JP2004047354A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】各灯室の発光面積を確保しつつ小型化を図り、且つ、レンズ部全体を有効に利用することができる車両用灯具を提供する。
【解決手段】ターンシグナル用灯室部4の灯室に、クリアランス用灯室部5の少なくとも一部を、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと前後方向にて重なるように配し、各灯室部4,5のバルブ4a,5aがそれぞれ点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体がバルブ4aの光により発光するとともに、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bがクリアランス用灯室部5のバルブ5aの光により発光し、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認されるようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】ターンシグナル用灯室部4の灯室に、クリアランス用灯室部5の少なくとも一部を、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと前後方向にて重なるように配し、各灯室部4,5のバルブ4a,5aがそれぞれ点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体がバルブ4aの光により発光するとともに、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bがクリアランス用灯室部5のバルブ5aの光により発光し、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認されるようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源体を有する複数の灯室を備えた車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用灯具として、自動車車両の前部に固定され、車両前方に光を照射するロービーム機能及びハイビーム機能と、車両外部に右左折等を報知するターンシグナル機能と、車両外部に車幅等を報知するクリアランス機能とを有するものが知られている。この車両用灯具は、いわゆるヘッドライトと呼ばれるものであり、ロービーム用灯室部、ハイビーム用灯室部、ターンシグナル用灯室部、クリアランス用灯室部を、それぞれ独立的に備えている。各灯室部はそれぞれ光源体と、光源体から放射された光を反射する筐体と、筐体とともに灯室を画成するレンズ部とを有している。筐体は、前面を開口し後方に凸形状となるよう形成され、レンズ部により筐体の開口が略閉塞される。各灯室部は、車両の状況等に応じて、それぞれ独立的に点灯・消灯する。各灯室部は、互いに光学的に干渉しないように、且つ、それぞれ発光面積を確保するように、前面視にて互いに重ならないように配される。
【0003】
また、この車両用灯具は、光源体として電球が用いられる。この電球が車両外部から直接的に視認されると、車両の外観上好ましくない。そこで、車両用灯具の灯室内には、この電球を覆う隠蔽部材としてのシェードが配される。すなわち、この車両用灯具によれば、隠蔽部材により電球が隠蔽されるため、歩行者等に電球が視認されず、車両外観を良好なものとすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両用灯具では、発光方向(前後方向)に重ならないように各灯室が配されているので、灯具が全体として大型になるという問題点があった。これにより、車両の造形の自由度が制限されることは勿論のこと、発光方向の投影面積が増大することにより車両の投影面積もまた増大し、車両の造形が空気力学的に不利な形状となる。また、レンズ部における隠蔽部材に対応する部分が発光部分として十分に機能しないため発光効率が低下し、レンズ部全体を有効に利用することができないという問題点もある。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各灯室の発光面積を確保しつつ小型化を図り、且つ、レンズ部全体を有効に利用することができる車両用灯具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、光源体と、開口部が形成され前記光源体から放射された光を反射する部分を具備する筐体と、前記筐体の前記開口部を閉塞するレンズ部とをそれぞれ有し、前記筐体及び前記レンズ部によりそれぞれ灯室を画成する第1灯室部及び第2灯室部を備えた車両用灯具であって、前記第1灯室部の前記レンズ部は、車両側から略前方または略後方へ光を透過させるものであって、前記第1灯室部の前記灯室に、前記第2灯室部の少なくとも一部を配するとともに、前記第1灯室部の前記光源体と、前記第2灯室部とが、略前後方向に重なるよう構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、第2灯室部の少なくとも一部が第1灯室部の灯室に配されたことにより、第1灯室部と第2灯室部とが独立して設置されているものに比して、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減ずることができる。
【0008】
第2灯室部の光源体が消灯した状態で第1灯室部の光源体が点灯すると、第1灯室部の光源体から放射された光の一部は第2灯室部により遮られ、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部の投影部分へは光が直接的に入射しない。ここで、第1灯室部の筐体により灯室内に光が反射することから、この投影部分へは反射した光が入射する。すなわち、第1灯室部のレンズ部全体に光が入射し、車両外部からは第1灯室部のレンズ部全体が発光した状態が視認される。
また、第1灯室部の光源体が消灯した状態で第2灯室部の光源体が点灯すると、第2灯室部のレンズ部に光が入射する。これにより、車両外部からは、第1灯室部のレンズ部を通じて、第2灯室部のレンズ部が発光した状態が視認される。また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体がそれぞれ点灯すると、第1灯室部のレンズ部全体が第1灯室部の光源体の光により発光するとともに、第2灯室部のレンズ部が第2灯室部の光源体の光により発光する。これにより、車両外部からは、第1灯室部のレンズ部を通じて、第2灯室部のレンズ部の発光が視認される。
【0009】
また、車両の前方または後方からは、第1灯室部の光源体は、第2灯室部と重なるので視認することができない。すなわち、第2灯室部は、灯室としての機能と、第1灯室部の光源体を隠蔽する機能とを併有することとなる。
【0010】
従って、第1灯室部及び第2灯室部の発光面積を確保しつつ、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減じて、灯具全体として小型化を図ることができる。これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体の発光時に、第1灯室部のレンズ部のを通じて第2灯室部のレンズ部の発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
【0011】
また、第1灯室部の光源体を第2灯室部により略隠蔽し、灯具の見栄えを良好なものとし、灯具、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、第1灯室部の光源体の隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部に対応する部分は、第2灯室部の発光部分として利用されるので、第1灯室部のレンズ部全体を有効に利用することができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の外面における前記第1灯室部の前記光源体側に、光を反射させるよう表面処理を施したことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、光源体から第2灯室部の外面に向けて放射された光は、第1灯室部の灯室内に向かって反射する。すなわち、第2灯室部の外面に表面処理が施されていないもののように、第2灯室部の外面にて光源体から放射された光が吸収されることがない。
さらにまた、第1灯室部が消灯状態のときには、第1灯室部の筐体に、第2灯室部の外面が映ることとなる。ここで、この第2灯室部の外面には表面処理が施されているので、第1灯室部の筐体が映っている。すなわち、第1灯室部の筐体には、第1灯室部の筐体が映った状態の第2灯室部の外面が映っているので、車両外部から第2灯室部が明確に視認されることはなく、第1灯室部の筐体内は一体的な色相を呈することとなる。
【0014】
従って、第2灯室部にて第1灯室部の灯室内の光が吸収されて第1灯室部のレンズ部の発光効率が低下することはなく、第1灯室部の光源体から放射された光を有効に利用することができる。さらに、第1灯室部の光源体の点灯時には、第2灯室部の影が第1灯室部のレンズ部に映り込むことはなく、第1灯室部のレンズ部を略均一な明度で発光させることができるし、第1灯室部の光源体の消灯時には、第2灯室部が第1灯室部の筐体に映り込むことはなく、第1灯室部の光源体の点灯時及び消灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の前記筐体を、ハーフミラーにより形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、ハーフミラーは第2灯室内の光を反射するとともに、第1灯室部から入射する光を透過する。すなわち、第2灯室部の筐体がハーフミラーから形成されていないもののように、第2灯室部の外面にて光源体から放射された光の進行が妨げられることはない。
【0017】
従って、第2灯室部にて第1灯室部の灯室内の光の進行が妨げられて、第1灯室部のレンズ部の発光効率が低下することはなく、第1灯室部の光源体から放射された光を有効に利用することができる。すなわち、第1灯室部のレンズ部を略均一な明度で発光させることができ、第1灯室部の光源体の点灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0018】
請求項4記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第1灯室部の前記レンズ部はクリアレンズであり、前記第2灯室部の前記レンズ部の少なくとも一部は、前記第2灯室部の前記灯室内の光を拡散させる拡散レンズであることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部のレンズ部がクリアレンズであることから、第2灯室部のレンズ部が発光した状態を、第1灯室部のレンズ部を通じ、車両外部から鮮明に視認することができる。また、第2灯室部のレンズ部の少なくとも一部が拡散レンズであることから、このレンズ部の照射範囲が比較的広く、第2灯室部のレンズ部が発光した状態を、車両外部から確実に視認することができる。
【0020】
従って、第2灯室部の光源体が点灯したときに、車両外部から第2灯室部を鮮明且つ確実に視認することができる。すなわち、第1灯室部及び第2灯室部の光源体が点灯した際にも、第1灯室部のレンズ部が発光した状態であっても、第2灯室部のレンズ部の発光を鮮明且つ確実に視認することができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第1灯室部の前記光源体から放射された光の、前記第2灯室部の前記レンズ部への直接的な入射を阻止する遮光突部を、前記第2灯室部の前記筐体の外面に形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の光源体から放射された光のうち、第2灯室部のレンズ部へ向かって放射されたものについては、遮光突部によりレンズ部への入射が阻止される。
【0023】
従って、第1灯室部の光源体の光が直接的に第2灯室部のレンズ部へ入射し、第2灯室部のレンズ部が発光してしまうことはない。すなわち、第1灯室部の光源体の点灯による第2灯室部のレンズ部の発光を防止し、第1灯室部及び第2灯室部のレンズ部の発光が、より明確に区別されて視認されることとなる。
【0024】
請求項6記載の発明では、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の前記筐体に、前記第1灯室部の前記光源体の光を、前記第2灯室部の前記レンズ部の一部に案内するスリットを形成したことを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の光源体が点灯すると、この光源体から放射された光は、スリットを通じて第2灯室部のレンズ部の一部へ入射する。これにより、第1灯室部の光源体の点灯時は、第1灯室部のレンズ部とともに第2灯室部のレンズ部の一部が発光する。
これにより、第1灯室部が消灯状態のときに第2灯室部の光源体が点灯すると、この光源体の光により第2灯室部のレンズ部全体が発光する。また、第2灯室部が消灯状態のときに第1灯室部の光源体が点灯すると、この光源体の光により第1灯室部のレンズ部全体と第2灯室部のレンズ部の一部とが発光する。さらに、第1灯室部及び第2灯室部の光源体がともに点灯すると、第1灯室部の光源体により第1灯室部のレンズ部全体と第2灯室部のレンズ部の一部とが発光するとともに、第2灯室部の光源体により第2灯室部のレンズ部の他部が発光する。
【0026】
従って、第1灯室部及び第2灯室部の他方が消灯状態のときに一方が点灯状態となると、一方の灯室部のレンズ部全体が発光するので、レンズ部の発光面積を最大限に利用することができ、各レンズ部の視認性を向上させることができる。また、各灯室部がともに点灯状態となると、第1灯室部の光源体により、第2灯室部のレンズ部の一部が発光するので、第2灯室部に関しては、第2灯室部が単独で点灯状態となった際と異なる発光状態となり、視認者等の注意を引きつけることができ、視認性をさらに向上することができる。また、第1灯室部の点灯状態に応じて、第2灯室部を異なる発光状態とすることができることから、車両の造形上の自由度が格段に向上し、車両の商品性を向上することができる。
さらに、例えば、第2灯室部のレンズ部の発光部分により第1灯室部のレンズ部の発光部分が分断されている場合に、分断された第1灯室部のレンズ部の発光部分を連結するように、第2灯室部のレンズ部の一部を配することにより、第1灯室部が分断されることなく発光させることも可能であり、実用に際して極めて有利である。
【0027】
請求項7記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第2灯室部は、前記第1灯室部の前記灯室内を横断するように配されることを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の灯室外にて第2灯室部を両端で支持する構造とすることができ、第2灯室部を確実に支持することができる。すなわち、例えば、第2灯室部の一端が第1灯室内に配されるもののように、第2灯室部が片持ち構造で支持され、第2灯室部が不安定な状態となることはない。
【0029】
従って、車両の走行時に第2灯室部が過度に振動して、第2灯室部を支持する部位に繰り返し荷重等が加わることはなく、第2灯室部の信頼耐久性を向上することができる。また、これにより、長期の使用に際し、第2灯室部が変形等することはなく、第1灯室部の光源体の隠蔽をより確実に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1から図4は本発明の一実施形態を示すもので、図1は車両用灯具が自動車車両に固定された状態を示す自動車車両の外観斜視図、図2は車両用灯具の正面図、図3は車両用灯具の側面断面図、図4は車両用灯具の上面断面図である。
【0031】
この車両用灯具1は、いわゆるヘッドライトと呼ばれるものであり、図1に示すように、自動車の前端両側に左右対称となるように備えられる。この車両用灯具1は、それぞれ光源体としてのバルブ2a,3a,4a,5aが後側に配された複数の灯室部2,3,4,5を備えている。各灯室部2,3,4,5は、前側のレンズ部2b,3b,4b,5bと、後側の筐体2c,3c,4c,5cとにより画成される。レンズ部2b,3b,4b,5bは樹脂等からなり、入射した光を略前方へ透過するよう構成される。筐体2c,3c,4c,5cは入射した光を反射する部分を具備し、この部分は内面にアルミニウムが蒸着された樹脂等からなる。
【0032】
すなわち、バルブ2a,3a,4a,5aからレンズ部2b,3b,4b,5bに向かって放射された光は、レンズ部2b,3b,4b,5bを通じて灯室部2,3,4,5から車両前方へと進む。また、筐体2c,3c,4c,5cに向かって放射された光は、灯室部2,3,4,5内に向かって反射した後、レンズ部2b,3b,4b,5bを通じて灯室部2,3,4,5から車両前方へと進む。これにより、各灯室部2,3,4,5のバルブ2a,3a,4a,5aが点灯すると、レンズ部2b,3b,4b,5bが発光し、車両前方に光が放射されるようになっている。
【0033】
本実施形態においては、ハイビーム用灯室2と、ロービーム用灯室3と、ターンシグナル用灯室部4と、クリアランス用灯室部5とが備えられる。尚、各灯室部2,3,4,5の自動車車両における役割・機能については、従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。図3に示すように、ターンシグナル用灯室部4の内部にはクリアランス用灯室部5の一部が配され、図2に示すように、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと、クリアランス用灯室部5の一部とが重なるよう構成されている。以下、本発明の特徴構成である第1灯室部としてのターンシグナル用灯室部4と第2灯室部としてのクリアランス用灯室部5について説明する。
【0034】
ターンシグナル用灯室部4はバルブ4aが点灯するとレンズ部4bが黄色となるよう発光し、クリアランス用灯室部5はバルブ5aが点灯するとレンズ部5bが白色となるよう発光する。本実施形態においては、各レンズ部4b,5bは無色であり、バルブ4a及びバルブ5aが、黄色及び白色に発光するようになっている。
【0035】
図2に示すように、クリアランス用灯室部5は、左右方向にターンシグナル用灯室部4内を貫通するよう配される。本実施形態においては、クリアランス用灯室部5はターンシグナル用灯室部4の上下中央付近を貫通し、クリアランス用灯室部5はターンシグナル用灯室部4の灯室内を横断するように配される。すなわち、本実施形態においては、車両用灯具1は、ターンシグナル用灯室部4の灯室外にてクリアランス用灯室部5を両端で支持する構造とすることができ、クリアランス用灯室部5を確実に支持することができる。
【0036】
ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aは灯室部4の上下中央付近に設けられており、図2に示すように、このクリアランス用灯室部5のターンシグナル用灯室部4内への突出部分5dと、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aとが、前面視にて重なるようになっている。クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面にはアルミニウムが蒸着され、入射した光を反射するようになっている。また、クリアランス用灯室部5のバルブ5aは、灯室部5内の左右中央側に配されており、ターンシグナル用灯室部4の外側に設置されている。尚、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のレンズ部4b,5bは、左右外側に向かって斜め後方に傾斜するよう形成される。
【0037】
また、図4に示すように、クリアランス用灯室部5の突出部分5dにはスリット5eが形成され、ターンシグナル用灯室部4内の光がクリアランス用灯室部5内に入射するようになっている。本実施形態においては、筐体5cの左右外側(図4中右側)に複数のスリット5eが設けられ、各スリット5eは略前後方向に延びる側壁5fによりそれぞれ形成される。これにより、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、バルブ4aの光がレンズ部5bの一部に案内され、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部が、バルブ4aの色(黄色)に発光するようになっている。
ここで、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bは全面がクリアレンズである。また、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bは、各スリット5eに対応する部分がクリアレンズであり、この部分以外は拡散レンズとなっている。
【0038】
また、図3に示すように、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面には、遮光突部5gが形成される。この遮光突部5gは、筐体5cの上部と下部とにそれぞれ設けられる。本実施形態においては、レンズ部5b及び筐体5cは後部上方と前部下方とがそれぞれ略水平に形成され、後部上方ではレンズ部5bが上側となるように、前部下方ではレンズ部5bが下側となるように、互いに当接している。そして、筐体5cの後部上方におけるレンズ5bの後方には、遮光突部5gが上方に突出するよう形成され、筐体5cの前部下方におけるレンズ部5bの後方には、遮光突部5gが下方に突出するよう形成される。
【0039】
以上のように構成された車両用灯具1においては、クリアランス用灯室部5の一部がターンシグナル用灯室部4の灯室内に配されたことにより、ターンシグナル用灯室部4とクリアランス用灯室部5とが独立して設置されているものに比して、各灯室部4,5に要するスペースを減ずることができる。
【0040】
ここで、車両の前方からは、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aが、クリアランス灯室部5と重なるので視認することができない。すなわち、クリアランス用灯室部5は、灯室としての機能と、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aを隠蔽する機能とを併有することとなる。尚、クリアランス灯室部5の筐体5cの各スリット5eが、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと、前面視にて重ならないようになっていることから、車両の前方から各レンズ部4b,5bを通じてバルブ4aを視認することもできない。さらに、各スリット5eの側壁5fが前後方向に延びていることから、車両の斜め前方からも、バルブ4aを視認することはできない。すなわち、筐体5cの各スリット5eを通じては、車両外部からバルブ4aを全く視認することができない。
【0041】
また、クリアランス用灯室部5のバルブ5aが消灯した状態でターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光の一部はクリアランス用灯室部5により遮られ、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bにおけるクリアランス用灯室部5の投影部分へは光が直接的に入射しない。ここで、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cにより灯室内に光が反射することから、この投影部分へは反射した光が入射する。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体に光が入射し、車両外部からはターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体が発光した状態が視認される。
【0042】
また、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが消灯した状態でクリアランス用灯室部5のバルブ5aが点灯すると、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bに光が入射する。これにより、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bが発光した状態が視認される。
【0043】
また、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aがそれぞれ点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体がバルブ4aの光により発光するとともに、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bがバルブ5aの光により発光する。これにより、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認される。
【0044】
このように、各灯室部4,5の何れか一方又は両方が発光状態となると、各レンズ部4b,5bが発光するようになっている。
ここで、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、バルブ4aから放射された光は、各スリット5eを通じてクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部へ入射する。これにより、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時は、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bとともにターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの一部が発光する。
【0045】
すなわち、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aがともに点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aによりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体とクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部とが発光するとともに、クリアランス用灯室部5のバルブ5aによりクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの他部が発光する。このとき、各スリット5eは、筐体5cのほぼ上下に亘って形成されているので、レンズ部5bの各スリット5eに対応する部分は上下に亘ってターンシグナル用のバルブ4aの色に発光する。すなわち、前面視にてクリアランス用灯室部5によりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bが上下に分断されているものの、レンズ部5bの各スリット5eに対応する部分がバルブ4aにより発光するので、車両外部からは、バルブ4aの色により発光する部分が連続して一体的に視認される。
【0046】
尚、ターンシグナル用灯室部4が消灯状態のときにクリアランス灯室部5のバルブ5aが点灯すると、このバルブ5aの光によりクリアランス用灯室部5のレンズ部5b全体が白色に発光し、クリアランス用灯室部5が消灯状態のときにターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、このバルブ4aの光により灯室部4のレンズ部4b全体が黄色に発光するのは前述の通りである。
【0047】
ここで、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aからクリアランス用灯室部5に向けて放射された光は、筐体5cの外面に表面処理が施されていることから、ターンシグナル用灯室部4の灯室内に向かって反射する。すなわち、クリアランス用灯室部5の外面に表面処理が施されていないもののように、クリアランス用灯室部5の外面にてバルブ4aから放射された光が吸収されることはない。
【0048】
さらにまた、ターンシグナル用灯室部4が消灯状態のときには、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cに、クリアランス用灯室部5の外面が映ることとなる。ここで、このクリアランス用灯室部5の外面には表面処理が施されているので、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cが映っている。すなわち、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cには、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cが映った状態のクリアランス用灯室部5の外面が映っているので、車両外部からクリアランス用灯室部5が視認されることはなく、ターンシグナル用灯室部4の筐体4c内は一体的な色相を呈することとなる。
【0049】
また、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光のうち、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ向かって放射されたものについては、各遮光突部5gによりレンズ部5bへの入射が阻止される。
【0050】
また、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bがクリアレンズであることから、クリアランス灯室部5のレンズ部5bが発光した状態を、クリアランス灯室部5のレンズ部5bを通じ、車両外部から鮮明に視認することができる。また、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの少なくとも一部が拡散レンズであることから、このレンズ部5bの照射範囲が比較的広く、クリアランス灯室部5のレンズ部5bが発光した状態を、車両外部から確実に視認することができる。
【0051】
さらに、クリアランス用灯室部5は、ターンシグナル用灯室部4の灯室外にて両端で確実に支持される。クリアランス用灯室部5の一端がターンシグナル用灯室部4内に配されるもののように、クリアランス用灯室部5が片持ち構造で支持され、クリアランス用灯室部5が不安定な状態となることはない。
【0052】
このように、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5の一部がターンシグナル用灯室部4の灯室内に配されたので、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5の発光面積を確保しつつ、各灯室部4,5に要するスペースを減じて、灯具1全体として小型化を図ることができる。
これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具1の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aの発光時に、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じてクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
【0054】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aとクリアランス用灯室部5とが重なるよう配したので、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aをクリアランス用灯室部5により略隠蔽し、灯具1の見栄えを良好なものとし、灯具1、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bにおけるクリアランス用灯室部5に対応する部分は、クリアランス用灯室部5の発光部分として利用されるので、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体を有効に利用することができる。ここで、前面視にて各スリット5eをバルブ4aと重ならないように配するとともに、各スリット5eを前後方向に延びるよう形成したので、車両外部からは各スリット5eを通じてもバルブ4aを全く視認することができず、各スリット5eを設けてもバルブ4aの隠蔽性が低下することはない。
【0055】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面に表面処理を施したので、クリアランス用灯室部5にてターンシグナル用灯室部4の灯室内の光が吸収されてターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光効率が低下することはなく、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aから放射された光を有効に利用することができる。
さらに、クリアランス用灯室部5の外面にて光が反射するので、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時には、クリアランス用灯室部5の影がターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bに映り込むことはなく、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを略均一な明度で発光させることができるし、バルブ4aの消灯時には、クリアランス用灯室部5がターンシグナル用灯室部4の筐体4cに映り込むことはなく、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時及び消灯時における灯具1の美観を向上することができる。
【0056】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光のうち、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ向かって放射されたものについては、各遮光突部5gによりレンズ部5bへの入射が阻止されるようにしたので、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aの光が直接的にクリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ入射してクリアランス用灯室部5のレンズ部5bが発光してしまうことはない。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯によるクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光を防止し、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が、より明確に区別されて視認されることとなる。
【0057】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5の他方が消灯状態のときに一方が点灯状態となると、一方の灯室部4,5のレンズ部4b,5b全体が発光するので、レンズ部4b,5bの発光面積を最大限に利用することができ、各レンズ部4b,5bの視認性を向上することができる。
【0058】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5にスリット5eを設け、各灯室部4,5がともに点灯状態となると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aにより、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部が発光するようにしたので、クリアランス用灯室部5に関しては、クリアランス用灯室部5が単独で点灯状態となった際と異なる発光状態となり、視認者等の注意を引きつけることができ、視認性をさらに向上することができる。
また、ターンシグナル用灯室部4の点灯状態に応じて、クリアランス用灯室部5を異なる発光状態とすることができることから、車両の造形上の自由度が格段に向上し、車両の商品性を向上することができる。
【0059】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光部分によりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光部分が分断されているものの、ターンシグナル用のバルブ4aの点灯時に、分断されたターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光部分を連結するようにクリアランス用灯室部5のレンズ部の一部を発光させることにより、ターンシグナル用の黄色発光部がクリアランス用の白色発光部により分断されることはなく、実用に際して極めて有利である。
【0060】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、クリアランス用灯室部5のバルブ5aが、ターンシグナル用灯室部4と重ならないように配したので、バルブ5aの配線等はターンシグナル用灯室部4の外部に引き回されることとなる。従って、バルブ5aの配線等がターンシグナル用灯室部4の灯室内にて光を遮光・吸収するということはなく、ターンシグナル用灯室部4の機能に支障をきたすことはない。
【0061】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5を両端にて支持するようにしたので、車両の走行時にクリアランス用灯室部5が過度に振動して、クリアランス用灯室部5を支持する部位に繰り返し荷重等が加わることはなく、クリアランス用灯室部5の信頼耐久性を向上することができる。また、これにより、長期の使用に際し、クリアランス用灯室部5が変形等することはなく、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの隠蔽をより確実に行うことができる。
【0062】
尚、前記実施形態においては、車両の前端に設けられるヘッドライトに本発明の車両用灯具1を適用したものを示したが、例えば、車両の後端に設けられるテールランプ等に適用してもよいことは勿論である。
【0063】
また、前記実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4の灯室内にクリアランス用灯室部5を配したものを示したが、例えば、クリアランス用灯室部の灯室内にターンシグナル用灯室部を配したものであってもよい。すなわち、各灯室部の機能が如何なるものであっても、一の灯室部の灯室内に他の灯室部の少なくとも一部が配されたものであれば、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、前記実施形態においては、光源体としてバルブ4a,5aを使用したものを示したが、光源体は、例えばLED等のように光を放射するものであれば、如何なるものを使用してもよい。
【0065】
また、前記実施形態においては、筐体4c,5cの表面にアルミニウムを蒸着させたものを示したが、銀色塗装等により光を反射するようにしたものであってもよい。
【0066】
また、前記実施形態においては、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面に光を反射する表面処理を施したものを示したが、この筐体5cをハーフミラーにより形成してもよい。この場合、ハーフミラーはクリアランス用灯室部5内の光を反射するとともに、ターンシグナル用灯室部4から入射する光を透過する。これによっても、クリアランス用灯室部5の筐体5cがハーフミラーから形成されていないもののように、筐体5cの外面にてターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光の進行が妨げられることはない。
従って、これによっても、クリアランス用灯室部5にてターンシグナル用灯室部4の灯室内の光の進行が妨げられて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光効率が低下することはなく、クリアランス用灯室部4のバルブ4aから放射された光を有効に利用することができる。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを略均一な明度で発光させることができ、バルブ4aの点灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0067】
また、前記実施形態においては、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bがクリアランス用灯室部5のレンズ部5bに上下方向に分断されるものを示したが、他の方向に分断されるものであってもよいことは無論、分断されないものであってもよく、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の自動車の車両用灯具によれば、第1灯室部及び第2灯室部の発光面積を確保しつつ、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減じて、灯具全体として小型化を図ることができる。これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体の発光時に、第1灯室部のレンズ部を通じて第2灯室部のレンズ部の発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
また、第1灯室部の光源体を第2灯室部により略隠蔽し、灯具の見栄えを良好なものとし、灯具、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、第1灯室部の光源体の隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部に対応する部分は、第2灯室部の発光部分として利用されるので、第1灯室部のレンズ部全体を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、車両用灯具が自動車車両に固定された状態を示す自動車車両の外観斜視図である。
【図2】車両用灯具の正面図である。
【図3】車両用灯具の側面断面図である。
【図4】車両用灯具の上面断面図である。
【符号の説明】
1 車両用灯具
2 ハイビーム用灯室部
2a バルブ
2b レンズ部
2c 筐体
3 ロービーム用灯室部
3a バルブ
3b レンズ部
3c 筐体
4 ターンシグナル用灯室部
4a バルブ
4b レンズ部
4c 筐体
5 クリアランス用灯室部
5a バルブ
5b レンズ部
5c 筐体
5d 突出部分
5e スリット
5g 遮光突部
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源体を有する複数の灯室を備えた車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用灯具として、自動車車両の前部に固定され、車両前方に光を照射するロービーム機能及びハイビーム機能と、車両外部に右左折等を報知するターンシグナル機能と、車両外部に車幅等を報知するクリアランス機能とを有するものが知られている。この車両用灯具は、いわゆるヘッドライトと呼ばれるものであり、ロービーム用灯室部、ハイビーム用灯室部、ターンシグナル用灯室部、クリアランス用灯室部を、それぞれ独立的に備えている。各灯室部はそれぞれ光源体と、光源体から放射された光を反射する筐体と、筐体とともに灯室を画成するレンズ部とを有している。筐体は、前面を開口し後方に凸形状となるよう形成され、レンズ部により筐体の開口が略閉塞される。各灯室部は、車両の状況等に応じて、それぞれ独立的に点灯・消灯する。各灯室部は、互いに光学的に干渉しないように、且つ、それぞれ発光面積を確保するように、前面視にて互いに重ならないように配される。
【0003】
また、この車両用灯具は、光源体として電球が用いられる。この電球が車両外部から直接的に視認されると、車両の外観上好ましくない。そこで、車両用灯具の灯室内には、この電球を覆う隠蔽部材としてのシェードが配される。すなわち、この車両用灯具によれば、隠蔽部材により電球が隠蔽されるため、歩行者等に電球が視認されず、車両外観を良好なものとすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両用灯具では、発光方向(前後方向)に重ならないように各灯室が配されているので、灯具が全体として大型になるという問題点があった。これにより、車両の造形の自由度が制限されることは勿論のこと、発光方向の投影面積が増大することにより車両の投影面積もまた増大し、車両の造形が空気力学的に不利な形状となる。また、レンズ部における隠蔽部材に対応する部分が発光部分として十分に機能しないため発光効率が低下し、レンズ部全体を有効に利用することができないという問題点もある。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、各灯室の発光面積を確保しつつ小型化を図り、且つ、レンズ部全体を有効に利用することができる車両用灯具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、光源体と、開口部が形成され前記光源体から放射された光を反射する部分を具備する筐体と、前記筐体の前記開口部を閉塞するレンズ部とをそれぞれ有し、前記筐体及び前記レンズ部によりそれぞれ灯室を画成する第1灯室部及び第2灯室部を備えた車両用灯具であって、前記第1灯室部の前記レンズ部は、車両側から略前方または略後方へ光を透過させるものであって、前記第1灯室部の前記灯室に、前記第2灯室部の少なくとも一部を配するとともに、前記第1灯室部の前記光源体と、前記第2灯室部とが、略前後方向に重なるよう構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、第2灯室部の少なくとも一部が第1灯室部の灯室に配されたことにより、第1灯室部と第2灯室部とが独立して設置されているものに比して、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減ずることができる。
【0008】
第2灯室部の光源体が消灯した状態で第1灯室部の光源体が点灯すると、第1灯室部の光源体から放射された光の一部は第2灯室部により遮られ、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部の投影部分へは光が直接的に入射しない。ここで、第1灯室部の筐体により灯室内に光が反射することから、この投影部分へは反射した光が入射する。すなわち、第1灯室部のレンズ部全体に光が入射し、車両外部からは第1灯室部のレンズ部全体が発光した状態が視認される。
また、第1灯室部の光源体が消灯した状態で第2灯室部の光源体が点灯すると、第2灯室部のレンズ部に光が入射する。これにより、車両外部からは、第1灯室部のレンズ部を通じて、第2灯室部のレンズ部が発光した状態が視認される。また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体がそれぞれ点灯すると、第1灯室部のレンズ部全体が第1灯室部の光源体の光により発光するとともに、第2灯室部のレンズ部が第2灯室部の光源体の光により発光する。これにより、車両外部からは、第1灯室部のレンズ部を通じて、第2灯室部のレンズ部の発光が視認される。
【0009】
また、車両の前方または後方からは、第1灯室部の光源体は、第2灯室部と重なるので視認することができない。すなわち、第2灯室部は、灯室としての機能と、第1灯室部の光源体を隠蔽する機能とを併有することとなる。
【0010】
従って、第1灯室部及び第2灯室部の発光面積を確保しつつ、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減じて、灯具全体として小型化を図ることができる。これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体の発光時に、第1灯室部のレンズ部のを通じて第2灯室部のレンズ部の発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
【0011】
また、第1灯室部の光源体を第2灯室部により略隠蔽し、灯具の見栄えを良好なものとし、灯具、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、第1灯室部の光源体の隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部に対応する部分は、第2灯室部の発光部分として利用されるので、第1灯室部のレンズ部全体を有効に利用することができる。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の外面における前記第1灯室部の前記光源体側に、光を反射させるよう表面処理を施したことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、光源体から第2灯室部の外面に向けて放射された光は、第1灯室部の灯室内に向かって反射する。すなわち、第2灯室部の外面に表面処理が施されていないもののように、第2灯室部の外面にて光源体から放射された光が吸収されることがない。
さらにまた、第1灯室部が消灯状態のときには、第1灯室部の筐体に、第2灯室部の外面が映ることとなる。ここで、この第2灯室部の外面には表面処理が施されているので、第1灯室部の筐体が映っている。すなわち、第1灯室部の筐体には、第1灯室部の筐体が映った状態の第2灯室部の外面が映っているので、車両外部から第2灯室部が明確に視認されることはなく、第1灯室部の筐体内は一体的な色相を呈することとなる。
【0014】
従って、第2灯室部にて第1灯室部の灯室内の光が吸収されて第1灯室部のレンズ部の発光効率が低下することはなく、第1灯室部の光源体から放射された光を有効に利用することができる。さらに、第1灯室部の光源体の点灯時には、第2灯室部の影が第1灯室部のレンズ部に映り込むことはなく、第1灯室部のレンズ部を略均一な明度で発光させることができるし、第1灯室部の光源体の消灯時には、第2灯室部が第1灯室部の筐体に映り込むことはなく、第1灯室部の光源体の点灯時及び消灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0015】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の前記筐体を、ハーフミラーにより形成したことを特徴とする。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、ハーフミラーは第2灯室内の光を反射するとともに、第1灯室部から入射する光を透過する。すなわち、第2灯室部の筐体がハーフミラーから形成されていないもののように、第2灯室部の外面にて光源体から放射された光の進行が妨げられることはない。
【0017】
従って、第2灯室部にて第1灯室部の灯室内の光の進行が妨げられて、第1灯室部のレンズ部の発光効率が低下することはなく、第1灯室部の光源体から放射された光を有効に利用することができる。すなわち、第1灯室部のレンズ部を略均一な明度で発光させることができ、第1灯室部の光源体の点灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0018】
請求項4記載の発明では、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第1灯室部の前記レンズ部はクリアレンズであり、前記第2灯室部の前記レンズ部の少なくとも一部は、前記第2灯室部の前記灯室内の光を拡散させる拡散レンズであることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、請求項1から3のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部のレンズ部がクリアレンズであることから、第2灯室部のレンズ部が発光した状態を、第1灯室部のレンズ部を通じ、車両外部から鮮明に視認することができる。また、第2灯室部のレンズ部の少なくとも一部が拡散レンズであることから、このレンズ部の照射範囲が比較的広く、第2灯室部のレンズ部が発光した状態を、車両外部から確実に視認することができる。
【0020】
従って、第2灯室部の光源体が点灯したときに、車両外部から第2灯室部を鮮明且つ確実に視認することができる。すなわち、第1灯室部及び第2灯室部の光源体が点灯した際にも、第1灯室部のレンズ部が発光した状態であっても、第2灯室部のレンズ部の発光を鮮明且つ確実に視認することができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第1灯室部の前記光源体から放射された光の、前記第2灯室部の前記レンズ部への直接的な入射を阻止する遮光突部を、前記第2灯室部の前記筐体の外面に形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の光源体から放射された光のうち、第2灯室部のレンズ部へ向かって放射されたものについては、遮光突部によりレンズ部への入射が阻止される。
【0023】
従って、第1灯室部の光源体の光が直接的に第2灯室部のレンズ部へ入射し、第2灯室部のレンズ部が発光してしまうことはない。すなわち、第1灯室部の光源体の点灯による第2灯室部のレンズ部の発光を防止し、第1灯室部及び第2灯室部のレンズ部の発光が、より明確に区別されて視認されることとなる。
【0024】
請求項6記載の発明では、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第2灯室部の前記筐体に、前記第1灯室部の前記光源体の光を、前記第2灯室部の前記レンズ部の一部に案内するスリットを形成したことを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の発明によれば、請求項1から5のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の光源体が点灯すると、この光源体から放射された光は、スリットを通じて第2灯室部のレンズ部の一部へ入射する。これにより、第1灯室部の光源体の点灯時は、第1灯室部のレンズ部とともに第2灯室部のレンズ部の一部が発光する。
これにより、第1灯室部が消灯状態のときに第2灯室部の光源体が点灯すると、この光源体の光により第2灯室部のレンズ部全体が発光する。また、第2灯室部が消灯状態のときに第1灯室部の光源体が点灯すると、この光源体の光により第1灯室部のレンズ部全体と第2灯室部のレンズ部の一部とが発光する。さらに、第1灯室部及び第2灯室部の光源体がともに点灯すると、第1灯室部の光源体により第1灯室部のレンズ部全体と第2灯室部のレンズ部の一部とが発光するとともに、第2灯室部の光源体により第2灯室部のレンズ部の他部が発光する。
【0026】
従って、第1灯室部及び第2灯室部の他方が消灯状態のときに一方が点灯状態となると、一方の灯室部のレンズ部全体が発光するので、レンズ部の発光面積を最大限に利用することができ、各レンズ部の視認性を向上させることができる。また、各灯室部がともに点灯状態となると、第1灯室部の光源体により、第2灯室部のレンズ部の一部が発光するので、第2灯室部に関しては、第2灯室部が単独で点灯状態となった際と異なる発光状態となり、視認者等の注意を引きつけることができ、視認性をさらに向上することができる。また、第1灯室部の点灯状態に応じて、第2灯室部を異なる発光状態とすることができることから、車両の造形上の自由度が格段に向上し、車両の商品性を向上することができる。
さらに、例えば、第2灯室部のレンズ部の発光部分により第1灯室部のレンズ部の発光部分が分断されている場合に、分断された第1灯室部のレンズ部の発光部分を連結するように、第2灯室部のレンズ部の一部を配することにより、第1灯室部が分断されることなく発光させることも可能であり、実用に際して極めて有利である。
【0027】
請求項7記載の発明では、請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用灯具において、前記第2灯室部は、前記第1灯室部の前記灯室内を横断するように配されることを特徴とする。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、請求項1から6のいずれか一項の作用に加え、第1灯室部の灯室外にて第2灯室部を両端で支持する構造とすることができ、第2灯室部を確実に支持することができる。すなわち、例えば、第2灯室部の一端が第1灯室内に配されるもののように、第2灯室部が片持ち構造で支持され、第2灯室部が不安定な状態となることはない。
【0029】
従って、車両の走行時に第2灯室部が過度に振動して、第2灯室部を支持する部位に繰り返し荷重等が加わることはなく、第2灯室部の信頼耐久性を向上することができる。また、これにより、長期の使用に際し、第2灯室部が変形等することはなく、第1灯室部の光源体の隠蔽をより確実に行うことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1から図4は本発明の一実施形態を示すもので、図1は車両用灯具が自動車車両に固定された状態を示す自動車車両の外観斜視図、図2は車両用灯具の正面図、図3は車両用灯具の側面断面図、図4は車両用灯具の上面断面図である。
【0031】
この車両用灯具1は、いわゆるヘッドライトと呼ばれるものであり、図1に示すように、自動車の前端両側に左右対称となるように備えられる。この車両用灯具1は、それぞれ光源体としてのバルブ2a,3a,4a,5aが後側に配された複数の灯室部2,3,4,5を備えている。各灯室部2,3,4,5は、前側のレンズ部2b,3b,4b,5bと、後側の筐体2c,3c,4c,5cとにより画成される。レンズ部2b,3b,4b,5bは樹脂等からなり、入射した光を略前方へ透過するよう構成される。筐体2c,3c,4c,5cは入射した光を反射する部分を具備し、この部分は内面にアルミニウムが蒸着された樹脂等からなる。
【0032】
すなわち、バルブ2a,3a,4a,5aからレンズ部2b,3b,4b,5bに向かって放射された光は、レンズ部2b,3b,4b,5bを通じて灯室部2,3,4,5から車両前方へと進む。また、筐体2c,3c,4c,5cに向かって放射された光は、灯室部2,3,4,5内に向かって反射した後、レンズ部2b,3b,4b,5bを通じて灯室部2,3,4,5から車両前方へと進む。これにより、各灯室部2,3,4,5のバルブ2a,3a,4a,5aが点灯すると、レンズ部2b,3b,4b,5bが発光し、車両前方に光が放射されるようになっている。
【0033】
本実施形態においては、ハイビーム用灯室2と、ロービーム用灯室3と、ターンシグナル用灯室部4と、クリアランス用灯室部5とが備えられる。尚、各灯室部2,3,4,5の自動車車両における役割・機能については、従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。図3に示すように、ターンシグナル用灯室部4の内部にはクリアランス用灯室部5の一部が配され、図2に示すように、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと、クリアランス用灯室部5の一部とが重なるよう構成されている。以下、本発明の特徴構成である第1灯室部としてのターンシグナル用灯室部4と第2灯室部としてのクリアランス用灯室部5について説明する。
【0034】
ターンシグナル用灯室部4はバルブ4aが点灯するとレンズ部4bが黄色となるよう発光し、クリアランス用灯室部5はバルブ5aが点灯するとレンズ部5bが白色となるよう発光する。本実施形態においては、各レンズ部4b,5bは無色であり、バルブ4a及びバルブ5aが、黄色及び白色に発光するようになっている。
【0035】
図2に示すように、クリアランス用灯室部5は、左右方向にターンシグナル用灯室部4内を貫通するよう配される。本実施形態においては、クリアランス用灯室部5はターンシグナル用灯室部4の上下中央付近を貫通し、クリアランス用灯室部5はターンシグナル用灯室部4の灯室内を横断するように配される。すなわち、本実施形態においては、車両用灯具1は、ターンシグナル用灯室部4の灯室外にてクリアランス用灯室部5を両端で支持する構造とすることができ、クリアランス用灯室部5を確実に支持することができる。
【0036】
ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aは灯室部4の上下中央付近に設けられており、図2に示すように、このクリアランス用灯室部5のターンシグナル用灯室部4内への突出部分5dと、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aとが、前面視にて重なるようになっている。クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面にはアルミニウムが蒸着され、入射した光を反射するようになっている。また、クリアランス用灯室部5のバルブ5aは、灯室部5内の左右中央側に配されており、ターンシグナル用灯室部4の外側に設置されている。尚、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のレンズ部4b,5bは、左右外側に向かって斜め後方に傾斜するよう形成される。
【0037】
また、図4に示すように、クリアランス用灯室部5の突出部分5dにはスリット5eが形成され、ターンシグナル用灯室部4内の光がクリアランス用灯室部5内に入射するようになっている。本実施形態においては、筐体5cの左右外側(図4中右側)に複数のスリット5eが設けられ、各スリット5eは略前後方向に延びる側壁5fによりそれぞれ形成される。これにより、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、バルブ4aの光がレンズ部5bの一部に案内され、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部が、バルブ4aの色(黄色)に発光するようになっている。
ここで、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bは全面がクリアレンズである。また、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bは、各スリット5eに対応する部分がクリアレンズであり、この部分以外は拡散レンズとなっている。
【0038】
また、図3に示すように、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面には、遮光突部5gが形成される。この遮光突部5gは、筐体5cの上部と下部とにそれぞれ設けられる。本実施形態においては、レンズ部5b及び筐体5cは後部上方と前部下方とがそれぞれ略水平に形成され、後部上方ではレンズ部5bが上側となるように、前部下方ではレンズ部5bが下側となるように、互いに当接している。そして、筐体5cの後部上方におけるレンズ5bの後方には、遮光突部5gが上方に突出するよう形成され、筐体5cの前部下方におけるレンズ部5bの後方には、遮光突部5gが下方に突出するよう形成される。
【0039】
以上のように構成された車両用灯具1においては、クリアランス用灯室部5の一部がターンシグナル用灯室部4の灯室内に配されたことにより、ターンシグナル用灯室部4とクリアランス用灯室部5とが独立して設置されているものに比して、各灯室部4,5に要するスペースを減ずることができる。
【0040】
ここで、車両の前方からは、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aが、クリアランス灯室部5と重なるので視認することができない。すなわち、クリアランス用灯室部5は、灯室としての機能と、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aを隠蔽する機能とを併有することとなる。尚、クリアランス灯室部5の筐体5cの各スリット5eが、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aと、前面視にて重ならないようになっていることから、車両の前方から各レンズ部4b,5bを通じてバルブ4aを視認することもできない。さらに、各スリット5eの側壁5fが前後方向に延びていることから、車両の斜め前方からも、バルブ4aを視認することはできない。すなわち、筐体5cの各スリット5eを通じては、車両外部からバルブ4aを全く視認することができない。
【0041】
また、クリアランス用灯室部5のバルブ5aが消灯した状態でターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光の一部はクリアランス用灯室部5により遮られ、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bにおけるクリアランス用灯室部5の投影部分へは光が直接的に入射しない。ここで、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cにより灯室内に光が反射することから、この投影部分へは反射した光が入射する。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体に光が入射し、車両外部からはターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体が発光した状態が視認される。
【0042】
また、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが消灯した状態でクリアランス用灯室部5のバルブ5aが点灯すると、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bに光が入射する。これにより、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bが発光した状態が視認される。
【0043】
また、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aがそれぞれ点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体がバルブ4aの光により発光するとともに、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bがバルブ5aの光により発光する。これにより、車両外部からは、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認される。
【0044】
このように、各灯室部4,5の何れか一方又は両方が発光状態となると、各レンズ部4b,5bが発光するようになっている。
ここで、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、バルブ4aから放射された光は、各スリット5eを通じてクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部へ入射する。これにより、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時は、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bとともにターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの一部が発光する。
【0045】
すなわち、本実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aがともに点灯すると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aによりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体とクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部とが発光するとともに、クリアランス用灯室部5のバルブ5aによりクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの他部が発光する。このとき、各スリット5eは、筐体5cのほぼ上下に亘って形成されているので、レンズ部5bの各スリット5eに対応する部分は上下に亘ってターンシグナル用のバルブ4aの色に発光する。すなわち、前面視にてクリアランス用灯室部5によりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bが上下に分断されているものの、レンズ部5bの各スリット5eに対応する部分がバルブ4aにより発光するので、車両外部からは、バルブ4aの色により発光する部分が連続して一体的に視認される。
【0046】
尚、ターンシグナル用灯室部4が消灯状態のときにクリアランス灯室部5のバルブ5aが点灯すると、このバルブ5aの光によりクリアランス用灯室部5のレンズ部5b全体が白色に発光し、クリアランス用灯室部5が消灯状態のときにターンシグナル用灯室部4のバルブ4aが点灯すると、このバルブ4aの光により灯室部4のレンズ部4b全体が黄色に発光するのは前述の通りである。
【0047】
ここで、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aからクリアランス用灯室部5に向けて放射された光は、筐体5cの外面に表面処理が施されていることから、ターンシグナル用灯室部4の灯室内に向かって反射する。すなわち、クリアランス用灯室部5の外面に表面処理が施されていないもののように、クリアランス用灯室部5の外面にてバルブ4aから放射された光が吸収されることはない。
【0048】
さらにまた、ターンシグナル用灯室部4が消灯状態のときには、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cに、クリアランス用灯室部5の外面が映ることとなる。ここで、このクリアランス用灯室部5の外面には表面処理が施されているので、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cが映っている。すなわち、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cには、ターンシグナル用灯室部4の筐体4cが映った状態のクリアランス用灯室部5の外面が映っているので、車両外部からクリアランス用灯室部5が視認されることはなく、ターンシグナル用灯室部4の筐体4c内は一体的な色相を呈することとなる。
【0049】
また、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光のうち、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ向かって放射されたものについては、各遮光突部5gによりレンズ部5bへの入射が阻止される。
【0050】
また、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bがクリアレンズであることから、クリアランス灯室部5のレンズ部5bが発光した状態を、クリアランス灯室部5のレンズ部5bを通じ、車両外部から鮮明に視認することができる。また、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの少なくとも一部が拡散レンズであることから、このレンズ部5bの照射範囲が比較的広く、クリアランス灯室部5のレンズ部5bが発光した状態を、車両外部から確実に視認することができる。
【0051】
さらに、クリアランス用灯室部5は、ターンシグナル用灯室部4の灯室外にて両端で確実に支持される。クリアランス用灯室部5の一端がターンシグナル用灯室部4内に配されるもののように、クリアランス用灯室部5が片持ち構造で支持され、クリアランス用灯室部5が不安定な状態となることはない。
【0052】
このように、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5の一部がターンシグナル用灯室部4の灯室内に配されたので、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5の発光面積を確保しつつ、各灯室部4,5に要するスペースを減じて、灯具1全体として小型化を図ることができる。
これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具1の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
【0053】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のバルブ4a,5aの発光時に、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを通じてクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
【0054】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aとクリアランス用灯室部5とが重なるよう配したので、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aをクリアランス用灯室部5により略隠蔽し、灯具1の見栄えを良好なものとし、灯具1、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bにおけるクリアランス用灯室部5に対応する部分は、クリアランス用灯室部5の発光部分として利用されるので、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4b全体を有効に利用することができる。ここで、前面視にて各スリット5eをバルブ4aと重ならないように配するとともに、各スリット5eを前後方向に延びるよう形成したので、車両外部からは各スリット5eを通じてもバルブ4aを全く視認することができず、各スリット5eを設けてもバルブ4aの隠蔽性が低下することはない。
【0055】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面に表面処理を施したので、クリアランス用灯室部5にてターンシグナル用灯室部4の灯室内の光が吸収されてターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光効率が低下することはなく、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aから放射された光を有効に利用することができる。
さらに、クリアランス用灯室部5の外面にて光が反射するので、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時には、クリアランス用灯室部5の影がターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bに映り込むことはなく、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを略均一な明度で発光させることができるし、バルブ4aの消灯時には、クリアランス用灯室部5がターンシグナル用灯室部4の筐体4cに映り込むことはなく、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯時及び消灯時における灯具1の美観を向上することができる。
【0056】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光のうち、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ向かって放射されたものについては、各遮光突部5gによりレンズ部5bへの入射が阻止されるようにしたので、ターンシグナル灯室部4のバルブ4aの光が直接的にクリアランス用灯室部5のレンズ部5bへ入射してクリアランス用灯室部5のレンズ部5bが発光してしまうことはない。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの点灯によるクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光を防止し、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光が、より明確に区別されて視認されることとなる。
【0057】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、ターンシグナル用灯室部4及びクリアランス用灯室部5の他方が消灯状態のときに一方が点灯状態となると、一方の灯室部4,5のレンズ部4b,5b全体が発光するので、レンズ部4b,5bの発光面積を最大限に利用することができ、各レンズ部4b,5bの視認性を向上することができる。
【0058】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5にスリット5eを設け、各灯室部4,5がともに点灯状態となると、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aにより、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの一部が発光するようにしたので、クリアランス用灯室部5に関しては、クリアランス用灯室部5が単独で点灯状態となった際と異なる発光状態となり、視認者等の注意を引きつけることができ、視認性をさらに向上することができる。
また、ターンシグナル用灯室部4の点灯状態に応じて、クリアランス用灯室部5を異なる発光状態とすることができることから、車両の造形上の自由度が格段に向上し、車両の商品性を向上することができる。
【0059】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光部分によりターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光部分が分断されているものの、ターンシグナル用のバルブ4aの点灯時に、分断されたターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bの発光部分を連結するようにクリアランス用灯室部5のレンズ部の一部を発光させることにより、ターンシグナル用の黄色発光部がクリアランス用の白色発光部により分断されることはなく、実用に際して極めて有利である。
【0060】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、前面視にて、クリアランス用灯室部5のバルブ5aが、ターンシグナル用灯室部4と重ならないように配したので、バルブ5aの配線等はターンシグナル用灯室部4の外部に引き回されることとなる。従って、バルブ5aの配線等がターンシグナル用灯室部4の灯室内にて光を遮光・吸収するということはなく、ターンシグナル用灯室部4の機能に支障をきたすことはない。
【0061】
また、本実施形態の車両用灯具1によれば、クリアランス用灯室部5を両端にて支持するようにしたので、車両の走行時にクリアランス用灯室部5が過度に振動して、クリアランス用灯室部5を支持する部位に繰り返し荷重等が加わることはなく、クリアランス用灯室部5の信頼耐久性を向上することができる。また、これにより、長期の使用に際し、クリアランス用灯室部5が変形等することはなく、ターンシグナル用灯室部4のバルブ4aの隠蔽をより確実に行うことができる。
【0062】
尚、前記実施形態においては、車両の前端に設けられるヘッドライトに本発明の車両用灯具1を適用したものを示したが、例えば、車両の後端に設けられるテールランプ等に適用してもよいことは勿論である。
【0063】
また、前記実施形態においては、ターンシグナル用灯室部4の灯室内にクリアランス用灯室部5を配したものを示したが、例えば、クリアランス用灯室部の灯室内にターンシグナル用灯室部を配したものであってもよい。すなわち、各灯室部の機能が如何なるものであっても、一の灯室部の灯室内に他の灯室部の少なくとも一部が配されたものであれば、前記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0064】
また、前記実施形態においては、光源体としてバルブ4a,5aを使用したものを示したが、光源体は、例えばLED等のように光を放射するものであれば、如何なるものを使用してもよい。
【0065】
また、前記実施形態においては、筐体4c,5cの表面にアルミニウムを蒸着させたものを示したが、銀色塗装等により光を反射するようにしたものであってもよい。
【0066】
また、前記実施形態においては、クリアランス用灯室部5の筐体5cの外面に光を反射する表面処理を施したものを示したが、この筐体5cをハーフミラーにより形成してもよい。この場合、ハーフミラーはクリアランス用灯室部5内の光を反射するとともに、ターンシグナル用灯室部4から入射する光を透過する。これによっても、クリアランス用灯室部5の筐体5cがハーフミラーから形成されていないもののように、筐体5cの外面にてターンシグナル用灯室部4のバルブ4aから放射された光の進行が妨げられることはない。
従って、これによっても、クリアランス用灯室部5にてターンシグナル用灯室部4の灯室内の光の進行が妨げられて、クリアランス用灯室部5のレンズ部5bの発光効率が低下することはなく、クリアランス用灯室部4のバルブ4aから放射された光を有効に利用することができる。すなわち、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bを略均一な明度で発光させることができ、バルブ4aの点灯時の灯具の美観を向上することができる。
【0067】
また、前記実施形態においては、前面視にて、ターンシグナル用灯室部4のレンズ部4bがクリアランス用灯室部5のレンズ部5bに上下方向に分断されるものを示したが、他の方向に分断されるものであってもよいことは無論、分断されないものであってもよく、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の自動車の車両用灯具によれば、第1灯室部及び第2灯室部の発光面積を確保しつつ、第1灯室部及び第2灯室部に要するスペースを減じて、灯具全体として小型化を図ることができる。これにより、車両の造形の自由度が向上することは勿論のこと、灯具の発光方向の投影面積が減少することにより車両の投影面積もまた減少し、車両の造形が空気力学的に有利な形状となる。
また、第1灯室部及び第2灯室部の光源体の発光時に、第1灯室部のレンズ部を通じて第2灯室部のレンズ部の発光が視認され、従来の車両用灯具に存しない新たな美的造形性を車両に付与することができる。
また、第1灯室部の光源体を第2灯室部により略隠蔽し、灯具の見栄えを良好なものとし、灯具、ひいては車両の商品性を向上することができる。さらに、第1灯室部の光源体の隠蔽部材を省略することができ、部品点数を削減するとともに、第1灯室部のレンズ部における第2灯室部に対応する部分は、第2灯室部の発光部分として利用されるので、第1灯室部のレンズ部全体を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、車両用灯具が自動車車両に固定された状態を示す自動車車両の外観斜視図である。
【図2】車両用灯具の正面図である。
【図3】車両用灯具の側面断面図である。
【図4】車両用灯具の上面断面図である。
【符号の説明】
1 車両用灯具
2 ハイビーム用灯室部
2a バルブ
2b レンズ部
2c 筐体
3 ロービーム用灯室部
3a バルブ
3b レンズ部
3c 筐体
4 ターンシグナル用灯室部
4a バルブ
4b レンズ部
4c 筐体
5 クリアランス用灯室部
5a バルブ
5b レンズ部
5c 筐体
5d 突出部分
5e スリット
5g 遮光突部
Claims (7)
- 光源体と、開口部が形成され前記光源体から放射された光を反射する部分を具備する筐体と、前記筐体の前記開口部を閉塞するレンズ部とをそれぞれ有し、前記筐体及び前記レンズ部によりそれぞれ灯室を画成する第1灯室部及び第2灯室部を備えた車両用灯具であって、
前記第1灯室部の前記レンズ部は、車両側から略前方または略後方へ光を透過させるものであって、
前記第1灯室部の前記灯室に、前記第2灯室部の少なくとも一部を配するとともに、
前記第1灯室部の前記光源体と、前記第2灯室部とが、略前後方向に重なるよう構成した
ことを特徴とする車両用灯具。 - 前記第2灯室部の外面における前記第1灯室部の前記光源体側に、光を反射させるよう表面処理を施した
ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 - 前記第2灯室部の前記筐体を、ハーフミラーにより形成した
ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。 - 前記第1灯室部の前記レンズ部はクリアレンズであり、
前記第2灯室部の前記レンズ部の少なくとも一部は、前記第2灯室部の前記灯室内の光を拡散させる拡散レンズである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第1灯室部の前記光源体から放射された光の、前記第2灯室部の前記レンズ部への直接的な入射を阻止する遮光突部を、前記第2灯室部の前記筐体の外面に形成した
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第2灯室部の前記筐体に、前記第1灯室部の前記光源体の光を、前記第2灯室部の前記レンズ部の一部に案内するスリットを形成した
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用灯具。 - 前記第2灯室部は、前記第1灯室部の前記灯室内を横断するように配される
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両用灯具。
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