JP2003342721A - 物理的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴット及びその製造方法 - Google Patents

物理的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴット及びその製造方法

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JP2003342721A
JP2003342721A JP2002151064A JP2002151064A JP2003342721A JP 2003342721 A JP2003342721 A JP 2003342721A JP 2002151064 A JP2002151064 A JP 2002151064A JP 2002151064 A JP2002151064 A JP 2002151064A JP 2003342721 A JP2003342721 A JP 2003342721A
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ingot
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physical vapor
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JP2002151064A
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Inventor
Akira Shironita
昭 白仁田
Masahiro Yoshikawa
正博 吉川
Sadachika Umemoto
禎親 梅本
Kenta Inoue
兼太 井上
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Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、耐熱被覆皮膜を形成する蒸着
材料の融点を向上することにあり、更に、蒸着時の耐熱
衝撃性、溶融層安定性に優れた新規な物理的気相成長法
によるセラミックスコーティング用インゴット及びその
製造方法を提供することにある。 【解決手段】本発明のインゴットは、ハフニア、及びハ
フニアに対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の周
期律表3A族元素含有化合物及び希土類元素化合物から
選択される1種または2種以上の安定化剤を含有してな
る焼結体よりなることを特徴とする。また、ハフニアを
40質量%以下の量のジルコニアに置換することもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機や発電機等
のガスタービン翼のような高温に曝される耐熱金属を耐
熱被覆処理する際に使用される物理的気相成長法による
セラミックスコーティング用インゴット及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から航空機や発電機等のガスタービ
ン翼のような高温に曝される耐熱金属にセラミックコー
ティングを施して耐熱被覆処理することが行なわれてい
る。この耐熱被覆処理は、プラズマ溶射法のような溶射
被覆が一般的であったが、最近の蒸着技術の進展に伴っ
て物理的気相成長(Physical Vapor Deposition:PVD)
法が実用化されるようになり、中でも電子線を利用した
電子線照射物理的気相成長(EB-PVD)法が注目され、多
くの技術開発が行なわれている。
【0003】例えば、特開平7−305162号公報に
は、Ni、Co、Feの少なくとも1つを主成分として
構成された基材の表面に、Ni、Coの少なくとも一方
にCr、Alを含んだものと、さらにHf、Ta、Y、
Si、Zrのいずれか1つもしくはそれらの組み合わせ
とからなる結合層を形成する工程と、ZrOを主成分
としCaO、MgO、Yのいずれか1つもしくは
それらの組合わせからなるセラミック材を蒸発・イオン
化して上記合金の結合層上に被覆する工程とを有するこ
とを特徴とするセラミック被覆の製造方法が開示されて
いる。この方法によれば、被膜形成エネルギーが相乗的
に大きくなり、密着強度に優れたセラミック被覆が得ら
れることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような、EB-PVD
法での耐熱被覆皮膜の蒸着材料としては、基材材料との
密着性や断熱性の点からジルコニアが広く使用されてい
るが、ガスタービンエンジンを高効率下に作動させるた
めには、蒸着材料そのものの融点を向上させる必要があ
る。
【0005】従って、本発明の目的は、耐熱被覆皮膜を
形成する蒸着材料の融点を向上することにあり、更に、
蒸着時の耐熱衝撃性、溶融層安定性に優れた新規な物理
的気相成長法によるセラミックスコーティング用インゴ
ット及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジルコニ
アの融点(2700℃)よりも100℃以上高い融点を
有するハフニア(融点2812℃)に着目し、ハフニア
を物理的気相成長法によるセラミックスコーティング用
インゴットとして使用すれば、上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、ハフニア、及び
ハフニアに対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の
周期律表3A族元素含有化合物及び希土類元素化合物か
ら選択される1種または2種以上の安定化剤を含有して
なる焼結体よりなることを特徴とする(以下、「第1発
明」という)。
【0008】また、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、ジルコニア40
質量%以下(ゼロを含まず)及びハフニア60質量%以
上(100質量%を含まず)、及びジルコニア及びハフ
ニアに対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の周期
律表3A族元素含有化合物及び希土類元素化合物から選
択される1種または2種以上の安定化剤を含有してなる
焼結体よりなることを特徴とする(以下、「第2発明」
という)。
【0009】更に、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、不可避不純物の
合計量が、酸化物換算で2質量%以下であることを特徴
とする。
【0010】また、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、周期律表3A族
元素含有化合物が、スカンジウムまたはイットリウムの
酸化物であることを特徴とする。
【0011】更に、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、希土類元素化合
物が、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウ
ム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリ
ニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イッテルビウムまたはルテチウム
の酸化物であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、焼結体のかさ密
度が4〜9g/cmの範囲内にあることを特徴とす
る。
【0013】更に、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットは、焼結体の形状
が、直径10〜100mm、長さ10〜200mmの円
筒形であることを特徴とする。
【0014】また、上記本発明の第1発明に係る物理的
気相成長法によるセラミックコーティング用インゴット
は、ハフニア純度98質量%以上の高純度ハフニア原料
またはハフニア前駆体から選択されるハフニア原料に、
純度98質量%以上の周期律表3A族元素含有化合物及
び希土類元素化合物から選択される1種または2種以上
を安定化剤として前記ハフニア原料中のハフニア含有量
に対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の範囲で添
加してなる混合物粉末を、所定の形状に成形後、得られ
た成形体を酸化雰囲気中1200〜1700℃で焼成す
ることにより焼結体を得ることを特徴として製造するこ
とができる(以下、「第3発明」という)。
【0015】更に、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、周期律表3A族元素含有化合物が、スカンジ
ウムまたはイットリウムの酸化物、ハロゲン化物または
硝酸塩であることを特徴とする。
【0016】また、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、希土類元素化合物が、ランタン、セリウム、
プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウ
ム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウムまたはルテチウムの酸化物、ハロゲン化物また
は硝酸塩であることを特徴とする。
【0017】更に、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、高純度ハフニア原料のハフニア純度が99.
5質量%以上であることを特徴とする。
【0018】また、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末は、
その一部または全量が1100〜1700℃の温度で酸
化雰囲気中で仮焼した後、粉砕して得られた粉体である
ことを特徴とする。
【0019】更に、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末は、
その一部または全量が1100〜1700℃の温度で酸
化雰囲気中で仮焼した後、粉砕し、造粒して得られた造
粒物であることを特徴とする。
【0020】また、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末中の平
均粒径10μm未満の粒子と、平均粒子が10〜300
μmの粒子の割合が、平均粒径10μm未満の粒子の割
合95質量%未満、平均粒子が10〜300μmの粒子
の割合5質量%以上であることを特徴とする。
【0021】更に、本発明の第2発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットは、
ハフニアを除くジルコニア純度98質量%以上の高純度
ジルコニア原料またはジルコニア前駆体から選択される
ジルコニア原料40質量%以下(ゼロを含まず)及びジ
ルコニアを除くハフニア純度98質量%以上の高純度ハ
フニア原料またはハフニア前駆体から選択されるハフニ
ア原料60質量%以上(100質量%を含まず)よりな
る原料混合物に、純度98質量%以上の周期律表3A族
元素含有化合物及び希土類元素化合物から選択される1
種または2種以上を安定化剤として前記原料混合物中の
ジルコニア及びハフニア含有量に対して酸化物換算量で
2.5〜10モル%の範囲で添加してなる混合物粉末
を、所定の形状に成形後、得られた成形体を酸化雰囲気
中1200〜1700℃で焼成することにより焼結体を
得ることを特徴として製造することができる(以下、
「第4発明」という)。
【0022】また、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、ジルコニア原料及びハフニア原料が、ジルコ
ニア含量40質量%以下(ゼロを含まず)及びハフニア
含量60質量%以上(100質量%を含まず)のジルコ
ニア・ハフニア複合酸化物であることを特徴とする。
【0023】更に、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法は、周期律表3A族元素含有化合物が、スカンジ
ウムまたはイットリウムの酸化物、ハロゲン化物または
硝酸塩であることを特徴とする。
【0024】また、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、希土類元素化合物が、ランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウムまたはルテチウムの酸化物、ハロゲン化物
または硝酸塩であることを特徴とする。
【0025】更に、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、高純度ハフニア原料のハフニア純度が、9
9.5質量%以上であることを特徴とする。
【0026】また、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、ジルコニア原料、ハフニア原料及び安定化
剤の混合物粉末が、その一部または全量が1100〜1
700℃の温度で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕して
得られた粉体であることを特徴とする。
【0027】更に、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、ジルコニア原料、ハフニア原料及び安定化
剤の混合物粉末が、その一部または全量が1100〜1
700℃の温度で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕し、
造粒して得られた造粒物であることを特徴とする。
【0028】また、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックスコーティング用インゴットの
製造方法は、ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末中の
平均粒径10μm未満の粒子と、平均粒子が10〜30
0μmの粒子の割合が、平均粒径10μm未満の粒子の
割合95質量%未満、平均粒子が10〜300μmの粒
子の割合5質量%以上であることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の物理的気相成長法による
セラミックコーティング用インゴットは、ハフニアを主
体とするところに特徴を有する。更に詳細には、本発明
の第1発明に係る物理的気相成長法によるセラミックコ
ーティング用インゴットは、ハフニア、及びハフニアに
対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の周期律表3
A族元素含有化合物及び希土類元素化合物から選択され
る1種または2種以上の安定化剤を含有してなる焼結体
よりなる。
【0030】なお、本発明の第1発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットは、
ハフニア及び安定化剤を除く不可避不純物の合計量が、
酸化物換算で2質量%以下、好ましくは0.1質量%以
下の範囲内にある。ここで、不可避不純物としては、例
えばS、C、Ca、Fe、Mg、Ti、Al、Si、N
a、K、Li、Mo、Th、U、W、Pb、W、Bi、
P、Zrまたはこれらの化合物が挙げられる。なお、不
可避不純物の合計量が2質量%を超えると、物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの融
点を低下させるために好ましくない。
【0031】また、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットにおいて、安定化剤
として使用される周期律表3A族元素含有化合物は、例
えばスカンジウムまたはイットリウムの酸化物である。
また、希土類元素化合物は、例えばランタン、セリウ
ム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマ
リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウムまたはルテチウムの酸化物である。これら
の安定化剤は1種または2種以上を併用することができ
るが、イットリアを安定化剤として使用することが最も
好ましい。
【0032】なお、安定化剤の含有量は、ハフニア原料
中のハフニアに対して酸化物換算量で2.5〜10モル
%、好ましくは4〜8モル%の範囲内である。ここで、
安定化剤の含有量が2.5モル%未満であったり、10
モル%を超えると、焼結体に亀裂が発生したり、融点が
低下することがあるために好ましくない。
【0033】また、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットにおいて、焼結体の
かさ密度は、4〜9g/cm、好ましくは5〜8g/
cm の範囲内にあることが好ましい。ここで、焼結体
のかさ密度が4g/cm未満であると、ハフニア被膜
作製時の効率が悪くなるために好ましくなく、また、か
さ密度が9g/cmを超えると、熱衝撃特性が低下す
るために好ましくない。
【0034】更に、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットにおいて、焼結体の
ハフニア単斜晶率は、5〜70%、好ましくは30〜6
0%の範囲内にあることが望ましい。ここで、焼結体の
ハフニア単斜晶率が5%未満であったり、70%を超え
ると、耐熱衝撃性が劣ることがある。なお、本明細書に
記載する述語「ハフニア単斜晶率」は、焼結体から切り
出した小片の表面を軽く研磨し、この面のX線回折パタ
ーンを測定し、下記の式に従って求めたものである:
【数1】
【0035】なお、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットにおいて、焼結体の
形状は特に限定されるものではないが、例えば焼結体の
形状は、直径10〜100mm、長さ10〜200mm
の円筒形であることができる。
【0036】本発明の物理的気相成長法によるセラミッ
クコーティング用インゴットによれば、電子線によりイ
ンゴット表面に急激な温度変化が生じるEB-PVD法におい
てもインゴットに亀裂が発生することなく、従来のジル
コニア皮膜にはない高耐熱性を有するハフニア皮膜を安
定的に形成することができる。
【0037】次に、本発明の第2発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットは、
ジルコニア40質量%以下(ゼロを含まず)及びハフニ
ア60質量%以上(100質量%を含まず)、及びジル
コニア及びハフニアに対して酸化物換算量で2.5〜1
0モル%、好ましくは4〜8モル%の周期律表3A族元
素含有化合物及び希土類元素化合物から選択される1種
または2種以上の安定化剤を含有してなる焼結体よりな
る。
【0038】即ち、本発明の第2発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットは、
ハフニアに代えて40質量%、好ましくは20質量%ま
で量でジルコニアを使用できるものである。本発明者ら
の研究によれば、ジルコニアを40質量%までの量で使
用しても、ジルコニアよりも充分に高融点であることが
判明した。そして、本発明の物理的気相成長法によるセ
ラミックコーティング用インゴットにジルコニアを一部
使用することはコスト的にも有利である。
【0039】なお、本発明の第2発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットは、
ジルコニア、ハフニア及び安定化剤を除く不可避不純物
の合計量が、酸化物換算で2質量%以下、好ましくは
0.1質量%以下の範囲内にある。ここで、不可避不純
物としては、例えばS、C、Ca、Fe、Mg、Ti、
Al、Si、Na、K、Li、Mo、Th、U、W、P
b、W、Bi、Pまたはこれらの化合物が挙げられる。
なお、不可避不純物の合計量が2質量%を超えると、物
理的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴ
ットを用いて成膜したハフニア皮膜の高温下での特性を
劣化させるために好ましくない。
【0040】なお、本発明の第2発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットのハ
フニア単斜晶率は、上記第1発明に準ずるものとする。
【0041】次に、本発明の第3発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法について説明する。本発明の第1発明に係る物理
的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴッ
トは、ハフニア純度98質量%以上の高純度ハフニア原
料またはハフニア前駆体から選択されるハフニア原料
に、純度98質量%以上の周期律表3A族元素含有化合
物及び希土類元素化合物から選択される1種または2種
以上を安定化剤として前記ハフニア原料中のハフニア含
有量に対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の範囲
で添加してなる混合物を、所定の形状に成形後、得られ
た成形体を酸化雰囲気中で焼成することにより焼結体を
得ることを特徴として製造することができる。
【0042】本発明方法に使用するハフニア原料として
は、金属ハフニウムやオキシ塩化ハフニウムを酸化する
等の既知の方法により得られる粉末のような純度98質
量%以上の高純度ハフニア原料、または仮焼後ハフニア
となる水酸化ハフニウム、塩化ハフニウム等のハフニア
前駆体を用いることができる。
【0043】なお、ハフニア原料として高純度ハフニア
原料を使用する場合、不純物を取り除いた高純度のもの
を使用することが好ましい。高純度ハフニア原料中の不
純物の合計量は、酸化物換算で2質量%以下、好ましく
は0.1質量%以下である。ここで、不純物とは、S、
C、Ca、Fe、Mg、Ti、Al、Si、Na、K、
Li、Mo、Th、U、W、Pb、Bi、P、Zrまた
はこれらを含む化合物である。
【0044】次に、本発明方法に使用する安定化剤とし
ては、周期律表3A族元素含有化合物は、例えばスカン
ジウムまたはイットリウム、または希土類元素化合物
は、例えばランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオ
ジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガ
ドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウムまたはルテ
チウム等の酸化物や、仮焼後や焼成工程で分解、酸化し
て酸化物となる水酸化物、ハロゲン化物または硝酸塩等
を用いることができ、これらの化合物は1種または2種
以上を併用することができる。これらの中で、イットリ
アを安定化剤として使用することが最も好ましい。
【0045】なお、安定化剤の含有量は、ハフニア原料
中のハフニアに対して酸化物換算量で2.5〜10モル
%、好ましくは4〜8モル%の範囲内である。ここで、
安定化剤の含有量が2.5モル%未満であったり、10
モル%を超えると、焼結体に亀裂が発生することがある
ために好ましくない。
【0046】また、安定化剤として使用する周期律表3
A族元素含有化合物または希土類元素化合物は、純度9
8質量%以上、好ましくは99.8質量%以上の高純度
のものを使用することが好ましい。ここで、安定化剤の
純度が98質量%未満であると、ハフニア被膜の特性が
劣化するために好ましくない。中でも、イットリア中の
不可避不純物の合計量は、1質量%以下、好ましくは
0.1質量%以下であることが好ましい。
【0047】本発明方法において、ハフニア原料と安定
化剤の混合は、高純度ハフニア粉末と、酸化物、または
水酸化物、ハロゲン化物または硝酸塩のような化合物の
形態の安定化剤を粉砕混合する酸化物混合法、ハフニア
前駆体と、水酸化物、ハロゲン化物または硝酸塩のよう
な化合物の形態の安定化剤とを同時に沈殿させる共沈
法、またはこれらを組み合わせて用いることができる。
【0048】上述のようにして得られた混合物粉末を用
いて、所定の形状に成形し、酸化雰囲気下中1200〜
1700℃で焼成して焼結体を得ることにより、物理的
気相成長法によるセラミックコーティング用インゴット
を製造することができる。
【0049】また、混合物粉末を酸化雰囲気下に仮焼
し、更に、これを粉砕して得られた粉体や、更に、この
粉体を造粒した粉末を所定の形状に成形し、酸化雰囲気
下に焼成することもできる。ここで、仮焼は、例えば1
100〜1700℃、好ましくは1300〜1500℃
の温度範囲で、0.5〜10時間、好ましくは1〜6時
間にわたり行なうことができる。仮焼温度が1100℃
未満では、安定化が進まないため好ましくなく、また、
1700℃を超えると焼結が進行してしまい、仮焼後に
粉砕して粉末とすることができないことがあり、また、
その後の焼成において、焼結が進行しにくいために好ま
しくない。なお、仮焼は、例えば連続炉、単独炉等を用
いて行なうことができる。
【0050】次に、造粒は、スプレードライヤー、スク
リーン造粒装置等を用いて行なうことができる。造粒に
使用するバインダーは、特に限定されるものではない
が、例えば公知のアクリル系バインダーやポリビニルア
ルコール(PVA)バインダー等を用いることができ
る。バインダーの配合量は、粉末に対して0.5〜10
質量%、好ましくは1〜6質量%程度である。なお、こ
れらのバインダーは成形時に保形性が必要な場合に必要
に応じて使用することができる。
【0051】上述のような造粒工程を経て得られた造粒
物の形状は、特に限定されるものではないが、例えば顆
粒の形態であることができ、その粒径は、10〜300
μm、好ましくは50〜150μmの範囲内である。ま
た、造粒物の使用割合も特に限定されるものではなく、
混合物粉末の一部としてまたは全量使用することもでき
る。即ち、上記混合物粉末は、未仮焼粉末、仮焼粉末粉
または仮焼・造粒粉末のみで構成することができ、ま
た、未仮焼粉末、仮焼粉末、仮焼・造粒粉末の2種また
は3種を適宜併用して構成することもできる。また、複
数の仮焼粉末や仮焼・造粒粉末を併用することもでき
る。
【0052】成形は、既知の成形方法、例えば一軸金型
プレスや静水圧や油圧を用いるラバープレス等を使用す
ることができる。この際、適切な成形圧力の設定は、物
理的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴ
ットのかさ密度を決定する上で、焼成温度と並び重要で
ある。通常は、10〜600MPa、好ましくは10〜
100MPaの範囲内で適宜選択することができる。
【0053】得られた成形体の焼成は、連続炉、単独炉
等を用いて行なうことができる。成形体の焼成は、酸化
雰囲気下、焼成温度1200〜1700℃で、1〜10
時間、好ましくは1〜6時間にわたり行なうことができ
る。ここで、焼成温度が1100℃未満であると、成形
体の焼結が充分に進行しないために好ましくなく、ま
た、焼成温度が1700℃を超えると緻密化が促進し過
ぎるために好ましくない。なお、本発明の物理的気相成
長法によるセラミックコーティング用インゴットをEB-P
VD法による蒸着に使用する際、電子線で物理的気相成長
法によるセラミックコーティング用インゴット表面を加
熱すると、アウトガスが発生する。アウトガスの発生は
蒸着系の真空度を引き下げるため、余り好ましくない。
このアウトガスの発生を抑制するためには、成形体をよ
り高温で焼成することが好ましく、例えば1300〜1
700℃の温度で焼成を行なうことが好ましい。
【0054】なお、混合物粉末の粒度分布は、特に限定
されるものではないが、平均粒径10μm未満の粒子
と、平均粒子が10〜300μmの粒子の割合が、平均
粒径10μm未満の粒子の割合95質量%未満(ゼロを
含む)、平均粒子が10〜300μmの粒子の割合5質
量%以上(100質量%を含む)である、混合物粉末の
粒度を上記範囲内に調整することにより、物理的気相成
長法によるセラミックコーティング用インゴットの耐熱
衝撃特性を更に向上させる上で好ましい。
【0055】次に、本発明の第4発明に係る物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴットの製
造方法について説明する。本発明の第2発明に係る物理
的気相成長法によるセラミックコーティング用インゴッ
トは、ハフニアを除くジルコニア純度98質量%以上の
高純度ジルコニア原料またはジルコニア前駆体から選択
されるジルコニア原料40質量%以下(ゼロを含まず)
及びジルコニアを除くハフニア純度98質量%以上の高
純度ハフニア原料またはハフニア前駆体から選択される
ハフニア原料60質量%以上(100質量%を含まず)
よりなる原料混合物に、純度98質量%以上の周期律表
3A族元素含有化合物及び希土類元素化合物から選択さ
れる1種または2種以上を安定化剤として前記原料混合
物中のジルコニア及びハフニア含有量に対して酸化物換
算量で2.5〜10モル%の範囲で添加してなる混合物
粉末を、所定の形状に成形後、得られた成形体を酸化雰
囲気中1200〜1700℃で焼成することにより焼結
体を得ることを特徴として製造することができる。
【0056】本発明の第4発明に係る物理的気相成長法
によるセラミックコーティング用インゴットの製造方法
において、ジルコニア原料としては、金属ジルコニウム
やオキシ塩化ジルコニウムを酸化する等の既知の方法に
より得られる粉末のようなハフニアを除くジルコニア純
度98質量%以上の高純度ジルコニウム原料、または仮
焼後ジルコニウムとなる水酸化ジルコニウム、塩化ジル
コニウム等のジルコニウム前駆体を用いることができ
る。
【0057】また、ハフニア原料としては、ジルコニア
を除くハフニア純度が98質量%以上である以外は上記
第3発明と同様のものを用いることができる。なお、ジ
ルコニア原料とハフニア原料の配合割合は、ジルコニア
原料40質量%以下(ゼロを含まず)、好ましくは0.
1〜20質量%、ハフニア原料60質量%以上(100
質量%を含まず)、好ましくは80〜99.9質量%の
範囲内である。ここで、ジルコニア原料の配合割合が4
0質量%を超えると、即ち、ハフニア原料の配合割合が
60質量%未満となると、得られるインゴットの融点が
低下するために好ましくない。
【0058】なお、ジルコニア原料及びハフニア原料と
して、ジルコニア含量40質量%以下(ゼロを含まず)
及びハフニア含量60質量%以上(100質量%を含ま
ず)のジルコニア・ハフニア複合酸化物を用いることも
できる。ここで、ジルコニア原料やハフニア原料の高純
度品は、それぞれハフニア、ジルコニアが混在している
原料から一方の成分を精製により除去しているものが多
く、コストの掛る高純度品をそれぞれ使用するよりもジ
ルコニア・ハフニア複合酸化物を使用する方がコスト的
に非常に有利である。
【0059】次に、安定化剤もまた上記第3発明と同様
のものを使用することができる。なお、安定化剤の含有
量は、原料混合物中のジルコニア及びハフニアに対して
酸化物換算量で2.5〜10モル%、好ましくは4〜8
モル%の範囲内である。ここで、安定化剤の含有量が
2.5モル%未満であったり、10モル%を超えると、
焼結体に亀裂が発生したり、インゴットの融点が低下す
るために好ましくない。
【0060】本発明方法において、ジルコニア原料、ハ
フニア原料及び安定化剤の混合は、高純度ジルコニア粉
末や高純度ハフニア粉末と、酸化物、または水酸化物、
ハロゲン化物または硝酸塩のような化合物の形態の安定
化剤を粉砕混合する酸化物混合法、ジルコニア前駆体や
ハフニア前駆体と、水酸化物、ハロゲン化物または硝酸
塩のような化合物の形態の安定化剤とを同時に沈殿させ
る共沈法、またはこれらを組み合わせて用いることがで
きる。
【0061】なお、第4発明において、成形工程や焼成
工程は、上記第3発明と同様である。
【0062】また、ジルコニア原料、ハフニア原料及び
安定化剤からなる混合物粉末を酸化雰囲気下に仮焼し、
更に、これを粉砕して得られた粉体や、更に、この粉体
を造粒した粉末を所定の形状に成形し、酸化雰囲気下に
焼成することもできる。ここで、仮焼工程や造粒工程
は、上記第3発明と同様である。
【0063】なお、ジルコニア原料、ハフニア原料及び
安定化剤からなる混合物粉末の粒度分布は、特に限定さ
れるものではないが、平均粒径10μm未満の粒子と、
平均粒子が10〜300μmの粒子の割合が、平均粒径
10μm未満の粒子の割合95質量%未満(ゼロを含
む)、平均粒子が10〜300μmの粒子の割合5質量
%以上(100質量%を含む)である、混合物粉末の粒
度を上記範囲内に調整することにより、物理的気相成長
法によるセラミックコーティング用インゴットの耐熱衝
撃特性を更に向上させる上で好ましい。
【0064】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明の物理的気相
成長法によるセラミックコーティング用インゴット並び
にその製造方法を更に説明する。 実施例 (1)原料の調製:以下の表1に示す割合で高純度ハフ
ニア粉末(HfO、純度:99.9質量%品及び97
質量%品)と、イットリア粉末(Y、純度:9
9.9質量%)、イッテリビア粉末(Yb、純
度:99.9質量%)、ランタニア粉末(La
純度:99.9質量%)及びエルビア粉末(Er
、純度:99.9質量%)をそれぞれ秤量して混
合した。得られた混合物をハフニア焼結体ボールの入っ
た樹脂製ボールミルを用いて水中で10時間湿式粉砕し
た。次に、得られたスラリーを120℃で10時間乾燥
した後、ハフニア容器中で乾式粉砕し、80メッシュの
樹脂篩を通して原料混合物1〜12の中間体を得た。な
お、原料混合物3、6及び9については、下記のような
仮焼及び造粒操作を行なうことなく、上記で得られた中
間体をそのまま使用した。
【0065】次に、上述のようにして得られた中間体に
ついて、下記の処理1〜2を行ない、原料混合物1〜2
5を得た: 処理:原料混合物1、4、7、17、19〜25の中
間体を緻密質アルミナ鞘中、表1に記載する温度で3時
間にわたり大気雰囲気中で仮焼した。次に、仮焼した粉
体をハフニア焼結体ボールの入った樹脂製振動ボールミ
ルを用いた水中で平均粒径3μmまで粉砕した。なお、
粉砕後の粉体の平均粒径は、島津粒度分布測定機SAL
D2000Aを用いて測定したものである。次に、得ら
れたスラリーにアクリル系バインダー(中央理化製:S
A203)を粉末に対して2質量%添加してスプレード
ライヤーによって造粒、乾燥して平均粒径80μmの顆
粒を得た。
【0066】処理:原料混合物2、5、8、10、1
2、13、15及び18の中間体を緻密質アルミナ鞘
中、表1に記載する温度で3時間にわたり大気雰囲気中
で仮焼した。次に、仮焼した粉体をジルコニア乳鉢で、
解砕し、平均粒径約20μmの粉体を得た。得られた粉
体にアクリル系バインダーを外掛で2質量%添加してス
クリーン造粒し、平均粒径80μmの顆粒を得た。
【0067】
【表1】
【0068】(2)成形及び焼成方法 原料混合物1〜25を表2に記載する割合で配合し、樹
脂製V型ブレンドミキサーで混合して混合物粉末を得た
後、この混合物粉末をφ60×150mmのゴム枠に詰
めて静水加圧機により所定圧力で成形した。得られた成
形体を表2に記載する焼成温度で2時間焼成した。得ら
れたインゴットの特性を表2に併記する。
【0069】
【表2】
【0070】表2中、かさ密度は、アルキメデス法によ
り測定した結果である。また、熱衝撃試験は、φ50×
40mmの試料の表面にアセチレン/酸素バーナーのト
ーチ先端を急激にあて、更に、2分間曝すことにより評
価したものである。この際、試料冷却後も大きな亀裂が
発生せず、試料が形状を保持した場合を◎、大きな亀裂
が発生したが、形状そのものは維持された場合を○、破
断するか、または粉々となったものを×として評価し
た。更に、電子線照射試験は、減圧中800℃で5時間
前処理を行なって吸着水等を脱離させたφ50×50m
mの形状のインゴット表面に、真空度10−5トール下
で電子銃(日本電子製:JEBG−203系)を用いて
電子線を照射し、この際、電子線のスキャン幅を5×5
mmとし、電流値を約15分間で900mAまで上昇さ
せ、インゴットの表面温度が3000℃以上となるよう
にして、溶融層を形成させた。この間のインゴットの破
断の有無、溶融層の安定状態を目視により評価し、アウ
トガスの発生量は真空度計により評価することにより行
なったものである。この際、インゴットが破断せず、溶
融層が安定し、蒸着を安定的に行なうことができたもの
を◎、アウトガスが多量に発生し、真空度の低下が大き
いが、インゴットは破断せず、溶融層も安定していたも
のを○、加熱途中でインゴットが破断したものまたは溶
融層が不安定であったものを×とした。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子線照射物理的気相成長法(EB-PVD)装置の電子線が
照射された場合と同様に急激な熱衝撃によっても破断せ
ず、しかも溶融層が安定するため、EB-PVD装置で高品質
なハフニア耐熱遮蔽皮膜を形成することができる物理的
気相成長法によるセラミックコーティング用インゴット
並びにその製造方法を提供することができる。
【0072】また、ハフニアの40質量%までをジルコ
ニアに置換した場合においても、高品質なジルコニア・
ハフニア耐熱遮蔽皮膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅本 禎親 大阪府大阪市住之江区平林南1丁目6番38 号 第一稀元素化学工業株式会社内 (72)発明者 井上 兼太 大阪府大阪市住之江区平林南1丁目6番38 号 第一稀元素化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA11 AA12 AA13 AA14 AA17 AA18 BA22 GA03 GA04 GA05 GA08 GA11 GA14 GA22 GA25 GA27 4K029 DC05 DC09

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハフニア、及びハフニアに対して酸化物
    換算量で2.5〜10モル%の周期律表3A族元素含有
    化合物及び希土類元素化合物から選択される1種または
    2種以上の安定化剤を含有してなる焼結体よりなること
    を特徴とする物理的気相成長法によるセラミックコーテ
    ィング用インゴット。
  2. 【請求項2】 ジルコニア40質量%以下(ゼロを含ま
    ず)及びハフニア60質量%以上(100質量%を含ま
    ず)、及びジルコニア及びハフニアに対して酸化物換算
    量で2.5〜10モル%の周期律表3A族元素含有化合
    物及び希土類元素化合物から選択される1種または2種
    以上の安定化剤を含有してなる焼結体よりなることを特
    徴とする物理的気相成長法によるセラミックコーティン
    グ用インゴット。
  3. 【請求項3】 不可避不純物の合計量が、酸化物換算で
    2質量%以下である、請求項1または2記載の物理的気
    相成長法によるセラミックコーティング用インゴット。
  4. 【請求項4】 周期律表3A族元素含有化合物は、スカ
    ンジウムまたはイットリウムの酸化物である、請求項1
    ないし3のいずれか1項記載の物理的気相成長法による
    セラミックコーティング用インゴット。
  5. 【請求項5】 希土類元素化合物は、ランタン、セリウ
    ム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマ
    リウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジ
    スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
    ッテルビウムまたはルテチウムの酸化物である、請求項
    1ないし3のいずれか1項記載の物理的気相成長法によ
    るセラミックコーティング用インゴット。
  6. 【請求項6】 焼結体のかさ密度が4〜9g/cm
    範囲内にある、請求項1ないし5のいずれか1項記載の
    物理的気相成長法によるセラミックスコーティング用イ
    ンゴット。
  7. 【請求項7】 焼結体の形状は、直径10〜100m
    m、長さ10〜200mmの円筒形である、請求項1な
    いし6のいずれか1項記載の物理的気相成長法によるセ
    ラミックスコーティング用インゴット。
  8. 【請求項8】 請求項1、3ないし7のいずれか1項記
    載の物理的気相成長法によるセラミックスコーティング
    用インゴットの製造方法において、ハフニア純度98質
    量%以上の高純度ハフニア原料またはハフニア前駆体か
    ら選択されるハフニア原料に、純度98質量%以上の周
    期律表3A族元素含有化合物及び希土類元素化合物から
    選択される1種または2種以上を安定化剤として前記ハ
    フニア原料中のハフニア含有量に対して酸化物換算量で
    2.5〜10モル%の範囲で添加してなる混合物粉末
    を、所定の形状に成形後、得られた成形体を酸化雰囲気
    中1200〜1700℃で焼成することにより焼結体を
    得ることを特徴とする物理的気相成長法によるセラミッ
    クスコーティング用インゴットの製造方法。
  9. 【請求項9】 周期律表3A族元素含有化合物は、スカ
    ンジウムまたはイットリウムの酸化物、ハロゲン化物ま
    たは硝酸塩である、請求項8記載の物理的気相成長法に
    よるセラミックスコーティング用インゴットの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 希土類元素化合物は、ランタン、セリ
    ウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サ
    マリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、
    ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、
    イッテルビウムまたはルテチウムの酸化物、ハロゲン化
    物または硝酸塩である、請求項8記載の物理的気相成長
    法によるセラミックスコーティング用インゴットの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 高純度ハフニア原料のハフニア純度が
    99.5質量%以上である、請求項8ないし10記載の
    物理的気相成長法によるセラミックスコーティング用イ
    ンゴットの製造方法。
  12. 【請求項12】 ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末
    は、その一部または全量が1100〜1700℃の温度
    で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕して得られた粉体で
    ある、請求項8ないし11のいずれか1項記載の物理的
    気相成長法によるセラミックスコーティング用インゴッ
    トの製造方法。
  13. 【請求項13】 ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末
    は、その一部または全量が1100〜1700℃の温度
    で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕し、造粒して得られ
    た造粒物である、請求項8ないし11のいずれか1項記
    載の物理的気相成長法によるセラミックスコーティング
    用インゴットの製造方法。
  14. 【請求項14】 ハフニア原料と安定化剤の混合物粉末
    中の平均粒径10μm未満の粒子と、平均粒子が10〜
    300μmの粒子の割合が、平均粒径10μm未満の粒
    子の割合95質量%未満、平均粒子が10〜300μm
    の粒子の割合5質量%以上である、請求項8ないし13
    のいずれか1項記載の物理的気相成長法によるセラミッ
    クスコーティング用インゴットの製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項2ないし7のいずれか1項記載
    の物理的気相成長法によるセラミックスコーティング用
    インゴットの製造方法において、ハフニアを除くジルコ
    ニア純度98質量%以上の高純度ジルコニア原料または
    ジルコニア前駆体から選択されるジルコニア原料40質
    量%以下(ゼロを含まず)及びジルコニアを除くハフニ
    ア純度98質量%以上の高純度ハフニア原料またはハフ
    ニア前駆体から選択されるハフニア原料60質量%以上
    (100質量%を含まず)よりなる原料混合物に、純度
    98質量%以上の周期律表3A族元素含有化合物及び希
    土類元素化合物から選択される1種または2種以上を安
    定化剤として前記原料混合物中のジルコニア及びハフニ
    ア含有量に対して酸化物換算量で2.5〜10モル%の
    範囲で添加してなる混合物粉末を、所定の形状に成形
    後、得られた成形体を酸化雰囲気中1200〜1700
    ℃で焼成することにより焼結体を得ることを特徴とする
    物理的気相成長法によるセラミックスコーティング用イ
    ンゴットの製造方法。
  16. 【請求項16】 ジルコニア原料及びハフニア原料が、
    ジルコニア含量40質量%以下(ゼロを含まず)及びハ
    フニア含量60質量%以上(100質量%を含まず)の
    ジルコニア・ハフニア複合酸化物である、請求項15記
    載の物理的気相成長法によるセラミックスコーティング
    用インゴットの製造方法。
  17. 【請求項17】 周期律表3A族元素含有化合物は、ス
    カンジウムまたはイットリウムの酸化物、ハロゲン化物
    または硝酸塩である、請求項15記載の物理的気相成長
    法によるセラミックスコーティング用インゴットの製造
    方法。
  18. 【請求項18】 希土類元素化合物は、ランタン、セリ
    ウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サ
    マリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、
    ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、
    イッテルビウムまたはルテチウムの酸化物、ハロゲン化
    物または硝酸塩である、請求項15記載の物理的気相成
    長法によるセラミックスコーティング用インゴットの製
    造方法。
  19. 【請求項19】 高純度ハフニア原料のハフニア純度が
    99.5質量%以上である、請求項15記載の物理的気
    相成長法によるセラミックスコーティング用インゴット
    の製造方法。
  20. 【請求項20】 ジルコニア原料、ハフニア原料及び安
    定化剤の混合物粉末は、その一部または全量が1100
    〜1700℃の温度で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕
    して得られた粉体である、請求項15ないし19のいず
    れか1項記載の物理的気相成長法によるセラミックスコ
    ーティング用インゴットの製造方法。
  21. 【請求項21】 ジルコニア原料、ハフニア原料及び安
    定化剤の混合物粉末は、その一部または全量が1100
    〜1700℃の温度で酸化雰囲気中で仮焼した後、粉砕
    し、造粒して得られた造粒物である、請求項15ないし
    19のいずれか1項記載の物理的気相成長法によるセラ
    ミックスコーティング用インゴットの製造方法。
  22. 【請求項22】 ジルコニア原料、ハフニア原料及び安
    定化剤の混合物粉末中の平均粒径10μm未満の粒子
    と、平均粒子が10〜300μmの粒子の割合が、平均
    粒径10μm未満の粒子の割合95質量%未満、平均粒
    子が10〜300μmの粒子の割合5質量%以上であ
    る、請求項15ないし21のいずれか1項記載の物理的
    気相成長法によるセラミックスコーティング用インゴッ
    トの製造方法。
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