JP3496457B2 - 複合プレス型 - Google Patents

複合プレス型

Info

Publication number
JP3496457B2
JP3496457B2 JP14809097A JP14809097A JP3496457B2 JP 3496457 B2 JP3496457 B2 JP 3496457B2 JP 14809097 A JP14809097 A JP 14809097A JP 14809097 A JP14809097 A JP 14809097A JP 3496457 B2 JP3496457 B2 JP 3496457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blade
die
ram
displacement
punching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14809097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10328762A (ja
Inventor
則義 井上
昭 木全
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Auto Body Co Ltd
Original Assignee
Toyota Auto Body Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Auto Body Co Ltd filed Critical Toyota Auto Body Co Ltd
Priority to JP14809097A priority Critical patent/JP3496457B2/ja
Publication of JPH10328762A publication Critical patent/JPH10328762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3496457B2 publication Critical patent/JP3496457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば絞り加
工、抜き加工あるいは曲げ加工等の複数の形態のプレス
加工を行うためのプレス型に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的には、上記のような種々形態のプ
レス加工を行う場合には、各加工形態に専用のプレス型
を用意し、それぞれを別々の工程として行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため、各加工形態
に合わせた専用のプレス型を用意しなければならないた
め型数が増大し、その結果型費が嵩むばかりか、そのメ
ンテナンスに多くの労力を費やすこととなり、また1部
品について複数型分の保管スペースが必要になる等の問
題があった。さらに、一連のプレス加工を行うためにワ
ークを各工程間移動させる必要があり、その結果コン
ベアやローダ・アンローダ等の搬送手段が必要になると
いう問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題に鑑みな
されたもので、上型と下型の1セットで複数の形態のプ
レス加工を行うことのできるプレス型を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、前
記請求項に記載した構成の複合プレス型とした。請求項
記載の複合プレス型によれば、上型打ち分け装置およ
び下型打ち分け装置を変位規制側に切り換えて、上型を
ラムと一体で下動させ、第1の下刃を下動不能としてお
くことにより素材はその周縁を保持された状態で絞り加
工される。上型打ち分け装置および下型打ち分け装置を
変位規制解除側に切り換えて、上型はラムに対して絞り
加工レベルよりもさらに上方へ相対的に変位可能、かつ
第1の下刃は下型に対してより大きく変位可能な状態と
し、この状態で再度ラムを上記絞り加工レベルよりも下
方に下動させて、上型をラムに対して上方へ変位させる
ことにより上刃と第1の下刃との間で素材の抜き加工が
なされ、さらにラムを下動させて上刃と第1の下刃を一
体で下動させることにより、上刃の曲げ刃と下型との間
で抜き加工された素材の周縁が曲げ加工される。このよ
うに上型の変位量を切り換えるための上型打ち分け装
置、第1の下刃の変位量を切り換えるための下型打ち分
け装置を設け、絞り加工後、両装置を変位規制解除側に
切り換えることにより、1セットのプレス型による複数
形態のプレス加工を実現することができる。また、請求
記載の複合プレス型によれば、上型の変位量および
第1の下刃の変位量を、簡単な構成で切り換えることが
でき、これにより作動不良のない確実な切換えを行うこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図1〜
図7に基づいて説明する。図1は、以下説明する本実施
形態の複合プレス型1により絞り加工、抜き加工および
曲げ加工を完了した段階であって、ラム2が下降端に至
った段階を示している。本実施形態の複合プレス型1に
より、自動車のドアアウタパネルが製品として製作され
る。すなわち、平坦な素材Wを絞り加工して当該ドアア
ウタパネルとして必要な曲面形状が得られ、抜き加工に
よりその外形が所定サイズにせん断されるとともに、窓
部が開口形成され、さらに曲げ加工により外周にヘミン
グ用のフランジが形成される。製品としてのドアアウタ
パネルは一例であり、以下説明する複合プレス型1をそ
の他の製品を製作するための複合プレスに適用できるこ
とは言うまでもない。
【0007】さて、本実施形態の複合プレス型1はラム
2の下面側に支持した上型3と、ボルスター4の上面側
に取り付けた下型5を主体として構成されている。上型
3は、その周囲適数箇所に設けた上下に長い溝部3a〜
3aに、ラム2側の支持ピン2a〜2aをそれぞれ挿入
しておくことでラム2に対してプレス方向(図示上下方
向)に一定の範囲で変位可能に支持されている。ラム2
と上型3との間には、上型打ち分け装置6が組み込まれ
ている。この上型打ち分け装置6は、上型3のラム2に
対する変位量を2段階に切り換えるためのもので、ラム
2の下面に取り付けたベース6aに、ガイドレール6
c,6cを介して打ち分けプレート6bをその面方向
(図1では紙面に直交する方向、図2では左右方向)に
スライド可能に支持した構成となっている。この打ち分
けプレート6bのスライド動作は、図2に示すようにベ
ース6aの下面に取り付けた打ち分けシリンダ6eによ
りなされる。この打ち分けプレート6bの所定位置には
打ち分け孔6d〜6dが形成されている。
【0008】一方、上型3の上面には変位規制ピン3b
〜3b(図では1箇所のみ示した)が上方へ突き出し状
に設けられており、この変位規制ピン3b〜3bを上記
打ち分けプレート6bの下面に当接させる(変位規制)
か、若しくは上記打ち分け孔6d〜6dに挿入させる
(変位規制解除)かにより、上型3のラム2に対する変
位量を2段階に切り換えることができる。すなわち、上
記打ち分けシリンダ6eの作動により打ち分けプレート
6bをスライドさせて、変位規制ピン3b〜3bの上方
に各打ち分け孔6dを位置させると、上型3のラム2に
対する変位量が大きくなる。型開き状態では、上型3は
その自重によりラム2に対して最も下側に変位した状態
となり、このとき変位規制ピン3b〜3bと打ち分けプ
レート6bとの間には一定の隙間が形成される。従っ
て、ラム2の下動に伴い、上型3がラム2に対して相対
的に一定量上方へ変位し(ラム2が下動しても上型3が
下動しない状態)、打ち分けプレート6bをスライド動
作させて変位規制ピン3b〜3bが打ち分けプレート6
bに突き当たると、以後上型3のラム2に対する相対変
位が阻止され、ラム2と上型3が一体となって下動す
る。一方、打ち分け装置6が変位規制解除側に切り換え
られて、変位規制ピン3b〜3bが打ち分け孔6d〜6
dに入り込むことにより、上型3はラム2に対してさら
に上方へ相対変位する。なお、上型3の上面適数箇所に
はウレタンゴム3c〜3cが取付けられており、変位規
制解除状態における上型3のラム2に対する変位はこの
ウレタンゴム3c〜3cを変形させつつなされ、これに
よりその衝撃的な変位が抑制されるようになっている。
【0009】次に、上型3の周囲には、円環形状をなす
上刃10が吊り下げ状に支持されている。この上刃10
は、図示は省略したが上型3のラム2に対する支持構造
と同様、上型3側の支持ピンを、上刃10の周囲適数箇
所に設けた上下に長い溝部に挿入させておくことで、上
型3に対して相対的に上下に一定の範囲で変位可能に支
持されている。この上刃10の上面であって、周方向に
適宜間隔をおいた適数箇所には変位規制ピン11〜11
が上方へ突き出し状に設けられている。この変位規制ピ
ン11〜11は、上型3の変位規制面3dを貫通して上
記打ち分けプレート6bに向けられており、ラム2が下
動した位置では打ち分けプレート6bの下面に当接する
ようになっている。型開き状態(ラム2の上昇端位置)
では、上型3がその自重によりラム2に対して変位下端
位置に位置し、また上刃10がその自重により上型3に
対して変位下端位置に位置し、この時変位規制ピン11
の上面11aと上記打ち分けプレート6bとの間、およ
び変位規制ピン11の上刃10への取付部を構成するフ
ランジ面11bと上型3の変位規制面3dとの間にはそ
れぞれ一定の隙間が形成される。
【0010】この上刃10の下面側には、絞り加工用の
シワ押え10aと、外形抜き加工用の抜き刃10bと、
外周フランジ曲げ加工用の曲げ刃10cが、それぞれ全
周にわたって形成されている。また、上型3のプレス面
内側には、素材Wに対して窓部を抜き加工するための窓
用抜き刃12が吊り下げ状に設けられている。この窓用
抜き刃12は、支持シャフト14により一定の範囲で上
型3に対して上下に変位可能に支持され、また圧縮バネ
13により常時上方へ持ち上げられる方向に付勢されて
いる。この窓用抜き刃12の上面にも変位規制ピン15
が上方へ突き出し状に取付けられて、上記打ち分けプレ
ート6bに向けられている。型開き状態において、この
変位規制ピン15と打ち分けプレート6bとの間には一
定の隙間が形成される。
【0011】次に、下型5の周囲には、それぞれ円環形
状をなす第1の下刃20と、第2の下刃30が配置され
ている。第2の下刃30が第1の下刃20の外周側に配
置されている。第1の下刃20の上面側には、上記上刃
10の抜き刃10bに対応した抜き刃20aが設けら
れ、第2の下刃30の上面側には、上刃10のシワ押え
10aに対応したシワ押え30aが設けられている。第
1の下刃20は、その周方向適宜間隔をおいて配置した
ガススプリング21〜21を介して、常時上方へ付勢さ
れた状態で下型打ち分け装置50のベース52上に支持
されている。また、この第1の下刃20の下面には、上
記ガススプリング21〜21とは別に、複数の変位規制
ピン22〜22が下方へ突き出し状に設けられている。
各変位規制ピン22〜22は、下型打ち分け装置50の
打ち分けプレート51に向けられている。
【0012】第2の下刃30は、その周方向適宜間隔を
おいた複数箇所を、図示省略したダイクッション側のク
ッションピン31〜31により支持されて、常時上方へ
付勢された状態でボルスター4上に支持されている。な
お、クッションピン31〜31と第2の下刃30との間
には補助ピン31aが介装されている。上記ガススプリ
ング21〜21の上方付勢力および上記クッションピン
31〜31の上方付勢力(支持力)は、上型3の自重お
よび上刃10の自重を合計した荷重よりも強く、ラム2
の下動力よりも小さく設定されている。従って、第1お
よび第2の下刃20,30は、単に上刃10が乗せ掛け
られただけでは下動せず、変位規制ピン11の上面11
aが打ち分けプレート6bに突き当たって、上刃10が
ラム2と一体となって下動するときに下動する。
【0013】下型打ち分け装置50は、ボルスター4の
上面に設けられている。この下型打ち分け装置50は、
ベース52の上面に複数の打ち分けプレート51〜51
をそれぞれその面方向にスライド可能に支持した構成と
したもので、各打ち分けプレート51〜51の位置変更
(打ち分け操作)は、図3に示すように打ち分けシリン
ダ51bによりなされる。各打ち分けプレート51〜5
1の上面所定位置には、それぞれ適数個の打ち分け凸部
51a〜51aが形成されている。当該打ち分け装置5
0を変位規制側へ切り換えると、各打ち分け凸部51a
〜51aが上記変位規制ピン22〜22の下方に位置
し、これにより各変位規制ピン22〜22が打ち分け凸
部51aに突き当たって第1の下刃20の下動が規制さ
れる。
【0014】下型5のプレス面内側には、上型3側の窓
抜き刃12に対応して受け刃25が配置されている。こ
の受け刃25も圧縮バネ26により常時上方へ付勢され
ている。この受け刃25の下面には、変位規制ピン27
が下方へ突き出し状に設けられており、この変位規制ピ
ン27も上記下型打ち分け装置50の打ち分けプレート
51に向けられている。この変位規制ピン27にも対応
して、打ち分けプレート51の上面には打ち分け凸部5
1aが形成されている。当該下型打ち分け装置50が変
位規制側へ切り換えられると、上記したように第1の下
刃20の変位が規制されるとともに、上記受け刃25の
変位規制ピン27の下方にも打ち分け凸部51aが位置
することにより、受け刃25の下動も規制された状態と
なる。打ち分けシリンダ51bを逆方向に作動させて下
型打ち分け装置50を変位規制解除側に切り換えると、
第1の下刃20の変位規制ピン22〜22の下方、およ
び受け刃25の変位規制ピン27の下方から各打ち分け
凸部51a〜51aが退去し、これにより第1の下刃2
0および受け刃25の下動が許容され、若しくはより下
方位置まで変位可能な状態となる。
【0015】次に、以上のように構成した本実施形態の
複合プレス型1を用いて行う、素材Wの絞り加工(図
4)、外形抜き加工(図5)および外周のフランジ曲げ
加工(図6)について説明する。先ず、型開き状態(図
示省略)において、第2の下刃30に素材Wがセットさ
れる。この型開き状態では、ラム2は上昇端に位置し、
上型3はその自重によりラム2に対して下降端に位置
し、上刃10はその自重により上型3に対して下降端に
位置している。以下の手順で複合プレス加工を行うにあ
たり、上型打ち分け装置6は、上型3の変位を規制する
変位規制側(変位規制ピン3bの上方から打ち分け孔6
dが退去して、該変位規制ピン3bが打ち分けプレート
6bに突き当たる状態)に切り換えられる(図4参
照)。但し、この型開き状態では、変位規制ピン11〜
11および変位規制ピン3b〜3bと打ち分けプレート
6bとの間には一定の隙間が形成されている。一方、下
型打ち分け装置50も、第1の下刃20の下動を規制す
る側に切り換えられている。
【0016】先ず、図4に示すように素材Wのシワ押え
および絞り加工がなされる。すなわち、上記型開き状態
において素材Wをセットした後、ラム2の下動が開始さ
れて上刃10のシワ押え10aと第2の下刃30のシワ
押え30aとの間に素材Wの周縁が挟み込まれる。この
段階では、第1および第2の下型20,30は下降しな
い。ラム2の下降に伴って上型3がさらに下降して、変
位規制ピン11のフランジ面11bが上型3の変位規制
面3dに当接し、その後、さらにラム2が下降して上刃
10の変位規制ピン11の上面11aが打ち分けプレー
ト6bに突き当たることにより、上刃10がラム2に押
されて下降する。上刃10のシワ押え10aと第2の下
刃30のシワ押え30aとの間に素材Wを挟み込んだ状
態で、上刃10がラム2に押されて下降することによ
り、第2の下刃30が若干下降する。一方、図示するよ
うにこの段階では上刃10の下降動作は直接第1の下刃
20に作用しないので、第1の下刃20は下降せず、従
って第2の下刃30のみが下降する。第2の下刃30の
みが下降することにより、素材Wの周縁が第1および第
2の下刃20,30と上刃10との間でシワ押え(クリ
ンチ)される。
【0017】こうして素材Wがシワ押えされた直後に、
変位規制ピン3b〜3bが図示するように打ち分けプレ
ート6bに突き当たり、以後上型3がラム2と一体とな
って下動し、これにより上型3と下型5との間で素材W
が絞り加工される。この絞り加工完了後、一旦ラム2は
上昇端位置に戻され、型開き状態とされる。この型開き
状態において、上型打ち分け装置6と下型打ち分け装置
50がそれぞれ変位規制解除側へ切り換えられる。すな
わち、上型打ち分け装置6において打ち分けシリンダ6
eの作動により、打ち分けプレート6bを図1において
紙面に直交する方向に移動させて、上型3の各変位規制
ピン3b〜3bの上方に打ち分け孔6d〜6dが位置す
る状態とし、これにより上型3がラム2に対してより上
側へ変位できる状態となる。なお、変位規制ピン11〜
11およびウレタンゴム3c〜3cは、依然として打ち
分けプレート6bの下面に当接する状態に保持されてい
る。
【0018】一方、下型打ち分け装置50においても、
打ち分けシリンダ51bの作動により各打ち分けプレー
ト51〜51が変位規制解除側に移動し、これにより第
1の下刃20の変位規制ピン22〜22の下方、および
受け刃25の変位規制ピン27の下方から各打ち分け凸
部51a〜51aを退去させ、これにより第1の下刃2
0および受け刃25が下型5に対してより下方へ変位で
きる状態とする。なお、この型開き状態においては、第
2の下刃30がクッションピン31〜31により上昇す
るので、素材Wは第2の下刃30に持ち上げられて、一
旦下型5から浮き上がった状態となっている。こうして
上型打ち分け装置6および下型打ち分け装置50を変位
規制解除側に切り換えた後、再度ラム2を下降させて素
材Wの抜き加工および曲げ加工がなされる。すなわち、
ラム2の下降途中において、先ず上刃10が第2の下刃
30に当接して素材Wの周縁が再び挟み込まれる。この
段階では、第2の下刃30に対して上刃10の自重のみ
が付加されるので第2の下刃30は下降せず、また、第
1の下刃20も、ガススプリング21〜21により支え
られているため下降しない。従って、この段階で上刃1
0の下降が一旦停止される。
【0019】さらにラム2が下降すると、上型3の変位
規制面3dが、上刃10のフランジ面11bに当接し、
次に各変位規制ピン11〜11およびウレタンゴム3c
〜3cが打ち分けプレート6bの下面に当接する。従っ
て、以後ラム2と上刃10が一体となって下降し、これ
により第2の下刃30が下降する。一方、上型3の変位
規制ピン3b〜3bがそれぞれ打ち分け孔6dに入り込
むので、依然この上型3はラム2に対して変位する状態
となっている。但し、ウレタンゴム3c〜3cが打ち分
けプレート6bに当接されるので、ラム2の下動はウレ
タンゴム3c〜3cを介して上型3に伝えられ、従って
この段階で素材Wは上型3と下型5との間に挟まれ、か
つウレタンゴム3c〜3cの弾発力により両型3,5間
に強固に保持される。このことから、以下なされる抜き
加工および曲げ加工において上型3は下降せず、従って
ラム2はウレタンゴム3c〜3cを変形させつつさらに
下動する一方、上型3はラム2に対して相対的に上方へ
変位し、これに伴って変位規制ピン3b〜3bが徐々に
打ち分け孔6d内に進入する。
【0020】このように第1の下刃20が下降しない状
態で、上刃10および第2の下刃30が下降することに
より、図5および図7に示すように上刃10の抜き刃1
0bが第1の下刃20の抜き刃20aに対して下方へ変
位し、これにより素材Wの外周が抜き加工される。な
お、上刃10の変位規制ピン11が打ち分けプレート6
bに当接する段階では、上記窓用抜き刃12の変位規制
ピン15も打ち分けプレート6bに当接し、これにより
当該窓用抜き刃12もラム2と一体で下動する状態とな
る。一方、この段階では下型打ち分け装置50が変位規
制解除側に切り換えられて、受け刃25が下動可能な状
態となっている。従って、ラム2の下動に伴い窓用抜き
刃12も一体となって下動し、素材Wに当接した状態で
受け刃25を圧縮バネ26に抗して押し下げつつさらに
下動することにより素材Wに窓部が抜き加工される。
【0021】抜き加工完了後、さらにラム2が下降する
と、図6に示すように上刃10の抜き刃10bが素材W
を間にして第1の下刃20の抜き刃20aに当接するこ
とにより、以後上刃10と第1および第2の下刃20,
30がラム2と一体となって下動する。こうして、上刃
10がさらに下動することにより、上刃10の曲げ刃1
0cと下型5との間で、上記抜き加工された素材Wの外
周が下方へフランジ曲げ加工される。このように、本実
施形態のプレス型1によれば、ラム2の1回目の下動に
より素材Wに絞り加工がなされ、2回目の下動により抜
き加工と曲げ加工がなされ、当該1セットのプレス型1
により複数の形態のプレス加工を行うことができるの
で、従来に比して型費の削減、メンテナンス労力の削減
を図ることができ、また、従来のような各工程間の搬送
手段を排除することができる。
【0022】以上説明した実施形態には、種々変更を加
えて実施することができる。例えば、例示した実施形態
では、自動車のドアパネルをプレス加工するためのプレ
ス型1として説明したが、様々な種類の製品をプレス加
工する場合に適用できることは言うまでもなく、従って
窓部の抜き加工のあるなしに関係なく適用することがで
きる。また、例示した実施形態において、両打ち分けプ
レート6b,51を移動させるための駆動手段としてシ
リンダを用いたが、例えば電動モータ等その他の手段に
よりその位置を切り換える構成としてもよい。
【0023】次に、請求項に記載した発明とは異なる
が、本願発明に関連する技術について説明する。図8に
は、この関連技術に係る複合プレス型60が示されてい
る。なお、本願発明の実施形態と同様であって特に変更
を要しない部材については説明を省略し、同位の符号を
用いる。この関連技術に係る複合プレス型60は、前記
実施形態とは異なり、ラム2の1回の下動により絞り加
工、抜き加工および曲げ加工がなされる構成となってい
る。図8に示すように、上型3の上面には、前記変位規
制ピン3b〜3bおよびウレタンゴム3c〜3cに代え
て複数のガススプリング61〜61が取付けられてお
り、各ガススプリング61〜61は全て一定以上の荷重
で縮小側にストロークする。すなわち、各ガススプリン
グ61〜61には、絞り加工に要する型締め力よりも大
きな押圧力が付加されたときに縮小側に作動するものが
用いられている。このため、上型打ち分け装置6は廃止
されており、この関連技術の場合、変位規制ピン11〜
11およびこのガススプリング61〜61は、ラム2の
下面に固定した当接プレート66に当接する。また、素
材Wの窓部を抜き加工するための受け刃25も、前記変
位規制ピン27および圧縮バネ26に代えてガススプリ
ング62〜62により下型5に支持されている。このガ
ススプリング62も一定以上の荷重、すなわち素材Wの
抜き加工に要する型締め力が付加されたときに縮小側に
作動するもので、絞り加工時の型締め力では作動しな
い。
【0024】さらに、下型5の周囲に配置された第1の
下刃20は、前記変位規制ピン22およびガススプリン
グ21〜21に代えてすべてガススプリング64〜64
により支持されており、このためこの関連技術では前記
下型打ち分け装置50も廃止されている。この場合のガ
ススプリング64〜64は、前記ガススプリング21〜
21よりもより大きな荷重、すなわち抜き加工段階の型
締め力では作動せず、曲げ加工に要する型締め力が付加
された時点で縮小側に作動するものが用いられている。
このように、本願発明に係る実施形態における上型およ
び下型打ち分け装置6,50に代えて、ガススプリング
61〜61、62〜62および64〜64を用いること
によっても、絞り加工、抜き加工および曲げ加工を1セ
ットのプレス型60により行うことができ、しかもこの
関連技術の場合、本願発明に係る実施形態のようにラム
2を2回下動させるのではなく、1回の下動で全ての加
工を行うことができる。
【0025】以下、簡単にその加工手順を説明する。ラ
ム2が下動して、上刃10と第2の下刃30との間に素
材Wが挟み込まれる。第1および第2の下刃20,30
はそれぞれガススプリング64〜64、クッションピン
31〜31により支持されているので、この段階では両
下刃20,30は下動しない。さらに、ラム2が下動す
ると、変位規制ピン11の上面11aが当接プレート6
6に当接し、以後上刃10がラム2と一体で下動し、こ
の段階で第2の下刃30がクッションピン31〜31に
抗して下動し、これにより素材Wの周囲がクリンチされ
る。こうして素材Wがクリンチされると、ほぼ同時にガ
ススプリング61〜61が当接プレート66に当接し、
これにより上型3がラム2と一体で下動して素材Wが下
型5との間で絞り加工される。この絞り加工の段階で
は、各ガススプリング61〜61は縮小側に作動しな
い。絞り加工完了後、型締め力が増大してさらにラム2
が下動すると、この段階で上型3は下動できないので、
各ガススプリング61〜61に一定以上の荷重が付加さ
れ、これにより各ガススプリング61〜61が縮小側に
作動して、ラム2の単独の下動が許容される。
【0026】一方、絞り加工後、ラム2がさらに下動す
る段階では、第1の下刃20は下動しないが、第2の下
刃30がラム2および上刃10に押されて下動するの
で、上刃10の抜き刃10bが第1の下刃20の抜き刃
20aに対して変位し、これにより素材Wの外周が抜き
加工される。また、この段階では、変位規制ピン15が
当接プレート66に当接するので、窓用抜き刃12もラ
ム2と一体で下降し、受け刃25に一定以上の荷重が付
加され、これによりガススプリング62〜62が縮小側
に作動して、該受け刃25の下動が許容される。このた
め、ラム2が下動すると、窓用抜き刃12と受け刃25
が素材Wを挟み込んだ状態で下動し、これにより素材W
の窓部もほぼ同時に抜き加工される。抜き加工完了後、
上刃10の抜き刃10aが第1の下刃20の抜き刃20
aに当接すると、ラム2の下動力(型締め力)が直接当
該第1の下刃20に付加されて、各ガススプリング64
〜64に一定以上の荷重が付加され、これにより各ガス
スプリング64〜64が縮小側に作動して当該第1の下
刃20がラム2と一体で下動する。こうして第1および
第2の下刃20,30と上刃10が一体で下動すること
により、抜き加工された素材Wの周縁が上刃10の曲げ
刃10cによりほぼ直角に下方へ曲げ加工される。この
ように関連技術におけるプレス型60によっても、絞り
加工と抜き加工と曲げ加工が1セットのプレス型60に
よりなされ、しかもこの関連技術の場合、本願発明に係
る実施形態とは異なってラム2の1回の下動により上記
3種類のプレス加工が順次なされる。このことから、
願発明に係る実施形態のプレス型1によ作用効果に加
えて、当該プレス型60によれば本願発明に係る実施形
のプレス型1に比してプレス加工のサイクルタイムを
短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るプレス型を示す図であ
って、全てのプレス加工(絞り加工、抜き加工および曲
げ加工)が完了した時点におけるプレス型全体の縦断面
図である。
【図2】上型打ち分け装置の側面図である。
【図3】下型打ち分け装置の側面図である。
【図4】絞り加工が完了した時点における実施形態のプ
レス型の要部縦断面図である。
【図5】抜き加工が完了した時点における実施形態のプ
レス型の要部縦断面図である。
【図6】曲げ加工が完了した時点における実施形態のプ
レス型の要部縦断面図であり、従って図1の一部詳細図
である。
【図7】抜き加工直前におけるプレス型の要部詳細図で
ある。
【図8】本発明の関連技術に係るプレス型を示す図であ
って、全てのプレス加工(絞り加工、抜き加工および曲
げ加工)が完了した時点におけるプレス型全体の縦断面
図である。
【符号の説明】
1…複合プレス型 2…ラム 3…上型、3b…変位規制ピン 4…ボルスター 5…下型 6…上型打ち分け装置、6b…打ち分けプレート、6d
…打ち分け孔 10…上刃、10a…シワ押え、10b…抜き刃、10
c…曲げ刃 11…変位規制ピン 12…窓用抜き刃 20…第1の下刃、20a…抜き刃 21…ガススプリング 22…変位規制ピン 30…第2の下刃、30a…シワ押え 31…クッションピン 50…下型打ち分け装置 51…打ち分けプレート、51a…打ち分け凸部 60…複合プレス型(関連技術) 61,62,64…ガススプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 35/00 B21D 24/00 B21D 24/16 B21D 28/02 B21D 19/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラムにプレス方向変位可能に支持した上
    型と、該上型に対してプレス方向変位可能に支持した、
    シワ押えと抜き刃と曲げ刃を有する上刃と、前記上型の
    前記ラムに対する変位量を切り換えるための上型打ち分
    け装置と、下型と、該下型に対してそれぞれプレス方向
    変位可能に支持した、抜き刃を有する第1の下刃と、シ
    ワ押えを有する第2の下刃と、前記第1の下刃の前記下
    型に対する変位量を切り換えるための下型打ち分け装置
    を備え、 前記ラムの1回目の下動により前記上型と前記下型との
    間で絞り加工がなされ、前記上型打ち分け装置と前記下
    型打ち分け装置を変位規制解除側へ切り換えた状態でな
    される前記ラムの2回目の下動により、前記上刃の抜き
    刃と前記第1の下刃の抜き刃との間で抜き加工がなされ
    るとともに、前記上刃の曲げ刃と前記下型との間でなさ
    れる曲げ加工がなされる構成としたことを特徴とする複
    合プレス型。
  2. 【請求項2】 請求項記載の複合プレス型であって、
    上型打ち分け装置と下型打ち分け装置は、打ち分けプレ
    ートをアクチュエータによりプレス方向に直交する方向
    に移動させて、ラムに対する上型の変位量と、下型に対
    する第1の下刃の変位量を切り換える構成としたことを
    特徴とする複合プレス型。
JP14809097A 1997-06-05 1997-06-05 複合プレス型 Expired - Lifetime JP3496457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14809097A JP3496457B2 (ja) 1997-06-05 1997-06-05 複合プレス型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14809097A JP3496457B2 (ja) 1997-06-05 1997-06-05 複合プレス型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10328762A JPH10328762A (ja) 1998-12-15
JP3496457B2 true JP3496457B2 (ja) 2004-02-09

Family

ID=15445024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14809097A Expired - Lifetime JP3496457B2 (ja) 1997-06-05 1997-06-05 複合プレス型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3496457B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4781380B2 (ja) 2008-03-28 2011-09-28 豊臣機工株式会社 プレス加工装置及びプレス加工方法
JP5152976B2 (ja) * 2008-03-31 2013-02-27 ダイハツ工業株式会社 プレス金型
CN102935457A (zh) * 2012-11-09 2013-02-20 无锡市亚青机械厂 装载机盖板压型模的改进结构
CN104624788B (zh) * 2015-02-12 2016-08-17 安徽省佳艺休闲用品有限公司 一种休闲用可喷水式躺床生产***
CN105215157B (zh) * 2015-10-13 2017-06-06 林德英利(天津)汽车部件有限公司 一种左右共享半自动折弯穿孔设备
CN110216186A (zh) * 2019-06-19 2019-09-10 一汽轿车股份有限公司 一种后背门内外板共用落料模具结构
JP7230866B2 (ja) * 2020-03-02 2023-03-01 トヨタ車体株式会社 プレス型
CN114393106B (zh) * 2021-11-30 2023-06-16 无锡曙光精密工业有限公司 一种绞索保持器的冲压制造工艺方法及其工艺***

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10328762A (ja) 1998-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7950261B2 (en) Method and apparatus for press forming sheet material
US6546609B1 (en) Automatic riveting apparatus
US20080098789A1 (en) Draw Forming Method and Device
US5492001A (en) Method and apparatus for working burred portion of workpiece
JP3415358B2 (ja) 複合成形型および複合成形方法
JPH079045A (ja) プレス加工装置
JP3496457B2 (ja) 複合プレス型
CA1079169A (en) Blank and draw apparatus with gap control and method
KR101096674B1 (ko) 프레스용 금형 어셈블리 및 그를 이용한 스트립 벤딩 방법
JP3531441B2 (ja) 複合プレス型
JP2927171B2 (ja) 複合プレス型
JP2017121644A (ja) プレス成形装置、及びプレス成形方法
JP2000233234A (ja) エアークッション連動式金型装置
JP4129621B2 (ja) プレス金型
JPH0375247B2 (ja)
JP3216574B2 (ja) プレス型
JPH0639453A (ja) 低騒音低振動のための一工程抜きハーフブランキング工法、および同装置
KR102512445B1 (ko) 다공정 일원화 프레스 금형장치
JP2554768B2 (ja) フランジ成形用金型
JPH07299527A (ja) プレス成形装置
JP4609188B2 (ja) 鍛造ワークのフランジ反り矯正方法および矯正装置
JPH05212456A (ja) 低騒音低振動のための内外形同時抜きハーフブランキング工法、および同装置
JPH0751896A (ja) プレス成形機
JPS6328694B2 (ja)
JPH0618655Y2 (ja) プレス成形装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121128

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131128

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term