JP2004044612A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等をできる限り少なくして、装置構成を簡単にする。
【解決手段】変速機構TMにおいて、2速クラッチ22を係合させて第2速ギヤ列12を設定し、3速クラッチ23を係合させて第3速ギヤ列13を設定し、4−Rクラッチ24を係合させて第4速ギヤ列14を設定する。その制御装置において、2NDコントロールバルブ70が、3速クラッチ23もしくは4速クラッチ24に供給される係合作動油圧を受けて2速クラッチ22をドレン側に連通させる解放位置に位置し、2速クラッチ22に作動油圧を供給させるときに2速クラッチ22をライン圧油路と連通させる供給位置に位置し、また、3速もしくは4速クラッチが係合されている状態から2速クラッチを係合させて3−2もしくは4−2シフトダウンを行うときに、2NDコントロールバルブにライン圧(バルブ位置設定油圧)を作用させてこれを供給位置に位置させる。
【選択図】 図2
【解決手段】変速機構TMにおいて、2速クラッチ22を係合させて第2速ギヤ列12を設定し、3速クラッチ23を係合させて第3速ギヤ列13を設定し、4−Rクラッチ24を係合させて第4速ギヤ列14を設定する。その制御装置において、2NDコントロールバルブ70が、3速クラッチ23もしくは4速クラッチ24に供給される係合作動油圧を受けて2速クラッチ22をドレン側に連通させる解放位置に位置し、2速クラッチ22に作動油圧を供給させるときに2速クラッチ22をライン圧油路と連通させる供給位置に位置し、また、3速もしくは4速クラッチが係合されている状態から2速クラッチを係合させて3−2もしくは4−2シフトダウンを行うときに、2NDコントロールバルブにライン圧(バルブ位置設定油圧)を作用させてこれを供給位置に位置させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複数のギヤ列からなり変速段設定用の複数の動力伝達経路を構成する動力伝達機構と、油圧クラッチ等のように油圧力を受けて作動していずれかの動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニットとを備えて構成される自動変速機に関し、さらに詳しくは、これら油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行う自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような自動変速機は車両用等として一般的に用いられており、車両の走行状態に応じて自動的に油圧クラッチ等の作動を制御して自動変速制御を行うように構成されている。このため、自動変速機の作動制御を行う制御装置は、一般的に、複数のコントロールバルブと、これらコントロールバルブの作動を制御するソレノイドバルブと、ドライバーによるシフトレバー操作に応じて作動されるマニュアルバルブとを有して構成される。そして、シフトレバー操作によりマニュアルバルブを作動させて、駐車レンジ、後進レンジ、中立レンジ、前進レンジ(Dレンジ、2レンジ等)といった複数のレンジを選択的に設定し、各レンジ内において(通常は、前進レンジ内において)走行状態に応じて自動的に変速段を変更する制御、すなわち、自動変速制御を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような自動変速機の変速制御装置により変速段を設定するときに、バルブ類の作動不良等により誤って複数の油圧クラッチが同時係合されるようなことがあると、ギヤの共噛みが発生してショックが発生するなど、好ましくない現象が発生するという問題がある。また、変速制御装置により変速制御を行うときには、変速前の変速段設定用の油圧クラッチ(これを前段クラッチと称する)の供給油圧を解放させ、これから設定する変速段設定用の油圧クラッチ(これを次段クラッチと称する)へ作動油圧を供給する制御が行われるが、前段クラッチの油圧解放制御と後段クラッチへの油圧供給制御との開始タイミングを適切に設定しないと、両クラッチがともに解放された状態が発生してエンジンの吹き上がりが発生したり、両クラッチがともに係合された状態が発生して変速ショックが発生したりするという問題がある。
【0004】
このため、従来では変速制御装置を複数のコントロールバルブ、各クラッチの作動油圧を検出する油圧スイッチ、複数のソレノイドバルブ等を設けて上記のような問題の発生を防止するようにされていたが、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブが多数必要であり、制御装置の構成が複雑化し、装置コストが上昇するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、自動変速機の制御装置を構成するコントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等をできる限り少なくして、装置構成を簡単にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、変速段設定用の複数の動力伝達経路(例えば、実施形態における第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15)を構成する動力伝達機構(例えば、実施形態における平行軸式変速機構TM)と、動力伝達経路に対応して設けられ、油圧力を受けて作動してこれら複数の動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニット(例えば、実施形態における1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24)とを備え、これら複数の油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行うように自動変速機の制御装置が構成される。さらに、この制御装置は、油圧係合ユニットのうちの第1所定係合ユニット(例えば、実施形態における2速クラッチ22)を係合させて動力伝達経路のうちの第1所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第2速ギヤ列12)を設定し、油圧係合ユニットのうちの第2所定係合ユニット(例えば、実施形態における3速クラッチ23)を係合させて動力伝達経路のうちの第2所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第3速ギヤ列13)を設定するように構成され、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブ(例えば、実施形態における2NDコントロールバルブ70)が、第2所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置し、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給させるときに第1所定係合ユニットを作動油圧供給油路と連通させる供給位置に位置させるように構成され、また、第2所定係合ユニットが係合されて第2所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧をコントロールバルブに作用させるように構成されている。
【0007】
なお、上記自動変速機が、油圧係合ユニットのうちの第3所定係合ユニット(例えば、実施形態における4−Rクラッチ24)を係合させて動力伝達経路のうちの第3所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第4速ギヤ列14)を設定するように構成され、コントロールバルブは第3所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けたときにも第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置するように構成され、第3所定係合ユニットが係合されて第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときにも、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧を作用させるように構成されても良い。
【0008】
このような構成の自動変速機の制御装置によれば、第2所定動力伝達経路や第3所定動力伝達経路を設定するために第2所定係合ユニットや第3所定係合ユニットに係合作動油圧が供給されているときには、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブは、このように第2もしくは第3所定係合ユニットに供給されている係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させるため、第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態で同時に第1所定動力伝達経路が設定されるような事態の発生を確実に防止できる。
【0009】
また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、バルブ位置設定油圧がコントロールバルブに作用してこれを供給位置に位置させるので、この状態で第2もしくは第3所定係合ユニットに供給する油圧を解放させる制御と、第1所定係合ユニットへの油圧供給制御とをそれぞれ行えば良く、比較的簡単な構成の装置で的確な変速制御を行うことができる。このため、従来に比較して、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等を少なくして、装置構成を簡単にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る制御装置により自動変速制御等が行われる自動変速機の動力伝達経路構成を図1に示している。この自動変速機ATは、エンジン出力軸(図示せず)に繋がるトルクコンバータTCと、このトルクコンバータTCの出力部材(タービン)に繋がった平行軸式変速機構TMと、この変速機構TMの出力側に配設されたディファレンシャル機構DFとを有して構成される。なお、トルクコンバータTCはロックアップクラッチLCを有する。
【0011】
平行軸式変速機構TMは、互いに平行に延びた入力軸1およびカウンタ軸2の間に、互いに噛合する複数のギヤ列を配設して構成される。このギヤ列は、互いに噛合する駆動および従動ギヤからなる第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15からなる。第1速ギヤ列11は、入力軸1上に回転自在に配設された1速駆動ギヤ11aと、1速駆動ギヤ11aを入力軸1に係脱させる1速クラッチ21と、カウンタ軸2にワンウエイクラッチ11cを介して結合された1速従動ギヤ11bとから構成される。第2速ギヤ列12は、入力軸1上に回転自在に配設された2速駆動ギヤ12aと、2速駆動ギヤ12aを入力軸1に係脱させる2速クラッチ22と、カウンタ軸2に結合された2速従動ギヤ12bとから構成される。第3速ギヤ列13は、入力軸1に結合された3速駆動ギヤ13aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設された3速従動ギヤ13bと、3速従動ギヤ13bをカウンタ軸に係脱させる3速クラッチ23とから構成される。
【0012】
第4速ギヤ列14は、入力軸1上に回転自在に配設された4速駆動ギヤ14aと、4速駆動ギヤ14aを入力軸1に係脱させる4−Rクラッチ24と、カウンタ軸2上に回転自在に配設された4速従動ギヤ14bとから構成される。リバースギヤ列15は、4速駆動ギヤ14aと結合されて入力軸1上に回転自在に配設されるとともに4−Rクラッチ24により入力軸1に係脱されるリバース駆動ギヤ15aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設されたリバース従動ギヤ15bとから構成される。さらに、4速従動ギヤ14bとリバース従動ギヤ15bとの間には、4速従動ギヤ14bおよびリバース従動ギヤ15bを選択的にカウンタ軸2と係脱させるドグ歯クラッチ5が設けられいる。なお、リバース駆動ギヤ15aとリバース従動ギヤ15bとはリバースアイドラギヤ(図示せず)を介して互いに噛合している。
【0013】
このことから分かるように、4速段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させて設定され、リバース段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5によりリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させて設定される。なお、この係合制御はドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを後述するサーボバルブ6により軸方向に移動させて行われ、スリーブ5aを図において右動させると4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させることができ、左動させるとリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させることができる。
【0014】
カウンタ軸2には出力駆動ギヤ16aが結合されており、この出力駆動ギヤ16aがディファレンシャル機構DFと一体に形成された出力従動ギヤ16bと噛合している。
【0015】
以上の構成の自動変速機ATにおいて、1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびドグ歯クラッチ5の作動制御を行うことにより、第1〜第4速ギヤ列11〜14もしくはリバースギヤ列15による動力伝達を選択し、第1速〜第4速変速段もしくはリバース変速段の設定およびこれら変速段間での変速制御を行うことができる。
【0016】
この変速制御を行うための変速制御装置について、図2〜図8の油圧回路図を参照して説明する。なお、図3〜図8は、図2に示すように一点鎖線A〜Fにより分割された部分をそれぞれ拡大して示す。また、これら油圧回路図において、油路が解放している箇所はドレンに繋がることを意味する。
【0017】
この制御装置においては、油圧ポンプOPから油路100に吐出される作動油の油圧を所定ライン圧PLに設定する調圧を行うレギュレータバルブ30を有し、このライン圧PLを有した作動油が油路100からマニュアルバルブ50の作動位置に応じて回路内に供給される。なお、レギュレータバルブ30により調圧されるときの余剰油はトルクコンバータTCへ供給され、ロックアップクラッチLCの作動用に供給され、且つ各部潤滑に供給される。このため、LCシフトバルブ31、LCコントロールバルブ32、TCチェックバルブ33、クーラーリリーフバルブ34、潤滑リリーフバルブ35等が図示のように配設されている。また、トルクコンバータTCに供給された作動油はオイルクーラ36を通って冷却されてオイルタンク37内に戻され、タンク内のストレーナ37aを通ってオイルポンプOPにより吸入される。
【0018】
一方、レギュレータバルブ30により調圧されたライン圧PLを有する作動油は、マニュアルバルブ50から、第1シフトバルブ53、第2シフトバルブ56、第3シフトバルブ60、Dインヒビターバルブ63、カットバルブ66、2NDコントロールバルブ70および3RDコントロールバルブ75を介して、1速(LOW)クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびサーボバルブ6に適宜供給され、これらの作動制御が行われる。なお、サーボバルブ6はドグ歯クラッチ5の作動を制御する。また、図示のように、各クラッチ21〜24にはそれぞれアキュムレータ21a〜24aが繋がって設けられている。
【0019】
上記各バルブの作動およびクラッチ供給油圧制御を行うために、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47が図示のように設けられている。ここで、オイルポンプOPから油路100に吐出されてレギュレータバルブ30によりライン圧PLに調圧された作動油は、マニュアルバルブ50を通って油路101に供給され、油路101から分岐する油路101aを介して第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42に供給される。第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42はノーマルクローズタイプの開閉バルブであり、ソレノイド41a,42aのオン・オフ作動によりライン圧PLを油路102,103に給排する制御を行う。また、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47は、リニアソレノイド45a〜47aの通電制御により、それぞれ油路110,120,130から供給されるライン圧PLを所望の油圧に減圧設定して油路111,121,131に供給する制御を行う。
【0020】
以上のような構成の変速制御装置において、マニュアルバルブ50のレンジ位置切換と、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42の作動制御と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47の通電制御に基づいて、各変速段の設定および変速制御がなされる。マニュアルバルブ50は、運転席のシフトレバーの操作に応じてスプール51の位置切換が行われるもので、図7における四角枠で囲んだ文字P,R,N,D,2レンジ位置に切換設定される。なお、図7においては、シフトレバーがニュートラル位置(N位置)に位置して、スプール51がNレンジ位置に位置した状態を示している。このため、例えばシフトレバーがD位置に切換操作されると、マニュアルバルブ50のスプール51はDレンジ位置まで図において右動される。
【0021】
マニュアルバルブ50がDレンジ位置に位置した状態において、上記構成の変速制御装置による変速段設定制御および変速制御は、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47とを下記表1に示すように制御して行われる。なお、この表のモード欄において、LOW IN−GEAR モードとは、NレンジからDレンジへの切換時等において設定されるモードであり、LOW,2ND,3RD,4THモードはそれぞれ第1速〜第4速変速段を示し、1−2,2−3,3−4,4−2,3−2は対応する番号の速度段間でのシフトアップもしくはシフトダウンを示す。また、SOL.バルブの欄におけるON,OFFはそれぞれ対応するオンオフソレノイドバルブのON,OFF作動を意味する。さらに、クラッチの欄において、PLはライン圧が供給されることを意味し、記号A,B,Cはそれぞれ第1,第2,第3リニアソレノイドバルブ45〜47からの油圧供給制御が行われることを意味し、記号×は対応するクラッチがドレンに繋がることを意味する。
【0022】
【表1】
【0023】
本発明に係る制御装置は、上記のような構成における2NDコントロールバルブ70による作動制御に特徴があるが、この作動制御を説明する前に、第1速〜第4速の各変速段の設定制御について説明する。
【0024】
まず、第1速段(LOWモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンとなると、油路102にライン圧PLが供給され、このライン圧PLが第2シフトバルブ56の左端に作用し、そのスプール57をスプリング58の付勢力に抗して右動させる押圧力を加える。なお、このとき、第2シフトバルブ56の右端に繋がる油路143はカットバルブ66に繋がるが、カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は第2シフトバルブ56を介して油路127に繋がり、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介してドレンに繋がる。このため、カットバルブ66のスプール67はスプリング68に付勢されて右動した状態となり、油路143はドレンに繋がり、第2シフトバルブ56のスプール57は左端に作用するライン圧により右動される。
【0025】
このようにスプール57が右動された状態では、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路100に繋がってライン圧PLが供給される油路104が第2シフトバルブ56を介して油路105に繋がる。この油路105は1速クラッチ21に繋がっており、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて第1速段が設定される。ここで油路105から分岐する油路105aはDインヒビターバルブ63の右端ポート63aに繋がり、ポート63aに作用するライン圧PLがそのスプール64をスプリング65の付勢に抗して左方向に押圧する。一方、Dインヒビターバルブ63の左端ポート63bに繋がる油路109はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50に繋がってドレンされている。このため、Dレンジにおいて1速クラッチ21にライン圧PLが供給されてこれが係合されているときには、Dインヒビターバルブ63のスプール64は左動された状態となる。
【0026】
一方、第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103はその分岐油路103aからLCシフトバルブ31の右端に繋がるが、第1オンオフソレノイドバルブ41はオフであり油路103はドレンに開放されるため、第1速段においてはロックアップクラッチLCは常時解放される。
【0027】
次に、第2速段(2NDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンであると上記と同様にして1速クラッチ21が係合され、Dインヒビターバルブ63のスプール64が左動される。さらに、このモードでは第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて、油路121にその制御油圧Pcが出力される。この油路121から分岐した油路121aが上述のようにスプール57が右動された第2シフトバルブ56を介して油路122と繋がり、油路122は2NDコントロールバルブ70に繋がる。
【0028】
ここで、2NDコントロールバルブ70のスプール71を右方向に押圧するように油圧を作用させるポート73aに繋がる油路123は3RDコントロールバルブ75に繋がる。このとき3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aに繋がる油路107は油路104に繋がりライン圧PLを受けるため、3RDコントロールバルブ75のスプール76はスプリング77の付勢力に抗して左方向への押圧力が作用する。一方、3RDコントロールバルブ75の左端ポート75bに繋がる油路141は油路121に繋がる。この油路121には上述のように第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcが供給される。このため、3RDコントロールバルブ75のスプール76は右端ポート75aに作用するライン圧PLと左端ポート75bに作用する制御油圧Pcとスプリング77の付勢力のバランスで位置が決まる。このため、上記油路123はスプール76の位置に応じて油路108に繋がったり、直接ドレンに解放されたりする。この油路108は第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)の出力油路131に直結するがこのモードでは出力油路131は第3リニアソレノイドバルブ47においてドレンに繋がる。このため、油路123はドレンに繋がり、ポート73aからの油圧力がスプール71に作用することがない。
【0029】
また、2NDコントロールバルブ70のスプール71を右方向に押圧するように油圧を作用させるポート73bに繋がる油路124は油路143に繋がり、カットバルブ66を介してドレンに繋がる。さらに、スプール71を左方向に押圧するように油圧を作用させるポート73cに繋がる油路125は、3RDコントロールバルブ75のスプール76の位置に応じて油路126もしくは油路142に繋がる。油路126はスプール57が右動された第2シフトバルブ56を介して油路127に繋がり、油路127はD位置に位置したマニュアルバルブ50を介してドレンに繋がる。また、油路142はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50においてドレンに繋がる。
【0030】
この結果、2NDコントロールバルブ70のスプール71はスプリング72の付勢力により左動された状態となり、上記油路122は2速クラッチ22に繋がる油路128と繋がる。このため、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcは2速クラッチ22に供給されてこれが係合され、第2速段が設定される。なお、2NDモードでは上述のように1速クラッチ21も係合されるが、1速ギヤ列11の1速従動ギヤ11bにはワンウエイクラッチ11cが設けられているため、1速クラッチ21および2速クラッチ22が係合された状態では第2速段が設定される。
【0031】
2NDモードでは、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ・オン制御されるが、上述のように第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103の分岐油路103aはLCシフトバルブ31の右端に繋がっており、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御によりLCシフトバルブ31の作動制御が行われる。第1オンオフソレノイドバルブ41がオン作動されるとライン圧PLがLCシフトバルブ31の右端に作用してそのスプール31aが左動される。ここで、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)を受ける油路111は分岐油路111aからLCシフトバルブ31に繋がり、上記のようにスプール31aが左動されたLCシフトバルブ31を介して油路151に繋がり、油路151はLCコントロールバルブ32の右端に繋がる。このため、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)によりLCコントロールバルブ32に作用してロックアップクラッチLCの係合制御が行われる。なお、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御および第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)によるロックアップクラッチLCの係合制御は第3速段および第4速段モードでも同様である。
【0032】
第3速段(3RDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンであると上記と同様にして1速クラッチ21が係合される。3RDモードではさらに、第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)が作動されて、油路131にその制御油圧Pcが出力される。油路131はそのまま油路108と繋がり、油路108は3RDコントロールバルブ75に繋がる。ここで、3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aには上述と同様にライン圧PLを受けるが、第2リニアソレノイドバルブ46の出力油路121に繋がる左端ポート75bは第2リニアソレノイドバルブ46においてドレンされる。これにより、3RDコントロールバルブ75のスプール76は左動された状態になり、油路108は油路123に繋がり、油路123は3速クラッチ23に繋がり、第3リニアソレノイドバルブ47の制御油圧Pcが3速クラッチ23に供給されて第3速段が設定される。なお、3RDモードにおいても1速クラッチ21が同時に係合されるが、ワンウエイクラッチ11cの作用により、1速クラッチ21および3速クラッチ23が係合された状態では第3速段が設定される。
【0033】
第4速段(4THモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオフであると油路102がドレンに繋がり、第2シフトバルブ56の左端に作用する油圧力がなくなるため、そのスプール57がスプリング58に付勢されて左動する。この状態では、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路100に繋がってライン圧PLが供給される油路104の分岐油路104aが第2シフトバルブ56を介して油路105に繋がる。この油路105は1速クラッチ21に繋がっており、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されてこれが係合される。すなわち、第4速段においても1速クラッチ21が係合される。
【0034】
この4THモードでは第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて油路121にその制御油圧Pcが出力される。この油路121は油路141に直結して3RDコントロールバルブ75の左端ポート75bに作用するとともに、分岐油路121aから第2シフトバルブ56に繋がる。第2シフトバルブ56のスプール57は左動されているため、油路121aは油路115に繋がり、油路115はカットバルブ66に繋がる。
【0035】
カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は分岐油路106aから第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がり、油路116はDインヒビターバルブ63に繋がる。Dインヒビターバルブ63のスプール64は上述のように左動されているため、油路116はDインヒビターバルブ63を介して油路117に繋がり、油路117は油路107と直結しており、油路107にはDレンジ位置にあるマニュアルバルブ50からライン圧PLが供給される。このため、カットバルブ66の右端ポート66aにはライン圧PLが作用する。一方、カットバルブ66の左端ポート66bに繋がる油路118は油路128に直結し、3RDコントロールバルブ75を介してドレンに繋がる。このことから分かるように、このモードではカットバルブ66のスプール67は右端ポート66aに作用するライン圧PLにより左動される。
【0036】
この結果、カットバルブ66に繋がる油路115は油路143と繋がる。油路143には油路124が直結しており、第2リニアソレノイドバルブ46から出力される制御油圧Pcが3RDコントロールバルブ75の左端ポート73bに作用する。一方、油路143の分岐油路143aが第3シフトバルブ60に繋がる。第3シフトバルブ60の右端ポート60aに繋がる油路117は油路116に直結しており、上述のように油路116にはライン圧PLが供給されるため、右端ポート60aにはライン圧PLが作用する。一方、第3シフトバルブ60の左端ポート60bに繋がる油路118は第1オンオフソレノイドバルブ41の出力油圧を受ける油路103に繋がる。このように第3シフトバルブ60の左端ポート73bに第1オンオフソレノイドバルブ41の出力油圧が作用するが、右端ポート60aとスプリング62の付勢力による押圧力が勝るため、そのスプール61は左動された状態となる。
【0037】
このため、第3シフトバルブ60に繋がる油路143aは油路135に繋がり、油路135は4−Rクラッチ24に繋がり、第2リニアソレノイドバルブ46の制御油圧Pcが4−Rクラッチ24に供給されてこれが係合される。なお、第4速段を設定するにはドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させる必要がある。ドグ歯クラッチ5の作動を制御するためサーボバルブ6が設けられており、サーボバルブ6のスプール6aを図示のように左動させればドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを図1において右動させて4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させるように構成されている。ここで、上述のようにライン圧PLが供給される油路116から油路116aが分岐するとともにこの油路116aがサーボバルブ6の右油室7bに繋がっており、右油室7bにライン圧PLが供給される。一方、左油室7aに繋がる油路119は第3サーボバルブ60においてドレンに繋がる。このため、スプール6aが左動されて4速従動ギヤ15bがカウンタ軸2と係合して、第4速段が設定される。
【0038】
以上、Dレンジにおける第1速〜第4速段の設定について説明したが、この時における2NDコントロールバルブ70の構成および作動について説明する。まず、第2速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70のスプール71は左動され、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcが供給される油路122と2速クラッチ22に繋がる油路128とが2NDコントロールバルブ70を介して連通される。この結果、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcを2速クラッチ22に作用させてその係合制御を行って第2速段が設定される。
【0039】
一方、第3速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70の左側ポート73aに繋がる油路123が3速クラッチ23に繋がってその係合作動油圧(制御油圧Pc)を受け、右端ポート73cはドレンに繋がるため、そのスプール71は右動される。その結果、第3速段においては、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がり、何らかの不具合(例えば、バルブの作動不良、スプールスティック等)が生じても2速クラッチ22が誤って係合するようなことが確実に防止できるようになっている。また、第4速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70の左端ポート73bに繋がる油路124は油路143に繋がって4速クラッチ23に供給される係合作動油圧(制御油圧Pc)を受け、右端ポート73cはドレンに繋がるため、そのスプール71は右動される。その結果、第4速段においても、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がり、バルブ作動不良等が生じても2速クラッチ22が誤って係合するようなことが確実に防止できるようになっている。
【0040】
次に、第3速段から第2速段へのシフトダウン変速(3−2シフトダウン変速)の制御について説明する。この変速のときには第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされる。上記のように第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされると、第3速段において右動されていた第2シフトバルブ56のスプール57が左動される。また、第1および第3シフトバルブ53,60のスプール54,61は左動状態で維持される。3−2シフトダウン変速は3速クラッチ23の解放制御および2速クラッチの係合制御により行われるが、3速クラッチ23は第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)により係合制御され、2速クラッチ22は第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)により係合制御される。
【0041】
まず、第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)は油路131に出力されてこれに直結する油路108に供給されるが、油路108は3RDコントロールバルブ75に繋がる。ここで、3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aに繋がる油路107は油路104に繋がりライン圧PLを受ける。また、左端ポート75bに繋がる油路141は油路121に繋がり、油路121から第2リニアソレノイドバルブ46の出力側に繋がり、第2リニアソレノイドバルブ46においてドレンされる。このため、3RDコントロールバルブ75のスプール76は左動され、油路108は3速クラッチ23に繋がる油路123に繋がる。このため、第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)が3速クラッチ23に供給され、3速クラッチ23の解放制御が行われる。
【0042】
一方、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)は油路111に出力され、その分岐油路111aが第1シフトバルブ53に繋がる。第1シフトバルブ53のスプール54は上述のように左動しているため、油路111aは第1シフトバルブ53を介して油路112に繋がり、油路112はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路113に繋がる。油路113は第2シフトバルブ56を介して油路122と繋がり、油路122は2NDコントロールバルブ70に繋がる。
【0043】
ここで、2NDコントロールバルブ70の左側ポート73aには3速クラッチ23の制御油圧が作用している。一方、右端ポート73cは油路125から3RDコントロールバルブ75を介して油路126に繋がり、油路126は第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がる。油路116はDインヒビターバルブ63を介して油路117に繋がる。油路117には前述のようにライン圧PLが供給されるため、2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(これが特許請求の範囲に規定するバルブ位置設定油圧である)が供給され、そのスプール71は左動される。この結果、油路122は2速クラッチ22に繋がる油路128と繋がり、2速クラッチ22には第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が供給され、係合制御が行われる。
【0044】
ここで、第3速段においては2NDコントロールバルブ70のスプール71は右動され、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がった状態である。ところが、3−2シフトダウン変速が行われるときには、上記のように2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(バルブ位置設定油圧)が供給されてスプール71は左動され、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0045】
次に、第4速段から第2速段へのシフトダウン変速(4−2シフトダウン変速)の制御について説明する。この変速のときにも第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされる。これにより上記と同様に、第2シフトバルブ56のスプール57が左動され、第1および第3シフトバルブ53,60のスプール54,61は左動状態で維持される。4−2シフトダウン変速は4−Rクラッチ24の解放制御および2速クラッチの係合制御により行われるが、4−Rクラッチ24は第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)により係合制御され、2速クラッチ22は第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)により係合制御される。
【0046】
まず、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は油路121に出力されるが、油路121は分岐油路121aから第2シフトバルブ56を介して油路115に繋がり、油路115はカットバルブ66に繋がる。ここで、カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は分岐油路106aから第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がるが、この油路116には前述のようにライン圧PLが供給されており、カットバルブ66の右端ポート66aにはライン圧PLが作用する。一方、左端ポート66bに繋がる油路118は2速クラッチ22に繋がっている。このため、カットバルブ66のスプール67は左動され、油路115はカットバルブ66を介して油路143に繋がり、油路143は分岐油路143aから第3シフトバルブ60を介して油路135に繋がり、油路135は4−Rクラッチ24に繋がる。このため、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)が4−Rクラッチ24に供給され、4−Rクラッチ24の解放制御が行われる。一方、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)は3−2シフトダウン変速の場合と同様にして2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0047】
ここで、第4速段においては2NDコントロールバルブ70のスプール71は右動され、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がった状態である。ところが、4−2シフトダウン変速が行われるときには、上記のように2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(これが特許請求の範囲に規定するバルブ位置設定油圧である)が供給されてスプール71は左動され、第2リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1所定動力伝達経路(例えば、第2速段)を設定するために第1所定係合ユニット(例えば、2速クラッチ)に係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブ(例えば、2NDコントロールバルブ70)が、第2もしくは第3所定動力伝達経路(例えば、第3速段もしくは第4速段)を設定するために第2もしくは第3所定係合ユニット(例えば、3速クラッチもしくは4−Rクラッチ)に供給される係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置し、第1所定係合ユニットに作動油圧を供給させるときに第1所定係合ユニットを作動油圧供給油路と連通させる供給位置に位置させるように構成され、また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧をコントロールバルブに作用させるように構成されている。
【0049】
このため、第2所定動力伝達経路や第3所定動力伝達経路を設定するために第2所定係合ユニットや第3所定係合ユニットに係合作動油圧が供給されているときには、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブは、このように第2もしくは第3所定係合ユニットに供給されている係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させるため、第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態で同時に第1所定動力伝達経路が設定されるような事態の発生を確実に防止できる。
【0050】
また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、バルブ位置設定油圧がコントロールバルブに作用してこれを供給位置に位置させるので、この状態で第2もしくは第3所定係合ユニットに供給する油圧を解放させる制御と、第1所定係合ユニットへの油圧供給制御とをそれぞれ行えば良く、比較的簡単な構成の装置で的確な変速制御を行うことができる。このため、従来に比較して、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等を少なくして、装置構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の動力伝達経路構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す全体油圧回路図である。
【図3】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図4】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図5】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図6】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図7】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図8】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【符号の説明】
11 第1速ギヤ列
12 第2速ギヤ列
13 第3速ギヤ列
14 第4速ギヤ列
15 リバースギヤ列
TM 平行軸式変速機構
21 1速クラッチ
22 2速クラッチ
23 3速クラッチ
24 4−Rクラッチ
70 2NDコントロールバルブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複数のギヤ列からなり変速段設定用の複数の動力伝達経路を構成する動力伝達機構と、油圧クラッチ等のように油圧力を受けて作動していずれかの動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニットとを備えて構成される自動変速機に関し、さらに詳しくは、これら油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行う自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような自動変速機は車両用等として一般的に用いられており、車両の走行状態に応じて自動的に油圧クラッチ等の作動を制御して自動変速制御を行うように構成されている。このため、自動変速機の作動制御を行う制御装置は、一般的に、複数のコントロールバルブと、これらコントロールバルブの作動を制御するソレノイドバルブと、ドライバーによるシフトレバー操作に応じて作動されるマニュアルバルブとを有して構成される。そして、シフトレバー操作によりマニュアルバルブを作動させて、駐車レンジ、後進レンジ、中立レンジ、前進レンジ(Dレンジ、2レンジ等)といった複数のレンジを選択的に設定し、各レンジ内において(通常は、前進レンジ内において)走行状態に応じて自動的に変速段を変更する制御、すなわち、自動変速制御を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような自動変速機の変速制御装置により変速段を設定するときに、バルブ類の作動不良等により誤って複数の油圧クラッチが同時係合されるようなことがあると、ギヤの共噛みが発生してショックが発生するなど、好ましくない現象が発生するという問題がある。また、変速制御装置により変速制御を行うときには、変速前の変速段設定用の油圧クラッチ(これを前段クラッチと称する)の供給油圧を解放させ、これから設定する変速段設定用の油圧クラッチ(これを次段クラッチと称する)へ作動油圧を供給する制御が行われるが、前段クラッチの油圧解放制御と後段クラッチへの油圧供給制御との開始タイミングを適切に設定しないと、両クラッチがともに解放された状態が発生してエンジンの吹き上がりが発生したり、両クラッチがともに係合された状態が発生して変速ショックが発生したりするという問題がある。
【0004】
このため、従来では変速制御装置を複数のコントロールバルブ、各クラッチの作動油圧を検出する油圧スイッチ、複数のソレノイドバルブ等を設けて上記のような問題の発生を防止するようにされていたが、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブが多数必要であり、制御装置の構成が複雑化し、装置コストが上昇するという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、自動変速機の制御装置を構成するコントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等をできる限り少なくして、装置構成を簡単にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、変速段設定用の複数の動力伝達経路(例えば、実施形態における第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15)を構成する動力伝達機構(例えば、実施形態における平行軸式変速機構TM)と、動力伝達経路に対応して設けられ、油圧力を受けて作動してこれら複数の動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニット(例えば、実施形態における1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24)とを備え、これら複数の油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行うように自動変速機の制御装置が構成される。さらに、この制御装置は、油圧係合ユニットのうちの第1所定係合ユニット(例えば、実施形態における2速クラッチ22)を係合させて動力伝達経路のうちの第1所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第2速ギヤ列12)を設定し、油圧係合ユニットのうちの第2所定係合ユニット(例えば、実施形態における3速クラッチ23)を係合させて動力伝達経路のうちの第2所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第3速ギヤ列13)を設定するように構成され、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブ(例えば、実施形態における2NDコントロールバルブ70)が、第2所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置し、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給させるときに第1所定係合ユニットを作動油圧供給油路と連通させる供給位置に位置させるように構成され、また、第2所定係合ユニットが係合されて第2所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧をコントロールバルブに作用させるように構成されている。
【0007】
なお、上記自動変速機が、油圧係合ユニットのうちの第3所定係合ユニット(例えば、実施形態における4−Rクラッチ24)を係合させて動力伝達経路のうちの第3所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第4速ギヤ列14)を設定するように構成され、コントロールバルブは第3所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けたときにも第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置するように構成され、第3所定係合ユニットが係合されて第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときにも、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧を作用させるように構成されても良い。
【0008】
このような構成の自動変速機の制御装置によれば、第2所定動力伝達経路や第3所定動力伝達経路を設定するために第2所定係合ユニットや第3所定係合ユニットに係合作動油圧が供給されているときには、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブは、このように第2もしくは第3所定係合ユニットに供給されている係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させるため、第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態で同時に第1所定動力伝達経路が設定されるような事態の発生を確実に防止できる。
【0009】
また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、バルブ位置設定油圧がコントロールバルブに作用してこれを供給位置に位置させるので、この状態で第2もしくは第3所定係合ユニットに供給する油圧を解放させる制御と、第1所定係合ユニットへの油圧供給制御とをそれぞれ行えば良く、比較的簡単な構成の装置で的確な変速制御を行うことができる。このため、従来に比較して、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等を少なくして、装置構成を簡単にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る制御装置により自動変速制御等が行われる自動変速機の動力伝達経路構成を図1に示している。この自動変速機ATは、エンジン出力軸(図示せず)に繋がるトルクコンバータTCと、このトルクコンバータTCの出力部材(タービン)に繋がった平行軸式変速機構TMと、この変速機構TMの出力側に配設されたディファレンシャル機構DFとを有して構成される。なお、トルクコンバータTCはロックアップクラッチLCを有する。
【0011】
平行軸式変速機構TMは、互いに平行に延びた入力軸1およびカウンタ軸2の間に、互いに噛合する複数のギヤ列を配設して構成される。このギヤ列は、互いに噛合する駆動および従動ギヤからなる第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15からなる。第1速ギヤ列11は、入力軸1上に回転自在に配設された1速駆動ギヤ11aと、1速駆動ギヤ11aを入力軸1に係脱させる1速クラッチ21と、カウンタ軸2にワンウエイクラッチ11cを介して結合された1速従動ギヤ11bとから構成される。第2速ギヤ列12は、入力軸1上に回転自在に配設された2速駆動ギヤ12aと、2速駆動ギヤ12aを入力軸1に係脱させる2速クラッチ22と、カウンタ軸2に結合された2速従動ギヤ12bとから構成される。第3速ギヤ列13は、入力軸1に結合された3速駆動ギヤ13aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設された3速従動ギヤ13bと、3速従動ギヤ13bをカウンタ軸に係脱させる3速クラッチ23とから構成される。
【0012】
第4速ギヤ列14は、入力軸1上に回転自在に配設された4速駆動ギヤ14aと、4速駆動ギヤ14aを入力軸1に係脱させる4−Rクラッチ24と、カウンタ軸2上に回転自在に配設された4速従動ギヤ14bとから構成される。リバースギヤ列15は、4速駆動ギヤ14aと結合されて入力軸1上に回転自在に配設されるとともに4−Rクラッチ24により入力軸1に係脱されるリバース駆動ギヤ15aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設されたリバース従動ギヤ15bとから構成される。さらに、4速従動ギヤ14bとリバース従動ギヤ15bとの間には、4速従動ギヤ14bおよびリバース従動ギヤ15bを選択的にカウンタ軸2と係脱させるドグ歯クラッチ5が設けられいる。なお、リバース駆動ギヤ15aとリバース従動ギヤ15bとはリバースアイドラギヤ(図示せず)を介して互いに噛合している。
【0013】
このことから分かるように、4速段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させて設定され、リバース段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5によりリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させて設定される。なお、この係合制御はドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを後述するサーボバルブ6により軸方向に移動させて行われ、スリーブ5aを図において右動させると4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させることができ、左動させるとリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させることができる。
【0014】
カウンタ軸2には出力駆動ギヤ16aが結合されており、この出力駆動ギヤ16aがディファレンシャル機構DFと一体に形成された出力従動ギヤ16bと噛合している。
【0015】
以上の構成の自動変速機ATにおいて、1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびドグ歯クラッチ5の作動制御を行うことにより、第1〜第4速ギヤ列11〜14もしくはリバースギヤ列15による動力伝達を選択し、第1速〜第4速変速段もしくはリバース変速段の設定およびこれら変速段間での変速制御を行うことができる。
【0016】
この変速制御を行うための変速制御装置について、図2〜図8の油圧回路図を参照して説明する。なお、図3〜図8は、図2に示すように一点鎖線A〜Fにより分割された部分をそれぞれ拡大して示す。また、これら油圧回路図において、油路が解放している箇所はドレンに繋がることを意味する。
【0017】
この制御装置においては、油圧ポンプOPから油路100に吐出される作動油の油圧を所定ライン圧PLに設定する調圧を行うレギュレータバルブ30を有し、このライン圧PLを有した作動油が油路100からマニュアルバルブ50の作動位置に応じて回路内に供給される。なお、レギュレータバルブ30により調圧されるときの余剰油はトルクコンバータTCへ供給され、ロックアップクラッチLCの作動用に供給され、且つ各部潤滑に供給される。このため、LCシフトバルブ31、LCコントロールバルブ32、TCチェックバルブ33、クーラーリリーフバルブ34、潤滑リリーフバルブ35等が図示のように配設されている。また、トルクコンバータTCに供給された作動油はオイルクーラ36を通って冷却されてオイルタンク37内に戻され、タンク内のストレーナ37aを通ってオイルポンプOPにより吸入される。
【0018】
一方、レギュレータバルブ30により調圧されたライン圧PLを有する作動油は、マニュアルバルブ50から、第1シフトバルブ53、第2シフトバルブ56、第3シフトバルブ60、Dインヒビターバルブ63、カットバルブ66、2NDコントロールバルブ70および3RDコントロールバルブ75を介して、1速(LOW)クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびサーボバルブ6に適宜供給され、これらの作動制御が行われる。なお、サーボバルブ6はドグ歯クラッチ5の作動を制御する。また、図示のように、各クラッチ21〜24にはそれぞれアキュムレータ21a〜24aが繋がって設けられている。
【0019】
上記各バルブの作動およびクラッチ供給油圧制御を行うために、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47が図示のように設けられている。ここで、オイルポンプOPから油路100に吐出されてレギュレータバルブ30によりライン圧PLに調圧された作動油は、マニュアルバルブ50を通って油路101に供給され、油路101から分岐する油路101aを介して第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42に供給される。第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42はノーマルクローズタイプの開閉バルブであり、ソレノイド41a,42aのオン・オフ作動によりライン圧PLを油路102,103に給排する制御を行う。また、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47は、リニアソレノイド45a〜47aの通電制御により、それぞれ油路110,120,130から供給されるライン圧PLを所望の油圧に減圧設定して油路111,121,131に供給する制御を行う。
【0020】
以上のような構成の変速制御装置において、マニュアルバルブ50のレンジ位置切換と、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42の作動制御と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47の通電制御に基づいて、各変速段の設定および変速制御がなされる。マニュアルバルブ50は、運転席のシフトレバーの操作に応じてスプール51の位置切換が行われるもので、図7における四角枠で囲んだ文字P,R,N,D,2レンジ位置に切換設定される。なお、図7においては、シフトレバーがニュートラル位置(N位置)に位置して、スプール51がNレンジ位置に位置した状態を示している。このため、例えばシフトレバーがD位置に切換操作されると、マニュアルバルブ50のスプール51はDレンジ位置まで図において右動される。
【0021】
マニュアルバルブ50がDレンジ位置に位置した状態において、上記構成の変速制御装置による変速段設定制御および変速制御は、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47とを下記表1に示すように制御して行われる。なお、この表のモード欄において、LOW IN−GEAR モードとは、NレンジからDレンジへの切換時等において設定されるモードであり、LOW,2ND,3RD,4THモードはそれぞれ第1速〜第4速変速段を示し、1−2,2−3,3−4,4−2,3−2は対応する番号の速度段間でのシフトアップもしくはシフトダウンを示す。また、SOL.バルブの欄におけるON,OFFはそれぞれ対応するオンオフソレノイドバルブのON,OFF作動を意味する。さらに、クラッチの欄において、PLはライン圧が供給されることを意味し、記号A,B,Cはそれぞれ第1,第2,第3リニアソレノイドバルブ45〜47からの油圧供給制御が行われることを意味し、記号×は対応するクラッチがドレンに繋がることを意味する。
【0022】
【表1】
【0023】
本発明に係る制御装置は、上記のような構成における2NDコントロールバルブ70による作動制御に特徴があるが、この作動制御を説明する前に、第1速〜第4速の各変速段の設定制御について説明する。
【0024】
まず、第1速段(LOWモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンとなると、油路102にライン圧PLが供給され、このライン圧PLが第2シフトバルブ56の左端に作用し、そのスプール57をスプリング58の付勢力に抗して右動させる押圧力を加える。なお、このとき、第2シフトバルブ56の右端に繋がる油路143はカットバルブ66に繋がるが、カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は第2シフトバルブ56を介して油路127に繋がり、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介してドレンに繋がる。このため、カットバルブ66のスプール67はスプリング68に付勢されて右動した状態となり、油路143はドレンに繋がり、第2シフトバルブ56のスプール57は左端に作用するライン圧により右動される。
【0025】
このようにスプール57が右動された状態では、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路100に繋がってライン圧PLが供給される油路104が第2シフトバルブ56を介して油路105に繋がる。この油路105は1速クラッチ21に繋がっており、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて第1速段が設定される。ここで油路105から分岐する油路105aはDインヒビターバルブ63の右端ポート63aに繋がり、ポート63aに作用するライン圧PLがそのスプール64をスプリング65の付勢に抗して左方向に押圧する。一方、Dインヒビターバルブ63の左端ポート63bに繋がる油路109はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50に繋がってドレンされている。このため、Dレンジにおいて1速クラッチ21にライン圧PLが供給されてこれが係合されているときには、Dインヒビターバルブ63のスプール64は左動された状態となる。
【0026】
一方、第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103はその分岐油路103aからLCシフトバルブ31の右端に繋がるが、第1オンオフソレノイドバルブ41はオフであり油路103はドレンに開放されるため、第1速段においてはロックアップクラッチLCは常時解放される。
【0027】
次に、第2速段(2NDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンであると上記と同様にして1速クラッチ21が係合され、Dインヒビターバルブ63のスプール64が左動される。さらに、このモードでは第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて、油路121にその制御油圧Pcが出力される。この油路121から分岐した油路121aが上述のようにスプール57が右動された第2シフトバルブ56を介して油路122と繋がり、油路122は2NDコントロールバルブ70に繋がる。
【0028】
ここで、2NDコントロールバルブ70のスプール71を右方向に押圧するように油圧を作用させるポート73aに繋がる油路123は3RDコントロールバルブ75に繋がる。このとき3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aに繋がる油路107は油路104に繋がりライン圧PLを受けるため、3RDコントロールバルブ75のスプール76はスプリング77の付勢力に抗して左方向への押圧力が作用する。一方、3RDコントロールバルブ75の左端ポート75bに繋がる油路141は油路121に繋がる。この油路121には上述のように第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcが供給される。このため、3RDコントロールバルブ75のスプール76は右端ポート75aに作用するライン圧PLと左端ポート75bに作用する制御油圧Pcとスプリング77の付勢力のバランスで位置が決まる。このため、上記油路123はスプール76の位置に応じて油路108に繋がったり、直接ドレンに解放されたりする。この油路108は第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)の出力油路131に直結するがこのモードでは出力油路131は第3リニアソレノイドバルブ47においてドレンに繋がる。このため、油路123はドレンに繋がり、ポート73aからの油圧力がスプール71に作用することがない。
【0029】
また、2NDコントロールバルブ70のスプール71を右方向に押圧するように油圧を作用させるポート73bに繋がる油路124は油路143に繋がり、カットバルブ66を介してドレンに繋がる。さらに、スプール71を左方向に押圧するように油圧を作用させるポート73cに繋がる油路125は、3RDコントロールバルブ75のスプール76の位置に応じて油路126もしくは油路142に繋がる。油路126はスプール57が右動された第2シフトバルブ56を介して油路127に繋がり、油路127はD位置に位置したマニュアルバルブ50を介してドレンに繋がる。また、油路142はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50においてドレンに繋がる。
【0030】
この結果、2NDコントロールバルブ70のスプール71はスプリング72の付勢力により左動された状態となり、上記油路122は2速クラッチ22に繋がる油路128と繋がる。このため、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcは2速クラッチ22に供給されてこれが係合され、第2速段が設定される。なお、2NDモードでは上述のように1速クラッチ21も係合されるが、1速ギヤ列11の1速従動ギヤ11bにはワンウエイクラッチ11cが設けられているため、1速クラッチ21および2速クラッチ22が係合された状態では第2速段が設定される。
【0031】
2NDモードでは、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ・オン制御されるが、上述のように第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103の分岐油路103aはLCシフトバルブ31の右端に繋がっており、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御によりLCシフトバルブ31の作動制御が行われる。第1オンオフソレノイドバルブ41がオン作動されるとライン圧PLがLCシフトバルブ31の右端に作用してそのスプール31aが左動される。ここで、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)を受ける油路111は分岐油路111aからLCシフトバルブ31に繋がり、上記のようにスプール31aが左動されたLCシフトバルブ31を介して油路151に繋がり、油路151はLCコントロールバルブ32の右端に繋がる。このため、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)によりLCコントロールバルブ32に作用してロックアップクラッチLCの係合制御が行われる。なお、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御および第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)によるロックアップクラッチLCの係合制御は第3速段および第4速段モードでも同様である。
【0032】
第3速段(3RDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンであると上記と同様にして1速クラッチ21が係合される。3RDモードではさらに、第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)が作動されて、油路131にその制御油圧Pcが出力される。油路131はそのまま油路108と繋がり、油路108は3RDコントロールバルブ75に繋がる。ここで、3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aには上述と同様にライン圧PLを受けるが、第2リニアソレノイドバルブ46の出力油路121に繋がる左端ポート75bは第2リニアソレノイドバルブ46においてドレンされる。これにより、3RDコントロールバルブ75のスプール76は左動された状態になり、油路108は油路123に繋がり、油路123は3速クラッチ23に繋がり、第3リニアソレノイドバルブ47の制御油圧Pcが3速クラッチ23に供給されて第3速段が設定される。なお、3RDモードにおいても1速クラッチ21が同時に係合されるが、ワンウエイクラッチ11cの作用により、1速クラッチ21および3速クラッチ23が係合された状態では第3速段が設定される。
【0033】
第4速段(4THモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオフであると油路102がドレンに繋がり、第2シフトバルブ56の左端に作用する油圧力がなくなるため、そのスプール57がスプリング58に付勢されて左動する。この状態では、D位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路100に繋がってライン圧PLが供給される油路104の分岐油路104aが第2シフトバルブ56を介して油路105に繋がる。この油路105は1速クラッチ21に繋がっており、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されてこれが係合される。すなわち、第4速段においても1速クラッチ21が係合される。
【0034】
この4THモードでは第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて油路121にその制御油圧Pcが出力される。この油路121は油路141に直結して3RDコントロールバルブ75の左端ポート75bに作用するとともに、分岐油路121aから第2シフトバルブ56に繋がる。第2シフトバルブ56のスプール57は左動されているため、油路121aは油路115に繋がり、油路115はカットバルブ66に繋がる。
【0035】
カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は分岐油路106aから第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がり、油路116はDインヒビターバルブ63に繋がる。Dインヒビターバルブ63のスプール64は上述のように左動されているため、油路116はDインヒビターバルブ63を介して油路117に繋がり、油路117は油路107と直結しており、油路107にはDレンジ位置にあるマニュアルバルブ50からライン圧PLが供給される。このため、カットバルブ66の右端ポート66aにはライン圧PLが作用する。一方、カットバルブ66の左端ポート66bに繋がる油路118は油路128に直結し、3RDコントロールバルブ75を介してドレンに繋がる。このことから分かるように、このモードではカットバルブ66のスプール67は右端ポート66aに作用するライン圧PLにより左動される。
【0036】
この結果、カットバルブ66に繋がる油路115は油路143と繋がる。油路143には油路124が直結しており、第2リニアソレノイドバルブ46から出力される制御油圧Pcが3RDコントロールバルブ75の左端ポート73bに作用する。一方、油路143の分岐油路143aが第3シフトバルブ60に繋がる。第3シフトバルブ60の右端ポート60aに繋がる油路117は油路116に直結しており、上述のように油路116にはライン圧PLが供給されるため、右端ポート60aにはライン圧PLが作用する。一方、第3シフトバルブ60の左端ポート60bに繋がる油路118は第1オンオフソレノイドバルブ41の出力油圧を受ける油路103に繋がる。このように第3シフトバルブ60の左端ポート73bに第1オンオフソレノイドバルブ41の出力油圧が作用するが、右端ポート60aとスプリング62の付勢力による押圧力が勝るため、そのスプール61は左動された状態となる。
【0037】
このため、第3シフトバルブ60に繋がる油路143aは油路135に繋がり、油路135は4−Rクラッチ24に繋がり、第2リニアソレノイドバルブ46の制御油圧Pcが4−Rクラッチ24に供給されてこれが係合される。なお、第4速段を設定するにはドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させる必要がある。ドグ歯クラッチ5の作動を制御するためサーボバルブ6が設けられており、サーボバルブ6のスプール6aを図示のように左動させればドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを図1において右動させて4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させるように構成されている。ここで、上述のようにライン圧PLが供給される油路116から油路116aが分岐するとともにこの油路116aがサーボバルブ6の右油室7bに繋がっており、右油室7bにライン圧PLが供給される。一方、左油室7aに繋がる油路119は第3サーボバルブ60においてドレンに繋がる。このため、スプール6aが左動されて4速従動ギヤ15bがカウンタ軸2と係合して、第4速段が設定される。
【0038】
以上、Dレンジにおける第1速〜第4速段の設定について説明したが、この時における2NDコントロールバルブ70の構成および作動について説明する。まず、第2速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70のスプール71は左動され、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcが供給される油路122と2速クラッチ22に繋がる油路128とが2NDコントロールバルブ70を介して連通される。この結果、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pcを2速クラッチ22に作用させてその係合制御を行って第2速段が設定される。
【0039】
一方、第3速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70の左側ポート73aに繋がる油路123が3速クラッチ23に繋がってその係合作動油圧(制御油圧Pc)を受け、右端ポート73cはドレンに繋がるため、そのスプール71は右動される。その結果、第3速段においては、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がり、何らかの不具合(例えば、バルブの作動不良、スプールスティック等)が生じても2速クラッチ22が誤って係合するようなことが確実に防止できるようになっている。また、第4速段が設定されるときには、2NDコントロールバルブ70の左端ポート73bに繋がる油路124は油路143に繋がって4速クラッチ23に供給される係合作動油圧(制御油圧Pc)を受け、右端ポート73cはドレンに繋がるため、そのスプール71は右動される。その結果、第4速段においても、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がり、バルブ作動不良等が生じても2速クラッチ22が誤って係合するようなことが確実に防止できるようになっている。
【0040】
次に、第3速段から第2速段へのシフトダウン変速(3−2シフトダウン変速)の制御について説明する。この変速のときには第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされる。上記のように第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされると、第3速段において右動されていた第2シフトバルブ56のスプール57が左動される。また、第1および第3シフトバルブ53,60のスプール54,61は左動状態で維持される。3−2シフトダウン変速は3速クラッチ23の解放制御および2速クラッチの係合制御により行われるが、3速クラッチ23は第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)により係合制御され、2速クラッチ22は第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)により係合制御される。
【0041】
まず、第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)は油路131に出力されてこれに直結する油路108に供給されるが、油路108は3RDコントロールバルブ75に繋がる。ここで、3RDコントロールバルブ75の右端ポート75aに繋がる油路107は油路104に繋がりライン圧PLを受ける。また、左端ポート75bに繋がる油路141は油路121に繋がり、油路121から第2リニアソレノイドバルブ46の出力側に繋がり、第2リニアソレノイドバルブ46においてドレンされる。このため、3RDコントロールバルブ75のスプール76は左動され、油路108は3速クラッチ23に繋がる油路123に繋がる。このため、第3リニアソレノイドバルブ47からの制御油圧Pc(3)が3速クラッチ23に供給され、3速クラッチ23の解放制御が行われる。
【0042】
一方、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)は油路111に出力され、その分岐油路111aが第1シフトバルブ53に繋がる。第1シフトバルブ53のスプール54は上述のように左動しているため、油路111aは第1シフトバルブ53を介して油路112に繋がり、油路112はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路113に繋がる。油路113は第2シフトバルブ56を介して油路122と繋がり、油路122は2NDコントロールバルブ70に繋がる。
【0043】
ここで、2NDコントロールバルブ70の左側ポート73aには3速クラッチ23の制御油圧が作用している。一方、右端ポート73cは油路125から3RDコントロールバルブ75を介して油路126に繋がり、油路126は第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がる。油路116はDインヒビターバルブ63を介して油路117に繋がる。油路117には前述のようにライン圧PLが供給されるため、2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(これが特許請求の範囲に規定するバルブ位置設定油圧である)が供給され、そのスプール71は左動される。この結果、油路122は2速クラッチ22に繋がる油路128と繋がり、2速クラッチ22には第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が供給され、係合制御が行われる。
【0044】
ここで、第3速段においては2NDコントロールバルブ70のスプール71は右動され、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がった状態である。ところが、3−2シフトダウン変速が行われるときには、上記のように2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(バルブ位置設定油圧)が供給されてスプール71は左動され、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0045】
次に、第4速段から第2速段へのシフトダウン変速(4−2シフトダウン変速)の制御について説明する。この変速のときにも第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42がともにオフにされる。これにより上記と同様に、第2シフトバルブ56のスプール57が左動され、第1および第3シフトバルブ53,60のスプール54,61は左動状態で維持される。4−2シフトダウン変速は4−Rクラッチ24の解放制御および2速クラッチの係合制御により行われるが、4−Rクラッチ24は第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)により係合制御され、2速クラッチ22は第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)により係合制御される。
【0046】
まず、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は油路121に出力されるが、油路121は分岐油路121aから第2シフトバルブ56を介して油路115に繋がり、油路115はカットバルブ66に繋がる。ここで、カットバルブ66の右端ポート66aに繋がる油路106は分岐油路106aから第2シフトバルブ56を介して油路116に繋がるが、この油路116には前述のようにライン圧PLが供給されており、カットバルブ66の右端ポート66aにはライン圧PLが作用する。一方、左端ポート66bに繋がる油路118は2速クラッチ22に繋がっている。このため、カットバルブ66のスプール67は左動され、油路115はカットバルブ66を介して油路143に繋がり、油路143は分岐油路143aから第3シフトバルブ60を介して油路135に繋がり、油路135は4−Rクラッチ24に繋がる。このため、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)が4−Rクラッチ24に供給され、4−Rクラッチ24の解放制御が行われる。一方、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)は3−2シフトダウン変速の場合と同様にして2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0047】
ここで、第4速段においては2NDコントロールバルブ70のスプール71は右動され、2速クラッチ22に繋がる油路128は2NDコントロールバルブ70においてドレンに繋がった状態である。ところが、4−2シフトダウン変速が行われるときには、上記のように2NDコントロールバルブ70の右端ポート73cにライン圧PL(これが特許請求の範囲に規定するバルブ位置設定油圧である)が供給されてスプール71は左動され、第2リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が2速クラッチ22に供給され、その係合制御が行われる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1所定動力伝達経路(例えば、第2速段)を設定するために第1所定係合ユニット(例えば、2速クラッチ)に係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブ(例えば、2NDコントロールバルブ70)が、第2もしくは第3所定動力伝達経路(例えば、第3速段もしくは第4速段)を設定するために第2もしくは第3所定係合ユニット(例えば、3速クラッチもしくは4−Rクラッチ)に供給される係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置し、第1所定係合ユニットに作動油圧を供給させるときに第1所定係合ユニットを作動油圧供給油路と連通させる供給位置に位置させるように構成され、また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、コントロールバルブを供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧をコントロールバルブに作用させるように構成されている。
【0049】
このため、第2所定動力伝達経路や第3所定動力伝達経路を設定するために第2所定係合ユニットや第3所定係合ユニットに係合作動油圧が供給されているときには、第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブは、このように第2もしくは第3所定係合ユニットに供給されている係合作動油圧を受けて第1所定係合ユニットをドレン側に連通させるため、第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態で同時に第1所定動力伝達経路が設定されるような事態の発生を確実に防止できる。
【0050】
また、第2もしくは第3所定係合ユニットが係合されて第2もしくは第3所定動力伝達経路が設定されている状態から第1所定係合ユニットを係合させて第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、バルブ位置設定油圧がコントロールバルブに作用してこれを供給位置に位置させるので、この状態で第2もしくは第3所定係合ユニットに供給する油圧を解放させる制御と、第1所定係合ユニットへの油圧供給制御とをそれぞれ行えば良く、比較的簡単な構成の装置で的確な変速制御を行うことができる。このため、従来に比較して、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等を少なくして、装置構成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の動力伝達経路構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す全体油圧回路図である。
【図3】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図4】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図5】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図6】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図7】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図8】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【符号の説明】
11 第1速ギヤ列
12 第2速ギヤ列
13 第3速ギヤ列
14 第4速ギヤ列
15 リバースギヤ列
TM 平行軸式変速機構
21 1速クラッチ
22 2速クラッチ
23 3速クラッチ
24 4−Rクラッチ
70 2NDコントロールバルブ
Claims (2)
- 変速段設定用の複数の動力伝達経路を構成する動力伝達機構と、前記動力伝達経路に対応して設けられ、油圧力を受けて作動して前記複数の動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニットとを備え、前記複数の油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行うように構成された自動変速機の制御装置であって、
前記油圧係合ユニットのうちの第1所定係合ユニットを係合させて前記動力伝達経路のうちの第1所定動力伝達経路を設定し、前記油圧係合ユニットのうちの第2所定係合ユニットを係合させて前記動力伝達経路のうちの第2所定動力伝達経路を設定するように構成され、
前記第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給する制御を行うコントロールバルブが、前記第2所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けて前記第1所定係合ユニットをドレン側に連通させる解放位置に位置し、前記第1所定係合ユニットに係合作動油圧を供給させるときに前記第1所定係合ユニットを作動油圧供給油路と連通させる供給位置に位置させるように構成され、
前記第2所定係合ユニットが係合されて前記第2所定動力伝達経路が設定されている状態から前記第1所定係合ユニットを係合させて前記第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときに、前記コントロールバルブを前記供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧を前記コントロールバルブに作用させるように構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記油圧係合ユニットのうちの第3所定係合ユニットを係合させて前記動力伝達経路のうちの第3所定動力伝達経路を設定するように構成され、
前記コントロールバルブは前記第3所定係合ユニットに供給される係合作動油圧を受けたときにも前記解放位置に位置するように構成され、
前記第3所定係合ユニットが係合されて前記第3所定動力伝達経路が設定されている状態から前記第1所定係合ユニットを係合させて前記第1所定動力伝達経路を設定する変速制御を行うときにも、前記コントロールバルブを前記供給位置に位置させるようなバルブ位置設定油圧を前記コントロールバルブに作用させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002199078A JP2004044612A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 自動変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002199078A JP2004044612A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 自動変速機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004044612A true JP2004044612A (ja) | 2004-02-12 |
Family
ID=31706350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002199078A Pending JP2004044612A (ja) | 2002-07-08 | 2002-07-08 | 自動変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004044612A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006161048A (ja) * | 2004-12-07 | 2006-06-22 | Nova Chem Internatl Sa | プロセスコントロールによるポリマー特性の調整 |
-
2002
- 2002-07-08 JP JP2002199078A patent/JP2004044612A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006161048A (ja) * | 2004-12-07 | 2006-06-22 | Nova Chem Internatl Sa | プロセスコントロールによるポリマー特性の調整 |
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