JP2015178587A - 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶剤としてトルエンを含まない印刷インキに使用しても溶剤への再溶解性と耐ブロッキング性に優れ、塩素を含まず、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーを提供する。【解決手段】 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が一般式(1)で表されるポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)とポリエステルポリオール(a2)とポリエーテルポリオール(a3)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー。【化1】[式中、R1及びR2は特定のアルキレン基であり、a及びcはそれぞれ0以上の整数で、かつ5≰a+c≰16を満たし、bは5〜250の整数である。]【選択図】なし

Description

本発明は印刷インキ用バインダー及び印刷インキに関する。更に詳しくは、トルエンを含まず再溶解性と耐ブロッキング性に優れ、非塩素系であり、被印刷物としてのポリエステル、ナイロン、ポリエチレン及びポリプロピレン等の各種のプラスチックフィルムのいずれにも好適に用いることができる印刷インキ用バインダー及び印刷インキに関する。
従来、プラスチックフィルム用の印刷インキの溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン及び酢酸エチル等の溶剤が混合使用されてきた。この中でもトルエンは安価かつ比較的高沸点溶剤であり、印刷時にグラビア版上のインキの乾燥を抑え、フィルムへ転移せずに残存したグラビア版のセル中のインキが、インキパン中の新インキと接触して、十分に再溶解するため、セルの版詰まりを防ぐのに好適であり、印刷インキの主溶剤として使用されてきた。これらトルエンを含有する溶剤を使用した印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、3−メチルペンタンアジペートジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、労働安全衛生法の改正でトルエンの環境濃度規制が強化され、印刷作業環境の改善が必要となり、また、PL法施行により残留溶剤の低減が必要となり、比較的高沸点であるために印刷物中に多く残留する傾向にあるトルエンを含まない溶剤系の印刷インキの要望が大きくなった。しかし、トルエンを使用せずMEK及び酢酸エチル等の溶剤だけを使用して従来のポリエステル系ポリウレタン樹脂をバインダーとして用いた印刷インキは、溶剤の乾燥が速いためにグラビア版のセル中に残存したインキがインキパン中の新インキと接触するまでに乾燥し、十分に再溶解せずに版詰まりを起こし、深度の浅い版では印刷できなくなる等の問題がある。トルエンを含有しない印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、直鎖ジオールと分岐ジオール併用したポリエステルジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、近年、更なる印刷速度の高速化が求められ、更なる再溶解性の向上が必要となっているが、再溶解性とトレードオフの関係にある耐ブロッキング性との両立が課題となっている。
また、ポリウレタン樹脂をバインダーとする印刷インキはポリエステルフィルムやナイロンフィルムに対しては単独で優れた接着力を有するが、汎用フィルムであるポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムに対しては充分な接着力がなく、また、塩素化ポリオレフィンをバインダーとした印刷インキはポリオレフィンフィルムに対しては良好な接着力を示すが、ポリエステルフィルムやナイロンフィルムに対しては充分な接着力がないため基材フィルムが制限されるという問題がある。
ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム及びポリオレフィンフィルムに対する接着力を向上させ、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用する目的で、ポリウレタン樹脂と塩素化ポリオレフィンとを混合して使用することが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、近年、環境問題への取り組みが重視されるようになり、使用済み品の廃棄処理において、有害物質の発生を抑制することが強く望まれており、塩素化ポリオレフィンは、塩素を含んでいるため、焼却時に有害物質が発生し、環境を汚染する恐れがあるという問題があった。
特開昭63−161065号公報 特許2976291号公報 特開平10−251594号公報
本発明の目的は、溶剤としてトルエンを含まない印刷インキに使用しても溶剤への再溶解性と耐ブロッキング性に優れ、塩素を含まず、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が一般式(1)で表されるポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)とポリエステルポリオール(a2)とポリエーテルポリオール(a3)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー;前記印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキである。
Figure 2015178587
[式中、Rは炭素数3〜11のアルキレン基であり、複数個あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数2〜12のアルキレン基であり、複数個あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、a及びcはそれぞれ0以上の整数で、かつ5≦a+c≦16を満たし、bは5〜250の整数である。]
本発明の印刷インキ用バインダーは、トルエンを含まないインキ溶剤を使用しても、再溶解性と耐ブロッキング性に優れており、印刷時にグラビア版のセル中に残存するインキが再溶解され、版の目詰まりが非常に少なく、非塩素系であるため、焼却時に有害物が発生して環境を汚染する恐れがなく、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルム用の印刷インキ用バインダーとして汎用的に使用できる。
本発明の印刷インキ用バインダーは、活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなり、前記活性水素成分(A)が一般式(1)で表されるポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)とポリエステルポリオール(a2)とポリエーテルポリオール(a3)とを含有することを特徴とする。
Figure 2015178587
一般式(1)におけるRは炭素数3〜11のアルキレン基であり、耐ブロッキング性の観点から好ましいのは1,5−ペンチレン基であり、また複数個ある場合のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
は炭素数2〜12のアルキレン基であり、再溶解性の観点から好ましいのは炭素数2〜5のアルキレン基、更に好ましいのはエチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−、1,3−又は2,3−ブチレン基及び2−メチル−1,4−ブチレン基であり、特に好ましいのはエチレン基及び1,2−プロピレン基であり、複数個ある場合のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a及びcはそれぞれ0以上の整数であり、かつ5≦a+c≦16を満たし、耐ブロッキング性及び再溶解性の観点から、6≦a+c≦14を満たすことが好ましく、7≦a+c≦12を満たすことが更に好ましい。
bは通常5〜250であり、再溶解性および耐ブロッキング性の観点から好ましくは10〜200であり、更に好ましくは15〜100である。
ポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)はポリエーテルポリオールにラクトンモノマーを開環付加して得られる。ポリエーテルポリオールとしては、後述のポリエーテルポリオール(a3)と同様のものが挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのはポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール及びポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコール[ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)の結合様式はランダムでもブロックでもよいがランダムが好ましい。]であり、更に好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。(a1)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ラクトンモノマーとしては、炭素数4〜12のラクトン(γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン及びγ−バレロラクトン等)等が挙げられる。ラクトンモノマーの内で、耐ブロッキング性の観点から好ましいのはε−カプロラクトンである。ラクトンモノマーは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(a2)としては数平均分子量(以下、Mnと略記)が500以上の、縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。尚、本発明におけるMnは、ポリエチレングリコールを分子量標準として、テトラヒドロフランを溶媒に用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)により測定される。
縮合型ポリエステルポリオールとしては、化学式量又はMnが500未満のポリオールとポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
化学式量又はMnが500未満のポリオールとしては、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐アルキレン鎖を有するジオール(1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等];炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン又はビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)の炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等];脂肪族3価アルコール[グリセリン、トリメチロールプロパン及びトリアルカノールアミン等]及び脂肪族4価以上のアルコール[ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン及びソルバイド等];等が挙げられる。
炭素数2〜12のAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記)、3−メチルTHF、スチレンオキサイド及びα−オレフィンオキサイド等]が挙げられる。AOは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜15の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル及びジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。ポリカルボン酸は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
縮合型ポリエステルポリオールの具体例としては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のポリオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンポリオールの具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のポリオールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a2)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキレン鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のポリオールの内の分岐アルキレン鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルTHF等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキレン鎖を有する縮合型ポリエステルジオールであり、特に好ましいのはポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールであり、最も好ましいのはポリネオペンチレンアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
(a2)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオール(a3)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール及び芳香族環含有ポリエーテルポリオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、前記炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール、前記炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール、前記脂肪族3価アルコール又は前記脂肪族4価以上のアルコールのAO付加物及び1級又は2級アミノ基を有する化合物のAO付加物等が挙げられる。
1級又は2級アミノ基を有する化合物としては、アルキル(炭素数1〜12)アミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等)及びポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリオキシエチレンポリオール(ポリオキシエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリオキシプロピレングリコール等)、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール[ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコール等]及びポリオキシテトラメチレングリコール(以下、PTMGと略記)等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールとしては芳香族低分子量活性水素原子含有化合物[水酸基当量が30以上150未満の2〜8価又はそれ以上のもの、例えば芳香脂肪族アルコール{m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン}、フェノール類(ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)及び芳香族アミン(アニリン及びフェニレンジアミン等)等]のAO付加物が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、例えばビスフェノールAのEO付加物(ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等)、ビスフェノールAのPO付加物(ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物及びビスフェノールAのPO5モル付加物等)及びレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a3)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキレン鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のポリオールの内の分岐アルキレン鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルTHF等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキレン鎖を有する2価アルコールの脂肪族ポリエーテルポリオール、特に好ましいのはポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール、最も好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。
(a3)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(a2)及びポリエーテルポリオール(a3)のMnは、接着性の観点から、それぞれ好ましくは300〜10,000、更に好ましくは400〜4,000である。
ポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)の重量と、前記ポリエステルポリオール(a2)及びポリエーテルポリオール(a3)の合計重量の比[(a1):(a2)+(a3)]は、耐ブロッキング性と再溶解性の観点から2:8〜8:2が好ましく、更に好ましくは3:7〜7:3である。
活性水素成分(A)は、更に鎖伸長剤(a4)及び反応停止剤(a5)等を含有することができる。
鎖伸長剤(a4)としては、炭素数2〜12のジアミン、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)、ヒドラジン及びその誘導体(アジピン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド等)及び炭素数2〜16の脂肪族ジオール等が挙げられる。(a4)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数2〜12のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのはイソホロンジアミンである。
炭素数2〜16の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−又は2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−又は2,5−ヘキサンジオール、2−又は3−メチルペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−又は3−メチルヘキサンジオール、2−、3−又は4−メチルヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−又は4−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール及びネオペンチルグリコール等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのは1,3−ブタンジオール及び1,3−プロピレングリコールである。
反応停止剤(a5)としては、炭素数1〜10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2−エチルヘキサノール等)及び炭素数2〜8のモノアミン[炭素数2〜8のモノ又はジアルキルアミン(n−ブチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等)及び炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内、好ましいのは炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミンである。反応停止剤(a5)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機ポリイソシアネート成分(B)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b1)、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、前記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビュレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、特に12〜29重量%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビュレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これらの内で接着性及びポリウレタン樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、炭素数8〜18の脂環式ポリイソシアネート(b2)であり、更に好ましいのはIPDIである。
有機ポリイソシアネート(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)とを反応させてポリウレタン樹脂(U)を製造する方法は特に制限されず、(A)と(B)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えば(B)と(A)の一部とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、(A)の残量を加えて更に反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、接着性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(a4)としての前記炭素数2〜12のジアミンを過剰に用いてポリウレタン分子鎖の末端にアミノ基を導入する方法が好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)の製造に当たって、有機ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基と、活性水素成分(A)の活性水素含有基の当量比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、通常0.7:1〜0.99:1、好ましくは0.8:1〜0.98:1である。
活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート(B)の反応は通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。但し、アミンを反応させる場合は通常100℃以下、好ましくは0〜80℃である。
前記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート及びオクチル酸錫等)及びチタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタン樹脂に対して通常0.1重量%以下である。
また、前記反応は有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中又は反応後に加えてもよい。有機溶剤としては、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルイソブチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、THF及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、炭化水素系溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等)及びアルコール系溶剤(エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等)等が挙げられる。これらの内、ポリウレタン樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びイソプロピルアルコールである。
有機溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、ポリウレタン樹脂(U)の樹脂物性の観点から好ましくは20,000〜100,000、更に好ましくは30,000〜80,000である。本発明におけるMwは、GPCにより、ジメチルホルムアミドを溶媒とし、ポリスチレンを分子量標準として測定される。
本発明のポリウレタン樹脂(U)からなる本発明の印刷インキ用バインダーは、ハンドリング性等の観点から、ポリウレタン樹脂(U)を前述の有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)として用いることが好ましい。(U)の有機溶剤溶液の樹脂濃度はハンドリング性等の観点から好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。また、(U)の有機溶剤溶液の20℃での粘度は、同様の観点から好ましくは50〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜10,000mPa・sである。
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用バインダー、顔料及び溶剤を必須成分としてなる。顔料としては特に制限はなく、通常の印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
また、必要により印刷インキに通常使用される他の樹脂類及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の樹脂類としては、例えばポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の添加量は印刷インキの重量に基づいて、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の通常のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
本発明の印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
本発明の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、TDI又はIPDI3モルとからのアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート又はIPDIのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、本発明の印刷インキ用バインダーの重量に基づいて通常0.5〜10重量%である。
本発明の印刷インキを用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
本発明の印刷インキは、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は無処理ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらのフィルムにアルミ蒸着を施したフィルム等の各種プラスチックフィルムの印刷に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は重量部を示す。
製造例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−1000」:Mn=1000]100部、ε−カプロラクトン114部を仕込み、窒素雰囲気下160℃で12時間反応させ、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが10モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−1)を得た。
製造例2
ε−カプロラクトン114部の代わりにε−カプロラクトン68部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが6モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−2)を得た。
製造例3
ε−カプロラクトン114部の代わりにε−カプロラクトン171部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが15モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−3)を得た。
製造例4
ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−1000」:Mn=1000]100部の代わりにポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−400」:Mn=400]40部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが10モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−4)を得た。
製造例5
ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−1000」:Mn=1000]100部の代わりにポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−2000」:Mn=2000]200部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが10モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−5)を得た。
製造例6
ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−1000」:Mn=1000]100部の代わりにポリオキシエチレングリコール[三洋化成(株)製「PEG−1000」:Mn=1000]100部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシエチレングリコールにε−カプロラクトンが10モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−6)を得た。
製造例7
ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−1000」:Mn=1000]100部の代わりにポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコール[三洋化成(株)製「ニューポール80−4000」:Mn=4000、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)の結合様式はランダム]100部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコールにε−カプロラクトンが10モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1−7)を得た。
比較製造例1
ε−カプロラクトン114部の代わりにε−カプロラクトン45部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが4モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1’−1)を得た。
比較製造例2
ε−カプロラクトン114部の代わりにε−カプロラクトン228部を仕込んだこと以外は製造例1と同様にして、ポリオキシプロピレングリコールにε−カプロラクトンが20モル付加したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1’−2)を得た。
実施例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)としての(a1−1)200部、ポリエステルポリオール(a2)としてのポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]100部、ポリエーテルポリオール(a3)としてのポリオキシプロピレングリコール[三洋化成(株)製「サンニックスPP−2000」:Mn=2000]100部及び有機ポリイソシアネート成分(B)としてのIPDI 80部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、イソシアネート基含有量2.9重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、有機溶剤としての酢酸エチル795部を加え均一な溶液とした。次に有機溶剤としてのイソプロピルアルコール390部を加えて均一になるまで撹拌後、鎖伸長剤(a3)としてのイソホロンジアミン26.4部及び反応停止剤(a5)としてのモノエタノールアミン1.9部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタン樹脂(U−1)の溶液を得た。ポリウレタン樹脂(U−1)のMwは41,000であった。
実施例2〜9及び比較例1〜5
表1に記載の原料に代える以外は実施例1と同様にして、ポリウレタン樹脂(U−2)〜(U−9)の溶液及び比較例のポリウレタン樹脂(U’−1)〜(U’−5)の溶液を得た。尚、比較例3ではポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)を、比較例4ではポリエーテルポリオール(a3)を、比較例5ではポリエステルポリオール(a2)を使用しなかった。
実施例1〜9及び比較例1〜5の製造に使用したポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)の構造並びに実施例1〜9及び比較例1〜5で得られたポリウレタン樹脂のMwを表1に示す。
Figure 2015178587
尚、表1において商品名で表した原料の組成は以下の通りである。
・「サンエスター5620」:Mn=2,000のポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製]
・「サンニックスPP−2000」:Mn=2,000のポリオキシプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製]
実施例10
ポリウレタン樹脂(U−1)の溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、イソプロピルアルコール30部、酢酸エチル70部及びガラスビーズ150部をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練し、ガラスビーズをろ過により除去して印刷インキ(I−1)を得た。
実施例11〜18及び比較例6〜10
ポリウレタン樹脂(U−1)の溶液を表2に記載のポリウレタン樹脂(U−2)〜(U−9)又(U’−1)〜(U’−5)の溶液に変更する以外は実施例10と同様にして、印刷インキ(I−2)〜(I−9)及び比較用の印刷インキ(I’−1)〜(I’−5)を得た。
得られた印刷インキを使用して以下の性能試験を行った結果を表2に示す。
[接着性の試験方法]
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡績株式会社製「パイレンP−2161」(厚さ30μm)]、表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE−5102」(厚さ12μm)]及び表面処理ナイロンフィルム[東洋紡績株式会社製「ハーデンN−1130」(厚さ15μm)]に印刷インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
[再溶解性の試験方法]
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに印刷インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをイソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤(重量比3:7)でかるく洗い落とした後、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
○:セル中のインキの残りが30%未満。
×:セル中のインキが30%以上残る。
[耐ブロッキング性の試験方法]
接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗布したもの)の塗布面と非塗布面とを重ね合わせ、1.0kgf/cm2の荷重をかけて温度40℃、湿度60%RHの恒温恒湿機中で24時間静置後、剥がして表面の状態を観察した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
Figure 2015178587
本発明のバインダーは溶剤への再溶解性、接着性及び耐ブロッキング性に優れることから、各種プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロファンフィルム等)用特殊グラビアインキ用バインダーとして特に好適である。また、本発明のバインダーは前記用途だけではなく、フレキソ印刷インキ用バインダー、塗料用のバインダー、接着剤及び紙等のコーテング剤としても有用である。

Claims (5)

  1. 活性水素成分(A)と有機ポリイソシアネート成分(B)とを反応させて得られるポリウレタン樹脂(U)からなる印刷インキ用バインダーであって、前記活性水素成分(A)が一般式(1)で表されるポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)とポリエステルポリオール(a2)とポリエーテルポリオール(a3)とを含有することを特徴とする印刷インキ用バインダー。
    Figure 2015178587
    [式中、Rは炭素数3〜11のアルキレン基であり、複数個あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、Rは炭素数2〜12のアルキレン基であり、複数個あるRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、a及びcはそれぞれ0以上の整数で、かつ5≦a+c≦16を満たし、bは5〜250の整数である。]
  2. 前記ポリラクトンポリエーテルポリオール(a1)の重量と、前記ポリエステルポリオール(a2)及びポリエーテルポリオール(a3)の合計重量の比[(a1):{(a2)+(a3)}]が2:8〜8:2である請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 前記ポリエステルポリオール(a2)及び/又は前記ポリエーテルポリオール(a3)が分岐アルキレン鎖を有する請求項1又は2記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 前記ポリエーテルポリオール(a3)がポリオキシプロピレングリコールである請求項1〜3のいずれか記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の印刷インキ用バインダーを含有してなる印刷インキ。
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