JP2001294016A

JP2001294016A - 空気入りラジアルタイヤ

Info

Publication number: JP2001294016A
Application number: JP2000115434A
Authority: JP
Inventors: Yoshihiro Hosoya; 良弘細谷
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 2000-04-17
Filing date: 2000-04-17
Publication date: 2001-10-23

Abstract

(57)【要約】【課題】切り離しベルト端縁部を帯状の補助ベルトに
て覆ったベルト構造を有する空気入りラジアルタイヤに
おいて、ベルト端セパレーションを防止し、操縦安定性
と高速耐久性の向上を図る。【解決手段】空気入りラジアルタイヤにおいて、ベル
ト２がタイヤ周方向に対して１０〜４０°の角度で互い
に略平行に延びるコード５を被覆６ゴム中に埋設してな
り、タイヤ幅方向外側のベルト端縁部９の少なくとも片
側が、互いに略平行に延びるコード７を被覆ゴム８中に
埋設してなる補強ベルト３で覆われ、ベルト端縁部９と
補強ベルト３との隙間距離（Ｌ）が、次式、Ｌ≧ｄ×
０．５０（式中、ｄはベルトコード７の線径を表わす）
で示される関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りラジアル
タイヤに関し、詳しくは耐ベルト端セパレーション性を
改善することにより操縦安定性と高速耐久性の向上を図
った空気入りラジアルタイヤに関する。

【０００２】

【従来の技術】乗用車などに使用される空気入りラジア
ルタイヤには種々の性能が要求されるが、操縦安定性能
は高性能空気入りラジアルタイヤにとって重要な要求性
能の一つである。

【０００３】従来の典型的な空気入りラジアルタイヤに
は、ラジアルカーカスのクラウン部ラジアル方向外側に
実質上トレッド全幅に沿ってベルトが配置され、このベ
ルトには、通常、切り離しベルトが採用されている。切
り離しベルトとは、ベルト両端において切断されている
複数本数のコードが被覆ゴム中に埋設されてなるゴム被
覆コード層のことであり、このベルト両端部にはコード
端縁部が多数存在している。この切り離しベルト端縁部
を、コードをゴムに埋設してなる帯状の補助ベルトにて
覆うようにしたベルト構造を採用することは、ベルトの
ショルダー部の成長を抑える等の上で有力な設計手法と
して知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、切り離
しベルト端縁部を補助ベルトで覆ったベルト構造のタイ
ヤにおいては、走行に伴い切り離しベルト端縁部と補強
ベルトとの接触部に沿ってセパレーションが伸展し、故
障に至ることが問題として指摘されていた。

【０００５】そこで本発明の目的は、切り離しベルト端
縁部を帯状の補助ベルトにて覆ったベルト構造を有する
空気入りラジアルタイヤにおいて、ベルト端セパレーシ
ョンを防止し、操縦安定性と高速耐久性の向上を図るこ
とにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、切り離しベルト端縁部と
補強ベルトとの配置関係を最適化することにより上記目
的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。

【０００７】即ち、本発明の空気入りラジアルタイヤ
は、左右一対のビード部に設けられたビードコアと、ク
ラウン部から両サイドを経て両ビード部に延び該ビード
コアに巻回されてビード部に係留されたラジアルカーカ
スと、該ラジアルカーカスのクラウン部ラジアル方向外
側に順次配置された少なくとも１枚のベルトとトレッド
とを備えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベル
トがタイヤ周方向に対して１０〜４０°の角度で互いに
略平行に延びるコードを被覆ゴム中に埋設してなり、タ
イヤ幅方向外側のベルト端縁部の少なくとも片側が、互
いに略平行に延びるコードを被覆ゴム中に埋設してなる
補強ベルトで覆われ、該ベルト端縁部と該補強ベルトと
の隙間距離（Ｌ）が、次式、Ｌ≧ｄ×０．５０（式中、ｄはベルトコードの線径を表わす）で示される
関係を満足することを特徴とするものである。

【０００８】本発明においては、前記ベルト端縁部の両
側が前記補強ベルトで覆われていることが好ましい。ま
た、前記ベルトのコードは、好ましくは金属コードまた
は芳香族ポリアミドコードであり、前記補強ベルトのコ
ードは、好ましくは金属コード、芳香族ポリアミドコー
ドまたは脂肪族ポリアミドコードで、好ましくはタイヤ
周方向に対して０〜４５°の角度で配置する。さらに、
前記ベルトのコード打込数は、好ましくは０．３０〜
１．４０本／ｍｍの範囲内であり、前記補強ベルトのコ
ード打込数は、好ましくは０．３０〜１．４０本／ｍｍ
の範囲内である。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して具
体的に説明する。本発明の空気入りラジアルタイヤにお
いては、図１にベルト端縁部分を拡大して示すように、
ラジアルカーカス１のクラウン部ラジアル方向外側に順
次ベルト２とトレッド４とが配置されており、このベル
ト２のタイヤ幅方向外側のベルト端縁部９が補強ベルト
３にて覆われているベルト構造を有する。

【００１０】ベルト２は、タイヤ周方向に対して１０〜
４０°の角度で互いに略平行に延びるコード５を被覆ゴ
ム６中に埋設して形成されている。コード５のこの周方
向角度はタイヤを箍締するに適した角度である。コード
５としては従来の金属コードや有機繊維コードを用いる
ことができるが、相対的に弾性率および強度の大きい金
属コードまたは芳香族ポリアミドコードがタイヤの補強
効果を高める上で好ましい。金属コードを用いた場合、
その撚り構造は特に制限されるべきものではなく、例え
ば、図２の（イ）〜（ニ）に示すようなオープン撚り構
造や複撚り構造のスチールコードを好適に用いることが
できる。なお、被覆ゴム６は特に制限されるべきもので
はなく、慣用に従い適宜定めることができる。

【００１１】図１に示すベルト２は１枚で構成されてい
るが、ベルトは２枚以上積層して設けてもよく、その場
合には各層のコードが互いに交差するように配置する。
ベルト２のコード打込数は、好ましくは０．３０〜１．
４０本／ｍｍの範囲内である。この打込数が０．３０本
／ｍｍ未満であるとベルトによるタイヤ補強効果が十分
ではなく、一方１．４０本／ｍｍを超えると耐ベルト端
セパレーション性が低下し、好ましくない。

【００１２】次に、補強ベルト３は、タイヤ周方向に対
して、好ましくは０〜４５°の角度で互いに略平行に延
びるコード７を被覆ゴム８中に埋設して形成されてい
る。コード７の上記周方向角度はベルト２の端縁部を補
強するに適した角度である。コード７としては従来の金
属コードや有機繊維コードを用いることができるが、相
対的に弾性率および強度の大きい金属コード、芳香族ポ
リアミドコードまたは相対的に熱収縮の高い脂肪族ポリ
アミドコードが補強効果を高める上で好ましい。金属コ
ードを用いた場合、その撚り構造は特に制限されるべき
ものではなく、ベルト２の場合と同様に図２の（イ）〜
（ニ）に示すような撚り構造のスチールコードを好適に
用いることができる。なお、被覆ゴム８は特に制限され
るべきものではなく、慣用に従い適宜定めることができ
る。

【００１３】補強ベルト３のコード打込数は、好ましく
は０．３０〜１．４０本／ｍｍの範囲内である。この打
込数が０．３０本／ｍｍ未満であるとベルトの端縁部の
補強効果が十分ではなく、一方１．４０本／ｍｍを超え
ると耐ベルト端セパレーション性が低下し、好ましくな
い。なお、補強ベルト３は、ベルト２と同様の構造のも
のを用いてもよい。

【００１４】本発明においては、図１に示すベルト２の
端縁部と補強ベルト３との隙間距離（Ｌ）が、次式、Ｌ≧ｄ×０．５０、好ましくは次式、Ｌ≧ｄ×１．０（式中、ｄはベルトコードの線径を表わす）で示される
関係を満足することが重要である。図１に示すように、
隙間距離（Ｌ）は、ベルト２の端縁部９と補強ベルト３
のコード７の接線との最短距離を意味するものである。
この隙間距離（Ｌ）がベルトコードの線径ｄの０．５倍
以上に保たれているときにベルト端セパレーションが良
好に防止され、操縦安定性と高速耐久性の向上を図るこ
とが可能となる。

【００１５】かかるベルトコードの線径は、好ましくは
０．４０〜１．３０ｍｍである。この線径が０．４０ｍ
ｍ未満であると打込数の増加を招き、一方、１．３０ｍ
ｍを超えるとベルト重量が増大し、好ましくない。

【００１６】本発明においては、隙間距離（Ｌ）が上記
式の関係を満たす限り、補強ベルト３の形態は特に制限
されるものではなく、例えば、図３の（イ）に示すよう
に、１枚のベルト２の端縁部のみを覆う形態、図３の
（ロ）に示すように、２枚のベルト２の端縁部のみを覆
う形態、さらには、図３の（ハ）に示すように、２枚の
ベルト２の端縁部からベルト上面の全幅にわたって覆う
形態とすることができる。なお、ベルト２の端縁部以外
のベルト２の上面領域はここからベルト端セパレーショ
ンを誘発することはないので、図３の（ハ）に示すよう
に、かかる領域においてはベルト２と補強ベルト３とが
接触していてもよい。

【００１７】本発明の空気入りラジアルタイヤは、上述
のようにベルト２と補強ベルト３との配置関係を最適化
したものであり、その他の構造や材質は慣用に従い適宜
選定することができ、特に制限されるべきものではな
い。

【００１８】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明する。下
記の表１に示す条件にて各種空気入りラジアルタイヤ
（サイズ：２３５／４５ＺＲ１７）を試作した。次い
で、試作タイヤを実車に装着し、一般路を２００００ｋ
ｍ走行させる実地試験にて、耐ベルト端セパレーション
性を評価した。評価は各比較例の結果を１００として、
対応する実施例の結果を指数にて表示した。数値が大な
る程結果が良好である。得られた結果を下記の表１に併
記する。

【００１９】

【表１】

【００２０】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、切り離しベルト端縁部を帯状の補助ベルトにて覆っ
たベルト構造を有する空気入りラジアルタイヤにおい
て、ベルト端セパレーションが防止され、これまで以上
に操縦安定性と高速耐久性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のベルト構造を説明するための拡大部分
断面図である。

【図２】金属撚りコードの断面図である。

【図３】実施例で用いたベルト構造を示す拡大部分断面
図である。

【図４】比較例で用いたベルト構造を示す拡大部分断面
図である。

【符号の説明】

１ラジアルカーカス２ベルト３補強ベルト４トレッド５コード６被覆ゴム７コード８被覆ゴム９ベルト端縁部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】左右一対のビード部に設けられたビード
コアと、クラウン部から両サイドを経て両ビード部に延
び該ビードコアに巻回されてビード部に係留されたラジ
アルカーカスと、該ラジアルカーカスのクラウン部ラジ
アル方向外側に順次配置された少なくとも１枚のベルト
とトレッドとを備えた空気入りラジアルタイヤにおい
て、前記ベルトがタイヤ周方向に対して１０〜４０°の角度
で互いに略平行に延びるコードを被覆ゴム中に埋設して
なり、タイヤ幅方向外側のベルト端縁部の少なくとも片
側が、互いに略平行に延びるコードを被覆ゴム中に埋設
してなる補強ベルトで覆われ、該ベルト端縁部と該補強
ベルトとの隙間距離（Ｌ）が、次式、Ｌ≧ｄ×０．５０（式中、ｄはベルトコードの線径を表わす）で示される
関係を満足することを特徴とする空気入りラジアルタイ
ヤ。
【請求項２】前記ベルト端縁部の両側が前記補強ベル
トで覆われている請求項１記載の空気入りラジアルタイ
ヤ。
【請求項３】前記ベルトのコードが金属コードまたは
芳香族ポリアミドコードである請求項１または２記載の
空気入りラジアルタイヤ。
【請求項４】前記補強ベルトのコードが金属コード、
芳香族ポリアミドコードまたは脂肪族ポリアミドコード
である請求項１〜３のうちいずれか一項記載の空気入り
ラジアルタイヤ。
【請求項５】前記補強ベルトのコードがタイヤ周方向
に対して０〜４５°の角度で配置されている請求項１〜
４のうちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
【請求項６】前記ベルトのコード打込数が０．３０〜
１．４０本／ｍｍの範囲内である請求項１〜５のうちい
ずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。
【請求項７】前記補強ベルトのコード打込数が０．３
０〜１．４０本／ｍｍの範囲内である請求項１〜６のう
ちいずれか一項記載の空気入りラジアルタイヤ。