JP2003518514A - マクロファージ活性を阻害するための組成物 - Google Patents

マクロファージ活性を阻害するための組成物

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JP2003518514A JP2001548559A JP2001548559A JP2003518514A JP 2003518514 A JP2003518514 A JP 2003518514A JP 2001548559 A JP2001548559 A JP 2001548559A JP 2001548559 A JP2001548559 A JP 2001548559A JP 2003518514 A JP2003518514 A JP 2003518514A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、マクロファージの自己免疫疾病への関与を防止するための、SIRP1αとCD47との間の相互作用を阻害することができる作用物質の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、自己免疫疾病へのマクロファージの関与を阻害するための組成物、
および自己免疫へのマクロファージの関与におけるこのような組成物の使用に関
する。
【0002】発明の背景 細胞増殖、活性化、分化、成長および生存は、多くの細胞外因子の影響を受け
る。免疫系および神経系において、このような細胞外因子としては、ケモカイン
類、細胞外マトリックスおよび隣接する細胞等が挙げられる。特異的細胞表面受
容体と、これらの因子との相互作用は、細胞内機構を刺激して、応答させる情報
伝達カスケードを始動させる。SIRP(シグナル制御タンパク質)ファミリー
は、最近、成長因子およびインスリンに対する細胞性応答を調節する一群の細胞
表面タンパク質として記述された(Kharitonenkov et al.
(1997) Nature 386:181)。SIRPの細胞外構造は、接
着分子および免疫受容体に共通のドメインが存在することを示す。免疫グロブリ
ン(Ig)ドメインが存在することから、SIRPは、特異的調節リガンドと相
互に作用して、その制御作用を達成することが示唆される。
【0003】 最近、CD47(インテグリン結合蛋白質、またはIAPとしても知られる)
が、SIRPファミリーのメンバーである、ネズミ神経接着分子のリガンドとし
て同定された(Jiang et al.,(1999)J.Biol.Che
m.274:559)。発現クローニング法を使用して、Jiangらは、CD
47が、P84の主要な結合結合パートナーであることを証明することができた
。さらに、Sarfati(W099/40940)は、CD47のリガンドは
、自己免疫疾病の治療に有用な可能性があると考えた。この見解は、in vi
troで、T細胞および単球を用いて実施された実験結果に基づいており、(i
)単球によるプロ炎症性サイトカイン(IL−2を含む)産生の阻害、およびT
−細胞によるIL−2応答性の、CD47またはCD47リガンドライゲーショ
ンによる阻害によって、慢性障害に対する新しい治療方式が根拠とし得る炎症反
応のダウンレギュレーションを可能にすることができる、(ii)Th−1細胞
への分化および非反応性細胞またはアネルギー性細胞の産生の阻害は、臓器移植
または骨髄移植における同種移植片寛容を誘導するための、新規な方法を開発す
る基礎となり得る、(iii)CLL患者を治療するための、CD−47のリガ
ンドを開発することが可能である、(iv)CD47ライゲーションによるIg
E合成の阻害を利用して、IgE介在性アレルギー性疾病を治療することが可能
である、という仮説を裏付けると、W099/40940で力説されている。
【0004】 これらの脱髄性障害におけるCNSに見られる炎症性変化を考えれば、囓歯類
におけるT−細胞介在性自己免疫疾病である、実験的アレルギー性脳脊髄炎(E
AE)は、多発性硬化症(MS)に適した動物モデルとして受け入れられる。E
AEは、Freundの完全アジュバント等の強力なアジュバントの存在下で、
ミエリン塩基性タンパク質(MBP)を足蹠に注入することによって、マウスま
たはラットで誘導することができる。およそ12日後、易罹患性動物は、免疫系
細胞の神経系への浸潤に起因する一連の神経学的症状を示す。ルイス系統等の、
ラットにおける疾病の通常の進行は、尾がだらっとし、後肢が麻痺し、最も重症
の場合には、ラットは失禁するという具合である。この疾病は、1(だらっとし
た尾)から5(失禁)までの得点が与えられる。この疾病は、通常、自然治癒し
、注入後約18日で、ラットは回復する。
【0005】発明の概要 我々は、以下に記載の通り、CD47が、SIRP1α OX41のリガンド
であることを確認した。OX41は、当初、マクロファージに対して生じた抗体
を使用してクローニングした(Robinson,et al.,Immuno
logy 57:239−247)。OX41の発現に関する広範囲の研究によ
って、OX41は、マクロファージ、単球、顆粒球、樹状細胞およびニューロン
上に発現することが明らかにされた(Adams,et al.,(1998)
J.Immunol.161:1853−9)。この観察結果に基づいて、我々
は、マクロファージ上でのCD47−OX41相互作用を阻害することができる
物質は、マクロファージの関与を示す自己免疫疾病の重症度を有意に制限できる
という結論を下した。
【0006】 従って、本発明の第1の態様では、マクロファージSIRP1αとCD47と
の間の相互作用を阻害することができる作用物質を、マクロファージの自己免疫
疾病への関与を阻害するための組成物の調製に使用することができる。
【0007】 マクロファージSIRP1αは、マクロファージ上に存在するSIRP1αペ
プチドであり、ラットでは、OX41として知られる。このペプチドを、CD4
7/IAPで刺激すると、自己免疫疾病においてマクロファージの活性化を来た
すと推定される。
【0008】 我々は、マクロファージSIRP1αとCD47との相互作用を阻害すること
によって、EAE等の自己免疫病の重症度を有意に下げるかまたは防止すること
ができることを発見した。従って、我々は、SIRP1αは、自己免疫疾病中の
マクロファージ活性化において、重要な役割を果たすと推定した。
【0009】 本明細書で使用する、「SIRP1α」、「OX41」および「CD47」は
、天然のタンパク質の特性を保持する、その突然変異体、たとえば、保存的アミ
ノ酸置換、付加または欠失を含む突然変異体、またはそのフラグメント、たとえ
ば、個々のドメインを含む、天然のタンパク質の変異形を含む。たとえば、SI
RP1αの細胞外メインは、CD47への結合に関与するこのタンパク質の領域
を含むため、本発明によるアッセイに使用することが可能である。同様に、CD
47のドメインを、当技術分野で周知の方法に従って単離し、単独で、または融
合タンパク質の形態で、本発明で使用することが可能である。
【0010】 作用物質は、2種のタンパク質間の相互作用を阻害することができる、SIR
P1αまたはCD47のリガンドであることが好ましい。たとえば、作用物質は
、CD47またはSIRP1αのいずれかの、不活性な模倣物または突然変異体
であってもよい。しかし、作用物質は、CD47またはSIRP1αに結合する
ことができ、CD47/SIRP1α相互作用を阻害することができる抗体であ
ることが好ましい。
【0011】 本明細書で使用する「作用物質」は、必要な機能、すなわち、CD47/SI
RP1α結合の阻害、を達成することができる、実質的に任意の分子あるいは方
法であってよい。様々なタイプの阻害分子が当技術分野で知られており、本発明
による作用物質をデザインするための基礎として使用することができる。好まし
い作用物質は、当技術分野で周知の技術を使用することで、以下に記載の通りに
容易に調製して試験することが可能な抗体または抗体フラグメントである。
【0012】 CD47/SIRP1α相互作用を「阻害すること」は、CD47による、マ
クロファージに対する活性化作用を低減または除去させるように、2分子間の機
能的関係を変えることを意味する。たとえば、SIRP1αとCD47との間の
生物学的相互作用を低減または変化させてもよい。あるいは、2種のタンパク質
の結合を阻害または防止してもよい。
【0013】 「マクロファージの関与を阻害すること」は、同様に、自己免疫疾病における
マクロファージの役割および/または作用の低減または防止を指す。たとえば、
本発明の方法で、CD47によるマクロファージ活性化を防止または低減するこ
とが可能である。
【0014】 「自己免疫疾病」は、当技術分野における通常の意味で使用される、すなわち
、免疫系が「自己」標的を攻撃することによって有害な役割を果たす疾病または
疾病の成分を指す。自己免疫疾病の例としては、多発性硬化症、関節炎および炎
症性腸疾病などが挙げられる。
【0015】 さらなる実施形態において、本発明は、CD47とSIRP1αとの間の相互
作用を阻害する作用物質の有効量を、哺乳動物に投与することを含む、マクロフ
ァージが関与した自己免疫疾病を治療する方法に関する。
【0016】 本明細書で言及する、自己免疫疾病の「治療」は、上記自己免疫疾病の症状お
よび/または原因の軽減または除去を含む。
【0017】 さらなる実施形態において、本発明は、1つ以上の試験化合物を、CD47お
よび/またはSIRP1αに曝露するステップと、試験化合物がそれらの相互作
用を阻害できる力をモニタリングするステップとを含む、CD47とSIRP1
αとの間の相互作用を阻害することができる作用物質を同定する方法に関する。
本アッセイは、多数の方式で設計することが可能である。たとえば、本アッセイ
における第1のステップは、その化合物が、CD47またはSIRP1αに結合
すことができるかどうか、すなわち、SIRP1αリガンドまたはCD47リガ
ンドであるかどうかを決定することにあってもよい。第2のステップでは、SI
RP1α/CD47相互作用を阻害できる力について、CD47リガンドまたは
SIRP1αリガンドを評価してもよい。あるいは、SIRP1αとCD47と
の間の相互作用を調節することができる力について、化合物を直接試験してもよ
い。
【0018】 従って、本発明によれば、化合物、たとえば、SIRP1αとCD47との間
の相互作用を調節することができる医薬用の最重要化合物を同定するための標的
として、SIRP1αまたはCD47が使用される。従って、本発明は、 (a)SIRP1αまたはCD47を、評価すべき化合物類と共にインキュベー
トするステップと、 (b)SIRP1αまたはCD47に結合する化合物を同定するステップと、 (c)SIRP1αまたはCD47に結合する化合物を、SIRP1αとCD4
7との間の相互作用を調節することができる力について評価するステップと、 を含む、アッセイに関し、SIRP1αとCD47との相互作用を、直接または
間接的に、調節することができる化合物を同定する方法を提供する。SIRP1
αとCD47との間の相互作用が、細胞ベースのアッセイまたはin vivo
で、評価されることが有利である。
【0019】発明の詳細な説明 1.SIRP1α/CD47相互作用を阻害する作用物質 1a.CD47/SIRPα結合性化合物 本発明のこの態様の第1の実施形態によれば、本アッセイは、CD47または
SIRP1αに直接結合するポリペプチドを検出するように設計される。
【0020】 従って、本発明は、 (a)SIRP1αまたはCD47と、評価すべき化合物および化合物類とをイ
ンキュベートするステップと、 (b)SIRP1αまたはCD47に結合する化合物を同定するステップと、 を含む、CD47−SIRP1α相互作用のモジュレーターを同定する方法を提
供する。
【0021】 本方法は、 (c)SIRP1α−CD47相互作用を調節できる力について、SIRP1α
またはCD47に結合する化合物を、細胞ベースのアッセイで評価するステップ
をさらに含むことが好ましい。
【0022】 当業者に周知のいずれかの技術で、SIRP1αまたはCD47への結合を評
価することが可能である。適当なアッセイの例としては、in vivoで相互
作用を測定する、2ハイブリッドアッセイシステム、たとえば、カラム上に固定
されたポリペプチドへの結合を含む、アフィニティクロマトグラフィアッセイ、
化合物とSIRP1αまたはCD47との結合が、結合対における一方または両
方のパートナーの蛍光の変化と関連している蛍光アッセイ、表面プラスモン共鳴
分析等々が挙げられる。in vivoで、細胞で実施されるアッセイ、たとえ
ば、2−ハイブリッドアッセイ等が好ましい。2−ハイブリッドアッセイで使用
される結合対は、CD47およびSIRP1αに基づいてもよいため、このよう
なアッセイは、CD47−SIRP1α相互作用を同時に評価するように設計す
ることが可能である。
【0023】 従って、本発明は、 試験すべき化合物が存在しなければ、CD47がSIRP1αと基準アフィニ
ティで結合する条件で、試験すべき化合物を、SIRP1αおよびCD47と共
にインキュベートするステップと、 試験すべき化合物の存在下で、SIRP1αに対するCD47の結合アフィニ
ティを決定するステップと、 基準結合アフィニティに関して、SIRP1αに対するCD47の結合アフィ
ニティを調節する化合物を選択するステップと、 を含む、自己免疫疾病へのマクロファージの関与を治療するのに有用な医薬の最
重要化合物を同定する方法も提供する。
【0024】 このような方法は、試験化合物が、CD47/SIRP1α相互作用を調節で
きる力を決定するが、その化合物が、相互作用を機能レベルで制御できる力を評
価しない。このようなアッセイは、SIRRP1αの活性化が確認できるシステ
ムに基づくことが好ましい。
【0025】 SIRP1αのN末端ドメインは、CD47との結合に関与する。従って、S
IRP1αと相互に作用する作用物質は、そのN末端と相互に作用することが好
ましい。
【0026】 1b.機能的CD47−SIRP1α相互作用を調節する化合物 さらなる実施形態において、本発明は、CD47とSIRP1αとの間の機能
的相互作用を検出するように設計することが可能である。このような相互作用は
、試験すべき化合物の存在下で、この情報伝達分子が、CD47に応答して、そ
れ自体が活性化されることにより、SIRP1αの制御レベルで生じるか、また
は、マクロファージまたはSIRP1αを発現する他の細胞に対するCD47の
生物学的作用の調節レベルで生じる。本明細書で使用する、「活性化」および「
不活化」は、化合物の、酵素的なまたは別の、活性の調節を含む。
【0027】 CD47とSIRP1αとの間の機能的相互作用の調節を検出するアッセイは
、細胞ベースのアッセイであることが好ましい。たとえば、本アッセイは、CD
47−SIRP1α相互作用に起因する活性化の程度を示す、SIRP1αによ
る情報伝達活性の評価に基づいてもよい。
【0028】 好ましい実施形態において、SIRP1αをコードする核酸をベクターにライ
ゲートし、適当な宿主細胞に導入して、SIRP1αを発現する形質転換細胞系
を生成する。次いで、このようにして得られる細胞系を、CD47−SIRP1
α相互作用に影響を及ぼす潜在的化合物の作用の、再現性のある定性分析および
/または定量分析のために、生成することができる。あるいは、SIRP1αを
自然に発現する細胞、たとえば、マクロファージを、同じ目的で使用してもよい
【0029】 従って、たとえば、CD47のSIRP1αへの結合を調節する化合物、特に
低分子量化合物の同定に、SIRP1α発現細胞を使用することが可能である。
【0030】 レポータータンパク質、すなわち、容易にアッセイできるタンパク質、たとえ
ば、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)またはルシフェラーゼの発現が、CD47によるSIRP1αの活性
化に依存する細胞系を構築することによって、細胞ベースのスクリーニングアッ
セイをデザインすることができる。たとえば、上記ポリペプチドの1つをコード
するレポーター遺伝子を、SIRP1α経路によって特異的に活性化されるSI
RP−反応性プロモーターの管理下に置くことができる。このようなアッセイは
、CD47−SIRP1α相互作用を直接調節する化合物、たとえば、SIRP
1αへのCD47結合を防止する化合物の検出を可能にする。
【0031】 代替アッセイ形式は、生物系で、マクロファージ活性化を直接評価するアッセ
イを含む。SIRP1αをCD47で活性化することにより、マクロファージの
自己免疫疾病への関与を来たす。
【0032】2.作用物質 またさらなる態様において、本発明は、本発明の先の態様に記載の分析方法で
同定できる作用物質に関する。従って、本明細書に記載のアッセイで同定できる
作用物質を、自己免疫疾病におけるマクロファージの活性の調節に使用すること
ができる。
【0033】 CD47−SIRP1α相互作用に影響を及ぼす化合物は、ほぼ全ての一般的
性状であってもよく、直鎖状、環式、多環式またはそれらの組合せのペプチド類
、抗体を含むポリペプチド類、またはタンパク質であってもよい有機化合物を含
む低分子量化合物を含む。一般に、本明細書で使用する「ペプチド類」、「ポリ
ペプチド類」および「タンパク質」は、同意義と考えられる。
【0034】 2a.抗体 本明細書で使用する抗体は、完全抗体か、または選択された標的に結合するこ
とができる抗体フラグメントであり、Fv、ScFv、Fab′およびF(ab
′)2、モノクローナルおよびポリクローナル抗体、キメラ抗体、CDR移植抗
体およびヒト化抗体を含む工作された抗体、およびファージ展示技術または代替
技術を使用して生成した、人工的に選択された抗体などがある。小さいフラグメ
ント、たとえば、FvおよびScFvは、サイズが小さく、その結果、優れた組
織分布を示すため、診断用途および治療用途に有利な特性を有する。
【0035】 本発明による抗体は、診断用途および治療用途に特に望ましい。従って、本発
明による抗体は、毒素または標識等のエフェクタータンパク質を含む、改造され
た抗体であってもよい。in vivoで、抗体の分布を画像処理することが可
能な標識が特に好ましい。このような標識は、放射性標識であってもよく、また
は患者の体内で容易に可視化できる金属粒子等の放射線不透過性標識であっても
よい。さらに、このような標識は、蛍光標識であってもよく、または患者から取
り出した組織サンプル上で可視化できる他の標識であってもよい。
【0036】 本発明の抗体を改良するために、組換えDNA技術を使用することが可能であ
る。従って、診断用途または治療用途において、その免疫原性を低下させるため
に、キメラ抗体を構築した。さらに、CDR移植[欧州特許出願第0 239
400号(Winter)参照]および、任意に、フレームワーク修飾[欧州特
許出願第0 239 400号(Winter)および国際特許出願第WO90
/07861号(Protein Design Labs)で検討されている
技法を参照]によって、抗体をヒト化することにより、免疫原性を最小限に抑え
ることが可能である。
【0037】 本発明による抗体は、動物血清から得てもよく、あるいは、モノクローナル抗
体またはそのフラグメントの場合、細胞培養で生成してもよい。組換えDNA技
術を使用し、確立された手順に従って、細菌または好ましくは哺乳動物の細胞培
養で、抗体を産生することができる。選択された細胞培養系は、抗体産物を分泌
することが好ましい。
【0038】 従って、本発明は、宿主、たとえば、適当なリーディングフレーム内で、前述
のタンパク質をコードする第2のDNA配列に連結された、シグナルペプチドを
コードする第1のDNA配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カ
セットを含むハイブリッドベクターで形質転換された宿主、たとえば、E.co
liまたは哺乳動物細胞を培養するステップ、および前述のタンパク質を単離す
るステップを含む、本発明による抗体を産生する方法を含む。
【0039】 in vitroで、通常使用される標準培地、たとえば、ダルベッコ変法イ
ーグル培地(DMEM)またはRPMI 1640培地に、任意に、哺乳動物血
清、たとえばウシ胎仔血清、または微量元素および成長維持サプリメント、たと
えば、正常なマウス腹膜浸出液細胞等の支持細胞、脾細胞、骨髄マクロファージ
、2−アミノエタノール、インスリン、トランスフェリン、低密度リポタンパク
質、オレイン酸等々を加えた、適当な培地中で、ハイブリドーマ細胞または哺乳
動物宿主細胞を、増殖させる。当技術分野で周知の適当な培地、たとえば、細菌
の場合には、培地LB、NZCYM、NZYM、NZM、TerrificBr
oth、SOB、SOC、2 x YT、またはM9最小培地で、酵母の場合に
は、培地YPD、YEPD、最小培地、または完全最小ドロップアウト培地(C
omplete Minimal Dropout Medium)で、細菌細
胞または酵母細胞である宿主細胞の増殖を、同様に実施する。
【0040】 in vitro生成は、比較的純粋な抗体調製物を提供し、大量の所望の抗
体を与えるためにスケールアップすることが可能である。細菌細胞、酵母または
哺乳動物細胞を培養する技術は、当技術分野で周知であり、たとえば、エアーリ
フト反応器または連続スターラー反応器内での均質な懸濁培養、または、たとえ
ば中空繊維内、マイクロカプセル内、アガロースマイクロビーズ上またはセラミ
ックカートリッジ上に固定されたまたは捕捉された細胞培養などがある。
【0041】 哺乳動物細胞をin vivoで増殖させることによって、大量の所望の抗体
を得ることもできる。このために、所望の抗体を産生するハイブリドーマ細胞を
、組織適合性哺乳動物に注入し、抗体産生腫瘍を成長させる。任意に、注入前に
、動物を、炭化水素、特にプリスタン(テトラメチル−ペンタデカン)等の鉱油
で準備刺激する。1〜3週間後、これらの哺乳動物から抗体を体液から単離する
。たとえば、適当な骨髄腫細胞と、Balb/cマウス由来の抗体産生脾細胞と
の融合によって得られるハイブリドーマ細胞、または所望の抗体を産生するハイ
ブリドーマ細胞系Sp2/0に由来するトランスフェクション細胞を、任意にプ
リスタンで前処理したBalb/cマウスに腹腔内注入し、1〜2週間後に、腹
水を動物から採取する。
【0042】 たとえば、Kohler and Milstein,(1975)Natu
re 256:495−497;米国特許第4,376,110号;Harlo
w and Lane,Antibodies:a Laboratory M
anual,(1988)Cold Spring Harbor(参照により
本明細書に援用する)で、前述のおよび他の技術が論じられている。組換え抗体
分子を作製する技術は、上記参考文献、およびたとえば、EP 0623679
号;EP 0368684号およびEP 0436597号(参照により本明細
書に援用する)にも記載されている。
【0043】 細胞培養上澄を、優先的に、SIRP1αまたはCD47を発現する細胞の免
疫蛍光染色で、免疫ブロットで、酵素イムノアッセイ、たとえばサンドイッチア
ッセイまたはドットアッセイで、またはラジオイムノアッセイで、所望の抗体に
ついてスクリーニングする。
【0044】 抗体を単離するために、たとえば、硫酸アンモニウムによる沈澱、ポリエチレ
ングリコール等の吸湿性材料での透析、選択的膜を通過する濾過等々で、培養上
澄または腹水中の免疫グロブリンを濃縮することが可能である。必要および/ま
たは所望に応じて、通常使用されるクロマトグラフィ法、たとえばゲル濾過、イ
オン交換クロマトグラフィ、DEAE−セルロースによるクロマトグラフィおよ
び/または(イムノ)アフィニティクロマトグラフィ、たとえばSIRP1α、
CD47またはプロテインAを用いたアフィニティクロマトグラフィで、抗体を
精製する。
【0045】 本発明はさらに、本発明のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞
に関する。本発明の好ましいハイブリドーマ細胞は、遺伝学的に安定であり、所
望の特異性を有する本発明のモノクローナル抗体を分泌し、且つ解凍および再ク
ローニングによって冷凍培養から活性化することができる。
【0046】 本発明は、適当な哺乳動物、たとえばBalb/cマウスを、精製したSIR
P1αまたはCD47、精製したSIRP1αまたはCD47を含む抗原性担体
、あるいはSIRP1αまたはCD47を担持する細胞で免疫化し、免疫化され
た哺乳動物の抗体産生細胞を適当な骨髄腫細胞系の細胞と融合し、融合で得られ
たハイブリッド細胞をクローニングし、所望の抗体を分泌する細胞クローンを選
択する点で特徴的な、SIRP1αまたはCD47に向けてのモノクローナル抗
体を分泌するハイブリドーマ細胞系を作製する方法にも関する。たとえば、SI
RP1αまたはCD47を担持する細胞で免疫化されたBalb/cマウスの脾
細胞を、骨髄腫細胞系PAIまたは骨髄腫細胞系Sp2/0−Agl4の細胞と
融合し、得られたハイブリッド細胞を、所望の抗体の分泌についてスクリーニン
グし、陽性のハイブリドーマ細胞をクローニングする。
【0047】 適当なアジュバントを含む、SIRP1αまたはCD47を発現するヒト腫瘍
起源の10〜107および108細胞を、数ヵ月、たとえば、2〜4ヶ月にわたっ
て、数回、たとえば、たとえば4〜6回、皮下および/または腹腔内に注入する
ことによってBalb/cマウスを免疫化し、最後の注入の2〜4日後に、免疫
化されたマウス由来の脾細胞を採取し、融合プロモーター、好ましくはポリエチ
レングリコールの存在下で、骨髄腫細胞系PAIの細胞と融合するする点で特徴
的な、ハイブリドーマ細胞系を作製する方法が好ましい。分子量がおよそ400
0のポリエチレングリコールを約30%〜約50%含む溶液で中で、骨髄腫細胞
を3〜20倍過剰の、免疫化マウスからの脾細胞と融合することが好ましい。融
合後、正常な骨髄腫細胞が所望のハイブリドーマ細胞より成長しすぎるのを防止
するために、選択培地、たとえばHAT培地を一定間隔で加えた、前述の適当な
培地で、細胞を増殖させる。
【0048】 本発明は、前述の、SIRP1αまたはCD47に向けられた抗体の、重鎖可
変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードする挿入物を含む組換えD
NAにも関する。定義により、このようなDNAは、コード一本鎖DNA、前述
のコードDNAおよびそれに相補的なDNAからなる二本鎖DNA、またはこれ
らの相補的(一本鎖)DNAそれ自体を含む。
【0049】 さらに、SIRP1αまたはCD47に向けられた抗体の重鎖可変ドメインお
よび/または軽鎖可変ドメインをコードするDNAは、重鎖可変ドメインおよび
/または軽鎖可変ドメインをコードする真正DNA配列、またはその突然変異体
を有する、酵素的にまたは化学的に合成された、DNAであってもよい。真正D
NAの突然変異体は、1つ以上のアミノ酸が欠失するか、または1つ以上の他の
アミノ酸と交換された、上述の抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変
ドメインをコードするDNAである。前述の修飾は、その抗体の重鎖可変ドメイ
ンおよび/または軽鎖可変ドメインのCDRSの外であることが好ましい。この
ような突然変異体DNAは、1つ以上のヌクレオチドが、同一アミノ酸をコード
する新しいコドンを含む他のヌクレオチドと置き換えられている沈黙突然変異体
であることも目的とする。このような突然変異体配列は、変性配列でもある。変
性配列は、もともとコードされていたアミノ酸配列の変化を来たさずに、限定さ
れていない数のヌクレオチドが他のヌクレオチドと置き換えられているため、遺
伝暗号の意味の範囲内で変性している。このような変性配列は、それらの異なる
制限部位および/または特定の宿主、特にE.coliによって好まれる、ある
特定のコドンの頻度のため、重鎖ネズミ可変ドメインおよび/または軽鎖ネズミ
可変ドメインの最適発現を得るのに有用な可能性がある。
【0050】 用語突然変異体は、当技術分野で周知の方法に従って、真正DNAのin v
itro変異誘発で得られるDNA突然変異体を含むことを意図する。
【0051】 完全な四量体免疫グロブリン分子を組立て、キメラ抗体を発現させるためには
、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインをコードする組換えDNAを、s重
鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメインをコードする、対応するDNAと融合さ
せ、次いで、たとえば、ハイブリッドベクターに組込んだ後、適切な宿主細胞に
移入する。
【0052】 従って、本発明は、ヒト定常ドメインg、たとえばγ1、γ2、γ3またはγ
4、好ましくは、γlまたはγ4に融合された、SIRP1αまたはCD47に
向けられた抗体の重鎖ネズミ可変ドメインをコードする挿入物を含む組換えDN
Aに関する。同様に、本発明は、ヒト定常ドメインκまたはλ、好ましくはκに
融合された、SIRP1αまたはCD47に向けられた抗体の軽鎖ネズミ可変ド
メインをコードする挿入物を含む組換えDNAに関する。
【0053】 別の実施形態において、本発明は、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメイン
がスペーサー基で連結されている組換えポリペプチドをコードし、宿主細胞にお
ける抗体のプロセッシングを容易にするシグナル配列および/または抗体の精製
を容易にするペプチドおよび/または切断部位および/またはペプチドスペーサ
ーおよび/またはエフェクター分子をコードするDNAを任意に含む、組換えD
NAに関する。
【0054】 エフェクター分子をコードするDNAは、診断用途または治療用途で有用なエ
フェクター分子をコードするDNAであることを意図する。従って、毒素または
酵素であるエフェクター分子、特に、プロドラッグの活性化を触媒することがで
きる酵素であるエフェクター分子が、特に望ましい。このようなエフェクター分
子をコードするDNAは、天然の酵素または毒素をコードするDNA、またはそ
の突然変異体を有し、好ましくは、当技術分野で周知の方法で作製することがで
きる。
【0055】 本発明による抗体および抗体フラグメントは、診断および治療に有用である。
従って、本発明は、本発明による抗体を含む、治療用または診断用の組成物を提
供する。
【0056】 診断用組成物の場合、抗体は、抗体を検出する手段と一緒に提供されることが
好ましく、その手段は、酵素的、蛍光的、放射性同位元素的またはその他の手段
であってもよい。抗体および検出手段は、同時使用、同時に別々に使用、または
逐次使用に適するように、診断向けの診断用キット内に提供することが可能であ
る。
【0057】 2b.ペプチド類 本発明によるペプチド類は、機能的SIRP1α−CD47相互作用に関与す
るSIRP1α、CD47または別のポリペプチドから有効に誘導される。ペプ
チド類は、SIRP1α−CD47相互作用に関与するSIRP1αまたはCD
47内のドメインから誘導されることが好ましい。たとえば、Thornber
ry et al.,(1994)Biochemistry 33:3934
−3940 and Milligan et al.,(1995)Neur
on 15:385−393は、ICEプロテアーゼを阻害するために、修飾し
たテトラペプチドを使用することについて論じている。類似した様式で、SIR
P1α−CD47相互作用を阻害するために、SIRP1αまたはCD47に由
来するペプチドを、たとえば、アルデヒド基、クロロメチルケトン、(アシルオ
キシ)メチルケトンまたはCH2OC(O)−DCB基で修飾してもよい。
【0058】 ペプチド化合物を細胞に送達しやすくするためには、ペプチド化合物が細胞膜
を横切る能力を改良するために、ペプチドを修飾してもよい。たとえば、米国特
許第5,149,782号には、細胞膜を横切るタンパク質輸送を増大させるた
めに、融合誘導性ペプチド、イオンチャネル形成性ペプチド、膜ペプチド、長鎖
脂肪酸および他の膜ブレンディング剤を使用することが開示されている。WO9
7/37016号および米国特許第5,108,921号(参照により本明細書
に援用する)にも、これらの方法および他の方法が記載されている。
【0059】 本発明による多くの化合物は、薬品開発に有用な最重要化合物である可能性が
ある。有用な最重要化合物は、特に抗体およびペプチド類、特に、遺伝子療法の
場面で、細胞内に発現される細胞内抗体であり、これを、ペプチドまたは低分子
量治療薬の開発用モデルとして使用することが可能である。本発明の好ましい態
様では、最重要化合物で観察される相互作用によく似た適当な低分子量化合物の
デザインを容易にするために、最重要化合物とSIRP1αまたはCD47とを
共結晶化することが可能である。
【0060】 結晶化は、たとえば、好ましくは1:1比の、ペプチドまたはペプチド複合体
との溶液と「貯蔵所緩衝液」と、結晶形成に必要な低濃度の沈澱剤とを、混合す
ることによって、結晶化緩衝液を調製することを含む。結晶形成のために、たと
えば、沈澱剤を加えることによって、たとえば、滴定によって、または結晶化緩
衝液と貯蔵所緩衝液との間の拡散によって沈澱剤の濃度を釣り合わせることによ
って、沈澱剤の濃度を高める。適当な条件で、沈澱剤の勾配に沿って、たとえば
、より高い濃度の沈澱剤を有する貯蔵所緩衝液から、より低濃度の沈澱剤を有す
る結晶化緩衝液中に、このような沈澱剤の拡散が起こる。拡散は、たとえば、共
通の気相で拡散させる、蒸気拡散技術によって達成することが可能である。周知
の技術は、たとえば、「ハンギングドロップ」法、「シッティングドロップ」法
等の蒸気拡散法である。蒸気拡散法では、タンパク質を含む結晶化緩衝液一滴が
、はるかに大きい貯蔵所緩衝液のプールの上に垂れ下がっているか、近くにある
。あるいは、結晶化緩衝液と貯蔵所緩衝液とを分離し、タンパク質の貯蔵所緩衝
液内への希釈を防止する半透膜を介して、沈澱剤の平衡を実現することができる
【0061】 結晶化緩衝液の場合、ペプチドまたはペプチド/結合パートナー複合体は、3
0mg/mlまで、好ましくは、約2mg/ml〜約4mg/mlの濃度を有す
ることが好ましい。
【0062】 以下のパラメーターによって本質的に決定される様々な条件で、結晶を形成さ
せることができる:pH、塩類および添加物の存在、沈澱剤、タンパク質濃度お
よび温度。pHは、約4.0〜9.0の範囲であってもよい。緩衝液の濃度およ
びタイプは、どちらかといえば重要ではなく、従って、たとえば、所望のpHに
応じて変えることができる。適当な緩衝液系としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝
液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、MES緩衝液およびHEPES緩衝液など
がある。有用な塩類および添加物としては、たとえば塩化物、硫酸塩および他の
当業者に周知の他の塩類などがある。緩衝液は、水混和性有機溶媒、好ましくは
、100〜20000、優先的に、4000〜10000の分子量を有するポリ
エチレングリコール、または適当な塩、たとえば、硫酸塩、特に硫酸アンモニウ
ム、塩化物、クエン酸塩または酒石酸塩からなる群から選択される沈澱剤を含む
【0063】 本発明によるペプチドまたはペプチド/結合パートナー複合体の結晶は、たと
えば、重原子誘導体化によって、化学的に修飾することができる。簡単に説明す
ると、このような誘導体化は、結晶を通過して拡散し、タンパク質の表面に結合
することができる、重金属原子塩類、またはa有機金属化合物、たとえば塩化鉛
、チオリンゴ酸金、チメロサールまたは酢酸ウラニルを含む溶液に、結晶を浸漬
することによって達成できる。結合した重金属原子の位置は、浸漬した結晶のX
線回折分析によって決定することができ、その情報を、たとえば、ペプチドの三
次元モデルの構築に使用することができる。
【0064】 三次元モデルは、たとえば、結晶の重原子誘導体および/または結晶化によっ
て提供される構造データの全部または一部から得られる。好ましくは、このよう
なモデルの構築は、相同モデリングおよび/または分子の置換を含む。
【0065】 予備的相同モデルは、構造が判明しているSIRPとの配列アラインメント、
二次構造予測および構造ライブラリーのスクリーニングの組合せによって、作成
することができる。
【0066】 計算用ソフトウェアを使用して、ペプチドまたはペプチド複合体の二次構造を
予測することも可能である。ペプチド配列を、SIRP1αまたはCD47構造
に組み込むことが可能である。所望の長さおよび適当なコンフォメーションを有
するペプチドについて、構造ライブラリーをスクリーニングすることによって、
構造的矛盾、たとえば挿入/欠失の周囲の構造フラグメントをモデル化すること
ができる。側鎖コンフォメーションの予測には、側鎖回転異性体を使用すること
が可能である。
【0067】 適当なコンピューターソフトウェアを使用した分子の置換によってペプチドの
結晶構造を解明するために、最終的な相同モデルを使用する。相同モデルを、分
子置換の結果に従って適所に置き、結晶化に使用されるインヒビターの分子力学
計算およびモデル化を含む、電子密度へのさらなる精密な推論に付す。
【0068】3.医用組成物 好ましい実施形態において、本発明の前述の態様に記載の分析方法で同定でき
る化合物を含む医用組成物が提供される。
【0069】 本発明による医用組成物は、CD47のSIRP1α活性化活性を調節するこ
とができる化合物を有効成分として含む重要な組成物である。本発明による有効
成分を含む医用組成物の有効成分は、個々の症例に応じた量で投与すると、たと
えば、腫瘍または細胞増殖関連の他の疾病、感染症および炎症状態の治療におい
て、優れた治療活性を示すと考えられる。最適治療応答を提供するように、投薬
計画を調整することが可能である。たとえば、数回に分割して毎日投与してもよ
く、または治療状況の窮迫が示す通りに、比例して用量を減らしてもよい。
【0070】 有効成分を、経口、静脈内(水溶性の場合)、筋内、皮下、鼻腔内、皮内また
は座薬経路または移植(たとえば徐放性分子を使用)等による便利な方法で、投
与することが可能である。投与経路に応じて、前述の成分を不活化する可能性が
ある酵素、酸およびその他の自然条件の作用から前述の成分を保護する材料で、
有効成分をコーティングすることが必要な場合がある。
【0071】 有効成分を非経口投与以外によって投与するためには、有効成分を、コーティ
ングするか、または、その不活化を防止する物質と共に投与する。たとえば、有
効成分は、酵素インヒビターと同時投与されるアジュバント、またはリポソーム
を使用して、投与することが可能である。アジュバントは、その最も広い意味で
使用され、インターフェロン等の、免疫刺激性化合物を含む。本明細書で考えら
れるアジュバントとしては、レゾルシノール、非イオン系界面活性剤、たとえば
、ポリオキシエチレンオレイルエーテおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエー
テルなどがある。酵素インヒビターとしては、膵トリプシンなどがある。 リポソームとしては、従来のリポソームのみならず、水中油中水CGFエマル
ジョンなどがある。
【0072】 有効成分を、非経口的にまたは腹腔内に、投与することが可能である。グリセロ
ール、液体ポリエチレングリコール類、およびそれらの混合物、および油を使用
して、分散体を調製することができる。通常の貯蔵条件および使用条件で、これ
らの調製物は、微生物の増殖を防止するために保存料を含む。
【0073】 注射用に適した医薬剤形としては、水性溶液(水溶性の場合)または分散体、
および処方箋に従って調合される、無菌の注射用液または分散体調製のための無
菌粉末などがある。全ての場合に、この剤形は無菌でなければならず、且つ容易
な注入可能性が存在する程度まで流動性でなければならない。この剤形は、製造
条件および貯蔵条件で安定でなければならず、また、細菌および真菌等の微生物
の汚染作用から保護されなければならない。担体は、たとえば、水、エタノール
、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポ
リエチレングリコール等々)、その適当な混合物、および植物油を含む、溶媒ま
たは分散媒体であってもよい。適当な流動性は、たとえば、レシチン等のコーテ
ィングを使用することによって、分散体の場合には必要な粒子サイズを維持する
ことによって、また、スーパーファクタント(superfactant)を使
用することによって、維持することができる。
【0074】 様々な抗菌薬および抗真菌薬、たとえば、パラベン、クロロブタノール、フェ
ノール、ソルビン酸、チメロサール、等々によって、微生物の作用の防止をもた
らすことができる。多くの場合、等張化剤、たとえば、糖類または塩化ナトリウ
ムを含むことが好ましい。吸収遅延剤、たとえば、モノステアリン酸アルミニウ
ムおよびゼラチンを組成物に使用することによって、注射用組成物の長期吸収を
もたらすことができる。
【0075】 無菌注射用液は、必要な量の有効成分を、上述の様々な他の成分と共に、適切な
溶媒に組込み、必要に応じて、その後、濾過滅菌することによって調製する。一
般に、滅菌した有効成分を、基本的分散媒および上述のものからの必要な他成分
を含む無菌媒体に組込むことによって、分散体を調製する。無菌注射用液を調製
するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、有効成分に、その予め滅菌濾
過した溶液からのさらなる所望の成分を加えた粉末を生成する、真空乾燥技術お
よび凍結乾燥技術である。
【0076】 有効成分が、上述のように適切に保護されているとき、有効成分を、たとえば
、不活性な希釈剤または吸収性食用担体と共に経口投与してもよく、あるいは、
硬殻ゼラチンカプセルまたは軟殻ゼラチンカプセル内に封入してもよく、または
圧縮して錠剤にしてもよく、食餌の食物と直接混合してもよい。経口治療的投与
の場合、有効成分を賦形剤と混合して、服用可能な錠剤、バッカル錠剤、トロー
チ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェハス等々の剤形で
使用することができる。適当な投与方式での、このような治療上有用な組成物中
の有効成分の量を得る。
【0077】 錠剤、トローチ剤、ピル剤、カプセル剤等々は、以下の物も含んでもよい:ト
ラガカントゴム、アラビアゴム、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤;リ
ン酸二カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、アルギン酸等
々の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;および蔗糖、乳糖またはサ
ッカリン等の甘味剤、または、ペパーミント、ウィンターグリーン油、またはチ
ェリー香味等の香味剤を加えてもよい。服用単位剤形がカプセル剤であるとき、
そのカプセル剤は、上記のタイプの材料に加えて、液体担体を含んでもよい。
【0078】 コーティングとして、または他の方法で物理的服用単位剤形を改変するするた
めに、様々な他の材料が存在してもよい。たとえば、錠剤、ピル剤、またはカプ
セル剤を、セラック、糖または両者でコーティングしてもよい。シロップ剤また
はエリキシル剤は、有効成分、甘味剤としての蔗糖、保存料としてのメチルパラ
ベンおよびプロピルパラベン、チェリーまたはオレンジ香味等の色素および香味
料を含んでもよい。もちろん、服用単位剤形の調製に使用される材料はいずれも
、薬学的に純粋で且つ使用量で実質的に無毒である。加えて、徐放性製剤および
処方に有効成分を組込むことが可能である。
【0079】 本明細書で使用される「製薬上許容できる担体および/または希釈剤」は、あ
りとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬、等張化剤お
よび吸収遅延剤等々を含む。このような媒体および作用物質を薬学的に活性な物
質に使用することは、当技術分野で周知である。従来の媒体または作用物質が有
効成分と配合禁忌である場合を除き、治療用組成物におけるその使用が考えられ
る。補助的有効成分も本組成物に組込むことができる。
【0080】 投与しやすく且つ投与量を均一にするために、投与単位剤形で非経口組成物を
調合することは、特に有利である。本明細書で使用する投与単位剤形は、治療す
べき哺乳動物対象にとって、単位となる投与量として都合がよい、物理的に不連
続な単位を指し;各単位は、必要な製薬上の担体と関連して、所望の治療効果を
もたらすように計算された、予め決定された量の有効物質を含む。本発明の新規
な投与単位剤形の規格は、(a)有効物質独特の特徴および成すべき個々の治療
効果、および(b)身体的健康が損なわれる病気を有する生存対象における疾病
の治療に有効な物質等を調合する技術分野に固有の制限によって決定され、直接
左右される。
【0081】 主要な有効成分を、適当な製薬上許容できる担体と共に、便利で且つ効果的に
有効量で投与するために、投与単位剤形で調合する。補足的有効成分を含む組成
物の場合、投与量は、前述の成分の通常の用量および投与方式を参照することに
よって決定される。
【0082】 さらなる態様において、疾病の治療に使用するための、前述の、本発明の有効
成分が提供される。結果として、NFκB誘導または阻止と関連した疾病を治療
するための医薬の製造に、本発明の有効成分を使用することができる。
【0083】 さらに、上述の分析方法を使用して同定できる化合物の治療有効量を対象に投
与するステップを含む、NFκB誘導または阻止と関連した病気を治療する方法
が提供される。
【0084】 単に実例を挙げて説明する目的で、本発明を、以下の実施例でさらに説明する
【0085】実験的手順 動物およびモノクローナル抗体 以下のモノクローナル抗体を使用した;抗ラットSIRP mAb SIRP
1α(Adams,et al.,(1998)J.Immunol.161:
1853−9;Robinson et al.,(1986)Immunol
ogy 57:239−47)およびEuropean Collection
of Animal Cell Cultures(Porton Down
,Salisbury,G.B.)に参照しやすく掲載されている抗ラットCD
2 mAbOX34および抗ラットCD4ドメイン 3+4 mAb OX68
。Balb/Cマウスで生じたビオチニル化ラット胸腺細胞に対する抗体パネル
から、OX101(IgG1)抗体を選択した。hCD47 mAbは、BRI
C 126(Serotec,Kidlington,UK)およびmAb 1
796(Chemicon,Temecula,CA,USA)であった。
【0086】 胸腺細胞および他の細胞調製物は、4〜9週齢の両性の、Oxfordアルビ
ノ(AO)ラットから調製した。活性化脾細胞は、3.5×106細胞/mlを
、5%ウシ胎仔血清および5μg/mlコンカナバリンAを含むRPMI中で、
48〜72時間培養することによって作製した。
【0087】 可溶性融合タンパク質構築物および全長構築物 ラットCD4ドメイン3+4ビオチンキメラタンパク質の構築については、既
述の通りである(Brown et al.,(1998)J.Exp.Med
.188:2083−90;Brown and Barclay,(1994
)Prot.Eng.7:515−21)。Pst IおよびHind III
で消化することによってpCDM8からSIRP1α cDNA(Adams,
et al.,(1998)J.Immunol.161:1853−9)を切
除し、Bluescriptベクター(Stratagene GMVH,He
idelberg,Germany)にサブクローニングした。一本鎖変異誘発
(Biorad,Hemel Hempsted,Herts.UK)によって
、Sal I部位を細胞外領域の末端に導入した。SIRP1αの細胞外領域を
コードするXbaI−Sal Iフラグメントを、CD4ドメイン3+4−ビオ
チン(Brown et al.,(1998)J.Exp.Med.188:
2083−90;Brown and Barclay,(1994)Prot
.Eng.7:515−21)の上流にあるpEF−BOS−XB(Brown
et al.,(1998)J.Exp.Med.188:2083−90)
に挿入した。このようにして得られたCD4d3との接合部はgtcaccaa
gggtcgacatccatcacg(VTQGSTSIT)であった。ヒト
CD47の細胞外ドメインを、プラスミドDNA(Dr Ian Campbe
ll,Southampton,UKにより寄贈)からPCRで増幅し、CD4
d3+4−ビオチンpEF−BOS−XBベクターに挿入し、以下の接合部cg
tgttgtttcatggtcgatccatc(RVVSWSTSI−ヒト
CD47)が得られた。安定した系を生成するために、hCD47−CD4d3
+4をコードするXba I−Bam HIフラグメントをpEE14(18)
に移入した。CD4d3+4融合タンパク質を構築するために、プライマーat
aaagcgtctagagcggatatgtggcccctg(センス)お
よびcatttggagtcgaccatgaaacaacac(アンチセンス
)を用いたPCRで、1つのSIRP Vドメインを増幅した。プライマーgc
aagcttatggagcccgccggc(センス)およびcagattc
gtcccattcacttcc(アンチセンス)を用いたPCRで、HT10
80線維肉腫cDNAライブラリーから、SIRP−1αを増幅した。PCR産
物をHind III EcoR Iで消化し、哺乳動物発現ベクターpCDN
A 3.0(Invitrogen,Groningen,Netherlan
ds)に挿入した。HindIII,NotI適合末端を用いてSIRP−1α
の細胞外ドメインを増幅し、消化したPCR産物を、pIg PLUS(R&D
Systems,Oxford,UK)に挿入することによって、SIRPを
ヒトIgG Fcに結合する組換え融合タンパク質を作製した。細胞外領域の3
′末端における接合部は、cactggatctaatgaacgg(TGSN
ER)に一致する。
【0088】 細胞培養発現 ビオチニル化実験のために、DEAE−デキストラン(19)を使用してCO
S−1細胞(Imperial Cancer Research Fund)
(20μg DNA/107細胞)で、またはリン酸カルシウムを使用して29
3T細胞で、融合タンパク質構築物を一時的に発現させた。細胞表面発現用の構
築物でトランスフェクトしたCOS細胞を、トランスフェクション後24時間継
代し、トランスフェクション後72〜96時間、フローサイトメトリーで使用し
た。可溶性CD3+4タンパク質の発現を、阻害ELISA(Brown an
d Barclay,(1994)Prot.Eng.7:515−21)で検
出した。上澄を、10mM Tris−HCI、pH8.0に対して透析し、1
0,000MWカットオフセントリコン(Amicon,Beverley,M
A,USA)を使用して濃縮した。製造業者の勧告通りに、1μg(5,000
単位)の組換えE.coli BirA酵素(Avidity,Denver,
CO,USA)を使用して、酵素的ビオチニル化を実施した。PBSに対する透
析によって、余分のビオチンを除去した。BIAcore実験で使用するために
、グルタミンシンセターゼ系(Davis et al.,(1990)J.B
iol.Chem.265:10410−8)を使用して生成した安定なチャイ
ニーズハムスター卵巣細胞系から、OX68mAbを用いたアフィニティクロマ
トグラフィーで、HCD47−CD4d3+4を精製した。吸光計数(1.0c
2/mg)を、アミノ酸組成物から実験的に決定し、280nmにおける吸収
によって濃度を測定した。後続のゲル濾過を、Superdex 75(Pha
rmacia Biotech Ltd)を使用して実施し、分画を、それ以上
濃縮せずにBlAcore分析で使用した。
【0089】 小球体(ビーズ)結合アッセイ 結合実験を実施し、記載(Brown et al.,(1995)Eur.
J.Immunol.25:3222−8;Brown et al.,(19
98)J.Exp.Med.188:2083−90)通りに、フローサイトメ
トリーで分析した。一般に、胸腺細胞5×105個を丸底マイクロタイタープレ
ートにプレーティングし、適切な場合、50μlハイブリドーマ組織培養上澄と
共に、4℃にて1時間インキュベートした。蛍光性ストレプトアビジン被覆小球
体1.5×108 15μl(Spherotech,Libertyvill
e,IL,USA カタログ番号VFP−0552−5)を、組換えOX 41
−CD4d3+4タンパク質(2μg/サンプル)と、4℃にて1時間混合した
。ブロッキングCD2 mAbで予め被覆した細胞に結合する、ラットCD4d
3+4、ラットCD5−CD4d3+4またはラットCD48−CD4d3+4
で被覆したビーズを、上書き可能な陰性対照として使用した(Brown et
al.,(1998)J.Exp.Med.188:2083−90)。ビー
ズを0.2%BSA/PBSで洗浄することによって、非結合タンパク質を除去
した。被覆ビーズを1分間、超音波処理し、次いで、記載(Browm et
al.,(1998)J.Exp.Med.188:2083−90)通りに、
細胞と共に、4℃にて1時間インキュベートした。
【0090】 OX 101抗原のアフィニティ 記載(Williams et al.,(1986)Handbook o
f Experimental Immunology,Vol.1,4th
d.,pp.22.1−22.24,Blackwell Scientifi
c,Oxford)通りに、精製胸腺細胞膜を調製し、2%デオキシコール酸ナ
トリウム、10mMのTris−HCl、2.5mMのヨードアセトアミド、0
.2mMのPMSFを含む0.02%のNaN3緩衝液pH8に可溶化した。可
溶化した膜調製物を、CNBr−セファロース(Sigma,Poole,Do
rset,UK)に結合させたOX101 mAbに加え、A280nmが0.0
2未満に低下するまで洗浄し、OX101抗原を高pH緩衝液(0.05Mのジ
エチルアミン−HCI、0.5%のデオキシコール酸ナトリウム、0.02%の
NAN3、pH11.5)で溶離した。
【0091】 抗原分析 溶離した分画を、還元条件で、10%のSDS−PAGEゲルによる電気泳動
にかけ、その後のウエスタンブロッティングで、OX101 mAbとの免疫反
応性を試験した。西洋ワサビペルオキシダーゼ(Sigma,Poole,Do
rset,UK)に結合させたヤギ抗マウス抗体および化学発光性ペルオキシダ
ーゼ基質(ECL,Amersham,Bucks.UK)で、反応性バンドを
可視化した。1/10倍量の72%のトリクロロ酢酸を加え、室温で5分間イン
キュベートし、10000gで10分間遠心分離することにより、反応性分画を
沈澱させた。ペレット化したタンパク質を、SDS PAGEおよび銀染色で分
析した。OX101ウェスタンブロット上の免疫反応性領域に対応する染色バン
ドを切除し、Applied Biosystems Procise 494
Aタンパク質シーケンサー(PerkinElmer Ltd.,UK)を使用
したEdman分解によるN末端配列決定に使用した。
【0092】 BIAcore分析 既述(Brown et al.,(1998)J.Exp.Med.188
:2083−90,van der Merwe,et al.,(1994)
Biochemistry 33:101489−60)通りに、CM5研究用
品質等級のチップを使用し、BIAcoreTM2000バイオセンサー機器(B
iacore AB)を使用して、BIAcore分析を実施した。10mMの
酢酸ナトリウム pH4.5中、50μg/mlにて、アミンカップリングによ
り、hSIRP−FcおよびhCTLA−4Fcタンパク質を直接固定した。凝
集性物質の寄与を最小限に抑えるために、3秒(100μ/分で5μl)という
短い注入時間で、平衡アフィニティおよび動力学的測定を37℃にて実施した。
平衡結合の場合、単量体hCD47−CD4d3+の濃度を上昇および低下させ
て、hSIRP−Fc(6500RU)を通過させた。動力学的測定の場合、h
CD47−CD4d3+4(18.30μM)を、6500RUおよび3000
RUにて固定したhSIRP−Fcおよび対照CTLA4−Fc(6300RU
)を通過させた。CD47mAbブロッキング実験およびV−SIRP−CD4
d3+4結合実験を、それぞれ、10μl/分および5μl/分で、25℃にて
実施した。
【0093】実施例1:OX41は、CD47のリガンドである OX41−CD4d3+4小球体は、胸腺細胞およびコンカナバリンA処理脾
細胞と結合する ラットOX41抗原のリガンドを同定するために、ラットCD4ドメイン3お
よび4の上流にあるOX41細胞外ドメインおよびE.coliビオチニル化酵
素BirA(Schatz(1993)Biotechnology 11:1
138−43)により認識される短いペプチドを発現させることによって、組換
え融合タンパク質を作製した(図1A)。ビオチニル化されたOX41−CD4
d3+4タンパク質は、正確に折り畳まれているOX41 mAbと一致するO
X41 mAbを結合した。
【0094】 ビオチニル化OX41−CD4d3+4(図1B)で標識した蛍光性Sphe
roTMアビジン被覆小球体を使用して、SIRPリガンドを担持する細胞型を同
定した。ラット胸腺細胞およびコンカナバリンAに結合したこれらのOX41−
CD4d3+4ビーズは、フローサイトメトリーで評価された通り、ラット脾細
胞を活性化し(図1CおよびD)。結合は、先に特性決定された、これらの細胞
上のリガンドCD2に結合する、ラットCD48−CD4d3+4被覆ビーズ間
の相互作用で確認されたものに類似していた(Brown et al.,(1
995)Eur.J.Immunol.25:32228)。これらの相互作用
は、OX41−CD4d3+4ビーズをOX41mAbとインキュベートするこ
とによってある程度ブロックされたが、関連のない対照mAb、OX21または
IgG2aアイソタイプマッチド対照OX34 mAbによってブロックされな
かったとして特定化されると判断された。
【0095】 OXI01 mAbは、OX41−CD4d3+4の細胞への結合を特異的にブ
ロックする。 OX4l−CD4d3+4ビーズとの細胞結合データから、ラット胸腺細胞は
、OX41のリガンドを発現することが示唆される。このリガンドを同定するた
めに、ラット胸腺細胞に対して生じさせておいた、およそ50のマウスmAbの
パネルを、OX41ビーズ結合アッセイで、ブロッキング活性についてスクリー
ニングした。1つの抗体、OX101は、OX41−CD4d3+4標識ビーズ
と胸腺細胞との相互作用を、明らかに阻害した(図2A)。胸腺細胞と反応する
他のmAbは、CD48 mAbからわかるように、全く阻害を示さず(図2A
)、これは、特異的な作用である公算が高いことを示した。OX101は、OX
41−CD4d3+4ビーズ コンカナバリンA処理細胞の結合もブロックした
(図2B)。フローサイトメトリーは、OX101が、大多数の胸腺細胞、脾細
胞、頚部リンパ節細胞および腹膜細胞を標識することを示し、大多数のリンパ球
およびマクロファージにOX101が存在したことがわかる(表示せず)。さら
に、脳組織の粗調製物もOX101抗原を含むことが、フローサイトメトリーで
明らかになった(表示せず)。
【0096】 ラットCD47としてのOX101抗原の単離および同定 OX101 mAbアフィニティカラムを使用して、OX101抗原を精製し
た。特異的に結合したタンパク質を、高pHで、OX101 mAbカラムから
溶離した(図3A)。OX101 mAbを用いたウエスタンブロッティングで
、OX101抗原について、分画をスクリーニングした(図3B)。およそ60
kDおよび45kDの分子量に対応する2つの反応性バンドが確認された。反応
性タンパク質を含む分画を再沈澱させ、SDS PAGEで分離した。45〜6
OkDの領域内で、沈澱物質が、1つの広がったバンドとして続いていた。この
領域を切除し、配列決定した(図3C)。得られた1つの配列は、ラットCD4
7のNH2末端配列インテグリン結合タンパク質としても知られる(Genba
nk寄託番号D87659,AF17437)と実質的に同一であった。配列決
定の結果は、異なるグリコシル化形から生じるウエスタンブロッティングで確認
された2つのバンドまたはC末端における分解に起因する低い方のバンドと一致
する。
【0097】 SIRP/OX41は、CD47に直接結合する ラットでのOX41−CD4d3+4細胞結合データ、およびCD47として
のOX101抗原の同定の意義を確立するためには、OX41/SIRPとCD
47タンパク質との間の直接相互作用があるかどうか、また、この相互作用は、
ヒトで保存されるかどうかが必要であった。BIAcoreを使用して、ヒトC
D47とCD4d3+4(hCD47−CD4d3+4)との1つの細胞外Ig
SFドメインの、ヒトSIRPαの細胞外領域およびIgGからのFc領域(h
SIRP−Fc)を含む、精製した組換えキメラタンパク質を、結合について試
験した。
【0098】 hCD47−CD4d3+4を、CD4mAb(OX68)によって、2つの
フローセル内に固定した。1つのフローセルをhCD47 mAbで飽和した。
二量体のhSIRP−Fcを、両フローセルおよび対照フローセル(図4)を通
過させた。hSIRP−Fcは、hCD47−CD4d3+4に特異的に結合し
た。hCd47 mAb、BRIC126(図4)および1796(データ示さ
ず)と共にプレインキュベートすることによって、HSIRP−Feの結合を、
対照フローセルのレベルまでブロックしたことを示すことにより、相互作用の特
異性を確認した。
【0099】 相互作用のアフィニティを測定するために、hSIRP−Fcを直接固定し、
単量体hCD47−CD4d3+4を、通過させた。図5Aに示す通り、hCD
47−CD4d3+4は、用量依存的様式で、hSIRP−Fcに特異的に結合
した。37℃で収集したデータの非線形曲線フィッティングにより、kd=8.5
μM(図5B)が得られた。スキャッチャード分析で、類似した結果が得られた
(図5B差し込み図)。固定化SIRP−Fcの2レベルのkdの8測定値は、
2〜9μMの範囲内に入った。見掛けの速度定数は、高レベルのhSIRP−F
cの場合、koff=1.3s-1であり、低レベルの場合、koff=2.1s-1である
と、算出された。(図5C)。この、みかけのkoffの増加は、解離後に、再結合
作用が存在することを表す公算が高く、結果として、真のkoffの過少評価を招
く。従って、真のkoffは、≧2.1s-1である。解離速度定数koffおよびkd
から、会合速度定数は、l.7×l0-5-1-1であると計算された。急速会合
速度Konを測定することは困難であるが、図5Cに示す結合データの会合相への
曲線フィッティングによって推定することができる。SIRP(6500RU)
へのhCD47−CD4d3+4(18.3μM)結合の場合、Konは、1.
9×l0-5-1-1であると測定された。
【0100】 SIRP/OX41のNH2末端のV−様ドメインは、CD47に直接結合する
。 SIRP上のCD47結合部位を定位するために、hSIRPのNH2末端の
V様ドメインのみを、CD4d3+4とインフレームで含む構築物を作製した。
V−SIRP−CD4d3+4を、CD4mAb(OX68)によって、1つの
フローセル内に固定した。このフローセル内の結合していないOX68、および
対照フローセル内の全てのOX68を、可溶性ラットCD4でブロックした。可
溶性ラットCD4の注入を繰返すことによって、ブロッキングを検証した(図6
)。次いで、可溶性hCD47−CD4d3+4を、両フローセルに注入した。
2つのフローセルの間に、CD4結合の差はなかったが、SIRPのV様ドメイ
ン1つへの、hCD47−CD4d3+4の特異的結合が認められた(図6)。
【0101】 実施例2:抗CD47抗体は、in vivoで、EAEの重症度を低下させる
。 実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)を誘導するために、ルイスラットの足
蹠に、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)をFreundの完全アジュバント
と共に注入した。約0.5mgのOX101(抗CD47モノクローナル抗体)
を10日に注入し、動物5匹の疾病進行を追跡した(Brostoff and
Mason,(1984)J.Immunol.133:1938−42参照
)。同じサブクラス(IgG1)の対照抗体、OX21を、さらなるシリーズの
動物に同時に投与し、また、さらなるシリーズに、リン酸緩衝食塩水(PBS)
を投与した。
【0102】 この疾病を毎日モニタリングし、疾病スコアを平均した。下表から、対照(P
BSおよびOX21)では疾病の発生率が高かったが、OX101治療動物では
、疾病が遅延し、重症度が有意に低かったことがわかる。
【0103】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 OX41−CD4d3+4は、細胞と結合する。A)組換えキメラOX41−
CD4d3+4タンパク質。B)リガンド同定に使用したOX41−CD4d3
+4蛍光性ビーズ。CおよびD)OX41−CD4d3+4は、ラット(C)胸
腺細胞または(D)コンカナバリンA活性化脾細胞に結合するが、対照蛍光性ビ
ーズは結合しない。ビーズをOX41 mAbと共にプレインキュベートするこ
とにより、ビーズを対照(OX21)mAbと共にプレインキュベートした場合
と比較して、OX41−CD3+4の細胞への結合をある程度ブロックした。
【図2】 OX101 mAbは、OX41−CD4d3+4ビーズの細胞への結合を阻
害する。(A)ラット胸腺細胞または(B)コンカナバリンA活性化脾細胞を、
OX101 mAbと共にプレインキュベートすることにより、OX41−CD
4d3+4ビーズの結合を、陰性対照ビーズで見られるレベルまでブロックした
。細胞を両細胞集団と反応する別のmAb、CD48 mAb(OX45)と共
にプレインキュベートしても、結合をブロックしなかった。
【図3】 OX101 mAbは、ラットCD47を結合する。A)カラムから溶離した
、ウエスタンブロッティングでOX101と反応した分画の、タンパク質の例。
タンパク質を、還元条件でSDS−PAGEで分析し、銀染色で可視化した。B
)OX101 mAbを使用した、反応性分画からのタンパク質のウェスタンブ
ロット。C)OX101抗原およびラットCD47のNH2末端配列の比較。
【図4】 hSIRP−Fcと固定化hCD47−CD4d3+4 CD4 mAb O
X68との相互作用を、BIAcoreTMの3つのフローセルと結び付けた。2
つのフローセル内で、HCD47−CD4d3+4をOX68に、同レベルで結
合させた。これらのフローセルの1つをhCD47mAb、BRIC126で飽
和した。SIRP−Fc(20μg/ml)を、3つのフローセル全てを通過さ
せた。SIRP−FcはhCD47−CD4d3+4(実線)に結合したが、h
CD47で飽和したとき、対照フローセル(点線)で見られるレベルまで、mA
b結合が減少した(破線)。
【図5】 可溶性ヒトCD47-CD4d3+4のヒトSIRP-Fcへの結合のアフィニ
ティおよび解離速度。(A)37℃で、可溶性単量体hCD47-CD4d3+
4を、hSIRP-Fc(6525RU)(実線)、あるいは、陰性対照として
CTLA-4-Fc(6290RU)(点線)が固定化されたフローセルを通して
、μMで指示された濃度で注入した。(B)平衡時におけるhSIRP-Fcフ
ローセルおよび対照フローセルの間の応答の差を、hCD47-CD4d3+4
濃度に対してプロットした。kd=8.5μMおよび1400RUである最大結
合は、陰性対照を減算したAのデータ(丸)への、Langmuir等温(実線
)の非線形曲線フィッティングによって算出した。差し込み図は、Bのデータの
スキャッチャードプロット、および算出されたKd=7.6μMを示す。(C)
高レベル(6500RU)(●)および低レベル(3000)(上向きの黒三角
)で固定化した、固定化hSIRP-Fc、およびhCTLA-4-Fc(629
0RU)(下向きの黒三角)上に、可溶性hCD47(18.3μM)を注入し
た。高レベルhSIRP-Fcのkoff=1.6s-1、低レベルhSIRP-Fc
のkoff=2.1s-1、およびhCTLA-4-Fcのkoff=7.0s-1の値は、
解離データ(符号)への指数減衰曲線フィッティング(実線)によって算出した
【図6】 SIRPのNH2末端のVドメインは、CD47と結合する。可溶性ラットC
D4およびhCD47−CD4d3+4を、固定化V-SIRP-Cd4d3+4
(実線)または対照ラットCD4(破線)と共に、フローセルに注入した。
【図7】 ラットOX41/SIRPおよびヒトSIRPαおよびCD47を示す概略図
である。潜在的N連結部位の種差を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61P 25/00 37/02 37/02 // C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA53 CA03 DA02 GA03 4C084 AA17 NA14 ZA012 ZA682 ZA962 ZB072 4C085 AA13 AA14 AA16 AA19 BB41 BB43 EE01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マクロファージの自己免疫疾病への関与を阻害するための組
    成物の調製における、SIRP1αとCD47との間の相互作用を阻害すること
    ができる作用物質の使用。
  2. 【請求項2】 前記作用物質が、CD47のリガンドである、請求項1に記
    載の使用。
  3. 【請求項3】 前記作用物質が、SIRP1αのリガンドである、請求項1
    に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記作用物質が抗体である、請求項2または3に記載の使用
  5. 【請求項5】 前記抗体がOX101である、請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記自己免疫疾病が、関節炎、炎症性腸疾病および多発性硬
    化症からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 CD47とSIRP1αとの間の相互作用を阻害する作用物
    質の有効量を、哺乳動物に投与するステップを含む、マクロファージが関与した
    自己免疫疾病を治療する方法。
  8. 【請求項8】 CD47とSIRP1αとの間の相互作用を阻害することが
    できる作用物質を同定する方法であって、1つ以上の試験化合物をCD47およ
    び/またはSIRP1αに曝露するステップと、試験化合物が、それらの相互作
    用を阻害できる力をモニタリングするステップとを含む方法。
  9. 【請求項9】(a)SIRP1αまたはCD47を、評価すべき化合物およ
    び化合物類とインキュベートするステップと、 (b)SIRP1αまたはCD47に結合する化合物を同定するステップと、 (c)SIRP1αとCD47との間の相互作用を調節できる力について、SI
    RP1αまたはCD47に結合する化合物を評価するステップと を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 ステップ(a)および(b)が、in vitroで実施
    される、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】(i)SIRP1αと、(ii)CD47との間の相互作用
    を分断することができる物質を同定する方法であって、 (a)シグナル制御タンパク質(SIRP)、またはその相同体、変異体または
    誘導体を、第1の成分として提供するステップと、 (b)CD47タンパク質、またはその相同体、変異体または誘導体を、第2の
    成分として提供するステップと、 (c)試験すべき物質が存在しなければ、2成分が相互に作用できるであろう条
    件で、2成分を、試験すべき物質と接触させるステップと、 (d)前記物質が、第1の成分と第2の成分との間の相互作用を分断するかどう
    かを判定するステップと を含む、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 ステップ(c)がin vivoで実施される、請求項9
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ステップ(c)が、自己免疫疾病用動物モデルで実施され
    る、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記動物モデルがEAEである、請求項13に記載の方法
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