JP4012774B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、複数のギヤ列からなり変速段設定用の複数の動力伝達経路を構成する動力伝達機構と、油圧クラッチ等のように油圧力を受けて作動していずれかの動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニットとを備えて構成される自動変速機に関し、さらに詳しくは、これら油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行う自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような自動変速機は車両用等として一般的に用いられており、車両の走行状態に応じて自動的に油圧クラッチ等の作動を制御して自動変速制御を行うように構成されている。このため、自動変速機の作動制御を行う制御装置は、一般的に、複数のコントロールバルブと、これらコントロールバルブの作動を制御するソレノイドバルブと、ドライバーによるシフトレバー操作に応じて作動されるマニュアルバルブとを有して構成される。そして、シフトレバー操作によりマニュアルバルブを作動させて、駐車レンジ、後進レンジ、中立レンジ、前進レンジ(Dレンジ、2レンジ等)といった複数のレンジを選択的に設定し、各レンジ内において(通常は、前進レンジ内において)走行状態に応じて自動的に変速段を変更する制御、すなわち、自動変速制御を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような自動変速機の変速制御装置により自動変速制御を行うときに、複数の変速段を選択的に設定する制御とこれら複数の変速段間での変速を行わせる制御とを行う必要がある。このような多様な変速制御を的確に行うため、従来では変速制御装置を複数のコントロールバルブ、各クラッチの作動油圧を検出する油圧スイッチ、複数のソレノイドバルブ等を設けて構成しており、コントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブが多数必要であり、制御装置の構成が複雑化し、装置コストが上昇するという問題があった。例えば、複数の変速段をそれぞれ設定する油圧係合ユニットにそれぞれ独立して係合作動油圧を供給する複数の作動油圧供給バルブを設ければ、複数の変速段それぞれの選択設定制御のみならずこれら変速段間での変速制御も自由に行えるのであるが、作動油圧供給バルブの必要数が多くなり、装置構成が複雑化し、コストアップになるという問題がある。
【0004】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、自動変速機の制御装置を構成するコントロールバルブ、油圧スイッチ、ソレノイドバルブ等をできる限り少なくして、装置構成を簡単にすることを目的とする。
本発明はまた、変速段設定用の油圧係合ユニット(油圧係合クラッチ等)に係合作動油圧を供給する作動油圧供給バルブを複数の油圧係合ユニットに共用できるようにして必要バルブ数を少なくすることができるとともに、これら複数の油圧係合ユニットにより設定される変速段間での変速制御を適切に行えるような構成の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明においては、変速段設定用の複数の動力伝達経路(例えば、実施形態における第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15)を構成する動力伝達機構(例えば、実施形態における平行軸式変速機構TM)と、動力伝達経路に対応して設けられ、油圧力を受けて作動してこれら複数の動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニット(例えば、実施形態における1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24)とを備え、これら複数の油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行うように自動変速機の制御装置が構成される。さらに、この制御装置は、油圧係合ユニットのうちの第1所定係合ユニット(例えば、実施形態における2速クラッチ22)を係合させて動力伝達経路のうちの第1所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第2速ギヤ列12)を設定し、油圧係合ユニットのうちの第2所定係合ユニット(例えば、実施形態における4−Rクラッチ24)を係合させて動力伝達経路のうちの第2所定動力伝達経路(例えば、実施形態における第4速ギヤ列14)を設定するように構成される。
【0006】
その上で、この制御装置は、それぞれ係合作動油圧を調圧供給する第1および第2作動油圧供給バルブ(例えば、実施形態における第1リニアソレノイドバルブ45および第2リニアソレノイドバルブ46)と、第2作動油圧供給バルブから調圧供給される第2係合作動油圧を第2所定係合ユニットに供給可能とする供給位置および第2係合作動油圧を所定連結油路(例えば、実施形態における油路122)に供給可能とするとともに第2所定係合ユニットをドレンに連通させる連結位置に切換設定される第2シフトバルブと、第1作動油圧供給バルブから調圧供給される第1係合作動油圧を第1所定係合ユニットに供給可能とする第1位置および連結油路を第1所定係合ユニットと繋げる第2位置に切換設定される第1シフトバルブと、位置切換油圧を供給する位置切換制御バルブ(例えば、実施形態における第2オンオフソレノイドバルブ42)とを備える。そして、第1シフトバルブは、位置切換制御バルブからの位置切換油圧を受けたときに第1位置に位置して第1係合作動油圧を第1所定係合ユニットに供給させ、位置切換油圧が供給されないときに第2位置に位置する。また、第2シフトバルブは、位置切換制御バルブからの位置切換油圧を受けた状態で第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧以下のときには供給位置に位置して第2係合作動油圧を第2所定係合ユニットに供給させ、位置切換油圧を受けた状態で第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧を超えるときには連結位置に位置して第2係合作動油圧を連結油路に供給させるように構成されている。
【0009】
このように構成すれば、例えば、第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧を第2所定係合ユニット(例えば、4−Rクラッチ)に供給してこれを係合させて第2所定動力伝達経路(例えば、第4速ギヤ列)による変速段(例えば、第4速段)を設定した状態から、第1係合作動油圧を第1所定係合ユニット(例えば、2速クラッチ)に供給してこれを係合させ、第1所定動力伝達経路(例えば、第2速ギヤ列)による変速段(例えば、第2速段)への変速を行うようなときに、変速初期段階では第1係合作動油圧が所定油圧以下であり、第2シフトバルブは位置切換油圧を受けて供給位置に位置し、また第1シフトバルブは位置切換油圧を受けて第1位置に位置する。このため、第2係合作動油圧が第2所定係合ユニットに供給され、第2作動油圧供給バルブにより第2所定係合ユニットの係合作動油圧が低下されてこれを解放させる制御が行われ、これと並行して第1作動油圧供給バルブから第1係合作動油圧が第1所定係合ユニットに供給されてこれを係合させる制御が行われる。
【0010】
そして、第1所定係合ユニットの係合作動油圧が所定油圧を超えると第2シフトバルブが連結位置にされ、第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧の供給がブロックされる。これにより、それまで第2所定係合ユニットの係合に用いられていた第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧を別の制御に用いることができるので、装置全体としての必要バルブ数を少なくして、装置構成をシンプル化できる。また、この構成の場合には、例えば、第1シフトバルブのスプールスティック等によりこれが第1位置に保持されるような故障が発生した場足でも、第1および第2所定係合ユニットが同時に係合されるようなことがなく、フェイルセーフ機能が高い制御装置が得られる。
【0011】
また、第2シフトバルブを、位置切換制御バルブからの位置切換油圧とライン圧と第1所定係合ユニットの係合作動圧とに基づいて供給位置と連結位置との位置切換が行われるように構成し、第2シフトバルブを供給位置に位置した状態においてのみライン圧を受けるように構成し、ライン圧が供給位置に位置した第2シフトバルブを供給位置に自己ホールドさせるように構成するのが好ましい。このようにすれば、上記のように第1所定係合ユニットの係合作動油圧が所定油圧を超えて第2シフトバルブが連結位置にされると、ライン圧は第2シフトバルブに作用しないので、この後において位置切換バルブからの位置切換油圧の供給を停止すると第2シフトバルブは連結位置でホールドされたまま第1シフトバルブのみを連結位置に位置させることができる。
【0012】
この結果、変速前の段階において第2所定係合ユニットの係合に用いられていた第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧が変速中において低下されて第2所定係合ユニットを解放させる制御が行われ、変速後半段階において第2シフトバルブが連結位置に切り換えられると第2作動油圧供給バルブから第2所定係合ユニットへの第2係合作動油圧の供給が遮断される。このため、上記のようにこの後に位置切換バルブからの位置切換油圧の供給を停止すると第2シフトバルブは連結位置でホールドされたまま第1シフトバルブのみを連結位置に位置させ、第2係合作動油圧を今度は第1所定係合ユニットの係合制御に用いることができる。このように、第2作動油圧供給バルブを、変速前および変速中における第2所定係合ユニットの係合制御と、変速完了時およびその後における第1所定係合ユニットの係合制御とに用いることができるため、制御装置に必要なバルブの数を少なくして装置構成を簡単にすることができる。なお、このようにすれば、変速完了時からは第1作動油圧供給バルブの出力油圧を別の用途(例えば、ロックアップクラッチの係合制御)に用いることができ、必要バルブ数の低減を一層図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る制御装置により自動変速制御等が行われる自動変速機の動力伝達経路構成を図1に示している。この自動変速機ATは、エンジン出力軸(図示せず)に繋がるトルクコンバータTCと、このトルクコンバータTCの出力部材(タービン)に繋がった平行軸式変速機構TMと、この変速機構TMの出力側に配設されたディファレンシャル機構DFとを有して構成される。なお、トルクコンバータTCはロックアップクラッチLCを有する。
【0014】
平行軸式変速機構TMは、互いに平行に延びた入力軸1およびカウンタ軸2の間に、互いに噛合する複数のギヤ列を配設して構成される。このギヤ列は、互いに噛合する駆動および従動ギヤからなる第1速ギヤ列11,第2速ギヤ列12、第3速ギヤ列13、第4速ギヤ列14およびリバースギヤ列15からなる。第1速ギヤ列11は、入力軸1上に回転自在に配設された1速駆動ギヤ11aと、1速駆動ギヤ11aを入力軸1に係脱させる1速クラッチ21と、カウンタ軸2にワンウエイクラッチ11cを介して結合された1速従動ギヤ11bとから構成される。第2速ギヤ列12は、入力軸1上に回転自在に配設された2速駆動ギヤ12aと、2速駆動ギヤ12aを入力軸1に係脱させる2速クラッチ22と、カウンタ軸2に結合された2速従動ギヤ12bとから構成される。第3速ギヤ列13は、入力軸1に結合された3速駆動ギヤ13aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設された3速従動ギヤ13bと、3速従動ギヤ13bをカウンタ軸に係脱させる3速クラッチ23とから構成される。
【0015】
第4速ギヤ列14は、入力軸1上に回転自在に配設された4速駆動ギヤ14aと、4速駆動ギヤ14aを入力軸1に係脱させる4−Rクラッチ24と、カウンタ軸2上に回転自在に配設された4速従動ギヤ14bとから構成される。リバースギヤ列15は、4速駆動ギヤ14aと結合されて入力軸1上に回転自在に配設されるとともに4−Rクラッチ24により入力軸1に係脱されるリバース駆動ギヤ15aと、カウンタ軸2上に回転自在に配設されたリバース従動ギヤ15bとから構成される。さらに、4速従動ギヤ14bとリバース従動ギヤ15bとの間には、4速従動ギヤ14bおよびリバース従動ギヤ15bを選択的にカウンタ軸2と係脱させるドグ歯クラッチ5が設けられいる。なお、リバース駆動ギヤ15aとリバース従動ギヤ15bとはリバースアイドラギヤ(図示せず)を介して互いに噛合している。
【0016】
このことから分かるように、4速段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させて設定され、リバース段は4−Rクラッチ24を係合させるとともにドグ歯クラッチ5によりリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させて設定される。なお、この係合制御はドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを後述するサーボバルブ6により軸方向に移動させて行われ、スリーブ5aを図において右動させると4速従動ギヤ14bをカウンタ軸2と係合させることができ、左動させるとリバース従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させることができる。
【0017】
カウンタ軸2には出力駆動ギヤ16aが結合されており、この出力駆動ギヤ16aがディファレンシャル機構DFと一体に形成された出力従動ギヤ16bと噛合している。
【0018】
以上の構成の自動変速機ATにおいて、1速クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびドグ歯クラッチ5の作動制御を行うことにより、第1〜第4速ギヤ列11〜14もしくはリバースギヤ列15による動力伝達を選択し、第1速〜第4速変速段もしくはリバース変速段の設定およびこれら変速段間での変速制御を行うことができる。
【0019】
この変速制御を行うための変速制御装置について、図2〜図8の油圧回路図を参照して説明する。なお、図3〜図8は、図2に示すように一点鎖線A〜Fにより分割された部分をそれぞれ拡大して示す。また、これら油圧回路図において、油路が解放している箇所はドレンに繋がることを意味する。
【0020】
この制御装置においては、油圧ポンプOPから油路100に吐出される作動油の油圧を所定ライン圧PLに設定する調圧を行うレギュレータバルブ30を有し、このライン圧PLを有した作動油が油路100からマニュアルバルブ50の作動位置に応じて回路内に供給される。なお、レギュレータバルブ30により調圧されるときの余剰油はトルクコンバータTCへ供給され、ロックアップクラッチLCの作動用に供給され、且つ各部潤滑に供給される。このため、LCシフトバルブ31、LCコントロールバルブ32、TCチェックバルブ33、クーラーリリーフバルブ34、潤滑リリーフバルブ35等が図示のように配設されている。また、トルクコンバータTCに供給された作動油はオイルクーラ36を通って冷却されてオイルタンク37内に戻され、タンク内のストレーナ37aを通ってオイルポンプOPにより吸入される。
【0021】
一方、レギュレータバルブ30により調圧されたライン圧PLを有する作動油は、マニュアルバルブ50から、第1シフトバルブ53、第2シフトバルブ56、Rインヒビターバルブ60、Dインヒビターバルブ63、CPBバルブ66、2NDコントロールバルブ70および3RDコントロールバルブ75を介して、1速(LOW)クラッチ21、2速クラッチ22、3速クラッチ23、4−Rクラッチ24およびサーボバルブ6に適宜供給され、これらの作動制御が行われる。なお、サーボバルブ6はドグ歯クラッチ5の作動を制御する。また、図示のように、各クラッチ21〜24にはそれぞれアキュムレータ21a〜24aが繋がって設けられている。
【0022】
上記各バルブの作動およびクラッチ供給油圧制御を行うために、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47が図示のように設けられている。ここで、オイルポンプOPから油路100に吐出されてレギュレータバルブ30によりライン圧PLに調圧された作動油は、マニュアルバルブ50を通って油路101に供給され、油路101から分岐する油路101aを介して第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42に供給される。第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42はノーマルクローズタイプの開閉バルブであり、ソレノイド41a,42aのオン・オフ作動によりライン圧PLを油路102,103に給排する制御を行う。また、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47は、リニアソレノイド45a〜47aの通電制御により、それぞれ油路110,120,130から供給されるライン圧PLを所望の油圧に減圧設定して油路111,121,131に供給する制御を行う。
【0023】
以上のような構成の変速制御装置において、マニュアルバルブ50のレンジ位置切換と、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42の作動制御と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47の通電制御に基づいて、各変速段の設定および変速制御がなされる。マニュアルバルブ50は、運転席のシフトレバーの操作に応じてスプール51の位置切換が行われるもので、図7における四角枠で囲んだ文字P,R,N,D,2レンジ位置に切換設定される。なお、図7においては、シフトレバーがニュートラル位置(N位置)に位置して、スプール51がNレンジ位置に位置した状態を示している。このため、例えばシフトレバーがD位置に切換操作されると、マニュアルバルブ50のスプール51はDレンジ位置まで図において右動される。
【0024】
マニュアルバルブ50がDレンジ位置に位置した状態において、上記構成の変速制御装置による変速段設定制御および変速制御は、第1および第2オンオフソレノイドバルブ41,42と、第1〜第3リニアソレノイドバルブ45〜47とを下記表1に示すように制御して行われる。なお、この表のモード欄において、LOW IN-GEAR モードとは、NレンジからDレンジへの切換時等において設定されるモードであり、LOW,2ND,3RD,4THモードはそれぞれ第1速〜第4速変速段を示し、1−2,2−3,3−4,4−2,3−2は対応する番号の速度段間でのシフトアップもしくはシフトダウンを示す。また、SOL.バルブの欄におけるON,OFFはそれぞれ対応するオンオフソレノイドバルブのON,OFF作動を意味する。さらに、クラッチの欄において、PLはライン圧が供給されることを意味し、記号A,B,Cはそれぞれ第1,第2,第3リニアソレノイドバルブ45〜47からの油圧供給制御が行われることを意味し、記号×は対応するクラッチがドレンに繋がることを意味する。
【0025】
【表1】
【0026】
ここでまず、この制御装置による第1速〜第4速の各変速段の設定制御について説明する。
【0027】
まず、第1速段(LOWモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ、第2オンオフソレノイドバルブ42が一時的にオンされてからオフに切り換えられる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオンのときは、油路102にライン圧PLが供給され、このように供給されたライン圧PLが、分岐油路102aから第1シフトバルブ53の右端ポート53aに作用してそのスプール54を左方に押圧し、分岐油路102bから2NDコントロールバルブ70の右端ポート70cに作用してそのスプール71を左方に押圧し、分岐油路102bcから第2シフトバルブ56の右端ポート56aに作用してそのスプール57を左方に押圧し、分岐油路102dからCPBバルブ66の右側ポート66bに作用してそのスプール67を左方に押圧する。また、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフに切り換えられると、上記各押圧力がなくなる。
【0028】
ここで、第2オンオフソレノイドバルブ42が一時的にオンにされると、CPBバルブ66のスプール67が左動され、これによりDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50からライン圧PLが供給される油路104の分岐油路104bがCPBバルブ66を介して油路105と繋がる。油路105は1速クラッチ21に繋がっており、1速クラッチ21にはライン圧PLが供給されてこれが係合される。なお、このとき、油路105の分岐油路105aはCPBバルブ66の右端ポート66aに繋がっており、ライン圧PLがここに作用してスプール67を左方に押圧する。このため、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて係合されている状態では、CPBバルブ66のスプール67は左動した状態で保持され、この後に第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされても1速クラッチ21へのライン圧PLの供給が継続する。このようにして、1速クラッチ21が係合されてLOWモードが設定される。
【0029】
一方、第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103はその分岐油路103aからLCシフトバルブ31の右端に繋がるが、第1オンオフソレノイドバルブ41はオフであり油路103はドレンに開放されるため、第1速段においてはロックアップクラッチLCは常時解放される。
【0030】
次に、第2速段(2NDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオフであっても、上述のように1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて係合されている状態ではCPBバルブ66のスプール67は左動した状態で保持され、1速クラッチ21へのライン圧PLの供給が継続されている。
【0031】
2NDモードでは第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて、油路121にその制御油圧Pc(2)が出力される。この油路121は上記のようにスプール57が右動した第2シフトバルブ56を介して油路122に繋がり、油路122はスプール54が右動した第1シフトバルブ53を介して油路123に繋がる。油路123は2NDコントロールバルブ70に繋がる。2NDコントロールバルブ70においては、左端ポート70aに繋がる油路124は4−Rクラッチ24に繋がり、左側ポート70bに繋がる油路125は3速クラッチ23に繋がるが、いずれのクラッチも非係合であるため、左端ポート70aおよび左側ポート70bに左右する油圧は零である。このため、2NDコントロールバルブ70においてはスプリング72の付勢力によりスプール71は左動される。
【0032】
この結果、油路123は2NDコントロールバルブ70を介して油路126に繋がる。この油路126は2NDクラッチ22に繋がっているため、第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)の制御油圧Pc(2)が2速クラッチ22に供給され、これが係合されて第2速段が設定される。なお、2NDモードでは上述のように1速クラッチ21も係合されるが、1速ギヤ列11の1速従動ギヤ11bにはワンウエイクラッチ11cが設けられているため、1速クラッチ21および2速クラッチ22がともに係合された状態では第2速段が設定される。
【0033】
2NDモードでは、第1オンオフソレノイドバルブ41がオフ・オン制御されるが、上述のように第1オンオフソレノイドバルブ41の出力側に繋がる油路103の分岐油路103aはLCシフトバルブ31の右端に繋がっており、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御によりLCシフトバルブ31の作動制御が行われる。なお、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン作動されるとライン圧PLがLCシフトバルブ31の右端に作用してそのスプール31aが左動される。
【0034】
このようにLCシフトバルブ31のスプール31aを左動させることによりロックアップクラッチLCの作動を可能とするのであるが、そのときのロックアップクラッチLCの係合制御がLCコントロールバルブ32により行われる。このLCコントロールバルブ32の作動は、油路113aからスプール32aに制御油圧を作用させて制御される。この制御油圧は第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)を用いており、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)を受ける油路111は分岐油路111aから第1シフトバルブ531を介して油路112に繋がり、油路112はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路113に繋がり、油路113が油路113aに分岐してLCコントロールバルブ32に繋がる。このことから分かるように、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)をLCコントロールバルブ32に作用させてその作動制御を行い、ロックアップクラッチLCの係合制御が行われる。なお、第1オンオフソレノイドバルブ41のオフ・オン制御および第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)によるロックアップクラッチLCの係合制御は第3速段および第4速段モードでも同様である。
【0035】
第3速段(3RDモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオフであっても、上記と同様に、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて係合されている状態ではCPBバルブ66のスプール67は左動した状態で保持され、1速クラッチ21へのライン圧PLの供給が継続される。すなわち、第3速段においても1速クラッチ21が係合される。
【0036】
3RDモードではさらに、第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)が作動されて、油路131にその制御油圧Pc(3)が出力されるが、この油路131は3RDコントロールバルブ75に繋がる。ここで、3RDコントロールバルブ75の左端ポート75aに繋がる油路132はそのまま油路124に繋がり、油路124は4−Rクラッチ24に繋がる。この4−Rクラッチ24の供給油圧は零でこれが非係合であるため、3RDコントロールバルブ75のスプール76はスプリング78の付勢力により左動される。このため、油路131は3RDコントロールバルブ75を介して油路133と繋がる。油路133は3速クラッチ23と繋がっているため、第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)の制御油圧Pc(3)が3速クラッチ23に供給されてこれが係合され、第3速段が設定される。なお、3RDモードでも上述のように1速クラッチ21も係合されるが、ワンウエイクラッチ11cの作用により、1速クラッチ21および3速クラッチ23がともに係合された状態では第3速段が設定される。
【0037】
第4速段(4THモード)では、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン・オフ制御され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオフにされる。第2オンオフソレノイドバルブ42がオフであっても、上記と同様に、1速クラッチ21にライン圧PLが供給されて係合されている状態ではCPBバルブ66のスプール67は左動した状態で保持され、1速クラッチ21へのライン圧PLの供給が継続される。すなわち、第4速段においても1速クラッチ21が係合される。
【0038】
第4速段が設定されるときには必ず第3速段から第4速段へのシフトアップ変速(3−4変速)がなされる。この3−4シフトアップ変速においては、表1に示すように、第2オンオフソレノイドバルブ42が一時的にオンされた後、オフに切り換えられる。ここで、第2オンオフソレノイドバルブ42が一時的にオンにされると、油路102および油路102cを介して供給されるライン圧PLを受けて第2シフトバルブ56のスプール57が左動され、これによりDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50からライン圧PLが油路104およびその分岐油路104aを介して右側ポート56bに作用する。スプール57は右端部57aが中央部57bより小径に形成されており、このように右側ポート56bに作用するライン圧PLにより左動したスプール57を左方に押圧する力が作用し、スプール57をこの位置で自己ホールドさせる。このように第2オンオフソレノイドバルブ42が一時的にオンにされてオフに切り換えられると、第2シフトバルブ56のスプール57は左動された位置で自己ホールドされるため、第4速段が設定されるときには、第2シフトバルブ56のスプール57は左動された状態となっている。
【0039】
このような状態の下で設定される第4速段(4THモード)では第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)が作動されて油路121にその制御油圧Pc(2)が出力される。この油路121は、上述のようにスプール57が左動された第2シフトバルブ56を介して油路126に繋がり、油路126はRインヒビターバルブ60に繋がる。ここで、Rインヒビターバルブ60の右端ポート60aに繋がる油路115にはDレンジに位置したマニュアルバルブ50を介してライン圧PLが供給されているため、そのスプール61は左動されている。このため、油路126はRインヒビターバルブ60を介して油路127に繋がる。油路127は前述のように4−Rクラッチ24と繋がる油路124と繋がっており、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は4−Rクラッチ24に供給されてこれが係合され、第4速段が設定される。
【0040】
なお、第4速段を設定するにはドグ歯クラッチ5により4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させる必要がある。ドグ歯クラッチ5の作動を制御するためサーボバルブ6が設けられており、サーボバルブ6のスプール6aを図示のように左動させればドグ歯クラッチ5のスリーブ5aを図1において右動させて4速従動ギヤ15bをカウンタ軸2と係合させるように構成されている。ここで、サーボバルブ6の左油室7aに繋がる油路116はRインヒビターバルブ60においてドレンされている。一方、右油室7bに繋がる油路117は、スプール64が左動された状態で油路118からライン圧PLを受けてその位置で自己ホールドされたDインヒビターバルブ63を介して油路118に繋がり、ライン圧PLを受ける。このため、サーボバルブ6のスプール6aが左動されて4速従動ギヤ15bがカウンタ軸2と係合して、第4速段が設定される。
【0041】
以上、Dレンジにおける第1速〜第4速段の設定について説明したが、この説明および表1から分かるように、第1リニアソレノイドバルブ45(リニアソレノイドバルブA)はロックアップクラッチLCの係合制御および変速時の過渡的な制御に使用され、第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)は2速クラッチ22および4−Rクラッチ24の係合制御に使用され、第3リニアソレノイドバルブ47(リニアソレノイドバルブC)は3速クラッチ23の係合制御に使用される。このように第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)は2速クラッチ22および4−Rクラッチ24の係合制御に共用されるため、4−2シフトダウン変速の制御は工夫が必要であり、この工夫を盛り込んだ第4速段から第2速段へのシフトダウン変速(4−2シフトダウン変速)の制御について説明する。
【0042】
この変速のときには第1オンオフソレノイドバルブ41がオフにされ、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされる。第1オンオフソレノイドバルブ41がオフにされても油路103からRインヒビターバルブ60の左端に作用する油圧が解放されるだけで、Rインヒビターバルブ60のスプール61は左動されたまま変化しない。一方、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンにされると、前述したように、第1シフトバルブ53のスプール54を左方に押圧移動させ、2NDコントロールバルブ70のスプール71を左方に押圧移動させ、第2シフトバルブ56のスプール57を左方に押圧移動させ、CPBバルブ66のスプール67を左方に押圧移動させる。
【0043】
4−2シフトダウン変速制御は4−Rクラッチ24の解放制御および2速クラッチ22の係合制御により行われるが、4−Rクラッチ24は第2リニアソレノイドバルブ46(リニアソレノイドバルブB)からの制御油圧Pc(2)により解放制御され、2速クラッチ22は第1リニアソレノイドバルブ45(リニアソレノイドバルブA)からの制御油圧Pc(1)により係合制御される。
【0044】
まず、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は油路121に出力されるが、油路121は第2シフトバルブ56を介して油路126に繋がり、油路126はRインヒビターバルブ60を介して油路127に繋がる。油路127は前述のように4−Rクラッチ24と繋がる油路124と繋がっており、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は4−Rクラッチ24に供給され、4−Rクラッチ24の解放制御が行われる。このように第2シフトバルブ56のスプール57が左動した位置で第2リニアソレノイドバルブ46(特許請求の範囲の第2作動油圧供給バルブ)からの制御油圧Pc(2)(特許請求の範囲の第2係合作動油圧)は4−Rクラッチ24(特許請求の範囲の第2所定係合ユニット)に供給可能となり、この第2シフトバルブ位置が特許請求の範囲の供給位置に対応する。
【0045】
一方、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が出力される油路111はRインヒビターバルブ60を介して油路141と繋がり、油路141は第1シフトバルブ53を介して油路112と繋がる。油路112はDレンジ位置に位置したマニュアルバルブ50を介して油路113と繋がり、油路113はLCシフトバルブ31を介して油路142と繋がり、油路142は第1シフトバルブ53を介して油路123と繋がる。油路123は2NDコントロールバルブ70を介して2速クラッチ22と繋がる油路126と繋がる。この結果、2速クラッチ22には第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が供給され、係合制御が行われる。このように第1シフトバルブ53のスプール54が左動した位置で第1リニアソレノイドバルブ46(特許請求の範囲の第1作動油圧供給バルブ)からの制御油圧Pc(1)(特許請求の範囲の第1係合作動油圧)は2速クラッチ22(特許請求の範囲の第1所定係合ユニット)に供給可能となり、この第1シフトバルブ位置が特許請求の範囲の第1位置に対応する。
【0046】
このように、4−2シフトダウン変速の初期段階においては、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)が4−Rクラッチ24に供給されて4−Rクラッチ24の解放制御が行われ、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が2速クラッチ22に供給されて係合制御が行われる。ところで、第2シフトバルブ56の左端ポート56cには油路123の分岐油路123aが繋がっており、2NDクラッチ22の係合制御油圧が作用する。このため、2NDクラッチ22の係合制御油圧が所定高圧になると、左端ポート56cに作用する油圧による押圧力とスプリング58との付勢力が右端ポート56aおよび右側ポート56bに作用するライン圧PLの押圧力に勝り、そのスプール57を右動させるように構成されている。
【0047】
すなわち、2NDクラッチ22の係合制御油圧が所定高圧となりこれがほぼ係合するような状態となったときに、第2シフトバルブ56のスプール57が右動される。この結果、4−Rクラッチ24に繋がる油路124が第2シフトバルブ56においてドレンに連通してこれが急速に解放され、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)が供給される油路121が油路122(これが特許請求の範囲の連結油路に対応する)と繋がる。このことから分かるように、第2シフトバルブ56のこの位置が特許請求の範囲の連結位置に対応する。この時点では油路122は第1シフトバルブ53においてブロックされており、この状態のまま第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)を所望高圧(2速クラッチ22を係合させる油圧、例えば、ライン圧PL)まで高める。
【0048】
そして、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)が所定高圧(ライン圧PL)まで上昇して2速クラッチ22を完全に係合させたときに、4−2シフトダウン変速を完了して第2速段(2NDモード)を設定する指令が出力され、第2オンオフソレノイドバルブ42がオンからオフに切り換えられる。この結果、第2シフトバルブ56のスプール57は右動されたまま、第1シフトバルブ53のスプール54も右動され、油路122が油路123と繋がり、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)が2速クラッチ22に供給されて、2速クラッチ22が係合され、第2速段が設定される。このことから分かるように、第1シフトバルブ53のこの位置が特許請求の範囲の第2位置に対応する。
【0049】
上記説明から分かるように、第2リニアソレノイドバルブ46からの制御油圧Pc(2)は、第4速段における4−Rクラッチ24の係合制御、4−2シフトダウン変速における4−Rクラッチ24の解放制御および第2速段での2速クラッチ22の係合制御に用いられる。このようにして、第2リニアソレノイドバルブ46を2速クラッチ22および4−Rクラッチ24の係合制御に兼用できるとともに、4−2変速も支障なく行うことができる。このように第2リニアソレノイドバルブ46を複数のクラッチの係合制御に兼用することにより、必要バルブ数を少なくして、装置構成を簡単にすることができる。
【0050】
また、この構成の場合には、例えば、第1シフトバルブ53のスプール54がスティック等を起こし、これが第1位置に保持されるような故障が発生した場足でも、2速クラッチ22が係合されるときには第2シフトバルブ56がこの係合作動油圧を受けて右動されて連結位置に移動するため、4−Rクラッチ24が同時に係合されるようなことがなく、フェイルセーフ機能が高い制御装置が得られる。
【0051】
また、第1リニアソレノイドバルブ45は、4−2シフトダウン変速、3−2シフトダウン変速、1−2シフトアップ変速等における2速クラッチ22の係合制御に用いられるだけであり、それ以外では他の制御に用いることができ、これによっても必要なバルブ数を低減することが可能である。本実施形態においては、第1オンオフソレノイドバルブ41がオン作動されてロックアップシフトバルブ31が作動され、ロックアップクラッチLCが作動されるときに、第1リニアソレノイドバルブ45からの制御油圧Pc(1)は、上述したようにロックアップコントロールバルブ32に作用してロックアップクラッチLCの係合制御を行うようになっている。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、供給位置および連結位置に切換設定される第2シフトバルブと、第1位置および第2位置に切換設定される第1シフトバルブと、位置切換油圧を供給する位置切換制御バルブとを備え、第1シフトバルブは、位置切換制御バルブからの位置切換油圧に基づいて第1位置と第2位置との位置切換が行われ、第2シフトバルブは、位置切換制御バルブからの位置切換油圧と第1所定係合ユニットの係合作動圧とに基づいて供給位置と連結位置との位置切換が行われるように構成されるので、一つの位置切換制御バルブによって第1シフトバルブおよび第2シフトバルブの位置切換制御が行え、必要バルブ数が少なくでき、装置構成を簡単にしてコストダウンを図ることができる。なお、このとき、第1シフトバルブは位置切換油圧のみにより位置切換が行われるのに対して、第2シフトバルブは位置切換油圧と第1所定係合ユニットの係合作動圧とに基づいて位置切換が行われるため、両シフトバルブの作動タイミングを別々に設定可能である。
【0053】
本発明はさらに、上記の制御装置において、第1シフトバルブを、位置切換油圧を受けたときに第1位置に位置して第1係合作動油圧を第1所定係合ユニットに供給させ、位置切換油圧が供給されないときに第2位置に位置して連結油路に供給される油圧を前記第1所定係合ユニットに供給させるように構成し、第2シフトバルブを、位置切換油圧を受けた状態で第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧以下のときには供給位置に位置して第2係合作動油圧を第2所定係合ユニットに供給させ、位置切換油圧を受けた状態で第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧を超えるときには連結位置に位置して第2係合作動油圧を連結油路に供給させるように構成している。
【0054】
本発明はこのように構成されているため、例えば、第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧を第2所定係合ユニット(例えば、4−Rクラッチ)に供給してこれを係合させて第2所定動力伝達経路(例えば、第4速ギヤ列)による変速段(例えば、第4速段)を設定した状態から、第1係合作動油圧を第1所定係合ユニット(例えば、2速クラッチ)に供給してこれを係合させ、第1所定動力伝達経路(例えば、第2速ギヤ列)による変速段(例えば、第2速段)への変速を行うようなときに、変速初期段階では第1係合作動油圧が所定油圧以下であり、第2シフトバルブは位置切換油圧を受けて供給位置に位置し、また第1シフトバルブは位置切換油圧を受けて第1位置に位置する。このため、第2係合作動油圧が第2所定係合ユニットに供給され、第2作動油圧供給バルブにより第2所定係合ユニットの係合作動油圧が低下されてこれを解放させる制御が行われ、これと並行して第1作動油圧供給バルブから第1係合作動油圧が第1所定係合ユニットに供給されてこれを係合させる制御が行われる。
【0055】
そして、第1所定係合ユニットの係合作動油圧が所定油圧を超えると第2シフトバルブが連結位置にされ、第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧の供給がブロックされる。これにより、それまで第2所定係合ユニットの係合に用いられていた第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧を別の制御に用いることができるので、装置全体としての必要バルブ数を少なくして、装置構成をシンプル化できる。また、この構成の場合には、例えば、第1シフトバルブのスプールスティック等によりこれが第1位置に保持されるような故障が発生した場足でも、第1および第2所定係合ユニットが同時に係合されるようなことがなく、フェイルセーフ機能が高い制御装置が得られる。
【0056】
また、第2シフトバルブを供給位置に位置した状態においてのみライン圧を受けるように構成し、ライン圧が供給位置に位置した第2シフトバルブを供給位置に自己ホールドさせるように構成するのが好ましい。このようにすれば、上記のように第1所定係合ユニットの係合作動油圧が所定油圧を超えて第2シフトバルブが連結位置にされると、ライン圧は第2シフトバルブに作用しないので、この後において位置切換バルブからの位置切換油圧の供給を停止すると第2シフトバルブは連結位置でホールドされたまま第1シフトバルブのみを連結位置に位置させることができる。
【0057】
この結果、変速前の段階において第2所定係合ユニットの係合に用いられていた第2作動油圧供給バルブからの第2係合作動油圧が変速中において低下されて第2所定係合ユニットを解放させる制御が行われ、変速後半段階において第2シフトバルブが連結位置に切り換えられると第2作動油圧供給バルブから第2所定係合ユニットへの第2係合作動油圧の供給が遮断される。このため、上記のようにこの後に位置切換バルブからの位置切換油圧の供給を停止すると第2シフトバルブは連結位置でホールドされたまま第1シフトバルブのみを連結位置に位置させ、第2係合作動油圧を今度は第1所定係合ユニットの係合制御に用いることができる。このように、第2作動油圧供給バルブを、変速前および変速中における第2所定係合ユニットの係合制御と、変速完了時およびその後における第1所定係合ユニットの係合制御とに用いることができるため、制御装置に必要なバルブの数を少なくして装置構成を簡単にすることができる。なお、このようにすれば、変速完了時からは第1作動油圧供給バルブの出力油圧を別の用途(例えば、ロックアップクラッチの係合制御)に用いることができ、必要バルブ数の低減を一層図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動変速機の動力伝達経路構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す全体油圧回路図である。
【図3】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図4】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図5】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図6】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図7】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【図8】本発明に係る自動変速機の制御装置の構成を示す部分油圧回路図である。
【符号の説明】
11 第1速ギヤ列
12 第2速ギヤ列
13 第3速ギヤ列
14 第4速ギヤ列
15 リバースギヤ列
TM 平行軸式変速機構
21 1速クラッチ
22 2速クラッチ
23 3速クラッチ
24 4−Rクラッチ
42 第2オンオフソレノイドバルブ(位置切換制御バルブ)
45 第1リニアソレノイドバルブ(第1作動油圧供給バルブ)
46 第2リニアソレノイドバルブ(第2作動油圧供給バルブ)
53 第1シフトバルブ
56 第2シフトバルブ
Claims (2)
- 変速段設定用の複数の動力伝達経路を構成する動力伝達機構と、前記動力伝達経路に対応して設けられ、油圧力を受けて作動して前記複数の動力伝達経路を選択設定する複数の油圧係合ユニットとを備え、前記複数の油圧係合ユニットへの油圧供給制御を行って自動変速制御を行うように構成された自動変速機の制御装置であって、
前記油圧係合ユニットのうちの第1所定係合ユニットを係合させて前記動力伝達経路のうちの第1所定動力伝達経路を設定し、前記油圧係合ユニットのうちの第2所定係合ユニットを係合させて前記動力伝達経路のうちの第2所定動力伝達経路を設定するように構成され、
それぞれ係合作動油圧を調圧供給する第1および第2作動油圧供給バルブと、
前記第2作動油圧供給バルブから調圧供給される第2係合作動油圧を前記第2所定係合ユニットに供給可能とする供給位置および前記第2係合作動油圧を所定連結油路に供給可能とするとともに前記第2所定係合ユニットをドレンに連通させる連結位置に切換設定される第2シフトバルブと、
前記第1作動油圧供給バルブから調圧供給される第1係合作動油圧を前記第1所定係合ユニットに供給可能とする第1位置および前記連結油路を前記第1所定係合ユニットと繋げる第2位置に切換設定される第1シフトバルブと、
位置切換油圧を供給する位置切換制御バルブとを備え、
前記第1シフトバルブは、前記位置切換制御バルブからの前記位置切換油圧を受けたときに前記第1位置に位置して前記第1係合作動油圧を前記第1所定係合ユニットに供給させ、前記位置切換油圧が供給されないときに前記第2位置に位置し、
前記第2シフトバルブは、前記位置切換制御バルブからの前記位置切換油圧を受けた状態で前記第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧以下のときには前記供給位置に位置して前記第2係合作動油圧を前記第2所定係合ユニットに供給させ、前記位置切換油圧を受けた状態で前記第1所定係合ユニットの係合作動圧が所定油圧を超えるときには前記連結位置に位置して前記第2係合作動油圧を前記連結油路に供給させるように構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記第2シフトバルブは、前記位置切換制御バルブからの前記位置切換油圧とライン圧と前記第1所定係合ユニットの係合作動圧とに基づいて前記供給位置と前記連結位置との位置切換が行われるように構成され、
前記第2シフトバルブは前記供給位置に位置した状態においてのみライン圧を受けるように構成され、前記ライン圧が前記供給位置に位置した前記第2シフトバルブを前記供給位置に自己ホールドさせるように作用することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
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