JP2004061711A - デバイス製造方法および光導波路デバイス - Google Patents

デバイス製造方法および光導波路デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理を施してデバイスを製造する方法において、熱処理により形状を変形制御された部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された部分とを、同一面位に並存させて、デバイスの高集積化を図る。
【解決手段】基板210上に、第1部分224′と、少なくとも基板210面に対して垂直な端面を含む第2部分221′,225′とをほぼ同一の面位上に形成するとともに、第2部分221′,225′の上層または下層として第1部分224′または第2部分221′,225′よりも融点の高い形状保護層214を形成して、熱処理前のデバイス200′を構成するステップと、第1部分224′および第2部分221′,225′の融点と形状保護層214の融点との間の温度で、デバイス200′について熱処理を行なうステップとをそなえるように構成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光導波路デバイスの製造する際に用いて好適の、デバイス製造方法および光導波路デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、光導波路デバイス等のデバイスを製造する際には、基板面にエッチング処理等を施す工程に加えて、熱処理により特定の層の形状を成型する工程が含まれる場合がある。例えば、図11に示すように、Si基板501上に、下クラッド層502,コア層503および上クラッド層504が積層されて構成された光導波路デバイス500に熱処理を施すことが行なわれる。
【0003】
これにより、上クラッド層504をリフローさせ、例えば図11中におけるコア層503の両端部分Jのごとき空隙が形成されがちな部分についても、クラッド質で充填させて、上クラッド層504の分布の均一化を図って、良好なデバイス特性を得ることができるようになっている。
また、505は形状保護層であるが、この形状保護層505は、上述の加熱処理によってもリフローが生じないような融点を有する物質により、下クラッド層502とコア層503および上クラッド層504との間に積層されたもので、上述の上クラッド層504の分布を均一化させるための熱処理を施す際に、下クラッド層502が軟化することによりコア層503が沈むことを防止するためのものである。
【0004】
すなわち、この図11に示す光導波路デバイス500は、形状保護層505により、下クラッド層502の形状が変化しないようにして製造されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のデバイス製造方法および光導波路デバイスにおいては、熱処理により形状を変形制御された部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された部分とが、同一面位に並存するようなデバイスおよびその製造方法についてまでは開発されていなかった。このようなデバイスおよびその製造方法の開発は、デバイスのさまざまな用途に応じた高集積化のために不可欠である。
【0006】
このようなデバイスを製造する際には、熱処理により形状が変化しないように保持すべき部分については確実に形状を保持しつつ、形状を変化させるべき部分については、熱処理により所望の形状制御を図ることができるように、熱処理前のデバイスの形状を構成しておかなければならない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、熱処理により形状を変形制御された部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された部分とを、ほぼ同一面位に並存させて、デバイスの高集積化を図ることができるようにした、デバイスの製造方法および光導波路デバイスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のデバイス製造方法および光導波路デバイスは、熱処理を施してデバイスを製造する方法において、基板上に、上記熱処理により形状を変形させるべき第1部分と、所定の形状(例えば該基板面に対して垂直な端面)を含んで構成されて上記熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分とをほぼ同一の面位上に形成するとともに、該第2部分の上層または下層として上記第1部分または第2部分よりも融点の高い形状保護層を形成して、上記熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、上記の第1部分および第2部分の融点と形状保護層の融点との間の温度で、該熱処理前デバイス構成ステップで構成された該熱処理前デバイスについて熱処理を行なって、該第1部分についてはリフローさせて所望の形状を形成させる一方、該第2部分については、該形状保護層により形状を保持させる熱処理ステップとをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項1)。
【0008】
また、本発明の光導波路デバイスは、少なくとも熱処理を経て構成され、基板と、該基板上に形成されたコア層と該コア層を包囲するクラッド層とをそなえてなる光導波路デバイスであって、上記のコア層とクラッド層とを構成する部分が、上記熱処理によりリフローされて形状が変形制御された変形部分と、上記熱処理の際に、当該熱処理の温度よりも高い融点を有する形状保護層を上層又は下層に積層することで、上記熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とにより構成され、該形状保持部分が所定の形状(例えば該基板面に対して垂直な端面)を含み、かつ、上記の変形部分および形状保持部分が、該基板上においてほぼ同一の面位上にそなえたことを特徴としている(請求項2)。
【0009】
この場合においては、好ましくは、該基板上に、上記のコア層およびクラッド層とからなり該光導波路の出力端面として該基板面に対しほぼ垂直な端面を有する、該形状保持部分としての形状保持バンクと、該形状保持バンクに溝部を介して隣接したクラッド層からなり、上記溝部側の一部の領域を該変形部分とし上記溝部側とは反対側の領域を該形状保持部分として、上記の変形部分および形状保持部分を一体とした一体化バンクとが形成され、かつ、該熱処理により、上記の一体化バンクにおける変形部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層が形成されるように構成されたこととしてもよい(請求項3)。
【0010】
または、好ましくは、該クラッド層が、該コア層の下層として形成された第1クラッド層と該コア層の上層として形成された第2クラッド層とにより構成され、上記の基板上に第1クラッド層が形成されるとともに、該形状保持部分として径が均一な均一径領域とともに、該変形部分として該均一径領域から連続的に径が狭まるテーパ領域からなるリッジ形状のコア層が、該第1クラッド層上に形成され、該形状保護層が、上記の均一径領域のコア層および上記の均一径領域のコア層近傍の第1クラッド層上に形成されるとともに、上記のテーパ領域のコア層近傍の第1クラッド層上に、該熱処理に起因した該テーパ領域のリフローによる平滑傾斜の度合いを調整するためのダム層が形成され、かつ、該熱処理により、該テーパ領域のコア層を、上記リッジ形状の長手方向について平滑傾斜層とすべく構成されたこととしてもよい(請求項4)。
【0011】
さらには、好ましくは、上記の基板上にクラッド層として形成され、複数の互いに近接した溝部を有する該形状保持部分としての第1クラッド層をそなえるとともに、該形状保護層が、上記の溝部が形成された第1クラッド層上に形成される一方、該コア層が、該形状保護層上に該変形部分として形成され、かつ、該熱処理により、上記の溝部をコア層で充填させる一方、上記の溝部が形成された第1クラッド層の形状を該形状保持部分として保持すべく構成されたこととしても良い(請求項5)。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照することにより、本発明の実施の形態を説明する。
[A]第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる光導波路デバイスとしての平面光回路(PLC:Planer Lightwave Circuit)デバイス200を示す模式図であり、図1(a)はその上視図、図1(b)は図1(a)におけるA−A′断面(光導波路における光伝播方向に平行な方向の断面)の矢印方向正視図、図1(c)は図1(a)におけるB−B′断面(光導波路における光伝播方向に垂直な方向の断面)の矢印方向正視図である。
【0013】
ここで、この図1に示す平面光回路デバイス200は、光導波路に対し45度前後の斜面F2を有する金属ミラー215を用いて光アクティブ素子に結合させる構造を有するものであって、この平面光回路デバイス200により、PLCを構成する光導波路と光アクティブ素子に対する結合とを簡易かつ高密度化させるとともに、後述の簡素な工程で製造することで低コスト化を図ることができるようになっている。
【0014】
また、この図1(b)又は図1(c)に示すように、平面光回路デバイス200は、例えばシリコン(Si)基板210の上に、導波路を構成するコア層212が、下クラッド層211および上クラッド層213によって埋め込まれて構成されている。換言すれば、コア層212はクラッド層211,213によって包囲されている。
【0015】
さらに、コア層212は、屈折率がクラッド層211,213よりも高くなるように形成されたもので、これにより、信号光はコア層212中に閉じ込められて伝播されるようになっている。尚、コア層212は、例えばGPSG(ゲルマニウム〔Ge〕・リン〔P〕ドープシリカガラス)により構成され、クラッド層211,213は、例えばBPSG(ホウ素〔B〕・リン〔P〕ドープシリカガラス)により構成される。
【0016】
また、図1(a)に示すように、平面光回路デバイス200は、開口部が長方形の溝部223が形成されているが、図1(b)に示すように、この溝部223をなす内側の一側面F1は、コア層212としての導波路の出射端面を含んだ垂直端面として構成され、側面F1に対向する面F2は、後述する熱処理を施すことによって形成された、例えば光導波路に対して45度程度の傾斜を有する傾斜面として構成されている。
【0017】
また、図1(b)において、221はコア層212およびクラッド層211,213とからなり光導波路の出力端面F1として基板210面に対し垂直な端面を有する形状保持バンクである。即ち、形状保持バンク221は、上述の熱処理の際に、当該熱処理の温度よりも高い融点を有する形状保護層214を上層又は下層に積層することで、熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分である。
【0018】
また、222はバンク221に溝部223を介して隣接したクラッド層211,213からなる一体化バンクである。即ち、一体化バンク222は、熱処理によりリフローされて平滑な傾斜面F2を有する形状に変形した変形部分としての領域224ととともに、熱処理によっても形状が変化しないように保持された形状保持部分としての領域225とが一体形成されている。
【0019】
なお、上述のバンク221および領域225の上層に形成される形状保護層214は、クラッド層211,213と屈折率がほぼ等しく融点の高い材料、例えば、PSG(リンドープシリカガラス)、あるいは低ホウ素濃度のBPSGを用いて形成される。
また、215は上述の平滑に形成された傾斜面F2上に形成された平滑な金属ミラーであって、光導波路としてのコア層212を伝播し、出射端面F1から出射された光を上方〔図1(b)中の白ヌキ矢印方向〕に全反射させるためのものである。
【0020】
なお、溝部223上部には光アクティブ素子としての図示しない光受光素子(フォトダイオード,PD)を接続することができ、この光受光素子を、金属ミラー215にて全反射された光を上述のフォトダイオードで受光するようにして、光パワーモニタ等の制御を行なうことができるようになっている。
上述のごとき平面光回路デバイス200は、基板210上に、熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、熱処理前デバイス構成ステップにより構成されたデバイスについて熱処理を行なう熱処理ステップと、熱処理後のデバイスに、金属ミラー215を形成する金属ミラー形成ステップとによって、製造されるようになっている。
【0021】
以下においては、上述の各ステップにおける製造工程について、図2(a)〜図2(e)を用いて説明していくこととする。尚、図2(a)〜図2(e)は、図1(a)〜図1(c)に示す平面光回路デバイス200の製造過程を説明するための図であって、前述の図1(b)と同様の方向によるデバイス断面図である。
【0022】
まず、熱処理前デバイス構成ステップとして、光導波路を構成するコア層212とコア層212を包囲するクラッド層211,213とからなり光導波路の出力端面F1として基板面に対し垂直な端面を有する第1バンク221′を形成(成膜)するとともに、第1バンク221′に溝部223′を介して隣接した第2バンク222′を形成し、第1バンク221′の上層および第2バンク222′の一部225の上層に形状保護層214を形成(成膜)する〔図2(a)〜図2(d)参照〕。
【0023】
これにより、図2(a)〜図2(d)に示すように、図1(a)〜図1(c)の形状保持バンク221の原型となる第1バンク221′を形成するとともに、一体化バンク222の原型となる第2バンク222′を形成するようになっている。
具体的には、基板210上に、下クラッド層211をCVD(Chemical VaporDeposition)法等により成膜した後に、所望のパターンを有するコア層212をドライエッチング等により形成して〔図2(a)参照〕、コア層212を導波路パターンに加工する。更に、上クラッド層213を、下クラッド層211と同様のCVD法により成膜を行なって、コア層212を埋め込む〔図2(b)参照〕。
【0024】
ついで、図1(a)〜図1(c)に示す溝部223の原型となる溝部223′を溝エッチングにより形成する。換言すれば、この溝部223′が形成されることで、光導波路の出力端面を垂直端面F1とともに、この垂直端面F1に対向する傾斜面F2の原型となる垂直端面F2′が形成される〔図2(c)参照〕。
図2(c)のように溝部223′を形成すると、続いて、第1バンク221′の上層とともに、第2バンク222′の一部の領域(溝部223′とは反対側の領域)225′の上層に、それぞれ形状保護層214を形成する。具体的には、溝部223′を含む基板面全面に形状保護層214を形成した後に、エッチング等により、溝部223′における前述の領域224を形成するための部分の形状保護層214を除去する。
【0025】
したがって、上述の第1バンク221′および第2バンク222′の領域225′は、少なくとも基板210面に対して垂直な端面を含んで構成されて熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分として構成される。又、垂直端面F2′を含んだ領域224′は、領域225′とともに一体形成して第2バンク222′を構成するものであるが、この領域224′上には形状保護層214が上層に形成されておらず、熱処理により形状を変化させるべき第1部分として構成される。
【0026】
また、上述の第1部分としての領域224′と、第2部分としての第1バンク221′および領域225′は、基板210上においてほぼ同一の面位上〔図2(d)の溝部223′の底面の面位Gを基準として〕形成されている。
このようにして形成された熱処理前デバイス200′〔図2(d)参照〕について、熱処理ステップとして、クラッド層211,213およびコア層212の融点と、形状保護層214の融点との間の温度で熱処理を行なう。これにより、第2バンク222′における第1部分の領域224′は、リフローされて基板210面について平滑傾斜層に変形する〔図2(e)参照〕。
【0027】
これにより、熱処理前デバイス200′の第1バンク221′を図1(a)〜図1(c)または図2(e)に示す形状保護バンク221とし、第2バンク222′を図1(a)〜図1(c)または図2(e)に示す一体化バンク222とすることができる。
さらに、上述の熱処理ステップに次いで、ミラー形成ステップとして、平滑傾斜層上(傾斜面F2上)に、光導波路から出射された光を反射させるための金属ミラー215を、例えば蒸着作用等により形成する。このミラー形成ステップにおいては、熱処理ステップにより平滑に形成された傾斜面F2上に金属ミラー215を形成することができるので、この金属ミラー215についても平滑にすることができる。このようにして、平面光回路デバイス200を完成させる。
【0028】
なお、上述のバンク221′の上層に形成される形状保護層214は、垂直端面F1および溝部216の一部まで延在するように成膜されている。この垂直端面F1に延在された形状保護層214により、上述の熱処理によっても、垂直端面F1の形状を確実に保持することができる〔図2(d)参照〕。更には、溝部216の一部まで延在された形状保護層214は、熱処理によりリフローした領域224′の部分が所望の傾斜角(この場合は45度程度)を有する傾斜面となるように、リフローされたクラッド質の流れを塞き止めるダム層(堤防層)の機能をも有している。
【0029】
また、PSG(リン〔P〕ドープシリカガラス)を上述の形状保護層214として用いた場合には、線膨張係数がSi基板210と大きく異なりクラックが発生しやすいため、膜厚は保護に必要な最低膜厚、例えば、0.5〜1.0μmが好ましい。
このように、本発明の第1実施形態によれば、熱処理前デバイス構成ステップと熱処理ステップとによる簡易な製造工程により、熱処理により形状を変形制御された変形部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とが、ほぼ同一面位に並存するような光導波路デバイスとしての平面光回路デバイスを製造することができ、平面光回路デバイスの製造コストを抑えつつ高集積化を図ることができる利点がある。
【0030】
さらに、第1実施形態によれば、従来の平面光回路デバイスにおいて、光導波路から出射された光を反射させるためのミラーが形成される傾斜面を形成する際の、以下に示す技術的課題を解決することができる。
すなわち、従来においては、例えば図3(a)〜図3(c)に示すような平面光回路デバイス100のように、図1(a)〜図1(c)に示す傾斜面F2に対応する傾斜面F3を、多段露光を行なうことによって形成していた。尚、図3(a)は平面光回路デバイス100の上視図、図3(b)は図3(a)におけるA−A′断面(光導波路における光伝播方向に平行な方向の断面)の矢印方向正視図、図3(c)は図3(a)におけるB−B′断面(光導波路における光伝播方向に垂直な方向の断面)の矢印方向正視図である。
【0031】
ここで、この図3(a)〜図3(c)に示す光回路デバイス100においても、Si基板110上にコア層112が上下のクラッド層111,113間に埋め込まれた構造を有し、図3(b)に示すように溝部123を介して2つのバンク121,122が形成されているが、傾斜層を有するバンク122は、上述の多段露光により形成しているので、平滑性が不十分であった。
【0032】
すなわち、図3(a)〜図3(c)に示す平面光回路デバイス100を製造する手法では、第1実施形態にかかる平面光回路デバイス200のクラッド層211,213の溝エッチングにおいて、溝の深さを決定するマスク材料の厚さを多段露光により段階的に薄くしその形状を転写することで、傾斜面を形成していた。従って、この手法では、金属ミラー115が形成される面としては不連続な形状で平滑性に劣る上に、多段露光を行なうという煩雑な製造工程を踏まなければならないという課題がある。
【0033】
また、上述のごとき傾斜面を形成する他の手法として、溝エッチングされる溝の深さを決定するマスク材料の厚さを段階的に薄くするために、サブピクセルサイズでの開口面積で近似したグレースケールのマスクを用いることで、露光強度を連続的に変化させ、上述のごとき傾斜面を形成することが考えられるが、このようなグレースケールのマスクは高価であり、厚膜の露光に対してはピクセルサイズの凹凸を生じる可能性が高い。
【0034】
第1実施形態におけるデバイス製造方法においては、上述のごとき従来の手法における課題を解決し、簡易な製造工程にて、平滑な斜面ミラーを形成し、平面光回路デバイスとしての高機能化・製造コストの低減を図ることができる利点がある。
[B1]第2実施形態の説明
図4は本発明の第2実施形態にかかる平面光回路デバイス(光導波路デバイス)としてのスターカプラ300を、光導波路パターンに着目して示す模式的上視図であり、図5(a)は、上述の図4に示すスターカプラ300のC−C′断面の矢印方向正視図であり、図5(b)は、図4に示すスターカプラ300のD−D′断面の矢印方向正視図であり、図5(c)は、図4に示すスターカプラ300のE−E′断面の矢印方向正視図である。
【0035】
ここで、図4に示すスターカプラ300としての導波路パターンは、入力された光を伝播させるための1本の入力導波路321と、入力導波路321からの光について放射させるためのスラブ導波路322と、スラブ導波路322からの光を分岐された入力光として伝播させるための複数の(図4においては5本の)出力導波路323〜327とをそなえて構成されている。
【0036】
また、出力導波路323〜327は、スラブ導波路322近傍の部分について、スラブ導波路322に近づくに従って、3次元テーパ形状を有している。即ち、スラブ導波路側に向けてテーパ状に導波路の幅および高さ(以下、単に導波路径という)が連続的に狭くなるテーパ導波路323A〜327Aとともに、各テーパ導波路323A〜327Aにおける光出射側に接続された導波路径が一定(均一)の均一径導波路323B〜327Bをそなえて構成されている。
【0037】
例えば、図5(b)に示すように、均一径導波路323B〜327Bの導波路径としての幅および高さが例えばともにa(例えば7μm程度)である場合において、図5(c)に示すように、テーパ導波路323A〜327Aのスラブ導波路322側における導波路径としての幅および高さをa(例えば7μm程度)よりも小さいb(例えば1〜2μm程度)とすることができる。尚、均一径導波路323B〜327Bの導波路径は、テーパ導波路323A〜327Aの導波路径が最も広くなった部分の径に等しい。
【0038】
これにより、テーパ導波路323A〜327Aのスポットサイズを徐々に広げて、スラブ導波路322とテーパ導波路323A〜327Aとの間における光結合損失を、上述のごときテーパ構造を持たない出力導波路の場合よりも低減させている。即ち、このスターカプラ300は、テーパ構造を有しない出力導波路をもつものに比して、光結合効率ひいては損失特性を改善させることができるのである。
【0039】
なお、図5(a)においては、出力導波路323〜327のうちで出力導波路325の断面のみが図示されているが、各出力導波路323〜327はいずれも同様の構成を有している。
ここで、第2実施形態にかかるスターカプラ300についても前述の第1実施形態の場合と同様に、少なくとも熱処理を経て構成されたものであって、Si基板310と、基板310上に形成されたコア層312と、コア層312を包囲するクラッド層311,313とをそなえている。
【0040】
下クラッド層311は、基板310上に、コア層312の下層として形成された第1クラッド層として機能するもので、上クラッド層313は、コア層312の上層として形成された第2クラッド層として機能するものである。又、コア層312は、上述の図4に示すスターカプラ300としての導波路パターンで形成されているものであって、本願発明の特徴的な構造である出力導波路323〜327をそなえている。
【0041】
すなわち、出力導波路323〜327はそれぞれ、テーパ領域としてのテーパ導波路323A〜327Aと径一定領域としての径一定導波路323B〜327Bとによりリッジ形状に形成されているが、径一定導波路323B〜327Bは、後述の熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分であり、テーパ導波路323A〜327Aは、熱処理によりリフローされて形状が変形された変形部分である。
【0042】
具体的には、図5(a)〜図5(c)に示すように、コア層312をなすテーパ導波路325A(323A〜327A)は、後述する熱処理によって、スラブ導波路322に近づくに従ってテーパ状に高さが低くなるように形成され、このテーパ導波路325A(323A〜327A)の部分を除く部分(入力導波路321,スラブ導波路322および均一径導波路323B〜327B)については、熱処理によっても形状が保持されて、均一な高さ(膜厚)で形成されている。
【0043】
なお、形状保持部分としての径一定導波路323B〜327Bは、少なくとも基板310面に対して垂直な端面F4を含み、かつ、これらの径一定導波路323B〜327Bおよび変形部分としてのテーパ導波路323A〜327Aが、基板310上においてほぼ同一の面位上にそなえられている。
また、314は形状保護層であり、この形状保護層314は、熱処理の際に、当該熱処理における温度よりも高い融点を有するものであって、形状保持部分の上層に積層することで、形状保持部分が熱処理により形状が変化しないようにするためのものである。
【0044】
具体的には、形状保護層314としては図6に示すように、下クラッド層311およびコア層312と上クラッド層313との間に、テーパ導波路323A〜327Aおよびテーパ導波路323A〜327Aの両端のコア層部分323C〜327Cを除いて基板面全面に形成されるようになっている。尚、上述の形状保護層314が形成されないコア層部分323C〜327Cの上視形状は、この図6に示すように、テーパ導波路323A〜327Aと均一径導波路323B〜327Bとが結合する部分から、スラブ導波路322側に向けて幅が両側に広がるような形状を有している。
【0045】
また、上述のテーパ導波路323A〜327Aをなすコア層312近傍の下クラッド層311上に形成された(下クラッド層311の上層としてテーパ導波路323A〜327A間に間隔を置いて形成された)形状保護層314は、後述の熱処理に起因したテーパ導波路323A〜327Aのリフローによる平滑傾斜の度合い〔高さの変化または図5(a)に示す断面での傾斜角度〕を調整するためのダム層(堤防層)314Aとして機能している〔図5(c)参照〕。
【0046】
上述のごときスターカプラ300は、基板310上に、熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、熱処理前デバイス構成ステップにより構成されたデバイスについて熱処理を行なう熱処理ステップと、熱処理後のデバイスにおける第1部分としてのコア層312を部分的に除去するステップと、第2クラッド層313を形成するステップとによって、製造されるようになっている。
【0047】
以下においては、上述の各ステップにおける製造工程について、図7(a)〜図7(d)を用いて説明していくこととする。尚、図7(a)〜図7(c)は、図4〜図6に示すスターカプラ300の製造過程を説明するための図であって、それぞれ、H1は各製造工程におけるデバイスの要部を示す上視図、H2はH1のC−C′断面の矢印方向正視図、H3はH1のD−D′断面の矢印方向正視図、H4はH1のE−E′断面の矢印方向正視図である。
【0048】
まず、熱処理前デバイス構成ステップとして、CVD法等により、基板310上に第1クラッド層としての下クラッド層311を形成(成膜)し(第1クラッド層形成ステップ)、下クラッド層311上に、コア層312を形成(成膜)する〔コア層形成ステップ,図7(a)参照〕。
すなわち、この図7(a)に示すように、図4〜図6に示す出力導波路323〜327の原型となるリッジ形状のコア層312として、径が均一な均一径領域のコア層部分323B′〜327B′とともに、均一径領域の部分323B′〜327B′から連続的に径が狭まるテーパ領域のコア層部分323A′〜327A′を形成する。
【0049】
換言すれば、図4〜図6に示すテーパ導波路323A〜327Aの原型となるコア層部分323A′〜327A′を形成するとともに、均一径導波路323B〜327Bの原型となるコア層部分323B′〜327B′を形成する。従って、コア層部分323A′〜327A′は、熱処理によって形状を変化させるべき第1部分である。コア層部分323B′〜327B′は、少なくとも基板面に対して垂直な端面F4′を含んで構成されて熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分であって、コア層部分323A′〜327A′とほぼ同一の面位上(クラッド層311上)に形成されている。
【0050】
なお、図7(a)中においては、特に出力導波路325の原型となる部分325A′,325B′に着目して図示している。図7(b)〜図7(d)に示すものにおいても同様である。
上述のごときコア層312を形成すると、熱処理によって形状が変化しないように保持すべき領域に形状保護層314を形成する。具体的には、スラブ導波路322およびコア層部分323B′〜327B′となるコア層312の部分と、上記のコア層部分323B′〜327B′となるコア層近傍の第1クラッド層311の部分に、上層として、エッチング等によって形状保護層314を形成する〔形状保護層形成ステップ,図7(b)参照〕。この場合においては、図7(b)のH1または図6に示すように、形状保護層314は、領域323C〜327Cを除いて、基板全面にわたって形成されている。
【0051】
さらに、上記の第1部分となるコア層312(テーパ導波路323A〜327A)近傍の第1クラッド311層上に、熱処理によりリフローされて形成される平滑傾斜の度合いを調整するためのダム層314Aを、リッジ形状をなすコア層312の幅方向両側(領域323C〜327C)を挟むように形成する(堤防層形成ステップ)。この場合においては、上述の形状保護層314がダム層314Aの役割も果たしている〔図7(b)参照〕。
【0052】
上述のごとき熱処理前デバイス構成ステップにて構成された製造過程のデバイスは、次に、熱処理ステップとして、第1部分および第2部分の融点と形状保護層314の融点との間の温度で熱処理が施される。これにより、第1部分としてのテーパ領域323A′〜327A′についてはリフローさせて所望の形状を形成させる一方、それ以外の部分については、形状保護層314により形状を保持させる〔図7(c)のH4参照〕。
【0053】
具体的には、ダム層形成ステップにて形成されたダム層314Aにより、熱処理によりコア層部分323A′〜327A′が融化されたコア層質の流れが塞き止められて〔図7(c)のH1,H3参照〕、リフロー後にはリッジ形状における長手方向にわたり基板面について平滑傾斜層としている〔図7(c)のH2参照〕。
【0054】
すなわち、熱処理によって融化されたコア層部分323A′〜327A′のコア層質の左右への広がり幅が、コア層部分323B′〜327B′との結合部分からスラブ導波路322側に向かって連続的に広がるように、上述のコア層部分323A′〜327A′を挟むダム層314Aの間隔が定められている。これにより、コア層部分323A′〜327A′の熱処理後の高さが、コア層部分323B′〜327B′との結合部分からスラブ導波路322側に向かって連続的に高さが低くなるような平滑傾斜層とすることができるのである。
【0055】
また、熱処理前デバイス構成ステップにおいて構成されたコア層部分323A′〜327A′が、コア層部分323B′〜327B′との結合部分からスラブ導波路322側に向かって幅が狭くなるように形成しているので、上述のごとき熱処理後の高さの変化をより効率的につけることができる。
上述の熱処理ステップにおける熱処理により、第1部分としてのテーパ領域323A′〜327A′が平滑傾斜層となると、次いで、図7(d)のH1に示すように、この平滑傾斜層となったテーパ領域323A′〜327A′を、上述の長手方向にわたり幅を狭くするように、コア層312を部分的に除去する。尚、図7(d)のH1に示す上視図は、コア層部分323A′〜327A′におけるコア層質の一部が除去された点に着目したものである。
【0056】
これにより、リフローされたコア層部分323A′〜327A′のうちで、上述のコア層質の一部を除去した後の残りの部分をテーパ導波路323A〜327Aとして構成し、形状が保持された均一径領域323B′〜327B′を均一径導波路323B〜327Bとして構成する。
さらに、上述のコア層312の部分的な除去が行なわれた後に、基板面上の全面に第2クラッド層としての上クラッド層313を形成(成膜)して〔第2クラッド層形成ステップ,図7(d)のH2〜H4参照〕、スターカプラ300を完成させる。
【0057】
このように、本発明の第2実施形態によれば、熱処理前デバイス構成ステップおよび熱処理ステップとをそなえた簡素な工程により、熱処理により形状を変形制御された変形部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とが、ほぼ同一面位に並存するような光導波路デバイスとしてのスターカプラ300を製造することができる利点があり、ひいては、デバイスの高集積化を図ることもできる。
【0058】
また、第2実施形態によれば、テーパ導波路323A〜327Aとして、高さと幅の次元でスラブ導波路322に向けて平滑に小さくなるようにした3次元のテーパ導波路を、簡素な製造工程によりウエハ面内で容易に製造することができるので、デバイスとしての特性を改善しつつ、製造コストを低減させることができる利点がある。
【0059】
[B2]第2実施形態の変形例の説明
図8(a)は上述の第2実施形態の変形例としてのスターカプラ300Aの、図5(a)に相当するCC′断面図であり、図8(b)は図5(b)に相当するDD′断面図であり、図8(c)は図5(c)に相当するEE′断面図である。
上述の第2実施形態にかかるスターカプラ300においては、製造過程において、下クラッド層311を形成した後にコア層312を形成するようになっているが、本発明によれば、この図8(a)〜図8(c)に示すように、下クラッド層311を形成させる工程とコア層312を形成させる工程との間に、下クラッド層311の形状を保持させるための形状保護層315を形成(成膜)させる工程を設けることとしてもよい。
【0060】
すなわち、このクラッド層311とコア層312との間に積層される形状保護層315によって、熱処理により下クラッド層311が変形することを防止することができる。換言すれば、この形状保護層315は、下クラッド層用の形状保護層315として機能する。
したがって、本変形例によれば、前述の第2実施形態における利点があるほか、形状保護層315により、下クラッド層315の変形についても防止することができるので、簡素な製造工程によって、より精密にデバイスを製造することができ、更にはデバイスとしての特性をより改善させることができる。
【0061】
なお、上述の第2実施形態および第2実施形態の変形例においては、本発明にかかる光導波路デバイスとしてスターカプラを適用した場合について詳述したが、本発明によればこれに限定されず、スターカプラ以外の光導波路デバイスにも、もちろん適用することができる。
[C]第3実施形態の説明
図9(a)は本発明の第3実施形態にかかる光導波路デバイスとしての方向性結合器400を示す模式的上視図、図9(b)は図9(a)のF−F′断面の矢印方向正視図である。
【0062】
ここで、図9(a),図9(b)に示す方向性結合器400は、Si基板410上に形成された2本の光導波路421,422が、入出射端の中間部分423において距離が近接するような導波路パターンを有している。これにより、光導波路421,422は、隣接する他方の光導波路422,421におけるモード結合を利用し、入力光を一定比率で出力に分波することができるようになっている。
【0063】
ここで、第3実施形態にかかる方向性結合器400についても前述の第1,第2実施形態の場合と同様に、少なくとも熱処理を経て構成されたものであって、基板410と、基板410上に形成されたコア層412と、コア層412を包囲するクラッド層411,413とをそなえている。
下クラッド層411は、基板410上に、コア層412の下層として形成された第1クラッド層として機能するもので、上クラッド層413は、コア層412の上層として形成された第2クラッド層として機能するものである。又、コア層412は、上述の図9(a),図9(b)に示す方向性結合器400としての導波路パターンで形成されているものである。
【0064】
すなわち、光導波路421,422はそれぞれ、後述の熱処理により形状が変化された変形部分であり、下クラッド層411は、熱処理により形状が変形しないように保持された形状保持部分である。
具体的には、図9(b)に示すように、コア層412をなすテーパ導波路325A(323A〜327A)は、後述する熱処理によって、下クラッド層411に形成された導波路用の溝の中に、コア層412が充填されている一方、2本の近接した光導波路421,422間で挟まれる下クラッド層(即ち、2本の溝間の下クラッド層)411の部分については、当該下クラッド層411とコア層412との間に積層された形状保護層414により、熱処理によっても形状が保持されている。
【0065】
なお、形状保持部分としての下クラッド層411(例えばリッジ部分433)は、少なくとも基板410面に対して垂直な端面F5を含み、かつ、この下クラッド層411(例えばリッジ部分433)および変形部分としての光導波路421,422が、基板410上においてほぼ同一の面位(溝部431,432の底面の面位)上にそなえられている。
【0066】
また、形状保護層414は、熱処理の際に、当該熱処理における温度よりも高い融点を有するものであって、形状保持部分としての下クラッド層411の上層に積層することで、熱処理前の第2部分の形状を変化させないようにして、形状保持部分を構成するためのものである。
上述のごとき方向性結合器400は、基板410上に、熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、熱処理前デバイス構成ステップにより構成されたデバイスについて熱処理を行なう熱処理ステップと、熱処理後のデバイスにおける第1部分としてのコア層412を部分的に除去するステップと、第2クラッド層413を形成するステップとによって、製造されるようになっている。
【0067】
以下においては、上述の各ステップにおける製造工程について、図10(a)〜図10(e)を用いて説明していくこととする。尚、図10(a)〜図10(e)は、図9(a),図9(b)に示すスターカプラ400の製造過程を説明するための図であって、それぞれ、図9(a)のF−F′断面の矢印方向正視図に相当するものである。
【0068】
まず、第1クラッド層形成ステップ,溝部形成ステップ,形状保護層形成ステップおよびコア層形成ステップからなる熱処理前デバイス構成ステップによって、熱処理前のデバイスを構成する。
すなわち、第1クラッド層形成ステップにおいて、CVD法等により、基板410上に下クラッド層(第1クラッド層)411を形状を保持すべき第2部分として形成(成膜)し、溝部形成ステップにおいて、第1クラッド層形成ステップで形成された第1クラッド層411に複数(本実施形態においては2つ)の互いに近接した溝部(微細溝)431,432を形成する〔図10(a)参照〕。
【0069】
さらに、溝部形成ステップにおいて溝部431,432が形成された第1クラッド層411上に、基板面全面にわたって、形状保護層414を形成(成膜)する〔形状保護層形成ステップ,図10(b)参照〕。この形状保護層414により、特に溝部431,432間における下クラッド層411としてのリッジ433の形状を熱処理によっても変化しないように保持することができる。
【0070】
ついで、上述のごとく成膜された形状保護層414上に、形状を変形させるべき第1部分としてコア層412を形成する(コア層形成ステップ,図10(c)参照)。尚、熱処理前のコア層形成ステップにおいては、コア層412を、溝部421,422のみならず形状保護層414全体を覆うように成膜している。この時点においては、コア層412は微細溝である溝部431,432中に完全には充填されていない。
【0071】
換言すれば、コア層形成ステップにより、図9(a),図9(b)に示す方向性結合器400をなす光導波路421,422の原型となるコア層412を形成する。また、溝部431,432間のリッジ433は、少なくとも基板面に対して垂直な端面F5′を含んで構成されて熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分であって、コア層412とほぼ同一の面位上に形成されている。
【0072】
さらに、熱処理ステップにおいて、形状保護層414の融点とコア層412の融点との間の温度で高温熱処理を施し、溝部431,432中のコア層をリフローにより平坦化させることにより、溝部431,432をコア層412で完全に充填させる一方、形状保護層414により、溝部431,432が形成された第1クラッド層411の形状を第2部分として保持している。
【0073】
また、熱処理ステップによる熱処理を施した後に、コア層412について、エッチバックにより、溝部431,432に充填された部分以外を除去する〔除去ステップ,図10(d)参照〕。これにより、方向性結合器400をなす2本の光導波路421,422を構成する。その後、除去ステップにおけるコア層412の除去を行なった後のデバイス面上に、上クラッド層(第2クラッド層)413を形成(成膜)して〔第2クラッド層形成ステップ,図10(e)参照〕、方向性結合器400を完成させる。
【0074】
このように、本発明の第3実施形態によれば、熱処理前デバイス構成ステップおよび熱処理ステップとを有する簡素な工程により、熱処理により形状を変形制御された変形部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とが、ほぼ同一面位に並存するような光導波路デバイスとしての方向性結合器400を製造することができる利点があり、ひいては、デバイスの高集積化を図ることもできる。
【0075】
また、第3実施形態によれば、基板上に近接した複数の光導波路を有する方向性結合器を製造する際において、形状保護層414により、微細溝の熱処理に対する耐用度を向上させることができ、より微細な溝部を形成させることができるのでデバイスとしての特性を改善させることができるほか、表面の平坦性が高く、電極形成等の導波路形成工程以降にフォトリソグラフィ工程を行なう場合にも容易にすることもできるので、デバイス製造のためのコストを低減させることができる利点もある。
【0076】
なお、上述の第3実施形態においては、2本の光導波路からなる方向性結合器について詳述したが、本発明によれば、3本以上の光導波路を近接させるための溝部を形成するようなデバイスを製造する際にも、もちろん適用させることができる。
[D]その他
なお、上述の各実施形態における形状保護層214〜414,315は、下クラッド層211〜411,上クラッド層213〜413およびコア層212〜412よりもドープされる不純物(例えばGe〔ゲルマニウム〕,P〔リン〕,Ti〔チタン〕またはB〔ボロン〕等)の割合を減らすことで、これらのクラッド層又はコア層よりも融点を高めている。
【0077】
たとえば、下クラッド層211〜411,上クラッド層213〜413およびコア層212〜412の融点を800〜900℃程度とするとともに、形状保護層214,414,315の融点を1000〜1200℃程度とすることができる。この場合においては、熱処理ステップにおける加熱温度を、上述の800〜900℃および1000〜1200℃の中間の温度程度とすることができる。
【0078】
さらに、上述の各実施形態における基板210〜410面に対して垂直な端面F1′,F4′,F5′を保護する(形状を保持させる)には、当該垂直端面F1′,F4′,F5′の上層の形状保護層214〜414についても、上述のごとき膜厚が必要となる。このとき、成膜にステップカバレッジの良好な、常圧CVD法を用いて形状保護層214〜414を成膜することで、これらの垂直端面F1′,F4′,F5′においても十分な保護効果を得ることができる。
【0079】
また、上述の各実施形態においては、光導波路デバイスの製造方法について詳述しているが、本発明のデバイス製造方法によれば、光導波路デバイス以外のデバイスにおいても同様に適用させることができる。
[E]付記
(付記1) 熱処理を施してデバイスを製造する方法において、
基板上に、上記熱処理により形状を変形させるべき第1部分と、所定の形状を含んで構成されて上記熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分とをほぼ同一の面位上に形成するとともに、該第2部分の上層または下層として上記第1部分または第2部分よりも融点の高い形状保護層を形成して、上記熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、
上記の第1部分および第2部分の融点と形状保護層の融点との間の温度で、該熱処理前デバイス構成ステップで構成された該熱処理前デバイスについて熱処理を行なって、該第1部分についてはリフローさせて所望の形状を形成させる一方、該第2部分については、該形状保護層により形状を保持させる熱処理ステップとをそなえて構成されたことを
特徴とする、デバイス製造方法。
【0080】
(付記2) 該熱処理ステップにより、該第1部分をリフローさせることにより所望の平滑層を形成することを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
(付記3) 上記の熱処理前デバイス構成ステップにおいて、上記の第1部分および第2部分が一体となったバンクが形成され、
該熱処理ステップにおける上記熱処理により、該バンクをなす該第1部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層とすることを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
【0081】
(付記4) 該熱処理前デバイス構成ステップにおいて、該第1部分がリッジとして形成されるとともに、該熱処理に起因した該リッジのリフローによる平滑傾斜の度合いを調整するための堤防層を、該リッジの幅方向両側を挟むように形成することを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
(付記5) 該熱処理前デバイス構成ステップにおいて、
光導波路を構成するコア層と該コア層を包囲するクラッド層とからなり該光導波路の出力端面として該基板面に対し垂直な端面を有する第1バンクを該第2部分として形成するとともに、
該第1バンクに溝部を介して隣接し、上記溝部側の一部の領域を該第1部分とし上記溝部側とは反対側の領域を該第2部分として、上記の第1部分および第2部分を一体とした第2バンクを形成し、
該熱処理ステップにより、上記の第2バンクにおける第1部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層とすることを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
【0082】
(付記6) 該熱処理ステップに次いで、上記平滑傾斜層上に、該光導波路から出射された光を反射するミラーを形成するミラー形成ステップをそなえて構成されたことを特徴とする、付記5記載のデバイス製造方法。
(付記7) 該熱処理前デバイス構成ステップが、
該基板上に第1クラッド層を形成する第1クラッド層形成ステップと、
該第1クラッド層上に、該第2部分として径が均一な均一径領域とともに、該第1部分として該均一径領域から連続的に径が狭まるテーパ領域からなるリッジ形状のコア層を形成するコア層形成ステップと、
上記の均一径領域のコア層および上記の均一径領域のコア層近傍の第1クラッド層上に、該形状保護層を形成する形状保護層形成ステップと、
上記のテーパ領域のコア層近傍の第1クラッド層上に、該熱処理に起因した該テーパ領域のリフローによる平滑傾斜の度合いを調整するための堤防層を、該リッジ形状をなすコア層の幅方向両側を挟むように形成する堤防層形成ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
【0083】
(付記8) 該堤防層形成ステップにおいて、該熱処理により該第1部分のコア層がリフローされて、該リッジ形状における長手方向にわたり該基板面について平滑傾斜層となるように、上記のテーパ領域との間隔を定めて堤防層を形成することを特徴とする、付記7記載のデバイス製造方法。
(付記9) 上記の第1クラッド層形成ステップとコア層形成ステップとの間に、該第1クラッド層の上層部に、該第1クラッド層用の形状保護層を形成するステップをそなえて構成されたことを特徴とする、付記7記載のデバイス製造方法。
【0084】
(付記10) 上記の熱処理ステップにおける熱処理により、該第1部分が平滑傾斜層となると、次いで、該第1部分を、上記長手方向にわたり幅を狭くするように、該コア層を部分的に除去するステップと、
該コア層を部分的に除去した後に、該基板面上に第2クラッド層を形成する第2クラッド層形成ステップをそなえて構成されたことを特徴とする、付記7〜9のいずれか一項記載のデバイス製造方法。
【0085】
(付記11) 該熱処理前デバイス構成ステップが、
該基板上に第1クラッド層を該第2部分として形成する第1クラッド層形成ステップと、
該第1クラッド層形成ステップにおいて形成された該第1クラッド層に、複数の互いに近接した溝部を形成する溝部形成ステップと、
該溝部形成ステップにおいて上記の溝部が形成された第1クラッド層上に、該形状保護層を形成する形状保護層形成ステップと、
該形状保護層形成ステップにおいて形成された該形状保護層上に、該第1部分としてコア層を形成するコア層形成ステップとをそなえて構成され、
該熱処理ステップにおける熱処理により、上記の溝部をコア層で充填させる一方、上記の溝部が形成された第1クラッド層の形状を該第2部分として保持することを特徴とする、付記1記載のデバイス製造方法。
【0086】
(付記12) 上記の熱処理ステップによる熱処理を施した後に、該コア層について、上記の溝部に充填された部分以外を除去する除去ステップと、
該除去ステップにおける該コア層の除去を行なった後のデバイス面上に、第2クラッド層を形成する第2クラッド層形成ステップをそなえて構成されたことを特徴とする、付記11記載のデバイス製造方法。
【0087】
(付記13) 上記の形状保護層または堤防層を、上記の第1部分および第2部分よりも不純物の割合を少なくすることを特徴とする、付記1〜12のいずれか一項記載のデバイス製造方法。
(付記14) 該形状保護層または堤防層を、常圧CVD(Chemical VaporDeposition)法により形成することを特徴とする、付記1〜13のいずれか一項記載のデバイス製造方法。
【0088】
(付記15) 少なくとも熱処理を経て構成され、基板と、該基板上に形成されたコア層と該コア層を包囲するクラッド層とをそなえてなる光導波路デバイスであって、
上記のコア層とクラッド層とを構成する部分が、
上記熱処理によりリフローされて形状が変形制御された変形部分と、
上記熱処理の際に、当該熱処理の温度よりも高い融点を有する形状保護層を上層又は下層に積層することで、上記熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とにより構成され、
該形状保持部分が所定の形状を含み、かつ、上記の変形部分および形状保持部分が、該基板上においてほぼ同一の面位上にそなえたことを特徴とする、光導波路デバイス。
【0089】
(付記16) 該基板上に、
上記のコア層およびクラッド層とからなり該光導波路の出力端面として該基板面に対しほぼ垂直な端面を有する、該形状保持部分としての形状保持バンクと、
該形状保持バンクに溝部を介して隣接したクラッド層からなり、上記溝部側の一部の領域を該変形部分とし上記溝部側とは反対側の領域を該形状保持部分として、上記の変形部分および形状保持部分を一体とした一体化バンクとが形成され、
かつ、該熱処理により、上記の一体化バンクにおける変形部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層が形成されるように構成されたことを特徴とする、付記15記載の光導波路デバイス。
【0090】
(付記17) 該クラッド層が、該コア層の下層として形成された第1クラッド層と該コア層の上層として形成された第2クラッド層とにより構成され、
上記の基板上に第1クラッド層が形成されるとともに、
該形状保持部分として径が均一な均一径領域とともに、該変形部分として該均一径領域から連続的に径が狭まるテーパ領域からなるリッジ形状のコア層が、該第1クラッド層上に形成され、
該形状保護層が、上記の均一径領域のコア層および上記の均一径領域のコア層近傍の第1クラッド層上に形成されるとともに、
上記のテーパ領域のコア層近傍の第1クラッド層上に、該熱処理に起因した該テーパ領域のリフローによる平滑傾斜の度合いを調整するためのダム層が形成され、
かつ、該熱処理により、該テーパ領域のコア層を、上記リッジ形状の長手方向について平滑傾斜層とすべく構成されたことを特徴とする、付記15記載の光導波路デバイス。
【0091】
(付記18) 上記の第1クラッド層とコア層との間においても、該形状保護層が形成されたことを特徴とする、付記17記載の光導波路デバイス。
(付記19) 上記の基板上にクラッド層として形成され、複数の互いに近接した溝部を有する該形状保持部分としての第1クラッド層をそなえるとともに、
該形状保護層が、上記の溝部が形成された第1クラッド層上に形成される一方、
該コア層が、該形状保護層上に該変形部分として形成され、
かつ、該熱処理により、上記の溝部をコア層で充填させる一方、上記の溝部が形成された第1クラッド層の形状を該形状保持部分として保持すべく構成されたことを特徴とする、付記15記載の光導波路デバイス。
【0092】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1および2記載の本発明によれば、熱処理前デバイス構成ステップおよび熱処理ステップを有する簡易な製造工程により、熱処理により形状を変形制御された変形部分と、熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とが、ほぼ同一面位に並存するような平面光回路デバイス等のデバイスを実現することができる利点があり、ひいては、デバイスの高集積化を図ることもできる。
【0093】
また、請求項3記載の本発明によれば、形状保持バンクと一体化バンクとを形成して、熱処理により、上記の一体化バンクにおける変形部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層が形成されるように構成しているので、簡易な製造工程にて、平滑な斜面を形成することができるので、平面光回路デバイスとしての高機能化・製造コストの低減を図ることができるほか、利点がある。
【0094】
さらに、請求項4記載の本発明によれば、形状保持部分として径が均一な均一径領域とともに、変形部分として該均一径領域から連続的に径が狭まるテーパ領域からなるリッジ形状のコア層を、第1クラッド層上に形成するとともに、形状保護層およびダム層を形成して、熱処理により、テーパ領域のコア層を、上記リッジ形状の長手方向についてについて平滑傾斜層とすることにより、テーパ導波路として、高さと幅の次元でスラブ導波路に向けて平滑に小さくなるようにした3次元のテーパ導波路を、簡素な製造工程によりウエハ面内で容易に製造することができるので、デバイスとしての特性を改善しつつ、製造コストを低減させることができる利点がある。
【0095】
また、請求項5記載の本発明によれば、熱処理により、上記の溝部をコア層で充填させる一方、上記の溝部が形成された第1クラッド層の形状を形状保持部分として保持すべく構成しているので、基板上に近接した複数の光導波路を有する方向性結合器を製造する際において、形状保護層により、微細溝の熱処理に対する耐用度を向上させ、より微細な溝部を形成させることができるのでデバイスとしての特性を改善させることができるほか、表面の平坦性が高く電極形成等の導波路形成工程以降にフォトリソグラフィ工程を行なう場合にも、当該工程を容易にすることができるので、デバイス製造のためのコストを低減させることができる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はいずれも本発明の第1実施形態にかかる平面光回路デバイスを示す図である。
【図2】(a)〜(e)はいずれも第1実施形態にかかる平面光回路デバイスの製造工程を説明するための図である。
【図3】(a)〜(c)はいずれも第1実施形態の平面光回路デバイスが解決する課題について説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態にかかるスターカプラを光導波路パターンに着目して示す模式的上視図である。
【図5】(a)〜(c)はいずれも本発明の第2実施形態にかかるスターカプラを示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかるスターカプラを形状保護層のパターンに着目して示す模式的上視図である。
【図7】(a)〜(d)はいずれも本発明の第2実施形態にかかるスターカプラの製造工程を説明するための図である。
【図8】(a)〜(c)はいずれも本発明の第2実施形態の変形例にかかるスターカプラを示す図である。
【図9】(a),(b)はともに本発明の第3実施形態にかかる方向性結合器を示す図である。
【図10】(a)〜(e)はいずれも本発明の第3実施形態にかかる方向性結合器の製造工程を説明するための図である。
【図11】熱処理により特定の層の形状を成型して製造する光導波路デバイスの一例を示す図である。
【符号の説明】
100 光導波路デバイス
110,210,310,410 Si基板
111,211,311,411 下クラッド層
112,212,312,412 コア層
113,213,313,413 上クラッド層
114,214,314,315,414 形状保護層
200 平面光導波路デバイス
215 金属ミラー
221 形状保持バンク
222 一体化バンク
221′ 第1バンク
222′ 第2バンク
223,223′ 溝部
224 変形部分としての領域
225 形状保持部分としての領域
224′ 第1部分としての領域
225′ 第2部分としての領域
300,300A スターカプラ
314A ダム層
321 入力導波路
322 スラブ導波路
323〜327 出力導波路
323A〜327A テーパ導波路
323B〜327B 径一定導波路
323A′〜327A′ テーパ領域のコア層部分
323B′〜327B′ 均一径領域のコア層部分
323C〜327C 領域
400 方向性結合器
421,422 光導波路
431,432 溝部
433,433′ リッジ
500 光導波路デバイス
501 Si基板
502 下クラッド層
503 コア層
504 上クラッド層
505 形状保護層

Claims (5)

  1. 熱処理を施してデバイスを製造する方法において、
    基板上に、上記熱処理により形状を変形させるべき第1部分と、所定の形状を含んで構成されて上記熱処理により形状が変化しないように保持すべき第2部分とをほぼ同一の面位上に形成するとともに、該第2部分の上層または下層として上記第1部分または第2部分よりも融点の高い形状保護層を形成して、上記熱処理前のデバイスを構成する熱処理前デバイス構成ステップと、
    上記の第1部分および第2部分の融点と形状保護層の融点との間の温度で、該熱処理前デバイス構成ステップで構成された該熱処理前デバイスについて熱処理を行なって、該第1部分についてはリフローさせて所望の形状を形成させる一方、該第2部分については、該形状保護層により形状を保持させる熱処理ステップとをそなえて構成されたことを
    特徴とする、デバイス製造方法。
  2. 少なくとも熱処理を経て構成され、基板と、該基板上に形成されたコア層と該コア層を包囲するクラッド層とをそなえてなる光導波路デバイスであって、
    上記のコア層とクラッド層とを構成する部分が、
    上記熱処理によりリフローされて形状が変形制御された変形部分と、
    上記熱処理の際に、当該熱処理の温度よりも高い融点を有する形状保護層を上層又は下層に積層することで、上記熱処理により形状が変化しないように保持された形状保持部分とにより構成され、
    該形状保持部分が所定の形状を含み、かつ、上記の変形部分および形状保持部分が、該基板上においてほぼ同一の面位上にそなえたことを特徴とする、光導波路デバイス。
  3. 該基板上に、
    上記のコア層およびクラッド層とからなり該光導波路の出力端面として該基板面に対しほぼ垂直な端面を有する、該形状保持部分としての形状保持バンクと、
    該形状保持バンクに溝部を介して隣接したクラッド層からなり、上記溝部側の一部の領域を該変形部分とし上記溝部側とは反対側の領域を該形状保持部分として、上記の変形部分および形状保持部分を一体とした一体化バンクとが形成され、
    かつ、該熱処理により、上記の一体化バンクにおける変形部分の領域を、該基板面について平滑傾斜層が形成されるように構成されたことを特徴とする、請求項2記載の光導波路デバイス。
  4. 該クラッド層が、該コア層の下層として形成された第1クラッド層と該コア層の上層として形成された第2クラッド層とにより構成され、
    上記の基板上に第1クラッド層が形成されるとともに、
    該形状保持部分として径が均一な均一径領域とともに、該変形部分として該均一径領域から連続的に径が狭まるテーパ領域からなるリッジ形状のコア層が、該第1クラッド層上に形成され、
    該形状保護層が、上記の均一径領域のコア層および上記の均一径領域のコア層近傍の第1クラッド層上に形成されるとともに、
    上記のテーパ領域のコア層近傍の第1クラッド層上に、該熱処理に起因した該テーパ領域のリフローによる平滑傾斜の度合いを調整するためのダム層が形成され、
    かつ、該熱処理により、該テーパ領域のコア層を、上記リッジ形状の長手方向について平滑傾斜層とすべく構成されたことを特徴とする、請求項2記載の光導波路デバイス。
  5. 上記の基板上にクラッド層として形成され、複数の互いに近接した溝部を有する該形状保持部分としての第1クラッド層をそなえるとともに、
    該形状保護層が、上記の溝部が形成された第1クラッド層上に形成される一方、
    該コア層が、該形状保護層上に該変形部分として形成され、
    かつ、該熱処理により、上記の溝部をコア層で充填させる一方、上記の溝部が形成された第1クラッド層の形状を該形状保持部分として保持すべく構成されたことを特徴とする、請求項2記載の光導波路デバイス。
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