JP2004010649A - ポリリン酸メラミンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分解温度が充分高く、着色を伴わず、また、吸湿した場合の導電性が増大するという問題がない、従来にない高重合度のポリリン酸メラミンを容易に製造する方法を提供する。
【解決手段】メラミン、リン酸アンモニウム及び尿素からなる固体原料組成物を、まず170〜230℃、好ましくは190〜210℃で仮焼し、この仮焼物を270〜350℃、好ましくは290〜310℃で本焼成することにより高重合度のポリリン酸メラミンをうることができる。リン酸アンモニウムとしてはリン酸二アンモニウムが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】メラミン、リン酸アンモニウム及び尿素からなる固体原料組成物を、まず170〜230℃、好ましくは190〜210℃で仮焼し、この仮焼物を270〜350℃、好ましくは290〜310℃で本焼成することにより高重合度のポリリン酸メラミンをうることができる。リン酸アンモニウムとしてはリン酸二アンモニウムが好ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃剤として有用なポリリン酸メラミンの製造方法に関し、より詳しくは従来のものに比較してはるかに高重合度のポリリン酸メラミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリリン酸メラミンは、基本的にはポリリン酸(縮合リン酸)とメラミンが結合した、塗料、合成樹脂、パーティクルボード等に添加する難燃剤として有用な化合物であって、従来より、種々の製造方法が提案されている。
【0003】
(従来のポリリン酸メラミンの製造方法)
(A)一つは、オルトリン酸メラミンを出発物質としてこれを加熱・焼成・縮合せしめてポリリン酸メラミンとする方法である。
【0004】
例えば、特公昭40−28594には、リン含有量が27〜54%のオルトリン酸メラミンを温度180〜250℃において加熱・焼成し、少なくともその一部をピロリン酸メラミンに変化させることが開示され、特に220〜250℃において焼成することにより、その40%以上をピロリン酸メラミンとすることが記載されている。また、米国特許3,920,796には、オルトリン酸メラミンを170〜325℃で加熱することにより、ピロリン酸メラミンを主体とする縮合物を製造できることが当該縮合の反応速度のアレニウス式とともに開示されており、さらに、特開2000−26597には、オルトリン酸メラミンを260〜320℃で加熱することによりポリリン酸メラミンを製造することが開示されている。
【0005】
(B)他の方法は、ポリリン酸とメラミンを反応させるもので、例えば、特開昭61−126091には、P2O5濃度72質量%以上のポリリン酸とメラミンを水性媒体の実質的不存在下に、ニーダー中で90〜170℃程度で固相反応させることにより、ポリリン酸メラミンを製造することが開示されており、米国特許4,950,757には、水溶液中でピロリン酸とメラミンを0〜60℃で反応させてピロリン酸メラミンを製造することが開示され、さらに、特表2002−506063には、ポリリン酸等のアルカリ金属塩を酸性イオン交換樹脂に接触させて得たポリリン酸を、メラミンのスラリーに添加して反応させるポリリン酸メラミンの製造方法が開示されている。
【0006】
(C)また別の方法として、オルトリン酸とメラミンを出発物質として直接反応・縮合させてポリリン酸メラミンを得る方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開平10−306081には、オルトリン酸1モルに対し過剰(2.0〜4.0モル)のメラミンを0〜300℃の温度で混合反応させ、当該反応生成物を340〜450℃で焼成することにより、ポリリン酸メラミン・メラム・メレムの複塩を製造できることが記載され、特開平10−81691には、オルトリン酸1モルに対し、1.0〜1.5モルのメラミン、0.1〜1.5モルの尿素を0〜140℃で反応させたパウダー状生成物を、240〜340℃で焼成することによりポリリン酸メラミンを製造することが開示されている。
【0008】
(D)さらに別法として、特開平11−130413には、第一リン酸アンモニウム1モルとメラミン1.50モルの原料組成物を300〜350℃で焼成することにより、ポリリン酸メラミンを製造できることが開示されている。
【0009】
しかしながら、これら従来の方法は、得られたポリリン酸メラミンの分解温度が充分高いものではなく、難燃性が不十分であったり、また着色を伴ったり、さらには、当該ポリリン酸メラミンを温水と接触させた場合、リン酸またはその低重合物が遊離し、導電性が増大するという問題があった。また、反応又は焼成中のメラミンの損失が大きいため、リン酸に対して過剰のメラミンを使用しなければならなかったり、出発物質として高価でかつ調製が容易ではないポリリン酸を使用する必要がある等の問題があり、全ての点で満足すべき方法はなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題、特に分解温度が充分高く、着色を伴わず、また、吸湿した場合の導電性が増大するという問題がない、従来にない高重合度のポリリン酸メラミンを容易に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0012】
(1) メラミン、リン酸アンモニウム及び尿素からなる固体原料組成物を、170〜230℃で仮焼する第一工程と、この仮焼物を270〜350℃で焼成する第二工程からなることを特徴とする高重合度のポリリン酸メラミンの製造方法。
【0013】
(2) 前記固体原料組成物の第一工程における仮焼温度が190〜210℃であり、第二工程における焼成温度が290〜310℃である(1)に記載の製造方法。
【0014】
(3) 前記リン酸アンモニウムがリン酸二アンモニウムである(1)又は(2)に記載の製造方法。
【0015】
(4) さらに焼成物の水による洗浄工程を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明によるポリリン酸メラミンの製造方法を示すフローシートである。
すなわち、原料化合物であるメラミン1、リン酸アンモニウム3及び尿素5は、粉砕・混合工程7において充分に粉砕・混合され、メラミン、リン酸アンモニウム、尿素からなる固体原料組成物9を形成し、当該原料組成物は、まず、第一工程11において仮焼され、さらに第二工程13において本焼成され、ポリリン酸メラミンを主体とする焼成物15が形成される。
【0018】
(原料組成物)
(a)メラミン(C3H6N6)としては、純度の高い、着色のない白色の結晶粒子であることが好ましく、粒状品、粉状品いずれであってもよい。なお、製造過程に由来する種々の不純物、例えばメラム、メレム、アンメリン、アンメリド、シアヌール酸メラミン、着色有機不純物、微細な触媒粒子等が含有されている場合は、再結晶、アルカリ水溶液による洗浄、濾過等の公知の手段で精製することが好ましい。また、純度の高い市販品が入手可能であり好適に使用することができる。
【0019】
(b)リン酸アンモニウムとしては、リン酸一アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸二アンモニウム((NH4)2HPO4)、リン酸三アンモニウム((NH4)3)PO4)のいずれであってもよいが、なかでも、最も高収率が得られる点で、リン酸二アンモニウムを使用することが好ましい。なお、これら三種類のリン酸アンモニウムの混合物であってもよい。
【0020】
リン酸アンモニウムとしては、純度の充分高い白色の粒状品または粉状品が好ましい。なお、原料である湿式リン酸由来の不純物が多い場合は、再結晶により純度を高めることが好ましいが、市販で入手しうる高純度のものをそのまま使用することも可能である。
【0021】
(c)尿素(CO(NH2)2)は、通常、造粒塔方式または流動層・噴流層方式で得られた粒状尿素や粉状尿素のいずれをも好適に使用しうる。また、不純物が多い場合は、水又はエタノールから再結晶してもよいが、通常は、市販で入手しうるものを好適に使用することができる。
【0022】
本発明においては、まず、図1のフローに示したように、出発原料であるメラミン、リン酸アンモニウム及び尿素をそれぞれ微細な粒子とするとともに、これらが充分均一に混合した固体原料組成物9とする。
【0023】
次の仮焼工程11及び焼成工程13は、典型的な固相反応であって、上記焼成反応等は、各成分の粒子が互いに接触している部分(界面)で進行するものであるから、当該固相反応を充分な速度で均質に行わしめるためには、原料組成物は、メラミン、リン酸アンモニウム、尿素のそれぞれが充分微細粒子化されて、その表面積が増大せしめられ、かつ、組成に偏りが無い程度に、統計的に成分濃度分布が均一となり、従って、各成分粒子相互間の接触面積を出来るだけ高くすることが要請される。
【0024】
この場合、原料のそれぞれを予め粉砕・微細化してから混合してもよいが、粉砕と混合を併せて行うことがより好ましい。従って、粉砕・混合工程7を行うための装置としては、固体混合装置でもよいが、より好ましくは、粉砕しながら混合することが可能な粉砕・混合装置が望ましい。
【0025】
例えば、ニーダーミキサー、ロールミル、インターナルミキサー、ミューラーミキサー、フラッシュミキサー、リボンミキサー、V型ミキサー、ボールミル、ロッドミル、ハンマーミル、アトリションミル、ハンマーミル、ミクロンミル、コロイドミル等が好適に使用可能である。なお、少量の原料組成物を調製する場合は、乳鉢や石臼等で行ってもよい。
【0026】
粉砕・混合後の原料組成物におけるリン酸アンモニウム、メラミン、尿素の粒径は、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μm程度である。
【0027】
本発明において、メラミンとリン酸アンモニウムと尿素の混合割合は、リン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜3.0モル、尿素1〜3.0モル程度、好ましくはリン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜1.5モル、尿素1〜1.5モル程度、さらに好ましくはリン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜1.2モル、尿素1〜1.2モル程度、最も好ましくは、リン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1モル、尿素1モル程度である。
【0028】
本発明の方法においては、焼成工程を、仮焼工程と本焼成工程の二段に分けて行い、それぞれの工程を最適な温度条件で実施するように規定しているので、従来の方法のごとく、リン酸アンモニウムに対して、メラミンを実質的に過剰に使用することなく、最適には、リン酸アンモニウム/メラミン/尿素=1モル/1モル/1モルの組成モル比においても、ポリリン酸メラミンを高収率で得ることができるのである。
【0029】
(仮焼工程/第一工程)
本発明においては、次に、かくして調製した当該メラミン/リン酸アンモニウム/尿素からなる固体原料組成物(以下、「本固体原料組成物」または単に「本原料組成物」と称することがある。)9を、170〜230℃、好ましくは190〜210℃において仮焼する第一工程11を行う。
【0030】
本発明の特徴とするところは、このように、当該組成物を通常の焼成温度(本焼成温度)より、上記のごとく充分低い温度において仮焼する工程をまず実施することである。
【0031】
この温度で当該メラミン/リン酸アンモニウム/尿素からなる固体原料組成物を一旦仮焼することにより、メラミンを実質的に昇華・損失させることなく、ほぼ定量的にリン酸アンモニウムと反応せしめて、メラミンの残留していないリン酸メラミンの低重合度体(例えば、重合度2〜5程度のオリゴマー)を主体とする仮焼物7を形成することができるのである。また、尿素は、主として縮合反応を促進せしめる作用を有する。
【0032】
仮焼温度が上記温度よりあまり低いと、このような低重合度体が充分に生成されずまた未反応原料が残存し、またこれよりあまり温度が高すぎると、メラミンの昇華・損失が過大となり、メラミンを大過剰に使用しないと縮合反応が充分進行しない。
【0033】
仮焼時間は、原料組成、原料組成物の粒径、仮焼温度、モル比、原料処理量、仮焼を実施する焼成装置の形式等によって変わりうるが、通常20分〜5時間、好ましくは30分〜3時間、さらに好ましくは40分〜1.5時間程度、最も好ましくは50分〜1.2時間程度である。
【0034】
仮焼工程は、本原料組成物を上記温度に加熱しうる炉により行われる。加熱炉としては、所定の温度、時間に、均一に当該原料組成物を加熱し、上記のごとくその低重合体にまで縮合せしめうるものであれば特に限定するものではなく、例えばボックス炉、バッチ式若しくは連続式の回転炉(ロータリーキルン)、電気炉、ガス加熱炉、赤外線加熱炉、移動層炉、流動層炉等が好適に用いられる。
【0035】
また、縮合反応が進行する際、アンモニア等の気体が離脱・放出されるので、縮合を円滑に進めるために、乾燥空気等の酸化性気体、窒素等の不活性気体、水素等の還元性気体を、当該加熱炉に連続的に送入し、離脱気体を系外に同伴除去することが好ましい。
【0036】
(焼成工程/第二工程)
本発明においては、かくして得られたリン酸メラミンの低重合体(より正確には、当該低重合体から主としてなる仮焼物7)を270〜350℃、より好ましくは290〜310℃で本焼成する。
【0037】
焼成温度がこれよりあまり低いと、縮合反応が充分進行せず、また、これよりあまり温度が高いと、生成するポリリン酸メラミンの分解が無視できなくなるため好ましくない。
【0038】
すなわち、上記温度で焼成することにより、仮焼工程で得られたリン酸メラミン低重合体(仮焼物7)は、さらに縮合して従来にはない、例えば重合度50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンが得られる。
【0039】
焼成時間は、仮焼工程と同様に、焼成温度、仮焼物処理量、焼成炉の形式等によって変わりうるが、通常20分〜5時間、好ましくは30分〜3時間、さらに好ましくは40分〜1.5時間程度、最も好ましくは50分〜1.2時間程度である。
【0040】
焼成工程は、上記所定の温度にまで加熱し、焼成処理を行いうるものであれば、仮焼工程を実施した加熱炉、例えば、ボックス炉、バッチ式若しくは連続式の回転炉(ロータリーキルン)、電気炉、ガス加熱炉、赤外線加熱炉、移動層炉、流動層炉等を好適に使用することができる。なお、仮焼工程と本焼成工程を別の型の加熱炉で行うことも可能であるが、通常は、同一の加熱炉を使用し、まず、170〜230℃で仮焼工程を行った後、引き続いて昇温し270〜350℃で本焼成工程を行うことが最も実際的である。
【0041】
また、仮焼工程と同様に、縮合反応に伴い、アンモニア等の気体が離脱・放出されるので、乾燥空気、窒素、水素等の適当な気体を、当該加熱炉に連続的に送入し、当該離脱気体を系外に同伴除去する。
【0042】
以上のごとくして得られた焼成物15は、上記したごとく、例えば重合度が50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンを主体とするものである。またこの粒径は、ほぼ0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm程度である。なお、このような高重合度のポリリン酸メラミンは、本発明で規定する特定の温度で仮焼工程と本焼成工程を実施することによりはじめて得られるものであり、原料組成物を直接本焼成した場合は、かかる高重合度品にはならない。
【0043】
(水による洗浄工程)
焼成工程により得られた焼成物(本生成物)15は、上記したごとく、例えば重合度が50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンを主体とするものであるが、通常、リン酸メラミンオリゴマー等の低分子量の副生成物(以下、単に混入副生物と称することがある。)が混入または残存している。この焼成物15は、高分子量のポリリン酸メラミンを主体とするものであるから、それ自体として従来のものに比較して難燃剤等として、より有用に使用できるものであるが、当該混入副生物を除去・精製することにより、さらに純度の高い高重合度のポリリン酸メラミンを得ることができ、一層熱分解特性や水に対する難溶解性を向上した、難燃剤とすることができる。
【0044】
かかる低分子量の副生成物を除去する最も容易で好ましい方法は、焼成物を水により洗浄して、この副生物を溶解除去することである。一般的には、これは、化学工学上の単位操作の一つである固体抽出(leaching)として論じられるべき操作であるが、ここでは、当該洗浄工程17としては、当該焼成物に適当量の洗浄水を添加し、よく撹拌して、スラリー(懸濁液)とし、濾過するいわゆるリパルプ操作を行うことにより実施される。
【0045】
洗浄操作において、添加する水の量は、任意であるが、通常焼成物1部に対し、洗浄水2〜10部を使用する。なお、リパルプを行う場合、洗浄をより効果的に行うためには、撹拌機を備えた容器を使用し、濾過操作と組み合わせることが好ましい。また、場合によっては、底部を多孔板とした容器に本焼成物を充填し、当該容器の上部から洗浄液を供給し、本焼成物中を接触させながら流下させる操作でもよい。
【0046】
以上のごとくして得られた洗浄生成物19は、水に対する溶解性の比較的高い低分子副生物を含んでおらず、実質的に高重合度のポリリン酸メラミンのみからなるものであるから、温水と接触させた場合の導電性の増加等という問題が生じない。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、例中の「%」は、特に断らない限り「質量%」を表す。なお、生成物の分析は、以下の方法によって行った。
【0048】
(a)窒素、リン元素定量分析
窒素は、ケルダール法、リンは、リンバナドモリブデンブルー吸光光度法によった。
【0049】
(b)X線回折(XRD)
RINT 2000(理学電機社製)を用い、CuKαのX線を用いて測定した。
【0050】
(c)熱重量示差熱分析(TG−DTA)
熱分析システムSSC5200(セイコー電子工業社製)を用いて測定した。
【0051】
(d)固体NMR(MAS−NMR)
JEOL JNM−EM270(270MHz)(日本電子社製)により4mmCP/MAS用プローブにより核種31PのMAS−NMR( Magic Angle Spinning − NMR)を測定した。
【0052】
(e)粒径
遠心沈降法粒径測定装置SA−CP3(島津製作所社製)により50%メジアン径を測定した。
【0053】
(f)水に対する溶解度
試料1.0gを100cm3の純水中にて25℃で1時間撹拌し、30分間静置後、濾過し、濾液を105℃で蒸発乾固し、この固形物の質量を精秤して溶解度を算出した。
【0054】
〔実施例1〕
(1)メラミン、リン酸二アンモニウム及び尿素を混合モル比1:1:1になるようにそれぞれ秤り取り、それらを乳鉢にて粒径が出来るだけ均一になるように粉砕・混合し、固体原料組成物を得た。当該粒子の粒径は、メラミン11.3μm、リン酸アンモニウム13μm、尿素15μmである。
【0055】
(2)この固体原料組成物を舟形磁性皿に入れて、管状型電気炉にセットし、炉内温度200℃にて第一工程として60分仮焼を行った。当該仮焼物をデシケータ内で一旦冷却、再度粉砕した後、再び電気炉内にセットし、第二工程として300℃にて、さらに60分焼成を行い(tc=60分)、ポリリン酸メラミンを主体とする焼成物(以下、本生成物と称することがある。)を得た。
【0056】
なお、焼成工程中、乾燥空気を連続的に電気炉内に流し、加熱された原料組成物から発生するアンモニア等の気体を同伴せしめ、50質量%硫酸に接触させて除去した。
【0057】
また、焼成が完結したことは、上記送入空気中にアンモニアが検知されないことによって確認した。焼成物(本生成物)の粒径は2.7μmであった。また、本生成物は、白色であった。
【0058】
(3)実験結果
(i)図2に、本生成物のX線回折(XRD)の測定結果(tc=60分)を示した。比較のため、リン酸メラミン化合物(オルソリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、メラミン)の回折パターンを併せて示した。図から明らかなように、本生成物と一致するピークは存在せず、本生成物の主たる成分であるポリリン酸メラミンは、既存のデータにはない結晶性物質であることが確認された。
【0059】
(ii)図3(a)に、TG−DTAによる本生成物の示差熱分析結果を示す。また、併せて図3(c)、(d)に、市販されている従来のAPP(ポリリン酸アンモニウム)(I型(c)、II型(d))を同様にして測定した結果を示した。
【0060】
図から明らかなように、本生成物(a)と、APPとを比較した場合、APP(I型)(c)では、200℃付近で、またAPP(II型)(d)では、250℃近傍でいずれもアンモニアの離脱と思われる急激な質量減少が見られるのに対し、本生成物は、280℃〜300℃では、ほぼ熱的に安定であり、質量減少は330℃近傍から開始することが確認された。
【0061】
この結果より、本生成物は、市販されている従来の難燃剤であるAPPよりも耐熱温度が高いことが確認された。従って、難燃性を付与すべき樹脂に添加し加熱混練した場合、APPでは、より低温度で分解してアンモニアを発生していたものが、本生成物では、300℃近傍までは、かかる問題なしに混練が可能となり、より融点の高い樹脂に対しても、配合できることが期待される。
【0062】
(iii)本生成物についてチッ素成分、リン成分を定量した結果を表1に示した。N/P比は5.3であり、理論値(6.0)と比較するとやや低いものであった。また、水に対する溶解度を表2に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
〔実施例2〕
第二工程における焼成時間を30分(tc=30分)とした以外は、実施例1と同様な実験を行った。生成物のXRDの結果を図2に示した。また、水に対する溶解度を表2に示した。
【0066】
〔実施例3〕
第二工程における焼成時間を120分(tc=120分)とした以外は、実施例1と同様な実験を行った。生成物のXRDの結果を図2に示した。
【0067】
〔実施例4〕
実施例1と同様な実験を行い、さらに得られた生成物1部に、4部の水を添加してよく混合して濾過することにより、洗浄工程を行った。この湿ケーキを105℃で充分乾燥して洗浄生成物を得た。当該洗浄生成物は、白色であった。
【0068】
(i)図4(a)、(b)に本生成物のX線回折(XRD)の測定結果を示した。ただし、図から明らかなように、洗浄前(a)と洗浄後(b)では、回折パターンの変化は殆ど認められなかった。
【0069】
(ii)図3(b)に、洗浄後の本生成物の示差熱分析結果を示す。当該洗浄生成物は、図3(a)に示す洗浄前のチャートと比較して、350℃までは殆ど質量減少は起こらず、熱的にずっと安定であることがわかった。
【0070】
(iii)当該洗浄生成物について、チッ素成分、リン成分を定量した結果を表3に示した。N/P比は、6.1であり、理論値(6.0)とほぼ一致した。また、水に対する溶解度を表4に示したが、溶解度について、かなり低くなっていることが認められた。以上より、本生成物は、水への溶解性が高い低分子物質(もしくは充分縮合が進行していない副生物質または中間物質)が混入しており、この低分子副生物が、洗浄工程を実施することにより、溶解除去されたのではないかと推定される。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
(iv)図5に洗浄工程を行った生成物の31PのMAS−NMR測定結果を示した。−10ppm付近に、末端基と考えられるピーク、−20〜−25ppm付近に、中間基と考えられるピークをそれぞれ確認した。その面積比は、末端基=1.0、中間基=66.0となり、これから当該生成物の平均重合度は130程度であることがわかった。通常のポリリン酸メラミンの重合度は10程度であることを考慮すると、得られた当該洗浄生成物は、重合度130という、きわめて高分子量のポリリン酸メラミンと推定される。
【0074】
〔実施例5〕
実施例2と同様な実験を行い、得られた生成物を実施例4と同様に洗浄処理して洗浄生成物を得た。当該洗浄生成物の水に対する溶解度を表4に示した。実施例4の場合と同様に、洗浄前に比較して、溶解度は、かなり低くなっていることが認められた。すでに述べたように、これは、混入していた溶解度の高い低分子副生物が、洗浄工程を実施することにより、溶解除去されたのではないかと推定される。また、特に洗浄生成物は、水に対する溶解性を有する低分子副生物を含んでおらず、温水と接触させた場合の導電性の増加という問題が生じないことを確認した。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、分解温度が充分高く、着色を伴わず、また、吸湿した場合の導電性が増大するという問題がない、従来にない高重合度のポリリン酸メラミンを容易に製造する方法が提供され、当該ポリリン酸は従来のものに比較してより優れた難燃剤等として使用することができる。
【0076】
本発明の方法により得られた高重合度のポリリン酸メラミンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレンなどのポリオレフィンを始めとし、ポリカーボネート、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル、ポリサルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン等種々の樹脂の成形体、塗料、繊維製品等の難燃剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリリン酸メラミンの製造方法を示すフローシートである。
【図2】本生成物のX線回折(XRD)チャートである。
【図3】本生成物の示差熱分析チャートである。
【図4】洗浄前後の本生成物のX線回折(XRD)チャートである。
【図5】洗浄後の本生成物の31PのMAS−NMRチャートである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃剤として有用なポリリン酸メラミンの製造方法に関し、より詳しくは従来のものに比較してはるかに高重合度のポリリン酸メラミンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリリン酸メラミンは、基本的にはポリリン酸(縮合リン酸)とメラミンが結合した、塗料、合成樹脂、パーティクルボード等に添加する難燃剤として有用な化合物であって、従来より、種々の製造方法が提案されている。
【0003】
(従来のポリリン酸メラミンの製造方法)
(A)一つは、オルトリン酸メラミンを出発物質としてこれを加熱・焼成・縮合せしめてポリリン酸メラミンとする方法である。
【0004】
例えば、特公昭40−28594には、リン含有量が27〜54%のオルトリン酸メラミンを温度180〜250℃において加熱・焼成し、少なくともその一部をピロリン酸メラミンに変化させることが開示され、特に220〜250℃において焼成することにより、その40%以上をピロリン酸メラミンとすることが記載されている。また、米国特許3,920,796には、オルトリン酸メラミンを170〜325℃で加熱することにより、ピロリン酸メラミンを主体とする縮合物を製造できることが当該縮合の反応速度のアレニウス式とともに開示されており、さらに、特開2000−26597には、オルトリン酸メラミンを260〜320℃で加熱することによりポリリン酸メラミンを製造することが開示されている。
【0005】
(B)他の方法は、ポリリン酸とメラミンを反応させるもので、例えば、特開昭61−126091には、P2O5濃度72質量%以上のポリリン酸とメラミンを水性媒体の実質的不存在下に、ニーダー中で90〜170℃程度で固相反応させることにより、ポリリン酸メラミンを製造することが開示されており、米国特許4,950,757には、水溶液中でピロリン酸とメラミンを0〜60℃で反応させてピロリン酸メラミンを製造することが開示され、さらに、特表2002−506063には、ポリリン酸等のアルカリ金属塩を酸性イオン交換樹脂に接触させて得たポリリン酸を、メラミンのスラリーに添加して反応させるポリリン酸メラミンの製造方法が開示されている。
【0006】
(C)また別の方法として、オルトリン酸とメラミンを出発物質として直接反応・縮合させてポリリン酸メラミンを得る方法が提案されている。
【0007】
例えば、特開平10−306081には、オルトリン酸1モルに対し過剰(2.0〜4.0モル)のメラミンを0〜300℃の温度で混合反応させ、当該反応生成物を340〜450℃で焼成することにより、ポリリン酸メラミン・メラム・メレムの複塩を製造できることが記載され、特開平10−81691には、オルトリン酸1モルに対し、1.0〜1.5モルのメラミン、0.1〜1.5モルの尿素を0〜140℃で反応させたパウダー状生成物を、240〜340℃で焼成することによりポリリン酸メラミンを製造することが開示されている。
【0008】
(D)さらに別法として、特開平11−130413には、第一リン酸アンモニウム1モルとメラミン1.50モルの原料組成物を300〜350℃で焼成することにより、ポリリン酸メラミンを製造できることが開示されている。
【0009】
しかしながら、これら従来の方法は、得られたポリリン酸メラミンの分解温度が充分高いものではなく、難燃性が不十分であったり、また着色を伴ったり、さらには、当該ポリリン酸メラミンを温水と接触させた場合、リン酸またはその低重合物が遊離し、導電性が増大するという問題があった。また、反応又は焼成中のメラミンの損失が大きいため、リン酸に対して過剰のメラミンを使用しなければならなかったり、出発物質として高価でかつ調製が容易ではないポリリン酸を使用する必要がある等の問題があり、全ての点で満足すべき方法はなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題、特に分解温度が充分高く、着色を伴わず、また、吸湿した場合の導電性が増大するという問題がない、従来にない高重合度のポリリン酸メラミンを容易に製造する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に従えば、以下の発明が提供される。
【0012】
(1) メラミン、リン酸アンモニウム及び尿素からなる固体原料組成物を、170〜230℃で仮焼する第一工程と、この仮焼物を270〜350℃で焼成する第二工程からなることを特徴とする高重合度のポリリン酸メラミンの製造方法。
【0013】
(2) 前記固体原料組成物の第一工程における仮焼温度が190〜210℃であり、第二工程における焼成温度が290〜310℃である(1)に記載の製造方法。
【0014】
(3) 前記リン酸アンモニウムがリン酸二アンモニウムである(1)又は(2)に記載の製造方法。
【0015】
(4) さらに焼成物の水による洗浄工程を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明によるポリリン酸メラミンの製造方法を示すフローシートである。
すなわち、原料化合物であるメラミン1、リン酸アンモニウム3及び尿素5は、粉砕・混合工程7において充分に粉砕・混合され、メラミン、リン酸アンモニウム、尿素からなる固体原料組成物9を形成し、当該原料組成物は、まず、第一工程11において仮焼され、さらに第二工程13において本焼成され、ポリリン酸メラミンを主体とする焼成物15が形成される。
【0018】
(原料組成物)
(a)メラミン(C3H6N6)としては、純度の高い、着色のない白色の結晶粒子であることが好ましく、粒状品、粉状品いずれであってもよい。なお、製造過程に由来する種々の不純物、例えばメラム、メレム、アンメリン、アンメリド、シアヌール酸メラミン、着色有機不純物、微細な触媒粒子等が含有されている場合は、再結晶、アルカリ水溶液による洗浄、濾過等の公知の手段で精製することが好ましい。また、純度の高い市販品が入手可能であり好適に使用することができる。
【0019】
(b)リン酸アンモニウムとしては、リン酸一アンモニウム(NH4H2PO4)、リン酸二アンモニウム((NH4)2HPO4)、リン酸三アンモニウム((NH4)3)PO4)のいずれであってもよいが、なかでも、最も高収率が得られる点で、リン酸二アンモニウムを使用することが好ましい。なお、これら三種類のリン酸アンモニウムの混合物であってもよい。
【0020】
リン酸アンモニウムとしては、純度の充分高い白色の粒状品または粉状品が好ましい。なお、原料である湿式リン酸由来の不純物が多い場合は、再結晶により純度を高めることが好ましいが、市販で入手しうる高純度のものをそのまま使用することも可能である。
【0021】
(c)尿素(CO(NH2)2)は、通常、造粒塔方式または流動層・噴流層方式で得られた粒状尿素や粉状尿素のいずれをも好適に使用しうる。また、不純物が多い場合は、水又はエタノールから再結晶してもよいが、通常は、市販で入手しうるものを好適に使用することができる。
【0022】
本発明においては、まず、図1のフローに示したように、出発原料であるメラミン、リン酸アンモニウム及び尿素をそれぞれ微細な粒子とするとともに、これらが充分均一に混合した固体原料組成物9とする。
【0023】
次の仮焼工程11及び焼成工程13は、典型的な固相反応であって、上記焼成反応等は、各成分の粒子が互いに接触している部分(界面)で進行するものであるから、当該固相反応を充分な速度で均質に行わしめるためには、原料組成物は、メラミン、リン酸アンモニウム、尿素のそれぞれが充分微細粒子化されて、その表面積が増大せしめられ、かつ、組成に偏りが無い程度に、統計的に成分濃度分布が均一となり、従って、各成分粒子相互間の接触面積を出来るだけ高くすることが要請される。
【0024】
この場合、原料のそれぞれを予め粉砕・微細化してから混合してもよいが、粉砕と混合を併せて行うことがより好ましい。従って、粉砕・混合工程7を行うための装置としては、固体混合装置でもよいが、より好ましくは、粉砕しながら混合することが可能な粉砕・混合装置が望ましい。
【0025】
例えば、ニーダーミキサー、ロールミル、インターナルミキサー、ミューラーミキサー、フラッシュミキサー、リボンミキサー、V型ミキサー、ボールミル、ロッドミル、ハンマーミル、アトリションミル、ハンマーミル、ミクロンミル、コロイドミル等が好適に使用可能である。なお、少量の原料組成物を調製する場合は、乳鉢や石臼等で行ってもよい。
【0026】
粉砕・混合後の原料組成物におけるリン酸アンモニウム、メラミン、尿素の粒径は、0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μm程度である。
【0027】
本発明において、メラミンとリン酸アンモニウムと尿素の混合割合は、リン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜3.0モル、尿素1〜3.0モル程度、好ましくはリン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜1.5モル、尿素1〜1.5モル程度、さらに好ましくはリン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1〜1.2モル、尿素1〜1.2モル程度、最も好ましくは、リン酸アンモニウム1モルに対し、メラミン1モル、尿素1モル程度である。
【0028】
本発明の方法においては、焼成工程を、仮焼工程と本焼成工程の二段に分けて行い、それぞれの工程を最適な温度条件で実施するように規定しているので、従来の方法のごとく、リン酸アンモニウムに対して、メラミンを実質的に過剰に使用することなく、最適には、リン酸アンモニウム/メラミン/尿素=1モル/1モル/1モルの組成モル比においても、ポリリン酸メラミンを高収率で得ることができるのである。
【0029】
(仮焼工程/第一工程)
本発明においては、次に、かくして調製した当該メラミン/リン酸アンモニウム/尿素からなる固体原料組成物(以下、「本固体原料組成物」または単に「本原料組成物」と称することがある。)9を、170〜230℃、好ましくは190〜210℃において仮焼する第一工程11を行う。
【0030】
本発明の特徴とするところは、このように、当該組成物を通常の焼成温度(本焼成温度)より、上記のごとく充分低い温度において仮焼する工程をまず実施することである。
【0031】
この温度で当該メラミン/リン酸アンモニウム/尿素からなる固体原料組成物を一旦仮焼することにより、メラミンを実質的に昇華・損失させることなく、ほぼ定量的にリン酸アンモニウムと反応せしめて、メラミンの残留していないリン酸メラミンの低重合度体(例えば、重合度2〜5程度のオリゴマー)を主体とする仮焼物7を形成することができるのである。また、尿素は、主として縮合反応を促進せしめる作用を有する。
【0032】
仮焼温度が上記温度よりあまり低いと、このような低重合度体が充分に生成されずまた未反応原料が残存し、またこれよりあまり温度が高すぎると、メラミンの昇華・損失が過大となり、メラミンを大過剰に使用しないと縮合反応が充分進行しない。
【0033】
仮焼時間は、原料組成、原料組成物の粒径、仮焼温度、モル比、原料処理量、仮焼を実施する焼成装置の形式等によって変わりうるが、通常20分〜5時間、好ましくは30分〜3時間、さらに好ましくは40分〜1.5時間程度、最も好ましくは50分〜1.2時間程度である。
【0034】
仮焼工程は、本原料組成物を上記温度に加熱しうる炉により行われる。加熱炉としては、所定の温度、時間に、均一に当該原料組成物を加熱し、上記のごとくその低重合体にまで縮合せしめうるものであれば特に限定するものではなく、例えばボックス炉、バッチ式若しくは連続式の回転炉(ロータリーキルン)、電気炉、ガス加熱炉、赤外線加熱炉、移動層炉、流動層炉等が好適に用いられる。
【0035】
また、縮合反応が進行する際、アンモニア等の気体が離脱・放出されるので、縮合を円滑に進めるために、乾燥空気等の酸化性気体、窒素等の不活性気体、水素等の還元性気体を、当該加熱炉に連続的に送入し、離脱気体を系外に同伴除去することが好ましい。
【0036】
(焼成工程/第二工程)
本発明においては、かくして得られたリン酸メラミンの低重合体(より正確には、当該低重合体から主としてなる仮焼物7)を270〜350℃、より好ましくは290〜310℃で本焼成する。
【0037】
焼成温度がこれよりあまり低いと、縮合反応が充分進行せず、また、これよりあまり温度が高いと、生成するポリリン酸メラミンの分解が無視できなくなるため好ましくない。
【0038】
すなわち、上記温度で焼成することにより、仮焼工程で得られたリン酸メラミン低重合体(仮焼物7)は、さらに縮合して従来にはない、例えば重合度50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンが得られる。
【0039】
焼成時間は、仮焼工程と同様に、焼成温度、仮焼物処理量、焼成炉の形式等によって変わりうるが、通常20分〜5時間、好ましくは30分〜3時間、さらに好ましくは40分〜1.5時間程度、最も好ましくは50分〜1.2時間程度である。
【0040】
焼成工程は、上記所定の温度にまで加熱し、焼成処理を行いうるものであれば、仮焼工程を実施した加熱炉、例えば、ボックス炉、バッチ式若しくは連続式の回転炉(ロータリーキルン)、電気炉、ガス加熱炉、赤外線加熱炉、移動層炉、流動層炉等を好適に使用することができる。なお、仮焼工程と本焼成工程を別の型の加熱炉で行うことも可能であるが、通常は、同一の加熱炉を使用し、まず、170〜230℃で仮焼工程を行った後、引き続いて昇温し270〜350℃で本焼成工程を行うことが最も実際的である。
【0041】
また、仮焼工程と同様に、縮合反応に伴い、アンモニア等の気体が離脱・放出されるので、乾燥空気、窒素、水素等の適当な気体を、当該加熱炉に連続的に送入し、当該離脱気体を系外に同伴除去する。
【0042】
以上のごとくして得られた焼成物15は、上記したごとく、例えば重合度が50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンを主体とするものである。またこの粒径は、ほぼ0.1〜30μm、好ましくは0.1〜20μm程度である。なお、このような高重合度のポリリン酸メラミンは、本発明で規定する特定の温度で仮焼工程と本焼成工程を実施することによりはじめて得られるものであり、原料組成物を直接本焼成した場合は、かかる高重合度品にはならない。
【0043】
(水による洗浄工程)
焼成工程により得られた焼成物(本生成物)15は、上記したごとく、例えば重合度が50〜200、好ましくは100〜150程度の高重合度のポリリン酸メラミンを主体とするものであるが、通常、リン酸メラミンオリゴマー等の低分子量の副生成物(以下、単に混入副生物と称することがある。)が混入または残存している。この焼成物15は、高分子量のポリリン酸メラミンを主体とするものであるから、それ自体として従来のものに比較して難燃剤等として、より有用に使用できるものであるが、当該混入副生物を除去・精製することにより、さらに純度の高い高重合度のポリリン酸メラミンを得ることができ、一層熱分解特性や水に対する難溶解性を向上した、難燃剤とすることができる。
【0044】
かかる低分子量の副生成物を除去する最も容易で好ましい方法は、焼成物を水により洗浄して、この副生物を溶解除去することである。一般的には、これは、化学工学上の単位操作の一つである固体抽出(leaching)として論じられるべき操作であるが、ここでは、当該洗浄工程17としては、当該焼成物に適当量の洗浄水を添加し、よく撹拌して、スラリー(懸濁液)とし、濾過するいわゆるリパルプ操作を行うことにより実施される。
【0045】
洗浄操作において、添加する水の量は、任意であるが、通常焼成物1部に対し、洗浄水2〜10部を使用する。なお、リパルプを行う場合、洗浄をより効果的に行うためには、撹拌機を備えた容器を使用し、濾過操作と組み合わせることが好ましい。また、場合によっては、底部を多孔板とした容器に本焼成物を充填し、当該容器の上部から洗浄液を供給し、本焼成物中を接触させながら流下させる操作でもよい。
【0046】
以上のごとくして得られた洗浄生成物19は、水に対する溶解性の比較的高い低分子副生物を含んでおらず、実質的に高重合度のポリリン酸メラミンのみからなるものであるから、温水と接触させた場合の導電性の増加等という問題が生じない。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、例中の「%」は、特に断らない限り「質量%」を表す。なお、生成物の分析は、以下の方法によって行った。
【0048】
(a)窒素、リン元素定量分析
窒素は、ケルダール法、リンは、リンバナドモリブデンブルー吸光光度法によった。
【0049】
(b)X線回折(XRD)
RINT 2000(理学電機社製)を用い、CuKαのX線を用いて測定した。
【0050】
(c)熱重量示差熱分析(TG−DTA)
熱分析システムSSC5200(セイコー電子工業社製)を用いて測定した。
【0051】
(d)固体NMR(MAS−NMR)
JEOL JNM−EM270(270MHz)(日本電子社製)により4mmCP/MAS用プローブにより核種31PのMAS−NMR( Magic Angle Spinning − NMR)を測定した。
【0052】
(e)粒径
遠心沈降法粒径測定装置SA−CP3(島津製作所社製)により50%メジアン径を測定した。
【0053】
(f)水に対する溶解度
試料1.0gを100cm3の純水中にて25℃で1時間撹拌し、30分間静置後、濾過し、濾液を105℃で蒸発乾固し、この固形物の質量を精秤して溶解度を算出した。
【0054】
〔実施例1〕
(1)メラミン、リン酸二アンモニウム及び尿素を混合モル比1:1:1になるようにそれぞれ秤り取り、それらを乳鉢にて粒径が出来るだけ均一になるように粉砕・混合し、固体原料組成物を得た。当該粒子の粒径は、メラミン11.3μm、リン酸アンモニウム13μm、尿素15μmである。
【0055】
(2)この固体原料組成物を舟形磁性皿に入れて、管状型電気炉にセットし、炉内温度200℃にて第一工程として60分仮焼を行った。当該仮焼物をデシケータ内で一旦冷却、再度粉砕した後、再び電気炉内にセットし、第二工程として300℃にて、さらに60分焼成を行い(tc=60分)、ポリリン酸メラミンを主体とする焼成物(以下、本生成物と称することがある。)を得た。
【0056】
なお、焼成工程中、乾燥空気を連続的に電気炉内に流し、加熱された原料組成物から発生するアンモニア等の気体を同伴せしめ、50質量%硫酸に接触させて除去した。
【0057】
また、焼成が完結したことは、上記送入空気中にアンモニアが検知されないことによって確認した。焼成物(本生成物)の粒径は2.7μmであった。また、本生成物は、白色であった。
【0058】
(3)実験結果
(i)図2に、本生成物のX線回折(XRD)の測定結果(tc=60分)を示した。比較のため、リン酸メラミン化合物(オルソリン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、メラミン)の回折パターンを併せて示した。図から明らかなように、本生成物と一致するピークは存在せず、本生成物の主たる成分であるポリリン酸メラミンは、既存のデータにはない結晶性物質であることが確認された。
【0059】
(ii)図3(a)に、TG−DTAによる本生成物の示差熱分析結果を示す。また、併せて図3(c)、(d)に、市販されている従来のAPP(ポリリン酸アンモニウム)(I型(c)、II型(d))を同様にして測定した結果を示した。
【0060】
図から明らかなように、本生成物(a)と、APPとを比較した場合、APP(I型)(c)では、200℃付近で、またAPP(II型)(d)では、250℃近傍でいずれもアンモニアの離脱と思われる急激な質量減少が見られるのに対し、本生成物は、280℃〜300℃では、ほぼ熱的に安定であり、質量減少は330℃近傍から開始することが確認された。
【0061】
この結果より、本生成物は、市販されている従来の難燃剤であるAPPよりも耐熱温度が高いことが確認された。従って、難燃性を付与すべき樹脂に添加し加熱混練した場合、APPでは、より低温度で分解してアンモニアを発生していたものが、本生成物では、300℃近傍までは、かかる問題なしに混練が可能となり、より融点の高い樹脂に対しても、配合できることが期待される。
【0062】
(iii)本生成物についてチッ素成分、リン成分を定量した結果を表1に示した。N/P比は5.3であり、理論値(6.0)と比較するとやや低いものであった。また、水に対する溶解度を表2に示した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
〔実施例2〕
第二工程における焼成時間を30分(tc=30分)とした以外は、実施例1と同様な実験を行った。生成物のXRDの結果を図2に示した。また、水に対する溶解度を表2に示した。
【0066】
〔実施例3〕
第二工程における焼成時間を120分(tc=120分)とした以外は、実施例1と同様な実験を行った。生成物のXRDの結果を図2に示した。
【0067】
〔実施例4〕
実施例1と同様な実験を行い、さらに得られた生成物1部に、4部の水を添加してよく混合して濾過することにより、洗浄工程を行った。この湿ケーキを105℃で充分乾燥して洗浄生成物を得た。当該洗浄生成物は、白色であった。
【0068】
(i)図4(a)、(b)に本生成物のX線回折(XRD)の測定結果を示した。ただし、図から明らかなように、洗浄前(a)と洗浄後(b)では、回折パターンの変化は殆ど認められなかった。
【0069】
(ii)図3(b)に、洗浄後の本生成物の示差熱分析結果を示す。当該洗浄生成物は、図3(a)に示す洗浄前のチャートと比較して、350℃までは殆ど質量減少は起こらず、熱的にずっと安定であることがわかった。
【0070】
(iii)当該洗浄生成物について、チッ素成分、リン成分を定量した結果を表3に示した。N/P比は、6.1であり、理論値(6.0)とほぼ一致した。また、水に対する溶解度を表4に示したが、溶解度について、かなり低くなっていることが認められた。以上より、本生成物は、水への溶解性が高い低分子物質(もしくは充分縮合が進行していない副生物質または中間物質)が混入しており、この低分子副生物が、洗浄工程を実施することにより、溶解除去されたのではないかと推定される。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
(iv)図5に洗浄工程を行った生成物の31PのMAS−NMR測定結果を示した。−10ppm付近に、末端基と考えられるピーク、−20〜−25ppm付近に、中間基と考えられるピークをそれぞれ確認した。その面積比は、末端基=1.0、中間基=66.0となり、これから当該生成物の平均重合度は130程度であることがわかった。通常のポリリン酸メラミンの重合度は10程度であることを考慮すると、得られた当該洗浄生成物は、重合度130という、きわめて高分子量のポリリン酸メラミンと推定される。
【0074】
〔実施例5〕
実施例2と同様な実験を行い、得られた生成物を実施例4と同様に洗浄処理して洗浄生成物を得た。当該洗浄生成物の水に対する溶解度を表4に示した。実施例4の場合と同様に、洗浄前に比較して、溶解度は、かなり低くなっていることが認められた。すでに述べたように、これは、混入していた溶解度の高い低分子副生物が、洗浄工程を実施することにより、溶解除去されたのではないかと推定される。また、特に洗浄生成物は、水に対する溶解性を有する低分子副生物を含んでおらず、温水と接触させた場合の導電性の増加という問題が生じないことを確認した。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、分解温度が充分高く、着色を伴わず、また、吸湿した場合の導電性が増大するという問題がない、従来にない高重合度のポリリン酸メラミンを容易に製造する方法が提供され、当該ポリリン酸は従来のものに比較してより優れた難燃剤等として使用することができる。
【0076】
本発明の方法により得られた高重合度のポリリン酸メラミンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレンなどのポリオレフィンを始めとし、ポリカーボネート、ポリウレタン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリエステル、ポリサルホン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン等種々の樹脂の成形体、塗料、繊維製品等の難燃剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリリン酸メラミンの製造方法を示すフローシートである。
【図2】本生成物のX線回折(XRD)チャートである。
【図3】本生成物の示差熱分析チャートである。
【図4】洗浄前後の本生成物のX線回折(XRD)チャートである。
【図5】洗浄後の本生成物の31PのMAS−NMRチャートである。
Claims (4)
- メラミン、リン酸アンモニウム及び尿素からなる固体原料組成物を、170〜230℃で仮焼する第一工程と、この仮焼物を270〜350℃で焼成する第二工程からなることを特徴とする高重合度のポリリン酸メラミンの製造方法。
- 前記固体原料組成物の第一工程における仮焼温度が190〜210℃であり、第二工程における焼成温度が290〜310℃である請求項1に記載の製造方法。
- 前記リン酸アンモニウムがリン酸二アンモニウムである請求項1又は2に記載の製造方法。
- さらに焼成物の水による洗浄工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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- 2002-06-04 JP JP2002162601A patent/JP2004010649A/ja not_active Withdrawn
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