JP2004027054A - 新規なポリオールによるポリウレタン樹脂 - Google Patents

新規なポリオールによるポリウレタン樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】低硬度であって、かつ、高強度、高い伸び特性を発現するポリウレタン樹脂の提供。
【解決手段】ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオールの少なくとも一部として、(1)水酸基価5〜30および(2)総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオール(A)とラクトンとを反応させて得られるラクトン系ポリオールを用いることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低硬度、高強度、高伸びを発現するポリウレタン樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシテトラメチレンジオール、ポリオキシプロピレンポリオールなどのポリオキシアルキレンポリオールやポリエステルポリオールなどの高分子量ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーに硬化剤を反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ポリオキシテトラメチレンポリオールとポリイソシアネート化合物を原料として用いて製造したポリウレタン樹脂は、伸び、反発弾性率、耐水性などが優れていることから、スパンデックスなどの用途に用いられてきた。しかしながら、酸化劣化しやすく、耐候性、耐熱性、低温での弾性回復率、染色性に劣る欠点があった。また、原料ポリオールの分子量としては、粘度の点で4000が限度であったため、製造できるポリウレタン樹脂の硬度には下限値があった。
【0004】
一方、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物を原料として用いて製造したポリウレタン樹脂は、伸び、反発弾性率などが優れているが、耐水性に劣る欠点があった。
【0005】
上記を改良する目的で、分子量2000程度のポリオキシプロピレンポリオールにラクトンを反応させて得られるポリエーテルポリラクトンポリオールを用いてポリウレタン樹脂を製造する試みがなされた(特開昭58−59213号公報)。
【0006】
上記提案により、高伸び、高弾性回復率のポリウレタン樹脂は得られたが、原料ポリオールの分子量に限界があったため、低硬度のポリウレタン樹脂を得ることが難しかった。このように、低硬度、高強度、高伸びを併せもつポリウレタン樹脂が要望されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決する下記の発明である。
【0008】
ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオールの少なくとも一部として、(1)水酸基価5〜30、および(2)総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオール(A)とラクトンの反応生成物を用いることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
(ポリオール)
本発明において、ポリオールの少なくとも一部として、(1)水酸基価5〜30および(2)総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオール(A)とラクトンとを反応させて得られるラクトン系ポリオールを用いる。
ポリオキシアルキレンポリオール(A)は、開始剤および触媒の存在下、アルキレンオキシドを反応させて得られる水酸基数2〜8のものが好ましい。
【0010】
開始剤としては2〜8個の活性水素原子を有する化合物が使用でき、具体的には、エチレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの2価アルコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリンなどの3価アルコール、ペンタエリスリトールなどの4価アルコール;ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどの6価アルコール、トリペンタエリスリトール、ショ糖などの8価アルコール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミンなどのジアミン、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ビスフェノールAなどのフェノール、およびこれらの化合物に少量のアルキレンオキシドを付加した比較的低分子量のアルキレンオキシド付加体などが挙げられる。2価アルコールまたは3価アルコールが好ましい。
【0011】
アルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エチレンオキシドなどが挙げられ、プロピレンオキシドまたはプロピレンオキシドと他のアルキレンオキシドの併用が好ましい。プロピレンオキシドのみが好ましい。アルキレンオキシドのうち70質量%以上、特に90質量%以上がプロピレンオキシドであることが好ましい。
【0012】
触媒としては、公知の触媒を使用できるが、総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオールを得るためには、複合金属シアン化物錯体触媒、セシウム系触媒、金属ポルフィリン触媒、フォスファゼン触媒などの使用が好ましい。本発明においては、複合金属シアン化物錯体を使用することが特に好ましい。なかでも亜鉛ヘキサシアノコバルテートを主成分とする錯体が好ましく、特にそのエーテルおよび/またはアルコール錯体が好ましい。
【0013】
ポリオール(A)の総不飽和度は、0.07以下であり、0.04以下であることが好ましい。総不飽和度がこれより高い場合には、得られるポリウレタン樹脂において残留タックの増大、強度の低下等が起こる。
ポリオール(A)の水酸基価は5〜30である。水酸基価が5未満であるとポリオールが高粘度化し、作業性が悪くなる。水酸基価が30を超えると得られるポリウレタン樹脂の物性が悪くなる。
【0014】
ポリオキシアルキレンポリオール(A)は、2種以上のポリオールの混合物であってもよい。混合物の場合、水酸基価、不飽和度の平均値が上記範囲内であればよい。
【0015】
(ラクトン系ポリオール)
本発明において、上記ポリオキシアルキレンポリオール(A)にラクトンを反応させてラクトン系ポリオールを製造する。
【0016】
ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどが挙げられ、ε−カプロラクトンが特に好ましい。ラクトンの使用量は、ポリオール(A)/ラクトンが質量比で、20〜98/2〜80となる割合が好ましく、55〜98/2〜45が特に好ましい。また得られる反応生成物の水酸基価は、4〜28が好ましく、4〜25が特に好ましい。
【0017】
反応させる際、触媒として、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等の有機チタン化合物、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシド、塩化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等の錫化合物を0.05〜1000ppm用いてもよい。
また反応温度としては、130〜240℃、さらには140〜230℃が好ましい。
【0018】
(ポリウレタン樹脂)
本発明において、上記ラクトン系ポリオールを含むポリオールとポリイソシアネート化合物を反応させることによりポリウレタン樹脂を製造できる。ポリウレタン樹脂の製造方法としては、ワンショット法、プレポリマー法など公知の方法を採用できる。
【0019】
本発明においては、プレポリマー法、すなわち、イソシアネート基末端プレポリマーを製造し、さらに硬化剤(ポリオール、ポリアミン等)を反応させることによりポリウレタン樹脂を製造する方法がより好ましい。この場合、イソシアネート基末端プレポリマーの原料ポリオールとしてラクトン系ポリオールを用いてもよく、硬化剤としてラクトン系ポリオールを使用してもよい。用途、ポリウレタン樹脂の要求物性等に応じて選択することが好ましいが、前者が特に好ましい。
【0020】
以下、プレポリマー法によるポリウレタン樹脂の製造方法について詳しく述べるが、本発明はこの方法に限定されない。
イソシアネート基末端プレポリマーの原料ポリオールとしては、上記ラクトン系ポリオールを単独で用いてもよく、他のポリオールを混合して使用してもよい。また、硬化剤として、上記ラクトン系ポリオールを用いる場合には、イソシアネート基末端プレポリマーの原料ポリオールとしては、上記ラクトン系ポリオールを含まないポリオールを使用してもよい。物性の点からはイソシアネート基末端プレポリマーの原料ポリオールとしてラクトン系ポリオールを使用することがより好ましく、ラクトン系ポリオール単独で使用することが特に好ましい。
【0021】
使用できる上記ラクトン系ポリオール以外のポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。水酸基価5〜100のものが好ましく、5〜60のものがより好ましい。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリオキシテトラメチレンポリオールやポリオキシアルキレンポリオール(A)やその他の比較的総不飽和度の高いポリオキシアルキレンポリオールなどが使用できる。
【0022】
ラクトン系ポリオールと他のポリオールを併用する場合、その使用割合は質量比で10〜90/90〜10となる割合が好ましく、40〜90/60〜10となる割合が特に好ましい。
【0023】
(ポリイソシアネート化合物)
本発明において使用できるポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などの脂環族ポリイソシアネート、およびこれらポリイソシアネートをウレタン変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体などが挙げられる。反応性および得られるイソシアネート基末端プレポリマーの粘度の点から芳香族ジイソシアネートが好ましく、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
【0024】
(プレポリマー)
イソシアネート基末端プレポリマーは、上記ポリオールとポリイソシアネート化合物とを、イソシアネート基/水酸基(モル比)が2〜10、好ましくは3〜6となる割合で反応させることにより製造できる。該モル比が2未満であると、プレポリマーの粘度が高くなり作業性が低下し、一方該モル比が10超過では発泡しやすい問題がある。
【0025】
また、プレポリマーのイソシアネート基含有量(質量換算)は、0.1〜10%が好ましく、0.3〜6.0%がより好ましく、2〜4%が最も好ましい。イソシアネート基含有量が0.1%未満では、プレポリマーの粘度が高くなり作業性が低下し、イソシアネート基含有量が10%超過では発泡しやすい問題がある。
【0026】
イソシアネート基末端プレポリマーは通常の公知の方法で製造することができる。例えば、ポリイソシアネート化合物と上記ポリオキシアルキレンポリオールとを乾燥窒素気流下、60〜100℃で1〜20時間加熱反応することによって製造できる。
【0027】
(硬化剤)
本発明において、上記プレポリマーを硬化剤と反応させることによりポリウレタン樹脂を製造できる。硬化剤としては、最終生成物であるポリウレタンの物性に応じて、高分子量ポリオール、低分子量ポリオール、ポリアミンなどを選択できる。
【0028】
高分子量ポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオールまたは本発明における上記ラクトン系ポリオールが使用できる。ポリオキシアルキレンポリオールとしては、ポリオキシアルキレンポリオール(A)や(A)以外の比較的総不飽和度の高いポリオキシアルキレンポリオールなどが使用できる。高分子量ポリオールは、水酸基価5〜112のものが好ましい。
【0029】
低分子量ポリオールとしては、分子量500以下の低分子量ポリオールが使用できる。低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,5−ヘプタンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの2価アルコールなどが挙げられる。
【0030】
ポリアミンとしては、芳香環に直接アミノ基が結合した芳香族系ジアミン化合物および芳香環にアルキレン基を介してアミノ基が結合したジアミン化合物などの、脂肪族アミン、脂環族アミンが挙げられる。
【0031】
具体的には、ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族ジアミン、ピペラジン、ピペラジン誘導体等の脂環族ジアミンが挙げられる。
【0032】
(反応)
プレポリマーと硬化剤を反応させる際の割合は、硬化剤中の活性水素含有基/プレポリマー中のイソシアネート基が、0.7〜1.2となる割合が好ましく、0.85〜1.05となる割合が好ましい。
反応温度は0〜30℃が好ましい。0℃未満であると、反応が遅すぎ、長時間要する。30℃を超えると、反応が速すぎて充分に混合される前の不均一な状態で反応するので好ましくない。
【0033】
プレポリマーおよび硬化剤を反応させるための公知のウレタン化反応触媒を含有してもよい。例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、2−エチルヘキサン酸錫などの有機錫化合物、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄などの鉄化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミンなどの三級アミン系などが挙げられる。なかでも有機錫化合物が好ましい。
【0034】
触媒の添加量は、プレポリマーと硬化剤との合計100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部が好ましく、0.001〜0.01質量部が特に好ましい。0.0001質量部未満では成形品が脱型可能になるまでの時間が長くなり、0.1質量部超過では反応成分混合後のポットライフが短くなりすぎて、いずれも好ましくない。
【0035】
また、プレポリマーと硬化剤との反応は溶媒中で行うこともできる。たとえば、溶媒中で、プレポリマーを製造して、プレポリマー溶液を得、これに硬化剤を添加することにより、溶媒中で反応を行うことができる。溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなど、水に可溶な極性溶媒が好ましく用いられる。
また、ポリウレタン樹脂の分子量調節剤として、ジエチルアミン、ジブチルアミンやジエタノールアミン等の末端基停止剤を併用してもよい。
【0036】
本発明においてポリウレタン樹脂を製造するにあたり、下記の充填剤、補強剤、安定剤、難燃剤、離型剤、防黴剤などの添加剤を配合することができる。
充填剤や補強剤としては、カーボンブラック、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、ガラス、骨粉、木粉、繊維フレークなどが、安定剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが、難燃剤としては、クロロアルキルホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、アンモニウムポリホスフェート、有機臭素化合物などが、離型剤としては、ワックス、石鹸類、シリコンオイルなどが、防黴剤としてはペンタクロロフェノール、ペンタクロロフェノールラウレート、ビス(トリ−n−ブチル錫)オキシドなどが挙げられる。
【0037】
本発明のポリウレタン樹脂は、可塑剤を含まないことが好ましい。本発明のポリウレタン樹脂は、可塑剤を配合しなくても作業性に優れる効果や低硬度のポリウレタン樹脂を製造できる効果を有する。
【0038】
本発明において、特定のラクトン系ポリオールを使用することにより、低硬度、高強度、高伸び、低温での弾性回復率を同時に満足するポリウレタン樹脂を得ることができる。
【0039】
よって、本発明によるポリウレタン樹脂は、低硬度と高強度が要求される用途、たとえば、樹脂成型用型枠材、給紙ローラー、排紙ローラー、転写ローラー、現像ローラー、帯電ローラーなどの事務機器用各種ローラー、スクリーン印刷などに用いられる各種ブレード、シール材、防振材、衝撃吸収材などに有用である。
【0040】
また、本発明によるポリウレタン樹脂は、高伸び、高反発弾性率のポリウレタン樹脂を製造できるので、合成皮革、スパンデックスなどの用途にも有用である。スパンデックス用途に使用した場合、従来のポリオキシテトラメチレンポリオールを用いたウレタン樹脂では低温(0〜50℃)での弾性回復率が低い問題があったが、本発明におけるウレタン樹脂ではこの点を改良できる。
【0041】
本発明によるポリウレタン樹脂を合成皮革として利用する場合には、溶媒中で反応を行い、ポリウレタン樹脂溶液を得、基布に塗布した後、溶媒除去することによって合成皮革を得ることができる。また、スパンデックスとして利用する場合には前記のような反応によって得られたポリウレタン樹脂溶液から、乾式紡糸法または湿式紡糸法により弾性糸を得ることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明の内容を説明する。部数は質量部数を示す。
【0043】
(原料)
ポリオールとして、表1に示す開始剤と触媒を用いて、プロピレンオキシドを開環重合させて得られたポリオキシプロピレンポリオールを使用した。各ポリオールの水酸基価(単位:mgKOH/g)、総不飽和度(単位:meq/g)を表1に示す。表中、DMCは亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体触媒を、KOHは水酸化カリウム触媒を示す。また、ポリオールc1は、水酸基数2、水酸基価56のポリオキシテトラメチレンポリオールである。
【0044】
【表1】
Figure 2004027054
【0045】
(ポリオールの合成)
(例1〜8)
原料として表2に示す種類と部数のポリオールと、表2に示す部数のε−カプロラクトンを反応器に投入し、窒素雰囲気下で撹拌しながら、140℃に昇温した。さらにテトラブトキシチタンを0.002部を投入して、170℃に昇温し、8時間反応させてポリオール(P1〜P5、Q1〜Q3)を得た。得られたポリオールの水酸基価(単位:mgKOH/g)を表2に示す。
【0046】
【表2】
Figure 2004027054
【0047】
(低硬度ウレタンゴムへの応用)
(例9〜12)
表3〜4に示す種類と部数のポリオールと、表3〜4に示す種類と部数のポリイソシアネート化合物とを、窒素雰囲気下、80℃で7時間反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたプレポリマーのイソシアネート基含有量(表中、NCO量)を表3〜4に示す。
【0048】
次いで、得られたプレポリマー100部に対して、硬化剤として表3〜4に示す種類と部数のポリオールおよび触媒としてジブチル錫ジラウレート(以下、DBTDL)を0.05部加えて、100℃にて10時間反応させてポリウレタン樹脂を得た。得られたポリウレタン樹脂の物性を表3〜4に示す。物性の評価はJIS K 6301に準じた。
【0049】
表中、MDIは4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名ミリオネートMT)を、TDIは2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名ミリオネートT−100)を示す。なお、例9〜10、12〜13は実施例であり、例11、14〜16は比較例である。
【0050】
【表3】
Figure 2004027054
【0051】
【表4】
Figure 2004027054
【0052】
例9〜10では、例11と比較して、より低硬度で高強度かつ高伸びの樹脂が得られた。また、例12〜13では、低硬度であって、高強度かつ高反発弾性率の樹脂が得られたが、例14〜16では、低硬度、高強度、高反発弾性率のいずれも満足する樹脂を得ることができなかった。
【0053】
(熱可塑性ポリウレタン樹脂への応用)
(例17〜19)
表5に示す種類と部数のポリオールと、表5に示す種類と部数のポリイソシアネート化合物とを、窒素雰囲気下、80℃で7時間反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたプレポリマーのイソシアネート基含有量(表中、NCO量)を表5に示す。
【0054】
次いで、得られたプレポリマー100部に対して、硬化剤として表5に示す部数の1,4−ブタンジオール、触媒としてジブチル錫ジラウレート 0.05部を加えて、120℃にて10時間反応させてポリウレタン樹脂を得た。
【0055】
得られた樹脂組成物を、粉砕機によりフレーク状に砕き、次いでこのフレーク状の樹脂組成物をダイス温度125℃の押出成型機を用いて、100μmの厚みのフィルム状に押出成型し、フィルム状樹脂組成物を得た。なお、例17は実施例、例18〜19は比較例である。
【0056】
【表5】
Figure 2004027054
【0057】
例18では、押出成型機の吐出部において、樹脂が熱分解し発泡してしまい、フィルム状樹脂組成物を得ることができなかった。
【0058】
(溶液重合によるポリウレタンウレア樹脂への応用)
(例20〜23)
表6に示す種類と部数のポリオール、と表6に示す種類と部数のポリイソシアネート化合物を窒素雰囲気下、80℃で時間反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーを得た。得られたプレポリマーのイソシアネート基含有量(表中、NCO量)を表6に示す。
【0059】
得られたプレポリマーをN,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解して、固形分30質量%のウレタンプレポリマー溶液を得た。ついで、表6に示す部数のm−キシリレンジアミンと、表6に示す部数のジエチルアミンを、30重量%の濃度になるようにDMACに溶解した溶液を硬化剤として、室温下で激しく撹拌した該ウレタンプレポリマー溶液100部に加え、重合反応を行いポリウレタンウレア樹脂溶液を得た。
【0060】
DMACを蒸発させて該ポリウレタンウレア樹脂溶液を乾固し、さらに140℃で30分間熱処理を行い、厚さ約100μmのフィルム状の試料を作成した。試料は10日間室温で養生した後、後述する物性測定を行った。結果を表6に示す。なお、例20〜21は実施例、例22〜23は比較例である。
【0061】
【表6】
Figure 2004027054
【0062】
【発明の効果】
低硬度であって、かつ、高強度、高い伸び特性を発現するポリウレタン樹脂が得られる。

Claims (2)

  1. ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオールの少なくとも一部として、(1)水酸基価5〜30および(2)総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオール(A)とラクトンとを反応させて得られるラクトン系ポリオールを用いることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
  2. ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマーと硬化剤を反応させることによりポリウレタン樹脂を製造する方法において、ポリオールの少なくとも一部として、(1)水酸基価5〜30および(2)総不飽和度が0.07以下のポリオキシアルキレンポリオール(A)とラクトンとを反応させて得られるラクトン系ポリオールを用いることを特徴とするポリウレタン樹脂の製造方法。
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