JP2004053907A - 原稿読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供する。
【解決手段】第1走査ユニット12によって、案内部材73の先端位置を読み取って検出する。第1走査ユニット12の停止位置を、案内部材73の先端の位置に対向する位置から、第2コンタクトガラス16が原稿によって汚れないことが予め求められた所定距離Lの範囲内になるように設定する。そして、走行読取モードでは、設定した位置に第1走査ユニット12を移動させて停止させ、原稿を読み取る。
【選択図】 図1
【解決手段】第1走査ユニット12によって、案内部材73の先端位置を読み取って検出する。第1走査ユニット12の停止位置を、案内部材73の先端の位置に対向する位置から、第2コンタクトガラス16が原稿によって汚れないことが予め求められた所定距離Lの範囲内になるように設定する。そして、走行読取モードでは、設定した位置に第1走査ユニット12を移動させて停止させ、原稿を読み取る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シート状の原稿を装置内で自動的に搬送して所定位置で原稿の画像を順次読み取る原稿読取装置が、画像形成装置などに装着されることが多い。このような原稿読取装置を備えることにより、効率的な画像読み取りや画像形成を行うことができる。そしてさらに、デジタル技術の進歩によって、原稿からの読み取りや、画像の電子データへの変換、電子データからの画像形成などの速度が速くなったため、より多くの枚数の原稿の読み取り処理を高速に行うことができるように、これらの原稿読取装置では、一度にセットできる原稿の枚数が非常に多くなっている。また、原稿読取装置の読み取り性能の向上や原稿搬送技術の進歩にともない、読み取ることができる原稿の種類も多様化してきている。
【0003】
上記の原稿読取装置の一例として、特開2000−261625号公報には、原稿を搬送しながら画像を読み取る構成において、読取光学手段が原稿を読み取るときに用いる露光部材の位置を、シート状原稿の厚さに応じて変え、原稿が原稿載置台に接触している位置で読み取るようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように原稿を搬送して原稿の画像を読み取る場合は、原稿読取装置において、露光部材が決められた位置に停止した状態で、すなわち読取光学手段が停止した状態で原稿の画像を読み取るようになっている。従って原稿読取装置は、通常、原稿と露光部材との間に、原稿から露光部材までの距離を一定に保つための基準となる透明の支持手段(プラテンガラス,コンタクトガラスなどと呼ばれる)を備えている。
【0005】
原稿の種類が多様化したことや、読み取り性能が向上したために、ボールペンインクで記載された原稿や、鉛筆などで記載された原稿、あるいは、修正液で修正された原稿などを読み取ることが多くなってきている。そのため、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る場合には、原稿が透明の支持手段上を搬送されるときに、インクや鉛筆の粉、完全に固まっていない修正液などが支持手段に擦り付けられて支持手段が汚れ、読取光学手段による光学的読み取りが阻害されることによって読み取り画質が低下する問題が多く発生している。読取光学手段と支持手段とは移動しないため、支持手段の読取光学手段による読み取り領域に当る部分が汚れた場合には、原稿ごとに読み取りデータに欠落や黒スジが発生し読み取り品質が著しく低下してしまう。
【0006】
また、支持手段の上方にはある間隔をおいて、支持手段とともに読み取り位置近傍の原稿搬送経路を形成する搬送経路形成部材が設けられる。この搬送経路形成部材は、読み取り位置を通過する原稿を支持手段の平板面に沿って搬送されるように導き、支持手段の平板面に直交する方向への移動を規制する。また、原稿が存在しないところで読取光学手段に反射光を返す背景部材としても機能する。従って、支持手段が汚れるのを防止するために、支持手段と搬送経路形成部材との間隔を1.0mm〜1.5mmと広くすることにより原稿が支持手段に擦れにくくなるようにする方法もあるが、読取光学手段が縮小光学系で焦点深度が深いといっても、この間隔を0.5mm〜1.0mmにした原稿読取装置との画質と比べれば、やはり焦点の合う位置の範囲に余裕がないので読み取り画質が低下しやすい。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、原稿を搬送する原稿搬送手段と、原稿への照射光を発する露光部材を備え、上記原稿搬送手段によって原稿が搬送されるときに、上記露光部材が所定位置で停止して上記照射光を発し、上記所定位置に対応して定まる読み取り位置を通過する原稿の通過部分からの上記反射光を、上記露光部材が受け取って後続の光学系に導き、順次検出することにより原稿画像を読み取る読取光学手段と、上記露光部材と上記読み取り位置との間に位置するように平板状に設けられ、上記原稿搬送手段によって搬送される原稿の上記通過部分を支持するとともに、上記照射光および上記反射光を通過させる支持手段とを備え、上記原稿搬送手段には、上記支持手段との間に上記読み取り位置を挟むように設けられて、上記支持手段とともに上記通過部分が上記支持手段の平板面に沿って搬送されるように搬送経路を形成する搬送経路形成部材が備えられている原稿読取装置において、上記原稿搬送手段は、原稿を上記支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように上記読み取り位置へ導くガイド面となる案内部材を備え、上記所定位置は、上記案内部材の原稿搬送方向の先端と対向する位置から上記通過部分の搬送方向へ向かって、原稿との接触による上記支持手段の汚染が発生しないことが予め求められている所定距離範囲内に設定されることを特徴としている。
【0009】
上記の発明によれば、原稿搬送手段に備えられた案内部材が、ガイド面として原稿を支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように、支持手段と搬送経路形成部材との間の読み取り位置へ導く。このような原稿の搬送方法によれば、案内部材の先端の位置から原稿の通過部分の搬送方向へ向かって所定距離範囲内は、支持手段に原稿との接触による汚染が発生しない領域となる。従って、その領域を通して読取光学手段が原稿の読み取りを行うように、読取光学手段の露光部材が停止する所定位置を上記所定距離範囲内に設定する。露光部材をこのような所定位置に停止させて原稿を読み取るので、支持手段が汚れないように支持手段と搬送経路形成部材との間隔を大きくする必要はない。
【0010】
この結果、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することができる。
【0011】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記先端と対向する位置から所定間隔を隔てた位置を上記所定位置として設定し、設定された上記所定位置へ上記読取光学手段を移動させることを特徴としている。
【0012】
上記の発明によれば、案内部材の先端の位置を検出し、その位置に対向する位置から前記所定距離範囲内にある所定間隔を隔てた位置を所定位置に設定して露光部材を移動させる。従って、装置ごとに案内部材の取り付け位置のばらつきがあっても、支持手段が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材の先端位置が変化することがあっても、支持手段が汚染されない位置を確認し直すことができる。
【0013】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の上記先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記所定位置を設定することを特徴としている。
【0014】
上記の発明によれば、案内部材の先端の位置が前回の検出時から変化したとしても、変化している可能性があると見なした所定タイミングで先端の位置を検出して所定位置を設定するので、原稿の読み取り時にはその読み取り時における先端の位置に応じた所定位置となる。従って、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができる。
【0015】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の少なくとも上記先端の色は、上記読取光学手段が上記露光部材の走査露光による読み取りが可能となる色であることを特徴としている。
【0016】
上記の発明によれば、読取光学手段が露光部材の走査露光によって案内部材の先端の色を読み取り、先端の位置を検出することができる。従って、先端の位置の検出に読取光学手段を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がない。
【0017】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材は可撓性を有する部材によって形成されていることを特徴としている。
【0018】
上記の発明によれば、案内部材が何らかの作業で支持手段に勢いよく衝突するようなことがあっても、可撓性を有する部材によって形成されているので支持手段が傷付くことを防止することができる。また、案内部材に対する原稿の搬送抵抗を減じることができるので、原稿を滑らかに搬送することができる。
【0019】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記支持手段に対して原稿通過側となる部分は、上記支持手段の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能であることを特徴としている。
【0020】
上記の発明によれば、支持手段に対して原稿通過側となる部分を移動させて、支持手段の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができる。また、支持手段上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができる。
【0021】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記原稿搬送手段は上記支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられるとともに、上記支持手段と上記読取光学手段とは第2の筐体に備えられており、上記第2の筐体は、載置された静止原稿の画像を上記読取光学手段が上記露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えており、上記第1の筐体は、上記原稿載置台の原稿載置面が外部に開放されるように第2の筐体に対して移動可能であることを特徴としている。
【0022】
上記の発明によれば、原稿読取装置は、載置された静止原稿の画像を読取光学手段が露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えるとともに、第1の筐体が第2の筐体に対して移動可能な構成である。第1の筐体を移動させると、支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられている原稿搬送手段が同時に移動して、第2の筐体に備えられている支持手段、読取光学手段、および原稿載置台から遠ざかり、支持手段の原稿通過側の面と原稿載置台の原稿載置面とが外部に対して開放される。
【0023】
従って、第1の筐体の移動時に、支持手段の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、支持手段上での原稿のジャム処理を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】
図1および図2は、本実施の形態に係る原稿読取装置Sの構成を示す説明図である。図2に示すように、原稿読取装置Sは、下部筐体1および上部筐体2を備えている。
【0026】
原稿読取装置Sでは、原稿を静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送しながら画像を読み取る走行読取モードとを使用することができる。これらのモードは画像出力装置に備えられる操作部(例えば、液晶ディスプレイよりなる表示部と設定を行うキーなどとにより構成)から入力される。
【0027】
そして、静止読取モードでは下部筐体1内の後述する第1走査ユニット12を移動させながら原稿を走査することによって画像を読み取る一方、走行読取モードでは、第1走査ユニット12を所定の位置に停止させた状態で原稿の画像の読み取りを行うようになっている。
【0028】
下部筐体(第2の筐体)1は、第1コンタクトガラス11、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD(Charge Coupled Device)15、第2コンタクトガラス16、第1走査ユニット検出器17、および原稿排出トレイ18を備えている。また、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD15、および第1走査ユニット検出器17は、読取部(読取光学手段)10を構成している。
【0029】
第1コンタクトガラス(原稿載置台)11は、静止読取モードで読み取る原稿を載置するための台であり、第1走査ユニット(露光部材)12は、第1コンタクトガラス11の下方で第1コンタクトガラス11に沿って図中左から右に一定速度Vで移動しながら、原稿を露光して反射光を後続の光学系に導くものである。図1に示すように、第1走査ユニット12は、原稿への照射光を発する露光ランプとしての光源50、原稿からの反射光を第2走査ユニット13に導く第1反射ミラー51、光源50からの照射光の一部を原稿に向けて反射するリフレクタ54、および原稿からの反射光束を制限するスリット55を有している。
【0030】
第2走査ユニット13は、第1走査ユニット12に追随してV/2の速度で移動するようになっており、図1に示すように、第1反射ミラー51からの光を結像レンズ14、CCD15に導く第2・第3反射ミラー52・53を備えている。結像レンズ14は、第3反射ミラー53からの反射光を、CCD15上で結像させるものである。CCD15は、結像レンズ14からの光をアナログの電気信号に変換するものである。なお、この電気信号は、画像処理部によってデジタルの画像データに変換され、画像メモリに記憶されたり、画像形成装置や外部の機器などに出力される。こうして読取部10は、原稿からの反射光を順次検出することにより原稿画像を読み取る。
【0031】
なお、読取部10には第1走査ユニット12と第2走査ユニット13とを駆動する駆動部81(図4参照)が設けられている。該駆動部81は、第1走査ユニット12と第2走査ユニット13との移動を同期させるために、これらに巻き掛ける図示しないワイヤを備えている。そして、このワイヤを介して第1走査ユニット12と第2走査ユニット13とを駆動するステッピングモータ(図示せず)を備えている。読取部10はこの他、原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出器82(図4参照)を備えている。
【0032】
また、この読取部10は、静止読取モードでは上述のように第1コンタクトガラス11上に載置された原稿の読み取りを行うが、走行読取モードでは、上部筐体2の部材によって搬送されている原稿の画像を第2コンタクトガラス16を介して読み取るようになっている。第2コンタクトガラス(支持手段)16は、第1走査ユニット12と読み取り位置A(図1参照)との間に位置するように平板状に設けられ、走行読取モードにおいて読み取り位置Aを通過する原稿を支持する。そして、第1走査ユニット12からの照射光と、読み取り位置Aを通過する原稿の通過部分からの反射光とを通過させる。
【0033】
また、第1コンタクトガラス11上の原稿を読み取る(静止読取モード)際には、第1走査ユニット12は、図2中の原稿の読み取り走査開始位置となるPos1の位置から読み取り走査終了位置となるPos2の位置の方向に、原稿サイズ検出器82によって検出された原稿サイズに応じて所定距離だけ移動するようになっている。一方、搬送されている原稿を読み取る(走行読取モード)際には、図2中でPos1の位置よりも左側(第2コンタクトガラス16側)にあるPos3の位置に停止している。また、第1走査ユニット12は、使用されていない待機中には、第1走査ユニット検出器17によって検出された第1走査ユニット12の位置を基にPos1,Pos3の位置あるいはその他の位置に移動して、ホームポジションとして停止している。
【0034】
また、図1に示すように、第1コンタクトガラス11の端部前側には、静止原稿用の載置基準板41が備えられている。
【0035】
この載置基準板41には、第1コンタクトガラス11に載置する原稿のサイズ・載置方向を示す指標が示されている。従って、ユーザーは、この指標に従って、第1コンタクトガラス11に原稿を容易に載置できるようになっている。
【0036】
また、第1コンタクトガラス11の載置基準板41が設けられた側と上下に反対の側であって、載置基準板41と対向する所に、CCD15のシェーディング(白レベルの決定)を実施する際に使用する第1基準白板42が設けられている。なお、第1基準白板42は、載置基準板41の下側でかつ第1コンタクトガラス11の上側に設けられていてもよい。
【0037】
また、図2に示す上部筐体(第1の筐体)2は、原稿読取装置Sの奥側(紙面奥側)に下部筐体1との間に設けられたヒンジ(図示せず)を回動支点として、上方に回動するようになっている。これにより、原稿読取装置Sでは、紙面手前側から、第1コンタクトガラス11の上面および第2コンタクトガラス16の上面を開放することができるようになっている。上部筐体2は、図2に示すように、OCマット21、原稿セットトレイ22、および開放扉24を備えている。
【0038】
OCマット21は、上部筐体2を閉めたときに第1コンタクトガラス11に押しつけられて密着する位置に設けられた、原稿を押えるためのマットである。原稿セットトレイ22は、走行読取モードで読み取る原稿を載置するための台である。開放扉24は、原稿読取装置Sを両面同時原稿読取装置にグレードアップさせる場合に第2読取部(図示せず)を取り付けて位置を調整するために、上部筐体2に設けられている開閉自在の窓である。
【0039】
また、上部筐体2には、原稿セットトレイ22に載置された原稿を読み取り位置Aに搬送するための、原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34を備えている。原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34は原稿搬送手段を構成している。原稿搬送駆動部31は、原稿セットトレイ22に載置された原稿を取り込んで搬送路上で搬送する。原稿搬送駆動部31は、原稿搬送用の各種ローラを備えているが、特に、図1に示すようにCの方向から搬送されてくる原稿を整合して読み取りのタイミングを図るための整合ローラ対67を備えている。また、原稿搬送駆動部31は、原稿セットトレイ22から取り込まれる原稿の検出を行う原稿検出器62、および、整合ローラ対67による原稿の読み取り位置Aへの給送タイミングを図るために整合ローラ対67の手前で原稿を検出する給送タイミングセンサ65を備えている。
【0040】
また、原稿搬送ガイド部33は原稿の搬送路を形成する。原稿搬送ガイド部33は、図1に示すように、原稿セットトレイ22の給紙口から整合ローラ対67までの搬送路を形成する原稿搬送ガイド上71および原稿搬送ガイド下72を備えている。また、原稿搬送ガイド下72の搬送方向先端には、整合ローラ対67から所定の傾斜角で第2コンタクトガラス16へ原稿を導くガイド面となる案内部材73が取り付けられている。案内部材73は第2コンタクトガラス16とは別部材となっており、マイラーなどの可撓性のあるフィルムやシートなどで形成されており、原稿搬送ガイド下72の先端に両面テープなどで貼り付けられている。ここでは黒色のマイラーで形成されている。
【0041】
なお、原稿搬送ガイド下72を搬送方向に延長して案内部材73とすることもできるが、上部筐体2の閉鎖動作などの何らかの作業により、エッジが勢いよく第2コンタクトガラス16に衝突して第2コンタクトガラス16が傷付いたりするのを避けたり、案内部材73に対する原稿の搬送抵抗を減じて原稿を滑らかに搬送したりするために、案内部材73を原稿搬送ガイド下72とは別体で可撓性のある材質とするのが好ましい。前述した読み取り位置Aは、この案内部材73の先端と対向する第2コンタクトガラス16上の位置からほぼ第2コンタクトガラス16の平板面に沿って搬送方向に距離Lだけ離れた位置となっている。
【0042】
また、原稿搬送ガイド部33は、上側原稿搬送ガイド(搬送経路形成部材)70を備えている。上側原稿搬送ガイド70は、第2コンタクトガラス16の上で搬送される原稿の位置を規制するものであり、第2コンタクトガラス16との間に読み取り位置Aを挟むように設けられて、第2コンタクトガラス16とともに原稿の読み取り位置Aの通過部分が第2コンタクトガラス16の平板面に沿って図1中C’の方向に搬送されるように搬送経路を形成する。この上側原稿搬送ガイド70における第2コンタクトガラス16に対して平行な部分の位置は、位置決め突起70aによって第2コンタクトガラス16から0.5〜1mm、好ましくは0.5〜0.7mmの間隔だけ離れた位置に設定されるようになっている。また、上側原稿搬送ガイド70には、前述した第2読取部の取り付け用開口部74がふさがれた状態で設けられている。
【0043】
また、原稿排出部34は、画像を読み取られた後の原稿を、原稿排出トレイ18に排出するものである。この原稿排出部34は、原稿排出用のローラ、および、図2に示すように、排出原稿を検出する排出検出器59を備えている。
【0044】
上記の構成の原稿読取装置Sの制御系の構成を表すブロック図を図4に示す。原稿搬送ローラ駆動部83は、原稿読取装置Sにおける原稿の搬送や排出に用いるローラを駆動する。操作部84は原稿読取装置Sに関する各種設定を行うための操作パネルである。情報記憶部85は、原稿読取装置Sの動作に関する情報を記憶する。操作部86は画像の出力に関する各種設定を行う操作パネルである。画像出力部87は、原稿から読み取られた画像をトナー像などの所定の形態で出力する。画像データ記憶部88は原稿から読み取られた画像データを記憶する。その他のブロックは前述した通りの動作を行う。制御部89は各ブロックの動作を制御する。
【0045】
次に、上記の構成の原稿読取装置Sにおいて、図1の距離Lの設定値について、以下に説明する。
【0046】
図3(a)に示すように、第2コンタクトガラス16の第1コンタクトガラス11側端部(図上で右端部)を原点Oとしたときに、案内部材73の先端が対向する第2コンタクトガラス16上の位置までの距離をaとする。原稿は、走行読取モードで読取部10によって読み取られるときに、読み取り面が第2コンタクトガラス16側を向くが、このときに原稿との接触によって第2コンタクトガラス16が汚染される範囲が距離aによってどのように変化するかを調べた結果を図3(b)に示す。同図には、A4国内80g紙について、距離aを7.5mm、8.5mm、9.5mmと変化させた場合について、原点Oから第2コンタクトガラス16上の搬送方向に計った距離で表される位置における汚れの発生度数が示されている。案内部材73の傾斜角については、3つの場合とも同じ所定値(例えば15°)に保ってある。a=7.5mmの場合には、原点Oから10mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。a=8.5mmの場合には、原点Oから11mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。a=9.5mmの場合には、原点Oから12mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。
【0047】
次に、距離aを7.5mmに固定して原稿の秤量や種類を変化させたときに、第2コンタクトガラス16が汚染される範囲がどのように変化するかを調べた結果を図3(c)に示す。同図には、原稿をA4国内80g紙、A3国内127g紙、A4イケパ80g紙についての結果が示されている。全ての場合において、原点Oから10mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。
【0048】
図3(b)・(c)より、原稿の秤量や種類に関係なく、案内部材73の先端と対向する位置から計って2.5mmだけ搬送方向にずれた位置から汚れが発生し始めることが分かった。そこで、本実施の形態では、走行読取モードにおいて読取部10の第1走査ユニット12を、このようにして調べた第2コンタクトガラス16の汚染されない領域を介して読み取ることのできる位置に停止させることとする。すなわち、図5に示すように、案内部材73の先端の位置が点Pであれば、原稿への照射光および原稿の読み取り位置の通過部分からの反射光が、点Pに対向する位置から汚染されないことが分かっている距離Lの範囲(例えば先に述べた2.5mm)内にある第2コンタクトガラス16を通過するような所定位置に、前述のPos3(図1)を設定する。もし、案内部材73の先端の位置が点Qに変化した場合には、照射光および反射光が、点Qに対向する位置から汚染されないことが分かっている距離Lの範囲(例えば先に述べた2.5mm)内の第2コンタクトガラス16を通過するような所定位置に、Pos3を設定する。読み取り位置Aは、こうして設定されたPos3の位置に対応して定まる。これにより、Pos3は最適な読み取りポイントとなり、図4に示すように汚れ度数が0の領域で常に原稿を読み取ることができる。
【0049】
第1走査ユニット12をこのようなPos3の位置に停止させて原稿を読み取るので、第2コンタクトガラス16が汚れないように従来のように第2コンタクトガラス16と上側原稿搬送ガイド70との間隔を大きくする必要はない。この結果、原稿読取装置Sによれば、第2コンタクトガラス16と上側原稿搬送ガイド70との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取部10が静止した状態で、第2コンタクトガラス16の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
【0050】
このように、実験によって予め第2コンタクトガラス16の汚れの発生度数のデータをとることにより求まった、汚染されない領域に関するデータは、図4の情報記憶部85に記憶される。このデータには、少なくとも、案内部材73の先端位置からどれだけ離れた位置にPos3を設定すればよいかということについてのデータを含んでいる。また、原稿読取装置Sでは、読取部10によって案内部材73の先端位置を検出し、その結果からPos3の位置を設定するようにしている。そして走行読取モードにおいて、読取部10の第1走査ユニット12をPos3に移動させる。また、Pos3を走行読取モードにおける第1走査ユニット12のホームポジションとする。Pos3に移動させるのには、第1走査ユニット検出器17を用いる。第1走査ユニット検出器17は第1走査ユニット12の位置を検出するので、この検出結果と案内部材73の先端の検出位置、および情報記憶部85のPos3の情報から、Pos3までどれだけ移動させればよいかが分かる。こうして求まった最適なPos3の位置は情報記憶部85に記憶され、案内部材73の先端位置を検出するごとに更新される。
【0051】
従って、装置ごとに案内部材73の取り付け位置のばらつきがあっても、第2コンタクトガラス16が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材73の先端位置が変化することがあっても、第2コンタクトガラス16が汚染されない位置を確認し直すことができる。
【0052】
また、前述したように案内部材73は黒色に設定されていて周囲の部材とは異なっている。このように案内部材73の少なくとも先端の色が、第1走査ユニット12の走査露光による読み取りが可能となる色であることにより、案内部材73の先端の色を読み取り、先端の位置を検出することができる。従って、先端の位置の検出に読取部10を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がない。
【0053】
このようにしてPos3が決定された原稿読取装置Sの原稿読み取り動作について以下に説明する。
【0054】
静止読取モード時では、片面モードだけが選択可能となり、読取部10の第1走査ユニット12を、静止している原稿に対して走査することにより読み取りを行う。このとき、第1走査ユニット12は、まず静止読取モードにおけるホームポジション(図2中のPos3とPos1との間にある)に配置される。そして、図4の制御部89の指示に応じて、Pos1の位置から第1コンタクトガラス11上に載置された原稿を走査しながら、第2走査ユニット13とともにPos2側に移動する。これにより、CCD15に、原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能となる。このように、読取部10は、静止した原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0055】
一方、走行読取モード時では、読取部10をPos3の位置に停止させ原稿を搬送しながら原稿の画像の読み取りを行う。このモードの指示があると、読取部10の第1走査ユニット12は、静止読取モードにおけるホームポジションにあれば、この位置から走行読取モードにおけるホームポジションであるPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して、走行する原稿の読み取りを行う。そして、図4の制御部89の指示に応じて、CCD15が、第2コンタクトガラス16を介して、搬送路上を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。すなわち、読取部10は、原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0056】
本実施の形態では、前述のように求めたPos3の位置を走行読取モードにおけるホームポジションとしている。従って、読み取り効率を高くしたいときによく用いられる走行読取モードをスタートさせたときに、第1走査ユニット12を最適な読み取り位置へ移動させるのに最初からその位置にあることにより時間がかからず、また案内部材73の先端を改めて検出してPos3を設定して移動させるのにも、第1走査ユニット12が新しいPos3の近くにあることにより時間がかからない。これにより、第1走査ユニット12の移動時間を短縮することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、案内部材73の先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、案内部材73の先端の位置を検出してPos3の位置を設定するようにしている。これによれば、案内部材73の先端の位置が前回の検出時から変化したとしても、変化している可能性があると見なした所定タイミングで先端の位置を検出して、次回の原稿の読み取り開始までにPos3の位置を設定することができるので、Pos3は、原稿の読み取り時にはその読み取り時における先端の位置に応じた位置となる。従って、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができる。
【0058】
例えば、原稿読取装置Sの電源をONとした直後の準備動作段階で案内部材73の先端位置を検出する。この場合のフローを図6に示す。S1で原稿読取装置Sの電源がONとなったならば、S2で案内部材73の先端の位置を検出する。そしてS3で、第1走査ユニット12をPos3の位置に位置決めして停止させる。S4で待機する。
【0059】
また例えば、予め工場で原稿読取装置Sの組み立て後の調整段階に案内部材73の位置の検出を行ってPos3を設定しておき、その後は上部筐体2のメンテナンス時や交換時に案内部材73の先端位置を検出する。この場合のフローを図7に示す。S11で待機状態にあるときに、S12で図4の操作部84からメンテナンスモードが指示されると、S13でPos3(読み取りポイント)の設定モードが指示されたか否かを判定する。Pos3の設定モードが指示された場合はS14へ進んで案内部材73の先端位置を検出する。Pos3の設定モードが指示されない場合はS17へ進み、メンテナンスモードが解除されない限りS13へ戻り、メンテナンスモードが解除されればS12へ戻る。S14の次はS15へ進んでPos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に位置決めするとともに、Pos3の位置を図4の情報記憶部85に記憶する。次いでS16へ進み、Pos3の位置の設定モードを解除してS13へ戻る。
【0060】
このような別モードでのPos3の位置の設定は、必要に応じてサービスマンがサービスモードで行うようにしてもよい。サービスモードへは、図4の操作部84の所定のキーを所定の順番で押すことにより入ることができるようになっている。
【0061】
また例えば、上部筐体2が開放されたことを記憶して、開放された後に案内部材73の先端位置を検出する。上部筐体2が開放されるのは、静止読取モードで原稿を第1コンタクトガラス11上に載置するときなどである。この開閉に伴って案内部材73の取り付け位置がずれて先端位置が変化する可能性がある。上部筐体2が開放されたことは、下部筐体1に備えられている原稿サイズ検出器82(図4参照)による原稿のサイズ判定を行うことに基づいて記憶することができる。原稿のサイズ判定は上部筐体2による原稿の押圧が完了する直前に行われ、このとき上部筐体2の位置を検出する図示しない検出器からの信号を用いて、原稿サイズの検出指令と上部筐体2の開放の履歴とが情報記憶部85に記憶される。この履歴は、Pos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に移動させた後は消去される。
【0062】
この場合のフローを図8に示す。S21でスタートキーが押されるとS22へ進み、走行読取モードが指示されるとS23へ進む。S23では上部筐体2が開放された履歴があるか否かを判定する。開放された履歴があればS24へ進んで案内部材73の先端位置を検出し、S25でPos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に位置決めして停止させる。S25の次と、S23で開放された履歴がない場合とには、S26へ進んで原稿を1枚供給して搬送する。そしてS27で原稿を読み取り、S28で原稿を排出する。次いでS29で原稿セットトレイ22に原稿がある限りS26へ戻り、原稿がなくなるとS30へ進んで待機する。
【0063】
なお、案内部材73の先端位置の検出を、走行読取モードで動作する場合に、スタートキーが押されて原稿の読み取りを開始する前に必ず行うといったことも可能である。
【0064】
また、上述したように、案内部材73の先端位置を検出するようにしたことには、以下のような利点がある。原稿読取装置Sのように、静止読取モードと走行読取モードとの両方が可能な原稿読取装置では、上部筐体2側に原稿の搬送手段を備える場合が多い。このような場合には、走行読取モードにおける読み取り位置Aと原稿が搬送されて第2コンタクトガラス16に擦り付けられる位置とが、開放動作を多く行っているうちに若干のズレが発生することがある。このズレにより、第2コンタクトガラス16の汚れる位置が次第に異なってくる現象が発生する。また、このズレは原稿読取装置ごとにも異なることが多い。さらに、案内部材73の取り付け位置のばらつきによっても、原稿と第2コンタクトガラス16との接触状態が異なり、これによっても第2コンタクトガラス16の汚れる位置が異なる現象が発生する。従って、案内部材73の先端位置を検出してPos3の位置を設定する本実施の形態によれば、このように汚れの位置が異なる事態に容易に対処することができる。
【0065】
また、原稿読取装置Sでは、下部筐体1と上部筐体2とに分かれていることにより、第2コンタクトガラス16に対して原稿通過側となる部分は、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能となっている。従って、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができる。また、第2コンタクトガラス16上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができる。
【0066】
特に、原稿読取装置Sでは、上部筐体2を移動させることにより、上述のように第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を外部に開放することができるようになっている。従って、上部筐体2を移動させると、第2コンタクトガラス16に対して原稿通過側に位置するように上部筐体2に備えられている原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34が同時に移動して、下部筐体1に備えられている第2コンタクトガラス16、読取部10、および第1コンタクトガラス11から遠ざかり、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の面と第1コンタクトガラス11の原稿載置面とが外部に対して開放される。
【0067】
従って、上部筐体2の移動時に、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、第2コンタクトガラス16上での原稿のジャム処理を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記原稿搬送手段は、原稿を上記支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように上記読み取り位置へ導くガイド面となる案内部材を備え、上記所定位置は、上記案内部材の原稿搬送方向の先端と対向する位置から上記通過部分の搬送方向へ向かって、原稿との接触による上記支持手段の汚染が発生しないことが予め求められている所定距離範囲内に設定される構成である。
【0069】
それゆえ、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することができるという効果を奏する。
【0070】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記先端と対向する位置から所定間隔を隔てた位置を上記所定位置として設定し、設定された上記所定位置へ上記読取光学手段を移動させる構成である。
【0071】
それゆえ、装置ごとに案内部材の取り付け位置のばらつきがあっても、支持手段が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材の先端位置が変化することがあっても、支持手段が汚染されない位置を確認し直すことができるという効果を奏する。
【0072】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の上記先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記所定位置を設定する構成である。
【0073】
それゆえ、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができるという効果を奏する。
【0074】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の少なくとも上記先端の色は、上記読取光学手段が上記露光部材の走査露光による読み取りが可能となる色である構成である。
【0075】
それゆえ、先端の位置の検出に読取光学手段を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がないという効果を奏する。
【0076】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材は可撓性を有する部材によって形成されている構成である。
【0077】
それゆえ、案内部材が何らかの作業で支持手段に勢いよく衝突するようなことがあっても、可撓性を有する部材によって形成されているので支持手段が傷付くことを防止することができるという効果を奏する。また、案内部材に対する原稿の搬送抵抗を減じることができるので、原稿を滑らかに搬送することができるという効果を奏する。
【0078】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記支持手段に対して原稿通過側となる部分は、上記支持手段の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能である構成である。
【0079】
それゆえ、支持手段に対して原稿通過側となる部分を移動させて、支持手段の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができるという効果を奏する。また、支持手段上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができるという効果を奏する。
【0080】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記原稿搬送手段は上記支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられるとともに、上記支持手段と上記読取光学手段とは第2の筐体に備えられており、上記第2の筐体は、載置された静止原稿の画像を上記読取光学手段が上記露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えており、上記第1の筐体は、上記原稿載置台の原稿載置面が外部に開放されるように第2の筐体に対して移動可能である構成である。
【0081】
それゆえ、第1の筐体の移動時に、支持手段の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、支持手段上での原稿のジャム処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置の走行読取モードでの読み取り位置周辺の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)ないし(c)は、案内部材の先端の位置と第2コンタクトガラスの汚れの位置との関係を示す関係対比図である。
【図4】図2の原稿読取装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図2の原稿読取装置の第1走査ユニットの停止位置を説明する断面図である。
【図6】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順の他の例を示すフローチャートである。
【図8】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順のさらに他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 下部筐体(第2の筐体)
2 上部筐体(第1の筐体)
10 読取部(読取光学手段)
11 第1コンタクトガラス(原稿載置台)
12 第1走査ユニット(露光部材)
16 第2コンタクトガラス(支持手段)
70 上側原稿搬送ガイド(搬送経路形成部材)
73 案内部材
A 読み取り位置
Pos3 位置(所定位置)
S 原稿読取装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る原稿読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シート状の原稿を装置内で自動的に搬送して所定位置で原稿の画像を順次読み取る原稿読取装置が、画像形成装置などに装着されることが多い。このような原稿読取装置を備えることにより、効率的な画像読み取りや画像形成を行うことができる。そしてさらに、デジタル技術の進歩によって、原稿からの読み取りや、画像の電子データへの変換、電子データからの画像形成などの速度が速くなったため、より多くの枚数の原稿の読み取り処理を高速に行うことができるように、これらの原稿読取装置では、一度にセットできる原稿の枚数が非常に多くなっている。また、原稿読取装置の読み取り性能の向上や原稿搬送技術の進歩にともない、読み取ることができる原稿の種類も多様化してきている。
【0003】
上記の原稿読取装置の一例として、特開2000−261625号公報には、原稿を搬送しながら画像を読み取る構成において、読取光学手段が原稿を読み取るときに用いる露光部材の位置を、シート状原稿の厚さに応じて変え、原稿が原稿載置台に接触している位置で読み取るようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように原稿を搬送して原稿の画像を読み取る場合は、原稿読取装置において、露光部材が決められた位置に停止した状態で、すなわち読取光学手段が停止した状態で原稿の画像を読み取るようになっている。従って原稿読取装置は、通常、原稿と露光部材との間に、原稿から露光部材までの距離を一定に保つための基準となる透明の支持手段(プラテンガラス,コンタクトガラスなどと呼ばれる)を備えている。
【0005】
原稿の種類が多様化したことや、読み取り性能が向上したために、ボールペンインクで記載された原稿や、鉛筆などで記載された原稿、あるいは、修正液で修正された原稿などを読み取ることが多くなってきている。そのため、原稿を搬送しながら原稿の画像を読み取る場合には、原稿が透明の支持手段上を搬送されるときに、インクや鉛筆の粉、完全に固まっていない修正液などが支持手段に擦り付けられて支持手段が汚れ、読取光学手段による光学的読み取りが阻害されることによって読み取り画質が低下する問題が多く発生している。読取光学手段と支持手段とは移動しないため、支持手段の読取光学手段による読み取り領域に当る部分が汚れた場合には、原稿ごとに読み取りデータに欠落や黒スジが発生し読み取り品質が著しく低下してしまう。
【0006】
また、支持手段の上方にはある間隔をおいて、支持手段とともに読み取り位置近傍の原稿搬送経路を形成する搬送経路形成部材が設けられる。この搬送経路形成部材は、読み取り位置を通過する原稿を支持手段の平板面に沿って搬送されるように導き、支持手段の平板面に直交する方向への移動を規制する。また、原稿が存在しないところで読取光学手段に反射光を返す背景部材としても機能する。従って、支持手段が汚れるのを防止するために、支持手段と搬送経路形成部材との間隔を1.0mm〜1.5mmと広くすることにより原稿が支持手段に擦れにくくなるようにする方法もあるが、読取光学手段が縮小光学系で焦点深度が深いといっても、この間隔を0.5mm〜1.0mmにした原稿読取装置との画質と比べれば、やはり焦点の合う位置の範囲に余裕がないので読み取り画質が低下しやすい。
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、原稿を搬送する原稿搬送手段と、原稿への照射光を発する露光部材を備え、上記原稿搬送手段によって原稿が搬送されるときに、上記露光部材が所定位置で停止して上記照射光を発し、上記所定位置に対応して定まる読み取り位置を通過する原稿の通過部分からの上記反射光を、上記露光部材が受け取って後続の光学系に導き、順次検出することにより原稿画像を読み取る読取光学手段と、上記露光部材と上記読み取り位置との間に位置するように平板状に設けられ、上記原稿搬送手段によって搬送される原稿の上記通過部分を支持するとともに、上記照射光および上記反射光を通過させる支持手段とを備え、上記原稿搬送手段には、上記支持手段との間に上記読み取り位置を挟むように設けられて、上記支持手段とともに上記通過部分が上記支持手段の平板面に沿って搬送されるように搬送経路を形成する搬送経路形成部材が備えられている原稿読取装置において、上記原稿搬送手段は、原稿を上記支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように上記読み取り位置へ導くガイド面となる案内部材を備え、上記所定位置は、上記案内部材の原稿搬送方向の先端と対向する位置から上記通過部分の搬送方向へ向かって、原稿との接触による上記支持手段の汚染が発生しないことが予め求められている所定距離範囲内に設定されることを特徴としている。
【0009】
上記の発明によれば、原稿搬送手段に備えられた案内部材が、ガイド面として原稿を支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように、支持手段と搬送経路形成部材との間の読み取り位置へ導く。このような原稿の搬送方法によれば、案内部材の先端の位置から原稿の通過部分の搬送方向へ向かって所定距離範囲内は、支持手段に原稿との接触による汚染が発生しない領域となる。従って、その領域を通して読取光学手段が原稿の読み取りを行うように、読取光学手段の露光部材が停止する所定位置を上記所定距離範囲内に設定する。露光部材をこのような所定位置に停止させて原稿を読み取るので、支持手段が汚れないように支持手段と搬送経路形成部材との間隔を大きくする必要はない。
【0010】
この結果、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することができる。
【0011】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記先端と対向する位置から所定間隔を隔てた位置を上記所定位置として設定し、設定された上記所定位置へ上記読取光学手段を移動させることを特徴としている。
【0012】
上記の発明によれば、案内部材の先端の位置を検出し、その位置に対向する位置から前記所定距離範囲内にある所定間隔を隔てた位置を所定位置に設定して露光部材を移動させる。従って、装置ごとに案内部材の取り付け位置のばらつきがあっても、支持手段が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材の先端位置が変化することがあっても、支持手段が汚染されない位置を確認し直すことができる。
【0013】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の上記先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記所定位置を設定することを特徴としている。
【0014】
上記の発明によれば、案内部材の先端の位置が前回の検出時から変化したとしても、変化している可能性があると見なした所定タイミングで先端の位置を検出して所定位置を設定するので、原稿の読み取り時にはその読み取り時における先端の位置に応じた所定位置となる。従って、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができる。
【0015】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材の少なくとも上記先端の色は、上記読取光学手段が上記露光部材の走査露光による読み取りが可能となる色であることを特徴としている。
【0016】
上記の発明によれば、読取光学手段が露光部材の走査露光によって案内部材の先端の色を読み取り、先端の位置を検出することができる。従って、先端の位置の検出に読取光学手段を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がない。
【0017】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記案内部材は可撓性を有する部材によって形成されていることを特徴としている。
【0018】
上記の発明によれば、案内部材が何らかの作業で支持手段に勢いよく衝突するようなことがあっても、可撓性を有する部材によって形成されているので支持手段が傷付くことを防止することができる。また、案内部材に対する原稿の搬送抵抗を減じることができるので、原稿を滑らかに搬送することができる。
【0019】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記支持手段に対して原稿通過側となる部分は、上記支持手段の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能であることを特徴としている。
【0020】
上記の発明によれば、支持手段に対して原稿通過側となる部分を移動させて、支持手段の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができる。また、支持手段上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができる。
【0021】
さらに本発明の原稿読取装置は、上記課題を解決するために、上記原稿搬送手段は上記支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられるとともに、上記支持手段と上記読取光学手段とは第2の筐体に備えられており、上記第2の筐体は、載置された静止原稿の画像を上記読取光学手段が上記露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えており、上記第1の筐体は、上記原稿載置台の原稿載置面が外部に開放されるように第2の筐体に対して移動可能であることを特徴としている。
【0022】
上記の発明によれば、原稿読取装置は、載置された静止原稿の画像を読取光学手段が露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えるとともに、第1の筐体が第2の筐体に対して移動可能な構成である。第1の筐体を移動させると、支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられている原稿搬送手段が同時に移動して、第2の筐体に備えられている支持手段、読取光学手段、および原稿載置台から遠ざかり、支持手段の原稿通過側の面と原稿載置台の原稿載置面とが外部に対して開放される。
【0023】
従って、第1の筐体の移動時に、支持手段の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、支持手段上での原稿のジャム処理を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】
図1および図2は、本実施の形態に係る原稿読取装置Sの構成を示す説明図である。図2に示すように、原稿読取装置Sは、下部筐体1および上部筐体2を備えている。
【0026】
原稿読取装置Sでは、原稿を静止させて画像を読み取る静止読取モード、原稿を搬送しながら画像を読み取る走行読取モードとを使用することができる。これらのモードは画像出力装置に備えられる操作部(例えば、液晶ディスプレイよりなる表示部と設定を行うキーなどとにより構成)から入力される。
【0027】
そして、静止読取モードでは下部筐体1内の後述する第1走査ユニット12を移動させながら原稿を走査することによって画像を読み取る一方、走行読取モードでは、第1走査ユニット12を所定の位置に停止させた状態で原稿の画像の読み取りを行うようになっている。
【0028】
下部筐体(第2の筐体)1は、第1コンタクトガラス11、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD(Charge Coupled Device)15、第2コンタクトガラス16、第1走査ユニット検出器17、および原稿排出トレイ18を備えている。また、第1走査ユニット12、第2走査ユニット13、結像レンズ14、CCD15、および第1走査ユニット検出器17は、読取部(読取光学手段)10を構成している。
【0029】
第1コンタクトガラス(原稿載置台)11は、静止読取モードで読み取る原稿を載置するための台であり、第1走査ユニット(露光部材)12は、第1コンタクトガラス11の下方で第1コンタクトガラス11に沿って図中左から右に一定速度Vで移動しながら、原稿を露光して反射光を後続の光学系に導くものである。図1に示すように、第1走査ユニット12は、原稿への照射光を発する露光ランプとしての光源50、原稿からの反射光を第2走査ユニット13に導く第1反射ミラー51、光源50からの照射光の一部を原稿に向けて反射するリフレクタ54、および原稿からの反射光束を制限するスリット55を有している。
【0030】
第2走査ユニット13は、第1走査ユニット12に追随してV/2の速度で移動するようになっており、図1に示すように、第1反射ミラー51からの光を結像レンズ14、CCD15に導く第2・第3反射ミラー52・53を備えている。結像レンズ14は、第3反射ミラー53からの反射光を、CCD15上で結像させるものである。CCD15は、結像レンズ14からの光をアナログの電気信号に変換するものである。なお、この電気信号は、画像処理部によってデジタルの画像データに変換され、画像メモリに記憶されたり、画像形成装置や外部の機器などに出力される。こうして読取部10は、原稿からの反射光を順次検出することにより原稿画像を読み取る。
【0031】
なお、読取部10には第1走査ユニット12と第2走査ユニット13とを駆動する駆動部81(図4参照)が設けられている。該駆動部81は、第1走査ユニット12と第2走査ユニット13との移動を同期させるために、これらに巻き掛ける図示しないワイヤを備えている。そして、このワイヤを介して第1走査ユニット12と第2走査ユニット13とを駆動するステッピングモータ(図示せず)を備えている。読取部10はこの他、原稿のサイズを検出する原稿サイズ検出器82(図4参照)を備えている。
【0032】
また、この読取部10は、静止読取モードでは上述のように第1コンタクトガラス11上に載置された原稿の読み取りを行うが、走行読取モードでは、上部筐体2の部材によって搬送されている原稿の画像を第2コンタクトガラス16を介して読み取るようになっている。第2コンタクトガラス(支持手段)16は、第1走査ユニット12と読み取り位置A(図1参照)との間に位置するように平板状に設けられ、走行読取モードにおいて読み取り位置Aを通過する原稿を支持する。そして、第1走査ユニット12からの照射光と、読み取り位置Aを通過する原稿の通過部分からの反射光とを通過させる。
【0033】
また、第1コンタクトガラス11上の原稿を読み取る(静止読取モード)際には、第1走査ユニット12は、図2中の原稿の読み取り走査開始位置となるPos1の位置から読み取り走査終了位置となるPos2の位置の方向に、原稿サイズ検出器82によって検出された原稿サイズに応じて所定距離だけ移動するようになっている。一方、搬送されている原稿を読み取る(走行読取モード)際には、図2中でPos1の位置よりも左側(第2コンタクトガラス16側)にあるPos3の位置に停止している。また、第1走査ユニット12は、使用されていない待機中には、第1走査ユニット検出器17によって検出された第1走査ユニット12の位置を基にPos1,Pos3の位置あるいはその他の位置に移動して、ホームポジションとして停止している。
【0034】
また、図1に示すように、第1コンタクトガラス11の端部前側には、静止原稿用の載置基準板41が備えられている。
【0035】
この載置基準板41には、第1コンタクトガラス11に載置する原稿のサイズ・載置方向を示す指標が示されている。従って、ユーザーは、この指標に従って、第1コンタクトガラス11に原稿を容易に載置できるようになっている。
【0036】
また、第1コンタクトガラス11の載置基準板41が設けられた側と上下に反対の側であって、載置基準板41と対向する所に、CCD15のシェーディング(白レベルの決定)を実施する際に使用する第1基準白板42が設けられている。なお、第1基準白板42は、載置基準板41の下側でかつ第1コンタクトガラス11の上側に設けられていてもよい。
【0037】
また、図2に示す上部筐体(第1の筐体)2は、原稿読取装置Sの奥側(紙面奥側)に下部筐体1との間に設けられたヒンジ(図示せず)を回動支点として、上方に回動するようになっている。これにより、原稿読取装置Sでは、紙面手前側から、第1コンタクトガラス11の上面および第2コンタクトガラス16の上面を開放することができるようになっている。上部筐体2は、図2に示すように、OCマット21、原稿セットトレイ22、および開放扉24を備えている。
【0038】
OCマット21は、上部筐体2を閉めたときに第1コンタクトガラス11に押しつけられて密着する位置に設けられた、原稿を押えるためのマットである。原稿セットトレイ22は、走行読取モードで読み取る原稿を載置するための台である。開放扉24は、原稿読取装置Sを両面同時原稿読取装置にグレードアップさせる場合に第2読取部(図示せず)を取り付けて位置を調整するために、上部筐体2に設けられている開閉自在の窓である。
【0039】
また、上部筐体2には、原稿セットトレイ22に載置された原稿を読み取り位置Aに搬送するための、原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34を備えている。原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34は原稿搬送手段を構成している。原稿搬送駆動部31は、原稿セットトレイ22に載置された原稿を取り込んで搬送路上で搬送する。原稿搬送駆動部31は、原稿搬送用の各種ローラを備えているが、特に、図1に示すようにCの方向から搬送されてくる原稿を整合して読み取りのタイミングを図るための整合ローラ対67を備えている。また、原稿搬送駆動部31は、原稿セットトレイ22から取り込まれる原稿の検出を行う原稿検出器62、および、整合ローラ対67による原稿の読み取り位置Aへの給送タイミングを図るために整合ローラ対67の手前で原稿を検出する給送タイミングセンサ65を備えている。
【0040】
また、原稿搬送ガイド部33は原稿の搬送路を形成する。原稿搬送ガイド部33は、図1に示すように、原稿セットトレイ22の給紙口から整合ローラ対67までの搬送路を形成する原稿搬送ガイド上71および原稿搬送ガイド下72を備えている。また、原稿搬送ガイド下72の搬送方向先端には、整合ローラ対67から所定の傾斜角で第2コンタクトガラス16へ原稿を導くガイド面となる案内部材73が取り付けられている。案内部材73は第2コンタクトガラス16とは別部材となっており、マイラーなどの可撓性のあるフィルムやシートなどで形成されており、原稿搬送ガイド下72の先端に両面テープなどで貼り付けられている。ここでは黒色のマイラーで形成されている。
【0041】
なお、原稿搬送ガイド下72を搬送方向に延長して案内部材73とすることもできるが、上部筐体2の閉鎖動作などの何らかの作業により、エッジが勢いよく第2コンタクトガラス16に衝突して第2コンタクトガラス16が傷付いたりするのを避けたり、案内部材73に対する原稿の搬送抵抗を減じて原稿を滑らかに搬送したりするために、案内部材73を原稿搬送ガイド下72とは別体で可撓性のある材質とするのが好ましい。前述した読み取り位置Aは、この案内部材73の先端と対向する第2コンタクトガラス16上の位置からほぼ第2コンタクトガラス16の平板面に沿って搬送方向に距離Lだけ離れた位置となっている。
【0042】
また、原稿搬送ガイド部33は、上側原稿搬送ガイド(搬送経路形成部材)70を備えている。上側原稿搬送ガイド70は、第2コンタクトガラス16の上で搬送される原稿の位置を規制するものであり、第2コンタクトガラス16との間に読み取り位置Aを挟むように設けられて、第2コンタクトガラス16とともに原稿の読み取り位置Aの通過部分が第2コンタクトガラス16の平板面に沿って図1中C’の方向に搬送されるように搬送経路を形成する。この上側原稿搬送ガイド70における第2コンタクトガラス16に対して平行な部分の位置は、位置決め突起70aによって第2コンタクトガラス16から0.5〜1mm、好ましくは0.5〜0.7mmの間隔だけ離れた位置に設定されるようになっている。また、上側原稿搬送ガイド70には、前述した第2読取部の取り付け用開口部74がふさがれた状態で設けられている。
【0043】
また、原稿排出部34は、画像を読み取られた後の原稿を、原稿排出トレイ18に排出するものである。この原稿排出部34は、原稿排出用のローラ、および、図2に示すように、排出原稿を検出する排出検出器59を備えている。
【0044】
上記の構成の原稿読取装置Sの制御系の構成を表すブロック図を図4に示す。原稿搬送ローラ駆動部83は、原稿読取装置Sにおける原稿の搬送や排出に用いるローラを駆動する。操作部84は原稿読取装置Sに関する各種設定を行うための操作パネルである。情報記憶部85は、原稿読取装置Sの動作に関する情報を記憶する。操作部86は画像の出力に関する各種設定を行う操作パネルである。画像出力部87は、原稿から読み取られた画像をトナー像などの所定の形態で出力する。画像データ記憶部88は原稿から読み取られた画像データを記憶する。その他のブロックは前述した通りの動作を行う。制御部89は各ブロックの動作を制御する。
【0045】
次に、上記の構成の原稿読取装置Sにおいて、図1の距離Lの設定値について、以下に説明する。
【0046】
図3(a)に示すように、第2コンタクトガラス16の第1コンタクトガラス11側端部(図上で右端部)を原点Oとしたときに、案内部材73の先端が対向する第2コンタクトガラス16上の位置までの距離をaとする。原稿は、走行読取モードで読取部10によって読み取られるときに、読み取り面が第2コンタクトガラス16側を向くが、このときに原稿との接触によって第2コンタクトガラス16が汚染される範囲が距離aによってどのように変化するかを調べた結果を図3(b)に示す。同図には、A4国内80g紙について、距離aを7.5mm、8.5mm、9.5mmと変化させた場合について、原点Oから第2コンタクトガラス16上の搬送方向に計った距離で表される位置における汚れの発生度数が示されている。案内部材73の傾斜角については、3つの場合とも同じ所定値(例えば15°)に保ってある。a=7.5mmの場合には、原点Oから10mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。a=8.5mmの場合には、原点Oから11mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。a=9.5mmの場合には、原点Oから12mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。
【0047】
次に、距離aを7.5mmに固定して原稿の秤量や種類を変化させたときに、第2コンタクトガラス16が汚染される範囲がどのように変化するかを調べた結果を図3(c)に示す。同図には、原稿をA4国内80g紙、A3国内127g紙、A4イケパ80g紙についての結果が示されている。全ての場合において、原点Oから10mmの距離にある位置で汚れが発生し始め、その後、汚れの発生度数が極大となった後、次第に減少している。
【0048】
図3(b)・(c)より、原稿の秤量や種類に関係なく、案内部材73の先端と対向する位置から計って2.5mmだけ搬送方向にずれた位置から汚れが発生し始めることが分かった。そこで、本実施の形態では、走行読取モードにおいて読取部10の第1走査ユニット12を、このようにして調べた第2コンタクトガラス16の汚染されない領域を介して読み取ることのできる位置に停止させることとする。すなわち、図5に示すように、案内部材73の先端の位置が点Pであれば、原稿への照射光および原稿の読み取り位置の通過部分からの反射光が、点Pに対向する位置から汚染されないことが分かっている距離Lの範囲(例えば先に述べた2.5mm)内にある第2コンタクトガラス16を通過するような所定位置に、前述のPos3(図1)を設定する。もし、案内部材73の先端の位置が点Qに変化した場合には、照射光および反射光が、点Qに対向する位置から汚染されないことが分かっている距離Lの範囲(例えば先に述べた2.5mm)内の第2コンタクトガラス16を通過するような所定位置に、Pos3を設定する。読み取り位置Aは、こうして設定されたPos3の位置に対応して定まる。これにより、Pos3は最適な読み取りポイントとなり、図4に示すように汚れ度数が0の領域で常に原稿を読み取ることができる。
【0049】
第1走査ユニット12をこのようなPos3の位置に停止させて原稿を読み取るので、第2コンタクトガラス16が汚れないように従来のように第2コンタクトガラス16と上側原稿搬送ガイド70との間隔を大きくする必要はない。この結果、原稿読取装置Sによれば、第2コンタクトガラス16と上側原稿搬送ガイド70との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取部10が静止した状態で、第2コンタクトガラス16の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
【0050】
このように、実験によって予め第2コンタクトガラス16の汚れの発生度数のデータをとることにより求まった、汚染されない領域に関するデータは、図4の情報記憶部85に記憶される。このデータには、少なくとも、案内部材73の先端位置からどれだけ離れた位置にPos3を設定すればよいかということについてのデータを含んでいる。また、原稿読取装置Sでは、読取部10によって案内部材73の先端位置を検出し、その結果からPos3の位置を設定するようにしている。そして走行読取モードにおいて、読取部10の第1走査ユニット12をPos3に移動させる。また、Pos3を走行読取モードにおける第1走査ユニット12のホームポジションとする。Pos3に移動させるのには、第1走査ユニット検出器17を用いる。第1走査ユニット検出器17は第1走査ユニット12の位置を検出するので、この検出結果と案内部材73の先端の検出位置、および情報記憶部85のPos3の情報から、Pos3までどれだけ移動させればよいかが分かる。こうして求まった最適なPos3の位置は情報記憶部85に記憶され、案内部材73の先端位置を検出するごとに更新される。
【0051】
従って、装置ごとに案内部材73の取り付け位置のばらつきがあっても、第2コンタクトガラス16が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材73の先端位置が変化することがあっても、第2コンタクトガラス16が汚染されない位置を確認し直すことができる。
【0052】
また、前述したように案内部材73は黒色に設定されていて周囲の部材とは異なっている。このように案内部材73の少なくとも先端の色が、第1走査ユニット12の走査露光による読み取りが可能となる色であることにより、案内部材73の先端の色を読み取り、先端の位置を検出することができる。従って、先端の位置の検出に読取部10を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がない。
【0053】
このようにしてPos3が決定された原稿読取装置Sの原稿読み取り動作について以下に説明する。
【0054】
静止読取モード時では、片面モードだけが選択可能となり、読取部10の第1走査ユニット12を、静止している原稿に対して走査することにより読み取りを行う。このとき、第1走査ユニット12は、まず静止読取モードにおけるホームポジション(図2中のPos3とPos1との間にある)に配置される。そして、図4の制御部89の指示に応じて、Pos1の位置から第1コンタクトガラス11上に載置された原稿を走査しながら、第2走査ユニット13とともにPos2側に移動する。これにより、CCD15に、原稿画像に応じた反射光を受光させることが可能となる。このように、読取部10は、静止した原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0055】
一方、走行読取モード時では、読取部10をPos3の位置に停止させ原稿を搬送しながら原稿の画像の読み取りを行う。このモードの指示があると、読取部10の第1走査ユニット12は、静止読取モードにおけるホームポジションにあれば、この位置から走行読取モードにおけるホームポジションであるPos3の位置に移動して停止し、そのまま停止状態を保持して、走行する原稿の読み取りを行う。そして、図4の制御部89の指示に応じて、CCD15が、第2コンタクトガラス16を介して、搬送路上を搬送される原稿の画像を下側から読み取る。すなわち、読取部10は、原稿の下側の面(表面)に形成されている画像を読み取ることとなる。
【0056】
本実施の形態では、前述のように求めたPos3の位置を走行読取モードにおけるホームポジションとしている。従って、読み取り効率を高くしたいときによく用いられる走行読取モードをスタートさせたときに、第1走査ユニット12を最適な読み取り位置へ移動させるのに最初からその位置にあることにより時間がかからず、また案内部材73の先端を改めて検出してPos3を設定して移動させるのにも、第1走査ユニット12が新しいPos3の近くにあることにより時間がかからない。これにより、第1走査ユニット12の移動時間を短縮することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、案内部材73の先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、案内部材73の先端の位置を検出してPos3の位置を設定するようにしている。これによれば、案内部材73の先端の位置が前回の検出時から変化したとしても、変化している可能性があると見なした所定タイミングで先端の位置を検出して、次回の原稿の読み取り開始までにPos3の位置を設定することができるので、Pos3は、原稿の読み取り時にはその読み取り時における先端の位置に応じた位置となる。従って、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができる。
【0058】
例えば、原稿読取装置Sの電源をONとした直後の準備動作段階で案内部材73の先端位置を検出する。この場合のフローを図6に示す。S1で原稿読取装置Sの電源がONとなったならば、S2で案内部材73の先端の位置を検出する。そしてS3で、第1走査ユニット12をPos3の位置に位置決めして停止させる。S4で待機する。
【0059】
また例えば、予め工場で原稿読取装置Sの組み立て後の調整段階に案内部材73の位置の検出を行ってPos3を設定しておき、その後は上部筐体2のメンテナンス時や交換時に案内部材73の先端位置を検出する。この場合のフローを図7に示す。S11で待機状態にあるときに、S12で図4の操作部84からメンテナンスモードが指示されると、S13でPos3(読み取りポイント)の設定モードが指示されたか否かを判定する。Pos3の設定モードが指示された場合はS14へ進んで案内部材73の先端位置を検出する。Pos3の設定モードが指示されない場合はS17へ進み、メンテナンスモードが解除されない限りS13へ戻り、メンテナンスモードが解除されればS12へ戻る。S14の次はS15へ進んでPos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に位置決めするとともに、Pos3の位置を図4の情報記憶部85に記憶する。次いでS16へ進み、Pos3の位置の設定モードを解除してS13へ戻る。
【0060】
このような別モードでのPos3の位置の設定は、必要に応じてサービスマンがサービスモードで行うようにしてもよい。サービスモードへは、図4の操作部84の所定のキーを所定の順番で押すことにより入ることができるようになっている。
【0061】
また例えば、上部筐体2が開放されたことを記憶して、開放された後に案内部材73の先端位置を検出する。上部筐体2が開放されるのは、静止読取モードで原稿を第1コンタクトガラス11上に載置するときなどである。この開閉に伴って案内部材73の取り付け位置がずれて先端位置が変化する可能性がある。上部筐体2が開放されたことは、下部筐体1に備えられている原稿サイズ検出器82(図4参照)による原稿のサイズ判定を行うことに基づいて記憶することができる。原稿のサイズ判定は上部筐体2による原稿の押圧が完了する直前に行われ、このとき上部筐体2の位置を検出する図示しない検出器からの信号を用いて、原稿サイズの検出指令と上部筐体2の開放の履歴とが情報記憶部85に記憶される。この履歴は、Pos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に移動させた後は消去される。
【0062】
この場合のフローを図8に示す。S21でスタートキーが押されるとS22へ進み、走行読取モードが指示されるとS23へ進む。S23では上部筐体2が開放された履歴があるか否かを判定する。開放された履歴があればS24へ進んで案内部材73の先端位置を検出し、S25でPos3の位置を設定して第1走査ユニット12をPos3に位置決めして停止させる。S25の次と、S23で開放された履歴がない場合とには、S26へ進んで原稿を1枚供給して搬送する。そしてS27で原稿を読み取り、S28で原稿を排出する。次いでS29で原稿セットトレイ22に原稿がある限りS26へ戻り、原稿がなくなるとS30へ進んで待機する。
【0063】
なお、案内部材73の先端位置の検出を、走行読取モードで動作する場合に、スタートキーが押されて原稿の読み取りを開始する前に必ず行うといったことも可能である。
【0064】
また、上述したように、案内部材73の先端位置を検出するようにしたことには、以下のような利点がある。原稿読取装置Sのように、静止読取モードと走行読取モードとの両方が可能な原稿読取装置では、上部筐体2側に原稿の搬送手段を備える場合が多い。このような場合には、走行読取モードにおける読み取り位置Aと原稿が搬送されて第2コンタクトガラス16に擦り付けられる位置とが、開放動作を多く行っているうちに若干のズレが発生することがある。このズレにより、第2コンタクトガラス16の汚れる位置が次第に異なってくる現象が発生する。また、このズレは原稿読取装置ごとにも異なることが多い。さらに、案内部材73の取り付け位置のばらつきによっても、原稿と第2コンタクトガラス16との接触状態が異なり、これによっても第2コンタクトガラス16の汚れる位置が異なる現象が発生する。従って、案内部材73の先端位置を検出してPos3の位置を設定する本実施の形態によれば、このように汚れの位置が異なる事態に容易に対処することができる。
【0065】
また、原稿読取装置Sでは、下部筐体1と上部筐体2とに分かれていることにより、第2コンタクトガラス16に対して原稿通過側となる部分は、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能となっている。従って、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができる。また、第2コンタクトガラス16上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができる。
【0066】
特に、原稿読取装置Sでは、上部筐体2を移動させることにより、上述のように第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を外部に開放することができるようになっている。従って、上部筐体2を移動させると、第2コンタクトガラス16に対して原稿通過側に位置するように上部筐体2に備えられている原稿搬送駆動部31、原稿搬送ガイド部33、および原稿排出部34が同時に移動して、下部筐体1に備えられている第2コンタクトガラス16、読取部10、および第1コンタクトガラス11から遠ざかり、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の面と第1コンタクトガラス11の原稿載置面とが外部に対して開放される。
【0067】
従って、上部筐体2の移動時に、第2コンタクトガラス16の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、第2コンタクトガラス16上での原稿のジャム処理を行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記原稿搬送手段は、原稿を上記支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように上記読み取り位置へ導くガイド面となる案内部材を備え、上記所定位置は、上記案内部材の原稿搬送方向の先端と対向する位置から上記通過部分の搬送方向へ向かって、原稿との接触による上記支持手段の汚染が発生しないことが予め求められている所定距離範囲内に設定される構成である。
【0069】
それゆえ、原稿の支持手段と読み取り位置近傍の搬送経路形成部材との間隔を0.5mm〜1.0mmの好ましい範囲としたまま、読取光学手段が静止した状態で、支持手段の汚れに影響されずに、搬送される原稿の画像を読み取ることのできる原稿読取装置を提供することができるという効果を奏する。
【0070】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記先端と対向する位置から所定間隔を隔てた位置を上記所定位置として設定し、設定された上記所定位置へ上記読取光学手段を移動させる構成である。
【0071】
それゆえ、装置ごとに案内部材の取り付け位置のばらつきがあっても、支持手段が汚染されない位置を装置ごとに見分けることができ、また、同じ装置で案内部材の先端位置が変化することがあっても、支持手段が汚染されない位置を確認し直すことができるという効果を奏する。
【0072】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の上記先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記所定位置を設定する構成である。
【0073】
それゆえ、確実に、原稿によって汚染されない位置で読み取りを行うことができるという効果を奏する。
【0074】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材の少なくとも上記先端の色は、上記読取光学手段が上記露光部材の走査露光による読み取りが可能となる色である構成である。
【0075】
それゆえ、先端の位置の検出に読取光学手段を用いることができる分、別途検出手段を設ける必要がないという効果を奏する。
【0076】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記案内部材は可撓性を有する部材によって形成されている構成である。
【0077】
それゆえ、案内部材が何らかの作業で支持手段に勢いよく衝突するようなことがあっても、可撓性を有する部材によって形成されているので支持手段が傷付くことを防止することができるという効果を奏する。また、案内部材に対する原稿の搬送抵抗を減じることができるので、原稿を滑らかに搬送することができるという効果を奏する。
【0078】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記支持手段に対して原稿通過側となる部分は、上記支持手段の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能である構成である。
【0079】
それゆえ、支持手段に対して原稿通過側となる部分を移動させて、支持手段の原稿通過側の平板面を外部に開放することにより、この面が汚染された場合に容易に清掃することができるという効果を奏する。また、支持手段上で原稿の搬送ジャムが発生した場合に容易にジャム処理を行うことができるという効果を奏する。
【0080】
さらに本発明の原稿読取装置は、以上のように、上記原稿搬送手段は上記支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられるとともに、上記支持手段と上記読取光学手段とは第2の筐体に備えられており、上記第2の筐体は、載置された静止原稿の画像を上記読取光学手段が上記露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えており、上記第1の筐体は、上記原稿載置台の原稿載置面が外部に開放されるように第2の筐体に対して移動可能である構成である。
【0081】
それゆえ、第1の筐体の移動時に、支持手段の原稿通過側の平板面を清掃することができるとともに、支持手段上での原稿のジャム処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置の走行読取モードでの読み取り位置周辺の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る原稿読取装置の構成を示す断面図である。
【図3】(a)ないし(c)は、案内部材の先端の位置と第2コンタクトガラスの汚れの位置との関係を示す関係対比図である。
【図4】図2の原稿読取装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】図2の原稿読取装置の第1走査ユニットの停止位置を説明する断面図である。
【図6】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順の他の例を示すフローチャートである。
【図8】図2の原稿読取装置を用いた第1走査ユニットの位置決めの手順のさらに他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 下部筐体(第2の筐体)
2 上部筐体(第1の筐体)
10 読取部(読取光学手段)
11 第1コンタクトガラス(原稿載置台)
12 第1走査ユニット(露光部材)
16 第2コンタクトガラス(支持手段)
70 上側原稿搬送ガイド(搬送経路形成部材)
73 案内部材
A 読み取り位置
Pos3 位置(所定位置)
S 原稿読取装置
Claims (7)
- 原稿を搬送する原稿搬送手段と、
原稿への照射光を発する露光部材を備え、上記原稿搬送手段によって原稿が搬送されるときに、上記露光部材が所定位置で停止して上記照射光を発し、上記所定位置に対応して定まる読み取り位置を通過する原稿の通過部分からの上記反射光を、上記露光部材が受け取って後続の光学系に導き、順次検出することにより原稿画像を読み取る読取光学手段と、
上記露光部材と上記読み取り位置との間に位置するように平板状に設けられ、上記原稿搬送手段によって搬送される原稿の上記通過部分を支持するとともに、上記照射光および上記反射光を通過させる支持手段とを備え、
上記原稿搬送手段には、上記支持手段との間に上記読み取り位置を挟むように設けられて、上記支持手段とともに上記通過部分が上記支持手段の平板面に沿って搬送されるように搬送経路を形成する搬送経路形成部材が備えられている原稿読取装置において、
上記原稿搬送手段は、原稿を上記支持手段の平板面に対して所定の傾斜角をなすように上記読み取り位置へ導くガイド面となる案内部材を備え、
上記所定位置は、上記案内部材の原稿搬送方向の先端と対向する位置から上記通過部分の搬送方向へ向かって、原稿との接触による上記支持手段の汚染が発生しないことが予め求められている所定距離範囲内に設定されることを特徴とする原稿読取装置。 - 上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記先端と対向する位置から所定間隔を隔てた位置を上記所定位置として設定し、設定された上記所定位置へ上記読取光学手段を移動させることを特徴とする請求項1に記載の原稿読取装置。
- 上記案内部材の上記先端の位置が前回の検出時から変化している可能性があると見なした所定タイミングで、上記案内部材の上記先端の位置を検出して上記所定位置を設定することを特徴とする請求項2に記載の原稿読取装置。
- 上記案内部材の少なくとも上記先端の色は、上記読取光学手段が上記露光部材の走査露光による読み取りが可能となる色であることを特徴とする請求項2または3に記載の原稿読取装置。
- 上記案内部材は可撓性を有する部材によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の原稿読取装置。
- 上記支持手段に対して原稿通過側となる部分は、上記支持手段の原稿通過側の平板面が外部に開放されるように移動可能であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の原稿読取装置。
- 上記原稿搬送手段は上記支持手段に対して原稿通過側に位置するように第1の筐体に備えられるとともに、上記支持手段と上記読取光学手段とは第2の筐体に備えられており、上記第2の筐体は、載置された静止原稿の画像を上記読取光学手段が上記露光部材により走査露光して読み取るための原稿載置台を備えており、上記第1の筐体は、上記原稿載置台の原稿載置面が外部に開放されるように第2の筐体に対して移動可能であることを特徴とする請求項6に記載の原稿読取装置。
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