JP4740685B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用自動変速機の油圧制御装置に関する。
複数個の変速用クラッチを有する車両用油圧制御式自動変速機にあって、変速時の次段側クラッチの応答遅れを防止するために、油圧制御装置から次段側クラッチまでの油圧導通路(油路)中を変速開始以前の制御待機中の時より大気圧の油で充填する手法が知られている。
油圧導通路を充填する油の供給源としては、レギュレータバルブ(調圧弁)によりライン圧を調圧するときに生じるドレイン油を用いることが一般的であり、調圧弁のドレイン油をオリフィスで減圧した後、車両用自動変速機の上方に配置され、且つ大気開放された油溜り(以下、これを「ハイポジションドレイン油溜り」と称する)に供給し、そこから各クラッチの導通路中へ充填油を供給する方法を採っていた。
特許第3461329号公報
クラッチまでの油圧導通路充填用の油として、ライン圧の調圧時に生じる調圧弁のドレイン油を供給源として、各々のクラッチにハイポジションドレイン油溜りとして分岐して使用した場合、エンジン回転数によって増減するオイルポンプ吐出量の影響や、変速時に必要なクラッチ圧を発生するようにライン圧の調圧量を増減した時の影響等により、ハイポジションドレイン油溜りへ供給される調圧弁のドレイン油量が増減する。
例えば、高温におけるエンジン回転数が低い時や度重なる連続変速時に、ハイポジションドレイン油溜りに充填する油が不足して油圧導通路を十分に満たせない場合があり、これが原因でクラッチ圧の応答遅れを招き、ひいては変速ショックの増大を引き起こすことがあった。
よって、本発明の目的は、クラッチの応答遅れ及びそれに伴う変速ショックの増大を防止可能な自動変速機の油圧制御装置を提供することである。
請求項1記載の発明によると、元圧供給源から供給されるライン圧を調圧して変速段確立用のクラッチに供給するリニアソレノイドバルブと、該リニアソレノイドバルブと前記クラッチとの間に介装された油圧制御バルブとを備えた自動変速機の油圧制御装置において、前記リニアソレノイドバルブ調圧時のドレイン油を、前記クラッチと前記油圧制御バルブ間の油圧導通路の充填油の供給源とし、前記リニアソレノイドバルブのドレインの大気開放位置を該リニアソレノイドバルブの下方で且つ前記クラッチのドレインの大気開放位置の上方に配置すると共に、前記クラッチのドレインの大気開放位置を該クラッチが配置されるシャフト中心線の上方に配置し、前記リニアソレノイドバルブのドレインの大気開放位置と前記クラッチのドレインの大気開放位置との間の油路にオリフィスを設置し、前記油圧制御バルブは前記クラッチのドレインの大気開放位置の下方で且つ前記シャフト中心線の上方に配置されていることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置が提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記クラッチは2変速段以上離れた第1クラッチと第2クラッチから構成され、前記油圧制御バルブはセット位置と作動位置の間で切り替えられて前記第1及び第2クラッチに選択的に油圧を供給するシフトバルブから構成されたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置が提供される。
請求項1記載の発明によると、リニアソレノイドバルブ調圧時のドレイン油を、クラッチと油圧制御バルブ間の油圧導通路へ供給することにより、ライン圧の増減やエンジン回転数の増減の影響を受けづらくなるため、安定して油を油圧導通路へ充填することが可能となり、クラッチ応答遅れや、それに伴う変速ショックの増大を防止することができる。また、リニアソレノイドバルブのドレインの圧力水頭及びクラッチのドレインの圧力水頭を相対的に最適に設定したため、より一層油圧導通路の油充填率を向上できるため上述した効果を更に期待できる。さらに、クラッチ開放時のリニアソレノイドバルブの油圧干渉を防止することができる。
請求項記載の発明によると、シフトバルブにより2変速段以上離れた第1及び第2クラッチに選択的に油圧を供給するため、順次変速制御時のリニアソレノイドバルブの油圧相互干渉を防止することができ、変速ショックを防止することができる。
図1は本発明の油圧制御装置が適用可能な平行軸式自動変速機2の概略構成図である。ここで、本発明の油圧制御装置は平行軸式自動変速機のみならず、複数のプラネタリーギヤセットを使用した一般的な自動変速機にも適用可能である。
図1において、自動変速機2はエンジン4の回転速度やトルクを変換し、エンジン4の回転動力をディファレンシャル機構6経由で左右の駆動輪8,10に伝達する構成を有している。
自動変速機2は、互いに平行に延びて設けられた入力軸12、出力軸14、第1中間軸16、第2中間軸18、連結アイドル軸20及び後進アイドル軸22を有しており、ディファレンシャル機構6とともに変速機ケース24内に収容されている。
入力軸12はベアリング26a、26bにより軸まわり回転自在に支持されており、エンジン4のクランクシャフト28にカップリング機構30を介して連結されている。入力軸12上にはエンジン4側から順にメイン駆動ギヤ32、4−6速駆動ギヤ34、6速クラッチ36、3速クラッチ38、3速−R駆動ギヤ40が設けられている。
ここで、メイン駆動ギヤ32は入力軸12に対して固定して(相対回転不能に)設けられており、4−6速駆動ギヤ34、3速−R駆動ギヤ40はいずれも入力軸12に対して空転自在(相対回転自在)に設けられている。
6速クラッチ36は4−6速駆動ギヤ34と入力軸12との連結及びその解除を行う装置であり、3速クラッチ38は3速−R駆動ギヤ40と入力軸12との連結及びその解除を行う装置である。これらの両クラッチ36,38は一般に知られた油圧作動ピストン形の湿式多板クラッチであるため、その説明は省略する。
第1中間軸16はベアリング42a,42bにより軸まわり回転自在に支持されており、その軸上にはエンジン4側から順に1速クラッチ44、1速駆動ギヤ46、連結従動ギヤ48、5速駆動ギヤ50、5速クラッチ52、2速クラッチ54、2速駆動ギヤ56が設けられている。
ここで、1速駆動ギヤ46、5速駆動ギヤ50、2速駆動ギヤ56はいずれも第1中間軸16に対して空転自在に設けられており、連結従動ギヤ48は第1中間軸16に対して固定して設けられている。
1速クラッチ44は1速駆動ギヤ46と第1中間軸16との連結及びその解除を行う装置であり、5速クラッチ52は5速駆動ギヤ50と第1中間軸16との連結及びその解除を行う装置であり、2速クラッチ54は2速駆動ギヤ56と第1中間軸16との連結及びその解除を行う装置である。
これら3つのクラッチ44,52,54も上記6速クラッチ36、3速クラッチ38と同様に、一般に知られた油圧作動ピストン形の湿式多板クラッチであるため、その説明は省略する。
第2中間軸18はベアリング58a,58bにより軸まわり回転自在に支持されており、その軸上にはエンジン4側から順に4速クラッチ60、メイン従動ギヤ62、4速駆動ギヤ64、セレクタ機構(選択式クラッチ)66、後進駆動ギヤ68が設けられている。
ここで、メイン従動ギヤ62、4速駆動ギヤ64、後進駆動ギヤ68はいずれも第2中間軸18に対して空転自在に設けられている。4速クラッチ60はメイン従動ギヤ62と第2中間軸18との連結及びその解除を行う装置であり、一般に知られた油圧作動ピストン形の湿式多板クラッチである。
セレクタ機構66は第2中間軸18上を軸方向にスライド自在に設けられており、このセレクタ機構66のセレクタスリーブ70を図示しない油圧機構及びシフトフォークにより第2中間軸18の軸方向に移動させ、図示しないドグ歯を4速駆動ギヤ64の側部または後進駆動ギヤ68の側部に係止させることにより、4速駆動ギヤ64及び後進駆動ギヤ68のいずれか一方を第2中間軸18に選択的に連結させることができるようになっている。
即ち、セレクタ機構66のセレクタスリーブ70を4速駆動ギヤ64側に移動させているときには、4速駆動ギヤ64が第2中間軸18に連結され、セレクタスリーブ70を後進駆動ギヤ68側に移動させているときには、後進駆動ギヤ68が第2中間軸18に連結される。
連結アイドル軸20はベアリング72a、72bにより軸まわり回転自在に支持されており、その軸上には連結アイドルギヤ74が設けられている。連結アイドルギヤ74は連結アイドル軸20に対して固定して設けられており、入力軸12上に設けられたメイン駆動ギヤ32及び第1中間軸16上に設けられた連結従動ギヤ48の双方と常時噛合している。
出力軸14はベアリング76a,76bにより軸まわり回転自在に支持されており、その軸上にはエンジン4側から順にファイナルドライブギヤ78、1速従動ギヤ80、4−5−6速従動ギヤ82、2−3−R速従動ギヤ84が設けられている。
ここで、ファイナルドライブギヤ78、1速従動ギヤ80、4−5−6速従動ギヤ82、2−3−R速従動ギヤ84はいずれも出力軸14に対して固定して設けられている。
ファイナルドライブギヤ78はディファレンシャル機構6を駆動するファイナルドリブンギヤ86と常時噛合しており、1速従動ギヤ80は第1中間軸16上に設けられた1速駆動ギヤ46と常時噛合している(図1中に示すファイナルドライブギヤ78とファイナルドリブンギヤ86との間の破線は、これら両ギヤ78,86が噛合していることを表す)。
また、4−5−6速従動ギヤ82は入力軸12上に設けられた4−6速駆動ギヤ34及び第1中間軸16上に設けられた5速駆動ギヤ50の双方と常時噛合しており、2−3−R速従動ギヤ84は入力軸12上に設けられた3速−R駆動ギヤ40及び第1中間軸16上に設けられた2速駆動ギヤ56の双方と常時噛合している。
後進アイドル軸22はベアリング88a,88bにより軸まわり回転自在に支持されており、その軸上には後進アイドルギヤ90が固定して設けられている。この後進アイドルギヤ90は入力軸12上に設けられた3速−R駆動ギヤ40及び第2中間軸18上に設けられた後進駆動ギヤ68の双方と常時噛合している。
ディファレンシャル機構6はディファレンシャルケース92の内部に2つのディファレンシャルピニオン94a,94a及び2つのサイドギヤ94b,94bからなる差動機構95が収容された構成となっており、サイドギヤ94b,94bには左右のアクスルシャフト96,98が固定されている。
これら左右のアクスルシャフト96,98の中心軸は出力軸14と平行に配置されており、ディファレンシャルケース92はこれら左右のアクスルシャフト96,98の中心軸を回転軸として回転できるようにベアリング100a,100bにより支持されている。また、左右のアクスルシャフト96,98の端部には左右の駆動輪(車両の前輪)8,10が取り付けられている。
ディファレンシャルケース92に固定されたファイナルドリブンギヤ86はファイナルドライブギヤ78と常時噛合しており、出力軸14の回転にともなってディファレンシャルケース92全体が左右のアクスルシャフト96,98まわりに回転する構成となっている。
図2は自動変速機2の側面図であり、各軸の配置関係を示している。入力軸12と第1中間軸16及び第2中間軸18の配置関係では、第1中間軸16が一番高い位置に配置され、第2中間軸18が一番低い位置に配置された構成となっている。セレクタ機構66のセレクタスリーブ70はシフトフォーク112により4速駆動ギヤ64と後進駆動ギヤ68との間で移動される。
次に、上述した自動変速機2における変速状態及びこれにより形成される動力伝達経路について説明する。
エンジン4の回転動力はクランクシャフト28及びカップリング機構30を介して変速機2の入力軸12に入力され、更にメイン駆動ギヤ32、連結アイドルギヤ74及び連結従動ギヤ48を介して第1中間軸16に伝達される。これにより、第1中間軸16は入力軸12とともに、入力軸12と同一方向に回転することになる。
ここで、1速クラッチ44、2速クラッチ54、3速クラッチ38、4速クラッチ60、5速クラッチ52及び6速クラッチ36のいずれもがオフであるときには、1速駆動ギヤ46、5速駆動ギヤ50、2速駆動ギヤ56のいずれもが第1中間軸16と非連結状態となっており、4−6速駆動ギヤ34及び3速−R駆動ギヤ40がともに入力軸12と非連結状態となっており、またメイン従動ギヤ62が第2中間軸18と非連結状態となっているので、エンジン4の回転動力は出力軸14に伝達されず、変速機2はニュートラル(中立)状態となる。
なお、このニュートラル状態ではセレクタ機構66のセレクタスリーブ70は4速駆動ギヤ64側に位置される(これにより4速駆動ギヤ64が第2中間軸18に連結され、後進駆動ギヤ68は第2中間軸18と非連結となる)。
変速機2をニュートラルの状態から前進1速状態にするには、1速クラッチ44を「オフ」から「オン」にする。これにより、1速駆動ギヤ46と第1中間軸16とが連結されるのでエンジン4の動力は入力軸12→メイン駆動ギヤ32→連結アイドルギヤ74→連結従動ギヤ48→第1中間軸16→1速クラッチ44→1速駆動ギヤ46→1速従動ギヤ80→出力軸14と伝達され、変速機2は前進1速状態となる。
変速機2を前進1速状態から前進2速状態にするには、1速クラッチ44を「オン」から「オフ」にするとともに、2速クラッチ54を「オフ」から「オン」にする。これにより、1速駆動ギヤ46と第1中間軸16との連結が解除されるとともに、2速駆動ギヤ56と第1中間軸16とが連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→メイン駆動ギヤ32→連結アイドルギヤ74→連結従動ギヤ48→第1中間軸16→2速クラッチ54→2速駆動ギヤ56→2−3−R速従動ギヤ84→出力軸14と伝達され、変速機2は前進2速状態となる。
変速機2を前進2速状態から前進3速状態にするには、2速クラッチ54を「オン」から「オフ」にするとともに、3速クラッチ38を「オフ」から「オン」にする。これにより、2速駆動ギヤ56と第1中間軸16との連結が解除されるとともに、3速−R駆動ギヤ40と入力軸12とが連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→3速クラッチ38→3速−R駆動ギヤ40→2−3−R速従動ギヤ84→出力軸14と伝達され、変速機2は前進3速状態となる。
変速機2を前進3速状態から前進4速状態にするには、3速クラッチ38を「オン」から「オフ」にするとともに、4速クラッチ60を「オフ」から「オン」にする。これにより、3速−R駆動ギヤ40と入力軸12との連結が解除されるとともに、メイン従動ギヤ62が第2中間軸18に連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→メイン駆動ギヤ32→メイン従動ギヤ62→4速クラッチ60→第2中間軸18→セレクタ機構66→4速駆動ギヤ64→4−6速駆動ギヤ34(入力軸12上を空転)→4−5−6速従動ギヤ82→出力軸14と伝達され、変速機2は前進4速状態となる。
変速機2を前進4速状態から前進5速状態にするには、4速クラッチ60を「オン」から「オフ」にするとともに、5速クラッチ52を「オフ」から「オン」にする。これにより、メイン従動ギヤ62と第2中間軸18との連結が解除されるとともに、5速駆動ギヤ50と第1中間軸16とが連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→メイン駆動ギヤ32→連結アイドルギヤ74→連結従動ギヤ48→第1中間軸16→5速クラッチ52→5速駆動ギヤ50→4−5−6速従動ギヤ82→出力軸14と伝達され、変速機2は前進5速状態となる。
変速機2を前進5速状態から前進6速状態にするには、5速クラッチ52を「オン」から「オフ」とするとともに、6速クラッチ36を「オフ」から「オン」にする。これにより、5速駆動ギヤ50と第1中間軸16との連結が解除されるとともに、4−6速駆動ギヤ34が入力軸12に連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→6速クラッチ36→4−6速駆動ギヤ34→4−5−6速従動ギヤ82→出力軸14と伝達され、変速機2は前進6速状態となる。
また、変速機2をニュートラルの状態から後進変速状態にするには、4速クラッチ60を「オフ」から「オン」にするとともに、セレクタ機構66のセレクタスリーブ70を4速駆動ギヤ64側から後進駆動ギヤ68側に移動させる。
これにより、メイン従動ギヤ62と第2中間軸18とが連結され、且つ後進駆動ギヤ68と第2中間軸18とが連結されるので、エンジン4の動力は入力軸12→メイン駆動ギヤ32→メイン従動ギヤ62→4速クラッチ60→第2中間軸18→セレクタ機構66→後進駆動ギヤ68→後進アイドルギヤ90→3速−R駆動ギヤ40(入力軸12上空転)
→2−3−R速従動ギヤ84→出力軸14と伝達され、変速機2は後進変速状態となる。
次に、図3を参照して、本発明の油圧制御装置を図1に示した自動変速機2の5速クラッチ52及び2速クラッチ54の油圧制御に適用した例について説明する。
102はノーマルクローズタイプのリニアソレノイドバルブであり、通電時(オン時)に開放作動されクラッチ係合用の信号油圧を発生させる。図示の状態はクローズ状態であり、ポート102aに供給されたライン圧PLはリニアソレノイドバルブ102により遮断されている。
しかし、リニアソレノイドバルブの一般的な特性として、各ポート102a,102b,102cの両端に設けられたシールの幅が狭いため、リニアソレノイドバルブ102が完全なクローズ状態でも、ポート102aに供給された圧油はドレインポート102cにある程度漏れ出している。
一般的に、車両用自動変速機の油圧制御回路においては、図示しないオイルポンプがエンジンにより駆動されて作動油を供給する。この作動油はレギュレタバルブに繋がり、ここで調圧されて油路にライン圧PLが発生する。
リニアソレノイドバルブ102がオン作動されると、スプール104がリターンスプリング106の付勢力に抗して左方向に移動され、ポート102aがポート102bに連通する。
よって、リニアソレノイドバルブ102のポート102aに供給されたライン圧PLは、リニアソレノイドバルブ102の調圧度に応じて、ポート102bを介して油路116に供給される。
シフトバルブ108は図示しないオン・オフソレノイドバルブからの油圧信号により作動される。図示した状態はセット状態であり、左端ポート108fにオン・オフソレノイドバルブからの油圧信号が供給されると、スプール110がリターンスプリング114の付勢力に抗して右方向に移動されて、シフトバルブ108が作動状態となる。
シフトバルブ108が図示したセット状態では、リニアソレノイドバルブ102から油路116を介して供給された圧油は、ポート108a,108bを介して油路118につながり、5速クラッチ52に圧油が供給されて5速クラッチ52が係合される。
一方、シフトバルブ108が作動状態では、スプール110がリターンスプリング114の付勢力に抗して右方向に移動されるため、油路116はポート108a,108cを介して油路120に繋がり、2速クラッチ54に圧油が供給されて、2速クラッチ54が係合される。
リニアソレノイドバルブ102のドレインポート102cは油路122を介してシフトバルブ108のポート108dに繋がっている。128はリニアソレノイドバルブ102のハイポジションドレイン油溜り(ドレインの大気開放位置)であり、油路130,122を介してリニアソレノイドバルブ102のドレインポート102cに繋がっている。以下、リニアソレノイドバルブ102のハイポジションドレイン油溜り128をHL×と記述する。
132はクラッチ52,54のハイポジションドレイン油溜り(クラッチのドレインの大気開放位置)であり、油路124,122,セット状態のシフトバルブ108,油路120を介して2速クラッチ54に繋がり、油路124,126、作動状態のセットバルブ108、油路118を介して5速クラッチ52に繋がっている。以下、クラッチ52,54のハイポジションドレイン油溜り132をHC×と記述する。
図示したように、HL×128はHC×132よりも高い位置に配置されている。更に、HL×128とHC×132の間の油路122にオリフィス134が設けられている。
このオリフィス134を設けたことにより、HL×128がリニアソレノイドバルブ102のドレインの大気開放位置として機能し、HC×132がクラッチ52,54のドレインの大気開放位置として機能する。
なお図示の状態では、HL×128及びHC×132はオイルパンのような油溜りとして図示されているが、実際には油路130,124が上方に向けて開口していればよい。
本実施形態では、シフトバルブ108は5速クラッチ52と、2速クラッチ54に選択的に油圧を供給するが、一般的に2変速段以上離れた複数個のクラッチへシフトバルブが油圧を切り替え供給するように構成するのが好ましい。
更に、シフトバルブ108はクラッチ52,54のドレインの大気開放位置132の下方で且つクラッチ52,54が配置されるシャフト中心線136の上方に配置されるのが好ましい。
このように、シフトバルブ108で2変速段以上離れた複数個のクラッチ(例えば、5速クラッチ52,2速クラッチ54)に油圧を切り替え供給するように構成することにより、一つのクラッチから他のクラッチへの変速制御時にリニアソレノイドバルブ102から出力される油圧相互干渉を防止することができるので、変速ショックを防止することができる。
以下、上述した実施形態の油圧制御装置の作用について説明する。図示の状態から、リニアソレノイドバルブ102がコマンド信号に応じて作動されて調圧状態になると、スプール104がリターンスプリング106の付勢力に抗して作動されて、ポート102aとポート102bが連通すると共に、ポート102aとドレインポート102cも調圧の程度に応じて連通される。
よって、ドレインポート102cからの圧油は油路122,オリフィス134,シフトバルブ108,油路120を介して2速クラッチ54に繋がる。このとき、HC×132がシフトバルブ108の上方に位置しているので、シフトバルブ108と2速クラッチ54との間の油路120は完全に大気圧の油で充填される。
リニアソレノイドバルブ102のポート102bに供給された圧油は、油路116,セット状態のシフトバルブ108、油路118を介して5速クラッチ52に供給され、5速クラッチ52を係合する。
上述したように、2速クラッチ54に接続された油路120は大気圧の油で満たされているので、次に2速段に変速しようとして2速クラッチ54を係合する場合、2速クラッチ54の作動応答遅れを防止することができ、ひいては変速ショックを防止することができる。
次に、5速クラッチ52係合状態から、シフトバルブ108のポート108fに油圧を導入してシフトバルブ108を作動状態にすると、5速クラッチ52のピストン室を充填していた油は油路118、作動状態のシフトバルブ108を介してドレインに排出されるが、油路122中にオリフィス134が設けられているため、この排出された油圧がリニアソレノイドバルブ102のドレインポート102cに作用することが防止され、リニアソレノイドバルブ102の油圧干渉を防止することができる。
次いで、2速クラッチ54係合時の作用について説明する。2速変速段を確立するためには、シフトバルブ108の左端ポート108fに油圧を導入してシフトバルブ108を作動状態にする。これにより、油路116は作動状態のシフトバルブ108を介して油路120に連通される。
リニアソレノイドバルブ102をコマンド信号に応じて作動して、リニアソレノイドバルブ102を調圧状態にすると、ポート102aに供給されたライン圧PLは調圧の程度に応じてポート102bとドレインポート102cに供給される。
ドレインポート102cに供給された油は油路122、オリフィス134、油路124、油路126、作動状態のシフトバルブ108、油路118を介して5速クラッチ52に供給される。HC×132がシフトバルブ108の上方に設けられているため、シフトバルブ108と5速クラッチ52との間の油路118は大気圧の油で充填されることになる。
一方、調圧状態に応じてリニアソレノイドバルブ102のポート102bに供給された圧油は、油路116、作動状態のシフトバルブ108、油路120を介して2速クラッチ54に供給され、2速クラッチ54を係合する。
上述したように、シフトバルブ108と5速クラッチ52との間の油路118は大気圧の油で充填されているため、次に5速段を確立しようとして5速クラッチ52を係合する場合の、クラッチ52の応答遅れを防止することができ、ひいては5速クラッチ52係合時の変速ショックを防止することができる。
次に、2速クラッチ54係合状態から、シフトバルブ108のスプール110を左動させてシフトバルブ108をセット状態にすると、2速クラッチ54のピストン室を充填していた油は油路120、セット状態のシフトバルブ108を介してドレインに排出される。
この時、油路122にオリフィス134が形成されているため、2速クラッチ54から排出された油がリニアソレノイドバルブ102のドレインポート102cに作用することが防止され、リニアソレノイドバルブ102の油圧干渉を防止することができる。
以上詳述したように、本発明実施形態ではリニアソレノイドバルブ102調圧時のドレイン油を、クラッチ52,54とシフトバルブ108間の油路(油圧導通路)の充填油の供給源として用いている。
よって、エンジン回転数によって増減するオイルポンプ吐出量の影響や、変速時に必要なクラッチ圧を発生するようにライン圧の調圧量を増減した時の影響を受けにくくなるため、安定して大気圧の油をシフトバルブ108とクラッチ52,54との間の油路に充填することが可能となり、クラッチ応答遅れを防止でき、それに伴う変速ショックの増大を防止することができる。
更に、リニアソレノイドバルブ102、シフトバルブ108、クラッチ52,54に対してのHL×128及びHC×132の位置関係を規定したため、リニアソレノイドバルブ102調圧時のドレイン油により、シフトバルブ108とクラッチ52,54間の油路を効率よく確実に充填することができる。
また、HL×128及びHC×132は上方に開口しているため、ギヤ撹拌等による飛沫油中の異物の油圧制御装置への混入を抑制することができ、バルブがロックしてしまう等の不具合の防止が期待できる。
本発明の油圧制御装置が適用される平行軸式自動変速機の構成を示すスケルトン図である。 図1に示した自動変速機の概略側面図である。 本発明実施形態の油圧制御装置の構成を示す油圧回路図である。
符号の説明
52 5速クラッチ
54 2速クラッチ
102 リニアソレノイドバルブ
108 シフトバルブ
128 リニアソレノイドバルブのハイポジションドレイン油溜り(HL×)
132 クラッチのハイポジションドレイン油溜り(HC×)
134 オリフィス

Claims (2)

  1. 元圧供給源から供給されるライン圧を調圧して変速段確立用のクラッチに供給するリニアソレノイドバルブと、該リニアソレノイドバルブと前記クラッチとの間に介装された油圧制御バルブとを備えた自動変速機の油圧制御装置において、
    前記リニアソレノイドバルブ調圧時のドレイン油を、前記クラッチと前記油圧制御バルブ間の油圧導通路の充填油の供給源とし
    前記リニアソレノイドバルブのドレインの大気開放位置を該リニアソレノイドバルブの下方で且つ前記クラッチのドレインの大気開放位置の上方に配置すると共に、
    前記クラッチのドレインの大気開放位置を該クラッチが配置されるシャフト中心線の上方に配置し、
    前記リニアソレノイドバルブのドレインの大気開放位置と前記クラッチのドレインの大気開放位置との間の油路にオリフィスを設置し、
    前記油圧制御バルブは前記クラッチのドレインの大気開放位置の下方で且つ前記シャフト中心線の上方に配置されていることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記クラッチは2変速段以上離れた第1クラッチと第2クラッチから構成され、
    前記油圧制御バルブはセット位置と作動位置の間で切り替えられて前記第1及び第2クラッチに選択的に油圧を供給するシフトバルブから構成されたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の油圧制御装置。
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