JP2003336949A - 冷媒移動器および冷却装置 - Google Patents

冷媒移動器および冷却装置

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JP2003336949A
JP2003336949A JP2002143751A JP2002143751A JP2003336949A JP 2003336949 A JP2003336949 A JP 2003336949A JP 2002143751 A JP2002143751 A JP 2002143751A JP 2002143751 A JP2002143751 A JP 2002143751A JP 2003336949 A JP2003336949 A JP 2003336949A
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mover
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check valve
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Shuichi Tanaka
秀一 田中
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Azbil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 余分な電力を必要とすることなく電子部品等
の発熱体を効率的に冷却することができる静音性に優れ
た冷媒移動器および冷却装置を提供する。 【解決手段】 筐体がなす冷媒通流路に設けられて冷媒
を貯めると共に該冷媒に外部から与えられた熱を伝達す
る貯留部5と、この貯留部の入口に設けられて該貯留部
に冷媒を導入する入口用逆止弁6と、前記貯留部の出口
に設けられて該貯留部において熱を吸収して膨張した冷
媒により駆動されて該冷媒を上記出口から吐出する出口
用逆止弁7とを備える。そして電子部品等の発熱体と冷
媒との間で熱交換して冷却すると共に、熱交換によって
えられた熱エネルギを用いて逆止弁を駆動することで、
高温化した冷媒を放熱体に向けて強制的に送り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノート型パソコン
等の電子機器に組み込むに好適な放熱性および静音性に
優れた冷媒移動器および冷却装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近時、マイクロプロセッサ(CP
U)等の電子部品における高機能化に伴い、その発熱量
が益々増大している。そこで従来では、専ら、マイクロ
プロセッサやメモリ等の半導体電子回路部品に放熱フィ
ンを取り付けたり、或いは空冷ファンを取り付けたりし
ている。しかし空冷ファンを用いた場合、ファンによる
風切音が耳障りとなることが否めない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して特開20
01−237582号公報には、電子回路部品に取り付
けた吸熱部と放熱体との間をポンプを用いて冷媒を循環
させることで、騒音の発生を抑えながら上記電子回路部
品を冷却することが提唱されている。しかしながらこの
種の冷却装置にあっては、ポンプを作動させて冷媒を循
環させる為に、余分な駆動エネルギ(電力)が必要とな
る等の不具合がある。しかもノート型パソコン等の小型
の電子機器においては、ポンプ等の余分な部品をできる
限り用いたくなくと言う要求が強い。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、余分な電力を必要とすることな
くマイクロプロセッサ(CPU)等の電子部品を効率的
に冷却することができ、ノート型パソコン等の電子機器
に組み込むに好適な静音性に優れた冷媒移動器および冷
却装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明に係る冷媒移動器は、その筐体がなす冷媒通
流路に設けられて冷媒を貯めると共に該冷媒に外部から
与えられた熱を伝達する貯留部と、この貯留部の入口に
設けられて該貯留部に冷媒を導入する入口用逆止弁と、
前記貯留部の出口に設けられて該貯留部において熱を吸
収して膨張した冷媒により駆動されて該冷媒を上記出口
から吐出する出口用逆止弁とを具備したことを特徴とし
ている。
【0006】ちなみに前記冷媒通流路をなす筐体は、半
導体基板をエッチング加工してその内部に前記貯留部を
含む、例えば断面矩形状の冷媒通流路を形成したもので
あって、前記入口用逆止弁および出口用逆止弁は、前記
半導体基板のエッチング加工時にマスクされて前記冷媒
通流路の壁面から突出して残される部位からなる薄板状
の撓み可能な弁体と、前記冷媒通流路の壁面に突出して
設けられて上記弁体の先端部にその一方の面側から当接
して該弁体の撓みの向きを規制するストッパとを備えた
ものとして実現される。
【0007】また本発明に係る冷却装置は、内部に冷媒
通路を形成して該冷媒通路を通流する冷媒の熱を外部に
放出する放熱体と、この放熱体の上記冷媒通路に冷媒通
流管を介して接続されて前記放熱体との間に冷媒の閉循
環路を形成して設けられ、該閉循環路に充填された冷媒
に外部の発熱体から加えられる熱を伝達する冷媒移動器
とを具備したものであって、特に前記冷媒移動器を、前
記冷媒を貯めて該冷媒に外部から与えられた熱を伝達す
る所定容積の貯留部と、この貯留部の入口側および出口
側にそれぞれ設けられて該貯留部において吸熱して膨張
した冷媒により駆動されて前記冷媒を一方向に通流させ
る入口用逆止弁および出口用逆止弁とを備えたものとし
て実現したことを特徴としている。
【0008】好ましくは前記冷媒移動器は、その外周面
を発熱体に接触させて用いられるものからなる。また前
記冷媒移動器は、例えば半導体基板をエッチング加工し
て前記貯留部と、この貯留部の入口側および出口側にそ
れぞれ設けられる逆止弁とを一体に形成した、小型で薄
型の部品として実現することが好ましい。また前記冷媒
としては、例えばマイクロプロセッサ(CPU)等の電
子部品の動作を保証する温度において気化する液体を用
いることが好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る冷却装置と、この冷却装置に組み込まれ
る冷媒移動器について説明する。この冷却装置は、例え
ば図1に示すようなノート型パソコンに組み込むに好適
なものであって、基本的には図2に示すように、内部に
冷媒通路を形成した平板状の放熱体1と、この放熱体1
の上記冷媒通路に一対の冷媒通流管2,3を介して接続
された冷媒移動器4とからなる。上記一対の冷媒通流管
2,3は、前記放熱体1と冷媒移動器4との間に冷媒の
閉循環路を形成するもので、該閉循環路には後述する冷
媒が充填される。そして前記放熱体1と冷媒移動器4と
の間で冷媒を循環させることで、マイクロプロセッサ
(CPU)等の電子部品から発せられた熱を前記冷媒移
動器4にて吸収し、放熱体1を介して外部に放出して上
記電子部品を冷却するものとなっている。
【0010】具体的には前記放熱体1は、その全域に亘
って蛇行した冷媒通路を形成した熱伝達率の良好な素材
からなる板状またはシート状の部品からなる。この放熱
体1は、例えばノート型パソコン20の液晶ディスプレ
イ21が装着される蓋体22の内側に密着させて組み込
まれ、該蓋体22と液晶ディスプレイ21との間に挟み
込まれる。
【0011】また前記冷媒移動器4は、後述するように
シリコン等の半導体基板をエッチング加工する等して形
成されて、その内部に冷媒を貯める所定容積の貯留部5
を含む冷媒通流路と、上記貯留部5の入口側および出口
側にそれぞれ設けられた入口用逆止弁6および出口用逆
止弁7とを一体に設けた偏平な形状のものからなる。こ
の冷媒移動器4は、例えば前記ノート型パソコン20の
キーボード23が装着される本体部24に組み込まれ、
特に上記本体部24に内蔵されるマイクロプロセッサ
(CPU)等の電子部品からなる発熱体25の表面に密
着させて設けられる。
【0012】前述した一対の冷媒通流管2,3は、この
ような冷媒移動器4の上記貯留部5と、前記放熱体1の
冷媒通路とを互いに連結して冷媒の閉循環路を形成する
フレキシブルチューブからなる。そしてこの閉循環路に
は、例えば前記発熱体(電子部品)25の安定動作を保
証する温度にて液体から気体へと状態変化する(気化す
る)特性を持つ冷媒が充填される。ちなみにこの冷媒と
しては、例えば沸点が55℃程度の3M社製のフロリナ
ート(商品名)が利用可能である。
【0013】さて基本的には上述した放熱体1と冷媒移
動器4とを一対の冷媒通流管2,3を介して連結して冷
媒の閉循環路を形成した冷却装置において、この発明が
特徴とするところは前記冷媒移動器4が前記発熱体(電
子部品)25からの熱を受けて、その内部に貯めた冷媒
を一方向に向けて強制的に吐出する機能、つまりポンプ
機能を備える点にある。
【0014】即ち、冷媒移動器4は、図3にその概略構
成を示すように、その内部に冷媒を貯める所定容積の貯
留部5を備えると共に、この貯留部5の入口側および出
口側に入口用逆止弁6と出口用逆止弁7とを備えてい
る。これらの逆止弁6,7は、前記貯留部5の入口およ
び出口をそれぞれ実質的に閉塞すると共に、各逆止弁
6,7の両面に加わる冷媒の圧力差を受けて一方向に撓
むことで前記貯留部5の入口側および出口側をそれぞれ
開放し、これによって冷媒を一方向に通流させる役割を
担う。
【0015】ちなみに上記各逆止弁6,7は、例えば図
4にその概略的な断面構造を示すように、貯留部5の入
口および出口を形成する断面矩形状の流路を遮るように
該流路の底部に突設された薄板状の撓み可能な弁体6
a,7bと、その天井部に突設されて上記各弁体6a,7
bの先端部にその一方の面側から当接し、これによって
前記各弁体6a,7bの撓み方向を規制するストッパ6
b,7bとからなる。これらの弁体6a,7bおよびスト
ッパ6b,7bは、後述するように冷媒移動器4の筐体
をなすシリコン等の半導体基板をエッチング加工してそ
の内部に前記貯留部5を含む冷媒の通流路を形成する
際、マスクを用いた選択的なエッチングにより該通流路
の壁面に突出して残される部位として該筐体と一体なも
のとして形成される。
【0016】このように冷媒の貯留部5の入口側および
出口側に上述した逆止弁6,7を備えた構造の冷媒移動
器4は、その筐体の底面を発熱体(電子部品)25の表
面に密着させる等して使用される。そして上記発熱体
(電子部品)25が発生した熱をその内部の貯留部5に
伝達し、前記貯留部5に貯められている冷媒に上記熱を
加えるものとなっている。つまり貯留部5において前記
発熱体(電子部品)25と冷媒との間で熱交換し、発熱
体(電子部品)25を冷却すると共に冷媒を加熱してい
る。この際、冷媒移動器4は、更に発熱体(電子部品)
25から冷媒に与えられる熱をエネルギとして前記逆止
弁6,7を作動させ、これによって冷媒を吐出して該冷
媒を前記放熱体1との間で循環させるポンプとして機能
を呈するものとなっている。
【0017】即ち、上記構造の冷媒移動器4において
は、上述した発熱体(電子部品)25の冷却に伴う貯留
部5内の冷媒の加熱によって該冷媒の温度が高められ
る。そして冷媒の温度がその気化温度に達すると、該冷
媒は貯留部5において気化する。すると冷媒の気化によ
る体積膨張によって貯留部5内の圧力が高まり、その圧
力によって出口用逆止弁7が図4に示すようにその出口
側に向けて撓められる。そして出口用逆止弁7の撓みに
よる前記貯留部5の出口の開放によって、該貯留部5内
の気化成分を含む高温の冷媒が冷媒通流管2を介して放
熱体1に向けて押し出される。この際、入口用逆止弁6
は、ストッパ6bによりその弁体6aの撓みが規制され
ているので、貯留部5の入口が開放されることはない。
この結果、冷媒は前記貯留部5の出口から前述した閉循
環路を一方向に向けて押し出される。
【0018】すると冷媒移動器4から前記冷媒通流管2
を介して放熱体1に向けて押し出された高温の冷媒は、
該放熱体1による外部への放熱作用を受けて冷却され、
その温度が低下することにより前述した如く気化した冷
媒の気体成分は液体に戻る。そして液体に戻った低温の
冷媒は、前記冷媒移動器4から放熱体1へと次々と送り
込まれる気化成分を含む高温の冷媒によって該放熱体1
から押し出され、前記冷媒通流管3を介して冷媒移動器
4へと戻される。
【0019】このようにして冷媒移動器4の入口側へと
戻された低温の冷媒は、前述した気化成分を含む高温の
冷媒の前記貯留部4からの押し出しに伴って該貯留部4
内の圧力が低下した際、入口用逆止弁6を介して貯留部
4に流れ込む。このような冷媒の冷媒移動器4における
吸熱による膨張作用と、放熱体1における放熱による収
縮作用とが前述した冷媒の閉循環路において連続的に生
起され、この結果、冷媒は冷媒移動器4と放熱体1との
間を循環する。そして冷媒移動器4が設けられた発熱体
(電子部品)25からの熱が冷媒を介して放熱体1に移
送されて外部に放出されるので、これによって上記発熱
体(電子部品)25が効果的に冷却される。
【0020】尚、冷媒移動器4として、発熱体(電子部
品)25の大きさに応じた幅広い面積の底面を持つこと
が要求されるような場合には、例えば図5に冷媒移動器
4をその正面(冷媒の出口側)から見た図を示すよう
に、その幅方向に複数の冷媒通流路を平行に形成し、こ
れらの各冷媒通流路毎に前述した逆止弁6,7をそれぞ
れ設けるようにしても良い。このような構造とすること
で、発熱体(電子部品)25としてのマイクロプロセッ
サ(CPU)が、例えば30mm×30mmの表面積を
有する場合であっても、個々の貯留部5をその流路方向
に細長く形成して逆止弁6,7に冷媒の圧力が強く作用
するようにし、各逆止弁6,7による冷媒のポンプ効果
を確実なものとすることができる。
【0021】ところで上述した構造の冷媒移動器4は、
例えば図6(a)〜(i)にその製造工程を分解して示すよ
うにして製造される。先ず図6(a)に示すように板厚
0.5mmのシリコン基板11を準備し、その表面に流
体通流路の側壁面を形成する為のマスク12を平行に形
成する。これらのマスク12は、流体通流路の幅を規定
する間隔を隔てて設けられる。具体的にはシリコン基板
11の表面にマスク材料としてのフォトレジストを塗布
し、該フォトレジストに紫外線を照射してパターニング
した後、これを現像してマスク12とする。そしてこの
マスク12を用いて前記シリコン基板11の表面を、例
えば[SF6+O2]を用いて選択的にドライエッチング
し、図6(b)に示すように前記流体通流路の幅の溝13
を、2μm程度の深さに形成する。
【0022】しかる後、前述したマスク12は残したま
ま、図6(c)に示すように上記溝13の上面に所定の板
厚の前記弁体6,7を形成する為のマスク14を形成す
る。このマスク14は、前記マスク12に対して平面的
に2μm程度を隙間を形成して設けられる。そしてこれ
らのマスク12,14を用いて前記シリコン基板11の
表面を、再度、[SF6+O2]を用いて選択的にドライ
エッチングし、図6(d)に示すように所定深さ(例えば
0.3mm)の流体通流路15を形成する。すると前記
マスク14の直下の半導体がエッチングされずに残され
て、前記流体通流路の底面から突出し、その両壁面との
間に2μm程度の隙間を形成した板状の弁体6a,7a
として形成されることになる。その後、上記マスク1
2,14を除去することにより、図6(e)に示すように
シリコン基板11に樋状の冷媒通流路を形成し、その通
流路内に2つの弁体6a,7aを突出形成した冷媒移動
器4の母体が製作される。
【0023】一方、前記シリコン基板11とは別のシリ
コン基板16を準備し、図6(f)に示すように上記シリ
コン基板16の表面にストッパ6b,7bを形成する為
のマスク17を形成する。そしてこのシリコン基板16
の表面を、前述したシリコン基板11と同様に[SF6
+O2]を用いて選択的にドライエッチングし、図6
(g)に示すように前記マスク17の形成部位を除く領域
を全体的に4μm程度エッチングして掘り下げる。しか
る後、上記マスク17を除去することで、図6(h)に示
すように、その表面にストッパ6b,7bをなす突起を
形成した前記冷媒移動器4の蓋体が製作される。
【0024】その後、上記蓋体を裏返して、図6(i)に
示すように前述した母体の上面に前記冷媒通流路を囲む
ようにして位置合わせし、シリコン同士の直接接合によ
りこれらを接合することで前述した図2および図3に示
す構造の冷媒移動器4が完成される。この際、前記弁体
6a,7aの上端部は、前述した溝13の形成によりそ
の両側の壁部上端よりも2μm程度低く位置付けられて
いるので、蓋体の内壁面(天井面)に接触することがな
い。そして弁体6a,7aは、その側部に位置付けられ
たストッパ6b,7bにより、該ストッパ6b,7b側へ
の撓みが阻止され、その反対側に対してのみ撓み得るよ
うに設けられる。特にこれらの弁体6a,7aと冷媒通
流路の両壁面と天井面との間には、それぞれ2μm程度
の隙間が設けられているので、各弁体6a,7aは壁部
等との摺動摩擦の影響を受けることなく、またパーティ
クルやその応力破壊を招来することなく、冷媒の圧力を
受けて一方向にのみ撓み得るものとなっている。
【0025】ここで上述した如く製作される冷媒移動器
4について検証してみると、発熱体(電子部品)25か
ら冷媒によって奪われる熱量qは、冷媒の熱伝達率を
h、冷媒の流体温度をTf、発熱体(電子部品)25の
表面温度をTsとした場合、 q = h・(Tf−Ts) として表される。一方、冷媒移動器4の大きさから、熱
の移動を示す代表長さLが決定され、一般的には上記代
表長さLは、 L=(2・流路幅×流路高さ)/(流路幅+流路高さ) として与えられる。そこで発熱体(電子部品)25の表
面積Sが30×30mm 2であり、例えばこの寸法に合
わせて流路幅を30mm、流路高さが0.5mmの長さ
30mmの冷媒通流路を形成するものと仮定する。する
と前記発熱体(電子部品)25から発せられる熱量Q
は、その発熱量Pとその表面積Sとから Q=P/S として求められる。この発熱量Qの全てを前述した冷媒
によって奪う熱量qとするべく水(冷媒)の流速vを計
算すると、例えば発熱体(電子部品)25の表面温度T
sが冷媒を気化させ得る100℃であり、また冷媒の流
体温度Tfが75℃である場合、前記水の熱伝達率λ等
の諸特性から略0.032m/秒の流速が必要なことが
求められる。ちなみにこの流速vに前述した流路断面積
を乗ずるとその流量が略0.5mL/秒として求めら
れ、容易に実現可能な流速であることが裏付けられる。
【0026】一方、密閉空間において水(冷媒)が気化
した場合の圧力は、略170MPaにも達する。しかし
前述した冷媒の貯留部5は、逆止弁6,7によって区画
されているだけで密閉されたものではなく、また逆止弁
6,7の開放によってその圧力が外部に逃げるので、気
化した水の圧力は密閉空間における圧力よりも2桁程度
低い、略1.7MPa程度まで高まるに過ぎないと想定さ
れる。
【0027】このとき、前記逆止弁6,7の大きさが前
記流路断面形状(幅30mm、高さ0.5mm)とほぼ
等しく、例えばその厚みが0.25mmであるとする
と、前述した圧力によって逆止弁6,7に加わる最大応
力σmaxは、略2.0×107Paとなる。このように逆止
弁6,7に加わる最大応力σmaxは、シリコンの破壊応力
7.0×108Paに比較して十分小さいので、前記貯留
部5内の水(冷媒)に生起される圧力によって逆止弁
6,7が破壊されることがない。
【0028】従って前述した如く冷媒移動器4を構成し
ても、逆止弁6,7の安定した動作を保証することがで
き、ポンプ作用を確実に発揮させて発熱体(電子部品)
25との間で熱交換した高温の冷媒を確実に放熱体1に
向けて送り出すことが可能となる。これ故、冷媒移動器
4を冷媒による吸熱部として作用させると同時に、その
熱エネルギによって駆動されるポンプとして機能させる
ことができるので、冷却装置を構成する部品として多大
なる効果が奏せられる。
【0029】また上記構成の冷媒移動器4を用いれば、
従来のようにポンプを用いて冷媒を循環させる必要がな
いので、ポンプの駆動に要する電力が不要であり、また
ポンプの作動に伴う騒音が発生することもない。従って
電力消費を伴うことがなく、しかも静音性に優れた熱交
換効率の高い冷却装置を簡易に構築することが可能とな
る等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【0030】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば冷媒移動器の大きさや、その内
部に形成する冷媒通流路の断面積、更には冷媒の貯留部
5の容積等は、熱交換仕様に応じて定めれば良いもので
ある。またここではシリコン基板を用いて冷媒移動器を
実現したが、熱伝導性の高いアルミニウム等を用いて構
成することも勿論可能である。更には冷媒としては、前
述したフロリナートに代えて、アルコール系のものを適
宜用いることができる。その他、本発明はその要旨を逸
脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ポ
ンプ等の動力体を用いることなく、発熱源から与えられ
る熱エネルギを利用して、上記熱エネルギを冷媒に吸収
しながら高温化された冷媒を強制的に送り出すことので
きる冷媒移動器を実現することができる。そしてこの冷
媒移動器を用いて、静音性に優れた熱交換効率の高い冷
却装置を簡易に構築することができる等の実用上多大な
る効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る冷却装置が組み込まれるノート型
パソコンの例を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る冷却装置の概略構成
を示す図。
【図3】図2に示す冷却装置の主要部をなす冷媒移動器
の概略構成を示す図。
【図4】冷媒移動器の断面構造を示す図。
【図5】複数の冷媒通流路を並列に設けた冷媒移動器の
例を示す正面図。
【図6】冷媒移動器の製造過程を分解して示す図。
【符号の説明】
1 放熱体 2,3 冷媒通流管 4 冷媒移動器 5 冷媒の貯留部 6 入口用逆止弁 7 出口用逆止弁 6a,7a 弁体 6b,7b ストッパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 1/00 360A

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体がなす冷媒通流路に設けられて冷媒
    を貯めると共に該冷媒に外部から与えられた熱を伝達す
    る貯留部と、 この貯留部の入口に設けられて該貯留部に冷媒を導入す
    る入口用逆止弁と、 前記貯留部の出口に設けられて該貯留部において熱を吸
    収して膨張した冷媒により駆動されて該冷媒を上記出口
    から吐出する出口用逆止弁とを具備したことを特徴とす
    る冷媒移動器。
  2. 【請求項2】 前記冷媒通流路をなす筐体は、半導体基
    板をエッチング加工してその内部に前記貯留部を含む冷
    媒通流路を形成したものであって、 前記入口用逆止弁および出口用逆止弁は、前記半導体基
    板のエッチング加工時にマスクされて前記冷媒通流路の
    壁面から突出して残される部位からなる薄板状の撓み可
    能な弁体と、前記冷媒通流路の壁面に突出して設けられ
    て上記弁体にその一方から当接して該弁体の撓みの向き
    を規制するストッパとからなるものである請求項1に記
    載の冷媒移動器。
  3. 【請求項3】 内部に冷媒通路を形成して該冷媒通路を
    通流する冷媒の熱を外部に放出する放熱体と、 この放熱体の上記冷媒通路に冷媒通流管を介して接続さ
    れて前記放熱体との間に冷媒の閉循環路を形成して設け
    られ、該閉循環路に充填された冷媒に外部の発熱体から
    加えられる熱を伝達する冷媒移動器とからなり、 前記冷媒移動器は、前記冷媒を貯めて該冷媒に外部から
    与えられた熱を伝達する貯留部と、この貯留部の入口側
    および出口側にそれぞれ設けられて該貯留部において吸
    熱して膨張した冷媒により駆動されて前記冷媒を一方向
    に通流させる入口用逆止弁および出口用逆止弁とを具備
    したことを特徴とする冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記冷媒移動器は、その外周面を発熱体
    に接触させて用いられるものである請求項3に記載の冷
    却装置。
  5. 【請求項5】 前記冷媒移動器は、半導体基板を加工し
    て所定容積の前記貯留部と、この貯留部の入口側および
    出口側にそれぞれ設けられる逆止弁とを一体に形成した
    ものからなる請求項3に記載の冷却装置。
  6. 【請求項6】 前記冷媒は、所定温度において気化する
    液体からなる請求項3に記載の冷却装置。
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