JP2004075280A - フォークリフト - Google Patents
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Abstract
【課題】フォークが所定高さ以上に上昇したまま、オペレータがフォークリフトから離れた場合であっても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止できるフォークリフトを提供する。
【解決手段】フォークリフトの作業が終わり、キースイッチがオフされ(S1のYES)、または、オートパワーオフ機能が動作するときに(S2のYES)、解除スイッチのオン(S3のYES)、フォークの揚高が所定揚高以上(S4のYES)を強制下降条件の成立として、リーチイン検出手段のリーチインスイッチがオフであれば(S5のNO)、制御手段により油圧駆動手段のリフトシリンダを動作させてフォークを床面に着地するまで強制下降させる(S7)。
【選択図】 図4
【解決手段】フォークリフトの作業が終わり、キースイッチがオフされ(S1のYES)、または、オートパワーオフ機能が動作するときに(S2のYES)、解除スイッチのオン(S3のYES)、フォークの揚高が所定揚高以上(S4のYES)を強制下降条件の成立として、リーチイン検出手段のリーチインスイッチがオフであれば(S5のNO)、制御手段により油圧駆動手段のリフトシリンダを動作させてフォークを床面に着地するまで強制下降させる(S7)。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、キースイッチのオンにより起動し、油圧操作手段の操作に応じた油圧駆動手段の駆動により、少なくともフォークを昇降動作させるフォークリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フォークリフトの作業を終了したときや、フォークリフトのバッテリを充電するときに、オペレータがフォークリフトから離れる場合には、フォークに接触したり躓いたりすることがないように、フォークを床面に着地しておく必要がある。このため、オペレータは作業が終わると、昇降用油圧操作レバーを操作してフォークを床面に着地させ、その後キースイッチをオフして制御手段を停止させている。
【0003】
また、作業を終えて、昇降用油圧操作レバーを操作してフォークを床面に着地させて、その後、キースイッチをオフすることを忘れてフォークリフトから離れた場合に、フォークリフトの操作を一定時間しなければ、自動的に制御手段を停止させるオートパワーオフ機能の付いたフォークリフトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−327298(第2−3頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、オペレータがフォークリフトから離れる場合、フォークを床面に着地させずに駐車させると、床面より高い位置にあるフォークに気付かず、フォークリフト前方を他のフォークリフトや作業者が通過した時に、高位置のフォークに接触したり躓いてしまうことがあった。また、フォーク上に荷物を載置した状態でフォークを床面に着地させないまま、オペレータがフォークリフトから離れると、荷役装置に絶えず負荷がかかった状態となり、チェーンや部材の短寿命化を招く恐れもあった。
【0006】
そこで、本発明は、フォークが所定高さ以上に上昇したまま、オペレータがフォークリフトから離れた場合であっても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止できるフォークリフトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、キースイッチのオンにより起動し、油圧操作手段の操作に応じた油圧駆動手段の駆動により、少なくともフォークを昇降動作させるフォークリフトにおいて、前記フォークの揚高を検出する揚高検出手段と、前記キースイッチをオフしたときに、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されれば、前記フォークの強制下降条件が成立したと判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記キースイッチのオフを有効化する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記発明によれば、フォークリフトの作業が終了し、オペレータがフォークを床面に着地させるのを忘れてキースイッチをオフし、そのまま車体から離れてしまっても、制御手段により油圧駆動手段が制御されてフォークが床面まで自動的に強制下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段は、予め設定された所定時間何も操作が行われないときに、各部への電源をオフするオートパワーオフ機能を備え、前記オートパワーオフ機能の実行に際し、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されるときにも前記強制下降条件の成立と判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記オートパワーオフ機能を実行することを特徴としている。
【0010】
上記発明によれば、オペレータが、キースイッチをオンしたままの状態で作業途中にフォークを床面に着地させずにフォークリフトから離れても、予め設定された所定時間が経過すると、制御手段により、油圧駆動手段が制御されてフォークが自動的に着地された後、オートパワーオフ機能の実行により各部への電源がオフされるため、オートパワーオフ機能付きのフォークリフトにおいても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立時に、前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままである旨の警報を発する警報手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記発明によれば、強制下降条件の成立時に、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられ、フォークが所定高さ以上に位置していることが報知されるため、フォークが床面に着地していないことを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立による前記フォークの下降中に動作して警報を発する警報手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記発明によれば、強制下降条件の成立によるフォークの下降中、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、フォークの下降動作中であることを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、下降動作中のフォークや荷物に接触するのを未然に防止することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3に記載のフォークリフトにおいて、前記油圧駆動手段がフォークを前後にリーチ動作させる機能も有し、前記フォーク上の荷物の有無を検出する荷物検出手段を備え、前記制御手段が、前記強制下降条件の成立時に前記フォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときに警報を発すべく前記警報手段を制御することを特徴としている。
【0016】
上記発明によれば、フォークを前後にリーチ動作させる機能を有するリーチ型フォークリフトの場合、フォークがリーチインした状態でフォークが下降され続けると、ストラドルアーム上に荷物の端部が引っ掛かり、荷物が傾いて荷崩れを起こすおそれがあることから、強制下降条件の成立時にフォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときには、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、フォークの強制下降による荷崩れを未然に防止することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,4,5のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段による前記強制下降条件成立時の前記フォークの下降制御を解除操作するための解除操作手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記発明によれば、解除操作手段の操作により、強制下降条件成立時における制御手段によるフォークの強制下降制御を解除できるため、キースイッチをオフにしてもフォークを上昇した状態で停止させておくことができ、フォークリフトのメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明をリーチ型フォークリフトに適用した場合の一実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。但し、図1はリーチ型フォークリフト全体の斜視図、図2は運転台の拡大図、図3は制御系のブロック図、図4は動作説明用のフローチャートである。
【0020】
本実施形態におけるリーチ型フォークリフトは、図1に示すように構成されている。即ち、リーチ型フォークリフト1は、走行駆動手段2と、油圧駆動手段4と、車体3の内部に配設されこれらの両手段2,4の動力源となるバッテリ(図示せず)とを備えている。
【0021】
そして、車体3の後内部に、走行駆動手段2を構成する走行モータ(図示せず)、及び、油圧駆動手段4を構成する油圧モータ(図示せず)が配設されている。また、車体3の前内部には走行モータ(図示せず)及び油圧モータ(図示せず)を制御する制御手段8(図3も参照)が配設されている。
【0022】
前記走行駆動手段2は、前記走行モータと、1個の駆動輪9と、2個の従動輪12と、2個のキャスタ輪(図示せず)とを備えている。駆動輪9は、前記走行モータにより駆動され、運転台16の左部に設けられたハンドル10により操舵される操舵輪としての機能も有する。従動輪12は、車体3の前方に突出して設けられた左右一対のストラドルアーム11の前端部に回転自在に配設されている。キャスタ輪は、車体3後右下部に、車体3の進行方向に従動するように回転自在に配設されている。
【0023】
前記油圧駆動手段4は、両ストラドルアーム11間に立設されたマスト13と、このマスト13に沿って昇降するリフトブラケット(図示せず)とを備え、このリフトブラケットには左右一対のフォーク14が支持され、フォーク14はティルトシリンダ(図示せず)により前後方向に傾動される。なお、前記リフトブラケットはマスト13に付設されたリフトシリンダ15の伸縮によって昇降されるようになっている。更に、前記マスト13と、車体3とを連結するリーチシリンダ(図示せず)の伸縮によって、マスト13とフォーク14とが一緒に前後方向に移動されるようになっている。
【0024】
そして、オペレータは、車体3後部の運転台16に立ち乗りし、立ち姿勢の状態で運転台16の前部に配置された操作装置20を操作することにより、フォークリフト1の運転操作を行うようになっている。前記操作装置20の詳細な配置構成は、図2に示すようになっている。
【0025】
即ち、図2に示すように、操作装置20は、走行方向及び走行速度を調整するアクセルレバー21と、油圧操作手段31としてフォーク14を昇降させるリフトレバー22aと、フォーク14を傾動させるティルトレバー22bと、フォーク14を前後方向に移動させるリーチレバー22cとを備えている。
【0026】
この他、ヘッドライト等の灯火系アクセサリーのスイッチ23と、後述する制御手段8による強制下降条件成立時におけるフォーク14の強制下降制御を解除操作するための解除操作手段としての解除スイッチ24とが配置されている。また、運転台16の前部には制御手段8をはじめ各部への電源をオン、オフするためのキースイッチ25が配設され、運転台16の左脚部には、車体3の制動操作用のブレーキペダル(図示せず)が配設されている。
【0027】
後に詳述するが、例えばポテンショメータから成る揚高検出手段33がマスト13の下部に取付けられ、揚高検出手段33によりフォーク14の揚高が検出される。ここで、前記揚高検出手段33は、ポテンショメータ以外に、リミットスイッチやマグネットスイッチ等、フォーク14がある揚高であるかどうかを検出できるものであっても良い。
【0028】
次に、制御系の構成について図3のブロック図を参照して説明する。図3に示すように、フォークリフト1を起動させるために、キースイッチ25がオンされと、バッテリにより、制御手段8に電源が供給されると共に、走行駆動手段2及び油
圧駆動手段4への電源ラインがオンされ、フォークリフト1の走行操作と、油圧操作が可能な状態になる。
【0029】
一方、予め設定された所定時間(例えば、10分)、油圧操作手段31をはじめとする操作手段のいずれの操作もされないときには、制御手段8は、キースイッチ25がオン状態であっても各部への電源供給を停止する、いわゆるオートパワーオフ機能を有している。
【0030】
そして、図3に示すように、マスト13側に取り付けられた非接触式のマグネットセンサ35(図1参照)と、ストラドルアーム11の上面に取り付けられたマグネット36(図1参照)とにより構成されるリーチイン検出手段34により、マスト13がリーチイン状態であるかどうかの検出が行われ、リーチイン検出手段34の出力が制御手段8に取り込まれる。このとき、マスト13のリーチイン時にマグネットセンサ35がオフし、マスト13のリーチアウト時にマグネットセンサ35がオンする。
【0031】
ここで、リーチイン検出手段34には、このような非接触式のもの以外にリミットスイッチ等の接触式のセンサを使用してもよく、要するにマスト13のリーチインが検出できるものであれば良い。
【0032】
また、リフトシリンダ15と油圧配管との間に接続された圧力センサから成る荷物検出手段である荷重検出手段37により、フォーク14上に荷物の有無が検出され、荷重検出手段37の出力が制御手段8に取り込まれる。この荷重検出手段37は、リフト用油圧配管の圧力変化を検出し、フォーク14上に荷物が有れば制御手段8に対して検出信号が出力されるようになっている。ここで、荷重検出手段37には、このような圧力センサ以外にリミットスイッチ等の接触式或いは非接触式のセンサ等を使用してもよく、要するにフォーク14上の荷物の有無が検出できるものであれば良い。
【0033】
更に、例えばブザーから成る警報手段40が設けられ、制御手段8によりこの警報手段40が制御され、後述するように所定条件下で警報音が発せられるようになっている。
【0034】
そして、制御手段8は各部の制御を司り、以下のような処理を実行する。フォークリフト1の作業が終了し、オペレータによりキースイッチ25がオフに切り替えられると、制御手段8の電源を自己保持したまま、揚高検出手段33の出力が制御手段8に取り込まれ、制御手段8によりフォーク14が予め設定された所定揚高(例えば、床面より10cm)以上であるかどうかの判断がなされる。キースイッチ25のオフ時にフォーク14が所定揚高以上であると、制御手段8により、予め定められた強制下降条件が成立したと判断されて油圧駆動手段4にフォーク14の強制下降信号が出力され、リフトシリンダ15が駆動され、揚高検出手段33による検出揚高がゼロになってフォーク14が床面にほぼ着地するまで強制下降される。その後、フォーク14の自動下降が完了すると、キースイッチ25のオフ操作を有効化、つまり電源の自己保持をしていた制御手段8自身がバッテリから切り離され、キースイッチ25のオフ操作を有効化するようになっている。
【0035】
なお、キースイッチ25がオフされた時に、所定揚高(床面より10cm)以上の高さでフォーク14を停止させておきたい場合には、解除スイッチ24をオフすればよく、こうすれば制御手段8により下降制御不要と判断され、油圧駆動手段4への強制下降信号の出力が停止される。このとき、制御手段8により、フォーク14が床面より上部にあることを周囲の作業者に報知するために、警報手段40に対し警報制御信号が出力されて警報音が発せられる。
【0036】
ところで、フォーク14が所定揚高(床面より10cm)以上と判断されている状態で、リーチイン検出手段34のマグネットセンサ35がオフ、つまりリーチイン状態であり、かつ、荷重検出手段37により荷物有りが検出されると、制御手段8により、油圧駆動手段4への強制下降信号の出力が停止され、フォーク14の強制下降が中止されると共に、制御手段8により警報手段40に警報信号が出力されて警報音が発せられ、リーチイン状態にあってそのままフォーク14を下降すると荷崩れを招くおそれのあることが報知される。
【0037】
続いて、図4のフローチャートを参照してキースイッチ25のオフ時における制御手順について説明する。いま、図4に示すように、フォークリフト1のキースイッチ25がオフか否かの判定がなされ(S1)、この判定結果がYESであればステップS3に進み、一方判定結果がNOであれば、オートパワーオフ機能が計測完了して動作中であるか否かの判定がなされる(S2)。ステップS2の判定結果がNOであれば、フォークリフト1は操作中と判断されてステップS1に戻って操作可能な状態が継続され、ステップS2の判定結果がYESであれば、次のステップS3へ移行し、解除スイッチ24がオンか否かの判定がなされる(S3)。
【0038】
ステップS3の判定結果がNOであれば、オペレータはフォークの自動下降動作を不要としていると判断できるので、制御手段8により、バッテリから制御手段8自身への電源が切り離されてキースイッチ25のオフ操作が有効化され(S8)、その後動作は終了する。一方、ステップS3の判定結果がYESであれば、揚高検出手段33により検出されるフォーク14の揚高が所定揚高以上であるか否かの判定がなされ(S4)、この判定結果がNOであればステップS8に移行する。
【0039】
また、ステップS4の判定がYESであれば、リーチイン検出手段34のマグネットセンサ35の出力に基づき、フォーク14がリーチイン状態か否かの判定がなされ(S5)、判定結果がNOであればステップS7に移行し、判定結果がYESであれば荷重検出手段37によりフォーク14上の荷物の有無の判定がなされ(S6)、判定結果がNOであればステップS7に移行し、油圧駆動手段4によりフォーク14が床面にほぼ着地するまで(揚高検出手段33による検出揚高がゼロになるまで)自動下降動作され(S7)、その後上記したステップS3に移行する。
【0040】
ところで、ステップS6の判定結果がYESであれば、フォーク14上に荷物が載置されて、しかもフォーク14がリーチイン状態にあるため、フォーク14をそのまま自動下降させるとストラドルアーム11の端部に荷物が引っ掛かって傾斜し、荷崩れを起こすおそれがあると判断できるため、ステップS7には移行せずフォーク14の強制下降は中止され、制御手段8により警報手段40が制御されて警報音が発せられる(S9)。
【0041】
従って、上記した実施形態によれば、フォークリフト1の作業終了後、オペレータがフォーク14を床面に着地させるのを忘れて、そのままキースイッチ25をオフさせてフォークリフト1から離れた場合には、強制下降条件が成立したとして、制御手段8により油圧駆動手段4が制御されてフォーク14は床面まで自動的に下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォーク14に接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0042】
また、強制下降条件の成立時に、リーチイン状態でフォーク14上に荷物があるときには、制御手段8により警報手段40が制御されて警報音が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、迅速な対応策をとってフォーク14の強制下降による荷崩れを未然に防止することができる。
【0043】
なお、上記した実施形態において、強制下降条件の成立によるフォーク14の強制下降動作中にも、制御手段8により警報手段40を制御して警報音を発するようにしても良い。
【0044】
更に、上記した実施形態では、フォークリフト1がオートパワーオフ機能を備えている場合に、オートパワーオフ機能が動作するときにも強制下降条件が成立するとして、油圧駆動手段4によりフォーク14を強制下降させるようにした場合について説明したが、フォークリフト1がオートパワーオフ機能を備えていない場合にも本発明を適用することができるのは言うまでもない。この場合、キースイッチ25のオフ時にフォーク14が所定揚高以上であれば、強制下降条件が成立したとしてフォーク14を強制下降させるようにすればよい。
【0045】
また、上記した実施形態では、フォーク14が強制下降を解除するための解除スイッチ24を設けた場合について説明したが、解除スイッチ24は必ずしも設けなくても良い。
【0046】
更に、上記した実施形態では、警報手段40には警報音を発するブザーを用いた場合について説明したが、警報手段40には、警報の状況を表示するディスプレイや、ランプ等の点灯素子を用いても良いのは勿論であり、要するにオペレータや周囲の作業者に警報を促すものであれば良い。
【0047】
また、上記した実施形態では、リーチイン状態かどうかを検出するリーチイン検出手段34を設けた場合について説明したが、作業上必要がないと判断できる場合には、このリーチイン検出手段34は必ずしも設ける必要はない。
【0048】
更に、上記した実施形態では、本発明はリーチ型フォークリフトに適用した場合について説明したが、リーチ型以外のフォークリフトにおいても本発明を適用することができるのはいうまでもなく、この場合も上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、フォークリフトの作業が終了し、オペレータがフォークを床面に着地させるのを忘れてキースイッチをオフし、そのまま車体から離れてしまっても、制御手段により油圧駆動手段が制御されてフォークが床面まで自動的に下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0051】
また、請求項2に記載の発明によれば、オペレータが、キースイッチをオンしたままの状態で作業途中にフォークを床面に着地させずにフォークリフトから離れても、予め設定された所定時間が経過すると、制御手段により、油圧駆動手段が制御されてフォークが自動的に着地された後、オートパワーオフ機能の実行により各部への電源がオフされるため、オートパワーオフ機能付きのフォークリフトにおいても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0052】
また、請求項3に記載の発明によれば、強制下降条件の成立時に、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられ、フォークが所定高さ以上に位置していることが報知されるため、フォークが床面に着地していないことを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0053】
また、請求項4に記載の発明によれば、強制下降条件の成立によるフォークの下降中、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、フォークの下降動作中であることを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、下降動作中のフォークや荷物に接触するのを未然に防止することが可能になる。
【0054】
また、請求項5に記載の発明によれば、フォークを前後にリーチ動作させる機能を有するリーチ型フォークリフトにおいて、強制下降条件の成立時にフォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときには、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、フォークの強制下降による荷崩れを未然に防止することが可能になる。
【0055】
また、請求項6に記載の発明によれば、解除操作手段の操作により、強制下降条件成立時における制御手段によるフォークの強制下降制御を解除できるため、キースイッチをオフにしてもフォークを上げた状態で停止させておくことができ、フォークリフトのメンテナンス等を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるリーチ型フォークリフト全体の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるリーチ型フォークリフトの運転台の拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態における制御系のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
1 フォークリフト
4 油圧駆動手段
8 制御手段
14 フォーク
24 解除スイッチ(解除操作手段)
25 キースイッチ
33 揚高検出手段
34 リーチイン検出手段
37 荷重検出手段(荷物検出手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、キースイッチのオンにより起動し、油圧操作手段の操作に応じた油圧駆動手段の駆動により、少なくともフォークを昇降動作させるフォークリフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フォークリフトの作業を終了したときや、フォークリフトのバッテリを充電するときに、オペレータがフォークリフトから離れる場合には、フォークに接触したり躓いたりすることがないように、フォークを床面に着地しておく必要がある。このため、オペレータは作業が終わると、昇降用油圧操作レバーを操作してフォークを床面に着地させ、その後キースイッチをオフして制御手段を停止させている。
【0003】
また、作業を終えて、昇降用油圧操作レバーを操作してフォークを床面に着地させて、その後、キースイッチをオフすることを忘れてフォークリフトから離れた場合に、フォークリフトの操作を一定時間しなければ、自動的に制御手段を停止させるオートパワーオフ機能の付いたフォークリフトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−327298(第2−3頁、図2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、オペレータがフォークリフトから離れる場合、フォークを床面に着地させずに駐車させると、床面より高い位置にあるフォークに気付かず、フォークリフト前方を他のフォークリフトや作業者が通過した時に、高位置のフォークに接触したり躓いてしまうことがあった。また、フォーク上に荷物を載置した状態でフォークを床面に着地させないまま、オペレータがフォークリフトから離れると、荷役装置に絶えず負荷がかかった状態となり、チェーンや部材の短寿命化を招く恐れもあった。
【0006】
そこで、本発明は、フォークが所定高さ以上に上昇したまま、オペレータがフォークリフトから離れた場合であっても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止できるフォークリフトを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、キースイッチのオンにより起動し、油圧操作手段の操作に応じた油圧駆動手段の駆動により、少なくともフォークを昇降動作させるフォークリフトにおいて、前記フォークの揚高を検出する揚高検出手段と、前記キースイッチをオフしたときに、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されれば、前記フォークの強制下降条件が成立したと判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記キースイッチのオフを有効化する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0008】
上記発明によれば、フォークリフトの作業が終了し、オペレータがフォークを床面に着地させるのを忘れてキースイッチをオフし、そのまま車体から離れてしまっても、制御手段により油圧駆動手段が制御されてフォークが床面まで自動的に強制下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段は、予め設定された所定時間何も操作が行われないときに、各部への電源をオフするオートパワーオフ機能を備え、前記オートパワーオフ機能の実行に際し、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されるときにも前記強制下降条件の成立と判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記オートパワーオフ機能を実行することを特徴としている。
【0010】
上記発明によれば、オペレータが、キースイッチをオンしたままの状態で作業途中にフォークを床面に着地させずにフォークリフトから離れても、予め設定された所定時間が経過すると、制御手段により、油圧駆動手段が制御されてフォークが自動的に着地された後、オートパワーオフ機能の実行により各部への電源がオフされるため、オートパワーオフ機能付きのフォークリフトにおいても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立時に、前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままである旨の警報を発する警報手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記発明によれば、強制下降条件の成立時に、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられ、フォークが所定高さ以上に位置していることが報知されるため、フォークが床面に着地していないことを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立による前記フォークの下降中に動作して警報を発する警報手段を備えていることを特徴としている。
【0014】
上記発明によれば、強制下降条件の成立によるフォークの下降中、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、フォークの下降動作中であることを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、下降動作中のフォークや荷物に接触するのを未然に防止することができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項3に記載のフォークリフトにおいて、前記油圧駆動手段がフォークを前後にリーチ動作させる機能も有し、前記フォーク上の荷物の有無を検出する荷物検出手段を備え、前記制御手段が、前記強制下降条件の成立時に前記フォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときに警報を発すべく前記警報手段を制御することを特徴としている。
【0016】
上記発明によれば、フォークを前後にリーチ動作させる機能を有するリーチ型フォークリフトの場合、フォークがリーチインした状態でフォークが下降され続けると、ストラドルアーム上に荷物の端部が引っ掛かり、荷物が傾いて荷崩れを起こすおそれがあることから、強制下降条件の成立時にフォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときには、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、フォークの強制下降による荷崩れを未然に防止することができる。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,4,5のいずれかに記載のフォークリフトにおいて、前記制御手段による前記強制下降条件成立時の前記フォークの下降制御を解除操作するための解除操作手段を備えていることを特徴としている。
【0018】
上記発明によれば、解除操作手段の操作により、強制下降条件成立時における制御手段によるフォークの強制下降制御を解除できるため、キースイッチをオフにしてもフォークを上昇した状態で停止させておくことができ、フォークリフトのメンテナンス等を容易に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明をリーチ型フォークリフトに適用した場合の一実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。但し、図1はリーチ型フォークリフト全体の斜視図、図2は運転台の拡大図、図3は制御系のブロック図、図4は動作説明用のフローチャートである。
【0020】
本実施形態におけるリーチ型フォークリフトは、図1に示すように構成されている。即ち、リーチ型フォークリフト1は、走行駆動手段2と、油圧駆動手段4と、車体3の内部に配設されこれらの両手段2,4の動力源となるバッテリ(図示せず)とを備えている。
【0021】
そして、車体3の後内部に、走行駆動手段2を構成する走行モータ(図示せず)、及び、油圧駆動手段4を構成する油圧モータ(図示せず)が配設されている。また、車体3の前内部には走行モータ(図示せず)及び油圧モータ(図示せず)を制御する制御手段8(図3も参照)が配設されている。
【0022】
前記走行駆動手段2は、前記走行モータと、1個の駆動輪9と、2個の従動輪12と、2個のキャスタ輪(図示せず)とを備えている。駆動輪9は、前記走行モータにより駆動され、運転台16の左部に設けられたハンドル10により操舵される操舵輪としての機能も有する。従動輪12は、車体3の前方に突出して設けられた左右一対のストラドルアーム11の前端部に回転自在に配設されている。キャスタ輪は、車体3後右下部に、車体3の進行方向に従動するように回転自在に配設されている。
【0023】
前記油圧駆動手段4は、両ストラドルアーム11間に立設されたマスト13と、このマスト13に沿って昇降するリフトブラケット(図示せず)とを備え、このリフトブラケットには左右一対のフォーク14が支持され、フォーク14はティルトシリンダ(図示せず)により前後方向に傾動される。なお、前記リフトブラケットはマスト13に付設されたリフトシリンダ15の伸縮によって昇降されるようになっている。更に、前記マスト13と、車体3とを連結するリーチシリンダ(図示せず)の伸縮によって、マスト13とフォーク14とが一緒に前後方向に移動されるようになっている。
【0024】
そして、オペレータは、車体3後部の運転台16に立ち乗りし、立ち姿勢の状態で運転台16の前部に配置された操作装置20を操作することにより、フォークリフト1の運転操作を行うようになっている。前記操作装置20の詳細な配置構成は、図2に示すようになっている。
【0025】
即ち、図2に示すように、操作装置20は、走行方向及び走行速度を調整するアクセルレバー21と、油圧操作手段31としてフォーク14を昇降させるリフトレバー22aと、フォーク14を傾動させるティルトレバー22bと、フォーク14を前後方向に移動させるリーチレバー22cとを備えている。
【0026】
この他、ヘッドライト等の灯火系アクセサリーのスイッチ23と、後述する制御手段8による強制下降条件成立時におけるフォーク14の強制下降制御を解除操作するための解除操作手段としての解除スイッチ24とが配置されている。また、運転台16の前部には制御手段8をはじめ各部への電源をオン、オフするためのキースイッチ25が配設され、運転台16の左脚部には、車体3の制動操作用のブレーキペダル(図示せず)が配設されている。
【0027】
後に詳述するが、例えばポテンショメータから成る揚高検出手段33がマスト13の下部に取付けられ、揚高検出手段33によりフォーク14の揚高が検出される。ここで、前記揚高検出手段33は、ポテンショメータ以外に、リミットスイッチやマグネットスイッチ等、フォーク14がある揚高であるかどうかを検出できるものであっても良い。
【0028】
次に、制御系の構成について図3のブロック図を参照して説明する。図3に示すように、フォークリフト1を起動させるために、キースイッチ25がオンされと、バッテリにより、制御手段8に電源が供給されると共に、走行駆動手段2及び油
圧駆動手段4への電源ラインがオンされ、フォークリフト1の走行操作と、油圧操作が可能な状態になる。
【0029】
一方、予め設定された所定時間(例えば、10分)、油圧操作手段31をはじめとする操作手段のいずれの操作もされないときには、制御手段8は、キースイッチ25がオン状態であっても各部への電源供給を停止する、いわゆるオートパワーオフ機能を有している。
【0030】
そして、図3に示すように、マスト13側に取り付けられた非接触式のマグネットセンサ35(図1参照)と、ストラドルアーム11の上面に取り付けられたマグネット36(図1参照)とにより構成されるリーチイン検出手段34により、マスト13がリーチイン状態であるかどうかの検出が行われ、リーチイン検出手段34の出力が制御手段8に取り込まれる。このとき、マスト13のリーチイン時にマグネットセンサ35がオフし、マスト13のリーチアウト時にマグネットセンサ35がオンする。
【0031】
ここで、リーチイン検出手段34には、このような非接触式のもの以外にリミットスイッチ等の接触式のセンサを使用してもよく、要するにマスト13のリーチインが検出できるものであれば良い。
【0032】
また、リフトシリンダ15と油圧配管との間に接続された圧力センサから成る荷物検出手段である荷重検出手段37により、フォーク14上に荷物の有無が検出され、荷重検出手段37の出力が制御手段8に取り込まれる。この荷重検出手段37は、リフト用油圧配管の圧力変化を検出し、フォーク14上に荷物が有れば制御手段8に対して検出信号が出力されるようになっている。ここで、荷重検出手段37には、このような圧力センサ以外にリミットスイッチ等の接触式或いは非接触式のセンサ等を使用してもよく、要するにフォーク14上の荷物の有無が検出できるものであれば良い。
【0033】
更に、例えばブザーから成る警報手段40が設けられ、制御手段8によりこの警報手段40が制御され、後述するように所定条件下で警報音が発せられるようになっている。
【0034】
そして、制御手段8は各部の制御を司り、以下のような処理を実行する。フォークリフト1の作業が終了し、オペレータによりキースイッチ25がオフに切り替えられると、制御手段8の電源を自己保持したまま、揚高検出手段33の出力が制御手段8に取り込まれ、制御手段8によりフォーク14が予め設定された所定揚高(例えば、床面より10cm)以上であるかどうかの判断がなされる。キースイッチ25のオフ時にフォーク14が所定揚高以上であると、制御手段8により、予め定められた強制下降条件が成立したと判断されて油圧駆動手段4にフォーク14の強制下降信号が出力され、リフトシリンダ15が駆動され、揚高検出手段33による検出揚高がゼロになってフォーク14が床面にほぼ着地するまで強制下降される。その後、フォーク14の自動下降が完了すると、キースイッチ25のオフ操作を有効化、つまり電源の自己保持をしていた制御手段8自身がバッテリから切り離され、キースイッチ25のオフ操作を有効化するようになっている。
【0035】
なお、キースイッチ25がオフされた時に、所定揚高(床面より10cm)以上の高さでフォーク14を停止させておきたい場合には、解除スイッチ24をオフすればよく、こうすれば制御手段8により下降制御不要と判断され、油圧駆動手段4への強制下降信号の出力が停止される。このとき、制御手段8により、フォーク14が床面より上部にあることを周囲の作業者に報知するために、警報手段40に対し警報制御信号が出力されて警報音が発せられる。
【0036】
ところで、フォーク14が所定揚高(床面より10cm)以上と判断されている状態で、リーチイン検出手段34のマグネットセンサ35がオフ、つまりリーチイン状態であり、かつ、荷重検出手段37により荷物有りが検出されると、制御手段8により、油圧駆動手段4への強制下降信号の出力が停止され、フォーク14の強制下降が中止されると共に、制御手段8により警報手段40に警報信号が出力されて警報音が発せられ、リーチイン状態にあってそのままフォーク14を下降すると荷崩れを招くおそれのあることが報知される。
【0037】
続いて、図4のフローチャートを参照してキースイッチ25のオフ時における制御手順について説明する。いま、図4に示すように、フォークリフト1のキースイッチ25がオフか否かの判定がなされ(S1)、この判定結果がYESであればステップS3に進み、一方判定結果がNOであれば、オートパワーオフ機能が計測完了して動作中であるか否かの判定がなされる(S2)。ステップS2の判定結果がNOであれば、フォークリフト1は操作中と判断されてステップS1に戻って操作可能な状態が継続され、ステップS2の判定結果がYESであれば、次のステップS3へ移行し、解除スイッチ24がオンか否かの判定がなされる(S3)。
【0038】
ステップS3の判定結果がNOであれば、オペレータはフォークの自動下降動作を不要としていると判断できるので、制御手段8により、バッテリから制御手段8自身への電源が切り離されてキースイッチ25のオフ操作が有効化され(S8)、その後動作は終了する。一方、ステップS3の判定結果がYESであれば、揚高検出手段33により検出されるフォーク14の揚高が所定揚高以上であるか否かの判定がなされ(S4)、この判定結果がNOであればステップS8に移行する。
【0039】
また、ステップS4の判定がYESであれば、リーチイン検出手段34のマグネットセンサ35の出力に基づき、フォーク14がリーチイン状態か否かの判定がなされ(S5)、判定結果がNOであればステップS7に移行し、判定結果がYESであれば荷重検出手段37によりフォーク14上の荷物の有無の判定がなされ(S6)、判定結果がNOであればステップS7に移行し、油圧駆動手段4によりフォーク14が床面にほぼ着地するまで(揚高検出手段33による検出揚高がゼロになるまで)自動下降動作され(S7)、その後上記したステップS3に移行する。
【0040】
ところで、ステップS6の判定結果がYESであれば、フォーク14上に荷物が載置されて、しかもフォーク14がリーチイン状態にあるため、フォーク14をそのまま自動下降させるとストラドルアーム11の端部に荷物が引っ掛かって傾斜し、荷崩れを起こすおそれがあると判断できるため、ステップS7には移行せずフォーク14の強制下降は中止され、制御手段8により警報手段40が制御されて警報音が発せられる(S9)。
【0041】
従って、上記した実施形態によれば、フォークリフト1の作業終了後、オペレータがフォーク14を床面に着地させるのを忘れて、そのままキースイッチ25をオフさせてフォークリフト1から離れた場合には、強制下降条件が成立したとして、制御手段8により油圧駆動手段4が制御されてフォーク14は床面まで自動的に下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォーク14に接触したり躓いたりするのを未然に防止することができる。
【0042】
また、強制下降条件の成立時に、リーチイン状態でフォーク14上に荷物があるときには、制御手段8により警報手段40が制御されて警報音が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、迅速な対応策をとってフォーク14の強制下降による荷崩れを未然に防止することができる。
【0043】
なお、上記した実施形態において、強制下降条件の成立によるフォーク14の強制下降動作中にも、制御手段8により警報手段40を制御して警報音を発するようにしても良い。
【0044】
更に、上記した実施形態では、フォークリフト1がオートパワーオフ機能を備えている場合に、オートパワーオフ機能が動作するときにも強制下降条件が成立するとして、油圧駆動手段4によりフォーク14を強制下降させるようにした場合について説明したが、フォークリフト1がオートパワーオフ機能を備えていない場合にも本発明を適用することができるのは言うまでもない。この場合、キースイッチ25のオフ時にフォーク14が所定揚高以上であれば、強制下降条件が成立したとしてフォーク14を強制下降させるようにすればよい。
【0045】
また、上記した実施形態では、フォーク14が強制下降を解除するための解除スイッチ24を設けた場合について説明したが、解除スイッチ24は必ずしも設けなくても良い。
【0046】
更に、上記した実施形態では、警報手段40には警報音を発するブザーを用いた場合について説明したが、警報手段40には、警報の状況を表示するディスプレイや、ランプ等の点灯素子を用いても良いのは勿論であり、要するにオペレータや周囲の作業者に警報を促すものであれば良い。
【0047】
また、上記した実施形態では、リーチイン状態かどうかを検出するリーチイン検出手段34を設けた場合について説明したが、作業上必要がないと判断できる場合には、このリーチイン検出手段34は必ずしも設ける必要はない。
【0048】
更に、上記した実施形態では、本発明はリーチ型フォークリフトに適用した場合について説明したが、リーチ型以外のフォークリフトにおいても本発明を適用することができるのはいうまでもなく、この場合も上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、フォークリフトの作業が終了し、オペレータがフォークを床面に着地させるのを忘れてキースイッチをオフし、そのまま車体から離れてしまっても、制御手段により油圧駆動手段が制御されてフォークが床面まで自動的に下降されるため、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0051】
また、請求項2に記載の発明によれば、オペレータが、キースイッチをオンしたままの状態で作業途中にフォークを床面に着地させずにフォークリフトから離れても、予め設定された所定時間が経過すると、制御手段により、油圧駆動手段が制御されてフォークが自動的に着地された後、オートパワーオフ機能の実行により各部への電源がオフされるため、オートパワーオフ機能付きのフォークリフトにおいても、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0052】
また、請求項3に記載の発明によれば、強制下降条件の成立時に、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられ、フォークが所定高さ以上に位置していることが報知されるため、フォークが床面に着地していないことを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、フォークに接触したり躓いたりするのを未然に防止することが可能になる。
【0053】
また、請求項4に記載の発明によれば、強制下降条件の成立によるフォークの下降中、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、フォークの下降動作中であることを知ることができ、周囲の他のフォークリフトや作業者が、下降動作中のフォークや荷物に接触するのを未然に防止することが可能になる。
【0054】
また、請求項5に記載の発明によれば、フォークを前後にリーチ動作させる機能を有するリーチ型フォークリフトにおいて、強制下降条件の成立時にフォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときには、制御手段により警報手段が制御されて警報が発せられるため、そのままフォークが下降されると荷崩れの発生を招くおそれのあることをオペレータは容易に知ることができ、フォークの強制下降による荷崩れを未然に防止することが可能になる。
【0055】
また、請求項6に記載の発明によれば、解除操作手段の操作により、強制下降条件成立時における制御手段によるフォークの強制下降制御を解除できるため、キースイッチをオフにしてもフォークを上げた状態で停止させておくことができ、フォークリフトのメンテナンス等を容易に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるリーチ型フォークリフト全体の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるリーチ型フォークリフトの運転台の拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態における制御系のブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
1 フォークリフト
4 油圧駆動手段
8 制御手段
14 フォーク
24 解除スイッチ(解除操作手段)
25 キースイッチ
33 揚高検出手段
34 リーチイン検出手段
37 荷重検出手段(荷物検出手段)
Claims (6)
- キースイッチのオンにより起動し、油圧操作手段の操作に応じた油圧駆動手段の駆動により、少なくともフォークを昇降動作させるフォークリフトにおいて、
前記フォークの揚高を検出する揚高検出手段と、
前記キースイッチをオフしたときに、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されれば、前記フォークの強制下降条件が成立したと判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記キースイッチのオフを有効化する制御手段と
を備えていることを特徴とするフォークリフト。 - 前記制御手段は、
予め設定された所定時間何も操作が行われないときに、各部への電源をオフするオートパワーオフ機能を備え、前記オートパワーオフ機能の実行に際し、前記揚高検出手段により前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままであることが検出されるときにも前記強制下降条件の成立と判断し、前記油圧駆動手段を制御して前記フォークを地面まで下降させてから前記オートパワーオフ機能を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載のフォークリフト。 - 前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立時に、前記フォークが地面から所定高さ以上に上昇したままである旨の警報を発する警報手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のフォークリフト。
- 前記制御手段により制御され、前記強制下降条件の成立による前記フォークの下降中に動作して警報を発する警報手段を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のフォークリフト。
- 前記油圧駆動手段がフォークを前後にリーチ動作させる機能も有し、前記フォーク上の荷物の有無を検出する荷物検出手段を備え、
前記制御手段が、
前記強制下降条件の成立時に前記フォークがリーチイン状態で、前記荷物検出手段により荷物有りが検出されるときに警報を発すべく前記警報手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のフォークリフト。 - 前記制御手段による前記強制下降条件成立時の前記フォークの下降制御を解除操作するための解除操作手段を備えていることを特徴とする請求項1,2,4,5のいずれかに記載のフォークリフト。
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Cited By (3)
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JP2007022711A (ja) * | 2005-07-13 | 2007-02-01 | Toyota Industries Corp | フォークリフト |
JP2012087679A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Tcm Corp | 産業用車両 |
EP3909909A1 (de) * | 2020-04-29 | 2021-11-17 | Linde Material Handling GmbH | Flurförderzeug und verfahren zum überwachen des ordnungsgemässen abstellens eines flurförderzeugs |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002237712A patent/JP2004075280A/ja active Pending
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