に、3n−2行の画素、3n−1行の画素及び3n行の画素(n=1、2、・・・)を順番に選択するロウ電極駆動回路202と、選択行の画素に対し、前記画像信号に基づいてドット毎に発光信号と消光信号からなるデータ信号を出力するカラム電極駆動回路204と、ロウ電極駆動回路202及びカラム電極駆動回路204を制御する信号処理回路206とを具備し、前記信号処理回路206において、少なくとも時間変調方式で階調制御すべく前記ロウ電極駆動回路202及びカラム電極駆動回路204を制御するようにしたので、ロウ電極駆動回路202に供給すべき電源電圧として2種類の電源電圧で済む。これにより、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Eの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0234】
更に、カラムドライバIC(カラム電極駆動回路204)についても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。これは、ディスプレイ10の製造コストの低廉化につながる。
【0235】
特に、この第5の駆動装置200Eにおいては、光源16から3原色の光を出射するようにしているため、白色光源を使用した場合と比して、ブランク輝度(画素発光部以外の光導波板の欠陥等による発光輝度)が1/3となり、コントラストの向上を図ることができる。
【0236】
また、光源16から例えば赤色光が出射されている場合に、赤色に関するドットを発光させるようにしているため、色純度が向上し、画質の改善を有効に図ることができる。
【0237】
次に、第6の駆動装置200Fについて図40及び図41を参照しながら説明する。
【0238】
この第6の駆動装置200Fは、信号処理回路206での時間変調方式による階調制御が一部異なり、図40に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレーム、該1フレームを3つに分離した期間を1フィールドとし、該1フィールドを複数に等分割した際の1つの分割期間をリニアサブフィールドとしたとき、信号処理回路206は、各3ドットについて、それぞれの階調レベルに応じた表示時間を必要なリニアサブフィールドに連続的に割り当ててドットデータを作成するようになっている。
【0239】
この第6の駆動装置200Fにおける信号処理回路は、図41に示すように、第4の駆動装置200Dの信号処理回路206(図35参照)とほぼ同じ構成を有するが、動画出力機器220から供給される同期信号Ssに基づいてフィールド期間の開始タイミングに応じた検出信号Skを出力するタイミング発生回路506を有する点で異なる。
【0240】
そして、表示コントローラ228の後段に接続されるデータ転送部としては、第2の駆動装置200Bにおけるデータ転送部230を使用することができる。
【0241】
この第6の駆動装置200Fにおいても、前記第2の駆動装置200Bと同様に、ロウ電極駆動回路202のカスタムIC化が容易になり、駆動装置200Fの設計、製作の自由度を大きくすることができ、低消費電力化も可能となる。
【0242】
更に、カラムドライバIC(カラム電極駆動回路204)についても、IC自身に例えばPWM変調等の高機能を有するような高価なものを必要とせず、基本的にデータ入力シフトレジスタとレベルシフタを有するだけの多出力、低価格ICを使用することができる。これらはベア・チップ、TCP等の実装外形サイズを小型化する上でも有利であり、駆動ICが実装される部分の省スペース化がしやすいことから、ディスプレイ10の薄型化も容易になる。
【0243】
第1〜第6の駆動装置200A〜200Fが適用されるディスプレイ10あるいは表示ユニット14においては、例えば図2に示すように、アクチュエータ部22の自然状態において発光とし、アクチュエータ部22のロウ電極48aとカラム電極48b間に高レベル電圧を印加したときにアクチュエータ部22を空所34側に凸となるように屈曲変位させて消光させるようにしたが、その他、光導波板20の背面に画素構成体30を接触・離隔することにより、アクチュエータ部22をオン動作/オフ動作させる際に、形状保持層46に電圧を印加して発生する歪みに加えて、光導波板20の背面と画素構成体30の接触面(端面)との間に静電気を発生させ、この静電気による引力、斥力をアクチュエータ部22のオン動作/オフ動作に利用するようにしてもよい。
【0244】
結果として、アクチュエータ部22の駆動中に、誘電分極を発生させて静電気による引力を利用してアクチュエータ部22のオン特性(画素構成体30の接触性や接触方向への応答性等)の向上を図る構成や、静電気による引力のみならず、斥力も利用することにより、アクチュエータ部22のオン特性以外にオフ特性(画素構成体30の離隔性や離隔方向への応答性等)の向上をも図ることができる。
【0245】
例えば、アクチュエータ部22のオン特性のみの向上を図る場合は、単に画素構成体30の接触面(端面)及び光導波板20自体又は光導波板20の背面にコーティング材を配して、これらを誘電分極させればよい。
【0246】
更に、例えばアクチュエータ部22のオン特性とオフ特性の両方を向上させる場合は、誘電分極された画素構成体30の接触面に対して、静電気による引力、斥力のいずれも発生するように、光導波板20の背面に透明電極や金属薄膜を配してその電気極性を切り換えればよい。
【0247】
具体的に、前記構成について図42A〜図43Bを参照しながら説明する。アクチュエータ部22の自然状態において発光とし、例えば図4に示すように、形状保持層46の上面にロウ電極48a、下面にカラム電極48bが形成された図42A及び図42Bに示す表示ユニット14において、光導波板20の背面のうち、アクチュエータ部22に対応した位置にそれぞれ透明電極290を形成する。
【0248】
そして、アクチュエータ部22をオン動作させて発光させる場合は、図42Aに示すように、当該アクチュエータ部22に対応する透明電極290とロウ電極48aとの間に電圧(Vc>Va)を印加し、ロウ電極48aとカラム電極48bとの間の電圧をほぼゼロとしておく(Va≒Vb)。
【0249】
これにより、透明電極290とロウ電極48aとの間に働く静電引力で画素構成体30は光導波板20側に押し付けられる。この押圧力により、輝度の向上、応答速度の向上が図られる。
【0250】
一方、アクチュエータ部22をオフ動作させて消光させる場合は、図42Bに示すように、当該アクチュエータ部22に対応する透明電極290とロウ電極48aとの間の電圧をほぼゼロにしておき(Vc≒Va)、ロウ電極48aとカラム電極48bとの間に電圧(Va<Vb)を印加する。
【0251】
これにより、アクチュエータ部22は空所34側に凸となるように屈曲変位し、画素構成体30は光導波板20から離隔することになる。
【0252】
ところで、前記透明電極290を、光導波板20の背面や、画素構成体30の端面のいずれに形成してもよいが、画素構成体30の端面に形成する方が好ましい。これは、アクチュエータ部22上のロウ電極48aとの距離が小さくなり、より大きな静電力を発生させることができるからである。
【0253】
また、光導波板20の背面に形成された透明電極290は、画素構成体30の離隔性を向上させる効果がある。一般に、画素構成体30の接触、離隔によって画素構成体30や光導波板20に生ずる局所的な表面電荷を生ずるが、これは、画素構成体30が光導波板20に接触するのを助ける。しかし、この場合、画素構成体30が光導波板20に貼り付いてしまうという不都合が生じやすくなる。
【0254】
そこで、光導波板20の背面に透明電極290を形成することで、局所的な表面電荷の発生を緩和し、前記不都合(貼り付き)が低減され、画素構成体30の離隔性が向上する。
【0255】
前記透明電極290を形成して静電気を利用する構成は、図43A及び図43Bに示すような表示ユニット14、即ち、形状保持層46の上面に一対の電極(ロウ電極48aとカラム電極48b)を形成した表示ユニット14にも適用することができる。
【0256】
つまり、光導波板20の背面に透明電極290を形成し、この透明電極290とアクチュエータ部22の上面に設けられた一対の電極48a及び48bとの間に電圧(Vc>Va、Vc>Vb)を印加すると、両者の間に静電気が発生する。
【0257】
ここで、アクチュエータ部22の自然状態において消光の場合を考えたとき、当該アクチュエータ部22をオン動作させて発光させる場合、一対の電極48a及び48b間の電圧(Va<Vb<Vc)によってアクチュエータ部22が光導波板20に向かって屈曲変位すると共に、前記静電気の引力によって、画素構成体30が光導波板20側に急速に接近し、発光状態となる。反対に、透明電極290と一対の電極48a及び48bとの間に電圧を印加しない状態(Va≒Vb≒Vc)では、アクチュエータ部22がオフ動作し、アクチュエータ部22の剛性によって光導波板20から離隔し、消光状態となる。
【0258】
このような静電気を利用した表示ユニット14を多数配列させて構成されたディスプレイ10に対しても、第1〜第6の駆動装置200A〜200Fを適用させることができる。
【0259】
上述の第1〜第6の駆動装置200A〜200Fが適用されるディスプレイ10においては、アクチュエータ部22の構成、特に、形状保持層46を1層構造としたが、その他、図44に示すように、形状保持層46を多層構造とし、各層に一対の電極48a及び48bを互い違いに形成するようにしてもよい。図44の例では、1層目の形状保持層46aの下面と2層目の形状保持層46bの上面にカラム電極48bを形成し、1層目と2層目の間にロウ電極48aを形成した例を示す。このように、形状保持層46を多層にして一対の電極48a及び48bを互い違いに形成することにより、アクチュエータ部22のパワー(変位力)を向上させることができ、画素構成体30(図2参照)の離隔性を向上させることができる。
【0260】
ところで、上述の第1〜第6の駆動装置200A〜200Fにおいては、補正データメモリ226に格納する補正のための情報として、図45に示すように、少なくともドット毎の輝度ばらつきを補正するための輝度補正データが展開された輝度補正テーブル600を用いるようにしてもよい。この場合、補正データメモリ226に展開された輝度補正テーブル600と第2の読出し回路234が輝度補正手段602として機能することになる。
【0261】
ここで、輝度補正機能を持ったディスプレイ10の製造過程、特に、輝度補正テーブル600の作成過程について図46〜図55を参照しながら説明する。
【0262】
この輝度補正テーブルの作成過程は、まず、図46のステップS1において、前記ディスプレイ10に一様の画像を表示し、全ドット26の輝度を検出する。具体的には、ディスプレイ10の全ドット26に対して例えばグレースケールの中間レベル(フルスケールとして256の階調レベルとしたとき、例えば128の階調レベル)の信号を与えて表示させ、この状態で例えばCCDカメラで全ドット26の各輝度を測定して、このディスプレイ10の実測輝度分布を求める。
【0263】
その後、ステップS2において、各ドット26の輝度目標値を算出し、次いで、ステップS3において、各ドット26の輝度目標値に基づいて各ドット26についての輝度補正係数を算出する。具体的には、測定した各ドット26の輝度実測値に基づいて、前記実測輝度分布の平滑化処理を行い、理論輝度分布(輝度目標値の分布)を求める。平滑化処理としては、例えば平均化処理、最小自乗法、高次曲線近似等が挙げられる。
【0264】
なお、図47及び図48に、例えば1行目の各ドットの輝度分布を示す。これらの図において、×で示すプロットが実測輝度分布であり、●で示すプロットが理論輝度分布を示す。
【0265】
図47に示すように、実測輝度分布における各ドットの輝度実測値のばらつきが小さく、平滑化処理によって滑らかな理論輝度分布(曲線B(破線)参照)となる場合は、すべてのドットについて輝度補正を行う。
【0266】
輝度補正の具体的手法について説明すると、図47のドット#1、#3、#4、#6等に示すように、輝度実測値が輝度理論値よりも大きい場合は、補正係数として1未満の値を用い、
輝度実測値×補正係数≒輝度理論値
となる補正係数を当該ドットの輝度補正データとして輝度補正テーブル600に登録する。
【0267】
一方、図47のドット#2、#5、#7等に示すように、輝度実測値が輝度理論値よりも小さい場合は、補正係数として1を用い、該補正係数を当該ドットの輝度補正データとして輝度補正テーブル600に登録する。この結果、×をプロットした実測輝度分布よりも均一化された輝度分布(曲線A(実線)参照)が得られる。
【0268】
完成したディスプレイ10によっては、図48に示すように、局部的に輝度実測値が低い場合がある。図48では、ドット#3と#7が極端に低くなっており、そのまま平滑化処理しても、曲線C(一点鎖線)に示すように、理論輝度分布が滑らかにならないだけでなく、平均輝度を不要に低下させてしまう場合がある。
【0269】
このような場合は、輝度実測値が極端に低いドットを無視して平滑化処理を行うことにより、曲線D(破線)に示すように、滑らかな曲線を有する理論輝度分布を求める。輝度補正の具体的手法は上述と同様である。
【0270】
このように、前記輝度補正手段602を用いることにより、製造上の各ドットの輝度ばらつきが吸収され、画質の向上を図ることができる。
【0271】
前記輝度補正手段602としては、上述の手法のほか、いわゆる移動平均化を採用するようにしてもよい。この移動平均化は、図49A及び図49Bに示すように、1つのドット26(中央のドット26)とその周辺に配列された複数のドット26の各輝度値を平均し、該平均値を中央のドット26の輝度目標値とし、該中央のドット26の実測輝度値と輝度目標値に基づいて、中央のドット26の輝度補正係数を求めていく方法である。
【0272】
例えば、図50に示すように、横軸xに実測輝度値(補正前の輝度値:入力輝度)、縦軸yに目標輝度値(補正後の輝度値:出力輝度)をとったとき、実測輝度値がLj、輝度目標値がLcの場合、輝度補正係数として、直線y=(Lc/Lj)x上の値が選ばれることになる。なお、図50において、Limは最大入力階調を示し、Lomは最大出力階調を示す。
【0273】
中央のドット26の周辺に配列された複数のドット26は、垂直方向に並ぶ2m+1行分のドット群に含まれ、かつ、水平方向に並ぶ2n+1列分のドット群に含まれるようにしてもよい。図49Aでは、2m+1行×2n+1列にて構成される領域Z1内に配列された複数のドット26を選択した例を示し、図49Bでは、2m+1行×2n+1列にて構成される領域に収まるほぼ円形の領域Z2内に配列された複数のドット26を選択した例を示す。
【0274】
また、1つの表示ユニット14について、垂直方向にM個のドット26が配列され、水平方向にN個のドット26が配列され、合計でM×N個のドット26を有する場合に、前記m及びnは、α及びβをそれぞれ1以上の変数としたとき、
(1/2)M≦2m+1≦αM
(1/2)N≦2n+1≦βN
とする。
【0275】
ここで、αとβの決め方について説明する。まず、α及びβを大きくすると、平均化のための範囲が広がるため、輝度目標値が当該ドット26の実力(発光能力)と大きく異なってくる場合がある。その結果、輝度補正係数の上限を超えてしまうドット26が多く現れてしまうことがある。そこで、α及びβは、輝度補正係数が上限値を超えるドット26の数が所定数以下となるように設定する。例えば、α及びβは、5以下、特に3以下が好ましい。
【0276】
このようにすれば、表示ユニット14内の輝度分布のばらつきを抑制しつつ、継ぎ目も目立たなくでき、しかも、表示ユニット14の個々の輝度を生かすことができ、明るく発光させることができる表示ユニット14を必要以上に輝度低下させることのないようにすることができる。
【0277】
また、全てのドット26について輝度目標値を算出した後の処理としては、例えばボトムアップ法やトップダウン法がある。ボトムアップ法は、図51に示すように、まず、ステップS101において、算出された全輝度目標値のうち、最小値を示すドットを検索する。その後、ステップS102において、前記検索されたドットについて、現在の輝度目標値を一定値だけ向上させて新たな輝度目標値とする。
【0278】
このボトムアップ法によれば、表示ユニット14間において画像が不連続になるという不都合が解消され(連続面の維持)、しかも、表示ユニット14の表示能力を最大まで引き出すことができる。
【0279】
一方、トップダウン法は、図52に示すように、まず、ステップS201において、算出された全輝度目標値のうち、予め設定しておいたしきい値を超えるドット26を検索する。その後、ステップS202において、前記検索されたドット26について、現在の輝度目標値をしきい値まで低減させる。
【0280】
このトップダウン法においても、表示ユニット14間において画像が不連続になるという不都合を解消することができる。
【0281】
上述の輝度補正係数の算出に当たっては、色温度を加味して行うことが好ましい。具体的には、図53に示すように、まず、ステップS301において、前記算出された各ドット26の輝度目標値(便宜的にfrとする)について、それぞれ配色に応じた規格化を行う。この規格化は、各配色のレベルを揃えるために行うもので、輝度目標値frに規格化係数Krの逆数1/Krを乗算することにより行われる。これによって規格化後の値(規格化値)grが求まる。
【0282】
その後、ステップS302において、規格化値grが一定範囲に入るように修正を加えて、修正規格化値dgrを得る。その後、ステップS303において、それぞれ配色に応じた復元処理を行って色温度が加味された新たな輝度目標値dfrを得る。例えば、以下のような演算を行う。
【0283】
dfr=h・Kr・dgr
ここで、hは色温度調節定数であり、例えば赤みがかった画像にしたいとき、赤についてh=1.0とし、赤以外の配色についてh=0.9とする。これによって、赤に対応するドットが強調されることになる。
【0284】
上述の輝度補正係数は、図54に示すように、横軸xに入力階調、縦軸yに出力階調をとったとき、直線Aに示すように、原点を通る直線y=Dx上の値が選ばれるようになっている。従って、例えば輝度補正係数に修正を加える場合は、その傾きDを変更することが考えられる。図54において、変更後の直線を破線Bで示す。
【0285】
具体的な演算としては、入力階調を最大で128階調としたとき、
出力y=(補正値/128)×入力x
となる。
【0286】
しかし、本実施の形態では、輝度補正係数に対する修正として、図55に示すように、原点を必ずしも通らない直線(破線C参照)への変更も可能である。即ち、輝度補正係数として直線y=Ex±F上の値を選ぶことができる。これを実現させるためには、例えば入力階調の最大幅を64階調まで低減させ、あまったビット数に切片データ(直線y=Ex±FにおけるF)を割り当てれば、メモリ容量の増大を回避することができる。
【0287】
この場合、具体的な演算としては、入力階調を最大で64階調としたとき、
出力y=(補正値▲1▼/64)×入力x±補正値▲2▼
となる。
【0288】
この補正方式を採用することで、−補正値▲2▼とした場合においては、ある階調から点灯しはじめるドット26に対して適切な輝度補正を行うことができ、+補正値▲2▼とした場合においては、低階調領域で階調表現が難しいドット26に対して適切な輝度補正を行うことができる。
【0289】
また、上述の輝度補正係数の算出においては、表示ユニット14に配列された多数のドット26のうち、継ぎ目近傍のドット26(周辺部分のドット26)の輝度が中央部分のドット26の輝度よりも高くするような値に設定することが好ましい。これにより、表示ユニット14間の継ぎ目を目立たなくすることができる。
【0290】
ところで、多数の表示ユニット14を配列してディスプレイ10を構成する場合は、ある規則性をもって配列することが好ましい。その配列決定方法について図56〜図60Bを参照しながら説明する。
【0291】
この配列決定方法は、図56に示すように、まず、ステップS401において、各表示ユニット14についてそれぞれ特性値を得る。特性値としては、表示ユニット14を構成する複数のドット26の平均輝度と、ドット26の欠損数が挙げられる。例えば、表示ユニット14内の数点のドット26について、輝度を測定し、その平均値を取得し、該平均値を平均輝度とする。
【0292】
その後、ステップS402において、前記得られた特性値に基づいて表示ユニット14をランク分けする。ランク分けは、例えば図57Aに示すように、平均輝度が1000以上、又は、欠損数が1以下の場合にAランク、平均輝度が900以上、1000未満、又は、欠損数が2以上、5以下の場合にBランク、平均輝度が900未満、又は、欠損数が6以上の場合にCランクとする。
【0293】
更に、これら表示ユニット14について、得られたランク(個別ランク)に基づいて平均輝度を優先させて見た場合の総合ランクにランク分けする。例えば、図57Bに示すように、総合ランクAは、平均輝度によるランクがAランクであって、かつ、欠損数によるランクがAランクのものが選ばれ、総合ランクBは、平均輝度によるランクがAランクであって、かつ、欠損数によるランクがBランクのものが選ばれる。同様に、総合ランクCは、平均輝度によるランクがBランクであって、かつ、欠損数によるランクがAランクのものが選ばれ、総合ランクDは、平均輝度によるランクがBランクであって、かつ、欠損数によるランクがBランクのものが選ばれる。
【0294】
その後、図56のステップS403において、ディスプレイ10における複数の表示ユニット14の配列領域を区分して、各領域に配列すべき表示ユニット14のランクを指定し、次いで、ステップS404において、前記指定に従って表示ユニット14を配列してディスプレイ10を作製する。
【0295】
一例として、図58A及び図58Bに示すように、ディスプレイ10(10A及び10B)における表示ユニット14の配列領域Z10を中央部分Z11と周辺部分Z12に区分し、中央部分Z11に欠損数によるランクの高い表示ユニット14を配列し、周辺部分Z12に欠損数によるランクの低い表示ユニット14を配列する。
【0296】
例えば、1台目のディスプレイ10Aについては、中央部分Z11に総合ランクAの表示ユニット14を配列し、周辺部分Z12に総合ランクBの表示ユニット14を配列する。2台目のディスプレイ10Bについては、中央部分Z11に総合ランクCの表示ユニット14を配列し、周辺部分Z12に総合ランクDの表示ユニット14を配列する。
【0297】
1台目のディスプレイ10Aは、平均輝度のランクがAランクである表示ユニット14で統一しており、2台目のディスプレイ10Bは、平均輝度のランクがBランクである表示ユニット14で統一している。そのため、各ディスプレイ10A及び10Bにおいては、輝度分布のばらつきが抑えられ、画質の向上を図ることができると共に、表示ユニット14の継ぎ目が目立たないものとなる。
【0298】
そして、例えば中央部分Z11に表示ユニット14を配列していく場合においては、例えば図59Aに示すように、中央から渦巻き状に配列したり、図59Bに示すように、十文字順に配列することが好ましい。図59A及び図59Bにおいて、連番は、総合ランクで順序付けられた番号であり、表示ユニット14の配列の順番を示す番号である。一方、周辺部分Z12に表示ユニット14を配列していく場合においては、図60Aに示すように、1つの辺から順番に並べていく方法や、図60Bに示すように、十文字順に配列することが好ましい。
【0299】
このように、ランク分けされた表示ユニット14を、指定された領域に配列する際に、同一ランク内において順序付けされた表示ユニット14を所定の規則に従って配列することにより、ディスプレイ10全体としてみたとき、滑らかな輝度分布にすることができる。
【0300】
特に、表示ユニット14の配列領域Z10を中央部分Z11と周辺部分Z12に区分し、中央部分Z11にランクの高い表示ユニット14を配列し、周辺部分Z12にランクの低い表示ユニット14を配列するという手法は、周辺が暗くても人の目では気づきにくいという特性を利用したもので、人の目に対する違和感をなくす上で有効となる。
【0301】
なお、上述した特性値は、前記平均輝度及び欠損数のほかにも、表示ユニット14内でのドットの輝度等のばらつきなども利用することができる。また、領域区分も中央部分Z11と周辺部分Z12の2つに分けるほか、様々な区分が考えられる。
【0302】
また、上述の第1〜第6の駆動装置200A〜200Fにおいては、補正データメモリ226に格納する補正のための情報として、図61に示すように、各ドットの階調レベルに対する表示特性を線形的にするための線形補正データが展開された線形補正テーブル610を用いるようにしてもよい。この場合、補正データメモリ226に展開された線形補正テーブル610と第2の読出し回路234が線形補正手段612として機能することになる。
【0303】
ここで、線形補正機能について図62A〜図62Cを参照しながら説明する。まず、線形補正テーブル610の作成を行うが、上述の輝度補正の場合と同様に、その前提としてディスプレイ10の各ドットの輝度を測定する。
【0304】
具体的には、ディスプレイ10の全ドットに対して例えばグレースケールを段階的に増加させた信号を与えて表示させ、この状態で例えばCCDカメラを用いて、全ドットについてグレースケールの階調レベルの変化に対する輝度の変化特性(発光輝度特性)を測定する。各ドットに対するプロット数は、補正データメモリ226の容量や演算速度に応じて決定される。図62Aに、ある1つのドットについての発光輝度特性を示す。
【0305】
その後、測定した各ドットの発光輝度特性に基づいて、各ドットについて、それぞれ発光輝度特性を線形化するための重み係数を求める。図62Bに、ある1つのドットの発光輝度特性に対応する重み係数の変化特性を示す。
【0306】
各ドットについての重み係数は上述の発光輝度特性を求める際にプロットした分だけ求められ、これらプロット数に応じた数分の重み係数の配列が当該ドットに関する線形化のためのルックアップテーブルとして定義される。そして、このようなルックアップテーブルが各ドットについて求められ、線形補正テーブル610として補正データメモリ226に登録される。なお、プロット間の重み係数は表示段階において例えば一次近似(折れ線近似)等で求めるようにしてもよい。
【0307】
そして、実際の表示段階においては、第1の読出し回路232を通じてあるドットの入力階調レベルが読み出され、第2の読出し回路234を通じて、当該ドットに関するルックアップテーブルから読み出された前記入力階調レベルに対応する重み係数あるいは一次近似で求められた重み係数が読み出され、後段の乗算回路236において、入力階調データ値×重み係数が計算され、線形化階調データとして出力されることになる(図62C参照)。
【0308】
このように、前記線形補正手段612を用いることにより、各ドットにおいて、階調レベルの変化に応じて表示特性が線形的に変化することになるため、正確な画像表示が可能になるだけでなく、コントラストの向上を図ることができ、表示画像に鮮鋭感を持たせることができる。
【0309】
ところで、ディスプレイ10を通じてテレビ信号の映像を表示する場合は、以下のような線形補正処理が行われる。即ち、例えば現行のカラーテレビ方式では、受像機のコスト低減を図るために送像(送出)側でガンマ補正を行うようにしている。このガンマ補正はあくまでもブラウン管を対象としたものであるため、図63Aに示すような発光輝度特性となる。そのため、ガンマ補正がかけられたテレビ信号の映像をディスプレイ10を通じてそのまま表示すると、画像の高彩度部分の解像度が低下し、鮮鋭感が失われるという問題が生じる。
【0310】
そこで、本実施の形態では、図63Bに示すように、ガンマ補正を打ち消すような重み係数の配列を各ドットに関する線形化のためのルックアップテーブルとして定義するようにしてもよい。
【0311】
これにより、図63Cに示すように、送出系(送像系)における階調レベルに対する表示特性(ガンマ補正がかけられた表示特性)を線形的に補正することができるため、ガンマ補正されたテレビ信号を表示する場合であっても画像の高彩度部分の解像度が低下するということがなくなり、表示画像に鮮鋭感を持たせることが可能となる。
【0312】
また、第1〜第6の駆動装置200A〜200Fにおいては、図64に示すように、1フレーム内の任意のタイミングにおいて光源16のパワーを少なくとも2段階で切り換える調光制御手段640を有するようにしてもよい。
【0313】
この調光制御手段640による光源16のパワーの切換えは、信号処理回路206に設けられたタイミング発生回路284からの検出信号Smの入力に基づいて光源駆動回路642で行うようにしてもよい。このタイミング発生回路284は、動画出力機器220から供給される同期信号Ssに基づいて光源16のパワーの切換えタイミングを検出する。
【0314】
例えば、第2の駆動装置200Bに基づいて説明すると、該第2の駆動装置200Bにおいては、図21に示すように、1枚の画像の表示期間を1フレームとし、該1フレームを例えば63個に等分割した際の1つの分割期間をリニアサブフィールドとしたとき、信号処理回路206は、各ドットについて、それぞれの階調レベルに応じた表示時間を必要なリニアサブフィールドに連続的に割り当ててドットデータを作成するようになっている。
【0315】
そこで、この例では、図65Aに示すように、63個のリニアサブフィールドの後ろに3つのリニアサブフィールドを加え、第1のリニアサブフィールドLSF1から第63のリニアサブフィールドLSF63までの期間については光源16のパワーを100%とし、後ろの第64のリニアサブフィールドLSF64から第66のリニアサブフィールドLSF66までの期間については光源16のパワーを25%とする。
【0316】
これにより、各リニアサブフィールドの表示期間がすべて同じであっても、第1のリニアサブフィールドLSF1から第63のリニアサブフィールドLSF63までの各リニアサブフィールドは、第64のリニアサブフィールドLSF64から第66のリニアサブフィールドLSF66までの各リニアサブフィールドの4倍の輝度を有することになる。
【0317】
従って、図65Bに示すように、階調レベル1を表現する場合は、第64のリニアサブフィールドLSF64にオン信号が出力され、階調レベル2を表現する場合は、第64及び第65のリニアサブフィールドLSF64及びLSF65に連続してオン信号が出力されることになる。また、階調4を表現する場合は、第63のリニアサブフィールドLSF63にオン信号が出力され、階調レベル5を表現する場合は、第63及び第64のリニアサブフィールドLSF63及びLSF64にオン信号が連続して出力されることになる。また、階調レベル14を表現する場合は、第61〜第65のリニアサブフィールドLSF61〜LSF65にオン信号が連続して出力されることになる。
【0318】
つまり、この例では、3つのリニアサブフィールドLSF64〜LSF66を加えただけで、いままで64階調だけしか表現できなかったものが、256階調(0〜255)まで表現することが可能となる。また、3つのリニアサブフィールドLSF64〜LSF66を加えるだけであるため、1フレームが64個のリニアサブフィールドで構成されたものに対して、1リニアサブフィールドの表示期間をほとんど変更する必要がなく、設計変更の問題はほとんどない。また、光源16のパワーが25%となっている期間が1フレームの3/66という短い期間であるため、白表示を行ったときの輝度低下はほとんどない。
【0319】
上述の例では、63個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF63の後ろに3つのリニアサブフィールドLSF64〜LSF66を加えて、光源16のパワーを100%と25%で切り換えるようにしたが、その他、図66Aに示すように、63個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF63のうち、前半の32個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF32について光源16のパワーを100%とし、後半の31個のリニアサブフィールドLSF33〜LSF63について光源16のパワーを50%としてもよい。
【0320】
この場合は、各リニアサブフィールドの表示期間がすべて同じであっても、前半の第1〜第32のリニアサブフィールドLSF1〜LSF32における各リニアサブフィールドは、後半の第33〜第63のリニアサブフィールドLSF33〜LSF63における各リニアサブフィールドの2倍の輝度を有することになる。
【0321】
従って、図66Bに示すように、階調レベル1を表現する場合は、第33のリニアサブフィールドLSF33にオン信号が出力され、階調レベル2を表現する場合は、第32のリニアサブフィールドLSF32にオン信号が出力されることになり、階調3を表現する場合は、第32及び第33のリニアサブフィールドLSF32及びLSF33にオン信号が連続して出力され、階調5を表現する場合は、第31〜第33のリニアサブフィールドLSF31〜LSF33にオン信号が連続して出力されることになる。
【0322】
つまり、この例では、いままで64階調だけしか表現できなかったものが、96階調(0〜95)まで表現することが可能となる。また、63個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF63に対してすべて光源16のパワーを100%とした場合は、低レベルの階調表現をする場合でも光源16のパワーが100%であるのに比して、この例では、光源16のパワーが50%の期間が任意のタイミングで入ってくるため、低消費電力を実現することができる。
【0323】
また、この例においては、画像メモリ222に蓄積された次のフレームの画像の平均輝度を解析して、その平均輝度が高い画像であれば、該次のフレームは光源16のパワーを100%に固定して63個のリニアサブフィールドLSF1〜LSF63による階調表現を行うようにしてもよい。この場合、全体的に輝度が低下して見えるということを防ぐことができる。
【0324】
なお、光源16としては、応答特性の優れた高速冷陰極管(立ち上がり速度0.1ms以内)やLED(立ち上がり速度20ns以内)又はカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを陰極に配置した蛍光管を用いることができる。
【0325】
次に、第1〜第6の駆動装置200A〜200Fにおいて、以下に示すような駆動方法を取り入れるようにしてもよい。
【0326】
まず、例えば第2の駆動装置200Bでの通常の駆動について説明すると、図67Aに示すように、1つのドットについて見た場合に、該ドットの階調レベルに応じてオフ信号を出力すべき期間とオン信号を出力すべき期間が決定される。
【0327】
そして、オフ信号を出力すべき期間においては、図67Aに示すように、カラム電極48bに例えば0V、図67Bに示すように、ロウ電極48aに例えば55V(固定)がそれぞれ印加され、図67Cに示すように、当該ドットにはその電位差である55Vが印加されて、結果的に消光状態となる。そして、オン信号を出力すべき期間に差し掛かった時点で、図67Aに示すように、カラム電極48bに例えば最大60V、図67Bに示すように、ロウ電極48aに例えば55V(固定)がそれぞれ印加され、図67Cに示すように、当該ドットにはその電位差である−5Vが印加されて、発光状態となる。
【0328】
この通常の動作では、ドット毎に1フレームの開始時点から階調表現が行われるため、フレームの開始時点で画素構成体30を光導波板20から十分に離隔させる必要があるが、画素構成体30の離隔時の応答が遅いことに起因して、もしくは経時的に画素構成体30の離隔性が損なわれていき、画素構成体30の離隔時の応答が遅くなり、最悪の場合は、画素構成体30が光導波板20にくっついたまま離隔しないことが生じる可能性がある。
【0329】
図68A及び図68Bに、前記通常動作でのドット26の発光特性を測定した実験結果を示す。この実験は、あるドット26への印加電圧Vcの波形(図68A参照)を計測しながら、当該ドット26から散乱される光の強度変化(Ld)をアバランシェ・フォト・ダイオード(APD)で測定したものである。図68Bから、この発光特性は1フレームの開始時点からゆっくりとオフ状態に向かっており、1フレーム内でのオフ応答が遅いことがわかる。
【0330】
これを防止するために、ロウ電極48aに印加すべき電圧を例えば100Vにした場合、オン信号の出力期間において発光状態を実現させるためには、オン信号の期間においてカラム電極48bに印加すべき電圧を105Vにしなければならない。この場合、ドライバIC210Bの耐圧を大きくする必要があり、その分、ドライバIC210Bが大きくなり、高価となる。
【0331】
そこで、この例では、図69A〜図69Cに示すように、1フレームの最初の所定期間(準備期間Tp)において、全ドットを確実に離隔させるための電圧(離隔電圧)を印加する。この準備期間Tpとしては、1フレーム全体(例えば1/60Hz=16.7ms)に対して、発光輝度にほとんど影響を与えない程度の時間(例えば1msec)を割り当てる。
【0332】
そして、例えば1フレームが開始した時点で準備期間Tpに入り、図69Aに示すように、全ドットのカラム電極48bに例えば0V、図69Bに示すように、ロウ電極48aに離隔電圧、例えば100V以上をそれぞれ印加し、図69Cに示すように、全ドットにその電位差である100V以上を印加させる。これによって、全ドットは、1フレームの開始と共に、確実に消光状態となり、ほとんど部品を追加することなく、画素構成体30の離隔特性の向上を図ることができ、ディスプレイ10の歩留まりを向上させることができる。
【0333】
図70A及び図70Bに、前記準備期間を設けた場合でのドット26の発光特性を測定した実験結果を示す。この実験も、あるドット26への印加電圧Vcの波形(図70A参照)を計測しながら、当該ドット26から散乱される光の強度変化(Ld)をアバランシェ・フォト・ダイオード(APD)で測定したものである。図70Bから、この発光特性は1フレームの開始時点から急峻にオフ状態に向かっており、1フレーム内でのオフ応答が非常に速いことがわかる。
【0334】
この準備期間Tpに印加される離隔電圧はロウドライバで発生されるため、ドライバIC210Bの耐圧以上の電圧、即ち、画素構成体30を十分に離隔方向に変位させる電圧を設定することができる。従って、ドライバIC210Bを変更する必要はない。
【0335】
また、ロウ電極駆動回路202は、例えば図71に示すように、全ドットを共通に駆動できる回路であり、簡単に、かつ、安価に実現可能である。図71に示す回路の動作について簡単に説明すると、準備期間Tpでは、第1の入力端子620に高レベル信号、第2の入力端子622に低レベル信号がそれぞれ入力される。これにより、第1のフォトカプラ624がオン状態、第2のフォトカプラ626がオフ状態となって、後段のCMOSトランジスタ628の各ゲートに高レベル信号が印加され、その結果、NMOSトランジスタTr1がオンとなり、出力端子630から高レベル信号(100V)が出力されることになる。
【0336】
一方、準備期間Tp以外の期間では、第1の入力端子620に低レベル信号、第2の入力端子622に高レベル信号がそれぞれ入力される。これにより、第1のフォトカプラ624がオフ状態、第2のフォトカプラ626がオン状態となって、後段のCMOSトランジスタ628の各ゲートに低レベル信号が印加され、その結果、PMOSトランジスタTr2がオンとなり、出力端子630から低レベル信号(55V)が出力されることになる。
【0337】
ところで、上述の第3〜第6の駆動装置200C〜200Fにおいては、図31〜図33にも示すように、非選択中のドット26にオフ信号が供給された際に、当該ドット26に対して高電圧が印加されることから、画素構成体30を確実に光導波板20から離隔させることができ、コントラストの向上を図ることができる。また、非選択信号の電圧(絶対値)をより小さい値に設定することができる。例えば図33の例では、非選択信号の電圧を110Vから例えば80Vに小さくすることができ、消費電力の低減に貢献させることができる。
【0338】
更に、上述の第1、第3及び第5の駆動装置200A、200C及び200Eが示すサブフィールド駆動や第2、第4及び第6の駆動装置200B、200D及び200Fが示すリニアサブフィールド駆動において、画像処理による多階調化(例えば誤差拡散法やディザ法など)を加えることによって、表現できる階調数を増やすことができる。
【0339】
また、上述のようなサブフィールド駆動やリニアサブフィールド駆動を用いずに、画像処理による階調表現のみを使用することで、各ドットはオン状態あるいはオフ状態で固定となるため、消費電力の低い静止画像を表示することができ、例えば電子ポスターに用いて好適である。この場合、表示する静止画像を別の画像に描き替えるときのみ、ドットを変位駆動すればよいため、消費電力を大幅に低減することができる。
【0340】
更に、表示パターンによっては、一定の静止画像を表示する領域と動画像を表示する領域を混在させる場合があるが、このような表示パターンに対応させるために、表示コントローラを動画対応の回路系(サブフィールド駆動やリニアサブフィールド駆動)と静止画対応の回路系(画像処理による階調表現のみ)の2系統を用意することで、動画/静止画の混在表示を消費電力を大幅に抑えて行うことができる。これらの表示形態は、例えば地上波、インターネット、電話回線、衛星あるいはケーブルテレビにおける集中局からコンテンツ(デジタルコンテンツやアナログコンテンツ)を配信する広告等の表示に好適である。
【0341】
特に、インターネットを用いた場合、圧縮処理された静止画もしくは動画ファイルを、コンテンツ配信用集中局から配信することが好ましい。集中局から配信されたファイルは、インターネット接続されたディスプレイ側で解凍され、表示データとなる。この場合、画像データ処理回路224の前段に、圧縮ファイルデコーダ回路を設ければよい。また、ディスプレイ側(コンテンツ受信側)に、ハードディスク等の外部記憶装置を設けることで、画像コンテンツを記憶させておき、表示時には、この外部記憶装置から画像コンテンツを読み出すようにしてもよい。この場合、集中局から配信されるコンテンツを、一旦、ディスプレイ側の外部記憶装置に蓄積することができる。
【0342】
このような方法により、インターネット等で複数のディスプレイと集中局を接続させることで、集中局から、ディスプレイの設置場所、時間帯等に合わせた最適なコンテンツの表示を一括集中管理することができる。
【0343】
ここで、上述の機能を実現する1つの使用形態(第1の具体例に係る使用形態)を図72に基づいて説明する。
【0344】
この第1の具体例に係る使用形態は、図72に示すように、例えば画像メモリ222として、静止画用のフレームバッファ700と動画用のフレームバッファ702を設置する。そして、例えばネットワーク704からの各種データを受信して後段の回路系に出力するインターフェース回路706と、該インターフェース回路706から出力されるデータから画像に関するファイル(静止画ファイルや動画ファイル)と制御データとに分離するデータ分離回路708と、該データ分離回路708からの制御データに基づいて、表示コントローラ228を例えば表示ユニット14単位に制御(静止画に対応する制御と動画に対応する制御)を行う出力制御回路710と、画像データ処理回路224の前段に設置され、かつ、圧縮された画像に関するファイルを解凍して静止画データと動画データに復元する圧縮ファイルデコーダ回路712とを設けることで実現することができる。
【0345】
これにより、集中局714からネットワーク704を介してインターフェース回路706にて受信されたデータがデータ分離回路708にて画像に関するファイルと制御データとに分離され、それぞれ圧縮ファイルデコーダ回路712及び出力制御回路710に供給される。
【0346】
圧縮ファイルデコーダ回路712は、供給された画像に関するファイルを解凍して静止画データと動画データに復元し、後段の画像データ処理回路224に出力する。画像データ処理回路224は、復元した静止画データを静止画用のフレームバッファ700に格納し、動画データを動画用のフレームバッファ702に格納する。
【0347】
一方、出力制御回路710は、データ分離回路708からの制御データに基づいて表示コントローラ228を制御する。ここで、制御データとしては、例えば静止画を表示する表示ユニット14のアドレスデータ等を用いることができる。出力制御回路710は、この制御データに基づいて表示コントローラ228における第1及び第2の読出し回路232及び234やデータ転送部230を静止画用と動画用に分離する。
【0348】
これにより、表示コントローラ228のうち、静止画用に振り分けられた回路系によって、静止画用のフレームバッファ700から静止画データが読み出されて、アドレスデータが示す複数の表示ユニット14を通じて静止画が表示され、動画用に振り分けられた回路系によって、動画用のフレームバッファ702から動画データが読み出されて、アドレスデータが示す複数の表示ユニット14以外の複数の表示ユニット14を通じて動画が表示されることになる。
【0349】
更に、第2の具体例に係る使用形態としては、個々のディスプレイ10において、電源電流等をモニタし、その結果を、それぞれディスプレイ10のステータス情報として、集中局714に定期的に送信するようにしてもよい。
【0350】
この場合、図73に示すように、電源部208に監視回路720を設け、その出力をステータス情報として送信するインターフェース回路706を設けることで実現される。これにより、集中局714から遠隔地にある複数のディスプレイ10が故障しているかどうかを管理することが可能となる。
【0351】
次に、第3の具体例に係る使用形態は、経時変化に伴う輝度低下を補正するというものである。つまり、長時間、表示駆動をさせていると、時間の経過に伴って、ドットのオン特性(画素構成体30が光導波板20の一主面に接触する特性)が悪くなり、表示輝度の低下を引き起こすおそれがある。これを防止するために、ドットのオン電圧を小さく(絶対値を大きく)することで、表示輝度を初期段階とほぼ同様のレベルに維持させることができる。
【0352】
具体的な回路構成としては、図74に示すように、電源部208内に設置された各種電圧生成系(ロウ電極48aに印加されるロウ電圧を生成するロウ電圧生成系722、カラム電極48bに印加されるオン電圧を生成するオン電圧生成系724及びカラム電極48bに印加されるオフ電圧を生成するオフ電圧生成系726)のうち、例えばオン電圧生成系724において、可変電圧が生成できるようにする。図74の例では、可変抵抗728を設けた例を示す。そして、電源部208の前段に集中局714からの電圧変更に関する情報を受信するインターフェース回路706と、該インターフェース回路706からの前記情報に基づいて可変抵抗728を制御して前記オン電圧を所望の電圧に設定する電圧制御回路730とを設けて構成する。
【0353】
そして、工場において、輝度低下の監視に使用されるディスプレイ10で計測を行った結果を集中局714で管理し、各地域に設置されたディスプレイ10のうち、輝度が低下する時期に該当するディスプレイ10に対して電圧変更に関する情報をネットワーク704を介して送信する。ディスプレイ10側では、集中局714からの前記情報をインターフェース回路706を介して受信し、オン電圧生成系724で生成されるオン電圧を所望の電圧に変更する。
【0354】
例えば、設置時点において、ロウ電圧が50V、オン電圧が50Vである場合、オン動作すべきドットには0Vが印加されることになる。そして、経時変化によって、輝度が低下し始めた時期に、電圧変更の情報が供給されることで、オン電圧が例えば52Vに変更される。これによって、オン動作すべきドットには0Vよりも低い−2Vが印加され、画素構成体30は更に光導波板20に向かって変位することになり、オン時の輝度が向上することになる。
【0355】
更に時間が経過して輝度が低下する時期に、再び電圧変更の情報が供給されることで、オン電圧が例えば54Vに変更される。これによって、オン動作すべきドットには0Vよりも低い−4Vが印加され、画素構成体30は更に光導波板20に向かって変位することになり、オン時の輝度が向上することになる。
【0356】
上述の使用形態では、工場での監視用のディスプレイ10を使って輝度が低下する時期を割り出すようにしたが、その他、現場の管理人から電子メールや電話等を使って輝度が低下していることを連絡してもらい、この輝度低下の連絡に基づいて、当該ディスプレイ10に向かって集中局714から電圧変更の情報を送信するという方法も好ましく採用される。
【0357】
上述の例では、ネットワーク704を使用して遠隔操作した例を示したが、もちろん、ディスプレイ10自体に電圧を変更する機能を持たせるようにしてもよい。例えば、電圧制御回路730内に設置された複数のレジスタに、予め輝度が低下する時期を示す時間情報と可変抵抗728に供給する電圧値をそれぞれ格納しておき、該電圧制御回路730の前段に接続されたタイマー732(図74参照)からの時間情報がレジスタ内の時間情報の1つと一致したときに、当該レジスタに格納された電圧値によって可変抵抗728を制御して、所望のオン電圧にすることで輝度の低下を抑えることができる。
【0358】
また、他の例としては、複数の表示ユニット14のうち、例えば表示画面の周辺に配列された表示ユニット14にダミーのアクチュエータ部22を作り込んでおき、このアクチュエータ部22の変位状態をセンサ(歪みゲージなど)で検出し、該ダミーのアクチュエータ部22におけるオン動作時の変位に基づいて輝度が低下しているか否かを判別する、というものである。
【0359】
この判別の手法としては、図75に示すように、多数のダミーのアクチュエータ部22の群734からそれぞれセンサを通じて出力される検出信号を発光輝度計算部736に供給し、該発光輝度計算部736において、前記検出信号の束から表示画面の全体の輝度を近似計算させる。一方、電圧制御回路730内のレジスタにしきい値を格納しておく。そして、電圧制御回路730は、発光輝度計算部736からの近似値が該しきい値よりも低下したときに、全体の輝度が低下したものとして、オン電圧生成系724の可変抵抗728を制御し、所望のオン電圧にする。これによって、発光輝度を初期状態に維持させることができる。
【0360】
また、他の例としては、図76に示すように、ディスプレイ10の表示面を左右に移動するラインセンサ740を設置し、定期的にディスプレイ10において白表示を行いながらラインセンサ740を駆動し、発光輝度をラインセンサ740で検出するという手法も好ましく採用される。
【0361】
この場合も、ラインセンサ740から順次出力される撮像信号を発光輝度計算部736に供給し、該発光輝度計算部736において、連続的に供給される撮像信号に基づいて表示画面の全体の輝度を計算させる。電圧制御回路730内のレジスタにはしきい値を格納しておき、発光輝度計算部736からの計算値が該しきい値よりも低下したときに、全体の輝度が低下したものとして、オン電圧生成系724の可変抵抗728を制御し、所望のオン電圧にする。これによって、発光輝度を初期状態に維持させることができる。
【0362】
上述の例は、カラム電極48bに印加されるオン電圧を制御することによって輝度補正を行った場合であるが、その他、光源16を制御することでも輝度補正を実現することができる(第4の具体例に係る使用形態)。
【0363】
光源16として、例えば冷陰極管等を用いた場合は、図77に示すように、複数本の冷陰極管742を束ねてリフレクタ(図示せず)内に設置することで1つの光源16を構成することができる。この場合、規定の数(例えば12本)の冷陰極管742Aに加えて、複数(例えば4本)の予備の冷陰極管724Bを設置し、予備の冷陰極管724Bと電源744との間にそれぞれスイッチSw1、Sw2、・・・、Swnを挿入接続しておく。そして、光源16の電流を電流検出手段746を用いて監視し、電流検出手段746からの電流値に基づいて、光源16から発する光量が低下したか否かを判別し、低下した場合は、スイッチング制御回路748を通じて、予備の冷陰極管742Bの中から所定数(例えば1本)の冷陰極管742Bに対応するスイッチをオンにして、光量を増大させる。
【0364】
もちろん、この光源16による輝度補正は、以下のような手法を採用するようにしてもよい。まず、現場の管理人から輝度が低下していることを連絡してもらい、この連絡に基づいて集中局714からネットワーク704を介して輝度補正を行うべき情報を流す。該当するディスプレイ10は、インターフェース回路706を通じて、当該情報を受け取って、スイッチング制御回路748に供給する。スイッチング制御回路748は、供給された情報に基づいて予備の冷陰極管742Bの中から所定数(例えば1本)の冷陰極管742Bに対応するスイッチをオンにする。これによって光源16の光量が増大し、輝度が向上することとなる。
【0365】
ところで、使用時間の経過に伴って、色フィルタの蛍光顔料の退色が進み、特に青色の色フィルタの退色が進行することが知られている。そこで、予備の冷陰極管742Bとして少なくとも1本の青色を発光する冷陰極管を設置しておき、現場からの退色している旨の連絡に基づいて、前記予備としての青色の冷陰極管を点灯させるようにしてもよい。
【0366】
また、予備の冷陰極管742Bの選択的点灯に加えて、光源16を冷却するためのファン750の出力を調整するようにしてもよい。これにより、急激な温度変化を抑えることができ、長時間の使用が可能となると共に、温度変化に伴う輝度むらなどを抑えることができる。この場合、図77に示すように、例えばインターフェース回路706からの選択的点灯に関する情報に基づいてファン750を駆動制御するファン駆動制御回路752を設ければよい。
【0367】
上述の例では、表示コントローラ228の周辺装置を制御することで輝度調整を行った場合を示したが、その他、図78に示すように、表示コントローラ228の補正データメモリ226内に論理的に割り付けられた輝度補正テーブル600内の値を変えることで、輝度調整を行うようにしてもよい(第5の具体例に係る使用形態)。
【0368】
この場合、図78に示すように、あるディスプレイ10の輝度が低下した時点で、例えば集中局714から当該ディスプレイ10に対して、輝度が低下したときに使用すべき輝度補正値の群をネットワーク704を介して送信する。当該ディスプレイ10においては、集中局714からの補正値をインターフェース回路706を通じて受け取る。後段のテーブル作成部760は、受け取られた補正値に基づいて新たな輝度補正テーブルを作成し、補正データメモリ226に格納されている輝度補正テーブル600に上書きする。
【0369】
新たな輝度補正テーブル600からの各種輝度補正値によって、輝度の低下が抑えられるように各ドットが動作するため、表示輝度を初期段階とほぼ同様のレベルに維持させることができる。
【0370】
この輝度補正テーブル600を上書きする手法は、集中局714からの供給のほか、図74と同様に、タイマー732からの時間情報に基づいてテーブル作成部760で新たな輝度補正テーブル600を作成するようにしてもよいし、図75や図76と同様に、ダミーのアクチュエータ部22の群734あるいはラインセンサ740から発光輝度計算部736を通じて出力された計算値に基づいて、テーブル作成部760で新たな輝度補正テーブル600を作成するようにしてもよい。
【0371】
輝度補正テーブル600の書換えは、輝度低下の補償手段としてだけなく、退色によるホワイトバランスのいずれも補償することができる。例えば、青色が退色した場合、青色のみの輝度レベルを向上させるように、輝度補正係数の書換えを行うことで、ホワイトバランスを初期段階とほぼ同じレベルに維持させることができる。
【0372】
このように、図73〜図78に示す第2〜第5の具体例に係る使用形態を採用することで、ディスプレイ10に対するメンテナンスをネットワーク704を利用して、あるいは自己診断的に自動的に行うことが可能となる。通常、多数の表示ユニット14が配列されたディスプレイ10に対するメンテナンスにおいては、簡単な作業であっても、一応、メンテナンス作業員が現場まで駆けつけて修理を行うようにしている。そのため、メンテナンスにかかる費用が莫大になり、ディスプレイ10の普及にとって思わしくない。
【0373】
しかし、上述の第2〜第5の具体例に係る使用形態を採用すれば、輝度調整などの簡単なメンテナンス作業を自動的に行うことができ、メンテナンスにかかる費用の大幅なる低減を図ることができる。また、1つの輝度調整でも各種使用形態に応じてメンテナンス料金を設定することで、きめ細かなメンテナンスサービスを提供することができ、ディスプレイ10の普及に貢献することができる。
【0374】
そして、本発明に係るディスプレイの表示原理を用いれば、そのまま、光出力のON/OFF及び選択的な光出力を行う光スイッチを構成することができる。即ち、光が導入され、漏れることなく伝える光導波路として機能する光導波体と、該光導波体の一方に対向して設けられ、かつ、1つ又は多数の光スイッチ接点に対応した数のアクチュエータ部が配列された駆動部を具備し、入力される光スイッチ制御信号に応じて前記光導波体に対する前記アクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、前記光導波体の所定部位の漏れ光を制御することにより、光出力のON/OFF及び選択的に特定の出力にのみ光を取り出す光スイッチを構成することができる。
【0375】
なお、この発明に係る表示装置の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0376】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る表示装置の製造方法によれば、多数の表示ユニットを配列して大画面の表示装置を構成した場合に、表示ユニット間の輝度ばらつきや継ぎ目を目立たせないようにすることができ、画質の向上を図ることができる。
【0377】
また、表示むらや明るさの段差などを極力小さくでき、人の目に対する違和感をなくし、画像の画質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るディスプレイの概略構成を示す斜視図である。
【図2】表示ユニットの構成を示す断面図である。
【図3】表示ユニットの画素構成を示す説明図である。
【図4】アクチュエータ部と画素構成体の第1の構成例を示す断面図である。
【図5】アクチュエータ部に形成される一対の電極の平面形状の一例を示す図である。
【図6】図6Aは形状保持層の長軸に沿って一対の電極のくし歯を配列させた1つの例を示す説明図であり、図6Bは他の例を示す説明図である。
【図7】図7Aは形状保持層の短軸に沿って一対の電極のくし歯を配列させた1つの例を示す説明図であり、図7Bは他の例を示す説明図である。
【図8】表示素子の他の構成を示す断面図である。
【図9】アクチュエータ部と画素構成体の第2の構成例を示す断面図である。
【図10】アクチュエータ部と画素構成体の第3の構成例を示す断面図である。
【図11】アクチュエータ部と画素構成体の第4の構成例を示す断面図である。
【図12】画素構成体の四方にそれぞれ桟を形成した場合の構成を示す説明図である。
【図13】桟の他の構成を示す説明図である。
【図14】ロウ電極駆動回路から出力されるオフセット電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係を示す表図である。
【図15】第1及び第2の実施の形態に係る駆動装置の構成を示す回路図である。
【図16】第1の実施の形態に係る駆動装置のカラム電極駆動回路におけるドライバICの構成を示すブロック図である。
【図17】第1の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを複数のサブフィールドに分割した例を示す図である。
【図18】第1の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図19】ロウ電極駆動回路から出力されるオフセット電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係の他の例を示す表図である。
【図20】ロウ電極駆動回路から出力されるオフセット電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係の更に他の例を示す表図である。
【図21】第2の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを複数のリニアサブフィールドに等分割した例を示す図である。
【図22】図22Aは第2の実施の形態に係る駆動装置で作成されるドットデータにおいて、階調レベルが62の場合のビット配列を示す説明図であり、図22Bは同じく階調レベルが8の場合のビット配列を示す説明図である。
【図23】第2及び第4の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図24】第2の実施の形態に係る駆動装置で使用されるドライバICの構成を示すブロック図である。
【図25】第2の実施の形態に係る駆動装置で使用されるデータ転送部の構成を示すブロック図である。
【図26】第1データ出力回路でのデータ分割を示す説明図である。
【図27】第1データ出力回路から第2データ出力回路へのデータの転送形態を示す説明図である。
【図28】第3及び第4の実施の形態に係る駆動装置の構成を示す回路図である。
【図29】第3の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを2つのフィールドに分割し、更に1フィールドを複数のサブフィールドに分割した例を示す図である。
【図30】第3の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図31】ロウ電極駆動回路から出力される選択信号及び非選択信号の電位とカラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係を示す表図である。
【図32】ロウ電極駆動回路から出力される選択信号及び非選択信号の電位とカラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係の他の例を示す表図である。
【図33】ロウ電極駆動回路から出力される選択信号及び非選択信号の電位とカラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係の更に他の例を示す表図である。
【図34】第4の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを2つのフィールドに分割し、更に1フィールドを複数のリニアサブフィールドに等分割した例を示す図である。
【図35】第4の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図36】第5の実施の形態に係る駆動装置が適用される表示素子の画素構成を示す説明図である。
【図37】第5の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを3つのフィールドに分割し、更に1フィールドを複数のサブフィールドに分割した例を示す図である。
【図38】第5及び第6の実施の形態に係る駆動装置の構成を示す回路図である。
【図39】第5の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図40】第6の実施の形態に係る駆動装置での階調制御を説明するために、特に、1フレームを3つのフィールドに分割し、更に1フィールドを複数のリニアサブフィールドに等分割した例を示す図である。
【図41】第6の実施の形態に係る駆動装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図42】図42Aは静電気を利用した表示素子の一例において、その発光状態の場合を示す断面図であり、図42Bはその消光状態の場合を示す断面図である。
【図43】図43Aは静電気を利用した表示素子の他の例において、その発光状態の場合を示す断面図であり、図43Bはその消光状態の場合を示す断面図である。
【図44】アクチュエータ部の他の構成を示す断面図である。
【図45】輝度補正手段を説明するためのブロック図である。
【図46】輝度補正テーブルの作成過程を示すフローチャートである。
【図47】各ドットの輝度分布の一例を示す特性図である。
【図48】各ドットの輝度分布の他の例を示す特性図である。
【図49】図49Aは、移動平均化において、2m+1行×2n+1列にて構成される矩形の領域内に配列された複数のドットを選択した例を示す説明図であり、図49Bは、移動平均化において、2m+1行×2n+1列にて構成される矩形の領域に収まるほぼ円形の領域内に配列された複数のドットを選択した例を示す説明図である。
【図50】移動平均化によって作成した輝度補正係数の特性を示す図である。
【図51】いわゆるボトムアップ法による輝度補正係数の作成過程を示すフローチャートである。
【図52】いわゆるトップダウン法による輝度補正係数の作成過程を示すフローチャートである。
【図53】色温度を加味した輝度補正係数の作成過程を示すフローチャートである。
【図54】原点を通る輝度補正係数に対する変更の一例を示す図である。
【図55】原点を通らない輝度補正係数への変更の一例を示す図である。
【図56】表示ユニットの配列決定方法の一例を示すフローチャートである。
【図57】図57Aは特性値に基づく表示ユニットのランク分けの基準の一例を示す表図であり、図57Bは総合ランクへのランク分けの内訳を示す表図である。
【図58】図58Aは1台目のディスプレイに対する表示ユニットの配列形態を示す説明図であり、図58Bは2台目のディスプレイに対する表示ユニットの配列形態を示す説明図である。
【図59】図59Aは表示ユニットを配列領域の中央部分に配列する場合の順序の一例を示す説明図であり、図59Bはその他の例を示す説明図である。
【図60】図60Aは表示ユニットを配列領域の周辺部分に配列する場合の順序の一例を示す説明図であり、図60Bはその他の例を示す説明図である。
【図61】線形補正手段を説明するためのブロック図である。
【図62】図62Aはある1つのドットの発光輝度特性を示す図であり、図62Bは発光輝度特性を線形化するための重み係数を示す特性図であり、図62Cは線形化された後の発光輝度分布を示す特性図である。
【図63】図63Aはガンマ補正がかけられたテレビ信号の発光輝度特性を示す図であり、図63Bはガンマ補正を打ち消すための重み係数を示す特性図であり、図63Cは線形化された後の発光輝度分布を示す特性図である。
【図64】調光制御手段を説明するためのブロック図である。
【図65】図65Aは光源の切換えタイミングの一例を示すタイミングチャートであり、図65Bは階調レベルに応じて選択されるリニアサブフィールドの組合せの一例を示すタイミングチャートである。
【図66】図66Aは光源の切換えタイミングの他の例を示すタイミングチャートであり、図66Bは階調レベルに応じて選択されるリニアサブフィールドの組合せの他の例を示すタイミングチャートである。
【図67】図67Aは通常の駆動においてカラム電極に印加される信号を示す波形図であり、図67Aはロウ電極に印加される信号を示す波形図であり、図67Cはドットに印加される電圧を示す波形図である。
【図68】図68Aは通常動作における印加電圧波形を示す図であり、図68Bはその光強度分布を示す図である。
【図69】図69Aは準備期間を設けた場合においてカラム電極に印加される信号を示す波形図であり、図69Bはロウ電極に印加される信号を示す波形図であり、図69Cはドットに印加される電圧を示す波形図である。
【図70】図70Aは準備期間を設けた場合における印加電圧波形を示す図であり、図70Bはその光強度分布を示す図である。
【図71】ロウ電極駆動回路に用いられる回路の一例を示す図である。
【図72】第1の具体例に係る使用形態を示すブロック図である。
【図73】第2の具体例に係る使用形態を示すブロック図である。
【図74】第3の具体例に係る使用形態を示すブロック図である。
【図75】第3の具体例に係る使用形態の第1の変形例を示すブロック図である。
【図76】第3の具体例に係る使用形態の第2の変形例を示すブロック図である。
【図77】第4の具体例に係る使用形態を示すブロック図である。
【図78】第5の具体例に係る使用形態を示すブロック図である。
【図79】提案例に係る表示装置を示す構成図である。
【図80】提案例に係る表示装置の周辺回路を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…ディスプレイ        12…導光板
14…表示素子          16…光源
18…光             20…光導波板
22…アクチュエータ部      24…駆動部
30…画素構成体         32…アクチュエータ基板
38…振動部           40…固定部
46…形状保持層         48a…ロウ電極
48b…カラム電極        62…散乱光
70…配線            72…データ線
74…共通配線          76…バリスタ
200A〜200F…駆動装置   202…ロウ電極駆動回路
204…カラム電極駆動回路    206…信号処理回路
208…電源部          210…ドライバ出力
220…動画出力機器       222…画像メモリ
224…画像データ処理回路    226…補正データメモリ
228…表示コントローラ     230…データ転送部
250…第1のシフトレジスタ   252…第2のシフトレジスタ
260…シフトレジスタ      262…出力回路
270…第1データ出力回路    272…第2データ出力回路
280…第1のドライバ      282…第2のドライバ
290…透明電極         600…輝度補正テーブル
602…輝度補正手段       610…線形補正テーブル
612…線形補正手段       640…調光制御手段
642…光源駆動回路

Claims (17)

  1. 複数の表示用素子が配列された表示ユニットが複数配列されて構成された表示装置の製造方法において、
    前記表示装置に一様の画像を表示し、各表示用素子の輝度を検出する工程と、
    前記各表示用素子の輝度目標値を算出する工程と、
    前記各表示用素子の輝度目標値に基づいて前記各表示用素子についての輝度補正係数を算出する工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の表示装置の製造方法において、
    前記輝度目標値の算出は、当該表示用素子とその周辺に配列された複数の表示用素子の輝度を平均し、該平均値を当該表示用素子の輝度目標値とすることを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の表示装置の製造方法において、
    当該表示用素子の周辺に配列された複数の表示用素子は、垂直方向に並ぶ2m+1行分の表示用素子群に含まれ、かつ、水平方向に並ぶ2n+1列分の表示用素子群に含まれることを特徴とする表示装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の表示装置の製造方法において、
    1つの前記表示ユニットについて、垂直方向にM個の表示用素子が配列され、水平方向にN個の表示用素子が配列され、合計でM×N個の表示用素子を有する場合に、
    前記m及びnは、α及びβをそれぞれ1以上の変数としたとき、
    (1/2)M≦2m+1≦αM
    (1/2)N≦2n+1≦βN
    であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の表示装置の製造方法において、
    前記α及びβは、
    前記輝度補正係数が上限値を超える表示用素子の数が所定数以下となるように設定されることを特徴とする表示装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法において、
    算出された前記輝度目標値のうち、最小値を示す表示用素子を検索する第1の工程と、
    検索対象の表示用素子について、現在の輝度目標値を一定値だけ向上させる第2の工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法において、
    算出された前記輝度目標値のうち、しきい値を超える表示用素子を検索する工程と、
    検索対象の表示用素子について、現在の輝度目標値をしきい値まで低減させる工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法において、
    前記輝度補正係数の算出は、色温度を加味して行われることを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の表示装置の製造方法において、
    算出された前記各表示用素子の輝度目標値について、それぞれ配色に応じた規格化を行う工程と、
    規格化後の値が一定範囲に入るように修正する工程と、
    修正後の値に対し、それぞれ配色に応じた復元処理を行って色温度が加味された輝度目標値を得る工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 請求項9記載の表示装置の製造方法において、前記色温度が加味された輝度目標値を得る工程は、
    色温度調節定数を乗算する処理を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法において、
    前記表示ユニットは、
    光源からの光が導入される光導波板と、該光導波板の一方の板面に対向して設けられ、かつ多数の画素に対応した数の表示用素子が配列された駆動部を具備し、入力される画像信号の属性に応じて前記光導波板に対する前記表示用素子におけるアクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、前記光導波板の所定部位の漏れ光を制御することにより、前記光導波板に前記画像信号に応じた映像を表示させる表示ユニットであることを特徴とする表示装置の製造方法。
  12. 複数の表示用素子が配列された表示ユニットが複数配列されて構成された表示装置の製造方法において、
    各表示ユニットについてそれぞれ特性値を得る工程と、
    得られた特性値に基づいて前記表示ユニットをランク分けする工程と、
    前記表示装置における前記複数の表示ユニットの配列領域を区分して、各領域に配列すべき表示ユニットのランクを指定する工程と、
    前記指定に従って前記表示ユニットを配列して前記表示装置を作製することを特徴とする表示装置の製造方法。
  13. 請求項12記載の表示装置の製造方法において、
    ランク分けされた表示ユニットを、指定された領域に配列する際に、同一ランク内において順序付けされた表示ユニットを所定の規則に従って配列することを特徴とする表示装置の製造方法。
  14. 請求項12又は13記載の表示装置の製造方法において、
    前記表示ユニットの配列領域を中央部分と周辺部分に区分し、
    前記中央部分にランクの高い表示ユニットを配列し、前記周辺部分にランクの低い表示ユニットを配列することを特徴とする表示装置の製造方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法において、
    前記特性値が表示ユニットを構成する複数の表示用素子の平均輝度と、表示用素子の欠損数である場合に、
    前記ランク分けは、平均輝度によるランクと欠損数によるランクの総合評価によって決すること特徴とする表示装置の製造方法。
  16. 請求項15記載の表示装置の製造方法において、
    前記表示ユニットの配列領域を中央部分と周辺部分に区分し、
    前記中央部分に欠損数によるランクの高い表示ユニットを配列し、前記周辺部分に欠損数によるランクの低い表示ユニットを配列することを特徴とする表示装置の製造方法。
  17. 請求項16記載の表示装置の製造方法において、
    前記中央部分と周辺部分に、前記平均輝度によるランクがほぼ同じである表示ユニットを配列することを特徴とする表示装置の製造方法。
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