JP2004034145A - プレス金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の加工工程の複合化を図る。
【解決手段】上型2に可動部7を設ける。下型3には可動部17を設ける。可動部7、17を型台4、11に設けた油圧シリンダ8、16で夫々支持する。また、各油圧シリンダ8、16への油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力を、プレス金型1が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力に比して小さい範囲内で、型締めの際に各可動部位に求められる作動順序に応じて、低い値から高い値へと順に設定する。プレスマシンの側に可動部7、17の駆動手段を備える必要がなく、プレス金型1を既存のプレスマシンに取付けて、そのまま用いることができる。また、プレス金型1の型締めの進行に応じて、開放圧力が低く設定されている圧力レリーフバルブに係る油圧シリンダから油圧が開放され、各可動部7、17を順に作動させることが可能である。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、必要な製品形状を得るまでに、複数の加工工程を経る必要のあるプレス部品を、高精度かつ低コストで提供するための、金型構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、オイルパン等、歪取押し行程、ドレン穴あけ行程、外形穴抜き工程、フランジ曲げ工程といった複数の加工行程を経て製品形状となるプレス成形品は、タンデムラインにより成形することが最も一般的であった。しかしながら、かかる手法によると、各工程毎に金型を製作する必要があり、金型コストの増大を来すと共に、金型数と加工工程数とが同じになるため、加工に要する時間の短縮が困難であるという課題を有していた。
また、前後する工程を配列型によってまとめるといった手法も用いられていたが、この場合にも、全行程数が多数に渡る場合には金型数がそれ相当に増加し、金型コストおよび加工に要する時間の大幅な改善を図るまでには至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、複動プレスマシンに油圧サーボを付加して、複数の加工工程を1つの金型で行うことを可能とする金型を用いた例もある。しかしながら、この場合には、製品形状毎に専用のプレスマシンを用いる必要があり、既存のプレスマシンを流用することができず、かつ、油圧サーボの制御プログラムの作成が不可避であることから、コストの増大を避けることが困難であった。また、上型、下型のそれぞれの複動部位が、設備仕様によって制限を受けることになり、結局のところその設備仕様に合った形状の製品に対してのみ、工程の複合化が可能となるに過ぎなかった。
【0004】
また、複動部位の駆動手段として油圧シリンダやカム、リンク機構等を用いた場合には、型締めのストローク中に一回しか複動部位の作動タイミングを設定することができず、かつ、油圧シリンダを用いた場合には、その作動タイミングはリミットスイッチ又はクランク角を検出して作動信号を出力するものであり、カムを用いた場合には、カムの位置によって作動タイミングが決まってしまうことから、一度決めた作動タイミングを容易に変更することができないといった問題もあった。加えて、複動部位の数に応じて油圧シリンダ、角度検出スイッチ、カム等を設置する必要があることから、部品点数の増大を避けることができず、金型コストの削減が困難であるといった課題も抱えていた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の加工工程の複合化を図りつつ、既存のプレスマシンを用いることを可能とするプレス金型を提供することで、設備コストの低減および加工に要する時間の短縮を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係るプレス金型は、上型および下型の少なくとも一方に、型台に対し金型の開閉方向へと相対移動する可動部を設け、当該可動部を前記型台に設けた油圧シリンダで支持し、各油圧シリンダへの油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力を、当該金型が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力に比して小さい範囲内で、型締めの際に各可動部位に求められる作動順序に応じて、低い値から高い値へと順に設定したことを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、前記可動部の作動に係る各油圧シリンダを、金型の型台に備えることから、プレスマシンの側に前記可動部の駆動手段を備える必要がなく、よって、形状・構造が異なる金型に対しても、既存のプレスマシンをそのまま用いることができる。また、金型の型締めの進行に応じて(上型の下降圧との関係で)、予め設定された各レリーフバルブの開放圧力に到達した時点で、開放圧力が低く設定されている各圧力レリーフバルブに係る油圧シリンダに支持される可動部から順に作動させることが可能であり、各可動部の作動開始の制御を特に行うことなく、必要な加工順序に沿って、必要な加工工程を、金型の一回の型締め工程に含ませて処理することができる。
さらに、前記各油圧シリンダへの油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力を変更することのみによって、各可動部の作動タイミングの変更を容易に行うことが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図4は、本発明の実施の形態に係るプレス金型1を、加工工程毎に断面図示したものである。プレス金型1は、上型2と下型3とを有し、上型2の型台4にはダイス5が固定されている。また、上抜き刃6を支持するホルダ7が、型台4に対し上型2の開閉方向へと、ダイス5に対し相対移動可能に設けられている。また、型台4には、ホルダ7を支持する油圧シリンダ8を設けている。さらに、ダイス5には、ダイス5に先行して素材Wと当接し、素材Wを保持するための先行ピン9と、先行ピン9を下方へと付勢するための、バネ等の付勢手段10を備えている。
【0010】
一方、下型3の型台11には、固定ブロック13によって下抜き刃12が固定されている。また、固定ブロック13には、曲げ刃14が、上型2の開閉方向へと、固定ブロック13に対し相対移動可能に設けられている。この曲げ刃14は、バネ等の付勢手段15によって、固定ブロック13に対し上方へと付勢されている。さらに、下型3の型台11には油圧シリンダ16を備え、油圧シリンダ16によって、パンチ17(可動部)を、上型2の開閉方向へと、型台11に対し相対移動可能に支持している。なお、下型3の型台11には、油圧シリンダ16の他に、製品形状に応じて複数箇所必要となる可動部を支持するための油圧シリンダ18を、必要に応じて設ける場合がある。また、パンチ17を複数の油圧シリンダで支持する場合もある。
【0011】
また、各油圧シリンダ8、16(18)への油圧供給系統に、各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブを設けている。そして、各圧力レリーフバルブの開放圧力を、プレス金型1が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力に比して小さい範囲内で、型締めの際に各可動部7、17に求められる作動順序に応じて、低い値から高い値へと順に設定している。図示の例では、プレスマシンのラムの加圧力をPと、油圧シリンダ8に係る圧力レリーフバルブの開放圧力をP、油圧シリンダ16に係る圧力レリーフバルブの開放圧力をP16とすると、各圧力の関係は、後述する作動順序(プレス加工順序)を得るために、P>P>P16となるように設定されている。一方、付勢手段10、15は、素材Wを変形させるために必要とされるものではなく、夫々、ダイス5に対する先行ピン9の位置と、固定ブロック13に対する曲げ刃14の位置とを決定するために必要とされるものであることから、付勢手段10、15の付勢力は、P、P、P16に比して遥かに小さい値となっている。
【0012】
ここで、プレス金型1により素材Wを必要な製品形状へとプレス成形する際の、プレス金型1各部の作動手順を、図1〜図4に基づき説明する。
まず、図1に示す型開き状態では、上型2のホルダ7、先行ピン9は共に、ダイス5に対する可動範囲の下死点に位置している。また、下型3の曲げ刃14、パンチ17は共に、下型3の型台11に対する可動範囲の上死点に位置している。かかる状態におけるプレス金型1のパンチ17上に、板状の素材Wをセットする。
【0013】
図1の状態から、プレス金型1が取付けられたプレスマシンのラムを下降させて、上型2を下型3へと接近させる。このとき、最初に先行ピン9が素材Wに当接し、先行ピン9とパンチ17とで素材Wを挟持する。さらに、上型2を下降させると、付勢手段10の付勢力は、ラムの加圧力Pに比して遥かに小さい値であることから、付勢手段10を縮ませて先行ピン9をダイス5の内部へと押し込みながら、ダイス5はパンチ17へと接近し、図2に示すように、ダイス5とパンチ17とで素材Wに絞り成形(または曲げ成形)を行う。この際、上抜き刃6もダイス5と共に下降して、下抜き刃12と共に、素材Wを外形抜きプロファイルに沿って挟持する。
【0014】
図2に示す絞り成形工程(または曲げ成形工程)から、さらにプレスマシンのラムを下降させる。すると、プレスマシンのラムの加圧力Pと、油圧シリンダ8に係る圧力レリーフバルブの開放圧力Pと、油圧シリンダ16に係る圧力レリーフバルブの開放圧力P16とが、P>P>P16の大小関係を有することから、最も開放圧力が小さい油圧シリンダ16のレリーフバルブが開放され、油圧シリンダ16は短縮して、パンチ17を下降させて行く。一方、油圧シリンダ8のレリーフバルブは、この時点では開放されず、油圧シリンダ8は当初の伸長状態を維持し、上型2のダイス5と上抜き刃6は一体的に下降してパンチ17を押し下げる。このとき、付勢手段15の付勢力は、P、P、P16に比して遥かに小さい値となっていることから、曲げ刃14も上抜き刃6によって押し下げられる。
【0015】
その結果として、上抜き刃6の下端面は下抜き刃12の上端面よりも下方へと移動することとなり、素材Wを、上抜き刃6および下抜き刃12によって外形抜きすることができる。さらにプレスマシンのラムを下降させると、油圧シリンダ16の短縮によりパンチ17は下降を続ける。また、曲げ刃14も上抜き刃6に押されて下降し、図3に示すように、曲げ刃14の下端面が固定ブロック13に当接して停止する。固定ブロック13は、下型3の型台11に固定されているので、曲げ刃14は図3に示す位置以下に下降することはなく、よってこの位置が曲げ刃14の下死点となる。
なお、図3において符号Waで示す部分は、外形抜きによって生じたスクラップである。
【0016】
図3に示す抜き成形工程から、さらにプレスマシンのラムを下降させる。すると、油圧シリンダ16の短縮によるパンチ17の下降は引き続き進行するが、曲げ刃14については固定ブロック13によって更なる下降が阻まれるので、上抜き刃6の下降も同様に阻まれる。そして、前述の圧力関係P>Pから、油圧シリンダ8の圧力レリーフバルブが開放され、油圧シリンダ8が短縮を開始する。その結果、曲げ刃14および上抜き刃6の位置は図3の位置で不動のまま、パンチ17およびダイス5が、素材Wを挟持した状態で一体に下降する。この際、ダイス5によって、外形抜きされた素材Wの端部Wbを、曲げ刃14の成形面へと押し込み、図4に示すように、曲げ刃14とダイス5とで素材Wの端部Wbに曲げ成形を施す。
図4の曲げ成形工程の完了時点で、プレス金型1の型締めも完了し、一回の型締め工程で、素材Wに絞り成形、外形抜き成形および曲げ成形を施し、必要な製品形状を得ることができる。
【0017】
なお、プレス金型1の型開きを行うと、油圧シリンダ8、16には、常時、油圧供給系統から各圧力レリーフバルブの開放圧力に応じた圧力が付与されているために、型開きと同時に油圧シリンダ8、16は伸長を開始する。そして、型開き完了時には、上型2のホルダ7は可動範囲の下死点へと復帰し、かつ、パンチ17は可動範囲の上死点へと復帰することとなる。また、上型2の先行ピン9は付勢手段10の弾性力によって可動範囲の下死点へと復帰し、下型3の曲げ刃14は付勢手段15の弾性力によって可動範囲の上死点に復帰する。
【0018】
上記構成をなす、本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。まず、プレス金型1の上型2には、型台4に対し金型の開閉方向へと相対移動する可動部であるホルダ7を設け、また、下型3には型台11に対し金型の開閉方向へと相対移動する可動部であるパンチ17を設け、これらの可動部7、17を型台4、11に設けた油圧シリンダ8、16で夫々支持している。また、各油圧シリンダ8、16への油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力P、P16を、プレス金型1が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力Pに比して小さい範囲内で、型締めの際に各可動部位に求められる作動順序に応じて、低い値から高い値へと順に設定している(P>P>P16)。
【0019】
すなわち、プレス金型1は、可動部7、17の作動に係る各油圧シリンダ8、16を、金型の型台4、11に備えることから、プレスマシンの側に可動部7、17の駆動手段を備える必要がない。よって、金型の形状・構造を製品形状に応じて変えても、プレス金型1を既存のプレスマシンに取付けて、そのまま用いることができる。
また、プレス金型1の型締めの進行に応じて(上型2の下降圧すなわちラムの加圧力Pとの関係で)、予め設定された各レリーフバルブの開放圧力P、P16に到達した時点で、開放圧力が低く設定されている圧力レリーフバルブに係る油圧シリンダから油圧が開放され、各可動部7、17の作動開始の制御を特に行うことなく、先に開放された圧力レリーフバルブに係る油圧シリンダによって支持される可動部から、順に作動させることが可能である。このため、従来のごとく様々な制約を受けることもなくなり、必要な加工順序に沿って、必要な加工工程を、プレス金型の一回の型締め工程に含ませて処理することができる。
【0020】
また、各油圧シリンダ8、16への油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力P、P16を変更することのみによって、各可動部7、17の作動タイミングの変更を容易に行うことが可能であり、様々な種類のプレス加工を最適の順序で一回の型締め工程に含めることが容易となる。
よって、本発明の実施の形態によれば、複数の加工工程の複合化を図りつつ、既存のプレスマシンを用いることを可能とするプレス金型1を提供し、それによって、金型コストの低減および加工に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
【0021】
ところで、図1〜図4に示すプレス金型1は、前記可動部として、上型2の上抜き刃6を支持するホルダ7と、下型3のパンチ17とを備え、各可動部を支持する油圧シリンダ8、16(場合によっては油圧シリンダ18その他のシリンダを含む。)を備えるプレス金型とすることで、外形抜き工程および曲げ工程をプレス金型1の一回の型締め工程に含ませて処理することを可能としたものであるが、本発明を、他の構造を有する(即ち、他の加工工程をプレス金型の一回の型締め工程に含む)プレス金型に応用することも可能である。
【0022】
その別例を、図5、図6に基づき以下に説明する。図5、図6に示すプレス金型19は、前記可動部として、上型2のダイス5と、下型3のパンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21とを備えるものである。そして、外形抜き、曲げおよび穴抜き工程をプレス金型19の一回の型締め工程に含ませて処理することを可能としたものである。
なお、図5、図6に示すプレス金型19において、図1〜図4に示すプレス金型1と同一部分若しくは相当する部分に付いては、同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
【0023】
プレス金型19は、図5(a)に示すように、上型2の型台4に対し、金型の開閉方向へと相対移動する可動部として、ダイス5を有している。また、ダイス5には切刃22が一体的に固定されている。また、ダイス5の端部には、凸状の絞り成形部5aを形成している。さらに、絞り成形部5aを貫通する穿孔ピン23を型台4に固定して、ダイス5と穿孔ピン23とが、金型の開閉方向へと相対移動可能な構造を有している。さらに、ダイス5には、型台4との最接近時の距離を決定するスペーサ24を固定している。
一方、下型3の型台11に対し、金型の開閉方向へと相対移動する可動部として、パンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21を備えている。また、インナクッション20とアウタクッション21との間隙には、型台11に固定された抜曲刃25を配置し、インナクッション20およびアウタクッション21と、抜曲刃25とが金型の開閉方向へと相対移動可能な構造となっている。さらに、ダイス型台11には、パンチ17またはアウタクッション21との最接近時の距離を決定するスペーサ26を固定している。
【0024】
また、ダイス5および切刃22を支持する油圧シリンダ27の、レリーフバルブの開放圧力をPとし、パンチ17を支持する油圧シリンダ28の、レリーフバルブの開放圧力をPとし、インナクッション20およびアウタクッション21を支持する油圧シリンダ29の開放圧力をPとする。また、プレス金型19が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力をPとすると、P>P>P>PかつP>P>P+Pとなるように、各圧力を設定する。
【0025】
ここで、プレス金型19により素材Wを必要な製品形状へとプレス成形する際の、プレス金型19各部の作動手順を、図5、図6に基づき説明する。
【0026】
まず、図5(a)に示されるように、プレス金型19の型締め開始時点では、上型2のダイス5および切刃22は、型台4に対する可動範囲の下死点に位置している。このとき、穿孔ピン23は、ダイス5の絞り成形部5a内に格納された状態となっている。また、下型3のパンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21は共に、下型3の型台11に対する可動範囲の上死点に位置している。かかる状態で、板状の素材Wを金型内にセットして、プレスマシンのラムを下降させて型締めを開始すると、図5(a)に示すように、最初にダイス5の絞り成形部5aおよび切刃22と、インナクッション20およびアウタクッション21とで、素材Wを挟持する。
【0027】
図5(a)の状態から、さらにプレスマシンのラムを下降させると、P>P>P>Pの関係から、最も開放圧力が小さいインナクッション20およびアウタクッション21を支持する油圧シリンダ29の圧力レリーフバルブが開放され、インナクッション20およびアウタクッション21を下降させて行く。一方、ダイス5および切刃22を支持する油圧シリンダ27のレリーフバルブと、パンチ17を支持する油圧シリンダ28の圧力レリーフバルブとは、この時点では開放されないことから、図5(b)に示すように、パンチ17に対し相対的にインナクッション20およびアウタクッション21のみ下降して、ダイス5とパンチ17とで、素材Wに対し絞り成形(または曲げ成形)を施すことができる。
【0028】
図5(b)に示す絞り成形工程から、さらにプレスマシンのラムを下降させる。すると、P>P>P+Pの関係から、パンチ17を支持する油圧シリンダ28のレリーフバルブも開放圧力を超えて開放し、パンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21は、ダイス5および切刃22によって押し下げられる。このとき、図6(a)に示すように、下型3の型台11に固定された抜曲刃25が、インナクッション20およびアウタクッション21に対し相対的に高い位置へと突出することとなり、素材Wの端部Wbを、切刃22と抜曲刃25で外形抜きし、かつ、抜曲刃25とダイス5の絞り成形部5aとで、端部Wbに絞り成形を施すことができる。なお、素材Wの端部Wbに対する絞り成形の完了時点で、パンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21はスペーサ26と当接し、この位置がパンチ17、インナクッション20およびアウタクッション21の下死点となる。
【0029】
図6(a)に示す抜き絞り曲げ工程から、さらにプレスマシンのラムを下降させると、P>Pの関係から、ダイス5および切刃22を支持する油圧シリンダ27のレリーフバルブも開放圧力を超えて開放し、上型2の型台4はダイスおよび切刃22へと接近する。すると、図6(b)に示すように、型台4に固定された穿孔ピン23がダイス5に対し相対的に下降することとなり、絞り成形部5aから穿孔ピン23が突出して、素材Wに穿孔を施す。かかる穿孔の完了時点で、上型2の型台4はスペーサ24に当接する。また、この時点でプレス金型19の型締めも完了し、一回の型締め工程で、素材Wに絞り、外形抜き、端部絞り、穿孔の各成形を施し、必要な製品形状を得ることができる。
【0030】
さらに、図7に示す別例は、図5、図6で説明したプレス金型19から、穿孔工程のための構造を省略したプレス金型30を示している。このプレス金型30は、前記可動部として、下型3のパンチ17を備えるものである(すなわち、前記可動部を下型3にのみ備える。)。なお、ダイス5には切刃22が固定されており、抜曲刃25が下型の型台に固定されている点は、図5、図6の例と同じである。
【0031】
図7の例では、図7(a)に示す絞り(曲げ)成形工程までは、パンチ17を支持する油圧シリンダのレリーフバルブは開放せず、よって、パンチ17は下降しないが、図7(b)に示す抜き曲げ工程へと移行する時点で、パンチ17を支持する油圧シリンダのレリーフバルブは開放圧力を超えることとなり、パンチ17が下降を開始する。よって、抜曲刃25はパンチ17に対し相対的に上方へと突出することとなり、図7(c)に示すように、素材Wの端部Wbに対する外形抜きおよび絞り成形を施すことが可能となる。そして、図7(c)に示す素材Wの端部Wbへの絞り成形の完了時点で、プレス金型30の型締めも完了し、一回の型締め工程で、素材Wに絞り、外形抜き、端部絞りの各成形を施し、必要な製品形状を得ることができる。
【0032】
なお、図示の例は全て、可動部を油圧シリンダで支持し、当該油圧シリンダのレリーフバルブの開放圧力を所定の圧力に設定することにより、必要なタイミングで各可動部を動かす場合を例示したものであるが、同様の機能を果たす可動部の支持手段として、例えば、ウレタンやタンカシリンダを用いることも可能である。
また、本発明の実施の形態に係るプレス金型に、従来の金型の如く別のアクチュエータを組み合わせて、複数の複動部位を駆動可能とすることで、更に複雑な加工を一回の型締め工程で行うことが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、複数の加工工程の複合化を図りつつ、既存のプレスマシンを用いることを可能とするプレス金型を提供し、設備コストの低減および加工に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るプレス金型を示す断面模式図であり、型開き状態を示している。
【図2】図1に示すプレス金型の絞り成形工程における状態を示す断面模式図である。
【図3】図1に示すプレス金型の抜き成形工程における状態を示す断面模式図である。
【図4】図1に示すプレス金型の型締め完了時の状態を示す断面模式図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るプレス金型の別例を示す断面模式図であり、加工工程の各段階を示すものである。
【図6】図5に続く加工工程を示す断面模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るプレス金型の更なる別例を示す金型構造の断面模式図であり、加工工程の各段階を示すものである。
【符号の説明】
1、19、30 プレス金型
2 上型
3 下型
4、11 型台
5 ダイス
6 上抜き刃
7 ホルダ
8、16、18、27、28、29 油圧シリンダ
9 先行ピン
10、15 付勢手段
12 下抜き刃
13 固定ブロック
14 曲げ刃
17 パンチ
20 インナクッション
21 アウタクッション
22 切刃
23 穿孔ピン
24、26 スペーサ
25 抜曲刃
W 素材

Claims (1)

  1. 上型および下型の少なくとも一方に、型台に対し金型の開閉方向へと相対移動する可動部を設け、当該可動部を前記型台に設けた油圧シリンダで支持し、各油圧シリンダへの油圧供給系統に設けた各油圧シリンダ毎の圧力レリーフバルブの開放圧力を、当該金型が取付けられるプレスマシンのラムの加圧力に比して小さい範囲内で、型締めの際に各可動部位に求められる作動順序に応じて、低い値から高い値へと順に設定したことを特徴とするプレス金型。
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