JP2003516898A - 自動車構成部分 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、自動車構成部分に関する。この自動車構成部分は、少なくとも２つのフレーム部分１，２から成っている。このフレーム部分１，２は、フレーム部分１，２の形状接続的な結合部を製造するための、相補的なかつ互いに内外に挿入可能な複数の異形成形部３，４を有している。フレーム部分１，２は、有利には押出し異形成形体として軽量構造形式で製造されている。本発明は、自動車のためのコントロールアームにつき説明される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、たとえばコントロールアームのためにまたは補助フレームとしても
使用することができるような自動車構成部分に関する。

【０００２】 自動車のための燃料も数えられる化石燃料の節約の必要性は、このエネルギ担
体のための、減少する蓄え量およびこれに伴って上昇する費用に対処するために
、環境保護の理由からだけでなく経済的な観点からも必要となる。

【０００３】 化石燃料を自動車構造において節約するという可能性は、たとえば重量を減少
させて構成するという点にある。したがって、可能な限り僅かな比重を有する構
成部分が徐々に使用される。解決手段の糸口は、慣用の鋼構造の代わりに、アル
ミニウムまたはマグネシウムのような選択的な材料を自動車構成部分のために使
用するという点にある。

【０００４】 それにもかかわらず、当然ながら、信頼性に関する要求が満たされなければな
らない。このことは、前記材料の使用時には実際に矛盾しているように思える。
逃げ道として、フォームコアまたは骨組み構造を備えたサンドイッチ構成部分が
考えられる。

【０００５】 アルミニウムまたはマグネシウムから成る自動車構成部分を製造するためには
、しばしば鍛造法が使用される。この鍛造法は比較的高価であり、さらに、たと
えば薄い壁厚さと、骨組み構造とを備えた扁平な構造が、極端に高い手間をかけ
てしか実現することができないという欠点を有している。

【０００６】 さらに、自動車構造ではコントロールアームが知られている。このコントロー
ルアームは、押出し成形された骨組み構造から成っている。しかし、この構成は
、中空体を製造するために必要となるコアがウェブによって保持されなければな
らないという欠点を有している。このウェブはコントロールアームの接合におい
て押出しシームを後に残してしまう。このような形式の押出しシームは、接合に
おける欠陥箇所の危険をはらんでいる。この欠陥箇所は、極端に高い品質検査手
間をかけてしか検出することができない。このためには、たとえば非破壊材料検
査（超音波検査）が使用可能である。しかし、このことは、製造プロセスにおい
て時間がかかると同時に高価である。この検査があらゆる構成部分で実施されな
いと、押出しシームにおいて考えられ得る欠陥箇所が、自動車構造における安全
構成部分のために受け入れることができない、信頼性に対するリスクをはらんで
いる。

【０００７】 本発明の技術的な問題点は、僅かな材料費用で廉価に製造することができ、そ
れにもかかわらず、信頼性に関して必要となる要求を満たしているような自動車
構成部分を提供することである。

【０００８】 この技術的な問題点は、請求項１の特徴部に記載の特徴によって解決される。

【０００９】 本発明によれば、自動車構成部分が、少なくとも２つのフレーム部分から成っ
ており、このフレーム部分が、フレーム部分の形状接続的な結合部を製造するた
めの、互いに相補的なかつ互いに内外に挿入可能な複数の異形成形部を有してい
る。

【００１０】 したがって、本発明による解決手段の重要な利点は、個々のフレーム部分を互
いに別個にかつ場合によっては互いに異なる製造法で製造することができ、次い
で、フレーム部分が一体化されるという点にある。このことは、たとえば簡単な
差込み結合またはスナップ結合によって行うことができる。

【００１１】 フレーム部分の形状接続的な結合に基づき、フレーム部分の後加工を不要にす
ることができる。任意の異形成形体構成が考えられ得る。さらに、骨組み構造に
置き換えることができる。このことは、軽量構造要求を有利に満たしている。

【００１２】 本発明のさらなる構成は従属請求項の対象である。

【００１３】 したがって、本発明の思想の改良形では、フレーム部分を押出し異形成形体と
して軽量構造形式で形成することが提案される。押出し成形法は極めて経済的な
製造法である。この製造法によって、自動車構成部分が大量生産構成部としても
製造可能となる。

【００１４】 さらに、互いに相補的な異形成形部がガイドとして形成されていると有利であ
る。このガイドは、自体公知の形式で平坦ガイド、鳩尾状ガイド、角柱状ガイド
またはこれに類するものとして形成することができる。異形成形部を互いに解離
不能に結合するためにプレス嵌めが提供されているので、フレーム部分を互いに
内外に接合する場合にすでに締まり嵌めが達成される。プレス嵌めは、自体公知
の形式で嵌合から成っている。この嵌合では、寸法の小さい構成部分が、この構
成部分の寸法を僅かに上回る構成部分を収容している。

【００１５】 当然ながら、別の結合法も使用することができる。この場合、たとえば互いに
内外に係合する異形成形部の領域での溶接、接着または部分的な材料変形が考え
られている。

【００１６】 さらに、本発明の思想の範囲では、両フレーム部分の結合部が、互いに内外に
挿入可能な異形成形部の領域でクランプによって互いに固定されている。このク
ランプは、フレーム部分の接合後に相応の部分にわたって被せられ、それ自体固
定され得るかもしくは位置固定され得る。

【００１７】 信頼性に関する最も高い要求を満たす自動車構成部分を形成するという課題に
基づき、本発明のさらなる構成によれば、フレーム部分の間に、骨組み構造体と
して形成された補強リブを設けることが提案される。この場合、補強リブは個々
のフレーム部分に直接一体成形されていてもよいし、すでに互いに内外に接合さ
れたフレーム部分内に追補的に挿入されてもよい。この場合、特に構成キット系
として形成された自動車構成部分の製造が提案される。この場合、補強リブは、
負荷に関連して異なる壁厚さを有していて、たとえば互いに異なる材料から成っ
ていてよい。したがって、補強リブの数は、本発明による自動車構成部分の個々
の構成事例に対して変えることができる。

【００１８】 さらに、自動車構成部分が全体的にまたは部分的にアルミニウムまたはマグネ
シウムもしくはプラスチックから製造されていると有利である。この場合、複数
の材料形式の結合は当然ながら本発明の思想の範囲にある。したがって、たとえ
ばフレーム部分をアルミニウム押出し異形成形体として製造し、両フレーム部分
の間に、プラスチックから成る補強リブを挿入することも考えられ得る。

【００１９】 以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。

【００２０】 図面には、特に自動車のホイールサスペンションのための横方向リンクもしく
はコントロールアーム（Ｑｕｅｒｌｅｎｋｅｒ）として使用することができる自
動車構成部分の本発明による構成が例示的に示してある。図示のコントロールア
ーム構成部は、アルミニウム押出し異形成形体として軽量構造形式で製造されて
いる。

【００２１】 図１〜図３では、コントロールアームが２つのフレーム部分１，２から成って
いる。両フレーム部分１，２には、別の自動車構成部分（たとえばボールジョイ
ント）を収容するための開口７，８が一体成形されている。さらに、開口７，８
とは反対に位置する側では、接続部９がフレーム部分１，２に形成されている。
フレーム部分１，２は、互いに相補的な多数の異形成形部３，４；１０，１１を
有している。これらの異形成形部３，４；１０，１１は互いに内外に挿入可能で
あり、形状接続的（ｆｏｒｍｓｃｈｌｕｅｓｓｉｇ）な結合部を形成している。
この場合、Ｔ字形を有していて、適合する切欠き１１内に挿入されている異形成
形部が符号１０で示してある。異形成形部３，４；１０，１１の結合部は、それ
ぞれ図２ａ、２ｂおよび図２ｃに拡大して示してある。

【００２２】 さらに、フレーム部分２には複数の補強リブ６が一体に成形されている。これ
らの補強リブ６の端部領域では、図２ａから明らかに分かるように、それぞれ１
つの櫛状の異形成形部３が補強リブ６に一体成形されている。この異形成形部３
は、フレーム部分１，２の接合時に、この異形成形部３のためにフレーム部分１
に設けられた相補的な収容部４内にそれぞれ挿入される。

【００２３】 図示の構成では、異形成形部３は、相応する収容部４内に収容されている二重
Ｔ字形を有している。形状接続的な結合のために、異形成形部３，４；１０，１
１の間にはそれぞれプレス嵌めが選択されている。フレーム部分１，２の異形成
形部１０，１１は、図２ｂおよび図２ｃから明らかであるように、接続部９の領
域ならびに少なくとも１つの開口７；８の領域で互いに結合されている。

【００２４】 図４および図５には、軽量構造形式で製造された、自動車のためのコントロー
ルアームの別の構成が示してある。図４では、平面図を見ることができ、図５で
は、空間的な図を見ることができる。この場合、自動車のための図示のコントロ
ールアームは、このコントロールアームを自動車のホイールサスペンション部分
に結合させるための、すでに前述した開口７，８と、この開口７，８とは反対の
側に配置されている接続領域９とを備えた２つのフレーム部分１，２から成って
いる。両フレーム部分１，２は、Ｔ字形の異形成形部結合部１０，１１を介して
互いに係合している。両フレーム部分１，２の間のこの形状接続的な結合部は、
一方では開口７の領域にかつ他方では接続部９の領域に位置している。

【００２５】 さらに、両フレーム部分１，２はそれぞれその内周面にわたって分配された複
数の収容部４を有している。これらの収容部４内には補強リブ６が挿入されてい
る。この補強リブ６の端部側の異形成形部３は収容部４内に形状接続的に係合し
ている。補強リブ６とフレーム部分１，２の収容部４との間を固く結合するため
に、ここでも、前述した形式でプレス嵌めが使用され得る。図４および図５に示
した自動車構成部分の構成は可変な構造を許容している。したがって、課せられ
る要求に応じて補強リブ６の数を変えることができる。図４および図５の実施例
では、補強リブ６の、自体つなげられた構造体が両フレーム部分１，２の間に位
置している。また、当然ながら、個々の複数の補強リブが両フレーム部分１，２
の間に挿入可能であるので、ここでは、構造自由度に大きな余地が残されている
。

【００２６】 さらに、図６には、本発明による自動車構成部分の個別部分の固定の可能な構
成が示してある。この場合、相補的に互いに内外に係合する異形成形部３，４の
領域で補強リブ６にわたってクランプ５が、ここでは部分的に示したフレーム部
分１に被せられている。このようなクランプ５は、互いに内外に接合された構成
部分を分離しないように保持するために補助的に使用することができる。

【００２７】 フレーム部分の、上述した本発明による結合によって、欠陥箇所を検出するた
めの監視が製造技術的に極めて簡単となり得るので、最高の品質標準を達成する
ことができると同時に確保することができる。本発明による自動車構成部分は重
量に関して最適化されていて、それにもかかわらず、安定性および強度または結
合部剛性のような、自動車構成部分に課せられる信頼性に関する要求を満たして
いる。この信頼性に関する要求はフレキシブルに使用可能である。なぜならば、
補強リブを付加的にまたは追補的に挿入することによって強度を任意の形式で変
えることができるからである。したがって、本発明による自動車構成部分を極め
て廉価にかつ簡単に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 自動車のためのコントロールアームの平面図である。

【図２ａ】 図１にＩＩａで示した部分に相応するコントロールアームの一部の部分的な拡
大図である。

【図２ｂ】 図１にＩＩｂで示した部分に相応するコントロールアームの一部の部分的な拡
大図である。

【図２ｃ】 図１にＩＩｃで示した部分に相応するコントロールアームの一部の部分的な拡
大図である。

【図３】 自動車のためのコントロールアームを三次元で示す図である。

【図４】 自動車のためのコントロールアーム別の構成を示す図である。

【図５】 図４の構成に相応するコントロールアームを三次元で示す図である。

【図６】 フレーム部分の固定手段の部分的な拡大図である。

【符号の説明】

１ フレーム部分、 ２ フレーム部分、 ３ 異形成形部、 ４ 異形成形
部または収容部、 ５ クランプ、 ６ 補強リブ、 ７ 開口、 ８ 開口、
９ 接続部、 １０ 異形成形部、 １１ 異形成形部または切欠き

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車構成部分において、当該自動車構成部分が、少なくと
   も２つのフレーム部分（１，２）から成っており、該フレーム部分（１，２）が
   、フレーム部分（１，２）の形状接続的な結合部を製造するための、相補的なか
   つ互いに内外に挿入可能な複数の異形成形部（３，４，１０，１１）を有してい
   ることを特徴とする、自動車構成部分。
2. 【請求項２】 フレーム部分（１，２）が、押出し異形成形体として軽量構
   造形式で形成されている、請求項１記載の自動車構成部分。
3. 【請求項３】 異形成形部（３，４，１０，１１）が、平坦ガイド、鳩尾状
   ガイドまたは角柱状ガイドのようなガイドから成っている、請求項１または２記
   載の自動車構成部分。
4. 【請求項４】 異形成形部（３，４，１０，１１）が、自動的な解離に対す
   る、溶接、接着、部分的な材料変形またはプレス嵌めによって製造された固定部
   を有している、請求項３記載の自動車構成部分。
5. 【請求項５】 フレーム部分（１，２）が、クランプ（５）によって互いに
   緊締されている、請求項３記載の自動車構成部分。
6. 【請求項６】 フレーム部分（１，２）の間に、骨組み構造体として形成さ
   れた補強リブ（６）が挿入されている、請求項１から５までのいずれか１項記載
   の自動車構成部分。
7. 【請求項７】 構成キット系として形成された補強リブ（６）の数ならびに
   横断面が、負荷に関連して自由に選択可能であり、個々の構成部分のために、互
   いに異なる材料が使用可能である、請求項６記載の自動車構成部分。
8. 【請求項８】 当該自動車構成部分が、少なくとも部分的にマグネシウム、
   アルミニウムおよび／またはプラスチックから成っている、請求項１から７まで
   のいずれか１項記載の自動車構成部分。