JP2004077464A - タイヤ故障検知装置及び検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知可能であると共に、装置破損時の修理が容易であるタイヤ故障検知装置及び検知方法を提供する。
【解決手段】タイヤ耐久試験において回転するタイヤTの故障を検知する装置において、タイヤTの子午線方向の外縁に沿って延在するU字状の枠体6と、該枠体6からタイヤTの外縁に向けて突出する複数本の支持棒7と、これら支持棒7の先端に張り渡された細線9と、該細線9とタイヤTとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器10とを設ける。タイヤTに故障が生じると、その故障箇所が膨らんで細線9と接触し、それによりタイヤ故障を検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】タイヤ耐久試験において回転するタイヤTの故障を検知する装置において、タイヤTの子午線方向の外縁に沿って延在するU字状の枠体6と、該枠体6からタイヤTの外縁に向けて突出する複数本の支持棒7と、これら支持棒7の先端に張り渡された細線9と、該細線9とタイヤTとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器10とを設ける。タイヤTに故障が生じると、その故障箇所が膨らんで細線9と接触し、それによりタイヤ故障を検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置及び方法に関し、さらに詳しくは、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知可能であると共に、装置破損時の修理が容易であるタイヤ故障検知装置及び検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内タイヤ耐久試験では、ドラムの外周上でタイヤを走行させながら耐久試験を実施するが、タイヤに故障が発生した段階で、その故障を検知して試験を終了させることが望まれている。つまり、タイヤ故障が発生した状態で耐久試験を継続するとタイヤがバーストする恐れがある。
【0003】
タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する方法として、タイヤショルダー部のように故障を生じ易い部位にタッチセンサを設置することが行われている。また、このタッチセンサを改善した技術として、多数の金属片を連結してなるリミット棒をタイヤの外縁に沿って配置し、タイヤがリミット棒に接触した際のリミット棒の変位に基づいてタイヤ故障を検出することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−93230号公報(1〜3頁、図4〜9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したリミット棒によるタイヤ故障の検出では、タイヤに対するリミット棒の位置を微妙に調整することが困難であるため、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検出することが困難であった。また、リミット棒は複雑な構造を有しているため、タイヤのバーストによって破壊された場合、その修理が容易ではないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知可能であると共に、装置破損時の修理が容易であるタイヤ故障検知装置及び検知方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ故障検知装置は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿って延在するU字状の枠体と、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて突出する複数本の支持棒と、これら支持棒の先端に張り渡された細線と、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明のタイヤ故障検知方法は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する方法であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体を配置し、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡し、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、枠体からタイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡すので、タイヤに対する細線の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。そのため、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。また、タイヤと接触するのは単なる細線であるので、仮に細線が破断したとしても、その修理が容易であり、しかも安価である。
【0010】
支持棒は枠体からの突出量が調整自在であることが好ましく、支持棒の枠体からの突出量をタイヤサイズに応じて調整することにより、タイヤ故障をより一層精度良く検知することが可能になる。
【0011】
また、本発明の他のタイヤ故障検知装置は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤのトレッド部に面してタイヤ幅方向に延在するトレッドフレーム部と、前記タイヤのサイド部に面して延在するサイドフレーム部とを備えた枠体を有し、該サイドフレーム部を前記トレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付ける一方、各フレーム部に前記タイヤに向けて突出する接触式センサをフレーム延在方向に沿って所定の間隔で前後、左右、及び首振り調整可能に設置したことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、各フレーム部にフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で各接触式センサを独立して取り付ける一方、その各接触式センサを前後、左右、及び首振り調整可能に設置するので、タイヤ表面形状に合わせて接触式センサの位置を微妙に調整することが可能になり、そのためタイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。また、タイヤと接触するのは接触式センサであるため、仮に接触式センサが破損しても、それを取り換えるだけで良いため、破損時に修理を容易に行うことができる。
【0013】
更に、サイドフレーム部をトレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付けることで、タイヤ幅の異なる各種タイヤに容易に対応することができる。
【0014】
好ましくは、接触式センサに作動したセンサを知らせる表示手段を接続するのがよく、それによりタイヤ故障の位置を容易に知ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示すものである。なお、以下に詳述するタイヤ故障検知装置はタイヤ耐久試験において回転するタイヤTの故障を検知するものであるので、タイヤ耐久試験を実施する装置の構成は特に限定されるものではない。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態のタイヤ故障検知装置は、ブラケット1を備えた筒状のガイド部材2に挿入されたメインアーム3を有している。このメインアーム3はボルト4によってガイド部材2に固定される。一方、ガイド部材2はブラケット1を介して試験ポジションの任意の部位に固定される。そして、メインアーム3の長さを調整することにより、タイヤTに対するタイヤ故障検知装置の位置が設定される。
【0018】
メインアーム3の先端部には、ボルト5を介してU字状の枠体6が取り付けられている。この枠体6はタイヤTの子午線方向の外縁に沿って延在し、タイヤTの一方のビード部からトレッド部を経て他方のビード部までを取り囲むような構造になっている。
【0019】
枠体6には、Tタイヤの外縁に向けて貫通する図示しない複数の貫通孔が設けられており、これら貫通孔にタイヤTの外縁に向けて突出する複数本の支持棒7が挿入されている。これら支持棒7はそれぞれ蝶ネジ8によって枠体6に固定される。つまり、支持棒7は枠体6からの突出量が調整自在である。支持棒7としては、直径1.0〜2.0mm、長さ50〜200mmの金属棒を使用すると良い。
【0020】
支持棒7の先端には、例えば鉤状の係合部が形成されており、その先端に細線9が張り渡されている。細線9としては、直径0.1〜0.3mmの金属線を使用すると良い。このような金属線は可撓性に優れているためタイヤ表面形状に合わせて容易に変形させることができ、しかも適度な強度を有しているためリミッターとして有効に機能する。
【0021】
枠体6の一端部には、細線9とタイヤTとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器10が取り付けられている。この検知器10は検知器本体10aに対して揺動自在なスイングアーム10bを備え、そのスイングアーム10bの先端に細線9の端部を結び付けるようになっている。スイングアーム10bは細線9に張力を与える方向に付勢されている。また、検知器10は細線9とタイヤTとの接触に基づいてスイングアーム10bが変位したときにタイヤ故障を検知するようになっている。
【0022】
次に、上記タイヤ故障検知装置を用いてタイヤ耐久試験においてタイヤ故障を検知する方法について説明する。先ず、タイヤ耐久試験に先駆けてタイヤ故障検知装置のセッティングを行う。即ち、タイヤTの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体6を配置し、枠体6からタイヤTの外縁に向けて複数本の支持棒7を突出させる。このとき、支持棒7の枠体6からの突出量をタイヤサイズに応じて調整し、全ての支持棒7の先端がタイヤ表面から一定の距離になるように調整する。支持棒7の先端とタイヤ表面との距離は、例えば10〜15mmの範囲に設定すれば良い。これにより、支持棒7の先端に張り渡された細線9がタイヤ表面と近接する位置に配置される。
【0023】
この状態で、タイヤTをドラムの外周上で走行させて耐久試験を実施する。試験の最終段階になってタイヤTに故障が発生すると、その破壊に起因して故障部分が膨らむ。そして、タイヤTの膨らんだ故障部分が細線9に接触し、或いは、その接触により細線9を破断すると、検知器10がタイヤ故障を検知する。検知器10による検出結果は、タイヤ耐久試験装置に供給されて制御信号として利用される。つまり、検知器10がタイヤ故障を検知すると、タイヤTがドラムから後退して耐久試験が終了する。
【0024】
上記タイヤ故障検知装置は、枠体6からタイヤTの外縁に向けて突出させた複数本の支持棒7を有し、これら支持棒7の先端に細線9を張り渡しているので、タイヤTに対する細線9の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。従って、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。しかも、支持棒7の枠体6からの突出量を調整することで、幅や外径が種々異なるタイヤに対して適用可能である。
【0025】
また、上記タイヤ故障検知装置は、タイヤTと接触する部分が細線9であり、細線9が破断した場合は、それを交換するだけで良い。この細線9には安価な金属線を使用することができ、その修理も容易である。
【0026】
上記タイヤ故障検知装置において、タイヤTが細線9に接触した場合と、その接触により細線9が破断した場合では、検知器10におけるスイングアーム10bの変位方向が相違する。このことを利用して、2種類の故障形態の検知することも可能である。つまり、スイングアーム10bが付勢方向とは反対方向に僅かに変位した場合はタイヤTの故障箇所が僅かに膨らんだことを意味し、スイングアーム10bが付勢方向に大きく変位した場合はタイヤTに大きな故障又はバーストが生じたことを意味する。
【0027】
図3〜7は、本発明の他の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示し、20はタイヤTの故障した膨出箇所を検出する接触式センサ、21は接触式センサ20を取り付ける枠体である。
【0028】
枠体21は、タイヤ耐久試験装置に取り付けたタイヤTのトレッド部Taに面してタイヤ幅方向に沿って延在する板状のトレッドフレーム部22と、タイヤTの両サイド部Tbに面してタイヤTの径方向に沿って延在する板状の両サイドフレーム部23、及びトレッドフレーム部22と両サイドフレーム部23を連結するジョイントプレート24を備えている。
【0029】
トレッドフレーム部22の両側部22aには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる第1長孔25がそれぞれ1本形成されている。トレッドフレーム部22の中間部22bには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる、接触式センサ20取付用の第2長孔26が、フレーム部延在方向に所定の間隔でかつ前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)2列に千鳥状に設けられている。
【0030】
両サイドフレーム部23の一方側部23aには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる第1長孔27がそれぞれ1本形成されている。一方側部23aより他方側の部分23bには、上記と同様にして、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる、接触式センサ20取付用の第2長孔28が、フレーム部延在方向に所定の間隔でかつ前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)2列に千鳥状に設けられている。
【0031】
ジョイントプレート24は、図5に示すように、上面24aにサイドフレーム部23が延在する方向に沿って2本のネジ部29が突設されている。このネジ部29はサイドフレーム部23の第1長孔27に挿通され、その間隔が第1長孔27の長さより短くなっている。また、下面24bにはトレッドフレーム部22が延在する方向に沿って2本のネジ部30が突設してある。このネジ部30はトレッドフレーム部22の第1長孔25に挿通され、その間隔が第1長孔25の長さより短くなっている。
【0032】
トレッドフレーム部22の両側部22a上に、各ジョイントプレート24をネジ部30が第1長孔25を挿通するようにして配置し、そのネジ部30に固定用ネジ31を螺合させて締め込むことでトレッドフレーム部22にジョイントプレート24を固定し、このジョイントプレート24上にサイドフレーム部23をネジ部29が第1長孔27を挿通するようにして配置し、そのネジ部29に固定用ネジ32を螺合させて締め込むことでサイドフレーム部23をジョイントプレート24を介してトレッドフレーム部22に固定している。
【0033】
トレッドフレーム部22の第1長孔25に係合するネジ部30の位置を第1長孔25に沿って変えることで、サイドフレーム部23をタイヤ幅方向に移動させて取り付けることができ、またサイドフレーム部23の第1長孔27に係合するネジ部29の位置を第1長孔27に沿って変えることで、サイドフレーム部23をタイヤ径方向に移動させて取り付けることができるようになっている。
【0034】
トレッドフレーム部22の中間部22bにはブラケット33が突設固定され、このブラケット33に高さ調整部材34を介して不図示のベースに立設した支持ロッド35が固定されている。
【0035】
各接触式センサ20は、図6に示すように、円柱状のセンサ本体41とそのセンサ本体41の先端に取り付けた針状の接触部42とから構成され、この接触部42の先端に回転するタイヤTの膨出した故障箇所が当接し、接触部42の先端が所定量振れることで、センサ本体41がオンになり検出信号を出力するようになっている。
【0036】
ここで使用する接触式センサ20としては、例えば、0.05Nの力が接触部42の先端に作用してその先端を14mm振幅移動させるとオンになるような高感度のセンサを好ましく用いることができる。
【0037】
また、接触式センサ20には、センサ本体41の外径が5〜10mmの小型のセンサを使用し、それを10〜20mm間隔となるように配置するのが好ましい。
【0038】
上記接触式センサ20はセンサ本体41の後部側表面にネジ部40が形成され、このネジ部40にナット43を介して直角状に屈曲したブラケット44が固定されている。ブラケット44は、接触部42を水平方向にして接触式センサ20を取り付ける第1ブラケット部45と、この第1ブラケット部45に対して直角状に屈曲して接触部42の延在する方向に延びる第2ブラケット部46とから構成されている。第2ブラケット部46には、接触部42の延在する方向に沿って延びる長孔47が形成され、その一端が第2ブラケット部46の端面46aに開口している。
【0039】
ボルト48を下側から長孔47に挿通し、更に図6(a)に示すトレッドフレーム部22の場合には接触式センサ20取付用の第2長孔26に、サイドフレーム部23の場合には接触式センサ20取付用の第2長孔28に挿通し、長孔から突出するボルト48の上部に固定用ネジ49を螺合させて締め込むことで、接触式センサ20をブラケット44を介してフレーム部の下方に取り付けるようにしてある。
【0040】
ブラケット44の長孔47に係合するボルト48の位置を長孔47に沿って変えることで、タイヤTに向けて突出する接触部42を備えた接触式センサ20を前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)に位置調整でき、またトレッドフレーム部22の第2長孔26あるいはサイドフレーム部23の第2長孔28に沿って取付位置を変えることで左右に位置調整でき、更にフレーム部に取り付けられるブラケット44の向きを図6(c)に示すように任意の角度α変えることで、接触式センサ20を首振り調整可能(接触部42の向きを変更可能)にしてある。接触式センサ20の接触部42の先端からタイヤ表面までの距離は、3〜6mmの範囲となるように設定するのが良い。
【0041】
各接触式センサ20は、不図示の配線により、作動したセンサを知らせる図7の表示手段50に接続されている。表示手段50は、表示ボード51上に設置した表示ランプ52とこれに接続されたスライドスイッチ53を組みとする表示部54を有している。表示部54は、触式センサ20取付用の第2長孔26,28と同数設けられ、更に第2長孔26,28が並ぶ形状と同じ形状配置になっている。
【0042】
第2長孔26,28の位置に取り付けられた各接触式センサ20が各対応する位置のスライドスイッチ53に接続され、接触式センサ20がオンになると、それに対応するスライドスイッチ53がオンになって表示ランプ52が点灯する。また、表示ボード51の中央に設けられた故障表示点滅ランプ55が点滅し、故障の発生を知らせるようにしている。
【0043】
上記タイヤ故障検知装置では、タイヤ耐久試験において回転するタイヤに故障箇所が発生してその箇所が膨出し、接触式センサ20の接触部42の先端がその膨出箇所に当たって所定量振れるとセンサがオンになり、それに対応する表示手段50の表示ランプ52が点灯し、更に故障表示点滅ランプ55が点滅するが、各フレーム部22,23にフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で各接触式センサ20を独立して取り付ける一方、その各接触式センサ20を前後、左右、及び首振り調整可能に設置することで、接触式センサ20の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。そのため、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することが可能になる。また、タイヤと接触するのは各接触式センサ20であるため、仮にタイヤの故障箇所との接触により破損しても、その破損した接触式センサ20を取り換えるだけで良いため、破損時の修理が容易となる。
【0044】
また、サイドフレーム部23をトレッドフレーム部22の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付けてあるため、タイヤ幅の異なる各種タイヤに対応することができ、更にサイドフレーム部23をタイヤ径方向に移動可能に取り付けることで、タイヤ径の異なる各種タイヤにも容易に対応することができる。
【0045】
また、作動したセンサを知らせる表示手段50を設置することで、タイヤ故障の位置を容易に知ることができ、更に第2長孔26,28が並ぶ形状、即ち接触式センサ20が並ぶ形状と同じ形状配置で作動したセンサを知らせる各表示ランプ52を設置することにより、タイヤ故障が発生した際の故障箇所を目視により一目で迅速かつ容易に知ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タイヤの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体を配置し、該枠体からタイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡し、該細線とタイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知するから、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知することができ、しかもタイヤと接触するのは単なる細線であるから、仮に細線が破断したとしても、その修理が容易である。
【0047】
また、他のタイヤ故障検知装置では、サイドフレーム部をトレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付ける一方、各フレーム部にタイヤに向けて突出する接触式センサをフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で前後、左右、及び首振り調整可能に設置したので、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知することができ、またタイヤと接触するのは各接触式センサであるため、仮にセンサが破損したとしてもそれを取り換えればよいので、装置の修理が煩雑になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す側面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】(a)はジョイントプレートの拡大平面図、(b)はその正面図である。
【図6】(a)は接触式センサをブラケットを介してトレッドフレーム部に取り付けた状態を示す拡大断面図、(b)は(a)のトレッドフレーム部から接触式センサを取り外した状態をブラケットと共に示す平面図、(c)は(b)の接触式センサを前後方向に対して角度αで首振り調整した状態を示す平面図である。
【図7】表示手段の説明図である。
【符号の説明】
1 ブラケット
2 ガイド部材
3 メインアーム
4,5 ボルト
6 枠体
7 支持棒
8 蝶ネジ
9 細線
10 検知器
10a 検知器本体
10b スイングアーム
20 接触式センサ
21 枠体
22 トレッドフレーム部
23 サイドフレーム部
24 ジョイントプレート
44 ブラケット
50 表示手段
52 表示ランプ
T タイヤ
Ta トレッド部
Tb サイド部
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置及び方法に関し、さらに詳しくは、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知可能であると共に、装置破損時の修理が容易であるタイヤ故障検知装置及び検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内タイヤ耐久試験では、ドラムの外周上でタイヤを走行させながら耐久試験を実施するが、タイヤに故障が発生した段階で、その故障を検知して試験を終了させることが望まれている。つまり、タイヤ故障が発生した状態で耐久試験を継続するとタイヤがバーストする恐れがある。
【0003】
タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する方法として、タイヤショルダー部のように故障を生じ易い部位にタッチセンサを設置することが行われている。また、このタッチセンサを改善した技術として、多数の金属片を連結してなるリミット棒をタイヤの外縁に沿って配置し、タイヤがリミット棒に接触した際のリミット棒の変位に基づいてタイヤ故障を検出することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−93230号公報(1〜3頁、図4〜9)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したリミット棒によるタイヤ故障の検出では、タイヤに対するリミット棒の位置を微妙に調整することが困難であるため、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検出することが困難であった。また、リミット棒は複雑な構造を有しているため、タイヤのバーストによって破壊された場合、その修理が容易ではないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知可能であると共に、装置破損時の修理が容易であるタイヤ故障検知装置及び検知方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のタイヤ故障検知装置は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿って延在するU字状の枠体と、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて突出する複数本の支持棒と、これら支持棒の先端に張り渡された細線と、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明のタイヤ故障検知方法は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する方法であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体を配置し、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡し、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、枠体からタイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡すので、タイヤに対する細線の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。そのため、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。また、タイヤと接触するのは単なる細線であるので、仮に細線が破断したとしても、その修理が容易であり、しかも安価である。
【0010】
支持棒は枠体からの突出量が調整自在であることが好ましく、支持棒の枠体からの突出量をタイヤサイズに応じて調整することにより、タイヤ故障をより一層精度良く検知することが可能になる。
【0011】
また、本発明の他のタイヤ故障検知装置は、タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤのトレッド部に面してタイヤ幅方向に延在するトレッドフレーム部と、前記タイヤのサイド部に面して延在するサイドフレーム部とを備えた枠体を有し、該サイドフレーム部を前記トレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付ける一方、各フレーム部に前記タイヤに向けて突出する接触式センサをフレーム延在方向に沿って所定の間隔で前後、左右、及び首振り調整可能に設置したことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、各フレーム部にフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で各接触式センサを独立して取り付ける一方、その各接触式センサを前後、左右、及び首振り調整可能に設置するので、タイヤ表面形状に合わせて接触式センサの位置を微妙に調整することが可能になり、そのためタイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。また、タイヤと接触するのは接触式センサであるため、仮に接触式センサが破損しても、それを取り換えるだけで良いため、破損時に修理を容易に行うことができる。
【0013】
更に、サイドフレーム部をトレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付けることで、タイヤ幅の異なる各種タイヤに容易に対応することができる。
【0014】
好ましくは、接触式センサに作動したセンサを知らせる表示手段を接続するのがよく、それによりタイヤ故障の位置を容易に知ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成につき添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1及び図2は本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示すものである。なお、以下に詳述するタイヤ故障検知装置はタイヤ耐久試験において回転するタイヤTの故障を検知するものであるので、タイヤ耐久試験を実施する装置の構成は特に限定されるものではない。
【0017】
図1及び図2に示すように、本実施形態のタイヤ故障検知装置は、ブラケット1を備えた筒状のガイド部材2に挿入されたメインアーム3を有している。このメインアーム3はボルト4によってガイド部材2に固定される。一方、ガイド部材2はブラケット1を介して試験ポジションの任意の部位に固定される。そして、メインアーム3の長さを調整することにより、タイヤTに対するタイヤ故障検知装置の位置が設定される。
【0018】
メインアーム3の先端部には、ボルト5を介してU字状の枠体6が取り付けられている。この枠体6はタイヤTの子午線方向の外縁に沿って延在し、タイヤTの一方のビード部からトレッド部を経て他方のビード部までを取り囲むような構造になっている。
【0019】
枠体6には、Tタイヤの外縁に向けて貫通する図示しない複数の貫通孔が設けられており、これら貫通孔にタイヤTの外縁に向けて突出する複数本の支持棒7が挿入されている。これら支持棒7はそれぞれ蝶ネジ8によって枠体6に固定される。つまり、支持棒7は枠体6からの突出量が調整自在である。支持棒7としては、直径1.0〜2.0mm、長さ50〜200mmの金属棒を使用すると良い。
【0020】
支持棒7の先端には、例えば鉤状の係合部が形成されており、その先端に細線9が張り渡されている。細線9としては、直径0.1〜0.3mmの金属線を使用すると良い。このような金属線は可撓性に優れているためタイヤ表面形状に合わせて容易に変形させることができ、しかも適度な強度を有しているためリミッターとして有効に機能する。
【0021】
枠体6の一端部には、細線9とタイヤTとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器10が取り付けられている。この検知器10は検知器本体10aに対して揺動自在なスイングアーム10bを備え、そのスイングアーム10bの先端に細線9の端部を結び付けるようになっている。スイングアーム10bは細線9に張力を与える方向に付勢されている。また、検知器10は細線9とタイヤTとの接触に基づいてスイングアーム10bが変位したときにタイヤ故障を検知するようになっている。
【0022】
次に、上記タイヤ故障検知装置を用いてタイヤ耐久試験においてタイヤ故障を検知する方法について説明する。先ず、タイヤ耐久試験に先駆けてタイヤ故障検知装置のセッティングを行う。即ち、タイヤTの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体6を配置し、枠体6からタイヤTの外縁に向けて複数本の支持棒7を突出させる。このとき、支持棒7の枠体6からの突出量をタイヤサイズに応じて調整し、全ての支持棒7の先端がタイヤ表面から一定の距離になるように調整する。支持棒7の先端とタイヤ表面との距離は、例えば10〜15mmの範囲に設定すれば良い。これにより、支持棒7の先端に張り渡された細線9がタイヤ表面と近接する位置に配置される。
【0023】
この状態で、タイヤTをドラムの外周上で走行させて耐久試験を実施する。試験の最終段階になってタイヤTに故障が発生すると、その破壊に起因して故障部分が膨らむ。そして、タイヤTの膨らんだ故障部分が細線9に接触し、或いは、その接触により細線9を破断すると、検知器10がタイヤ故障を検知する。検知器10による検出結果は、タイヤ耐久試験装置に供給されて制御信号として利用される。つまり、検知器10がタイヤ故障を検知すると、タイヤTがドラムから後退して耐久試験が終了する。
【0024】
上記タイヤ故障検知装置は、枠体6からタイヤTの外縁に向けて突出させた複数本の支持棒7を有し、これら支持棒7の先端に細線9を張り渡しているので、タイヤTに対する細線9の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。従って、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することができる。しかも、支持棒7の枠体6からの突出量を調整することで、幅や外径が種々異なるタイヤに対して適用可能である。
【0025】
また、上記タイヤ故障検知装置は、タイヤTと接触する部分が細線9であり、細線9が破断した場合は、それを交換するだけで良い。この細線9には安価な金属線を使用することができ、その修理も容易である。
【0026】
上記タイヤ故障検知装置において、タイヤTが細線9に接触した場合と、その接触により細線9が破断した場合では、検知器10におけるスイングアーム10bの変位方向が相違する。このことを利用して、2種類の故障形態の検知することも可能である。つまり、スイングアーム10bが付勢方向とは反対方向に僅かに変位した場合はタイヤTの故障箇所が僅かに膨らんだことを意味し、スイングアーム10bが付勢方向に大きく変位した場合はタイヤTに大きな故障又はバーストが生じたことを意味する。
【0027】
図3〜7は、本発明の他の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示し、20はタイヤTの故障した膨出箇所を検出する接触式センサ、21は接触式センサ20を取り付ける枠体である。
【0028】
枠体21は、タイヤ耐久試験装置に取り付けたタイヤTのトレッド部Taに面してタイヤ幅方向に沿って延在する板状のトレッドフレーム部22と、タイヤTの両サイド部Tbに面してタイヤTの径方向に沿って延在する板状の両サイドフレーム部23、及びトレッドフレーム部22と両サイドフレーム部23を連結するジョイントプレート24を備えている。
【0029】
トレッドフレーム部22の両側部22aには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる第1長孔25がそれぞれ1本形成されている。トレッドフレーム部22の中間部22bには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる、接触式センサ20取付用の第2長孔26が、フレーム部延在方向に所定の間隔でかつ前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)2列に千鳥状に設けられている。
【0030】
両サイドフレーム部23の一方側部23aには、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる第1長孔27がそれぞれ1本形成されている。一方側部23aより他方側の部分23bには、上記と同様にして、フレーム部延在方向に沿って細長く延びる、接触式センサ20取付用の第2長孔28が、フレーム部延在方向に所定の間隔でかつ前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)2列に千鳥状に設けられている。
【0031】
ジョイントプレート24は、図5に示すように、上面24aにサイドフレーム部23が延在する方向に沿って2本のネジ部29が突設されている。このネジ部29はサイドフレーム部23の第1長孔27に挿通され、その間隔が第1長孔27の長さより短くなっている。また、下面24bにはトレッドフレーム部22が延在する方向に沿って2本のネジ部30が突設してある。このネジ部30はトレッドフレーム部22の第1長孔25に挿通され、その間隔が第1長孔25の長さより短くなっている。
【0032】
トレッドフレーム部22の両側部22a上に、各ジョイントプレート24をネジ部30が第1長孔25を挿通するようにして配置し、そのネジ部30に固定用ネジ31を螺合させて締め込むことでトレッドフレーム部22にジョイントプレート24を固定し、このジョイントプレート24上にサイドフレーム部23をネジ部29が第1長孔27を挿通するようにして配置し、そのネジ部29に固定用ネジ32を螺合させて締め込むことでサイドフレーム部23をジョイントプレート24を介してトレッドフレーム部22に固定している。
【0033】
トレッドフレーム部22の第1長孔25に係合するネジ部30の位置を第1長孔25に沿って変えることで、サイドフレーム部23をタイヤ幅方向に移動させて取り付けることができ、またサイドフレーム部23の第1長孔27に係合するネジ部29の位置を第1長孔27に沿って変えることで、サイドフレーム部23をタイヤ径方向に移動させて取り付けることができるようになっている。
【0034】
トレッドフレーム部22の中間部22bにはブラケット33が突設固定され、このブラケット33に高さ調整部材34を介して不図示のベースに立設した支持ロッド35が固定されている。
【0035】
各接触式センサ20は、図6に示すように、円柱状のセンサ本体41とそのセンサ本体41の先端に取り付けた針状の接触部42とから構成され、この接触部42の先端に回転するタイヤTの膨出した故障箇所が当接し、接触部42の先端が所定量振れることで、センサ本体41がオンになり検出信号を出力するようになっている。
【0036】
ここで使用する接触式センサ20としては、例えば、0.05Nの力が接触部42の先端に作用してその先端を14mm振幅移動させるとオンになるような高感度のセンサを好ましく用いることができる。
【0037】
また、接触式センサ20には、センサ本体41の外径が5〜10mmの小型のセンサを使用し、それを10〜20mm間隔となるように配置するのが好ましい。
【0038】
上記接触式センサ20はセンサ本体41の後部側表面にネジ部40が形成され、このネジ部40にナット43を介して直角状に屈曲したブラケット44が固定されている。ブラケット44は、接触部42を水平方向にして接触式センサ20を取り付ける第1ブラケット部45と、この第1ブラケット部45に対して直角状に屈曲して接触部42の延在する方向に延びる第2ブラケット部46とから構成されている。第2ブラケット部46には、接触部42の延在する方向に沿って延びる長孔47が形成され、その一端が第2ブラケット部46の端面46aに開口している。
【0039】
ボルト48を下側から長孔47に挿通し、更に図6(a)に示すトレッドフレーム部22の場合には接触式センサ20取付用の第2長孔26に、サイドフレーム部23の場合には接触式センサ20取付用の第2長孔28に挿通し、長孔から突出するボルト48の上部に固定用ネジ49を螺合させて締め込むことで、接触式センサ20をブラケット44を介してフレーム部の下方に取り付けるようにしてある。
【0040】
ブラケット44の長孔47に係合するボルト48の位置を長孔47に沿って変えることで、タイヤTに向けて突出する接触部42を備えた接触式センサ20を前後(タイヤに面する方向を前後方向とする)に位置調整でき、またトレッドフレーム部22の第2長孔26あるいはサイドフレーム部23の第2長孔28に沿って取付位置を変えることで左右に位置調整でき、更にフレーム部に取り付けられるブラケット44の向きを図6(c)に示すように任意の角度α変えることで、接触式センサ20を首振り調整可能(接触部42の向きを変更可能)にしてある。接触式センサ20の接触部42の先端からタイヤ表面までの距離は、3〜6mmの範囲となるように設定するのが良い。
【0041】
各接触式センサ20は、不図示の配線により、作動したセンサを知らせる図7の表示手段50に接続されている。表示手段50は、表示ボード51上に設置した表示ランプ52とこれに接続されたスライドスイッチ53を組みとする表示部54を有している。表示部54は、触式センサ20取付用の第2長孔26,28と同数設けられ、更に第2長孔26,28が並ぶ形状と同じ形状配置になっている。
【0042】
第2長孔26,28の位置に取り付けられた各接触式センサ20が各対応する位置のスライドスイッチ53に接続され、接触式センサ20がオンになると、それに対応するスライドスイッチ53がオンになって表示ランプ52が点灯する。また、表示ボード51の中央に設けられた故障表示点滅ランプ55が点滅し、故障の発生を知らせるようにしている。
【0043】
上記タイヤ故障検知装置では、タイヤ耐久試験において回転するタイヤに故障箇所が発生してその箇所が膨出し、接触式センサ20の接触部42の先端がその膨出箇所に当たって所定量振れるとセンサがオンになり、それに対応する表示手段50の表示ランプ52が点灯し、更に故障表示点滅ランプ55が点滅するが、各フレーム部22,23にフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で各接触式センサ20を独立して取り付ける一方、その各接触式センサ20を前後、左右、及び首振り調整可能に設置することで、接触式センサ20の位置をタイヤ表面形状に合わせて微妙に調整することができる。そのため、タイヤの一方のビード部付近からトレッド部を経て他方のビード部付近まで、広い範囲にわたってタイヤ故障を精度良く検知することが可能になる。また、タイヤと接触するのは各接触式センサ20であるため、仮にタイヤの故障箇所との接触により破損しても、その破損した接触式センサ20を取り換えるだけで良いため、破損時の修理が容易となる。
【0044】
また、サイドフレーム部23をトレッドフレーム部22の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付けてあるため、タイヤ幅の異なる各種タイヤに対応することができ、更にサイドフレーム部23をタイヤ径方向に移動可能に取り付けることで、タイヤ径の異なる各種タイヤにも容易に対応することができる。
【0045】
また、作動したセンサを知らせる表示手段50を設置することで、タイヤ故障の位置を容易に知ることができ、更に第2長孔26,28が並ぶ形状、即ち接触式センサ20が並ぶ形状と同じ形状配置で作動したセンサを知らせる各表示ランプ52を設置することにより、タイヤ故障が発生した際の故障箇所を目視により一目で迅速かつ容易に知ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、タイヤの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体を配置し、該枠体からタイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡し、該細線とタイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知するから、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知することができ、しかもタイヤと接触するのは単なる細線であるから、仮に細線が破断したとしても、その修理が容易である。
【0047】
また、他のタイヤ故障検知装置では、サイドフレーム部をトレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付ける一方、各フレーム部にタイヤに向けて突出する接触式センサをフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で前後、左右、及び首振り調整可能に設置したので、タイヤ故障を広い範囲にわたって精度良く検知することができ、またタイヤと接触するのは各接触式センサであるため、仮にセンサが破損したとしてもそれを取り換えればよいので、装置の修理が煩雑になることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す側面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなるタイヤ故障検知装置を示す平面図である。
【図4】図3の側面図である。
【図5】(a)はジョイントプレートの拡大平面図、(b)はその正面図である。
【図6】(a)は接触式センサをブラケットを介してトレッドフレーム部に取り付けた状態を示す拡大断面図、(b)は(a)のトレッドフレーム部から接触式センサを取り外した状態をブラケットと共に示す平面図、(c)は(b)の接触式センサを前後方向に対して角度αで首振り調整した状態を示す平面図である。
【図7】表示手段の説明図である。
【符号の説明】
1 ブラケット
2 ガイド部材
3 メインアーム
4,5 ボルト
6 枠体
7 支持棒
8 蝶ネジ
9 細線
10 検知器
10a 検知器本体
10b スイングアーム
20 接触式センサ
21 枠体
22 トレッドフレーム部
23 サイドフレーム部
24 ジョイントプレート
44 ブラケット
50 表示手段
52 表示ランプ
T タイヤ
Ta トレッド部
Tb サイド部
Claims (6)
- タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿って延在するU字状の枠体と、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて突出する複数本の支持棒と、これら支持棒の先端に張り渡された細線と、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知する検知器とを備えたタイヤ故障検知装置。
- 前記支持棒は前記枠体からの突出量が調整自在である請求項1に記載のタイヤ故障検知装置。
- タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する方法であって、前記タイヤの子午線方向の外縁に沿ってU字状の枠体を配置し、該枠体から前記タイヤの外縁に向けて複数本の支持棒を突出させ、これら支持棒の先端に細線を張り渡し、該細線と前記タイヤとの接触に基づいてタイヤ故障を検知するタイヤ故障検知方法。
- 前記支持棒の前記枠体からの突出量をタイヤサイズに応じて調整する請求項3に記載のタイヤ故障検知方法。
- タイヤ耐久試験において回転するタイヤの故障を検知する装置であって、前記タイヤのトレッド部に面してタイヤ幅方向に延在するトレッドフレーム部と、前記タイヤのサイド部に面して延在するサイドフレーム部とを備えた枠体を有し、該サイドフレーム部を前記トレッドフレーム部の両側にタイヤ幅方向に移動可能に取り付ける一方、各フレーム部に前記タイヤに向けて突出する接触式センサをフレーム部延在方向に沿って所定の間隔で前後、左右、及び首振り調整可能に設置したタイヤ故障検知装置。
- 前記接触式センサに作動したセンサを知らせる表示手段を接続した請求項5に記載のタイヤ故障検知装置。
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