JP2003348858A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP2003348858A
JP2003348858A JP2002149118A JP2002149118A JP2003348858A JP 2003348858 A JP2003348858 A JP 2003348858A JP 2002149118 A JP2002149118 A JP 2002149118A JP 2002149118 A JP2002149118 A JP 2002149118A JP 2003348858 A JP2003348858 A JP 2003348858A
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Masami Hirata
雅己 平田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各アームに設けられた電流検出用抵抗の両端
電圧をA/D変換し、精度良く電流を検出する。 【解決手段】 A/Dコンバータ41、42、43の変
換中に例えばW相のIGBT33bがオフする場合、電
流推定部40は、記憶部39から電流合計値Nsを入力
し、その電流合計値NsをU相、V相のA/D変換値N
u、NvでNssに補正した上で、Nss−Nu−Nvによ
りW相の推定変換値Nwを求める。電流合計値Nsは、
インバータ装置21の製造時において、各アーム31、
32、33に基準電流を流し、その時の各相のA/D変
換値を加算した値を記憶部39に記憶したものである。
これにより、抵抗31c、32c、33cの抵抗値がア
ーム間でばらつく場合でも、検出(推定)した電流値I
u、Iv、Iwに不連続が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素子
と抵抗が直列に接続されたアームを複数備え、抵抗の両
端電圧に基づいて電流を検出するインバータ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】三相ブリッジ構成を持つインバータ装置
において各相の出力電流を検出する方法として、特開平
10−54852号公報に開示された方法がある。この
インバータ装置は、図6に示すようにインバータ回路
1、ゲート駆動回路2、アナログ電流検出回路3および
マイコン4から構成されている。インバータ回路1にお
いて、各アームの下側のトランジスタ5、6、7と電源
線8との間にはそれぞれ電流検出用の抵抗9、10、1
1が接続されている。
【0003】電流検出回路3はホールド用コンデンサ
(図示せず)を備えており、トランジスタ5、6、7が
オンしている期間は抵抗9、10、11の両端電圧を出
力し、オフしている期間はホールドした電圧を出力する
ようになっている。マイコン4は、このアナログ電流検
出回路3の出力電圧をアナログ−ディジタル変換(A/
D変換)して出力電流を検出している。
【0004】この場合、PWM制御されるトランジスタ
5、6、7のオン期間が短いと、ホールドした電圧がオ
フ期間の間に低下するためA/D変換結果に誤差が生じ
る。また、上記公報では述べられていないが、ホールド
回路を使用しない場合にはA/D変換時間が不足する場
合が生じるため、やはりA/D変換結果に誤差が生じ
る。そこで、上記インバータ装置は、3相のうち下アー
ム側トランジスタのオン時間が長い2相を順次選択して
A/D変換を行い、得られた2相の検出電流を直交固定
子座標系の二相交流電流に変換するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成に
おいて電流検出用の抵抗9、10、11の抵抗値または
この抵抗9、10、11の両端電圧を増幅する増幅回路
の増幅率にばらつきが存在すると、各相の検出電流の振
幅に差が生じる。その結果、選択される2相の組み合わ
せの切り替え時に電流の不連続が発生する。
【0006】図7は、上記ばらつきによりU相、V相、
W相の電流振幅がそれぞれ10A、9A、8Aとして検
出される場合に、マイコン4が実質的に検出することと
なる各相の電流検出値を示している。例えば電気角30
°〜150°の期間では、選択されたV相とW相につい
てはA/D変換値がそのまま電流値Iv、Iwとなり、
U相の電流Iuについては−(Iv+Iw)により実質
的に定まることになる。電気角150°〜270°の期
間、および電気角電気角0°〜30°、270°〜36
0°の期間も同様となる。その結果、電気角150°と
270°において検出電流に不連続が発生し、電流フィ
ードバック制御を用いたモータ制御などおいてトルクリ
プルや振動、騒音の発生原因となる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、各アームに設けられた電流検出用抵抗
の両端電圧をA/D変換し、精度良く電流を検出できる
インバータ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載したインバータ装置は、直流電源線
間に接続された第1のスイッチング素子と第2のスイッ
チング素子と抵抗との直列回路であって前記スイッチン
グ素子同士の接続点が出力端子とされたアームを複数備
えたインバータ装置において、各アームについて前記第
2のスイッチング素子がオンしている時に前記抵抗の両
端電圧をアナログ−ディジタル変換することにより各ア
ームの出力電流に応じた電流検出値を得る電流検出手段
と、各アームについての前記電流検出値の合計値が記憶
される記憶手段と、正常なアナログ−ディジタル変換結
果が得られないアームについて、前記記憶手段に記憶さ
れている電流合計値から他のアームについて前記電流検
出手段により得られた電流検出値を減算することによ
り、当該アームの出力電流を推定演算する電流推定手段
とを備えていることを特徴とする。
【0009】この構成によれば、正常な変換結果が得ら
れるアーム、例えば第2のスイッチング素子のオン期間
中に電流検出手段におけるアナログ−ディジタル変換が
終了可能なアームについては、電流検出手段から直接的
に電流検出値を得ることができる。これに対し、正常な
変換結果が得られないアーム、例えば第2のスイッチン
グ素子のオン期間が短く電流検出手段におけるアナログ
−ディジタル変換時間が不足するアームについては、他
のアームについて電流検出手段により得られた電流検出
値を用いて推定演算できる。
【0010】この場合の推定演算は、事前に記憶手段に
記憶されている各アームについての電流合計値から他の
アームについての電流検出値を減算することにより行わ
れる。従って、各アーム間で抵抗の値や電流検出手段の
増幅率にばらつきがあって各アームについての電流合計
値が0にならない場合であっても、当該推定演算により
求めた電流検出値と上記電流検出手段により検出(でき
たと仮定)した場合の電流検出値とが一致する。これに
より、アーム間に上記ばらつきが存在する場合であって
も、第2のスイッチング素子のオン期間の長短(つまり
推定演算の有無)にかかわらず、検出電流に不連続が生
じることなく各アームの出力電流を精度良く検出するこ
とができる。
【0011】この場合、記憶手段に予め各アームに基準
電流を流した状態で電流検出手段により得られた電流検
出値の合計値を記憶しておき、電流推定手段は、この記
憶されている合計値を実際の電流検出値に応じて補正し
た上で電流推定演算を実行することが好ましい(請求項
3)。また、各アームについて電流検出手段により得ら
れた最新の電流検出値の合計値を逐次前記記憶手段に記
憶する記憶制御手段を設けても良い(請求項4)。
【0012】また、請求項5に記載したインバータ装置
は、上記アームを複数備えたインバータ装置であって、
各アームの出力電圧指令信号を演算し、三角波搬送信号
が前記出力電圧指令信号よりも大きい時に前記第2のス
イッチング素子がオンとなるPWM信号を生成するPW
M制御手段と、各アームについて前記抵抗の両端電圧の
アナログ−ディジタル変換を前記三角波搬送信号の最大
点で開始し、各アームの出力電流に応じた電流検出値を
得る電流検出手段と、前記第2のトランジスタのオン時
間が前記アナログ−ディジタル変換に要する時間の2倍
以上となるように、前記PWM信号のデューティ比を制
限するデューティ比制限手段とを備えていることを特徴
とする。
【0013】この構成によれば、アナログ−ディジタル
変換を開始する三角波搬送信号の最大点は、第2のトラ
ンジスタのオン期間のほぼ中央点となる。従って、第2
のトランジスタのオン時間がアナログ−ディジタル変換
に要する時間の2倍以上となるようにPWM信号のデュ
ーティ比を制限することにより、当該オン期間にアナロ
グ−ディジタル変換が終了する。これにより、三角波搬
送信号の各周期ごとにアナログ−ディジタル変換が確実
に行われ、常に最新の変換結果を得て精度良く電流を検
出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しなが
ら説明する。図1は、ブラシレスモータを駆動するイン
バータ装置の電気的構成を示している。この図1におい
て、インバータ装置21は、直流電源部22、インバー
タ部23、制御回路24およびゲート駆動回路25から
構成されている。直流電源部22は、交流電源26の単
相交流電圧を整流するダイオードブリッジ回路27と、
直流電源線28と29との間に接続された平滑用のコン
デンサ30とから構成されている。
【0015】インバータ部23は、三相ブリッジ回路の
形態を有しており、直流電源線28と29との間に接続
されたU相、V相、W相の各アーム31、32、33か
ら構成されている。このうちU相のアーム31は、IG
BT31aとIGBT31bと抵抗31cの直列回路か
ら構成されている。同様に、V相のアーム32は、IG
BT32aとIGBT32bと抵抗32cの直列回路か
ら構成され、W相のアーム33は、IGBT33aとI
GBT33bと抵抗33cの直列回路から構成されてい
る。
【0016】これらIGBT31a、31b、32a、
32b、33a、33bのドレイン・ソース間には、そ
れぞれ図示極性の還流ダイオード31d、31e、32
d、32e、33d、33eが並列に接続されている。
ここで、上アーム側のIGBT31a、32a、33a
は本発明における第1のスイッチング素子に相当し、下
アーム側のIGBT31b、32b、33bは本発明に
おける第2のスイッチング素子に相当する。
【0017】IGBT31aと31bとの共通接続点は
U相のアーム31の出力端子31fとされている。同様
に、IGBT32aと32bとの共通接続点はV相のア
ーム32の出力端子32fとされ、IGBT33aと3
3bとの共通接続点はW相のアーム33の出力端子33
fとされている。各出力端子31f、32f、33fに
は、負荷であるブラシレスモータ34のステータ巻線3
4u、34v、34wが接続されるようになっている。
【0018】ブラシレスモータ34は、ロータに永久磁
石が埋め込まれた構成となっており、ロータ位置を検出
するために120°(電気角)の間隔で配設された3つ
のホールICからなる位置センサ35を備えている。こ
の位置センサ35は、ロータ位置に対応した互いに12
0°の位相差を持つ位置信号Hu、Hv、Hwを出力す
るようになっている。
【0019】制御回路24は、DSPなどの高速演算が
可能なプロセッサにより構成されている。この制御回路
24は、機能的には図1に示すようにベクトル演算部3
6、PWM制御部37(PWM制御手段)、電流検出部
38(電流検出手段)、記憶部39(記憶手段)および
電流推定部40(電流推定手段)から構成されている。
【0020】ベクトル演算部36は、ブラシレスモータ
34のベクトル制御に関する演算を行い、各相の電圧指
令信号Du、Dv、Dwを出力するものである。また、
PWM制御部37は、三角波信号である搬送波信号Sc
を生成する搬送波信号生成回路、コンパレータ、デッド
タイム設定回路(何れも図示せず)を備えて構成されて
おり、電圧指令信号Du、Dv、Dwと搬送波信号Sc
とを比較してPWM信号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dw
p、Dwnを出力するようになっている。これらPWM信
号Dup、Dun、Dvp、Dvn、Dwp、Dwnは、ゲート駆動
回路25を通してそれぞれIGBT31a、31b、3
2a、32b、33a、33bのゲートに与えられる。
【0021】電流検出部38は、それぞれ抵抗31c、
32c、33cの両端電圧を入力とするA/Dコンバー
タ41、42、43から構成されている。A/Dコンバ
ータ41、42、43に対する入力電圧範囲が適当でな
い場合には、電圧変換するためにレベルシフト回路や増
幅回路を付加しても良い。A/Dコンバータ41、4
2、43は、搬送波信号Scの最大点でPWM制御部3
7から出力される開始信号SsによりA/D変換を開始
し、その変換値Nu、Nv、Nwを出力するようになっ
ている。
【0022】記憶部39は、書き換え可能な不揮発性メ
モリなどから構成されており、例えば本インバータ装置
21の工場出荷前において後述する電流合計値Nsが書
き込まれている。
【0023】電流推定部40は、上記開始信号Ssに同
期して電流検出部38から入力した変換値Nu、Nv、
Nwおよび記憶部39から入力した電流合計値Nsに基
づいて、各相の電流Iu、Iv、Iwを求めてベクトル
制御部36に出力するようになっている。
【0024】次に、本実施形態の作用について図2およ
び図3も参照しながら説明する。ベクトル制御部36
は、位置信号Hu、Hv、Hwを用いてブラシレスモー
タ34の回転速度を検出し、その検出回転速度が指令回
転速度と一致するように速度フィードバック制御を行
う。すなわち、ベクトル制御部36は、dq回転座標系
の下で、一定または必要に応じて可変される指令d軸電
流(指令界磁電流)と、速度偏差に基づく比例積分演算
による指令q軸電流(指令トルク電流)とを得る。そし
て、電流推定部40から入力した電流Iu、Iv、Iw
を回転座標変換してd軸電流とq軸電流を求め、それら
がそれぞれ指令d軸電流と指令q軸電流に一致するよう
に電流フィードバック制御を行う。ベクトル制御部36
は、この電流フィードバック制御により指令d軸電圧と
指令q軸電圧を得、それらを回転座標変換してインバー
タ部23が出力すべき指令電圧Vu、Vv、Vwに応じ
た電圧指令信号Du、Dv、Dwを求める。
【0025】図2は、PWM制御部37の動作波形であ
って、上から順に電圧指令信号Du、Dv、Dwと搬送
波信号Sc、PWM信号Su、Sv、Sw、ブラシレス
モータ34の線間電圧Vuv、Vvw、Vwu、およびU相電
流Iuを示している。ここで、PWM信号Su、Sv、
Swは、説明の便宜上デッドタイムを0とした場合のア
ーム31、32、33のスイッチング状態を示してい
る。例えばPWM信号SuがHレベルの時は、PWM信
号DupがHレベル、PWM信号DunがLレベルであっ
て、IGBT31aがオン、IGBT31bがオフとな
る。また、PWM信号SuがLレベルの時は、PWM信
号DupがLレベル、PWM信号DunがHレベルであっ
て、IGBT31aがオフ、IGBT31bがオンとな
る。
【0026】U相のアーム31を例に説明すれば、下ア
ーム側のIGBT31bがオンしている期間、U相電流
Iuは、ステータ巻線34uから出力端子31f、IG
BT31b、抵抗31cを介して直流電源線29に至る
経路、または直流電源線29からダイオード31e、出
力端子31fを介してステータ巻線34uに至る経路で
流れる。従って、下アーム側のIGBT31bがオンし
ている期間における抵抗31cの両端電圧を検出するこ
とにより、U相電流Iuを検出することが可能となる。
【0027】PWM制御部37では、搬送波信号Scが
電圧指令信号Duより大きい時にPWM信号SuがLレ
ベルとなるので、変調率が100%未満である限り搬送
波信号Scの最大点ではPWM信号DunがHレベル(P
WM信号SuがLレベル)となる。従って、各相のA/
Dコンバータ41、42、43は、搬送波信号Scの最
大点に対応した開始信号Ssにより一斉にA/D変換を
開始する。
【0028】A/D変換にはA/Dコンバータ41、4
2、43に固有の変換時間を要する。従って、PWM信
号Dun、Dvn、DwnのHレベル期間(PWM信号Su、
Sv、SwのLレベル期間)が短いと、変換途中でIG
BT31b、32b、33bがオフとなり、各アーム3
1、32、33の出力電流に応じた正しい変換結果が得
られない。搬送波信号Scが三角波信号の場合、正しい
変換値Nu、Nv、Nwが得られるための条件は、以下
の(1)式に示す通りである。 PWM信号Dun、Dvn、DwnのHレベル期間幅≧2・変換時間 …(1) また、仮にサンプル・ホールド回路を付加したとして
も、変調率が100%の場合にはサンプル自体ができな
いため、やはり正しい変換結果が得られない。
【0029】電流推定部40は、PWM信号Dun、Dv
n、Dwnが上記(1)式を満足するか否かを判断し、満
足すると判断した相例えばU相とV相に関してはA/D
変換値Nu、Nvをそのまま用いて電流値Iu、Ivを
求める。これに対し、(1)式を満足しないと判断した
相例えばW相に関しては、記憶部39から電流合計値N
sを入力し、その電流合計値Nsを変換値Nu、Nvで
Nssに補正した上で、次の(2)式により変換値Nwを
推定演算する。そして、この推定変換値Nwを用いてW
相電流Iwを求める。 推定変換値Nw=電流合計値Nss−Nu−Nv …(2)
【0030】ここで用いられる電流合計値Nsは、イン
バータ装置21の製造工程時または検査工程時におい
て、各アーム31、32、33に基準電流を流し、その
時の各相のA/D変換値を加算した値を記憶部39に記
憶したものである。この電流合計値Nsは、少なくとも
1つの正弦波形の基準電流について記憶され、さらに精
度を高めるために複数の基準電流について記憶されてい
ることが好ましい。上記電流合計値Nsの補正は、この
基準電流についての電流合計値Nsを実際の電流につい
ての電流合計値Nssに修正するために必要となる。
【0031】また、記憶部39にA/D変換値としてで
はなく電流値として電流合計値Isを記憶しておき、
(2)式の替わりに次の(3)式を用いてW相電流Iw
を求めても良い。ここでの電流合計値Issは補正値であ
る。 推定電流値Iw=電流合計値Iss−Iu−Iv …(3)
【0032】こうした推定演算は、抵抗値31c、32
c、33cの抵抗値または電流検出部38に付加される
各相の増幅回路の増幅率にばらつきが存在する場合に、
効果的に機能することとなる。図3は、上記ばらつきに
よりU相、V相、W相の電流振幅がそれぞれ10A、9
A、8Aとして検出される場合に、電流推定部40がベ
クトル制御部36に対して出力する電流値Iu、Iv、
Iwを示している。
【0033】この図3は、既に説明した図7と比較し易
いように、各相についてそれぞれPWM信号Dun、Dv
n、DwnのHレベル期間幅が短くなり易い120°期間
において、当該相の電流を上述の推定演算した場合を示
している。すなわち、U相については電気角30°〜1
50°の期間において電流Iuを推定演算し、V相につ
いては電気角150°〜270°の期間において電流I
vを推定演算し、W相については電気角電気角0°〜3
0°、270°〜360°の期間において電流Iwを推
定演算している。実際には(1)式を満足しない時だけ
推定演算すれば良い。
【0034】抵抗値などのばらつきにより電流合計値
(Iu+Iv+Iw)が0にならないため、電流合計値
が0であることを前提として演算する従来構成では、既
述したように推定相の切り替え時において検出電流に不
連続が発生する。これに対し、本実施形態によれば、各
相について、予め実測されている電流合計値の補正値N
ss(またはIss)から他の相の電流値を減算して電流を
推定するので、当該推定演算により求めた電流値と実際
にA/Dコンバータが正常に変換したとするならば得ら
れたであろう電流検出値とが一致する。
【0035】これにより、各アーム間に上記抵抗値など
ばらつきが存在する場合において、変調率が高いために
下アーム側のIGBT31b、32bまたは33bのオ
ン期間が短くなって当該相について正常なA/D変換結
果が得られない場合(従って推定演算が行われる場合)
であっても、その前後において検出電流に不連続が発生
せず、各アームの出力電流を精度良く検出することがで
きる。ベクトル制御部36は、この検出電流に基づいて
ベクトル制御を実行するので、電流制御ループから上記
電流の不連続に起因する電流リプルを排除でき、以てト
ルクリプルや振動、騒音の発生を抑制することができ
る。
【0036】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について図4を参照しながら説明する。図4
は、インバータ装置の電気的構成を示しており、図1と
同一構成部分には同一符号を付している。ここに示すイ
ンバータ装置44は、制御回路45が記憶制御部46
(記憶制御手段)を具備している点に特徴を有してい
る。
【0037】記憶制御部46は、A/Dコンバータ4
1、42、43がA/D変換を完了するごとにその変換
値Nu、Nv、Nwを加算し、その電流合計値Nsを逐
次記憶部39(例えばRAM)に記憶するようになって
いる。ただし、下アーム側の何れかのIGBT31b、
32bまたは33bのオン期間が短く、A/D変換の完
了前にオフに転じたものがある場合には、A/D変換結
果が正しくないため電流合計値Nsの演算および記憶を
行わない。
【0038】この構成によれば、電流推定部40は、最
新の電流合計値Nsを用いて電流推定演算を行うことが
でき、電流合計値Nssへの補正処理が不要となる。この
場合、搬送波信号Scの周波数を電圧Vu、Vv、Vw
の周波数に比べて十分に高く設定すれば、前回のA/D
変換値に基づく電流合計値Nsを用いて電流推定演算を
行っても十分な精度が得られる。また、連続して正しい
A/D変換結果が得られない場合には、第1の実施形態
と同様の方法により予め基準電流に対して記憶されてい
る電流合計値Nsを一時的に用いても良い。
【0039】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態について図5を参照しながら説明する。本実施
形態は、インバータ装置に用いられるPWM制御部に関
するもので、上述したPWM制御部37の構成に加えて
デューティ比制限部(デューティ比制限手段)を備えて
いる。このデューティ比制限部は、下アーム側のIGB
T31b、32b、33b(図1参照)のオン時間がA
/Dコンバータ41、42、43の変換時間の2倍以上
となるように、つまり上述した(1)式が成立するよう
にPWM信号Su、Sv、Swのデューティ比を制限す
る機能を有している。
【0040】図5は、PWM制御部のU相に関する動作
波形であって、上から順に電圧指令信号Duと搬送波信
号Sc、PWM信号Su、PWM信号DupおよびPWM
信号Dunを示している。この図5において、PWM信号
Suは、電圧指令信号Duと搬送波信号Scとの比較信
号であり、PWM信号Dup、Dunにはデッドタイム処理
が施されている。PWM信号SuがLレベルからHレベ
ルに変化すると、PWM信号DunがHレベルからLレベ
ルに変化し、それからデッドタイムTdだけ遅れてPW
M信号DupがHレベルに変化する。
【0041】このデッドタイム処理により、PWM信号
Dunのパルス幅は、搬送波信号Scの最大点よりも先行
する部分においてTdだけ短くなる。従って、PWM信
号DunのHパルス幅が少なくともA/Dコンバータの変
換時間の2倍以上となるように電圧指令信号Duの振幅
を制限することにより、変換時間が不足することがなく
なる。その結果、搬送波信号Scの各周期ごとにA/D
変換が確実に行われ、常に最新の変換結果を得て精度良
く電流を検出することができる。本実施形態のPWM制
御部を従来構成のインバータ装置に適用すれば、既述し
た記憶部39、電流推定部40が不要となる。
【0042】(その他の実施形態)なお、本発明は上記
し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではな
く、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
A/Dコンバータを各相共通に1個設けるとともにマル
チプレクサを設け、そのマルチプレクサを切り替えなが
ら抵抗31c、32c、33cの両端電圧を順次変換す
るようにしても良い。この場合、第1、第2の実施形態
にあっては、電圧指令信号Du、Dv、Dwの大きい相
から順にA/D変換することが好ましい。また、第3の
実施形態にあっては、IGBT31b、32b、33b
のオン時間が(A/Dコンバータの変換時間+マルチプ
レクサの切替時間)の3倍以上となるように、PWM信
号Dun、Dvn、Dwnのデューティ比を制限するように構
成する。
【0043】本発明は単相ブリッジ構成のインバータ装
置にも適用できる。また、負荷はブラシレスモータ34
に限られない。電流検出用の抵抗31c、32c、33
cは、それぞれ直流電源線28とIGBT31a、32
a、33aとの間に接続しても良い。位置センサ35に
は、ホールICに替えてエンコーダやレゾルバを用いて
も良い。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のインバータ装置は、第1のスイッチング素子と第2の
スイッチング素子と抵抗との直列回路からなるアームを
複数備え、第2のスイッチング素子がオンしている時に
抵抗の両端電圧をアナログ−ディジタル変換して電流検
出値を得るものであって、正常なアナログ−ディジタル
変換結果が得られないアームについて、記憶手段に記憶
されている電流合計値から他のアームについて検出され
た電流検出値を減算することにより、当該アームについ
ての電流を推定演算する構成とされている。この構成に
より、各アーム間において上記抵抗の値などにばらつき
が存在しても、第2のスイッチング素子のオン期間の長
短にかかわらず、検出電流に不連続が生じることなく各
アームの出力電流を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すインバータ装置
の電気的構成図
【図2】PWM制御部の動作波形を示す図
【図3】各アームの電流検出用抵抗の値にばらつきがあ
る場合の検出(推定)電流波形図
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図5】本発明の第3の実施形態を示すPWM制御部の
U相に関する動作波形図
【図6】従来技術を示す図1相当図
【図7】図3相当図
【符号の説明】
21、44はインバータ装置、28、29は直流電源
線、31、32、33はアーム、IGBT31a、32
a、33aはIGBT(第1のスイッチング素子)、I
GBT31b、32b、33bはIGBT(第2のスイ
ッチング素子)、31f、32f、33fは出力端子、
37はPWM制御部(PWM制御手段)、38は電流検
出部(電流検出手段)、39は記憶部(記憶手段)、4
0は電流推定部(電流推定手段)、46は記憶制御部
(記憶制御手段)である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源線間に接続された第1のスイッ
    チング素子と第2のスイッチング素子と抵抗との直列回
    路であって前記スイッチング素子同士の接続点が出力端
    子とされたアームを複数備えたインバータ装置におい
    て、 各アームについて前記第2のスイッチング素子がオンし
    ている時に前記抵抗の両端電圧をアナログ−ディジタル
    変換することにより各アームの出力電流に応じた電流検
    出値を得る電流検出手段と、 各アームについての前記電流検出値の合計値が記憶され
    る記憶手段と、 正常なアナログ−ディジタル変換結果が得られないアー
    ムについて、前記記憶手段に記憶されている電流合計値
    から他のアームについて前記電流検出手段により得られ
    た電流検出値を減算することにより、当該アームの出力
    電流を推定演算する電流推定手段とを備えていることを
    特徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 各アームの出力電圧を演算しPWM信号
    を生成するPWM制御手段を備え、 前記電流推定手段は、前記第2のスイッチング素子のオ
    ン時間が所定時間よりも短いアームに対し、前記電流推
    定演算を実行することを特徴とする請求項1記載のイン
    バータ装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶手段には、予め各アームに基準
    電流を流した状態で前記電流検出手段により得られた電
    流検出値の合計値が記憶されており、 前記電流推定手段は、この記憶されている電流合計値を
    実際の電流検出値に応じて補正した上で前記電流推定演
    算を実行することを特徴とする請求項1または2記載の
    インバータ装置。
  4. 【請求項4】 各アームについて前記電流検出手段によ
    り得られた最新の電流検出値の合計値を逐次前記記憶手
    段に記憶する記憶制御手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1または2記載のインバータ装置。
  5. 【請求項5】 直流電源線間に接続された第1のスイッ
    チング素子と第2のスイッチング素子と抵抗との直列回
    路であって前記スイッチング素子同士の接続点が出力端
    子とされたアームを複数備えたインバータ装置におい
    て、 各アームの出力電圧指令信号を演算し、三角波搬送信号
    が前記出力電圧指令信号よりも大きい時に前記第2のス
    イッチング素子がオンとなるPWM信号を生成するPW
    M制御手段と、 各アームについて前記抵抗の両端電圧のアナログ−ディ
    ジタル変換を前記三角波搬送信号の最大点で開始し、各
    アームの出力電流に応じた電流検出値を得る電流検出手
    段と、 前記第2のトランジスタのオン時間が前記アナログ−デ
    ィジタル変換に要する時間の2倍以上となるように、前
    記PWM信号のデューティ比を制限するデューティ比制
    限手段とを備えていることを特徴とするインバータ装
    置。
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