JP2004083651A - 吸湿性ポリエステル組成物およびポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸放湿性に優れるため、着用快適性を有する合成繊維用として特に好適な吸放湿性繊維を提供すること。
【解決手段】表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2である、1価のアルコール性有機化合物で表面処理されたシリカ系無機粒子を、1〜20重量%含有せしめた吸湿ポリエステル組成物からなる繊維によって達成することができる。
【選択図】なし
【解決手段】表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2である、1価のアルコール性有機化合物で表面処理されたシリカ系無機粒子を、1〜20重量%含有せしめた吸湿ポリエステル組成物からなる繊維によって達成することができる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカ系無機粒子を多量に含有する吸湿ポリエステル組成物およびそれからなる繊維に関するものである。詳しくは、吸湿性を有するシリカ系無機粒子を多量に含有するポリエステル組成物および、耐候性、耐熱性、機械特性、吸湿性等に優れたポリエステル繊維に関するものである。該ポリエステル繊維は吸湿性が高く、織編物等として下着、スポーツウェア、裏地等の快適素材として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステルは、強度や熱安定性、耐薬品性などに優れるため、繊維、フィルム、その他の成形品として広く用いられる。しかし、ポリエチレンテレフタレートは本質的に疎水性であるため、きわめて吸放湿性に乏しく、衣服として用いられる場合には、高湿時において“むれ感”を生じたり、冬場の低湿時には静電気を生じたりと、着用快適性においては好ましい素材とはいえない。また、樹脂やフィルムなどとして用いられる際にも低吸湿性のため帯電し、問題となることがある。
【0003】
この問題を解消するために、ポリエステルに吸湿性能を有する化合物を共重合や添加する方法が数多く提案されてきた。例えば、特開平12−204230号公報では、特定の平均粒径および細孔容積を持つ多孔質無機粒子をポリエステルに含有させる方法が開示されている。確かにこの方法を用いれば上記問題を解決し、ポリエステルにある程度吸湿性を付与することができるが、実用性という観点ではまだ不十分である。この発明の方法では活性な表面シラノール基に起因するシリカ粒子の凝集やポリマーとの反応が激しく、操業安定性の観点から問題がある。例えば、重合時の増粘による生産性の低下、シリカ粒子とポリマの反応に起因する耐加水分解性の不良、およびシリカ粒子の凝集に起因する紡糸・延伸・高次加工工程での糸切れ、紡糸時の濾の目詰まりによる濾圧上昇などの問題である。これらの問題の一部はシリカを1価のアルコール性有機化合物で表面処理した後、ポリエステルに配合すること(特開平12−17178号公報)で解消できる。しかしながら、該発明においてはシリカ粒子表面のシラノール基のほとんどが1価アルコールで被覆されているために、シリカ粒子本来の吸湿性はポリエステルへ配合する前に著しく低下してしまう。また、このような特徴を有するシリカ粒子が配合されたポリエステルを繊維にした場合には、粒子とポリエステルとの相互作用不足による粒子の脱落、ひいては吸湿性と糸物性の悪化を免れない。
【0004】
本願発明者らは吸湿性を更に向上させるために鋭意検討を行い、1価のアルコール性有機化合物を用いて特定の表面状態に処理したシリカ系無機粒子をより多量にポリエステルへ配合することで、操業安定性と十分な吸湿性を付与することができることを見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解消することにあり、ポリエステルの優れた特性を維持しながら、操業安定性と吸湿性の両立した、しかも従来よりも吸湿性の優れたポリエステル組成物および繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題は、表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2である、1価のアルコール性有機化合物で表面処理されたシリカ系無機粒子を、1〜20重量%含有し、吸湿パラメーター(ΔMR)が1%以上であることを特徴とする吸湿ポリエステル組成物によって解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるシリカ系無機粒子は、粒子の50%以上がSiO2で構成された無機粒子である。具体的には、乾式法、湿式法等で得られたホワイトカーボン、シリカゾル、シリカゲル、シリカ・アルミナ複合粒子等を挙げることができる。特に好ましくはポリエステルに十分な吸湿性を付与するために必要な細孔容積や比表面積、平均粒径が得られやすいという点で湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましい。特にはSiO2含有量が95%以上の湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましい。
【0008】
本発明で用いるシリカ系無機粒子は、表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2であることが必要である。中でも2.5〜3.5個/nm2のものが好ましい。表面シラノール基数が1.5個/nm2未満の場合、シラノール基に由来する粒子本来の吸湿性が低下する。表面シラノール基数が4個/nm2を超えると、繊維を構成するポリマーの粘度が著しく高くなることで重合あるいは混練工程に支障をきたすとともに、粒子同士の凝集が起こることで紡糸が困難となる。
【0009】
本発明の吸湿ポリエステル組成物中のシリカ系無機粒子の含有量は1〜20重量%である。添加量が1重量%に満たないとポリエステル繊維の吸放湿性が不十分となり、また、20重量%を超えると繊維を構成するポリマーの溶融粘度が著しく高くなるため成形が困難となる。より好ましくは3〜18重量%、さらに好ましい添加量は5〜18重量%である。
【0010】
本発明の吸湿ポリエステル組成物は実用上の着用快適性を得るために、ΔMRは1%以上が必要であり、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは2.5%〜20%である。ここでΔMRとは、30℃,90%RHでの吸湿率(MR2)から20℃,65%RHでの吸湿率(MR1)を差し引いた値である(ΔMR(%)=MR2−MR1)。ここでΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を外気に放出することにより快適性を得るためのドライビングフォースであり、軽〜中度の作業あるいは軽〜中度の運動を行った際の衣服内温度を30℃,90%RHで代表させ、外気温度を20℃,65%RHで代表させ、両者の差をとったものである。本発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔMRをパラメーターとして用いている。ΔMRは大きければ大きいほど吸放湿能力が高く、着用時の快適性が良好であることに対応する。
【0011】
本発明のシリカ系無機粒子としては、その吸湿性能、放湿性能を考慮すれば、細孔容積Vが0.4ml/g以上であるものが好ましい。より好ましくは0.7ml/g以上、さらに好ましくは1.0ml/g以上である。
【0012】
さらに、該シリカ系無機粒子の高い吸湿性を発現させるためには、細孔容積Vと比表面積S(m2/g)との関係が次式を満足することが好ましい。
【0013】
100≦S/V(m2/ml)<1500
高い吸湿性を付与するといった観点からはS/Vは200〜800がより好ましく、300〜800がさらに好ましい。この値が小さいと、高湿度環境下での吸湿性能が小さく、また、この値が大きいと、低湿度環境下での吸湿性能が大きくなる。
【0014】
本発明で用いるシリカ系無機粒子の平均粒径dは0.01〜10μmであることが好ましい。重合あるいは混練時の増粘がなく、高重合度の樹脂を得るためには、平均粒径dは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上である。また、溶融成型時にフィルター圧力の上昇を引き起こさずに、繊維に成型するためには、平均粒径dは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
【0015】
また、シリカ系無機粒子の吸湿特性を示すパラメーター(ΔMR)は、7%以上であることが好ましい。さらに好ましくは20%以上、より好ましくは30%〜150%である。
【0016】
本発明において使用する1価のアルコール性有機化合物、すなわち水酸基を一つだけ含有する有機化合物の構成は炭素数が5以上であることが好ましい。中でも炭素数5〜20が好ましく、その中でも炭素数5〜10であるもの、例えば1−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4−オクタノール、1−デカノール、パーヒドロナフタレン−1−オルなどがより好ましい。表面処理されたシリカ系無機粒子とポリエステルとの親和性、および該粒子の分散性を良好にするためには、表面処理に用いる1価のアルコール性有機化合物の炭素数は5以上が好ましい。また、多価のアルコール性有機化合物の場合、ポリエステルとシリカ粒子表面との相互作用が強過ぎるため、ポリマーの粘度が激しく上昇する。
【0017】
本発明の吸湿ポリエステル組成物に含有するジエチレングリコール(以下DEG)含有量は2重量%以下、カルボキシル(以下COOH)末端基量は10〜50当量/tであることが好ましい。
【0018】
DEG含有量の増加につれて吸湿性が低下する傾向がみられるため、十分な吸湿性を付与するためには2重量%以下であることが好ましい。より好ましいDEG含有量は1重量%以下である。この傾向の理由については現在のところ定かではないが、DEG含有量が多くなると組成物を構成するポリエステルのソフトセグメント部分が増加するためにシリカ系無機粒子表面の活性基を覆いやすくなるためと推定している。
【0019】
COOH末端基量は、多ければ多いほど吸湿性が向上する傾向にあるが、多すぎるとポリエステルの熱分解反応が促進されるため繊維強度の観点から好ましくない。より好ましいCOOH末端基量は20〜30当量/tである。
【0020】
本発明のポリエステル繊維は湿熱処理を施されていることが好ましい。ここで言う湿熱処理とは熱水や蒸気に繊維を接触させることであり、具体的には温度80℃以上、圧力1気圧以上で30分間以上処理することを指す。別工程を設けて行ってもよいが、一定の条件を満たせば、ポリエステル繊維製品を製造する際の染色、アルカリ減量工程等を通過させることによっても達成することができる。本発明のポリエステル繊維においては、湿熱処理を行うことによってシリカ系無機粒子の持つ吸湿性をポリエステル繊維中でより十分に発現させることができる。
【0021】
本発明のポリエステル繊維は複合繊維であることが好ましい。複合の形態としては芯鞘型、海島型、多層型等が挙げられるが、特に工程通過安定性の観点から芯鞘複合繊維であることが好ましい。この場合、吸湿性を有するシリカ系無機粒子は芯部および/または鞘部のいずれに配されていても良いが、繊維を製造する際のガイド削れ等の問題が起こりにくいという観点から、芯部に多量に配されているのが好ましい。特に芯鞘型の芯部にのみ含まれていることが最も好ましい。
【0022】
本発明のポリエステル繊維は、産業資材用途にも用いることができるが、特に衣料用に好適に用いることができる。織編物等として下着、スポーツウェア、裏地等の快適素材として使用することがより好ましい。
【0023】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を構成するポリエステルは、強度の観点から、その80モル%以上がアルキレンテレフタレート繰り返し単位からなるものが好ましい。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどを好適な例として挙げることができる。なかでも、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルは、強度、耐候性が良好なことからより好ましい。
【0024】
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルは本発明の目的を損なわない範囲で他の第三成分が共重合されていてもよい。このような化合物として例えば、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の、芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン酸およびそれらの誘導体を挙げることができる。またジオール化合物としては、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような芳香族、脂肪族、脂環族のジオール化合物等を挙げることができる。
【0025】
また、本発明の吸湿ポリエステル組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤、微細孔形成剤等を含有していてもよい。
【0026】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を構成するシリカ系無機粒子を含有するポリエステルは、ポリエステルの重合工程の任意の段階でシリカ系無機粒子を添加含有せしめる方法、あるいは予めポリエステルを重合し、その後混練によってシリカ系無機粒子を添加含有せしめる方法等、任意の処方で得ることができ、特に限定されないが、例えば、(1)シリカ系無機粒子とポリエステルとを直接、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで混合した後、通常の一軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する方法、(2)シリカ系無機粒子とポリエステルとを直接、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで混合した後、通常のベント式一軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する方法、(3)ポリエステルの製造反応工程でシリカ系無機粒子を添加する方法などを挙げることができる。特に、ポリエステルの重合工程で該粒子を添加する方法は、粒子の分散性が良好となり易く好ましい。
【0027】
上記シリカ系無機粒子の表面処理方法は、該粒子表面のシラノール基と1価のアルコール性有機化合物の水酸基を脱水縮合せしめる加熱処理ならば特に限定されないが、例えば、適当な溶媒に該粒子10重量部、該有機化合物100部を加え、0.1MPa以上、110〜200℃で1〜5時間反応させる方法などを挙げることができる。この場合反応溶媒としては、該粒子表面および該有機化合物とある程度親和性があること以外に特に制限はないが、重合工程途中あるいはポリエステルに添加することを考慮すればポリエステル原料であるジオール化合物が好ましい。
【0028】
しかしながら、ポリエステルの重合工程でシリカ系無機粒子を添加する方法においては、粒子を多量に添加することによって、反応物の溶融粘度が急激に上昇する、いわゆる増粘現象が生じ、実用上満足できるレベルまで重合度を上げることができないといった問題が起こるおそれがある。この問題を解決する方法の1つとして、シリカ系無機粒子と併せて他の粒子を添加することが好ましい。さらに好ましくはシリカ系無機粒子を予め他の粒子と混合、処理した後、ポリエステルに添加する。ここで言う処理とは、反応系に添加する前に他の粒子をシリカ系無機粒子のスラリーに単に添加混合する、あるいは更にその後加熱処理等を行うことである。他の粒子を併せて添加することによってシリカ系無機粒子の反応系への添加による増粘を抑制することができる。
【0029】
シリカ系無機粒子と併せて用いる他の粒子としては特に塩基性粒子が好ましい。塩基性粒子としてはアルミナ、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、スピネル等を挙げることができるが、その中でもアルミナがより好ましい。塩基性粒子の添加量または処理量としては、ポリエステルに対する塩基性粒子量として、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
【0030】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を用いる繊維の製法としては従来公知の方法で製造することができ、以下にその製造法の例を示す。
【0031】
シリカ系無機粒子含有ポリエステルを溶融し、紡糸パックに導き口金吐出孔から紡出する。紡出したフィラメント糸を所定の速度で引っ張った後、いったんパッケージに巻き上げ、得られた未延伸糸を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸を引き取った後、巻き取ること無く連続して行い巻き上げてもよいし、4000m/分以上の高速で引き取り、実質的に延伸することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をとってもよい。
【0032】
直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸を1000〜5000m/分で引き取り、引き続いて3000〜6000m/分で延伸・熱固定する方法等が挙げられる。
【0033】
本発明のポリエステル繊維の断面形状は丸ばかりでなく、三角、偏平、多葉型、多角、H型、Π型などなどの異形断面でもよい。また、該繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでもよく、用途によって適宜選定される。
【0034】
本発明のポリエステル繊維は、その用途に応じて織物、編物、不織布などの布帛形態で使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の各特性は次の方法によって求めた。
【0036】
A.表面シラノール基数の定量
シリカ系無機粒子を150℃で12時間真空乾燥した後、トルエン溶媒中メチルリチウムと反応させ、発生するメタンの捕捉量から見積もった値を表面シラノール基数とした。
【0037】
B.ポリエステルの極限粘度
オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0038】
C.粒子およびそれを含有する組成物の吸湿パラメーター(ΔMR)
吸湿率は粒子の場合、粒子1gを用い、また組成物および繊維の場合には原糸または布帛1〜3gを用い、絶乾時の重量と20℃,65%RHおよび30℃,90%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)中に24時間放置後の重量との重量変化から次式で求めた。
吸湿率(%)=(吸湿後の重量−絶乾時の重量)/絶乾時の重量×100
上記測定した20℃,65%RHおよび30℃,90%RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2とする)から、吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1を求めた。
【0039】
D.粒子の比表面積Sと細孔容積V
窒素吸着法により絶対温度77Kで測定し、比表面積SはBET法で、細孔容積VはDH法で解析した。
【0040】
E.ポリエステルのDEG含有量
ポリエステルをモノメタノールアミンで加熱分解後、1,6−ヘキサンジオール/メタノールで希釈し、テレフタル酸で中和した後、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から求めた。
【0041】
F.ポリエステルのカルボキシル(COOH)末端基量
ポリエステルをオルトクレゾールに溶解し、水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により求めた。
【0042】
G.強度、伸度
テンシロン引っ張り試験機(東洋ボールドウィン社製)を用いて試長20cm、引っ張り速度10cm/分の条件で応力−ひずみ曲線の破断点から値を求めた。
【0043】
H.金属、粒子処理量の測定
各種金属および粒子の付着あるいは結合したシリカ系無機粒子を理学(株)社製、蛍光X線分析装置(FLX)で測定した。
【0044】
I.ポリマー重合時の増粘挙動の評価
無粒子系ポリエステルの[η]が0.66dl/gに到達する時の重合時間に対し、同一重合条件下で重合を行った時の攪拌トルクの到達時間で評価した。トルク到達までの時間が1/2未満であり、激しく増粘したものを×、1/2以上2/3未満のものを△、2/3以上3/4未満のものを○、3/4以上のものを○○とした。
【0045】
J.シリカ分散性の評価
シリカ粒子含有ポリエステルの薄片(20μm四方)を透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で観察した際、確認できるシリカ粒子もしくは凝集体の平均粒径で評価した。この粒径が添加時の粒径の100%以上120%未満のときは○、120%以上200%未満のときは△、200%以上のときは×とした。
【0046】
実施例1
平均粒径d0.5μm、細孔容積V1.2ml/g、S/Vが600m2/ml、吸湿性パラメーター(ΔMR)40.6%,SiO2含有量が98%である湿式シリカ系無機粒子を用いた。このシリカ系粒子8重量部が100部のエチレングリコール中に分散したスラリーに対して、1価のアルコール性有機化合物として1−ヘキサノール16部を加え、0.1MPa、150℃、2時間の条件下反応させることで、表面シラノール基数を3.0個/nm2とした。一方、ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、エチレングリコール124部、酢酸マグネシウム0.05部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行い、その後、リン酸トリメチル0.08部のエチレングリコール溶液を添加した。さらに上記シリカ系無機粒子12部のエチレングリコールスラリー、および三酸化アンチモン0.1部を加え、徐々に0.1kPa以下まで減圧し、それと共に290℃まで昇温して、重合時間3時間30分でポリエステルチップを得た。このポリエステルチップのシリカ系無機粒子の含有量は12重量%であり、またΔMRは3.8%であった。
【0047】
このチップを290℃で溶融し、吐出量25g/分で同心円口金から吐出して1000m/分の紡糸速度で巻き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を延伸温度90℃、熱セット温度130℃、延伸速度800m/minで3.0倍延伸して107tex−24fの延伸糸を得た。繊維物性は3.9cN/dtex、伸度40.0%であった。この延伸糸を筒編みにし、オートクレーブを用い150℃、1時間で湿熱処理後、編み地の吸放湿を測定したところΔMRは3.8%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0048】
実施例2〜4および比較例1〜2
シリカ系無機粒子表面のシラノール基数を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例1においては、表面シラノール基数の減少による該粒子の吸湿性低下のため、十分な吸湿性を付与することができなかった比較例2においては、ポリマーの粘度上昇が激しく、シリカの分散性も不良であった。実施例1の表面シラノール基数3.0個/nm2の該粒子を用いた場合に最も増粘が抑制され、該粒子の分散性が良好であると共に、高いΔMRを示す繊維が得られた。
【0049】
【表1】
実施例5,6および比較例3,4
シリカ系無機粒子の添加量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例3においてはシリカ系無機粒子の含有量が少なすぎるため満足のいく吸湿性を付与することができなかった。比較例4においては添加量が多すぎるために糸切れが多発し、繊維を得ることができなかった。
【0050】
【表2】
実施例7および比較例5
粒子の細孔容積Vを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例5においては細孔容積が小さいため満足のいく吸湿性を付与することができなかった。
【0051】
【表3】
実施例8,9および比較例6,7
S/Vを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例6、7においてはS/Vが請求範囲外であるために満足のいく吸湿性を付与することができなかった。
【0052】
【表4】
実施例10,11
粒子の平均粒径dを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿性を測定したところΔMRはそれぞれ1.8%、1.9%であり、良好な吸放湿特性を示した。
【0053】
【表5】
比較例8
シリカ系粒子の表面処理をしない以外は実施例1と同様な方法でポリエステルを得た。重合時にポリマーが増粘し、さらに多数の該粒子の凝集体が観察された。
【0054】
【表6】
実施例12、13および比較例9
1価のアルコール性有機化合物の炭素数と水酸基数を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。実施例13では実施例1ほどではないものの、良好な吸放湿特性を示した。比較例9においてはポリマーの増粘が激しく、繊維を得ることができなかった。
【0055】
【表7】
実施例14、15
DEG量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿を測定したところ実施例14のΔMRは3.1%、実施例15では1.5%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0056】
【表8】
実施例16〜18
COOH末端基量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿を測定したところ実施例16のΔMRは3.2%、実施例17では2.1%、実施例18では3.5%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0057】
【表9】
実施例19〜21
1−ヘキサノールで表面処理後のシリカ系無機粒子のエチレングリコールスラリーにアルミナ粒子を併用添加した後にポリエステルに配合した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。アルミナ粒子を添加することによって重合時の増粘が抑制でき、また粒子の分散性に優れるポリエステルおよび繊維を得ることができた。
【0058】
【表10】
実施例22〜24
1価のアルコール性有機化合物によるシリカの表面処理条件を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。実施例1と同様に粒子分散性に優れ、良好な吸放湿特性を有するポリエステルおよび繊維を得ることができた。
【0059】
【表11】
【0060】
【発明の効果】
本発明によって得られた合成繊維は着用快適性を得るのに十分な吸湿性を有し、かつドライタッチな風合いと高い染色堅牢性や耐光性を有している。本発明の合成繊維は下着、シャツ、ブラウス、中衣、スポーツウェア、スラックス類、外衣、裏地、カーテン、壁紙、さらには、シーツ、フトンカバー、詰め綿等の寝装用に適しており、極めて実用性の高い物である。
【発明の属する技術分野】
本発明はシリカ系無機粒子を多量に含有する吸湿ポリエステル組成物およびそれからなる繊維に関するものである。詳しくは、吸湿性を有するシリカ系無機粒子を多量に含有するポリエステル組成物および、耐候性、耐熱性、機械特性、吸湿性等に優れたポリエステル繊維に関するものである。該ポリエステル繊維は吸湿性が高く、織編物等として下着、スポーツウェア、裏地等の快適素材として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステルは、強度や熱安定性、耐薬品性などに優れるため、繊維、フィルム、その他の成形品として広く用いられる。しかし、ポリエチレンテレフタレートは本質的に疎水性であるため、きわめて吸放湿性に乏しく、衣服として用いられる場合には、高湿時において“むれ感”を生じたり、冬場の低湿時には静電気を生じたりと、着用快適性においては好ましい素材とはいえない。また、樹脂やフィルムなどとして用いられる際にも低吸湿性のため帯電し、問題となることがある。
【0003】
この問題を解消するために、ポリエステルに吸湿性能を有する化合物を共重合や添加する方法が数多く提案されてきた。例えば、特開平12−204230号公報では、特定の平均粒径および細孔容積を持つ多孔質無機粒子をポリエステルに含有させる方法が開示されている。確かにこの方法を用いれば上記問題を解決し、ポリエステルにある程度吸湿性を付与することができるが、実用性という観点ではまだ不十分である。この発明の方法では活性な表面シラノール基に起因するシリカ粒子の凝集やポリマーとの反応が激しく、操業安定性の観点から問題がある。例えば、重合時の増粘による生産性の低下、シリカ粒子とポリマの反応に起因する耐加水分解性の不良、およびシリカ粒子の凝集に起因する紡糸・延伸・高次加工工程での糸切れ、紡糸時の濾の目詰まりによる濾圧上昇などの問題である。これらの問題の一部はシリカを1価のアルコール性有機化合物で表面処理した後、ポリエステルに配合すること(特開平12−17178号公報)で解消できる。しかしながら、該発明においてはシリカ粒子表面のシラノール基のほとんどが1価アルコールで被覆されているために、シリカ粒子本来の吸湿性はポリエステルへ配合する前に著しく低下してしまう。また、このような特徴を有するシリカ粒子が配合されたポリエステルを繊維にした場合には、粒子とポリエステルとの相互作用不足による粒子の脱落、ひいては吸湿性と糸物性の悪化を免れない。
【0004】
本願発明者らは吸湿性を更に向上させるために鋭意検討を行い、1価のアルコール性有機化合物を用いて特定の表面状態に処理したシリカ系無機粒子をより多量にポリエステルへ配合することで、操業安定性と十分な吸湿性を付与することができることを見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記した従来技術の問題点を解消することにあり、ポリエステルの優れた特性を維持しながら、操業安定性と吸湿性の両立した、しかも従来よりも吸湿性の優れたポリエステル組成物および繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題は、表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2である、1価のアルコール性有機化合物で表面処理されたシリカ系無機粒子を、1〜20重量%含有し、吸湿パラメーター(ΔMR)が1%以上であることを特徴とする吸湿ポリエステル組成物によって解決することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるシリカ系無機粒子は、粒子の50%以上がSiO2で構成された無機粒子である。具体的には、乾式法、湿式法等で得られたホワイトカーボン、シリカゾル、シリカゲル、シリカ・アルミナ複合粒子等を挙げることができる。特に好ましくはポリエステルに十分な吸湿性を付与するために必要な細孔容積や比表面積、平均粒径が得られやすいという点で湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましい。特にはSiO2含有量が95%以上の湿式法で得られたシリカ系無機粒子が好ましい。
【0008】
本発明で用いるシリカ系無機粒子は、表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2であることが必要である。中でも2.5〜3.5個/nm2のものが好ましい。表面シラノール基数が1.5個/nm2未満の場合、シラノール基に由来する粒子本来の吸湿性が低下する。表面シラノール基数が4個/nm2を超えると、繊維を構成するポリマーの粘度が著しく高くなることで重合あるいは混練工程に支障をきたすとともに、粒子同士の凝集が起こることで紡糸が困難となる。
【0009】
本発明の吸湿ポリエステル組成物中のシリカ系無機粒子の含有量は1〜20重量%である。添加量が1重量%に満たないとポリエステル繊維の吸放湿性が不十分となり、また、20重量%を超えると繊維を構成するポリマーの溶融粘度が著しく高くなるため成形が困難となる。より好ましくは3〜18重量%、さらに好ましい添加量は5〜18重量%である。
【0010】
本発明の吸湿ポリエステル組成物は実用上の着用快適性を得るために、ΔMRは1%以上が必要であり、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは2.5%〜20%である。ここでΔMRとは、30℃,90%RHでの吸湿率(MR2)から20℃,65%RHでの吸湿率(MR1)を差し引いた値である(ΔMR(%)=MR2−MR1)。ここでΔMRは衣服着用時の衣服内の湿気を外気に放出することにより快適性を得るためのドライビングフォースであり、軽〜中度の作業あるいは軽〜中度の運動を行った際の衣服内温度を30℃,90%RHで代表させ、外気温度を20℃,65%RHで代表させ、両者の差をとったものである。本発明では吸湿性評価の尺度としてこのΔMRをパラメーターとして用いている。ΔMRは大きければ大きいほど吸放湿能力が高く、着用時の快適性が良好であることに対応する。
【0011】
本発明のシリカ系無機粒子としては、その吸湿性能、放湿性能を考慮すれば、細孔容積Vが0.4ml/g以上であるものが好ましい。より好ましくは0.7ml/g以上、さらに好ましくは1.0ml/g以上である。
【0012】
さらに、該シリカ系無機粒子の高い吸湿性を発現させるためには、細孔容積Vと比表面積S(m2/g)との関係が次式を満足することが好ましい。
【0013】
100≦S/V(m2/ml)<1500
高い吸湿性を付与するといった観点からはS/Vは200〜800がより好ましく、300〜800がさらに好ましい。この値が小さいと、高湿度環境下での吸湿性能が小さく、また、この値が大きいと、低湿度環境下での吸湿性能が大きくなる。
【0014】
本発明で用いるシリカ系無機粒子の平均粒径dは0.01〜10μmであることが好ましい。重合あるいは混練時の増粘がなく、高重合度の樹脂を得るためには、平均粒径dは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上である。また、溶融成型時にフィルター圧力の上昇を引き起こさずに、繊維に成型するためには、平均粒径dは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
【0015】
また、シリカ系無機粒子の吸湿特性を示すパラメーター(ΔMR)は、7%以上であることが好ましい。さらに好ましくは20%以上、より好ましくは30%〜150%である。
【0016】
本発明において使用する1価のアルコール性有機化合物、すなわち水酸基を一つだけ含有する有機化合物の構成は炭素数が5以上であることが好ましい。中でも炭素数5〜20が好ましく、その中でも炭素数5〜10であるもの、例えば1−ペンタノール、ネオペンチルアルコール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、4−オクタノール、1−デカノール、パーヒドロナフタレン−1−オルなどがより好ましい。表面処理されたシリカ系無機粒子とポリエステルとの親和性、および該粒子の分散性を良好にするためには、表面処理に用いる1価のアルコール性有機化合物の炭素数は5以上が好ましい。また、多価のアルコール性有機化合物の場合、ポリエステルとシリカ粒子表面との相互作用が強過ぎるため、ポリマーの粘度が激しく上昇する。
【0017】
本発明の吸湿ポリエステル組成物に含有するジエチレングリコール(以下DEG)含有量は2重量%以下、カルボキシル(以下COOH)末端基量は10〜50当量/tであることが好ましい。
【0018】
DEG含有量の増加につれて吸湿性が低下する傾向がみられるため、十分な吸湿性を付与するためには2重量%以下であることが好ましい。より好ましいDEG含有量は1重量%以下である。この傾向の理由については現在のところ定かではないが、DEG含有量が多くなると組成物を構成するポリエステルのソフトセグメント部分が増加するためにシリカ系無機粒子表面の活性基を覆いやすくなるためと推定している。
【0019】
COOH末端基量は、多ければ多いほど吸湿性が向上する傾向にあるが、多すぎるとポリエステルの熱分解反応が促進されるため繊維強度の観点から好ましくない。より好ましいCOOH末端基量は20〜30当量/tである。
【0020】
本発明のポリエステル繊維は湿熱処理を施されていることが好ましい。ここで言う湿熱処理とは熱水や蒸気に繊維を接触させることであり、具体的には温度80℃以上、圧力1気圧以上で30分間以上処理することを指す。別工程を設けて行ってもよいが、一定の条件を満たせば、ポリエステル繊維製品を製造する際の染色、アルカリ減量工程等を通過させることによっても達成することができる。本発明のポリエステル繊維においては、湿熱処理を行うことによってシリカ系無機粒子の持つ吸湿性をポリエステル繊維中でより十分に発現させることができる。
【0021】
本発明のポリエステル繊維は複合繊維であることが好ましい。複合の形態としては芯鞘型、海島型、多層型等が挙げられるが、特に工程通過安定性の観点から芯鞘複合繊維であることが好ましい。この場合、吸湿性を有するシリカ系無機粒子は芯部および/または鞘部のいずれに配されていても良いが、繊維を製造する際のガイド削れ等の問題が起こりにくいという観点から、芯部に多量に配されているのが好ましい。特に芯鞘型の芯部にのみ含まれていることが最も好ましい。
【0022】
本発明のポリエステル繊維は、産業資材用途にも用いることができるが、特に衣料用に好適に用いることができる。織編物等として下着、スポーツウェア、裏地等の快適素材として使用することがより好ましい。
【0023】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を構成するポリエステルは、強度の観点から、その80モル%以上がアルキレンテレフタレート繰り返し単位からなるものが好ましい。具体的には、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートなどを好適な例として挙げることができる。なかでも、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルは、強度、耐候性が良好なことからより好ましい。
【0024】
エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルは本発明の目的を損なわない範囲で他の第三成分が共重合されていてもよい。このような化合物として例えば、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の、芳香族、脂肪族、脂環族ジカルボン酸およびそれらの誘導体を挙げることができる。またジオール化合物としては、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのような芳香族、脂肪族、脂環族のジオール化合物等を挙げることができる。
【0025】
また、本発明の吸湿ポリエステル組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の界面活性剤、従来公知の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤、微細孔形成剤等を含有していてもよい。
【0026】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を構成するシリカ系無機粒子を含有するポリエステルは、ポリエステルの重合工程の任意の段階でシリカ系無機粒子を添加含有せしめる方法、あるいは予めポリエステルを重合し、その後混練によってシリカ系無機粒子を添加含有せしめる方法等、任意の処方で得ることができ、特に限定されないが、例えば、(1)シリカ系無機粒子とポリエステルとを直接、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで混合した後、通常の一軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する方法、(2)シリカ系無機粒子とポリエステルとを直接、あるいは予めブレンダー、ミキサーなどで混合した後、通常のベント式一軸、二軸押出し機を用いて溶融混練する方法、(3)ポリエステルの製造反応工程でシリカ系無機粒子を添加する方法などを挙げることができる。特に、ポリエステルの重合工程で該粒子を添加する方法は、粒子の分散性が良好となり易く好ましい。
【0027】
上記シリカ系無機粒子の表面処理方法は、該粒子表面のシラノール基と1価のアルコール性有機化合物の水酸基を脱水縮合せしめる加熱処理ならば特に限定されないが、例えば、適当な溶媒に該粒子10重量部、該有機化合物100部を加え、0.1MPa以上、110〜200℃で1〜5時間反応させる方法などを挙げることができる。この場合反応溶媒としては、該粒子表面および該有機化合物とある程度親和性があること以外に特に制限はないが、重合工程途中あるいはポリエステルに添加することを考慮すればポリエステル原料であるジオール化合物が好ましい。
【0028】
しかしながら、ポリエステルの重合工程でシリカ系無機粒子を添加する方法においては、粒子を多量に添加することによって、反応物の溶融粘度が急激に上昇する、いわゆる増粘現象が生じ、実用上満足できるレベルまで重合度を上げることができないといった問題が起こるおそれがある。この問題を解決する方法の1つとして、シリカ系無機粒子と併せて他の粒子を添加することが好ましい。さらに好ましくはシリカ系無機粒子を予め他の粒子と混合、処理した後、ポリエステルに添加する。ここで言う処理とは、反応系に添加する前に他の粒子をシリカ系無機粒子のスラリーに単に添加混合する、あるいは更にその後加熱処理等を行うことである。他の粒子を併せて添加することによってシリカ系無機粒子の反応系への添加による増粘を抑制することができる。
【0029】
シリカ系無機粒子と併せて用いる他の粒子としては特に塩基性粒子が好ましい。塩基性粒子としてはアルミナ、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、スピネル等を挙げることができるが、その中でもアルミナがより好ましい。塩基性粒子の添加量または処理量としては、ポリエステルに対する塩基性粒子量として、0.1〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
【0030】
本発明の吸湿ポリエステル組成物を用いる繊維の製法としては従来公知の方法で製造することができ、以下にその製造法の例を示す。
【0031】
シリカ系無機粒子含有ポリエステルを溶融し、紡糸パックに導き口金吐出孔から紡出する。紡出したフィラメント糸を所定の速度で引っ張った後、いったんパッケージに巻き上げ、得られた未延伸糸を通常の延伸機にて延伸する。また、この延伸は紡出糸を引き取った後、巻き取ること無く連続して行い巻き上げてもよいし、4000m/分以上の高速で引き取り、実質的に延伸することなく一挙に所望の繊維性能を得る方法をとってもよい。
【0032】
直接紡糸延伸法としては、例えば、紡出糸を1000〜5000m/分で引き取り、引き続いて3000〜6000m/分で延伸・熱固定する方法等が挙げられる。
【0033】
本発明のポリエステル繊維の断面形状は丸ばかりでなく、三角、偏平、多葉型、多角、H型、Π型などなどの異形断面でもよい。また、該繊維の糸状形態は、フィラメント、ステープルのどちらでもよく、用途によって適宜選定される。
【0034】
本発明のポリエステル繊維は、その用途に応じて織物、編物、不織布などの布帛形態で使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。なお、実施例中の各特性は次の方法によって求めた。
【0036】
A.表面シラノール基数の定量
シリカ系無機粒子を150℃で12時間真空乾燥した後、トルエン溶媒中メチルリチウムと反応させ、発生するメタンの捕捉量から見積もった値を表面シラノール基数とした。
【0037】
B.ポリエステルの極限粘度
オルトクロロフェノール溶液とし、25℃で求めた。
【0038】
C.粒子およびそれを含有する組成物の吸湿パラメーター(ΔMR)
吸湿率は粒子の場合、粒子1gを用い、また組成物および繊維の場合には原糸または布帛1〜3gを用い、絶乾時の重量と20℃,65%RHおよび30℃,90%RHの雰囲気下、恒温恒湿器(タバイ製PR−2G)中に24時間放置後の重量との重量変化から次式で求めた。
吸湿率(%)=(吸湿後の重量−絶乾時の重量)/絶乾時の重量×100
上記測定した20℃,65%RHおよび30℃,90%RHの条件での吸湿率(それぞれMR1およびMR2とする)から、吸湿率差ΔMR(%)=MR2−MR1を求めた。
【0039】
D.粒子の比表面積Sと細孔容積V
窒素吸着法により絶対温度77Kで測定し、比表面積SはBET法で、細孔容積VはDH法で解析した。
【0040】
E.ポリエステルのDEG含有量
ポリエステルをモノメタノールアミンで加熱分解後、1,6−ヘキサンジオール/メタノールで希釈し、テレフタル酸で中和した後、ガスクロマトグラフィーのピーク面積から求めた。
【0041】
F.ポリエステルのカルボキシル(COOH)末端基量
ポリエステルをオルトクレゾールに溶解し、水酸化ナトリウムを用いて電位差滴定法により求めた。
【0042】
G.強度、伸度
テンシロン引っ張り試験機(東洋ボールドウィン社製)を用いて試長20cm、引っ張り速度10cm/分の条件で応力−ひずみ曲線の破断点から値を求めた。
【0043】
H.金属、粒子処理量の測定
各種金属および粒子の付着あるいは結合したシリカ系無機粒子を理学(株)社製、蛍光X線分析装置(FLX)で測定した。
【0044】
I.ポリマー重合時の増粘挙動の評価
無粒子系ポリエステルの[η]が0.66dl/gに到達する時の重合時間に対し、同一重合条件下で重合を行った時の攪拌トルクの到達時間で評価した。トルク到達までの時間が1/2未満であり、激しく増粘したものを×、1/2以上2/3未満のものを△、2/3以上3/4未満のものを○、3/4以上のものを○○とした。
【0045】
J.シリカ分散性の評価
シリカ粒子含有ポリエステルの薄片(20μm四方)を透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA型)で観察した際、確認できるシリカ粒子もしくは凝集体の平均粒径で評価した。この粒径が添加時の粒径の100%以上120%未満のときは○、120%以上200%未満のときは△、200%以上のときは×とした。
【0046】
実施例1
平均粒径d0.5μm、細孔容積V1.2ml/g、S/Vが600m2/ml、吸湿性パラメーター(ΔMR)40.6%,SiO2含有量が98%である湿式シリカ系無機粒子を用いた。このシリカ系粒子8重量部が100部のエチレングリコール中に分散したスラリーに対して、1価のアルコール性有機化合物として1−ヘキサノール16部を加え、0.1MPa、150℃、2時間の条件下反応させることで、表面シラノール基数を3.0個/nm2とした。一方、ポリエステルとして、ジメチルテレフタル酸194部、エチレングリコール124部、酢酸マグネシウム0.05部を加え、140〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行い、その後、リン酸トリメチル0.08部のエチレングリコール溶液を添加した。さらに上記シリカ系無機粒子12部のエチレングリコールスラリー、および三酸化アンチモン0.1部を加え、徐々に0.1kPa以下まで減圧し、それと共に290℃まで昇温して、重合時間3時間30分でポリエステルチップを得た。このポリエステルチップのシリカ系無機粒子の含有量は12重量%であり、またΔMRは3.8%であった。
【0047】
このチップを290℃で溶融し、吐出量25g/分で同心円口金から吐出して1000m/分の紡糸速度で巻き取り未延伸糸を得た。この未延伸糸を延伸温度90℃、熱セット温度130℃、延伸速度800m/minで3.0倍延伸して107tex−24fの延伸糸を得た。繊維物性は3.9cN/dtex、伸度40.0%であった。この延伸糸を筒編みにし、オートクレーブを用い150℃、1時間で湿熱処理後、編み地の吸放湿を測定したところΔMRは3.8%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0048】
実施例2〜4および比較例1〜2
シリカ系無機粒子表面のシラノール基数を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例1においては、表面シラノール基数の減少による該粒子の吸湿性低下のため、十分な吸湿性を付与することができなかった比較例2においては、ポリマーの粘度上昇が激しく、シリカの分散性も不良であった。実施例1の表面シラノール基数3.0個/nm2の該粒子を用いた場合に最も増粘が抑制され、該粒子の分散性が良好であると共に、高いΔMRを示す繊維が得られた。
【0049】
【表1】
実施例5,6および比較例3,4
シリカ系無機粒子の添加量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例3においてはシリカ系無機粒子の含有量が少なすぎるため満足のいく吸湿性を付与することができなかった。比較例4においては添加量が多すぎるために糸切れが多発し、繊維を得ることができなかった。
【0050】
【表2】
実施例7および比較例5
粒子の細孔容積Vを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例5においては細孔容積が小さいため満足のいく吸湿性を付与することができなかった。
【0051】
【表3】
実施例8,9および比較例6,7
S/Vを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。比較例6、7においてはS/Vが請求範囲外であるために満足のいく吸湿性を付与することができなかった。
【0052】
【表4】
実施例10,11
粒子の平均粒径dを変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿性を測定したところΔMRはそれぞれ1.8%、1.9%であり、良好な吸放湿特性を示した。
【0053】
【表5】
比較例8
シリカ系粒子の表面処理をしない以外は実施例1と同様な方法でポリエステルを得た。重合時にポリマーが増粘し、さらに多数の該粒子の凝集体が観察された。
【0054】
【表6】
実施例12、13および比較例9
1価のアルコール性有機化合物の炭素数と水酸基数を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。実施例13では実施例1ほどではないものの、良好な吸放湿特性を示した。比較例9においてはポリマーの増粘が激しく、繊維を得ることができなかった。
【0055】
【表7】
実施例14、15
DEG量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿を測定したところ実施例14のΔMRは3.1%、実施例15では1.5%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0056】
【表8】
実施例16〜18
COOH末端基量を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。吸放湿を測定したところ実施例16のΔMRは3.2%、実施例17では2.1%、実施例18では3.5%であり、良好な吸放湿特性を示すことがわかった。
【0057】
【表9】
実施例19〜21
1−ヘキサノールで表面処理後のシリカ系無機粒子のエチレングリコールスラリーにアルミナ粒子を併用添加した後にポリエステルに配合した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。アルミナ粒子を添加することによって重合時の増粘が抑制でき、また粒子の分散性に優れるポリエステルおよび繊維を得ることができた。
【0058】
【表10】
実施例22〜24
1価のアルコール性有機化合物によるシリカの表面処理条件を変更した以外は実施例1と同様な方法でポリエステルおよび繊維を得た。実施例1と同様に粒子分散性に優れ、良好な吸放湿特性を有するポリエステルおよび繊維を得ることができた。
【0059】
【表11】
【0060】
【発明の効果】
本発明によって得られた合成繊維は着用快適性を得るのに十分な吸湿性を有し、かつドライタッチな風合いと高い染色堅牢性や耐光性を有している。本発明の合成繊維は下着、シャツ、ブラウス、中衣、スポーツウェア、スラックス類、外衣、裏地、カーテン、壁紙、さらには、シーツ、フトンカバー、詰め綿等の寝装用に適しており、極めて実用性の高い物である。
Claims (6)
- 表面シラノール基数が1.5〜4個/nm2である、1価のアルコール性有機化合物で表面処理されたシリカ系無機粒子を、1〜20重量%含有し、吸湿パラメーター(ΔMR)が1%以上であることを特徴とする吸湿ポリエステル組成物。
- シリカ系無機粒子が下記A〜Cを満足することを特徴とする請求項1項記載の吸湿ポリエステル組成物。
A.細孔容積V(ml/g)が0.4以上であり、かつ該粒子の比表面積S(m2/g)との関係が次式を満足すること。
100≦S/V<1500
B.平均粒径d(μm)が0.01〜10であること。
C.吸湿パラメーター(ΔMR)が7%以上であること。 - 1価のアルコール性有機化合物の炭素数が5以上であることを特徴とする請求項1または2記載の吸湿ポリエステル組成物。
- ジエチレングリコール(DEG)含有量が2重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の吸湿ポリエステル組成物。
- カルボキシル(COOH)末端基量が10〜50当量/tであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の吸湿ポリエステル組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸湿ポリエステル組成物からなる吸湿性に優れたポリエステル繊維。
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