JP2004045445A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画素構成体に導入された光の利用率を向上させ、更に、コントラストの向上をも図る。
【解決手段】アクチュエータ部22を有するアクチュエータ基板32と、光導波板20と、光導波板20とアクチュエータ基板32との間に介在して、かつ、アクチュエータ部22を囲繞する桟42と、アクチュエータ部22上に接合された画素構成体30とを具備した表示装置10において、画素構成体30を、光導波板20に接触又は近接する透明層54と、該透明層54の下部に配置された着色層52とを有して構成し、透明層54の光導波板20との対向面積Aを着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さくする。
【選択図】図2
【解決手段】アクチュエータ部22を有するアクチュエータ基板32と、光導波板20と、光導波板20とアクチュエータ基板32との間に介在して、かつ、アクチュエータ部22を囲繞する桟42と、アクチュエータ部22上に接合された画素構成体30とを具備した表示装置10において、画素構成体30を、光導波板20に接触又は近接する透明層54と、該透明層54の下部に配置された着色層52とを有して構成し、透明層54の光導波板20との対向面積Aを着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さくする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に関し、特に、入力される画像信号の属性に応じて光導波板に対するアクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、光導波板の所定部位の漏れ光を制御することにより、光導波板に画像信号に応じた映像を表示させる表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示装置として、陰極線管(CRT)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置が知られている。
【0003】
陰極線管としては、通常のテレビジョン受像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られているが、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画面の大きさに比例して表示装置全体の奥行きが大きくなるという問題がある。また、表示画像の周辺部で分解能が低下し、像又は図形が歪む、記憶作用がない、大型表示ができないなどの難点もある。
【0004】
この理由は、電子銃から放射された電子ビームを大きく偏向させることから、電子ビームがブラウン管の蛍光面に斜めに到達する箇所では発光点(ビームスポット)が広がり、像が斜めに表示されるようになる。これにより、表示画像に歪みが生じてしまうという不都合がある。ブラウン管内部の大きな空間を真空に保つには限度があるからである。
【0005】
一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。また、電圧レベルにより階調表現を行うようにしているため、駆動回路の構成が非常に複雑になるという難点がある。
【0006】
例えば、デジタルデータ線を用いた場合、その駆動回路は、コンポーネントRGBデータ(各8ビット)を所定期間保持するラッチ回路と、電圧セレクタと、階調数に応じた種類の電圧レベルに切り換えるマルチプレクサと、該マルチプレクサからの出力データをデジタルデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、階調数が大きくなるとマルチプレクサにおいて非常に多くのレベルの切換え動作が必要になり、それに伴って、回路構成が複雑になる。
【0007】
アナログデータ線を用いた場合、その駆動回路は、順次入力されるコンポーネントRGBデータ(各8ビット)を水平方向に整列させるためのシフトレジスタと、シフトレジスタからのパラレルデータを所定期間保持するラッチ回路と、電圧レベルの調整をとるレベルシフタと、レベルシフタからの出力データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器からの出力信号をアナログデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、D/A変換器において、オペアンプを使用することにより、階調に応じた所定の電圧を得るようにしているが、階調の範囲が広くなると、高精度の電圧を出力するオペアンプを使用する必要があり、構造が複雑になると共に価格も高くなるという欠点がある。
【0008】
プラズマディスプレイは、液晶表示装置と同様に、表示部自体が体積をとらないため、小型化が可能であり、平板な表示面であるため、見やすいという長所があり、特に、交流型プラズマディスプレイにおいては、セルの記憶作用により、リフレッシュメモリが不要であるという長所も有する。
【0009】
ところで、前記プラズマディスプレイにおいては、セルに記憶作用を持たせるために、印加電圧の極性を交番的に切り換えて放電を持続させる必要がある。そのため、駆動回路に、X方向のサスティンパルスを発生させるための第1のパルス発生器と、Y方向のサスティンパルスを発生させるための第2のパルス発生器を設ける必要があり、駆動回路の構成がどうしても複雑になるという問題がある。
【0010】
一方、本出願人は、前記CRT、液晶表示装置やプラズマディスプレイでの問題を解消するために、新規な表示装置を提案した(例えば、特開平7−287176号公報参照)。
【0011】
この表示装置は、図15に示すように、画素毎に配列されたアクチュエータ部400を有し、各アクチュエータ部400は、圧電/電歪層402と該圧電/電歪層402の上面及び下面にそれぞれ形成された上部電極404と下部電極406とを具備したアクチュエータ部本体408と、該アクチュエータ部本体408の下部に配設された振動部410と固定部412からなる基体414とを有して構成されている。アクチュエータ部本体408の下部電極406は、振動部410と接触して、振動部410により前記アクチュエータ部本体408が支持されている。
【0012】
前記基体414は、振動部410及び固定部412が一体となってセラミックスにて構成され、更に、基体414には、前記振動部410が薄肉になるように凹部416が形成されている。
【0013】
また、アクチュエータ部本体408の上部電極404には、光導波板418との接触面積を所定の大きさにするための画素構成体420が接続されており、図15の例では、前記画素構成体420は、アクチュエータ部400が静止している通常状態において、光導波板418に近接して配置され、励起状態において前記光導波板418に光の波長以下の距離で接触するように配置されている。
【0014】
そして、前記光導波板418の例えば端部から光422を導入する。この場合、光導波板418の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光422が光導波板418の前面及び背面において透過することなく内部で全反射する。この状態で、前記上部電極404及び下部電極406を通してアクチュエータ部400に画像信号の属性に応じた電圧信号を選択的に印加して、該アクチュエータ部400に通常状態による静止と励起状態による変位を行わせることにより、前記画素構成体420の光導波板418への接触・離隔が制御され、これにより、前記光導波板418の所定部位の散乱光(漏れ光)424が制御されて、光導波板418に画像信号に応じた映像の表示がなされる。
【0015】
この表示装置によれば、(1)消費電力を少なくできること、(2)画面輝度を大きくすることができること、(3)カラー画面にする場合において、画素数を白黒画面の場合に比して増加させる必要がないこと等の利点を有する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のアクチュエータ部400を用いた表示装置において、画素構成体420に導入された光の利用率を向上させることができ、更に、コントラストの向上をも図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示装置は、アクチュエータ部を有する基板と、光導波板と、前記光導波板と前記基板との間に介在して、かつ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部上に接合された画素構成体とを具備し、前記画素構成体は、前記光導波板に接触又は近接する透明層を含み、前記透明層の前記光導波板と対向する面の面積が、前記画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことを特徴とする。
【0018】
これにより、光導波板に透明層が接触又は近接することで、透明層のうち、前記光導波板と対向する面を通じて光導波板からの光が画素構成体に導入されることになる。画素構成体に導入された光は、アクチュエータ基板側に進行していくことになる。
【0019】
このとき、画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積が、透明層の前記光導波板と対向する面の面積と同じかそれよりも小さい場合は、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光の一部、特に、透明層の側面を透過する光は、アクチュエータ部やアクチュエータ基板に到達し、不要な散乱光として光導波板側に反射されることになる。この場合、有効に画素構成体に到達した光の反射による散乱光(表示上有効な散乱光)に前記不要な散乱光が混入し、見かけ上の輝度の低下やコントラストの低下を招くおそれがある。
【0020】
そこで、透明層と他の層の両者の面積を広くすることが考えられるが、透明層の面積(光導波板との対向面積)を広くすると、透明層が光導波板に接触する面積も広くなることから、画素構成体に導入される光の量が増加し、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費が多くなる。その結果、例えば光導波板の周辺から光を導入した場合、光導波板の中央部分への光の供給量が減り、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性が低下するおそれがある。また、上述のように透明層の面積を広くすると、光導波板と透明層とが密着しやすくなり、画素の消光が不十分になるおそれがある。
【0021】
しかし、本発明では、前記透明層の前記光導波板と対向する面の面積が、前記画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことから、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光は、透明層の側面から透過した光を含めて、全て画素構成体に到達し、有効な散乱光として光導波板側に反射することとなる。
【0022】
このようなことから、本発明に係る表示装置においては、画素構成体に導入された光の利用率を大幅に向上させることができ、輝度の向上を図ることができる。これにより、透明層の前記光導波板と対向する面の面積を小さくすることが可能となり、画素構成体に導入される光の量を低減でき、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費を少なくすることができる。
【0023】
その結果、例えば光導波板の周辺から光を導入した場合において、光導波板の中央部分への光の供給量の低減を抑制することができ、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性を確保することができる。また、光導波板と透明層が密着しやすくなるなどの不具合を招くことなく、上記の効果が実現できる。
【0024】
そして、前記他の層が白色散乱体を含むようにしてもよい。この場合、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光は、透明層の側面から透過した光を含めて、全て画素構成体に到達するが、白色散乱体に到達した光は有効な散乱光として光導波板側に反射することとなる。
【0025】
また、前記他の層が着色層を含むようにしてもよいし、あるいは白色散乱体及び着色層を含むようにしてもよい。この場合、前記白色散乱体の平面上の投影面積が、前記着色層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことが好ましい。これにより、着色層を通過せずに直接白色散乱体に当たるということがなくなり、不要な散乱光が生じなくなることから、コントラストの低下や色純度の低下等、画質の低下を引き起こすことはない。
【0026】
そして、本発明においては、前記アクチュエータ部が、前記基板に設けられた振動部と該振動部上に形成されたアクチュエータ部本体とを有する場合に、前記画素構成体の平面上の投影面積を、前記振動部の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さく設定してもよい。
【0027】
また、前記画素構成体の平面上の投影面積を、前記アクチュエータ部本体の平面上の投影面積よりも小さく設定してもよい。この場合、アクチュエータ部の変位動作を着色層が阻害するという懸念がないため、好ましい。
【0028】
なお、前記着色層としては、色フィルタや有色散乱体を用いることができるほか、着色層と白色散乱体とを一体化させた白色の着色層を用いることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の実施の形態例を図1〜図14を参照しながら説明する。
【0030】
本実施の形態に係る表示装置10は、例えば図1に示すように、ガラスやアクリル樹脂等から構成された大型の導光板102の一主面に複数個の表示装置10を縦方向及び横方向に配列することによって大画面ディスプレイ100を構成することができる。この大画面ディスプレイ100は、直視型で薄型・高輝度・広視野角等の特徴を有している。
【0031】
表示装置10の配列を任意に変更することで、通常の長方形のディスプレイのほかにも、横長あるいは縦長、円形状など様々な形状の画面を形成することができる。また、導光板を湾曲させておけば、曲面ディスプレイを形成することもできる。
【0032】
そして、本実施の形態に係る表示装置10は、図2に示すように、光源16からの光18が導入される光導波板20と、該光導波板20の背面に対向して設けられ、かつ多数のアクチュエータ部22が画素に対応してマトリックス状あるいは千鳥状に配列された駆動部24を有して構成されている。
【0033】
画素の配列構成は、例えば図4に示すように、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、水平方向に並ぶ3つのドット26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)で1つの画素28が構成されている。更に、この表示装置10においては、画素28の並びを水平方向に16個(48ドット)、垂直方向に16個(16ドット)としている。
【0034】
なお、図1の大画面ディスプレイ100は、例えばVGAの規格に準拠すべく、水平方向に640画素(1920ドット)が並び、垂直方向に480画素(480ドット)が並ぶように、導光板102の背面に、表示装置10を水平方向に40個、垂直方向に30個配列させるようにしている。
【0035】
導光板102は、ガラス板やアクリル板等の可視光領域での光透過率が大であって均一なものが使用され、各表示装置10間は、ワイヤボンディングや半田付け、端面コネクタ、裏面コネクタ等で接続することにより相互間の信号供給が行えるようになっている。
【0036】
なお、前記導光板102と各表示装置10の光導波板20とは屈折率が類似したものが好ましく、導光板102と光導波板20とを貼り合わせる場合には、透明な接着剤や液体を用いてもよい。この接着剤は、導光板102や光導波板20と同様に、可視光領域で均一で、かつ、高い透過率を有することが好ましく、また、屈折率も導光板102や光導波板20と近いものに設定することが画面の明るさを確保する上で望ましい。
【0037】
ところで、各表示装置10は、図2に示すように、各アクチュエータ部22上に、それぞれ画素構成体30が積層されている。
【0038】
駆動部24は、例えばセラミックスにて構成されたアクチュエータ基板32を有し、該アクチュエータ基板32の各ドット26が形成されるべき部分にそれぞれ2つのアクチュエータ部22が配設されている。前記アクチュエータ基板32は、一主面が光導波板20の背面に対向するように配置されており、該一主面は連続した面(面一)とされている。アクチュエータ基板32の内部には、各アクチュエータ部22が形成される部分に対応した位置に、それぞれ後述する振動部を形成するための空所34が設けられている。各空所34は、アクチュエータ基板32の他端面に設けられた径の小さい貫通孔36を通じて外部と連通されている。
【0039】
前記アクチュエータ基板32のうち、空所34の形成されている部分が薄肉とされ、それ以外の部分が厚肉とされている。薄肉の部分は、外部応力に対して振動を受けやすい構造となって振動部38として機能し、空所34以外の部分は厚肉とされて前記振動部38を支持する固定部40として機能するようになっている。
【0040】
つまり、アクチュエータ基板32は、最下層である基板層32Aと中間層であるスペーサ層32Bと最上層である薄板層32Cの積層体であって、スペーサ層32Bのうち、アクチュエータ部22に対応する箇所に空所34が形成された一体構造体として把握することができる。基板層32Aは、補強用基板として機能するほか、配線用の基板としても機能するようになっている。なお、前記アクチュエータ基板32は、一体焼成であっても、後付けであってもよい。
【0041】
そして、前記薄板層32Cの厚みとしては、アクチュエータ部22を大きく変位させるために、通常50μm以下とされ、好ましくは3〜20μm程度とされる。
【0042】
スペーサ層32Bは、アクチュエータ基板32に空所34を構成するものとして存在していればよく、その厚みは特に制限されるものではない。しかし一方で、空所34の利用目的に応じてその厚みを決定してもよく、その中でもアクチュエータ部22が機能する上で必要以上の厚みを有さず、例えば図3に示すように、薄い状態で構成されていることが好ましい。即ち、スペーサ層32Bの厚みは、利用するアクチュエータ部22の変位の大きさ程度であることが好ましい。
【0043】
このような構成により、薄肉の部分(振動部38の部分)の撓みが、その撓み方向に近接する基板層32Aにより制限され、意図しない外力の印加に対して、前記薄肉部分の破壊を防止するという効果が得られる。なお、基板層32Aによる撓みの制限効果を利用して、アクチュエータ部22の変位を特定値に安定させることも可能である。
【0044】
また、スペーサ層32Bを薄くすることで、アクチュエータ基板32自体の厚みが低減し、曲げ剛性を小さくすることができるため、例えばアクチュエータ基板32を別体に接着・固定するにあたって、相手方(例えば光導波板20)に対し、自分自身(この場合、アクチュエータ基板32)の反り等が効果的に矯正され、接着・固定の信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
加えて、アクチュエータ基板32が全体として薄く構成されるため、アクチュエータ基板32の製造にあたっての原材料使用量を低減することができ、製造コストの観点からも有利な構造である。従って、スペーサ層32Bの具体的な厚みとしては、3〜50μmとすることが好ましく、中でも3〜20μmとすることが好ましい。
【0046】
一方、基板層32Aの厚みとしては、上述したスペーサ層32Bを薄く構成することから、アクチュエータ基板32全体の補強目的として、50μm以上、好ましくは80〜300μm程度とされる。
【0047】
ここで、アクチュエータ部22と画素構成体30の具体例について図5をも参照しながら説明する。なお、以下の説明では、後述する桟42と光導波板20との間に光遮蔽層44を設けた場合を想定して説明する。
【0048】
まず、アクチュエータ部22は、図5に示すように、前記振動部38と固定部40のほか、該振動部38上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体層等の形状保持層46と、該形状保持層46の上面と下面に形成された一対の電極48(ロウ電極48a及びカラム電極48b)とからなるアクチュエータ部本体23を有する。各アクチュエータ部本体23を含むアクチュエータ基板32上のほぼ全面に光吸収層25が形成されている。この光吸収層25の形成によって、外方からアクチュエータ部本体23やアクチュエータ基板32に入射した光を表示面側に散乱させることがなくなり、コントラストの向上を図ることができる。
【0049】
一対の電極48は、図5に示すように、形状保持層46に対して上下に形成した構造や、図示しないが、片側だけに形成した構造でもよいし、形状保持層46の上部のみに一対の電極48(48a及び48b)を形成するようにしてもよい。
【0050】
一対の電極48を形状保持層46の上部のみに形成する場合、一対の電極48の平面形状としては、図6に示すように、多数のくし歯が相補的に対峙した形状としてもよく、その他、特開平10−78549号公報にも示されているように、渦巻き状や多枝形状などを採用することができる。
【0051】
一方、画素構成体30は、例えば図2に示すように、アクチュエータ部本体23上に光吸収層25を介して形成された白色散乱体50と、アクチュエータ部本体23上において、前記白色散乱体50を被覆するように形成された着色層52と、該着色層52上に形成された透明層54との積層体で構成することができる。この画素構成体30はアクチュエータ部22の変位伝達部としても機能する。前記着色層52としては、例えば色フィルタや有色散乱体を用いることができる。
【0052】
画素構成体30としては、図2に示す構成のほかに、図3に示すように、白色散乱体50、着色層52及び透明層54からなる積層体と、該積層体の上端面に形成された接着抑制剤層55を含めて構成することもできる。
【0053】
その他、図示しないが、着色層52又は白色散乱体50の下層に光反射層を介在させるようにしてもよい。この場合、光反射層とアクチュエータ部本体23間に絶縁層を形成することが望ましい。
【0054】
また、本実施の形態に係る表示装置10においては、図2及び図3に示すように、光導波板20とアクチュエータ基板32との間に、画素構成体30以外の部分に形成された桟42を有して構成され、桟42の材質は、熱、圧力に対して変形しないものが好ましい。
【0055】
桟42は、例えば画素構成体30の四方に形成することができる。ここで、画素構成体30の四方とは、図7に示すように、例えば画素構成体30(図2参照)が平面ほぼ矩形状あるいは楕円形状であれば、各コーナー部に対応した位置などが挙げられ、1つの桟42が隣接する画素構成体30と共有される形態を示す。この場合、桟42は、振動部38よりも外側に配することが好ましい。これにより、アクチュエータ部22の変位動作が桟42によって阻害されるということがなくなる。
【0056】
桟42の他の例としては、例えば桟42が光吸収材料で構成されている場合、図8に示すように、桟42に少なくとも1つの画素構成体30を囲む窓部42aを有するように構成してもよい。代表的な構成例としては、例えば、桟42自体を板状に形成し、更に画素構成体30に対応した位置に画素構成体30の外形形状に類似した形状の窓部(開口)42aを形成する。これによって、画素構成体30の側面全部が桟42によって囲まれたかたちになり、アクチュエータ基板32と光導波板20との固着が更に強固なものとなる。この場合、桟42の開口幅42aは、振動部38よりも大きくすること(振動部38の平面上の投影面の面積E(図2参照)よりも大きくすること)が好ましい。これにより、アクチュエータ部22の変位動作が桟42によって阻害されるということがなくなる。
【0057】
ここで、表示装置10の各構成部材、特に各構成部材の材料等の選定について説明する。
【0058】
まず、光導波板20に入射される光18としては、紫外域、可視域、赤外域のいずれであってもよい。光源16としては、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、レーザー、プラズマ光源、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、冷陰極管などが用いられる。
【0059】
振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。その理由は、アクチュエータ部22を有機接着剤等の耐熱性に劣る材料を用いずに、固定部40によって直接振動部38を支持させる構造とする場合、少なくとも形状保持層46の形成時に、振動部38が変質しないようにするため、振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。
【0060】
また、振動部38は、アクチュエータ基板32上に形成される一対の電極48におけるロウ電極48aに通じる配線とカラム電極48bに通じる配線(例えばデータ線)との電気的な分離を行うために、電気絶縁材料であることが好ましい。
【0061】
従って、振動部38の材料としては、高耐熱性の金属あるいはその金属表面をガラス等のセラミック材料で被覆したホーロウ等の材料であってもよいが、セラミックスが最適である。
【0062】
振動部38を構成するセラミックスとしては、例えば安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。安定化された酸化ジルコニウムは、振動部38の厚みが薄くても機械的強度が高いこと、靭性が高いこと、形状保持層46及び一対の電極48との化学反応性が小さいこと等のため、特に好ましい。安定化された酸化ジルコニウムとは、安定化酸化ジルコニウム及び部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等の結晶構造をとるため、相転移を起こさない。
【0063】
一方、酸化ジルコニウムは、1000℃前後で、単斜晶と正方晶とで相転移し、この相転移のときにクラックが発生する場合がある。安定化された酸化ジルコニウムは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有する。振動部38の機械的強度を高めるために、安定化剤が酸化イットリウムを含有することが好ましい。このとき、酸化イットリウムを、好ましくは1.5〜6モル%含有し、更に好ましくは2〜4モル%含有するとよく、更に0.1〜5モル%の酸化アルミニウムが含有されていると一層好ましい。
【0064】
また、結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよいが、中でも主たる結晶相が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相としたものが、強度、靭性、耐久性の観点から最も好ましい。
【0065】
振動部38がセラミックスからなるとき、多数の結晶粒が振動部38を構成するが、振動部38の機械的強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.05〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。
【0066】
固定部40は、セラミックスからなることが好ましいが、振動部38の材料と同一のセラミックスでもよいし、異なっていてもよい。固定部40を構成するセラミックスとしては、振動部38の材料と同様に、例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。
【0067】
特に、この表示装置10で用いられるアクチュエータ基板32は、酸化ジルコニウムを主成分とする材料、酸化アルミニウムを主成分とする材料、又はこれらの混合物を主成分とする材料等が好適に採用される。その中でも、酸化ジルコニウムを主成分としたものが更に好ましい。
【0068】
なお、焼結助剤として粘土等を加えることもあるが、酸化珪素、酸化ホウ素等のガラス化しやすいものが過剰に含まれないように、助剤成分を調節する必要がある。なぜなら、これらガラス化しやすい材料は、アクチュエータ基板32と形状保持層46とを接合させる上で有利ではあるものの、アクチュエータ基板32と形状保持層46との反応を促進し、所定の形状保持層46の組成を維持することが困難となり、その結果、素子特性を低下させる原因となるからである。
【0069】
即ち、アクチュエータ基板32中の酸化珪素等は重量比で3%以下、更に好ましくは1%以下となるように制限することが好ましい。ここで、主成分とは、重量比で50%以上の割合で存在する成分をいう。
【0070】
形状保持層46は、上述したように、圧電/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、形状保持層46として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛等、又はこれらの何れかの組合せを含有するセラミックスが挙げられる。
【0071】
主成分がこれらの化合物を50重量%以上含有するものであってもよいことはいうまでもない。また、前記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有するセラミックスは、形状保持層46を構成する圧電/電歪層の構成材料として最も使用頻度が高い。
【0072】
また、圧電/電歪層をセラミックスにて構成する場合、前記セラミックスに、更に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物、若しくはこれらの何れかの組合せ、又は他の化合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。
【0073】
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にランタンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが好ましい。
【0074】
圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質であってもよいが、多孔質の場合には、その気孔率が40%以下であることが好ましい。
【0075】
形状保持層46として反強誘電体層を用いる場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分を主成分とするもの、更にはジルコン酸鉛に酸化ランタンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したものが望ましい。
【0076】
特に、下記の組成のようにジルコン酸鉛とスズ酸鉛からなる成分を含む反強誘電体膜をアクチュエータ部22のような膜型素子として適用する場合、比較的低電圧で駆動することができるため、特に好ましい。
【0077】
Pb0.99Nb0.02[(ZrxSn1−x)1−yTiy]0.98O3
但し、0.5 <x< 0.6,0.05<y< 0.063,0.01<Nb< 0.03
【0078】
また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよいが、多孔質の場合にはその気孔率が30%以下であることが望ましい。
【0079】
そして、振動部38の上に形状保持層46を形成する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の各種厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき等の各種薄膜形成法を用いることができる。
【0080】
この実施の形態においては、振動部38上に前記形状保持層46を形成するにあたっては、スクリーン印刷法やディッピング法、塗布法、電気泳動法等による厚膜形成法が好適に採用される。
【0081】
これらの手法は、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンション、エマルジョン、ゾル等を用いて形成することができ、良好な圧電作動特性が得られるからである。
【0082】
特に、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成することができることをはじめ、「電気化学および工業物理化学 Vol.53,No.1(1985),p63〜68 安斎和夫著」あるいは「第1回電気泳動法によるセラミックスの高次成形法 研究討論会 予稿集(1998),p5〜6,p23〜24」等の技術文献に記載されるような特徴を有する。従って、要求精度や信頼性等を考慮して、適宜、手法を選択して用いるとよい。
【0083】
また、前記振動部38の厚みと形状保持層46の厚みは、同次元の厚みであることが好ましい。なぜなら、振動部38の厚みが極端に形状保持層46の厚みより厚くなると(1桁以上異なると)、形状保持層46の焼成収縮に対して、振動部38がその収縮を妨げるように働くため、形状保持層46とアクチュエータ基板32界面での応力が大きくなり、はがれ易くなる。反対に、厚みの次元が同程度であれば、形状保持層46の焼成収縮にアクチュエータ基板32(振動部38)が追従し易くなるため、一体化には好適である。具体的には、振動部38の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、3〜50μmが更に好ましく、5〜20μmがより一層好ましい。一方、形状保持層46は、その厚みとして5〜100μmが好ましく、5〜50μmが更に好ましく、5〜30μmがより一層好ましい。
【0084】
前記形状保持層46の上面及び下面に形成されるロウ電極48a及びカラム電極48b、あるいは形状保持層46上に形成される一対の電極48は、用途に応じて適宜な厚さとするが、0.01〜50μmの厚さであることが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。また、前記ロウ電極48a及びカラム電極48bは、室温で固体であって、導電性の金属で構成されていることが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等を含有する金属単体又は合金が挙げられる。これらの元素を任意の組合せで含有していてもよいことはいうまでもない。
【0085】
また、これらの金属単体及び合金に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化銅等の金属酸化物を添加することが好ましく、更には、金属単体及び合金に対して、前記振動部38及び/又は圧電/電歪層及び/又は反強誘電体層と同じ材料を分散させたサーメットとすることも好ましい。特に、電極としてサーメットを用いた場合には、形状保持層46を作動させたときの、変位動作の経時的な劣化を効果的に抑制することができ、好ましい。
【0086】
光導波板20は、その内部に導入された光18が前面及び背面において光導波板20の外部に透過せずに全反射するような光屈折率を有するものであり、導入される光18の波長領域での透過率が均一で、かつ高いものであることが必要である。このような特性を具備するものであれば、特にその材質は制限されないが、具体的には、例えばガラス、石英、アクリル等の透光性プラスチック、透光性セラミックスなど、あるいは異なる屈折率を有する材料の複数層構造体、又は表面にコーティング層を設けたものなどが一般的なものとして挙げられる。
【0087】
また、画素構成体30に含まれる色フィルタや有色散乱体等からなる着色層52とは、特定の波長領域の光だけを取り出すために用いられる層であり、例えば特定の波長の光を吸収、透過、反射、散乱させることで発色させるものや、入射した光を別の波長のものに変換させるものなどがある。透明体、半透明体及び不透明体を単独、もしくは組み合わせて用いることができる。
【0088】
構成は、例えば染料、顔料、イオンなどの色素や蛍光体を、ゴム、有機樹脂、透光性セラミックス、ガラス、液体等の内部に分散、溶解したものや、それらの表面に塗布したもの、更には上述の色素や蛍光体等の粉末を焼結させたり、プレスして固めたものなどがある。材質及び構造については、これらを単独で用いてもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0089】
色フィルタと有色散乱体との違いは、光18を導入した光導波板20に画素構成体30を接触させて発光状態にしたときに、着色層52のみでの反射、散乱による漏れ光の輝度値が、画素構成体30及びアクチュエータ部22を含めた全構成体の反射、散乱による漏れ光の輝度値の0.5倍以上であれば、その着色層52は有色散乱体であると定義し、0.5倍未満であればその着色層52は色フィルタであると定義する。
【0090】
測定法の具体例を挙げると、光18が導入された光導波板20の背面に、前記着色層52の単体を接触させたとき、該着色層52から該光導波板20を通過し、前面に漏れ出した光の正面輝度がA(nt)であり、また、該着色層52の光導波板20と接する反対側の面に更に画素構成体30を接触させたとき、前面に漏れ出した光の正面輝度がB(nt)であったとすると、A≧0.5×Bを満たすときは、前記着色層52は有色散乱体であり、A<0.5×Bを満たすときは色フィルタである。
【0091】
上述の正面輝度とは、輝度を測定する輝度計と前記着色層52とを結ぶ線が、前記光導波板20の前記着色層52と接する面に対して垂直であるように輝度計を配置(輝度計の検出面は光導波板20の板面に平行)して計測した輝度である。
【0092】
有色散乱体の利点は、層の厚みにより色調や輝度が変化しにくいことであり、そのための層形成法として、層厚の厳密な制御は難しいが、コストが安いスクリーン印刷など、多種の適用が可能である。
【0093】
また、有色散乱体が変位伝達部を兼ねることにより、層形成プロセスを簡略化できるほか、それら全体の層厚を薄くできるため、表示装置10全体の厚みを薄くすることが可能であり、また、アクチュエータ部22の変位量低下の防止及び応答速度の向上が可能である。
【0094】
なお、色フィルタや有色散乱体等からなる着色層52の膜形成法としては、特に制限はなく、公知の各種の膜形成法を適用することができる。アクチュエータ部22の面上に、チップ状、フィルム状の着色層52を直接貼り付けるフィルム貼着法のほか、着色層52の原材料となる粉末、ペースト、液体、気体、イオン等を、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ法、スプレー・ディッピング、塗布等の厚膜形成手法や、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、めっき等の薄膜形成手法により成膜し、着色層52を形成する方法がある。
【0095】
また、前記画素構成体30としてその全部あるいは一部に発光層を設けるようにしてもよい。この発光層としては蛍光体層が挙げられる。この蛍光体層は、不可視光(紫外線や赤外線)によって励起され、可視光を発光するものや、可視光によって励起されて可視光を発光するものがあるが、いずれであってもよい。
【0096】
また、前記発光層として、蛍光顔料も用いることができる。この蛍光顔料を用いると、顔料自体の色、即ち、反射色にほぼ一致する波長の蛍光が加わるものは、それだけ色刺激が大きく、鮮やかに発光するため、表示装置10や大画面ディスプレイ100の高輝度化に対してより好ましく用いられ、一般的な昼光蛍光顔料が好ましく用いられる。
【0097】
また、発光層として、輝尽性蛍光体や、燐光体、あるいは蓄光顔料も用いられる。これらの材料は、有機材料、無機材料のいずれであってもよい。
【0098】
そして、上述した発光材料を単独で用いて発光層を形成したもの、これらの発光材料を樹脂に分散させたものを用いて発光層を形成したもの、あるいはこれらの発光材料を樹脂に溶解させたもので発光層を形成したものが好ましく用いられる。
【0099】
発光材料の残光時間としては、1秒以下が好ましく、より好ましくは30m秒以下がよい。更に好ましくは数m秒以下がよい。
【0100】
そして、画素構成体30の全部あるいはその一部として前記発光層を用いた場合は、光源16として、前記発光層を励起する波長の光を含み、励起に十分なエネルギー密度を有していれば、特に制限はない。例えば、冷陰極管、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、メタルハライドランプ、キセノンランプ、赤外線レーザを含むレーザ、ブラックライト、ハロゲンランプ、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、プラズマ光源などが用いられる。
【0101】
次に、本実施の形態に係る表示装置10の動作を図2を参照しながら簡単に説明する。この動作説明においては、図9に示すように、各アクチュエータ部22のロウ電極48aに印加されるオフセット電位として例えば10Vを使用し、各アクチュエータ部22のカラム電極48bに印加されるオン信号及びオフ信号の電位としてそれぞれ0V及び60Vを使用した例を示す。
【0102】
従って、カラム電極48bにオン信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に低レベル電圧(−10V)がかかり、カラム電極48bにオフ信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V)がかかることになる。
【0103】
そして、まず、光導波板20の例えば端部から光18が導入される。この場合、画素構成体30が光導波板20に接触していない状態で、光導波板20の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光18が光導波板20の前面及び背面において透過することなく内部で全反射させるようにする。光導波板20の反射率nとしては、1.3〜1.8が望ましく、1.4〜1.7がより望ましい。
【0104】
この例においては、アクチュエータ部22の自然状態において、画素構成体30の端面が光導波板20の背面に対して光18の波長以下の距離で接触しているため、光18は、画素構成体30の表面で反射し、散乱光62となる。この散乱光62は、一部は再度光導波板20の中で反射するが、散乱光62の大部分は光導波板20で反射されることなく、光導波板20の前面(表面)を透過することになる。これによって、全てのアクチュエータ部22がオン状態となり、そのオン状態が発光というかたちで具現され、しかも、その発光色は画素構成体30に含まれる着色層52の色に対応したものとなる。
【0105】
この状態から、あるドット26に対応するアクチュエータ部22にオフ信号が印加されると、当該アクチュエータ部22が図2に示すように、空所34側に凸となるように屈曲変位、即ち、一方向に屈曲変位して、画素構成体30の端面が光導波板20から離間し、当該アクチュエータ部22がオフ状態となり、そのオフ状態が消光というかたちで具現される。
【0106】
つまり、この表示装置10は、画素構成体30の光導波板20への接触の有無により、光導波板20の前面における光の発光(漏れ光)の有無を制御することができる。
【0107】
特に、この表示装置10では、光導波板20に対して画素構成体30を接近・離隔方向に変位動作させる1つの単位を垂直方向に並べたものを1ドットとし、このドットが水平方向に3つ並んだもの(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)を1画素とし、この画素を多数マトリックス状、あるいは各行に関し千鳥状に配列するようにしているため、入力される画像信号の属性に応じて各画素での変位動作を制御することにより、陰極線管や液晶表示装置並びにプラズマディスプレイと同様に、光導波板20の前面、即ち、表示面に画像信号に応じたカラー映像(文字や図形等)を表示させることができる。
【0108】
そして、この実施の形態に係る表示装置10は、図2、図7及び図10に示すように、透明層54の前記光導波板20と対向する面54aの面積(対向面積)Aが、着色層52の平面上の投影面52aの面積(投影面積)Bと同じかそれより小さく設定され、白色散乱体50の平面上の投影面50aの面積(投影面積)Cが、着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0109】
また、この実施の形態では、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aが、白色散乱体50の投影面積Cと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0110】
更に、本実施の形態では、着色層52の投影面積Bが、アクチュエータ部本体23の平面上の投影面23aの面積(投影面積)Dと同じかそれよりも小さく設定され、アクチュエータ部本体23の投影面積Dが、振動部38の平面上の投影面38aの面積(投影面積)Eと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0111】
ここで、画素構成体30への光18の導入を主体に説明すると、光導波板20に透明層54が接触又は近接することで、上述したように、透明層54のうち、前記光導波板20と対向する面54aを通じて光導波板20からの光18が画素構成体30に導入されることになる。画素構成体30に導入された光18は、アクチュエータ基板32側に進行していくことになる。
【0112】
このとき、着色層52の投影面積Bが、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aよりも小さい場合は、透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18の一部、特に、透明層54の側面を透過する光が、アクチュエータ部22やアクチュエータ基板32に到達し、不要な散乱光として光導波板20側に反射されることになる。この場合、有効に着色層52に到達した光の反射による散乱光(便宜的に着色散乱光と記す)に前記不要な散乱光が混入し、見かけ上の輝度の低下やコントラストの低下を招くおそれがある。
【0113】
そこで、透明層54と着色層52の両者の面積を広くすることが考えられるが、透明層54の面積を広くすると、透明層54が光導波板20に接触する面積も広くなることから、画素構成体30に導入される光の量が増加し、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費が多くなる。その結果、例えば光導波板20の周辺から光18を導入した場合、光導波板20の中央部分への光18の供給量が減り、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性が低下するおそれがある。
【0114】
しかし、本実施の形態に係る表示装置10では、着色層52の投影面積B並びに白色散乱体50の投影面積Cを共に、透明層54の前記光導波板20との対向面積A以上となるように設定したため、前記透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18は、透明層54の側面から透過した光を含めて、ほとんど着色層52や白色散乱体50に到達することになる。
【0115】
しかも、本実施の形態では、着色層52の投影面積Bを白色散乱体50の投影面積C以上となるように設定したため、白色散乱体50のみに入射するということがなくなり、前記透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18は、透明層54の側面から透過した光を含めて、有効な着色散乱光として光導波板20側に反射することとなる。
【0116】
つまり、本実施の形態では、図7及び図10に示すように、平面から見て、着色層52の領域の中に透明層54の領域が包含されており、より詳しくは、着色層52の領域の中に白色散乱体50の領域が包含され、更に、白色散乱体50の領域の中に透明層54の領域が包含されていることから、透明層54に対してあらゆる方向から入射した光を着色層52にて反射させて有効な有色散乱光として光導波板20側に入射させることができる。
【0117】
これにより、コントラストの向上並びに色純度の向上など、画質の高品位化を実現させることができる。
【0118】
このように、本実施の形態に係る表示装置10においては、画素構成体30に導入された光18の利用率を大幅に向上させることができ、輝度の向上を図ることができる。これにより、透明層54の前記光導波板20と対向する面54aの投影面積Aを小さくすることが可能となり、画素構成体30に導入される光18の量を低減でき、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費を少なくすることができる。その結果、例えば光導波板20の周辺から光18を導入した場合において、光導波板20の中央部分への光の供給量の低減を抑制することができ、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性を確保することができる。
【0119】
なお、着色層52や白色散乱体50の各投影面積B及びCは、表示輝度の向上のためには、アクチュエータ部本体23を含むアクチュエータ基板32の表面全体を覆うようにしてもよい。しかしながら、着色層52や白色散乱体50の各投影面積B及びCをアクチュエータ部本体23あるいは振動部38の各投影面積D及びEよりも大きくすると、アクチュエータ部22の変位量を極端に低下させる懸念や、明室コントラストを低下させる懸念があるため、適切な大きさを選択すればよい。望ましくは、着色層52の投影面積Bを振動部38の投影面積Eよりも小さくすることである。本実施の形態では、図2、図7及び図10に示すように、着色層52の投影面積Bを、アクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれよりも小さく設定し、アクチュエータ部本体23の投影面積Dを、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定した。
【0120】
なお、例えば白色の表示装置を作製する場合においては、着色層52を白色散乱体50に置き換えて実施することができる。
【0121】
次に、本実施の形態に係る表示装置10の3つの変形例について図11〜図13を参照しながら説明する。なお、図11及び図12においては、白色散乱体50の記述を省略する。
【0122】
まず、第1の変形例に係る表示装置10aは、図11に示すように、透明層54の対向面積Aが着色層52の投影面積Bと同じかそれより小さく設定され、着色層52の投影面積Bがアクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれより小さく設定されて構成されている。
【0123】
この場合も、透明層54の光導波板20と対向する面54aから画素構成体30に導入された光18を全て着色層52に到達させることができる。
【0124】
次に、第2の変形例に係る表示装置10bは、図12に示すように、第1の変形例に係る表示装置10aとほぼ同じ構成を有するが、アクチュエータ部本体23と着色層52を透明層54で覆うように形成した点で異なる。即ち、透明層54の平面上の最大投影面積が、着色層52の投影面積Bよりも大きく、かつ、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定されて構成されている。ここで、透明層54の平面上の最大投影面積を振動部38の投影面積Eよりも大きく設定してもよいが、アクチュエータ部22の変位動作が透明層54によって阻害されるおそれがあるため、この第2の変形例のように、透明層54の平面上の最大投影面積を、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定することが好ましい。
【0125】
なお、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aを、着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さく設定し、着色層52の投影面積Bを、アクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれよりも小さく設定し、アクチュエータ部本体23の投影面積Dを、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定している点では、第1の変形例に係る表示装置10aと同様である。
【0126】
この場合も、第1の変形例と同様に、透明層54の光導波板20と対向する面54aから画素構成体30に導入された光18を全て着色層52に到達させることができる。
【0127】
上述の例では、画素構成体30を、透明層54と着色層52と白色散乱体50にて構成した例を示したが、その他、図13に示す第3の変形例に係る表示装置10cのように、画素構成体30を透明層54と白色散乱体50にて構成するようにしてもよい。この場合においても、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aは、白色散乱体50の投影面積Cと同じかそれより小さく設定される。
【0128】
次に、本実施の形態に係る表示装置10にて表示を行うために、該表示装置10に電圧を供給するには、アクチュエータ基板32の端部付近や裏面に配された電極に、リード線やコネクタ、プリント基板、フレキシブルプリント基板等を接続することで実現することができる。また、アクチュエータ基板32の表面や裏面に、回路要素を形成したり、部品を実装してもよい。望ましい電圧供給系の構成例を図14に示す。なお、この図14において、画素構成体30を白色散乱体50、着色層52、透明層54及び接着抑制剤55を含めて構成した例を示す。
【0129】
図14に示すように、アクチュエータ基板32の背面側(表示面の反対側)に対向して、例えばコネクタ200及びドライバIC202等が実装された配線板204が接合され、両者は導電性接着剤206を介して電気的に接続されている。
【0130】
配線板204としては、プリント基板、フレキシブルプリント基板、ビルドアップ基板、セラミック配線板等が好ましく用いられる。配線板204は、単層であっても多層であってもよい。
【0131】
この配線板204上に、一般に用いられている実装技術を用いてドライバIC202、コネクタ200、その他の部品が実装されている。図14では、ドライバIC202を配線板204に接着した後、ワイヤボンディング208にて配線板204とドライバIC202のパッドとを電気的に接続し、その後、ポッティングによってこれらを樹脂210で覆うようにしている。そして、コネクタ200に半田付けする。
【0132】
配線板204とアクチュエータ基板32の接続部は、導電性接着剤206のほかにも、半田付け、異方性導電フィルム、導電ゴム、ワイヤボンディング、リードフレーム、ピン、ばね、圧着等の方法を適用して接続してもよい。また、接続をより確実にするため、補強接着剤212を配置することも効果的である。
【0133】
図14では、配線板204のうち、アクチュエータ基板32に対向する面にはアクチュエータ基板32と接続するための電極パッド214が形成されていて、アクチュエータ基板32側と同じパターンで配列されている。配線板204とアクチュエータ基板32とは、外形がほぼ同じ大きさになっていて、ほぼ全面にわたって電極パッドが配置されている。
【0134】
また、図14では、アクチュエータ基板32の裏面に抵抗体216が形成されており、電気的にドライバIC202とアクチュエータ部22との間にあって電流を制限することで、アクチュエータ部22やドライバIC202の保護、並びに表示の安定性の向上を図っている。
【0135】
アクチュエータ基板32上には、前記抵抗体216に限ることなく、各種回路構成を形成したり、実装してもよい。回路要素としては、各種受動部品、能動部品に加え、コネクタ、ソケット、リード線等も挙げられる。回路要素は、厚膜、薄膜形成プロセス等で形成されてもよいし、チップ部品、ディスクリート部品、パッケージ部品等が、半田付け、導電性接着剤、異方性導電フィルム、導電ゴム、ワイヤボンディング、リードフレーム、ピン、ばね、圧着等の方法で実装されていてもよい。また、アクチュエータ基板32の配線は、単層であっても、多層であってもよく、アクチュエータ基板32の内部に回路要素を作り込んでもよい。
【0136】
配線板204とアクチュエータ基板32とを導電性接着剤206を介して接合する方法は、ガラスとアクチュエータ基板32とを貼り付ける場合と同様に、各種方式が採用できるが、中でも真空包装法が好ましく用いられる。この真空包装法は、まず、部品の実装された配線板204のアクチュエータ基板32側の電極パッド214に、導電性接着剤206を印刷形成した後、これを硬化させる。次に、アクチュエータ基板32側の電極パッド218に導電性接着剤206を印刷すると共に、配線板204側に補強接着剤212を印刷して、2枚の基板(配線板204とアクチュエータ基板32)を位置決めして貼り合わせる。その後、貼り合わされた状態の基板(配線板204とアクチュエータ基板32)を、袋に入れて真空引きする。これにより、基板全面にわたって押し付け合う方向に一様に加圧され、電気的接続と機械的接着が隅々まで確実に行われる。最初に印刷して硬化させた導電性接着剤206がスペーサとなるので、未硬化状態の導電性接着剤206が隣接する電極まで広がって短絡するような不具合は生じない。
【0137】
電気的接続の信頼性を高めるために、導電性接着剤206は補強接着剤212よりも柔軟性のある材質が好ましい。また、画素の接触・離隔の信頼性を高く維持するためには、導電性接着剤206と補強接着剤212は、アクチュエータ基板32と光導波板20とを固定している桟42よりも、柔軟性のある材質が好ましく用いられる。
【0138】
表示装置10の端面には、封止材220によって封止処理が施されており、表示装置10の内部を保護して、表示の信頼性を向上させているほか、端部の機械的強度を増加させて破壊しにくくしている。封止材220は、樹脂、ガラス、ろう等を用いることができ、必要に応じてフィラーを添加してもよい。光の散乱を低く抑えるために、透明又は黒い材料であることが好ましい。
【0139】
なお、この発明に係る表示装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る表示装置によれば、画素構成体に導入された光の利用率を向上させることができ、更に、コントラストの向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を複数配列して構成される大画面ディスプレイを示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置を示す構成図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置の他の構成例を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置の画素構成を示す説明図である。
【図5】アクチュエータ部の構成を示す説明図である。
【図6】アクチュエータ部に形成される一対の電極の平面形状の一例を示す図である。
【図7】画素構成体と桟との位置関係及び画素構成体の各構成部材の大小関係を示す平面図である。
【図8】桟の他の構成を示す説明図である。
【図9】ロウ電極駆動回路から出力されるオフセット電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係を示す表図である。
【図10】本実施の形態に係る表示装置における透明層の光導波板との対向面積、着色層の投影面積、白色散乱体の投影面積、アクチュエータ部本体の投影面積及び振動部の投影面積の大小関係を示す説明図である。
【図11】第1の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図12】第2の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図13】第3の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図14】表示装置の電圧供給系を主体にして示す説明図である。
【図15】提案例に係る表示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10、10a〜10c…表示装置 16…光源
20…光導波板 22…アクチュエータ部
28…画素 30…画素構成体
32…アクチュエータ基板 38…振動部
40…固定部 42…桟
50…白色散乱体 50a…白色散乱体の平面上の投影面
52…着色層 52a…着色層の平面上の投影面
54…透明層
54a…透明層の光導波板と対向する面
55…接着抑制剤層
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示装置に関し、特に、入力される画像信号の属性に応じて光導波板に対するアクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動作を制御して、光導波板の所定部位の漏れ光を制御することにより、光導波板に画像信号に応じた映像を表示させる表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、表示装置として、陰極線管(CRT)、液晶表示装置、プラズマディスプレイ等の表示装置が知られている。
【0003】
陰極線管としては、通常のテレビジョン受像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られているが、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画面の大きさに比例して表示装置全体の奥行きが大きくなるという問題がある。また、表示画像の周辺部で分解能が低下し、像又は図形が歪む、記憶作用がない、大型表示ができないなどの難点もある。
【0004】
この理由は、電子銃から放射された電子ビームを大きく偏向させることから、電子ビームがブラウン管の蛍光面に斜めに到達する箇所では発光点(ビームスポット)が広がり、像が斜めに表示されるようになる。これにより、表示画像に歪みが生じてしまうという不都合がある。ブラウン管内部の大きな空間を真空に保つには限度があるからである。
【0005】
一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。また、電圧レベルにより階調表現を行うようにしているため、駆動回路の構成が非常に複雑になるという難点がある。
【0006】
例えば、デジタルデータ線を用いた場合、その駆動回路は、コンポーネントRGBデータ(各8ビット)を所定期間保持するラッチ回路と、電圧セレクタと、階調数に応じた種類の電圧レベルに切り換えるマルチプレクサと、該マルチプレクサからの出力データをデジタルデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、階調数が大きくなるとマルチプレクサにおいて非常に多くのレベルの切換え動作が必要になり、それに伴って、回路構成が複雑になる。
【0007】
アナログデータ線を用いた場合、その駆動回路は、順次入力されるコンポーネントRGBデータ(各8ビット)を水平方向に整列させるためのシフトレジスタと、シフトレジスタからのパラレルデータを所定期間保持するラッチ回路と、電圧レベルの調整をとるレベルシフタと、レベルシフタからの出力データをアナログ信号に変換するD/A変換器と、該D/A変換器からの出力信号をアナログデータ線に加えるための出力回路を有して構成される。この場合、D/A変換器において、オペアンプを使用することにより、階調に応じた所定の電圧を得るようにしているが、階調の範囲が広くなると、高精度の電圧を出力するオペアンプを使用する必要があり、構造が複雑になると共に価格も高くなるという欠点がある。
【0008】
プラズマディスプレイは、液晶表示装置と同様に、表示部自体が体積をとらないため、小型化が可能であり、平板な表示面であるため、見やすいという長所があり、特に、交流型プラズマディスプレイにおいては、セルの記憶作用により、リフレッシュメモリが不要であるという長所も有する。
【0009】
ところで、前記プラズマディスプレイにおいては、セルに記憶作用を持たせるために、印加電圧の極性を交番的に切り換えて放電を持続させる必要がある。そのため、駆動回路に、X方向のサスティンパルスを発生させるための第1のパルス発生器と、Y方向のサスティンパルスを発生させるための第2のパルス発生器を設ける必要があり、駆動回路の構成がどうしても複雑になるという問題がある。
【0010】
一方、本出願人は、前記CRT、液晶表示装置やプラズマディスプレイでの問題を解消するために、新規な表示装置を提案した(例えば、特開平7−287176号公報参照)。
【0011】
この表示装置は、図15に示すように、画素毎に配列されたアクチュエータ部400を有し、各アクチュエータ部400は、圧電/電歪層402と該圧電/電歪層402の上面及び下面にそれぞれ形成された上部電極404と下部電極406とを具備したアクチュエータ部本体408と、該アクチュエータ部本体408の下部に配設された振動部410と固定部412からなる基体414とを有して構成されている。アクチュエータ部本体408の下部電極406は、振動部410と接触して、振動部410により前記アクチュエータ部本体408が支持されている。
【0012】
前記基体414は、振動部410及び固定部412が一体となってセラミックスにて構成され、更に、基体414には、前記振動部410が薄肉になるように凹部416が形成されている。
【0013】
また、アクチュエータ部本体408の上部電極404には、光導波板418との接触面積を所定の大きさにするための画素構成体420が接続されており、図15の例では、前記画素構成体420は、アクチュエータ部400が静止している通常状態において、光導波板418に近接して配置され、励起状態において前記光導波板418に光の波長以下の距離で接触するように配置されている。
【0014】
そして、前記光導波板418の例えば端部から光422を導入する。この場合、光導波板418の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光422が光導波板418の前面及び背面において透過することなく内部で全反射する。この状態で、前記上部電極404及び下部電極406を通してアクチュエータ部400に画像信号の属性に応じた電圧信号を選択的に印加して、該アクチュエータ部400に通常状態による静止と励起状態による変位を行わせることにより、前記画素構成体420の光導波板418への接触・離隔が制御され、これにより、前記光導波板418の所定部位の散乱光(漏れ光)424が制御されて、光導波板418に画像信号に応じた映像の表示がなされる。
【0015】
この表示装置によれば、(1)消費電力を少なくできること、(2)画面輝度を大きくすることができること、(3)カラー画面にする場合において、画素数を白黒画面の場合に比して増加させる必要がないこと等の利点を有する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のアクチュエータ部400を用いた表示装置において、画素構成体420に導入された光の利用率を向上させることができ、更に、コントラストの向上をも図ることができる表示装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示装置は、アクチュエータ部を有する基板と、光導波板と、前記光導波板と前記基板との間に介在して、かつ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部上に接合された画素構成体とを具備し、前記画素構成体は、前記光導波板に接触又は近接する透明層を含み、前記透明層の前記光導波板と対向する面の面積が、前記画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことを特徴とする。
【0018】
これにより、光導波板に透明層が接触又は近接することで、透明層のうち、前記光導波板と対向する面を通じて光導波板からの光が画素構成体に導入されることになる。画素構成体に導入された光は、アクチュエータ基板側に進行していくことになる。
【0019】
このとき、画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積が、透明層の前記光導波板と対向する面の面積と同じかそれよりも小さい場合は、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光の一部、特に、透明層の側面を透過する光は、アクチュエータ部やアクチュエータ基板に到達し、不要な散乱光として光導波板側に反射されることになる。この場合、有効に画素構成体に到達した光の反射による散乱光(表示上有効な散乱光)に前記不要な散乱光が混入し、見かけ上の輝度の低下やコントラストの低下を招くおそれがある。
【0020】
そこで、透明層と他の層の両者の面積を広くすることが考えられるが、透明層の面積(光導波板との対向面積)を広くすると、透明層が光導波板に接触する面積も広くなることから、画素構成体に導入される光の量が増加し、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費が多くなる。その結果、例えば光導波板の周辺から光を導入した場合、光導波板の中央部分への光の供給量が減り、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性が低下するおそれがある。また、上述のように透明層の面積を広くすると、光導波板と透明層とが密着しやすくなり、画素の消光が不十分になるおそれがある。
【0021】
しかし、本発明では、前記透明層の前記光導波板と対向する面の面積が、前記画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことから、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光は、透明層の側面から透過した光を含めて、全て画素構成体に到達し、有効な散乱光として光導波板側に反射することとなる。
【0022】
このようなことから、本発明に係る表示装置においては、画素構成体に導入された光の利用率を大幅に向上させることができ、輝度の向上を図ることができる。これにより、透明層の前記光導波板と対向する面の面積を小さくすることが可能となり、画素構成体に導入される光の量を低減でき、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費を少なくすることができる。
【0023】
その結果、例えば光導波板の周辺から光を導入した場合において、光導波板の中央部分への光の供給量の低減を抑制することができ、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性を確保することができる。また、光導波板と透明層が密着しやすくなるなどの不具合を招くことなく、上記の効果が実現できる。
【0024】
そして、前記他の層が白色散乱体を含むようにしてもよい。この場合、前記透明層の光導波板と対向する面から導入された光は、透明層の側面から透過した光を含めて、全て画素構成体に到達するが、白色散乱体に到達した光は有効な散乱光として光導波板側に反射することとなる。
【0025】
また、前記他の層が着色層を含むようにしてもよいし、あるいは白色散乱体及び着色層を含むようにしてもよい。この場合、前記白色散乱体の平面上の投影面積が、前記着色層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことが好ましい。これにより、着色層を通過せずに直接白色散乱体に当たるということがなくなり、不要な散乱光が生じなくなることから、コントラストの低下や色純度の低下等、画質の低下を引き起こすことはない。
【0026】
そして、本発明においては、前記アクチュエータ部が、前記基板に設けられた振動部と該振動部上に形成されたアクチュエータ部本体とを有する場合に、前記画素構成体の平面上の投影面積を、前記振動部の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さく設定してもよい。
【0027】
また、前記画素構成体の平面上の投影面積を、前記アクチュエータ部本体の平面上の投影面積よりも小さく設定してもよい。この場合、アクチュエータ部の変位動作を着色層が阻害するという懸念がないため、好ましい。
【0028】
なお、前記着色層としては、色フィルタや有色散乱体を用いることができるほか、着色層と白色散乱体とを一体化させた白色の着色層を用いることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の実施の形態例を図1〜図14を参照しながら説明する。
【0030】
本実施の形態に係る表示装置10は、例えば図1に示すように、ガラスやアクリル樹脂等から構成された大型の導光板102の一主面に複数個の表示装置10を縦方向及び横方向に配列することによって大画面ディスプレイ100を構成することができる。この大画面ディスプレイ100は、直視型で薄型・高輝度・広視野角等の特徴を有している。
【0031】
表示装置10の配列を任意に変更することで、通常の長方形のディスプレイのほかにも、横長あるいは縦長、円形状など様々な形状の画面を形成することができる。また、導光板を湾曲させておけば、曲面ディスプレイを形成することもできる。
【0032】
そして、本実施の形態に係る表示装置10は、図2に示すように、光源16からの光18が導入される光導波板20と、該光導波板20の背面に対向して設けられ、かつ多数のアクチュエータ部22が画素に対応してマトリックス状あるいは千鳥状に配列された駆動部24を有して構成されている。
【0033】
画素の配列構成は、例えば図4に示すように、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1つのドット26が構成され、水平方向に並ぶ3つのドット26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)で1つの画素28が構成されている。更に、この表示装置10においては、画素28の並びを水平方向に16個(48ドット)、垂直方向に16個(16ドット)としている。
【0034】
なお、図1の大画面ディスプレイ100は、例えばVGAの規格に準拠すべく、水平方向に640画素(1920ドット)が並び、垂直方向に480画素(480ドット)が並ぶように、導光板102の背面に、表示装置10を水平方向に40個、垂直方向に30個配列させるようにしている。
【0035】
導光板102は、ガラス板やアクリル板等の可視光領域での光透過率が大であって均一なものが使用され、各表示装置10間は、ワイヤボンディングや半田付け、端面コネクタ、裏面コネクタ等で接続することにより相互間の信号供給が行えるようになっている。
【0036】
なお、前記導光板102と各表示装置10の光導波板20とは屈折率が類似したものが好ましく、導光板102と光導波板20とを貼り合わせる場合には、透明な接着剤や液体を用いてもよい。この接着剤は、導光板102や光導波板20と同様に、可視光領域で均一で、かつ、高い透過率を有することが好ましく、また、屈折率も導光板102や光導波板20と近いものに設定することが画面の明るさを確保する上で望ましい。
【0037】
ところで、各表示装置10は、図2に示すように、各アクチュエータ部22上に、それぞれ画素構成体30が積層されている。
【0038】
駆動部24は、例えばセラミックスにて構成されたアクチュエータ基板32を有し、該アクチュエータ基板32の各ドット26が形成されるべき部分にそれぞれ2つのアクチュエータ部22が配設されている。前記アクチュエータ基板32は、一主面が光導波板20の背面に対向するように配置されており、該一主面は連続した面(面一)とされている。アクチュエータ基板32の内部には、各アクチュエータ部22が形成される部分に対応した位置に、それぞれ後述する振動部を形成するための空所34が設けられている。各空所34は、アクチュエータ基板32の他端面に設けられた径の小さい貫通孔36を通じて外部と連通されている。
【0039】
前記アクチュエータ基板32のうち、空所34の形成されている部分が薄肉とされ、それ以外の部分が厚肉とされている。薄肉の部分は、外部応力に対して振動を受けやすい構造となって振動部38として機能し、空所34以外の部分は厚肉とされて前記振動部38を支持する固定部40として機能するようになっている。
【0040】
つまり、アクチュエータ基板32は、最下層である基板層32Aと中間層であるスペーサ層32Bと最上層である薄板層32Cの積層体であって、スペーサ層32Bのうち、アクチュエータ部22に対応する箇所に空所34が形成された一体構造体として把握することができる。基板層32Aは、補強用基板として機能するほか、配線用の基板としても機能するようになっている。なお、前記アクチュエータ基板32は、一体焼成であっても、後付けであってもよい。
【0041】
そして、前記薄板層32Cの厚みとしては、アクチュエータ部22を大きく変位させるために、通常50μm以下とされ、好ましくは3〜20μm程度とされる。
【0042】
スペーサ層32Bは、アクチュエータ基板32に空所34を構成するものとして存在していればよく、その厚みは特に制限されるものではない。しかし一方で、空所34の利用目的に応じてその厚みを決定してもよく、その中でもアクチュエータ部22が機能する上で必要以上の厚みを有さず、例えば図3に示すように、薄い状態で構成されていることが好ましい。即ち、スペーサ層32Bの厚みは、利用するアクチュエータ部22の変位の大きさ程度であることが好ましい。
【0043】
このような構成により、薄肉の部分(振動部38の部分)の撓みが、その撓み方向に近接する基板層32Aにより制限され、意図しない外力の印加に対して、前記薄肉部分の破壊を防止するという効果が得られる。なお、基板層32Aによる撓みの制限効果を利用して、アクチュエータ部22の変位を特定値に安定させることも可能である。
【0044】
また、スペーサ層32Bを薄くすることで、アクチュエータ基板32自体の厚みが低減し、曲げ剛性を小さくすることができるため、例えばアクチュエータ基板32を別体に接着・固定するにあたって、相手方(例えば光導波板20)に対し、自分自身(この場合、アクチュエータ基板32)の反り等が効果的に矯正され、接着・固定の信頼性の向上を図ることができる。
【0045】
加えて、アクチュエータ基板32が全体として薄く構成されるため、アクチュエータ基板32の製造にあたっての原材料使用量を低減することができ、製造コストの観点からも有利な構造である。従って、スペーサ層32Bの具体的な厚みとしては、3〜50μmとすることが好ましく、中でも3〜20μmとすることが好ましい。
【0046】
一方、基板層32Aの厚みとしては、上述したスペーサ層32Bを薄く構成することから、アクチュエータ基板32全体の補強目的として、50μm以上、好ましくは80〜300μm程度とされる。
【0047】
ここで、アクチュエータ部22と画素構成体30の具体例について図5をも参照しながら説明する。なお、以下の説明では、後述する桟42と光導波板20との間に光遮蔽層44を設けた場合を想定して説明する。
【0048】
まず、アクチュエータ部22は、図5に示すように、前記振動部38と固定部40のほか、該振動部38上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体層等の形状保持層46と、該形状保持層46の上面と下面に形成された一対の電極48(ロウ電極48a及びカラム電極48b)とからなるアクチュエータ部本体23を有する。各アクチュエータ部本体23を含むアクチュエータ基板32上のほぼ全面に光吸収層25が形成されている。この光吸収層25の形成によって、外方からアクチュエータ部本体23やアクチュエータ基板32に入射した光を表示面側に散乱させることがなくなり、コントラストの向上を図ることができる。
【0049】
一対の電極48は、図5に示すように、形状保持層46に対して上下に形成した構造や、図示しないが、片側だけに形成した構造でもよいし、形状保持層46の上部のみに一対の電極48(48a及び48b)を形成するようにしてもよい。
【0050】
一対の電極48を形状保持層46の上部のみに形成する場合、一対の電極48の平面形状としては、図6に示すように、多数のくし歯が相補的に対峙した形状としてもよく、その他、特開平10−78549号公報にも示されているように、渦巻き状や多枝形状などを採用することができる。
【0051】
一方、画素構成体30は、例えば図2に示すように、アクチュエータ部本体23上に光吸収層25を介して形成された白色散乱体50と、アクチュエータ部本体23上において、前記白色散乱体50を被覆するように形成された着色層52と、該着色層52上に形成された透明層54との積層体で構成することができる。この画素構成体30はアクチュエータ部22の変位伝達部としても機能する。前記着色層52としては、例えば色フィルタや有色散乱体を用いることができる。
【0052】
画素構成体30としては、図2に示す構成のほかに、図3に示すように、白色散乱体50、着色層52及び透明層54からなる積層体と、該積層体の上端面に形成された接着抑制剤層55を含めて構成することもできる。
【0053】
その他、図示しないが、着色層52又は白色散乱体50の下層に光反射層を介在させるようにしてもよい。この場合、光反射層とアクチュエータ部本体23間に絶縁層を形成することが望ましい。
【0054】
また、本実施の形態に係る表示装置10においては、図2及び図3に示すように、光導波板20とアクチュエータ基板32との間に、画素構成体30以外の部分に形成された桟42を有して構成され、桟42の材質は、熱、圧力に対して変形しないものが好ましい。
【0055】
桟42は、例えば画素構成体30の四方に形成することができる。ここで、画素構成体30の四方とは、図7に示すように、例えば画素構成体30(図2参照)が平面ほぼ矩形状あるいは楕円形状であれば、各コーナー部に対応した位置などが挙げられ、1つの桟42が隣接する画素構成体30と共有される形態を示す。この場合、桟42は、振動部38よりも外側に配することが好ましい。これにより、アクチュエータ部22の変位動作が桟42によって阻害されるということがなくなる。
【0056】
桟42の他の例としては、例えば桟42が光吸収材料で構成されている場合、図8に示すように、桟42に少なくとも1つの画素構成体30を囲む窓部42aを有するように構成してもよい。代表的な構成例としては、例えば、桟42自体を板状に形成し、更に画素構成体30に対応した位置に画素構成体30の外形形状に類似した形状の窓部(開口)42aを形成する。これによって、画素構成体30の側面全部が桟42によって囲まれたかたちになり、アクチュエータ基板32と光導波板20との固着が更に強固なものとなる。この場合、桟42の開口幅42aは、振動部38よりも大きくすること(振動部38の平面上の投影面の面積E(図2参照)よりも大きくすること)が好ましい。これにより、アクチュエータ部22の変位動作が桟42によって阻害されるということがなくなる。
【0057】
ここで、表示装置10の各構成部材、特に各構成部材の材料等の選定について説明する。
【0058】
まず、光導波板20に入射される光18としては、紫外域、可視域、赤外域のいずれであってもよい。光源16としては、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、レーザー、プラズマ光源、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、冷陰極管などが用いられる。
【0059】
振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。その理由は、アクチュエータ部22を有機接着剤等の耐熱性に劣る材料を用いずに、固定部40によって直接振動部38を支持させる構造とする場合、少なくとも形状保持層46の形成時に、振動部38が変質しないようにするため、振動部38は、高耐熱性材料であることが好ましい。
【0060】
また、振動部38は、アクチュエータ基板32上に形成される一対の電極48におけるロウ電極48aに通じる配線とカラム電極48bに通じる配線(例えばデータ線)との電気的な分離を行うために、電気絶縁材料であることが好ましい。
【0061】
従って、振動部38の材料としては、高耐熱性の金属あるいはその金属表面をガラス等のセラミック材料で被覆したホーロウ等の材料であってもよいが、セラミックスが最適である。
【0062】
振動部38を構成するセラミックスとしては、例えば安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。安定化された酸化ジルコニウムは、振動部38の厚みが薄くても機械的強度が高いこと、靭性が高いこと、形状保持層46及び一対の電極48との化学反応性が小さいこと等のため、特に好ましい。安定化された酸化ジルコニウムとは、安定化酸化ジルコニウム及び部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等の結晶構造をとるため、相転移を起こさない。
【0063】
一方、酸化ジルコニウムは、1000℃前後で、単斜晶と正方晶とで相転移し、この相転移のときにクラックが発生する場合がある。安定化された酸化ジルコニウムは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有する。振動部38の機械的強度を高めるために、安定化剤が酸化イットリウムを含有することが好ましい。このとき、酸化イットリウムを、好ましくは1.5〜6モル%含有し、更に好ましくは2〜4モル%含有するとよく、更に0.1〜5モル%の酸化アルミニウムが含有されていると一層好ましい。
【0064】
また、結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよいが、中でも主たる結晶相が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相としたものが、強度、靭性、耐久性の観点から最も好ましい。
【0065】
振動部38がセラミックスからなるとき、多数の結晶粒が振動部38を構成するが、振動部38の機械的強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.05〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであることが更に好ましい。
【0066】
固定部40は、セラミックスからなることが好ましいが、振動部38の材料と同一のセラミックスでもよいし、異なっていてもよい。固定部40を構成するセラミックスとしては、振動部38の材料と同様に、例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの混合物等を用いることができる。
【0067】
特に、この表示装置10で用いられるアクチュエータ基板32は、酸化ジルコニウムを主成分とする材料、酸化アルミニウムを主成分とする材料、又はこれらの混合物を主成分とする材料等が好適に採用される。その中でも、酸化ジルコニウムを主成分としたものが更に好ましい。
【0068】
なお、焼結助剤として粘土等を加えることもあるが、酸化珪素、酸化ホウ素等のガラス化しやすいものが過剰に含まれないように、助剤成分を調節する必要がある。なぜなら、これらガラス化しやすい材料は、アクチュエータ基板32と形状保持層46とを接合させる上で有利ではあるものの、アクチュエータ基板32と形状保持層46との反応を促進し、所定の形状保持層46の組成を維持することが困難となり、その結果、素子特性を低下させる原因となるからである。
【0069】
即ち、アクチュエータ基板32中の酸化珪素等は重量比で3%以下、更に好ましくは1%以下となるように制限することが好ましい。ここで、主成分とは、重量比で50%以上の割合で存在する成分をいう。
【0070】
形状保持層46は、上述したように、圧電/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、形状保持層46として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コバルトニオブ酸鉛等、又はこれらの何れかの組合せを含有するセラミックスが挙げられる。
【0071】
主成分がこれらの化合物を50重量%以上含有するものであってもよいことはいうまでもない。また、前記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有するセラミックスは、形状保持層46を構成する圧電/電歪層の構成材料として最も使用頻度が高い。
【0072】
また、圧電/電歪層をセラミックスにて構成する場合、前記セラミックスに、更に、ランタン、カルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の酸化物、若しくはこれらの何れかの組合せ、又は他の化合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。
【0073】
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチタン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にランタンやストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが好ましい。
【0074】
圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質であってもよいが、多孔質の場合には、その気孔率が40%以下であることが好ましい。
【0075】
形状保持層46として反強誘電体層を用いる場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分を主成分とするもの、更にはジルコン酸鉛に酸化ランタンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したものが望ましい。
【0076】
特に、下記の組成のようにジルコン酸鉛とスズ酸鉛からなる成分を含む反強誘電体膜をアクチュエータ部22のような膜型素子として適用する場合、比較的低電圧で駆動することができるため、特に好ましい。
【0077】
Pb0.99Nb0.02[(ZrxSn1−x)1−yTiy]0.98O3
但し、0.5 <x< 0.6,0.05<y< 0.063,0.01<Nb< 0.03
【0078】
また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよいが、多孔質の場合にはその気孔率が30%以下であることが望ましい。
【0079】
そして、振動部38の上に形状保持層46を形成する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法等の各種厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき等の各種薄膜形成法を用いることができる。
【0080】
この実施の形態においては、振動部38上に前記形状保持層46を形成するにあたっては、スクリーン印刷法やディッピング法、塗布法、電気泳動法等による厚膜形成法が好適に採用される。
【0081】
これらの手法は、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの粒子を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペンション、エマルジョン、ゾル等を用いて形成することができ、良好な圧電作動特性が得られるからである。
【0082】
特に、電気泳動法は、膜を高い密度で、かつ、高い形状精度で形成することができることをはじめ、「電気化学および工業物理化学 Vol.53,No.1(1985),p63〜68 安斎和夫著」あるいは「第1回電気泳動法によるセラミックスの高次成形法 研究討論会 予稿集(1998),p5〜6,p23〜24」等の技術文献に記載されるような特徴を有する。従って、要求精度や信頼性等を考慮して、適宜、手法を選択して用いるとよい。
【0083】
また、前記振動部38の厚みと形状保持層46の厚みは、同次元の厚みであることが好ましい。なぜなら、振動部38の厚みが極端に形状保持層46の厚みより厚くなると(1桁以上異なると)、形状保持層46の焼成収縮に対して、振動部38がその収縮を妨げるように働くため、形状保持層46とアクチュエータ基板32界面での応力が大きくなり、はがれ易くなる。反対に、厚みの次元が同程度であれば、形状保持層46の焼成収縮にアクチュエータ基板32(振動部38)が追従し易くなるため、一体化には好適である。具体的には、振動部38の厚みは、1〜100μmであることが好ましく、3〜50μmが更に好ましく、5〜20μmがより一層好ましい。一方、形状保持層46は、その厚みとして5〜100μmが好ましく、5〜50μmが更に好ましく、5〜30μmがより一層好ましい。
【0084】
前記形状保持層46の上面及び下面に形成されるロウ電極48a及びカラム電極48b、あるいは形状保持層46上に形成される一対の電極48は、用途に応じて適宜な厚さとするが、0.01〜50μmの厚さであることが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。また、前記ロウ電極48a及びカラム電極48bは、室温で固体であって、導電性の金属で構成されていることが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等を含有する金属単体又は合金が挙げられる。これらの元素を任意の組合せで含有していてもよいことはいうまでもない。
【0085】
また、これらの金属単体及び合金に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化銅等の金属酸化物を添加することが好ましく、更には、金属単体及び合金に対して、前記振動部38及び/又は圧電/電歪層及び/又は反強誘電体層と同じ材料を分散させたサーメットとすることも好ましい。特に、電極としてサーメットを用いた場合には、形状保持層46を作動させたときの、変位動作の経時的な劣化を効果的に抑制することができ、好ましい。
【0086】
光導波板20は、その内部に導入された光18が前面及び背面において光導波板20の外部に透過せずに全反射するような光屈折率を有するものであり、導入される光18の波長領域での透過率が均一で、かつ高いものであることが必要である。このような特性を具備するものであれば、特にその材質は制限されないが、具体的には、例えばガラス、石英、アクリル等の透光性プラスチック、透光性セラミックスなど、あるいは異なる屈折率を有する材料の複数層構造体、又は表面にコーティング層を設けたものなどが一般的なものとして挙げられる。
【0087】
また、画素構成体30に含まれる色フィルタや有色散乱体等からなる着色層52とは、特定の波長領域の光だけを取り出すために用いられる層であり、例えば特定の波長の光を吸収、透過、反射、散乱させることで発色させるものや、入射した光を別の波長のものに変換させるものなどがある。透明体、半透明体及び不透明体を単独、もしくは組み合わせて用いることができる。
【0088】
構成は、例えば染料、顔料、イオンなどの色素や蛍光体を、ゴム、有機樹脂、透光性セラミックス、ガラス、液体等の内部に分散、溶解したものや、それらの表面に塗布したもの、更には上述の色素や蛍光体等の粉末を焼結させたり、プレスして固めたものなどがある。材質及び構造については、これらを単独で用いてもよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0089】
色フィルタと有色散乱体との違いは、光18を導入した光導波板20に画素構成体30を接触させて発光状態にしたときに、着色層52のみでの反射、散乱による漏れ光の輝度値が、画素構成体30及びアクチュエータ部22を含めた全構成体の反射、散乱による漏れ光の輝度値の0.5倍以上であれば、その着色層52は有色散乱体であると定義し、0.5倍未満であればその着色層52は色フィルタであると定義する。
【0090】
測定法の具体例を挙げると、光18が導入された光導波板20の背面に、前記着色層52の単体を接触させたとき、該着色層52から該光導波板20を通過し、前面に漏れ出した光の正面輝度がA(nt)であり、また、該着色層52の光導波板20と接する反対側の面に更に画素構成体30を接触させたとき、前面に漏れ出した光の正面輝度がB(nt)であったとすると、A≧0.5×Bを満たすときは、前記着色層52は有色散乱体であり、A<0.5×Bを満たすときは色フィルタである。
【0091】
上述の正面輝度とは、輝度を測定する輝度計と前記着色層52とを結ぶ線が、前記光導波板20の前記着色層52と接する面に対して垂直であるように輝度計を配置(輝度計の検出面は光導波板20の板面に平行)して計測した輝度である。
【0092】
有色散乱体の利点は、層の厚みにより色調や輝度が変化しにくいことであり、そのための層形成法として、層厚の厳密な制御は難しいが、コストが安いスクリーン印刷など、多種の適用が可能である。
【0093】
また、有色散乱体が変位伝達部を兼ねることにより、層形成プロセスを簡略化できるほか、それら全体の層厚を薄くできるため、表示装置10全体の厚みを薄くすることが可能であり、また、アクチュエータ部22の変位量低下の防止及び応答速度の向上が可能である。
【0094】
なお、色フィルタや有色散乱体等からなる着色層52の膜形成法としては、特に制限はなく、公知の各種の膜形成法を適用することができる。アクチュエータ部22の面上に、チップ状、フィルム状の着色層52を直接貼り付けるフィルム貼着法のほか、着色層52の原材料となる粉末、ペースト、液体、気体、イオン等を、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ法、スプレー・ディッピング、塗布等の厚膜形成手法や、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング、CVD、めっき等の薄膜形成手法により成膜し、着色層52を形成する方法がある。
【0095】
また、前記画素構成体30としてその全部あるいは一部に発光層を設けるようにしてもよい。この発光層としては蛍光体層が挙げられる。この蛍光体層は、不可視光(紫外線や赤外線)によって励起され、可視光を発光するものや、可視光によって励起されて可視光を発光するものがあるが、いずれであってもよい。
【0096】
また、前記発光層として、蛍光顔料も用いることができる。この蛍光顔料を用いると、顔料自体の色、即ち、反射色にほぼ一致する波長の蛍光が加わるものは、それだけ色刺激が大きく、鮮やかに発光するため、表示装置10や大画面ディスプレイ100の高輝度化に対してより好ましく用いられ、一般的な昼光蛍光顔料が好ましく用いられる。
【0097】
また、発光層として、輝尽性蛍光体や、燐光体、あるいは蓄光顔料も用いられる。これらの材料は、有機材料、無機材料のいずれであってもよい。
【0098】
そして、上述した発光材料を単独で用いて発光層を形成したもの、これらの発光材料を樹脂に分散させたものを用いて発光層を形成したもの、あるいはこれらの発光材料を樹脂に溶解させたもので発光層を形成したものが好ましく用いられる。
【0099】
発光材料の残光時間としては、1秒以下が好ましく、より好ましくは30m秒以下がよい。更に好ましくは数m秒以下がよい。
【0100】
そして、画素構成体30の全部あるいはその一部として前記発光層を用いた場合は、光源16として、前記発光層を励起する波長の光を含み、励起に十分なエネルギー密度を有していれば、特に制限はない。例えば、冷陰極管、熱陰極管(又はそのフィラメント状熱陰極の代わりにカーボンナノチューブ−フィールドエミッタを配置したもの)、メタルハライドランプ、キセノンランプ、赤外線レーザを含むレーザ、ブラックライト、ハロゲンランプ、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ランプ、水銀ランプ、トリチウムランプ、発光ダイオード、プラズマ光源などが用いられる。
【0101】
次に、本実施の形態に係る表示装置10の動作を図2を参照しながら簡単に説明する。この動作説明においては、図9に示すように、各アクチュエータ部22のロウ電極48aに印加されるオフセット電位として例えば10Vを使用し、各アクチュエータ部22のカラム電極48bに印加されるオン信号及びオフ信号の電位としてそれぞれ0V及び60Vを使用した例を示す。
【0102】
従って、カラム電極48bにオン信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に低レベル電圧(−10V)がかかり、カラム電極48bにオフ信号が印加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極48b及びロウ電極48a間に高レベル電圧(50V)がかかることになる。
【0103】
そして、まず、光導波板20の例えば端部から光18が導入される。この場合、画素構成体30が光導波板20に接触していない状態で、光導波板20の屈折率の大きさを調節することにより、全ての光18が光導波板20の前面及び背面において透過することなく内部で全反射させるようにする。光導波板20の反射率nとしては、1.3〜1.8が望ましく、1.4〜1.7がより望ましい。
【0104】
この例においては、アクチュエータ部22の自然状態において、画素構成体30の端面が光導波板20の背面に対して光18の波長以下の距離で接触しているため、光18は、画素構成体30の表面で反射し、散乱光62となる。この散乱光62は、一部は再度光導波板20の中で反射するが、散乱光62の大部分は光導波板20で反射されることなく、光導波板20の前面(表面)を透過することになる。これによって、全てのアクチュエータ部22がオン状態となり、そのオン状態が発光というかたちで具現され、しかも、その発光色は画素構成体30に含まれる着色層52の色に対応したものとなる。
【0105】
この状態から、あるドット26に対応するアクチュエータ部22にオフ信号が印加されると、当該アクチュエータ部22が図2に示すように、空所34側に凸となるように屈曲変位、即ち、一方向に屈曲変位して、画素構成体30の端面が光導波板20から離間し、当該アクチュエータ部22がオフ状態となり、そのオフ状態が消光というかたちで具現される。
【0106】
つまり、この表示装置10は、画素構成体30の光導波板20への接触の有無により、光導波板20の前面における光の発光(漏れ光)の有無を制御することができる。
【0107】
特に、この表示装置10では、光導波板20に対して画素構成体30を接近・離隔方向に変位動作させる1つの単位を垂直方向に並べたものを1ドットとし、このドットが水平方向に3つ並んだもの(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)を1画素とし、この画素を多数マトリックス状、あるいは各行に関し千鳥状に配列するようにしているため、入力される画像信号の属性に応じて各画素での変位動作を制御することにより、陰極線管や液晶表示装置並びにプラズマディスプレイと同様に、光導波板20の前面、即ち、表示面に画像信号に応じたカラー映像(文字や図形等)を表示させることができる。
【0108】
そして、この実施の形態に係る表示装置10は、図2、図7及び図10に示すように、透明層54の前記光導波板20と対向する面54aの面積(対向面積)Aが、着色層52の平面上の投影面52aの面積(投影面積)Bと同じかそれより小さく設定され、白色散乱体50の平面上の投影面50aの面積(投影面積)Cが、着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0109】
また、この実施の形態では、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aが、白色散乱体50の投影面積Cと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0110】
更に、本実施の形態では、着色層52の投影面積Bが、アクチュエータ部本体23の平面上の投影面23aの面積(投影面積)Dと同じかそれよりも小さく設定され、アクチュエータ部本体23の投影面積Dが、振動部38の平面上の投影面38aの面積(投影面積)Eと同じかそれよりも小さく設定されている。
【0111】
ここで、画素構成体30への光18の導入を主体に説明すると、光導波板20に透明層54が接触又は近接することで、上述したように、透明層54のうち、前記光導波板20と対向する面54aを通じて光導波板20からの光18が画素構成体30に導入されることになる。画素構成体30に導入された光18は、アクチュエータ基板32側に進行していくことになる。
【0112】
このとき、着色層52の投影面積Bが、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aよりも小さい場合は、透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18の一部、特に、透明層54の側面を透過する光が、アクチュエータ部22やアクチュエータ基板32に到達し、不要な散乱光として光導波板20側に反射されることになる。この場合、有効に着色層52に到達した光の反射による散乱光(便宜的に着色散乱光と記す)に前記不要な散乱光が混入し、見かけ上の輝度の低下やコントラストの低下を招くおそれがある。
【0113】
そこで、透明層54と着色層52の両者の面積を広くすることが考えられるが、透明層54の面積を広くすると、透明層54が光導波板20に接触する面積も広くなることから、画素構成体30に導入される光の量が増加し、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費が多くなる。その結果、例えば光導波板20の周辺から光18を導入した場合、光導波板20の中央部分への光18の供給量が減り、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性が低下するおそれがある。
【0114】
しかし、本実施の形態に係る表示装置10では、着色層52の投影面積B並びに白色散乱体50の投影面積Cを共に、透明層54の前記光導波板20との対向面積A以上となるように設定したため、前記透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18は、透明層54の側面から透過した光を含めて、ほとんど着色層52や白色散乱体50に到達することになる。
【0115】
しかも、本実施の形態では、着色層52の投影面積Bを白色散乱体50の投影面積C以上となるように設定したため、白色散乱体50のみに入射するということがなくなり、前記透明層54の光導波板20と対向する面54aから導入された光18は、透明層54の側面から透過した光を含めて、有効な着色散乱光として光導波板20側に反射することとなる。
【0116】
つまり、本実施の形態では、図7及び図10に示すように、平面から見て、着色層52の領域の中に透明層54の領域が包含されており、より詳しくは、着色層52の領域の中に白色散乱体50の領域が包含され、更に、白色散乱体50の領域の中に透明層54の領域が包含されていることから、透明層54に対してあらゆる方向から入射した光を着色層52にて反射させて有効な有色散乱光として光導波板20側に入射させることができる。
【0117】
これにより、コントラストの向上並びに色純度の向上など、画質の高品位化を実現させることができる。
【0118】
このように、本実施の形態に係る表示装置10においては、画素構成体30に導入された光18の利用率を大幅に向上させることができ、輝度の向上を図ることができる。これにより、透明層54の前記光導波板20と対向する面54aの投影面積Aを小さくすることが可能となり、画素構成体30に導入される光18の量を低減でき、1画素当たり、あるいは1ドット当たりの光の消費を少なくすることができる。その結果、例えば光導波板20の周辺から光18を導入した場合において、光導波板20の中央部分への光の供給量の低減を抑制することができ、単一色を表示した場合における表示輝度の一様性を確保することができる。
【0119】
なお、着色層52や白色散乱体50の各投影面積B及びCは、表示輝度の向上のためには、アクチュエータ部本体23を含むアクチュエータ基板32の表面全体を覆うようにしてもよい。しかしながら、着色層52や白色散乱体50の各投影面積B及びCをアクチュエータ部本体23あるいは振動部38の各投影面積D及びEよりも大きくすると、アクチュエータ部22の変位量を極端に低下させる懸念や、明室コントラストを低下させる懸念があるため、適切な大きさを選択すればよい。望ましくは、着色層52の投影面積Bを振動部38の投影面積Eよりも小さくすることである。本実施の形態では、図2、図7及び図10に示すように、着色層52の投影面積Bを、アクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれよりも小さく設定し、アクチュエータ部本体23の投影面積Dを、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定した。
【0120】
なお、例えば白色の表示装置を作製する場合においては、着色層52を白色散乱体50に置き換えて実施することができる。
【0121】
次に、本実施の形態に係る表示装置10の3つの変形例について図11〜図13を参照しながら説明する。なお、図11及び図12においては、白色散乱体50の記述を省略する。
【0122】
まず、第1の変形例に係る表示装置10aは、図11に示すように、透明層54の対向面積Aが着色層52の投影面積Bと同じかそれより小さく設定され、着色層52の投影面積Bがアクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれより小さく設定されて構成されている。
【0123】
この場合も、透明層54の光導波板20と対向する面54aから画素構成体30に導入された光18を全て着色層52に到達させることができる。
【0124】
次に、第2の変形例に係る表示装置10bは、図12に示すように、第1の変形例に係る表示装置10aとほぼ同じ構成を有するが、アクチュエータ部本体23と着色層52を透明層54で覆うように形成した点で異なる。即ち、透明層54の平面上の最大投影面積が、着色層52の投影面積Bよりも大きく、かつ、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定されて構成されている。ここで、透明層54の平面上の最大投影面積を振動部38の投影面積Eよりも大きく設定してもよいが、アクチュエータ部22の変位動作が透明層54によって阻害されるおそれがあるため、この第2の変形例のように、透明層54の平面上の最大投影面積を、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定することが好ましい。
【0125】
なお、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aを、着色層52の投影面積Bと同じかそれよりも小さく設定し、着色層52の投影面積Bを、アクチュエータ部本体23の投影面積Dと同じかそれよりも小さく設定し、アクチュエータ部本体23の投影面積Dを、振動部38の投影面積Eと同じかそれよりも小さく設定している点では、第1の変形例に係る表示装置10aと同様である。
【0126】
この場合も、第1の変形例と同様に、透明層54の光導波板20と対向する面54aから画素構成体30に導入された光18を全て着色層52に到達させることができる。
【0127】
上述の例では、画素構成体30を、透明層54と着色層52と白色散乱体50にて構成した例を示したが、その他、図13に示す第3の変形例に係る表示装置10cのように、画素構成体30を透明層54と白色散乱体50にて構成するようにしてもよい。この場合においても、透明層54の前記光導波板20との対向面積Aは、白色散乱体50の投影面積Cと同じかそれより小さく設定される。
【0128】
次に、本実施の形態に係る表示装置10にて表示を行うために、該表示装置10に電圧を供給するには、アクチュエータ基板32の端部付近や裏面に配された電極に、リード線やコネクタ、プリント基板、フレキシブルプリント基板等を接続することで実現することができる。また、アクチュエータ基板32の表面や裏面に、回路要素を形成したり、部品を実装してもよい。望ましい電圧供給系の構成例を図14に示す。なお、この図14において、画素構成体30を白色散乱体50、着色層52、透明層54及び接着抑制剤55を含めて構成した例を示す。
【0129】
図14に示すように、アクチュエータ基板32の背面側(表示面の反対側)に対向して、例えばコネクタ200及びドライバIC202等が実装された配線板204が接合され、両者は導電性接着剤206を介して電気的に接続されている。
【0130】
配線板204としては、プリント基板、フレキシブルプリント基板、ビルドアップ基板、セラミック配線板等が好ましく用いられる。配線板204は、単層であっても多層であってもよい。
【0131】
この配線板204上に、一般に用いられている実装技術を用いてドライバIC202、コネクタ200、その他の部品が実装されている。図14では、ドライバIC202を配線板204に接着した後、ワイヤボンディング208にて配線板204とドライバIC202のパッドとを電気的に接続し、その後、ポッティングによってこれらを樹脂210で覆うようにしている。そして、コネクタ200に半田付けする。
【0132】
配線板204とアクチュエータ基板32の接続部は、導電性接着剤206のほかにも、半田付け、異方性導電フィルム、導電ゴム、ワイヤボンディング、リードフレーム、ピン、ばね、圧着等の方法を適用して接続してもよい。また、接続をより確実にするため、補強接着剤212を配置することも効果的である。
【0133】
図14では、配線板204のうち、アクチュエータ基板32に対向する面にはアクチュエータ基板32と接続するための電極パッド214が形成されていて、アクチュエータ基板32側と同じパターンで配列されている。配線板204とアクチュエータ基板32とは、外形がほぼ同じ大きさになっていて、ほぼ全面にわたって電極パッドが配置されている。
【0134】
また、図14では、アクチュエータ基板32の裏面に抵抗体216が形成されており、電気的にドライバIC202とアクチュエータ部22との間にあって電流を制限することで、アクチュエータ部22やドライバIC202の保護、並びに表示の安定性の向上を図っている。
【0135】
アクチュエータ基板32上には、前記抵抗体216に限ることなく、各種回路構成を形成したり、実装してもよい。回路要素としては、各種受動部品、能動部品に加え、コネクタ、ソケット、リード線等も挙げられる。回路要素は、厚膜、薄膜形成プロセス等で形成されてもよいし、チップ部品、ディスクリート部品、パッケージ部品等が、半田付け、導電性接着剤、異方性導電フィルム、導電ゴム、ワイヤボンディング、リードフレーム、ピン、ばね、圧着等の方法で実装されていてもよい。また、アクチュエータ基板32の配線は、単層であっても、多層であってもよく、アクチュエータ基板32の内部に回路要素を作り込んでもよい。
【0136】
配線板204とアクチュエータ基板32とを導電性接着剤206を介して接合する方法は、ガラスとアクチュエータ基板32とを貼り付ける場合と同様に、各種方式が採用できるが、中でも真空包装法が好ましく用いられる。この真空包装法は、まず、部品の実装された配線板204のアクチュエータ基板32側の電極パッド214に、導電性接着剤206を印刷形成した後、これを硬化させる。次に、アクチュエータ基板32側の電極パッド218に導電性接着剤206を印刷すると共に、配線板204側に補強接着剤212を印刷して、2枚の基板(配線板204とアクチュエータ基板32)を位置決めして貼り合わせる。その後、貼り合わされた状態の基板(配線板204とアクチュエータ基板32)を、袋に入れて真空引きする。これにより、基板全面にわたって押し付け合う方向に一様に加圧され、電気的接続と機械的接着が隅々まで確実に行われる。最初に印刷して硬化させた導電性接着剤206がスペーサとなるので、未硬化状態の導電性接着剤206が隣接する電極まで広がって短絡するような不具合は生じない。
【0137】
電気的接続の信頼性を高めるために、導電性接着剤206は補強接着剤212よりも柔軟性のある材質が好ましい。また、画素の接触・離隔の信頼性を高く維持するためには、導電性接着剤206と補強接着剤212は、アクチュエータ基板32と光導波板20とを固定している桟42よりも、柔軟性のある材質が好ましく用いられる。
【0138】
表示装置10の端面には、封止材220によって封止処理が施されており、表示装置10の内部を保護して、表示の信頼性を向上させているほか、端部の機械的強度を増加させて破壊しにくくしている。封止材220は、樹脂、ガラス、ろう等を用いることができ、必要に応じてフィラーを添加してもよい。光の散乱を低く抑えるために、透明又は黒い材料であることが好ましい。
【0139】
なお、この発明に係る表示装置は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る表示装置によれば、画素構成体に導入された光の利用率を向上させることができ、更に、コントラストの向上をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を複数配列して構成される大画面ディスプレイを示す構成図である。
【図2】本実施の形態に係る表示装置を示す構成図である。
【図3】本実施の形態に係る表示装置の他の構成例を示す構成図である。
【図4】本実施の形態に係る表示装置の画素構成を示す説明図である。
【図5】アクチュエータ部の構成を示す説明図である。
【図6】アクチュエータ部に形成される一対の電極の平面形状の一例を示す図である。
【図7】画素構成体と桟との位置関係及び画素構成体の各構成部材の大小関係を示す平面図である。
【図8】桟の他の構成を示す説明図である。
【図9】ロウ電極駆動回路から出力されるオフセット電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロウ電極とカラム電極間に加わる電圧の関係を示す表図である。
【図10】本実施の形態に係る表示装置における透明層の光導波板との対向面積、着色層の投影面積、白色散乱体の投影面積、アクチュエータ部本体の投影面積及び振動部の投影面積の大小関係を示す説明図である。
【図11】第1の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図12】第2の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図13】第3の変形例に係る表示装置を示す構成図である。
【図14】表示装置の電圧供給系を主体にして示す説明図である。
【図15】提案例に係る表示装置を示す構成図である。
【符号の説明】
10、10a〜10c…表示装置 16…光源
20…光導波板 22…アクチュエータ部
28…画素 30…画素構成体
32…アクチュエータ基板 38…振動部
40…固定部 42…桟
50…白色散乱体 50a…白色散乱体の平面上の投影面
52…着色層 52a…着色層の平面上の投影面
54…透明層
54a…透明層の光導波板と対向する面
55…接着抑制剤層
Claims (9)
- アクチュエータ部を有する基板と、光導波板と、前記光導波板と前記基板との間に介在して、かつ、前記アクチュエータ部を囲繞する桟と、前記アクチュエータ部上に接合された画素構成体とを具備し、
前記画素構成体は、前記光導波板に接触又は近接する透明層を含み、
前記透明層の前記光導波板と対向する面の面積が、前記画素構成体を構成する他の層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことを特徴とする表示装置。 - 請求項1記載の表示装置において、
前記他の層が白色散乱体を含むことを特徴とする表示装置。 - 請求項1記載の表示装置において、
前記他の層が着色層を含むことを特徴とする表示装置。 - 請求項1記載の表示装置において、
前記他の層が白色散乱体及び着色層を含むことを特徴とする表示装置。 - 請求項4記載の表示装置において、前記白色散乱体の平面上の投影面積が、前記着色層の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことを特徴とする表示装置。
- 請求項1記載の表示装置において、
前記アクチュエータ部が、前記基板に設けられた振動部と該振動部上に形成されたアクチュエータ部本体とを有する場合に、
前記画素構成体の平面上の投影面積が、前記振動部の平面上の投影面積と同じかそれよりも小さいことを特徴とする表示装置。 - 請求項6記載の表示装置において、
前記画素構成体の平面上の投影面積が、前記アクチュエータ部本体の平面上の投影面積よりも小さいことを特徴とする表示装置。 - 請求項3〜7のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記着色層は、色フィルタであることを特徴とする表示装置。 - 請求項3〜7のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記着色層は、有色散乱体であることを特徴とする表示装置。
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