JP2004058727A - 乗用車用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】カーカス層に撚り線のスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を改善する。
【解決手段】少なくとも1層のベルト層7を、素線径dmが0.2〜0.5mmのスチールモノフィラメントMをタイヤ周方向に対して傾斜配列した構成にし、スチールモノフィラメントMのゴム間隔drと素線径dmとの比dr/dmを、0. 2mm≦dm<0. 3mmでは0. 18≦dr/dm≦1. 85、0. 3mm≦dm<0. 4mmでは0. 76≦dr/dm≦2. 31、0. 4mm≦dm≦0. 5mmでは1. 36≦dr/dm≦2. 60にする。
【選択図】図2
【解決手段】少なくとも1層のベルト層7を、素線径dmが0.2〜0.5mmのスチールモノフィラメントMをタイヤ周方向に対して傾斜配列した構成にし、スチールモノフィラメントMのゴム間隔drと素線径dmとの比dr/dmを、0. 2mm≦dm<0. 3mmでは0. 18≦dr/dm≦1. 85、0. 3mm≦dm<0. 4mmでは0. 76≦dr/dm≦2. 31、0. 4mm≦dm≦0. 5mmでは1. 36≦dr/dm≦2. 60にする。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカス層に撚り線のスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を改善するようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、タイヤ内圧低下時における走行を可能にするため、カーカス層に従来の有機繊維コードに代えて撚り線構造のスチールコードを用いるようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤが提案されている。
【0003】
しかし、このようにカーカス層にスチールコードを使用すると、有機繊維コードよりも比重が大きいため、タイヤ重量の増加が避けられず、しかもカーカス層の剛性が増大するため、乗り心地性が低下し、かつハンドルを切った際の応答性が高くなりすぎて操縦安定性の悪化を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カーカス層に撚り線からなるスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を改善することが可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、左右のビード部間にタイヤ幅方向に延在する撚り線のスチ−ルコ−ドをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカ−カス層を装架し、トレッド部の前記カ−カス層外周側にタイヤ周方向に対して傾斜配列した補強コードをゴム層に埋設した複数のベルト層を配置した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記複数のベルト層の内の少なくとも1層のベルト層の補強コードを、素線径dmが0.2〜0.5mmのスチールモノフィラメントから構成し、隣接するスチールモノフィラメントのゴム間隔drと前記素線径dmとの比dr/dmを、0. 2mm≦dm<0. 3mmでは0. 18≦dr/dm≦1. 85、0. 3mm≦dm<0. 4mmでは0. 76≦dr/dm≦2. 31、0. 4mm≦dm≦0. 5mmでは1. 36≦dr/dm≦2. 60にしたことを特徴とする。
【0006】
ベルト層の補強コードには、従来、スチールコードが使用されているが、このようにスチールモノフィラメントを使用し、その間隔をゴム間隔drとスチールモノフィラメントの素線径dmとの比dr/dmで上記特定の範囲に設定することで、ベルト層のスチールモノフィラメントの使用重量を減らすことが可能になり、またベルト層の厚さを従来より薄くすることができるので、軽量化を図ることができる。
【0007】
また、ベルト剛性が低減するため、乗り心地性を向上することができ、かつハンドルを切った際の応答が緩やかになるので操縦安定性の改善が可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、CLはタイヤセンターラインである。
【0009】
左右のビード部3間に、タイヤ幅方向に延在する撚り線のスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔でゴム層内に配列した1層のカーカス層4が装架され、その両端部4aがビード部3に埋設されたビ−ドコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。
【0010】
トレッド部1のカーカス層4の外周側には、2層のベルト層7が配置されている。両ベルト層7には、補強コードとして、図2に示すように、スチールモノフィラメントMが使用され、各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して所定の間隔で傾斜配列したスチールモノフィラメントMをゴム層Gに埋設した構成になっている。両ベルト層7は、タイヤ周方向に対するスチールモノフィラメントMの傾斜方向を逆向きにして積層してある。
【0011】
各ベルト層7に用いられるスチールモノフィラメントMの素線径dmは、0.2〜0.5mmの範囲になっており、隣接するスチールモノフィラメントMのゴム間隔(フィラメント側端間長さ)drと素線径dmとの比dr/dmが以下のようになっている。
0. 2mm≦dm<0. 3mmの範囲では0. 18≦dr/dm≦1. 85
0. 3mm≦dm<0. 4mmの範囲では0. 76≦dr/dm≦2. 31
0. 4mm≦dm≦0. 5mmの範囲では1. 36≦dr/dm≦2. 60
【0012】
上述した本発明によれば、ベルト層7の補強コードとして使用されている従来のスチールコードに代えて、スチールモノフィラメントMを用い、その間隔をスチールモノフィラメントMのゴム間隔drと素線径dmとの比dr/dmで上記のように規定することにより、ベルト層7に使用するスチールモノフィラメントMの重量を減少することが可能になり、またベルト層7の厚さを従来より薄くすることができるので、軽量化することができる。
【0013】
しかも、ベルト剛性を低減することができるため、乗り心地性が改善でき、かつハンドルを切った際の応答性が高くなりすぎるのを回避して操縦安定性を向上することができる。
【0014】
上記各比dm/drが下限値より低いと、乗り心地性と操縦安定性が低下し、しかもスチールモノフィラメントMの配列間隔が密になり過ぎてベルト層7の耐エッジセパレーション性が大きく悪化する。逆に上記各比dm/drが上限値以上(0. 4mm≦dm≦0. 5mmの場合は上限値超)であると、スチールモノフィラメントMの配列間隔が疎になり過ぎて、ベルト剛性が低下し過ぎるため、操縦安定性の悪化を招く。
【0015】
本発明において、上記実施形態では、各ベルト層7にスチールモノフィラメントMを用いたが、いずれか一方のベルト層7を上記のように構成してもよい。その場合、乗心地の点からカーカス層4側のベルト層がよい。
【0016】
また、上記実施形態では、2層のベルト層7を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤについて説明したが、2層以上複数のベルト層7を有するものであってよい。その場合、全てのベルト層7にスチールモノフィラメントMを使用するのが好ましいが、少なくとも1層のベルト層を上記のように構成すればよい。
【0017】
スチールモノフィラメントMを使用しない残りのベルト層は、従来と同じスチールコードを補強コードとして使用することができる。あるいは、アラミド繊維コードなどの有機繊維コードを用いてもよい。
【0018】
ベルト層7の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度としては、従来と同様にすることができ、20〜35°の範囲にすることができる。
【0019】
カーカス層4に使用するスチールコードとしては、従来公知のものが使用でき、例えば、1×N構造、1+N構造、2+N構造、あるいはN+M構造のものを好ましく使用することができる。スチールコード内へのゴムの浸透性の観点からは1×4構造や1×5構造などの1×N構造、低伸度の観点からは1+5構造などの1+N構造のスチールコードがよい。
【0020】
本発明は、上記実施形態では、1層のカーカス層4を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤを示したが、複数のカーカス層4を備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤであってもよい。
【0021】
【実施例】
タイヤサイズを205/55R16で共通にし、ベルト層を表1のようにした図1に示す構成の本発明タイヤ1〜4(実施例1〜4)と比較タイヤ1〜4(比較例1〜4)、及び従来タイヤ(従来例)をそれぞれ作製した。
【0022】
各試験タイヤにおいて、カーカス層は同一の構成を有しており、カーカス層に使用したスチールコードの構造は1×5×0.175、カーカス層の厚さは1.35mm、スチールコードの配列本数は49本/50mmである。
【0023】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、軽量化、乗り心地性、操縦安定性、耐エッジセパレーション性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
【0024】
軽量化
各試験タイヤ(ベルト層)の重量をそれぞれ測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が小さいほどタイヤ重量が小さく、軽量化している。
乗り心地性
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのリムに装着し、空気圧を220kPaにして排気量2500ccの乗用車に取り付け、テストコースにおいてテストドライバーによるフィーリングテストを実施し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きいほど乗り心地性が優れている。
操縦安定性
各試験タイヤを上記と同様にして乗用車に取り付け、テストコースにおいてテストドライバーによるフィーリングテストを実施し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きいほど操縦安定性が優れている。
耐エッジセパレーション性
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのリムに装着し、空気圧をJATMA最大空気圧の75%とした低圧条件かつ同最大荷重の140%とした高荷重条件において、速度約80km/hrで回転するドラム上をタイヤ故障(ベルト部セパレーション)が発生するまで継続して走行させ、その合計走行距離を相対的に5段階で評価して、その結果を点数表示した。この点数が大きいほど耐ベルトエッジセパレーション性が優れていることを示している。
【0025】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、軽量化することができ、また乗り心地性と操縦安定性を改善できることがわかる。
【0026】
【発明の効果】
上述したように本発明は、カーカス層に撚り線のスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層に上記のように特定したスチールモノフィラメントを使用するため、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のベルト層をスチールモノフィラメントと直交する平面で切断した要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部
3 ビ−ド部 4 カ−カス層
7 ベルト層 CL タイヤセンターライン
G ゴム層 M スチールモノフィラメント
dm 素線径 dr ゴム間隔
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーカス層に撚り線のスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を改善するようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、タイヤ内圧低下時における走行を可能にするため、カーカス層に従来の有機繊維コードに代えて撚り線構造のスチールコードを用いるようにした乗用車用空気入りラジアルタイヤが提案されている。
【0003】
しかし、このようにカーカス層にスチールコードを使用すると、有機繊維コードよりも比重が大きいため、タイヤ重量の増加が避けられず、しかもカーカス層の剛性が増大するため、乗り心地性が低下し、かつハンドルを切った際の応答性が高くなりすぎて操縦安定性の悪化を招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カーカス層に撚り線からなるスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を改善することが可能な乗用車用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、左右のビード部間にタイヤ幅方向に延在する撚り線のスチ−ルコ−ドをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカ−カス層を装架し、トレッド部の前記カ−カス層外周側にタイヤ周方向に対して傾斜配列した補強コードをゴム層に埋設した複数のベルト層を配置した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記複数のベルト層の内の少なくとも1層のベルト層の補強コードを、素線径dmが0.2〜0.5mmのスチールモノフィラメントから構成し、隣接するスチールモノフィラメントのゴム間隔drと前記素線径dmとの比dr/dmを、0. 2mm≦dm<0. 3mmでは0. 18≦dr/dm≦1. 85、0. 3mm≦dm<0. 4mmでは0. 76≦dr/dm≦2. 31、0. 4mm≦dm≦0. 5mmでは1. 36≦dr/dm≦2. 60にしたことを特徴とする。
【0006】
ベルト層の補強コードには、従来、スチールコードが使用されているが、このようにスチールモノフィラメントを使用し、その間隔をゴム間隔drとスチールモノフィラメントの素線径dmとの比dr/dmで上記特定の範囲に設定することで、ベルト層のスチールモノフィラメントの使用重量を減らすことが可能になり、またベルト層の厚さを従来より薄くすることができるので、軽量化を図ることができる。
【0007】
また、ベルト剛性が低減するため、乗り心地性を向上することができ、かつハンドルを切った際の応答が緩やかになるので操縦安定性の改善が可能になる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤの一例を示し、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部、CLはタイヤセンターラインである。
【0009】
左右のビード部3間に、タイヤ幅方向に延在する撚り線のスチールコードをタイヤ周方向に所定の間隔でゴム層内に配列した1層のカーカス層4が装架され、その両端部4aがビード部3に埋設されたビ−ドコア5の周りにビードフィラー6を挟み込むようにしてタイヤ内側から外側に折り返されている。
【0010】
トレッド部1のカーカス層4の外周側には、2層のベルト層7が配置されている。両ベルト層7には、補強コードとして、図2に示すように、スチールモノフィラメントMが使用され、各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して所定の間隔で傾斜配列したスチールモノフィラメントMをゴム層Gに埋設した構成になっている。両ベルト層7は、タイヤ周方向に対するスチールモノフィラメントMの傾斜方向を逆向きにして積層してある。
【0011】
各ベルト層7に用いられるスチールモノフィラメントMの素線径dmは、0.2〜0.5mmの範囲になっており、隣接するスチールモノフィラメントMのゴム間隔(フィラメント側端間長さ)drと素線径dmとの比dr/dmが以下のようになっている。
0. 2mm≦dm<0. 3mmの範囲では0. 18≦dr/dm≦1. 85
0. 3mm≦dm<0. 4mmの範囲では0. 76≦dr/dm≦2. 31
0. 4mm≦dm≦0. 5mmの範囲では1. 36≦dr/dm≦2. 60
【0012】
上述した本発明によれば、ベルト層7の補強コードとして使用されている従来のスチールコードに代えて、スチールモノフィラメントMを用い、その間隔をスチールモノフィラメントMのゴム間隔drと素線径dmとの比dr/dmで上記のように規定することにより、ベルト層7に使用するスチールモノフィラメントMの重量を減少することが可能になり、またベルト層7の厚さを従来より薄くすることができるので、軽量化することができる。
【0013】
しかも、ベルト剛性を低減することができるため、乗り心地性が改善でき、かつハンドルを切った際の応答性が高くなりすぎるのを回避して操縦安定性を向上することができる。
【0014】
上記各比dm/drが下限値より低いと、乗り心地性と操縦安定性が低下し、しかもスチールモノフィラメントMの配列間隔が密になり過ぎてベルト層7の耐エッジセパレーション性が大きく悪化する。逆に上記各比dm/drが上限値以上(0. 4mm≦dm≦0. 5mmの場合は上限値超)であると、スチールモノフィラメントMの配列間隔が疎になり過ぎて、ベルト剛性が低下し過ぎるため、操縦安定性の悪化を招く。
【0015】
本発明において、上記実施形態では、各ベルト層7にスチールモノフィラメントMを用いたが、いずれか一方のベルト層7を上記のように構成してもよい。その場合、乗心地の点からカーカス層4側のベルト層がよい。
【0016】
また、上記実施形態では、2層のベルト層7を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤについて説明したが、2層以上複数のベルト層7を有するものであってよい。その場合、全てのベルト層7にスチールモノフィラメントMを使用するのが好ましいが、少なくとも1層のベルト層を上記のように構成すればよい。
【0017】
スチールモノフィラメントMを使用しない残りのベルト層は、従来と同じスチールコードを補強コードとして使用することができる。あるいは、アラミド繊維コードなどの有機繊維コードを用いてもよい。
【0018】
ベルト層7の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度としては、従来と同様にすることができ、20〜35°の範囲にすることができる。
【0019】
カーカス層4に使用するスチールコードとしては、従来公知のものが使用でき、例えば、1×N構造、1+N構造、2+N構造、あるいはN+M構造のものを好ましく使用することができる。スチールコード内へのゴムの浸透性の観点からは1×4構造や1×5構造などの1×N構造、低伸度の観点からは1+5構造などの1+N構造のスチールコードがよい。
【0020】
本発明は、上記実施形態では、1層のカーカス層4を有する乗用車用空気入りラジアルタイヤを示したが、複数のカーカス層4を備えた乗用車用空気入りラジアルタイヤであってもよい。
【0021】
【実施例】
タイヤサイズを205/55R16で共通にし、ベルト層を表1のようにした図1に示す構成の本発明タイヤ1〜4(実施例1〜4)と比較タイヤ1〜4(比較例1〜4)、及び従来タイヤ(従来例)をそれぞれ作製した。
【0022】
各試験タイヤにおいて、カーカス層は同一の構成を有しており、カーカス層に使用したスチールコードの構造は1×5×0.175、カーカス層の厚さは1.35mm、スチールコードの配列本数は49本/50mmである。
【0023】
これら各試験タイヤを以下に示す測定条件により、軽量化、乗り心地性、操縦安定性、耐エッジセパレーション性の評価試験を行ったところ、表1に示す結果を得た。
【0024】
軽量化
各試験タイヤ(ベルト層)の重量をそれぞれ測定し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が小さいほどタイヤ重量が小さく、軽量化している。
乗り心地性
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのリムに装着し、空気圧を220kPaにして排気量2500ccの乗用車に取り付け、テストコースにおいてテストドライバーによるフィーリングテストを実施し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きいほど乗り心地性が優れている。
操縦安定性
各試験タイヤを上記と同様にして乗用車に取り付け、テストコースにおいてテストドライバーによるフィーリングテストを実施し、その結果を従来タイヤを100とする指数値で評価した。この値が大きいほど操縦安定性が優れている。
耐エッジセパレーション性
各試験タイヤをリムサイズ16×6 1/2JJのリムに装着し、空気圧をJATMA最大空気圧の75%とした低圧条件かつ同最大荷重の140%とした高荷重条件において、速度約80km/hrで回転するドラム上をタイヤ故障(ベルト部セパレーション)が発生するまで継続して走行させ、その合計走行距離を相対的に5段階で評価して、その結果を点数表示した。この点数が大きいほど耐ベルトエッジセパレーション性が優れていることを示している。
【0025】
【表1】
表1から、本発明タイヤは、軽量化することができ、また乗り心地性と操縦安定性を改善できることがわかる。
【0026】
【発明の効果】
上述したように本発明は、カーカス層に撚り線のスチールコードを使用した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト層に上記のように特定したスチールモノフィラメントを使用するため、軽量化を図りながら、乗り心地性と操縦安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乗用車用空気入りラジアルタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。
【図2】図1のベルト層をスチールモノフィラメントと直交する平面で切断した要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部
3 ビ−ド部 4 カ−カス層
7 ベルト層 CL タイヤセンターライン
G ゴム層 M スチールモノフィラメント
dm 素線径 dr ゴム間隔
Claims (5)
- 左右のビード部間にタイヤ幅方向に延在する撚り線のスチ−ルコ−ドをタイヤ周方向に所定の間隔で配列したカ−カス層を装架し、トレッド部の前記カ−カス層外周側にタイヤ周方向に対して傾斜配列した補強コードをゴム層に埋設した複数のベルト層を配置した乗用車用空気入りラジアルタイヤにおいて、
前記複数のベルト層の内の少なくとも1層のベルト層の補強コードを、素線径dmが0.2〜0.5mmのスチールモノフィラメントから構成し、隣接するスチールモノフィラメントのゴム間隔drと前記素線径dmとの比dr/dmを、0. 2mm≦dm<0. 3mmでは0. 18≦dr/dm≦1. 85、0. 3mm≦dm<0. 4mmでは0. 76≦dr/dm≦2. 31、0. 4mm≦dm≦0. 5mmでは1. 36≦dr/dm≦2. 60にした乗用車用空気入りラジアルタイヤ。 - 前記複数のベルト層の内、残りのベルト層の補強コードをスチールコードまたは有機繊維コードから構成した請求項1に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記複数のベルト層の補強コードを前記スチールモノフィラメントで構成した請求項1に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記ベルト層の補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度を20〜35°にした請求項1,2または3に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
- 前記複数のベルト層が2層である請求項1,2,3または4に記載の乗用車用空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216908A JP2004058727A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002216908A JP2004058727A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004058727A true JP2004058727A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31938532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002216908A Pending JP2004058727A (ja) | 2002-07-25 | 2002-07-25 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004058727A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012527367A (ja) * | 2009-05-20 | 2012-11-08 | コンティネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 車両空気タイヤのベルト用のスチールコード製の補強層 |
CN107645992A (zh) * | 2015-05-18 | 2018-01-30 | 米其林集团总公司 | 包括由单根丝线形成的工作层的轮胎 |
CN113453913A (zh) * | 2019-02-22 | 2021-09-28 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
-
2002
- 2002-07-25 JP JP2002216908A patent/JP2004058727A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012527367A (ja) * | 2009-05-20 | 2012-11-08 | コンティネンタル・ライフェン・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 車両空気タイヤのベルト用のスチールコード製の補強層 |
CN107645992A (zh) * | 2015-05-18 | 2018-01-30 | 米其林集团总公司 | 包括由单根丝线形成的工作层的轮胎 |
CN113453913A (zh) * | 2019-02-22 | 2021-09-28 | 横滨橡胶株式会社 | 充气轮胎 |
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