JP2004068724A - 電動送風機および電気掃除機 - Google Patents

電動送風機および電気掃除機 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動用半導体素子の冷却を小型でしかも通風抵抗になり難い構成で実現する。
【解決手段】送風機部の羽根車201の下流に設けるディフューザ翼203をファンケーシング207の内面から起立させ、駆動用半導体スイッチング素子401を前記ファンケーシングにおける外面に取り付けて設置することにより、前記駆動用半導体スイッチング素子で発生した熱をファンケーシングを介してディフューザ翼に伝達し、このディフューザ翼に沿って流れる高流速の気流に効率良く放散する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動送風機および電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】
家庭用の電気掃除機などに使用するブラシレス直流電動機を駆動するためには、駆動用制御回路が必要である。この制御回路(半導体素子等の電子部品)は、電力損失により発熱することから冷却が必要である。ブラシレス直流電動機を使用した電動送風機の駆動用制御回路の冷却構造としては、例えば特開平11−336696号公報や特公平7−35797号公報に記載されている。
【0003】
特開平11−336696号公報に記載された電動送風機は、電動機等を保持するフレームの外側に外筒を設け、この外筒に駆動用の半導体素子を取り付けている。そして、フレームと外筒の間にインペラからの排気空気を流すような流路を構成し、前記外筒を冷却フィンとして利用して電動送風機の駆動用制御回路の冷却を行うようにしている。
【0004】
また、特公平7−35797号公報に記載された電動送風装置は、送風機の吸気口にダクトを有する放熱カバーを設置し、この放熱カバーに駆動用制御回路を取り付け、送風機に流入する空気流によって駆動用制御回路の冷却を行う構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特開平11−336696号公報に記載された電動送風機は、フレームの外側に冷却フィンとして外筒を設置しているために、電動送風機の大型化やコスト上昇につながる。また、外筒を放熱フィンとしていることから放熱面積は広くなるが、フレームと外筒の間の流路断面積は広くなり、そこを流れる空気の流速が遅くなることから放熱作用が低下して冷却効果が不十分になる可能性がある。流速を早くするために流路断面積を狭くすると、流路内の通風抵抗が増大して電動送風機の効率が低下してしまう。
【0006】
特公平7−35797号公報に記載された電動送風装置は、ダクトを有する放熱カバーを設けることから電動送風機の大型化につながる。また、吸気側の流路断面積は小さいために流速が早く、ダクト内での摩擦損失が大きくなり、通風抵抗が増大することから電動送風機の効率が低下してしまう。
【0007】
本発明の1つの目的は、電動送風機における電動機を制御する駆動用半導体素子を冷却する冷却機構を比較的に簡単な構成で小型に実現することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、電動送風機における電動機を制御する駆動用半導体素子を冷却する冷却機構を比較的に簡単且つ小型に構成し、しかも通風抵抗の増加を抑制することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、羽根車の外周に設置するディフューザ翼をファンケーシングの内側に該ファンケーシングから一体的に起立させ、このディフューザ翼の起立位置の外側に位置するようにファンケーシングに駆動用半導体素子を取り付け、この駆動用半導体素子で発生した熱をファンケーシングを介してディフューザ翼に伝達し、そこを流れる高速気流に効率良く放散させるようにしたことを特徴とする。
【0010】
具体的には、電動機部と送風機部を備え、前記送風機部は、羽根車の外周に位置するようにディフューザ翼を起立させたディフューザと、前記羽根車とディフューザを包囲するように設けたファンケーシングを備え電動送風機において、
前記ディフューザ翼は、前記ファンケーシングの内側から一体的に起立させ、このファンケーシングにおける前記ディフューザ翼起立位置の外側に位置させて駆動用半導体素子を取り付けたことを特徴とし、
前記駆動用半導体素子を覆う保護カバーを設けたことを特徴とし、
前記駆動用半導体素子と制御信号発生回路は一体化してシステムパワーモジュールとなし、このシステムパワーモジュールを前記ファンケーシングの外側に取り付けたことを特徴とし、
前記電動送風機は、前記送風機部の吸気口に嵌着した防振ゴムおよび電動機部のハウジングの底部の軸受室の外周に嵌着した防振ゴムを介して掃除機本体に支持させたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
第1の実施の形態
この第1の実施の形態は、電動送風機における送風機部の羽根車の下流に設けるディフューザ翼をファンケーシングの内面から起立させ、電動機の駆動電流を制御する駆動用半導体素子である駆動用半導体スイッチング素子を前記ファンケーシングにおける外面に取り付けて設置することにより、前記駆動用半導体スイッチング素子で発生した熱をファンケーシングを介してディフューザ翼に伝達し、このディフューザ翼に沿って流れる高流速の気流に効率良く放散して冷却する構成である。
【0013】
この第1の実施の形態を図1〜図5を参照して具体的に説明する。図1は、この実施の形態における電動送風機の横断平面図である。この実施の形態における電動送風機は、電気掃除機に使用するものであり、電動機としてブラシレス直流電動機を使用している。図2は、この電動送風機における羽根車とディフューザの正面図である。図3は、この電動送風機のエンドブラケットとガイドプレートの表面図である。図4は、この電動送風機における電気回路部品を実装したファンケーシングの正面図である。図5は、この電動送風機を使用する電気掃除機の電気的回路図である。
【0014】
まず、電動機部100について説明する。回転子101は、コアの外周側に永久磁石(磁極)を配置した構成であり、回転軸102に嵌着する。固定子103は、駆動巻線104を備え、前記回転子101の外周に位置するようにハウジング105内に固定する。このハウジング105は、有底円筒形態に絞り加工した部材であり、底部側に形成した軸受室内に軸受106を保持し、開放側部に止めねじ107によって取り付けたバー状のエンドブラケット108に軸受109を保持し、この2つの軸受106,109によって前記回転軸102を支持する。なお、前記駆動巻線104は、回転子101の磁極(永久磁石)との相対位置に応じて駆動用半導体スイッチング素子をオンオフ制御して給電制御することにより回転子101の磁極位置に応じた回転磁界を発生する。回転子101の磁極の回転位置検出は、回転位置検出基板110に実装したホール素子などのセンサによって行う。また、ハウジング105には、固定子103の両側に位置するように複数の排気窓111を設ける。
【0015】
次に、送風機部200について説明する。電動機部100から伸びる回転軸102に取り付けた遠心型の羽根車201は、複数の羽根車翼202を有する。この羽根車201の外周側には、複数のディフューザ翼203を設けたディフューザ204を設置する。羽根車201の背面側には複数の案内翼205を設けたガイドプレート206を前記エンドブラケット108に固定するようにして設置する。このガイドプレート206の案内翼205は、略流線形に形成する。
【0016】
ファンケーシング207は、熱伝導性に優れた金属製部材で構成し、中央部に吸気口208を設け、その内側に前記ディフューザ翼203を一体的に起立させ、前記羽根車202とディフューザ204を内包するように前記電動機部100のハウジング105の開放側端部に嵌着する。このファンケーシング207における前記ディフューザ翼203の起立位置の外側に位置するように駆動用半導体スイッチング素子401を該ファンケーシング207に密着状態に固定する。この駆動用半導体スイッチング素子401をオンオフ制御する制御回路基板402,403は、吸入口208を避けるように環状に構成し、ファンケーシング207に起立させた複数の基板支持ピン209と基板スペーサ210によって2段に支持し、ねじ211によって固定する。なお、ここでは、制御回路基板402,403に実装したICや抵抗器などの電気回路部品の図示説明は省略する。駆動用半導体スイッチング素子401および制御回路基板402,403と駆動巻線104や回転位置検出基板110および電動送風機の外部の電気回路と接続する配線404は、ファンケーシング207およびハウジング105の外周面に沿って配置する。
【0017】
ファンケーシング207に対する駆動用半導体スイッチング素子401および制御回路基板402,403の組み付けは、次のように行う。
【0018】
まず、ファンケーシング207に駆動用半導体スイッチング素子401を止めねじ405で固定する。ファンケーシング207および該ファンケーシング207の内側に起立させたディフューザ翼203は、駆動用半導体スイッチング素子401から受熱して羽根車201からの吹き出す高速の気流に放熱する放熱器として機能させるものであることから、駆動用半導体スイッチング素子401とファンケーシング207の間に熱伝導グリースや熱伝導シートなどを介在させて両者間の伝熱抵抗を小さくすることが望ましい。次に、制御回路基板402を3個の基板支持ピン209に嵌着し、駆動用半導体スイッチング素子401の端子と半田付け接続する。その上に基板スペーサ210を介在させて制御回路基板403を嵌着してねじ211で締め付け固定する。
【0019】
次に、この電動送風機を電気掃除機に使用する場合の電気的回路について説明する。
【0020】
電動機部100における駆動巻線104は、3相星型接続とし、3相インバータ接続した駆動用半導体スイッチング素子401を介して直流駆動電源(電池)406に接続する。駆動用半導体スイッチング素子401としては、各種のパワートランジスタやゲートターンオフスイッチのように制御信号によってオンオフ制御可能な半導体スイッチング素子が好ましい。商用交流電源を使用する場合には、整流回路と平滑回路を付加して直流駆動電源を得るように構成する。
【0021】
駆動用半導体スイッチング素子401をオンオフ制御する制御信号発生回路407は、制御回路基板402,403に実装し、回転位置検出基板110に実装したセンサ112からの回転位置検出信号に応じて給電(励磁)を制御すべき駆動巻線104に接続した駆動用半導体スイッチング素子401をオンオフ制御する制御信号を発生する。また、この制御信号発生回路407は、掃除機本体部に実装した主制御回路408に接続し、操作スイッチ409からの運転/停止や速度制御などの操作信号に応じて電動機部100を制御する信号処理を実行する。
【0022】
このように構成した電動送風機は、操作スイッチ409から運転および速度指示の操作信号が発生すると、主制御回路408は、電動機部100の回転子101を指示速度で回転させるように制御信号発生回路407に指示する。
【0023】
この指示を受けた制御信号発生回路407は、センサ112からの回転位置検出信号を参照して回転子101の磁極の位置を検出し、この回転子101に回転トルクを発生させる駆動巻線104に給電を行うように駆動用半導体スイッチング素子401をオンオフ制御する。また、制御信号発生回路407は、回転位置検出信号に基づく演算処理によって回転子101の回転速度を求め、指示速度となるように給電制御を行う。
【0024】
回転子101の回転に伴って回転軸102に取り付けた羽根車201が高速回転することによって生じる気流は、吸気口208から吸引され、羽根車201の外周に吹き出してディフューザ204のディフューザ翼203で減速されて圧力を回復する。ディフューザ204から出た気流は、ガイドプレート206の外周で折り返して該ガイドプレート206から起立する案内翼205の間を通って電動機部100のハウジング105内に流れ込む。ハウジング105内に流れ込んだ気流は、その一部は、固定子103の上流側で該固定子103および駆動巻線104を冷却しながら排気窓111から機外に排気され、残りは、固定子103の下流側まで流れて該固定子103および駆動巻線104を冷却しながら排気窓111から機外に排気される。
【0025】
電動機部100の駆動巻線104への給電制御に伴って駆動用半導体スイッチング素子401に発生した熱は、ファンケーシング207に伝わり、更に、このファンケーシング207から一体的に起立したディフューザ翼203に伝わる。そして、これらの表面から気流中に放散する。ディフューザ204には、羽根車201の外周から吹き出した高速気流が流れているので、ディフューザ翼203が放熱フィンとしても機能して駆動用半導体スイッチング素子401で発生して熱を気流中に効率良く放散することができる。
【0026】
このように、送風機部200の構成要素であるディフューザ翼203を放熱フィンとして利用することにより、駆動用半導体スイッチング素子401を冷却するための別個の放熱フィンが不要となることから、空気の流れを阻害することがなく、また、気流に対する摩擦損失も増加しない。従って、冷却機構を簡単且つ小型に構成し、通風抵抗の増加を抑制することができる。
【0027】
駆動用半導体スイッチング素子401で発生した熱をディフューザ翼203に効率良く伝えて放熱させるためには、ファンケーシング207を熱伝導性に優れた金属板材を絞り加工し、あるいは熱伝導性に優れた金属部材を鍛造して作り、同様にして作ったディフューザ翼203をろう付けや溶着などで結合して起立させ、または、アルミダイカストで一体に形成すると良い。
【0028】
また、駆動用半導体スイッチング素子401に近接して制御回路基板402,403を設けたことにより、両者を結ぶ配線が短くなり、従って、電気的損失が小さくなると共に配線重量が軽くなる。更に、駆動用半導体スイッチング素子401および制御回路基板402,403と電源406を結ぶ給電線、駆動用半導体スイッチング素子401と駆動巻線104を結ぶ給電線、回転位置検出信号を伝達する信号線をファンケーシング207の外側を通すことによって、給電や信号などの配線404が通風路を横切ることがなくなり、気流の抵抗や乱れの原因となることがないことから、送風効率の低下や騒音の増加を抑制することができる。
【0029】
第2の実施の形態
この第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態における駆動用半導体スイッチング素子および制御回路基板の外周を保護カバーで包囲して保護すると共に該保護カバーによって送風機部の吸気効率の良い吸気口を形成するようにした構成である。
【0030】
この第2の実施の形態を図6を参照して具体的に説明する。図6は、この実施の形態におけ電動送風機の横断平面図である。なお、前述した第1の実施の形態と同一または相応する構成部品には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0031】
この実施の形態では、ファンケーシング207の吸気口に相当する開口部分は、前方に向けて筒状に起立させた開放状態に形成し、その外側に前記駆動用半導体スイッチング素子401および制御回路基板402,403を覆うように保護カバー212をファンケーシング207に嵌着し、この保護カバー212の中央部に大きな曲率で形成した吸気口213を羽根車201に対向させた構成である。保護カバー212は、ファンケーシング207の外周および筒状に起立した前記開口部分の先端に気密状態に接触させて前記駆動用半導体スイッチング素子401と制御回路基板402,403を収容する制御手段収容空間214を形成し、羽根車201の吸気や排気が駆動用半導体スイッチング素子401と制御回路基板402,403に触れない構造にする。
【0032】
このように構成した電動送風機は、羽根車201が高速回転することによって生じる気流は、保護カバー212に形成した吸気口213から羽根車201に吸い込まれるが、曲率の大きい吸気口213は、均一な流れで羽根車201に吸気させることができるので、送風効率の向上を図ることができる。また、羽根車201の吸気および排気が制御手段収容空間214を流れることがないので、電気掃除機の集塵袋が破損して気流に塵埃が混入しても該塵埃が駆動用半導体スイッチング素子401や制御回路基板402,403に付着して電気的トラブルが発生するのを防ぐことができる。
【0033】
この実施の形態では、吸込口213を保護カバー212に設けたが、第1の実施の形態と同様に、ファンケーシング207に吸込口を設け、保護カバー212は、駆動用半導体スイッチング素子401や制御回路基盤402,403の保護機能に限定した構成に変形することもできる。
【0034】
第3の実施の形態
この第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態における駆動用半導体スイッチング素子および制御回路基板を一体化してシステムパワーモジュールとなし、このシステムパワーモジュールをファンケーシングに取り付けた構成である。従って、この実施の形態は、塵埃付着による電気的トラブルの発生がなく、電動送風機の組み立て作業も一段と容易になる。
【0035】
この第3の実施の形態を図7を参照して具体的に説明する。図7は、この実施の形態における電動送風機の横断平面図である。なお、前述した第1の実施の形態と同一または相応する構成部品には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0036】
この実施の形態におけるシステムパワーモジュール410は、駆動用半導体スイッチング素子401とそれをオンオフ制御する制御回路基板402,403(制御信号発生回路407)を一体化した環状体である。このシステムパワーモジュール410は、配線404の引出部をシリコンゴムなどの絶縁性の材料を用いてモールドして保護する。そして、このシステムパワーモジュール410は、ファンケーシング207におけるディフューザ翼203の起立位置の表側に位置するように該ファンケーシング207に密着状態に固定する。システムパワーモジュール410とファンケーシング207の間の伝熱抵抗を小さくするためには、両者間に熱伝導グリースや熱伝導シートなどを介在させると良い。
【0037】
この実施の形態における電動送風機は、駆動用半導体スイッチング素子401および制御信号発生回路407をシステムパワーモジュール410として一体化しているので、電気回路手段が一段と小型化し、ファンケーシング207への取り付け作業も容易となる。そして、駆動用半導体スイッチング素子401および制御信号発生回路407で発生した熱は、周囲の雰囲気に放散すると共にファンケーシング207とディフューザ翼203に伝わって羽根車201から吹き出す高速気流に効率良く放散する。また、駆動用半導体スイッチング素子401とそれをオンオフ制御する制御信号発生回路407を一体的にシステムパワーモジュール410に内蔵し、外部の配線404との接続部を絶縁性材料でモールドしているために、塵埃付着などによる電気的トラブル発生を防止することができる。
【0038】
第4の実施の形態
この第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の電動送風機におけるファンケーシングの吸気口を変形して掃除機本体部に合理的に実装した電気掃除機である。
【0039】
この第4の実施の形態を図8を参照して具体的に説明する。図8は、この実施の形態の電気掃除機における電動送風機の部分の横断平面図である。電気掃除機の全体的な構成は、従来の電気掃除機と同様であるので、ここでは、電動送風機の部分のみを図示説明する。なお、前述した第1の実施の形態と同一または相応する構成部品には同一の参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0040】
掃除機本体部500は、電動送風機支持板501,502を備え、支持板501には送風機部100への吸入口503を形成する。この支持板501の上流側には、掃除機本体部500の集塵室部と電動送風機部を仕切る仕切り板504を設け、この仕切り板504の略中央部に電動送風機部への通風窓505を形成し、この通風窓505には格子状のガード506を取り付ける。
【0041】
送風機部200のファンケーシング207の吸気口208は、筒状に突出するように形成し、支持板501との間に防振ゴム507を介在させて該支持板501に支持させ、支持板501と防振ゴム507と吸気口208によって大きな曲率の通風路(吸気口)を形成する。また、電動機部100のハウジング105の底部の軸受室の外周にも防振ゴム508を嵌着して支持板502に支持させる。
【0042】
このように電動送風機をファンケーシング207の吸気口208とハウジング105の軸受室を防振ゴム507,508を介して掃除機本体部500に支持させる構成は、電動送風機の高速回転による振動が掃除機本体部500に伝わり難くなり、低振動および低騒音化を実現するのに好適である。
【0043】
また、防振ゴム507は、ファンケーシング207の吸気口208と支持板501の通気を阻止するシールとしても機能するために、駆動用半導体スイッチング素子401や制御回路基板402,403の周囲の通風を軽減することから、塵埃付着により電気的トラブルが発生するのを抑制することができる。
【0044】
このように構成した電気掃除機において、電動送風機を運転すると、集塵室部の空気は、通風窓505から吸入口503,吸気口208を経て羽根車201に流れ込み、この羽根車201の外周に吹き出してディフューザ翼203,案内翼205で減速してハウジング105内に流れ込み、固定子103および駆動巻線104を冷却して排気窓111から機外に排気する。
【0045】
このような気流は、羽根車201から高流速で吹き出してディフューザ翼203に衝突することにより該ディフューザ翼203から効率良く熱を奪うことから、駆動用半導体スイッチング素子401で発生した熱をファンケーシング207を介して効率良く放散させることができる。
【0046】
前述した各実施の形態において、電動機部100におけ回転子101の磁極のる回転位置を検出するためにセンサを実装した位置検出基板110を設けたが、駆動巻線104に流れる電流に基づいて検出する構成に変形することができる。
【0047】
また、前述した各実施の形態における構成部品を適宜に組み替えて変形した形態で実施することもできる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、ファンケーシングに起立させたディフューザ翼を放熱器として利用して駆動用半導体素子を効率良く冷却するように構成したことにより、電動送風機における電動機を制御する駆動用半導体素子を冷却する冷却機構を比較的に簡単且つ小型に構成し、しかも通風抵抗の増加を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である電動送風機の横断平面図である。
【図2】図1に示した電動送風機における羽根車とディフューザの正面図である。
【図3】図1に示した電動送風機のエンドブラケットとガイドプレートの表面図である。
【図4】図1に示した電動送風機における電気回路部品を実装したファンケーシングの正面図である。
【図5】図1に示した電動送風機を使用する電気掃除機の電気的回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における電動送風機の横断平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における電動送風機の横断平面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における電気掃除機の電動送風機の部分の横断平面図である。
【符号の説明】
100…電動機部、200…送風機部、201…羽根車、203…ディフューザ翼、204…ディフューザ、207…ファンケーシング、212…保護カバー、401…駆動用半導体スイッチング素子、402,403…制御回路基板、410…システムパワーモジュール、500…掃除機本体部、507,508…防振ゴム。

Claims (5)

  1. 電動機部と送風機部を備え、前記送風機部は、羽根車の外周に位置するようにディフューザ翼を起立させたディフューザと、前記羽根車とディフューザを包囲するように設けたファンケーシングを備え電動送風機において、
    前記ディフューザ翼は、前記ファンケーシングの内側から一体的に起立させ、このファンケーシングにおける前記ディフューザ翼起立位置の外側に位置させて駆動用半導体素子を取り付けたことを特徴とする電動送風機。
  2. 請求項1において、前記駆動用半導体素子を覆う保護カバーを設けたことを特徴とする電動送風機。
  3. 請求項2において、前記駆動用半導体素子と制御信号発生回路は一体化してシステムパワーモジュールとなし、このシステムパワーモジュールを前記ファンケーシングの外側に取り付けたことを特徴とする電動送風機。
  4. 請求項1〜3の1項に記載した電動送風機を備えたことを特徴とする電気掃除機。
  5. 請求項4において、前記電動送風機は、前記送風機部の吸気口に嵌着した防振ゴムおよび電動機部のハウジングの底部の軸受室の外周に嵌着した防振ゴムを介して掃除機本体に支持させたことを特徴とする電気掃除機。
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