JP3276800B2 - 格子状補強材の継手および接続構造 - Google Patents
格子状補強材の継手および接続構造Info
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Description
コンクリート中に埋設して用いられる繊維強化樹脂製の
格子状補強材どうしを強固にかつ簡便に接続するための
継手およびそれを用いた接続構造に関する。
FRPと称す)は従来より各種の素材、形態のものが種
々の分野で多用されているが、近年、土木工事や建築工
事の分野においてはFRPを図11に示すような格子状
に形成し、これを鉄筋に代わる補強材としてコンクリー
ト中に埋設して使用することが行われている。
の桝目2を有するものであって、ガラス繊維、カーボン
繊維、アラミド繊維、合成樹脂繊維、セラミック繊維、
金属繊維、あるいはそれらの混合繊維等からなる長尺の
連続繊維を一筆書きの要領で格子状に組み、ビニルエス
テル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂等の樹脂材料を含浸、硬化させて形成する
ものである。このような補強材1は鉄筋と同等もしくは
それ以上の引張強度を確保できることはもとより、錆び
ることがない、任意の寸法、形態に容易に加工できる、
軽量で取り扱いが容易であるといった優れた利点を有す
るものである。
強材1は、充分な引張強度を有しているにも拘らず必要
であれば鉄筋に比して比較的容易に切断することも可能
であるという特徴があり、このため工事途中で切断する
必要がある場合に適用されて特に好適であって、たとえ
ば、特開平1ー203590号公報(特願昭63ー26
851号)に示されるようにシールド工法における発進
立坑や到達立坑の坑壁にこれを用いることが実用化され
ている。
壁にはシールド掘削機を発進させあるいは到達させるた
めの貫通孔を設ける必要があるが、立坑の坑壁を通常の
鉄筋コンクリート造とする従来一般の場合にはシールド
掘削機自身により鉄筋コンクリート造の坑壁を切削する
ことは不可能であるので、シールド掘削機を発進あるい
は到達させるに先立って坑壁に貫通孔を設けるために鉄
筋をガス溶断機等により切断しつつブレーカー等により
コンクリートを斫る作業が不可欠であった。これに対
し、鉄筋に代えて上記のような補強材1を用いて坑壁を
形成しておけば、その補強材1は通常のシールド掘削機
のカッタ装置で切断され得るので、坑壁に予め貫通孔を
設けずともシールド掘削機自身により補強材1を切断し
つつコンクリートを切削して貫通孔を設けることが可能
であり、大幅な工期短縮と工費削減を図ることができる
のである。
なFRP製の格子状の補強材1を鉄筋に代えて用いる場
合には、それら補強材1どうしを接続する必要がある
が、これら補強材1どうしは鉄筋どうしを接続する場合
のように溶接や圧接により接続することはできるもので
はない。このため、従来一般には、たとえば図12に示
すように接続するべき双方の補強材1,1の端部どうし
を重ねて結束線3(あるいは番線や紐状体)により結束
することによって接続強度を確保することが通常である
が、そのような作業は手間がかかって面倒なものであ
り、有効な改善策が必要とされていた。
結束することでは、引張荷重が作用した際に接続部に集
中荷重がかかって補強材1自体の耐力を完全に伝達でき
ないことも考えられ、その場合は個々の補強材1自体は
充分な耐力を残しているにも拘らず構造体全体の耐力が
接続部によって決定されてしまうことが考えられる。
で(あるいは結束することに代えて)、図13に示すよ
うに接続部に樹脂あるいはコンクリート等の自硬性材料
4を充填して硬化させることによって双方の補強材1,
1を一体化させてしまうことも検討されている。このよ
うにすれば、接続部の強度を補強材1自体の強度と同等
あるいはそれ以上に確保することができ、したがって引
張荷重が作用した際に補強材1の耐力を相互に確実に伝
達し得て構造体全体の強度、信頼性をより高めることが
できる。しかしながら、そのような接続構造を採用する
場合には、接続部に樹脂やコンクリート等の自硬性材料
4を充填するための型枠を設ける必要があるし、また、
自硬性材料が硬化して強度が発現するまでに著しく時間
がかかってしまい、施工性の点で実用的ではない。
で、FRP製の格子状補強材どうしを強固にかつ簡便に
接続し得る有効な手段を提供することを目的としてい
る。
化樹脂製の格子状補強材どうしを接続するためのもので
あって、接続すべき双方の補強材の端部を突き合わせま
たは重ね合わせた状態でそれら双方の補強材の端部を両
面側から挟み込む一対の連結板と、それら連結板どうし
を締結する締結具からなり、少なくとも一方の連結板の
内面には双方の補強材の桝目に係合する凸部が形成さ
れ、かつ、双方の連結板には前記締結具を前記凸部の位
置に挿通させるための貫通孔が形成されてなることを特
徴としている。
は継手として要求される強度が得られる限りにおいて限
定されず、たとえば鋼材等の金属材料を用いることでも
良いが、たとえばいわゆるエンジニアリングプラスチッ
クと称される種々の樹脂材料、あるいは接続対象の補強
材と同様の繊維強化樹脂(FRP)を用いることも好適
である。また、凸部の高さ寸法はそれが係合する桝目の
厚み寸法より若干小さく設定することが良く、連結板の
表面は粗面とすることが考えられる。
用いて繊維強化樹脂製の格子状補強材どうしを接続する
ためのものであって、接続すべき補強材の端部どうしを
突き合わせまたは重ね合わせて、それら双方の補強材の
端部を前記一対の連結板により両面側から挟み込むとと
もに双方の補強材の桝目に前記凸部を係合させ、前記貫
通孔に前記締結具を挿通して双方の連結板どうしを締結
し、かつ、前記桝目内に自硬性材料を充填して硬化させ
てなることを特徴とするものである。
しを突き合わせるかまたは重ね合わせて、それらの端部
を一対の連結板により両面側から挟み込み、貫通孔に締
結具を挿通して双方の連結板を締結することにより、そ
の締結力で双方の補強材どうしを接続するものである。
この際、連結板に形成されている凸部が双方の補強材の
桝目に係合することにより、引張荷重を有効に伝達し得
る状態で双方の補強材どうしが強固に接続される。そし
て、継手を樹脂あるいはFRPにより形成しておけば、
補強材を切断する必要があるような場合には継手も支障
なく同様に切断し得る。また、凸部の高さ寸法を桝目の
厚み寸法より若干小さく設定しておけば、凸部の頂部が
桝目から突出して他方の連結板に当接することがないの
で、双方の連結板の表面が補強材の両面に密着して締結
具による締結力が確実に補強材に与えられる。さらに、
連結板の表面を粗面としておけば、連結板と補強材との
接触面における摩擦抵抗が増大して接続強度が高められ
るし、特に後述するように自硬性材料を用いて補強材と
継手とを固着させて一体化させる場合には固着強度がよ
り高められる。
り補強材どうしを接続するに際して、桝目内に自硬性材
料たとえば樹脂あるいはレジンモルタル等を充填して硬
化させるようにしたものであり、これにより補強材と継
手とが自硬性材料により固着されて接続部が完全に一体
化し、接続強度がより高められるとともに引張荷重をよ
り有効に伝達し得る。
する。以下で説明する各実施例は、いずれも図11に示
したFRP製の格子状の補強材1どうしを接続する場合
に適用されるものである。
第1実施例を説明する。図1は本第1実施例の継手10
を用いて補強材1,1どうしを接続する場合の組み立て
図、図2は接続された状態を示す断面図である。本第1
実施例の継手10は、接続すべき双方の補強材1,1の
端部を突き合わせた状態でそれら双方の補強材1,1の
端部を一対の連結板11a,11bにより両面側から挟
み込み、それら連結板11a,11bどうしを締結具1
2により締結する構成とされている。本第1実施例の継
手10においては締結具12としてボルト12aおよび
ナットに12bが採用されている。
形平板状のもので、一方の連結板11aの内面側すなわ
ち補強材1に接する側の面には、接続するべき双方の補
強材1,1の桝目2に係合し得る凸部13が複数(本第
1実施例の継手10においては各補強材1に係合するも
のが6個ずつ、計12個)形成され、それらの凸部13
にはそれぞれ上記ボルト12aを挿通させるための貫通
孔14が形成されている。また、他方の連結板11bの
内面側は平坦面とされているが、双方の連結板11a,
11bを対向させたときに上記各貫通孔14に合致する
位置に上記ボルト12aを挿通させるための貫通孔15
が形成されている。
の形状であるほぼ正方形に形成されているが、その外形
寸法は桝目2に入り込み得るように桝目2の内法寸法よ
り若干小さくされている。また、図2に示されるよう
に、凸部13の高さ寸法すなわち連結板11aの表面か
らの突出寸法は、それが係合する桝目2の厚み寸法(す
なわち補強材1の厚み寸法)よりは若干小さくされてい
て、連結板11aを補強材1の表面に密着させたときに
は凸部13の頂部は桝目2から突出することがなく、し
たがって、凸部13の頂部が他方の連結板11bの表面
に接することなくそれらの間に若干の隙間が形成される
ようになっている。なお、後述するように、桝目2と凸
部13との間に残される僅かな隙間、および凸部13の
頂部と他方の連結板11bの表面との間の隙間には自硬
性材料16が充填されるようになっている。
12であるボルト12a、ナット12bの素材として
は、継手として要求される強度を有するもの、つまり補
強材1自体の強度と同等以上の強度を有するものであれ
ば特に限定されず、例えば連結板11a,11bの素材
としては鋼材やアルミニウム合金等の金属材料を用いる
ことが考えられるが、補強材1と同様の素材であるFR
P(繊維強化樹脂)製としたり、あるいは繊維を有して
いない各種の高強度樹脂(いわゆるエンジニアリングプ
ラスチック等)を用いることも考えられる。また、ボル
ト12a、ナット12bとしては汎用の金属製のもので
も勿論良いが、連結板11a,11bをFRP製あるい
は樹脂製とする場合等にはボルト12a、ナット12b
も同様のFRP製あるいは樹脂製のものを用いることが
良い。なお、連結板11a,11bはきわめて単純な形
態のものであり、ボルト12a,ナット12bは通常の
形態のもので良いので、いずれもその素材に対応する適
宜の製作方法、例えば切削加工、プレス加工、射出成形
等によりきわめて容易にかつ安価に製作できるものであ
る。
しを接続するには、接続すべき補強材1,1の端部どう
しを突き合わせ、一方の連結板11aに形成されている
凸部13を双方の補強材1,1の各桝目2に係合させる
とともに、他方の連結板11bをそれに重ね合わせるこ
とにより、それら連結板11a,11bによって補強材
1,1の端部を両面側から挟み込む。この際、双方の連
結板11a,11bを重ね合わせるに先立ってそれらの
間に自硬性材料16たとえば樹脂あるいはレジンモルタ
ルを充填する。これにより、双方の連結板11a,11
bを重ね合わせると、自硬性材料16は桝目2と凸部1
3との間の僅かな隙間、および凸部13の頂部と連結板
11bの表面との間に自ずと充填される。そして、その
状態で自ずと合致している双方の連結板11a,11b
の各貫通孔14,15にそれぞれボルト12aを挿通
し、それらの先端にナット12bを螺着して締め付ける
ことにより、双方の連結板11a,11bを締結する。
12の締結力により連結板11a,11bを介して強固
に接続され、特に双方の補強材1,1の桝目2がそれぞ
れ凸部13に係合する状態で接続されるので引張荷重が
相互に確実に伝達されるとともに応力集中が生じること
もなく、優れた接続強度を確保することができる。しか
も、連結板11a,11bの間に充填した自硬性材料1
6が所定時間後に硬化することにより、双方の連結板1
1a,11bと双方の補強材1,1は硬化した自硬性材
料16により固着されてしまい、したがって接続部は完
全に一体化してがたつきやあそびが生じることがなく、
接続強度がより高められるとともに引張荷重をより有効
に伝達できるものとなっている。
のような構造で補強材1,1どうしを接続することによ
り、結束線3により単に結束して接続する従来一般の場
合に比して接続強度を高めることができ、その結果、こ
のような補強材1と継手10を用いて構築される構造体
全体の強度、信頼性をより高めことができる。また、上
記の継手10を用いることにより、連結板11a,11
bを重ね合わせてボルト12a、ナット12bより締結
するというきわめて単純かつ容易な作業で補強材1,1
どうしを整然と接続できるので、多数の箇所に結束線3
を巻き付けるという従来の接続作業に比して作業性を充
分に改善できる。
接続に併せて樹脂やレジンモルタル等の自硬性材料16
により接続部を一体化させることにより、接続強度がよ
り高められることはもとより、継手10自体が自硬性材
料16を充填するための簡易な型枠として機能するの
で、従来において自硬性材料4(樹脂やコンクリート)
を充填する場合には必要であった格別の型枠は不要であ
る。さらに、従来において自硬性材料4より接続部を一
体化させる場合には、その自硬性材料4が硬化するまで
は接続強度が発現しないが、上記実施例の接続構造では
自硬性材料16が硬化せずとも継手10による接続強度
は確保されることになる。
1a,11bおよび締結具12であるボルト12a,ナ
ット12bの全てを接続対象の補強材1と同様のFRP
あるいは適宜の樹脂材料により形成しておけば、施工途
中において補強材1を切断する必要がある場合、たとえ
ば上述したようにシールド工法における立坑の壁面にこ
の補強材1を適用してシールド掘削機自身により切削す
るような場合には、補強材1とともに継手10も同様に
切断し得るので何等支障を来さない。勿論、補強材1を
切断する必要がない場合には継手10に対してそのよう
な考慮は不要であるから、その場合は鋼製やアルミニウ
ム合金製等の金属製の継手を用いることで良いし、樹脂
あるいはFRP製の継手と金属製の継手を併用して使用
部位に応じて自由に使い分けるようにしても勿論良い。
さらに、必要であれば、樹脂あるいはFRP製の連結板
と金属製の締結具とを組み合わせたり、金属製の連結板
と樹脂あるいはFRP製の締結具とを組み合わせても勿
論良い。
寸法より若干小さく設定しておくことにより、凸部13
を桝目2に係合させた状態で双方の連結板11a,11
bにより補強材1,1を挟み込んだ際に、凸部13の頂
部が桝目2から突出して他方の連結板11bに当接して
しまうことがなく、したがって双方の連結板11a,1
1bの表面がそれぞれ補強材1,1の表面に確実に密着
し、締結具12による締結力が確実に補強材1,1に与
えられて強固に締め付けることができる。なお、凸部1
3の頂部と連結板11bの表面との間に形成される隙間
には上述したように自硬性材料16が充填されて硬化す
るので、その自硬性材料16により凸部13と連結板1
1bとが固着されて一体化する。
して適宜の目荒らしを施して、あるいはエンボス加工等
を施して、多数の細かい凹凸を形成しておくことによっ
て、連結板11a,11bの内表面および凸部13の表
面を平滑面ではなく粗面としておけば、連結板11a,
11bと補強材1,1との接触面における摩擦抵抗が増
大して接続強度が高められるし、自硬性材料16の固着
による一体化強度も高められる。さらには、連結板11
a,11bの外表面も粗面としておくことにより、この
継手10の周囲に打設されるコンクリートとの一体化強
度も高めることができる。
次に図3および図4を参照して第2実施例を説明する。
上記第1実施例は接続すべき双方の補強材1,1の端部
を突き合せた状態でそれらを接続するようにしたが、本
第2実施例はそれらの端部を重ね合わせた状態で接続す
るようにしたものである。
は、接続すべき双方の補強材1,1の端部を桝目2列分
だけ重ね合わせ、それら重ね合わされた桝目2に凸部2
3を係合させた状態で一対の連結板21a,21bによ
り両面側から挟み込み、締結具22であるボルト22a
を貫通孔24,25に挿通させてナット22bにより締
結するようにしている。また、双方の連結板21a,2
1bの間に同様に自硬性材料16を充填して硬化させる
ようにしている。したがって、本第2実施例において用
いる継手20は、重ね合わされた桝目2,2に係合する
複数(本第2実施例では6個)の凸部23を有し、それ
ら凸部23の高さ寸法が桝目2つ分の厚みよりは若干小
さい程度に設定されている他は、上記第1実施例の継手
10と同様に構成され、また、接続作業の手順も補強材
1,1の端部を重ね合わせること以外は第1実施例の場
合と同様である。
と同様の効果が得られ、同等の接続強度を確保できるこ
とは明らかであるが、それに加えて、凸部23に係合さ
せる桝目2の数を第1実施例の場合と同等(すなわち、
いずれも各補強材1の6つの桝目2を凸部12または凸
部23に係合させる)として同等の接続強度を確保しつ
つも、凸部23の所要数を第1実施例の場合に比して半
減させることができ、したがって継手20全体の寸法を
第1実施例の継手10より小さくできるとともに、締結
具22の所要本数も半減するので部品点数を削減でき、
締結の手間も半減するという利点がある。
例を説明したが、本発明はそれらの実施例に限定される
ものではなく、種々の設計的な変更が考えられる。以下
に第1実施例の継手10を基本とする変形例、応用例を
列挙する(第1実施例の継手10における各構成要素と
同一機能を有する構成要素には同一符号を付す)。な
お、これらの変形例や応用例は第1実施例のもののみな
らず当然に第2実施例のものにも適用できるし、それら
を適宜組み合わせて採用できることは言うまでもない。
結板11aにのみ凸部13を設け、他方の連結板11b
は単なる平板としたのであるが、図5に示すように双方
の連結板11a,11bにそれぞれ凸部13を設けるよ
うにしても良い。この場合、双方の連結板11a,11
bにおける凸部13の位置は互いに補完し合うような位
置に設定すれば良く、特に、双方の連結板11a,11
bを完全に同一形状のものとしてその向きを変えること
により自ずと双方の凸部13が補完位置となるようにし
ておけば、部品の共通化により部品点数が削減される
し、部品を選別する手間を省けるので接続作業もより容
易となる。
の形状を桝目2の形状に合致させてほぼ正方形とした
が、桝目2に係合して引張荷重を有効に伝達できれば必
ずしも凸部13の形状を桝目2の形状に合致させること
なく適宜で良く、たとえば図6に示すように凸部13を
円形とすることも考えられる。この場合も、凸部13が
桝目2に係合し、さらに自硬性材料16が桝目2と凸部
13との間に充填されることにより、上記第1実施例の
場合と同様に接続強度を確保できる。なお、補強材1に
おける桝目2の形状自体も正方形に限られるものでない
ことは言うまでもなく、凸部13の形状は接続対象の補
強材1における桝目2の形状や寸法に対応させて適宜設
定すれば良い。ただし、凸部13の形状、寸法を任意に
設定し得るといえども、桝目2の寸法に比して凸部13
の寸法が過度に小さいとそれらが有効に係合し難くなる
し、それらの間に充填するべき自硬性材料16の量が徒
に増大するので、凸部13は桝目2に入り込む範囲でで
きるだけ大きい方が良い。
全ての凸部13の位置にそれぞれにボルト12aを挿通
させるための貫通孔14を1つずつ設けたが、必ずしも
そうすることはなく、たとえば図7に示すように各凸部
13に貫通孔14を複数(図示のものは各4つ)設けて
締結箇所を多くし、締結強度をより高めるようにしても
良い。あるいは、逆に、締結箇所を削減しても充分な締
結強度が得られる場合等においては、全ての凸部13に
貫通孔14を設けるのではなく、一部の凸部13におい
ては貫通孔14を省略することも可能である。さらに
は、締結具12としては必ずしもボルト12a、ナット
12bを用いることに限られるものではなく、一対の連
結板11a,11bを相互に締結できるものであれば他
の形態の締結具も採用可能である。
は、凸部13の高さ寸法を桝目2の厚み寸法より若干小
さく設定し、凸部13の頂部が他方の連結板11bに当
接することのないようにして双方の連結板11a,11
bの表面を補強材1,1の表面に密着させるようにした
が、逆に、図8に示すように凸部13の高さ寸法を桝目
2の厚さ寸法より大きく設定してその頂部を桝目2から
突出させるとともに、他方の連結板11bには凸部13
の頂部が嵌合する凹部13bを設けておくことでも良
い。この場合、凸部13の桝目2からの突出寸法より凹
部13bの深さ寸法を大きくしておくことにより、連結
板11a,11bの表面を補強材1,1の表面に密着さ
せ得ることはもとより、凸部13と凹部13bとの嵌合
により連結板11a,11bどうしが直接的に係合し、
しかも凹部13b内に自硬性材料16を充填することで
それらが完全に一体化し、接続強度をより高められる。
1,1の端部をその幅方向全体にわたって接続する形態
のものであるが、たとえば図9に示すように連結板11
a,11bの幅を狭くした形態の小形の継手60を複数
用いて補強材1,1どうしを部分的に接続することでも
良い。さらに、図10に示すような継手70を用いて4
つの補強材1をそれらの角部において一括して接続する
ことも可能である。要は、接続対象の補強材の形状や寸
法、接続箇所の形態に対応させて、連結板の形状や寸
法、凸部の位置や数を適宜設定して最適な継手を構成す
れば良い。
用いることを前提としてそれに自硬性材料を併用するも
のであるが、本発明の継手自体は自硬性材料を併用せず
とも締結具による締結力のみで充分な接続強度が期待で
きるものであり、したがって本発明の継手を用いる場合
においては必ずしも自硬性材料を併用しなければならな
いものではない。しかし、本発明の接続構造のように自
硬性材料を併用した方が接続部全体が一体化してより接
続強度が高められ、引張荷重をより有効に伝達し得るも
のであるから、そのようにすることが好ましい。
は、凸部を桝目に係合させた状態で一対の連結板により
補強材を両面側から挟み込み、貫通孔に締結具を挿通し
て双方の連結板を締結する構成であるので、双方の補強
材をこの継手を介して強固に接続し得て充分な接続強度
を確保できるとともに、その作業を容易に行うことがで
きるという効果を奏する。そして、継手を構成している
連結板および締結具を樹脂あるいはFRPにより形成す
れば、補強材を切断する必要がある際にはこの継手も支
障なく同様に切断することが可能である。また、凸部の
高さ寸法を桝目の厚み寸法より若干小さく設定しておけ
ば、双方の連結板の表面が補強材の両面に確実に密着し
て締結力が確実に補強材に与えられる。さらに、連結板
および凸部の表面を粗面としておけば、連結板と補強材
との接触面における摩擦抵抗が増大して接続強度が高め
られるし、自硬性材料を用いて補強材と継手とを固着さ
せて一体化させる場合には固着強度がより高められる。
いて補強材どうしを接続するに際して、桝目内に自硬性
材料を充填して硬化させるものであるので、継手の締結
力により接続強度が確保されることに加えて自硬性材料
により補強材と継手とが固着されて接続部全体を完全に
一体化することができ、接続強度をより高めることがで
きるとともに引張荷重をより有効に伝達できるという効
果を奏する。しかも、継手自体が自硬性材料を充填する
ための簡易な型枠として作用するので格別の型枠が不要
であり、自硬性材料が硬化するまでの間においても継手
による接続強度が確保できるという利点がある。
どうしを接続する場合の組み立て図である。
どうしを接続する場合の組み立て図である。
どうしを接続する場合の組み立て図である。
る。
である。
続構造を示す断面図である。
補強材どうしを接続する場合の組み立て図である。
て補強材どうしを接続する場合の組み立て図である。
図である。
す図である。
示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 繊維強化樹脂製の格子状補強材どうしを
接続するための継手であって、接続すべき双方の補強材
の端部を突き合わせまたは重ね合わせた状態でそれら双
方の補強材の端部を両面側から挟み込む一対の連結板
と、それら連結板どうしを締結する締結具からなり、少
なくとも一方の連結板の内面には双方の補強材の桝目に
係合する凸部が形成され、かつ、双方の連結板には前記
締結具を前記凸部の位置に挿通させるための貫通孔が形
成されてなることを特徴とする格子状補強材の継手。 - 【請求項2】 請求項1記載の格子状補強材の継手であ
って、前記連結板および前記締結具は樹脂または繊維強
化樹脂により形成されてなることを特徴とする格子状補
強材の継手。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の格子状補強材の
継手であって、前記凸部の高さ寸法はそれが係合する桝
目の厚み寸法より小さく設定されてなることを特徴とす
る格子状補強材の継手。 - 【請求項4】 請求項1,2または3記載の格子状補強
材の継手であって、前記連結板の表面は粗面とされてな
ることを特徴とする格子状補強材の継手。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の継手を
用いて繊維強化樹脂製の格子状補強材どうしを接続する
ための構造であって、接続すべき補強材の端部どうしを
突き合わせまたは重ね合わせて、それら双方の補強材の
端部を前記一対の連結板により両面側から挟み込むとと
もに双方の補強材の桝目に前記凸部を係合させ、前記貫
通孔に前記締結具を挿通して双方の連結板どうしを締結
し、かつ、前記桝目内に自硬性材料を充填して硬化させ
てなることを特徴とする格子状補強材の接続構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04108795A JP3276800B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 格子状補強材の継手および接続構造 |
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JPH08232403A JPH08232403A (ja) | 1996-09-10 |
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JP04108795A Expired - Fee Related JP3276800B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 格子状補強材の継手および接続構造 |
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JP (1) | JP3276800B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 1995-02-28 JP JP04108795A patent/JP3276800B2/ja not_active Expired - Fee Related
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