JP2003329979A - 光学ローパスフィルタ - Google Patents

光学ローパスフィルタ

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JP2003329979A
JP2003329979A JP2002142617A JP2002142617A JP2003329979A JP 2003329979 A JP2003329979 A JP 2003329979A JP 2002142617 A JP2002142617 A JP 2002142617A JP 2002142617 A JP2002142617 A JP 2002142617A JP 2003329979 A JP2003329979 A JP 2003329979A
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birefringence
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JP2002142617A
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Shinya Mita
真也 三田
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Kyocera Crystal Device Corp
Original Assignee
Kyocera Crystal Device Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ローパスフィルをより容易に製造可能な
状態でより薄くする。 【解決手段】 入射光が通過する光路上に、ニオブ酸リ
チウム(LN:LiNbO3)結晶板101と水晶板1
02を配置する。LN結晶板101は、例えば、切断角
度が135°であり、板厚が0.160mmの平行平板
である。また、水晶板102は、例えば、切断角度が4
5°であり、板厚が0.36mmの平行平板である。ま
た、LN結晶板101は、水晶板102より高い複屈折
率を有するものであり、ニオブ酸リチウム結晶板101
に対する水晶板102の分離方向は180°である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折する結晶を
用いた光学ローパスフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】色フィルタアレイを用いて3色(RG
B)信号を得る単板式のカラー撮像素子では、色フィル
タアレイのピッチ相当の高い空間周波数成分の信号が入
ってくると、モアレと呼ばれる偽色信号が発生する。偽
色信号が発生すると、撮影したカラー画像は著しく劣化
する。また、CCD撮像素子やCMOS撮像素子などの
固体撮像素子では、光電変換を行う各画素がディスクリ
ートな形で分離しているため、明暗の周期が各画素のピ
ッチの1/2以下の高い空間周波数成分が入ってくる
と、高周波成分の折り返し像が低周波成分として出力さ
れる偽解像信号が発生し、撮影した像の解像度を低下さ
せる要因となっている。
【0003】以上のような撮像素子における問題を避け
るために、光学ローパスフィルタが用いられ、高い空間
周波数成分を抑えることにより像を故意にぼかすように
している。光学ローパスフィルタとしては、水晶などの
複屈折を有する結晶板(平行平板)が主に用いられてい
る。複屈折を有する結晶板を用いる光学ローパスフィル
タは、光像の異常光を常光から画素間の距離に対応する
距離だけずらして結像させることで光像をぼかし、上記
問題の発生原因となる高周波成分をカットするようにし
ている。例えば、主表面(光入射面)を光学軸に対して
45°に切断した厚さ(光路長)1.36mmの水晶板
の場合、波長632.8nm時において、常光と異常光
の分離幅は約8μmとなる。
【0004】ところで、デジタルカメラや家庭用のビデ
オカメラは、より小型にすることを要求される場合が多
く、光学系を配置するための内部空間は、可能な限り小
さくすることが要求されている。従って、上述した光学
ローパスフィルタも、より薄くすることが要求されてい
る。例えば、高い複屈折率を有するニオブ酸リチウムを
用いれば、主表面を光学軸に対して135°に切断した
厚さ(光路長)0.209mmのもので、波長632.
8nm時において、常光と異常光の分離幅は、上述した
水晶板と同じ分離幅8μmとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、画素の
微細化が進みより小さな分離幅の光学ローパスフィルタ
が要求される中で、ニオブ酸リチウムを用いようとする
と、より薄い板厚が必要となる。例えば、波長632.
8nmの光線下において、主表面を光学軸に対して13
5°に切断した分離幅4μmのニオブ酸リチウム板は、
厚さが0.104mmとなる。このような薄い板の作製
は、技術的に非常に困難である。また、例えば赤外線カ
ットフィルタと組み合わせて用いるために貼り合わせる
場合や、表面の反射防止コート等により、反りが発生し
易いなど、取り扱いも難しいものとなる。
【0006】本発明は、以上のような問題点を解消する
ためになされたものであり、光学ローパスフィルタをよ
り容易に製造可能な状態でより薄くすることを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光学ローパ
スフィルタは、入射光が通過する同一の光路上に配置さ
れ、異なる屈折率を有する少なくとも2つの複屈折板を
備え、複屈折板の一方は、複屈折板の他方よりも低い複
屈折性を有し、この他方の複屈折板と180°異なる方
向に入射光を分離するものである。この光学ローパスフ
ィルタでは、一方の複屈折板の分離方向は他方の複屈折
板の分離方向の逆となり、他方の複屈折板の分離幅より
一方の複屈折板の分離幅を減じた値が、光学ローパスフ
ィルタの分離幅となり、1つの複屈折板(1つのフィル
タ部)として見なすことができる。
【0008】本発明の他の形態に係る光学ローパスフィ
ルタは、入射光が通過する同一の光路上に配置された第
1低複屈折板及びこれより高い複屈折性を有して第1低
複屈折板とは異なる分離幅を有する第1高複屈折板から
なる第1フィルタ部と、光路上に配置された第2低複屈
折板及びこれより高い複屈折性を有して第2低複屈折板
とは異なる分離幅を有する第2高複屈折板からなる第2
フィルタ部とを備えたものであり、第1低複屈折板は、
第1高複屈折板と180°異なる方向に入射光を分離
し、第2低複屈折板は、第2高複屈折板と180°異な
る方向に入射光を分離し、第1フィルタ部による入射光
の分離方向は、第2フィルタ部による入射光の分離方向
と異なるものである。この光学ローパスフィルタでは、
各フィルタ部において、低複屈折板の分離方向は高複屈
折板の分離方向の逆となり、高複屈折板の分離幅より低
複屈折板の分離幅を減じた値が、各フィルタ部における
分離幅となる。
【0009】また、各フィルタ部の一部のみ、本発明に
変更することもできる。入射光が通過する同一の光路上
に配置された第1低複屈折板、及びこれより高い複屈折
性を有して前記第1低複屈折板とは異なる分離幅を有す
る第1高複屈折板からなる第1フィルタ部と、前記光路
上に配置された第2高複屈折板からなる第2フィルタ部
とを備え、前記第1低複屈折板は、前記第1高複屈折板
と180°異なる方向に前記入射光を分離し、前記第1
フィルタ部による前記入射光の分離方向は、前記第2フ
ィルタ部による前記入射光の分離方向と異なるものであ
る。この光学ローパスフィルタでは、第1フィルタ部に
おいて、低複屈折板の分離方向は高複屈折板の分離方向
の逆となり、高複屈折板の分離幅より低複屈折板の分離
幅を減じた値が、第1フィルタ部における分離幅とな
り、第2フィルタ部は、第2高複屈折板の分離幅とな
る。
【0010】上記光学ローパスフィルタにおいて、例え
ば、第2フィルタ部による入射光の分離方向は、第1フ
ィルタ部による入射光の分離方向と45°異なるものと
すればよい。また、上記光学ローパスフィルタに、新た
に、光路上に配置された第3低複屈折板及びこれより高
い複屈折性を有して第3低複屈折板とは異なる分離幅を
有する第3高複屈折板からなる第3フィルタ部を備える
ようにし、第3低複屈折板は、第3高複屈折板と180
°異なる方向に入射光を分離し、第3フィルタ部による
入射光の分離方向は、第1フィルタ部による前記入射光
の分離方向及び第2フィルタ部による入射光の分離方向
と異なるものとしてもよい。また、上記光学ローパスフ
ィルタにおいて、例えば、第3フィルタ部による入射光
の分離方向は、第1フィルタ部による入射光の分離方向
と90°異なるようにすればよい。
【0011】上記光学ローパスフィルタにおいて、第1
高複屈折板と第2高複屈折板と第3高複屈折板は、例え
ば、ニオブ酸リチウムの結晶から構成された複屈折板と
し、第1低複屈折板と第2低複屈折板と第3低複屈折板
は、例えば、水晶から構成された複屈折板とすればよ
い。
【0012】本発明の他の形態に係る光学ローパスフィ
ルタは、入射光が通過する同一の光路上に、入射光の入
射する側より順に配置された第1低複屈折板、第1高複
屈折板、第2高複屈折板,第3高複屈折板,第2低複屈
折板を備えたものであり、第1〜第3高複屈折板は、第
1,2低複屈折板より高い複屈折性を有して第1,2低
複屈折板とは異なる分離幅を有し、第1高複屈折板は、
入射光を第1方向に分離し、第1低複屈折板は、入射光
を第1方向と180°異なる第2方向に分離し、第2高
複屈折板は、入射光を第1方向と45°異なる第3方向
に分離し、第3高複屈折板は、入射光を第1方向と90
°異なる第4方向に分離し、第2低複屈折板は、入射光
を第4方向と180°異なる第5方向に分離するもので
ある。この光学ローパスフィルタは、第1低複屈折板及
び第1高複屈折板からなるフィルタ部と、第2高複屈折
板からなるフィルタ部と、第3高複屈折板及び第2低複
屈折板からなるフィルタ部とから構成されている。
【0013】上記光学ローパスフィルタにおいて、第1
高複屈折板と第2高複屈折板と第3高複屈折板は、例え
ば、ニオブ酸リチウムの結晶から構成された複屈折板と
し、第1低複屈折板と第2低複屈折板は、例えば、水晶
から構成された複屈折板とすればよい。
【0014】本発明の他の形態に係る光学ローパスフィ
ルタは、入射光が通過する同一の光路上に、入射光の入
射する側より順に配置された第1低複屈折板、第1高複
屈折板、第2低複屈折板,第2高複屈折板、第3高複屈
折板を備えたものであり、第1〜第3高複屈折板は、第
1,2低複屈折板より高い複屈折性を有して第1,2低
複屈折板とは異なる分離幅を有し、第1高複屈折板は、
入射光を第1方向に分離し、第1低複屈折板は、入射光
を第1方向と180°異なる第2方向に分離し、第2高
複屈折板は、入射光を第1方向と90°異なる第3方向
に分離し、第2低複屈折板は、入射光を第3方向と18
0°異なる第4方向に分離し、第3高複屈折板は、入射
光を第1方向と45°異なる第3方向に分離するもので
ある。この光学ローパスフィルタは、第1低複屈折板及
び第1高複屈折板からなる第1フィルタ部と、第2低複
屈折板、第2高複屈折板からなる第2フィルタ部と、第
3高複屈折板からなる第3フィルタ部とから構成されて
いる。
【0015】上記光学ローパスフィルタにおいて、第1
高複屈折板と第2高複屈折板と第3高複屈折板は、例え
ば、ニオブ酸リチウムの結晶から構成された複屈折板と
し、第1低複屈折板と第2低複屈折板は、例えば、水晶
から構成された複屈折板とすればよい。
【0016】本発明の他の形態に係る光学ローパスフィ
ルタは、入射光が通過する同一の光路上に、入射光の入
射する側より順に配置された第1低複屈折板、第1高複
屈折板、1/4λ板、第2高複屈折板、第2低複屈折板
を備えたものであり、第1,第2高複屈折板は、第1,
2低複屈折板より高い複屈折性を有して第1,2低複屈
折板とは異なる分離幅を有し、第1高複屈折板は、入射
光を第1方向に分離し、第1低複屈折板は、入射光を第
1方向と180°異なる第2方向に分離し、第2高複屈
折板は、入射光を第1方向と90°異なる第3方向に分
離し、第2低複屈折板は、入射光を第3方向と180°
異なる第4方向に分離するものである。この光学ローパ
スフィルタは、第1低複屈折板及び第1高複屈折板から
なる第1フィルタ部と、1/4λ板と、第2低複屈折
板、第2高複屈折板からなる第2フィルタ部から構成さ
れている。
【0017】上記光学ローパスフィルタにおいて、第1
高複屈折板と第2高複屈折板は、例えば、ニオブ酸リチ
ウムの結晶から構成された複屈折板とし、第1低複屈折
板と第2低複屈折板は、例えば、水晶から構成された複
屈折板とすればよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。図1(a)は、本発明の実施
の形態における光学ローパスフィルタの構成例を示す概
略的な断面図である。この光学ローパスフィルタは、入
射光が通過する光路上にニオブ酸リチウム(LN:Li
NbO3)結晶板101と水晶板102を配置したもの
である。LN結晶板101は、例えば、切断角度が13
5°であり、板厚が0.160mmの平行平板である。
なお、切断角度は、結晶板の光学軸と、結晶板の入射面
とのなす角度を示すものである。また、水晶板102
は、例えば、切断角度が45°であり、板厚が0.36
mmの平行平板である。また、LN結晶板101は、水
晶板102より高い複屈折率を有するものである。
【0019】本発明により、LN結晶板101と水晶板
102とは、入射光の分離方向を180°異なるように
する。LN結晶板101は、板厚が0.160mmなの
で、分離幅が6.13μmとなるが、分離方向が180
°異なる板厚0.36mmの水晶板102により、分離
幅が2.13μm戻される。ここでは、LN結晶板10
1の分離幅の方が、水晶板102の分離幅より大きい状
態としてある。この結果、図1(a)のローパスフィル
タによれば、図1(d)に示すように、入射光は分離幅
4μmに2点分離される。
【0020】例えば、波長632.8nm付近の光を対
象として分離幅4μmとなる光学ローパスフィルタを水
晶板のみで構成した図1(c)の場合、この光学ローパ
スフィルタは厚さ0.68mmとなる。従って、上述し
た本実施の形態における光学ローパスフィルタの方が、
厚さ0.52mmと薄くできる。一方、分離幅4μmと
なる光学ローパスフィルタをLN結晶板のみで構成した
図1(b)の場合、この光学ローパスフィルタは厚さ
0.104mmとなる。この場合、上述した本実施の形
態における光学ローパスフィルタより薄い。しかしなが
ら、このような薄いLN結晶板を製造することは容易で
はない。なお、以降では、波長632.8nm付近の光
を対象とした場合を例に説明する。
【0021】LN結晶板は、0.160mm程度の厚さ
であれば、0.104mmと比べて製造が容易であり、
また、貼り合わせでの反りが発生を抑制できる。本実施
の形態では、LN結晶板単独では容易に製造できない分
離幅において、容易に製造可能な厚さにLN結晶板10
1を形成し、これに分離幅調整板として水晶板102を
組み合わせるようにしたので、図1(c)に示すように
水晶板104のみで構成する場合よりも薄くすることが
可能となる。また、図1(b)に示すように、LN結晶
板103単独で製造するよりも容易に製造できる。ま
た、上述したことにより、光学ローパスフィルタの厚さ
に拘束されずに、任意の分離幅を実現することができ
る。
【0022】なお、LN結晶板とこれに組み合わせる分
離幅調整板としての水晶板の各板厚は、図2に示すよう
に、所望とする分離幅に合わせて適宜設定すればよい。
例えば、分離幅5μmとする場合、切断角度135°と
した板厚0.16mmのLN結晶板105に、切断角度
45°とした板厚0.19mmの水晶板106を、分離
方向が180°異なった状態で組み合わせればよい。こ
の場合でも、合計の板厚が0.35mmとなる。
【0023】また、LNを切断角度135°とした板厚
0.18mmのLN結晶板107とした場合、分離幅は
6.9μmとなるため、分離幅1.9μmとなる切断角
度45°とした板厚0.32mmの水晶板108を、分
離方向が180°異なった状態で組み合わせることによ
り(図2(b))、分離幅を5μmとなり、合計の板厚
が0.50mmとなる。この場合でも水晶板のみで構成
した板厚0.85mmの光学ローパスフィルタ図2
(c)より薄くできる。
【0024】また、本実施の形態の光学ローパスフィル
タによれば、例えばLN結晶板は切断角度を約135
°、水晶板は切断角度45°としており、分離幅の入射
角依存性を極力抑えた状態とすることができる。
【0025】ところで、一般には、図5(a)に示すよ
うに、1枚の複屈折板501で、図5(a−1),(a
−2),(a−3)に示すように2点分離が実現でき、
図5(b)に示すように2枚の複屈折板502,503
で、図5(b−1),(b−2)に示すような4点分離
が実現でき、図5(c)に示すように3枚の複屈折板5
04,505,506で、図5(c−1),(c−
2),(c−3),(c−4),(c−5)に示すよう
な7点〜8点分離が実現できる。
【0026】また、図6(a)に示すような3枚の複屈
折板507,508,509で構成し、図6(a−
1),(a−2),(a−3),(a−4)に示すよう
に4点分離が実現でき、図6(b)に示すような2枚の
複屈折板510,512と1/4λ板511で、図6
(b−1),(b−2)に示すように4点分離を実現す
ることができる。本発明は、これらのいずれにも適用で
きるものである。
【0027】例えば、図5(b)に示す形態の複屈折板
2枚による4点分離のローパスフィルタについて本発明
を適用した場合、図3(a)に示すように、入射光が通
過する光路上に、LN結晶板(第1高複屈折板)110
と水晶板(第1低複屈折板)111とLN結晶板(第2
高複屈折板)112と水晶板(第2低複屈折板)113
とを配置したものとしてもよい。このように構成する
と、LN結晶板110と水晶板111とで一組のフィル
タ部が形成され、LN結晶板112と水晶板113とで
他のフィルタ部が形成された状態となる。従って、各フ
ィルタ部が、図1(a)に示した光学ローパスフィルタ
と同様の構成となる。
【0028】図3において、LN結晶板110,112
は、例えば、切断角度が135°であり、板厚が0.1
60mmの平行平板である。また、水晶板111,11
3は、例えば、切断角度が45°であり、板厚が0.3
6mmの平行平板である。また、水晶板111は、LN
結晶板110に対して分離方向が180°異なるように
し、LN結晶板112は、LN結晶板110に対して分
離方向が45°異なるようにし、水晶板113は、LN
結晶板112に対して分離方向が180°異なるように
する。
【0029】従って、図3(a)に示す光学ローパスフ
ィルタは、LN結晶板110及び水晶板111からなる
光学ローパスフィルタ(第1フィルタ部)と、これとは
分離方向が45°異なるLN結晶板112及び水晶板1
13からなる光学ローパスフィルタ(第2フィルタ部)
とを、入射光が通過する光路上に配置して組み合わせた
ものである。この光学ローパスフィルタは、図3(b)
に示すように4点に分離し、また分離幅は4μmであ
る。
【0030】ここで、この光学ローパスフィルタを切断
角135°のLN結晶板のみで構成する場合、一枚当た
りの厚さが0.104mmと薄くなり、製造することは
容易ではない。しかしながら、上述したように、本実施
の形態によれば、LN結晶板110は、板厚が0.10
4mmの場合と比較して製造や取り扱いが容易となる。
また、上記光学ローパスフィルタを水晶板のみで構成し
ようとすると、完成品の板厚が1.36mmとなり厚く
なる。しかしながら、上述したように、本実施の形態に
よれば、完成品の板厚が1.04mmと薄くできる。
【0031】また例えば、図5(c)に示す複屈折板を
3枚用いて7点分離を行う場合にも、本発明は適用でき
る。まず、図5(c−1)に示す状態の水平方向分離幅
を5.63μmとすると、斜め45°方向の分離幅は4
μmとなる。図5(c−1)に示す状態となる分離パタ
ーンを切断角度が135°であるLN複屈折板で作製し
た場合、複屈折板504と複屈折板506の厚みが0.
104mmであり、複屈折板505の厚みが0.147
mmとなる。
【0032】これに対し、図5(c)の形態に本発明を
適用した場合、図4(a)に示すように、入射光が通過
する光路上に、LN結晶板(第1高複屈折板)114と
水晶板(第1低複屈折板)115とLN結晶板(第2高
複屈折板)116と水晶板(第2低複屈折板)117と
LN結晶板(第3高複屈折板)118と水晶板(第3低
複屈折板)119とを配置したものとすればよい。
【0033】より詳細に説明すると、図4(a)に示す
光学ローパスフィルタは、切断角度135°、分離方向
45°、板厚0.160mmのLN結晶板114及び切
断角度45°、分離方向225°、板厚0.360mm
の水晶板115からなる光学ローパスフィルタ(分離幅
4μmの第1フィルタ部)と、切断角度135°、分離
方向0°、板厚0.180mmのLN結晶板116及び
切断角度45°、分離方向180°、板厚0.210m
mの水晶板117からなる光学ローパスフィルタ(分離
幅5.63μmの第2フィルタ部)と、切断角度135
°、分離方向−45°、板厚0.160mmのLN結晶
板118及び切断角度45°、分離方向135°、板厚
0.360mmの水晶板119からなる光学ローパスフ
ィルタ(分離幅4μmの第3フィルタ部)とを、入射光
が通過する光路上に配置して組み合わせたものである。
各フィルタ部内の水晶板とLNの配置順序は、逆となっ
てもよい。また、赤外カットフィルタや、ダミーガラス
など偏光特性を損なわない材料であれば、フィルタ部内
を含めたどこに組み合わせてもよい。
【0034】ところで、上述した実施の形態では、図1
(a)に示した光学ローパスフィルタを最小単位とし、
これを3つ組み合わせることで、7点分離の光学ローパ
スフィルタを実現したが、これに限るものではない。例
えば、図4(b)に示すように、入射光が通過する光路
上に、水晶板(第1低複屈折板)120とLN結晶板
(第1高複屈折板)121とLN結晶板(第2高複屈折
板)122とLN結晶板(第3高複屈折板)123と水
晶板(第2低複屈折板)124とを配置したものとして
もよい。
【0035】ここで、水晶板120,124は、例え
ば、切断角度45°,板厚0.36mmの平行平板であ
り、LN結晶板121,123は、切断角度135°,
板厚0.160mmの平行平板でり、LN結晶板122
は、切断角度135°,板厚0.147mmの平行平板
である。また、水晶板120は、分離方向がLN結晶板
121より180°異なり、LN結晶板122は、分離
方向がLN結晶板121より135°異なり、LN結晶
板123は、分離方向がLN結晶板121より90°異
なり、水晶板124は、分離方向がLN結晶板123よ
り180°異なる。
【0036】従って、図4(b)に示す光学ローパスフ
ィルタは、水晶板120とLN結晶板121からなる分
離幅4μmの第1フィルタ部と、これに対して分離方向
が45°異なる分離幅5.63μmのLN板122から
なる第2フィルタ部と、これに対して分離方向が45°
異なる分離幅4μmの水晶板124とLN結晶板123
からなる第3フィルタ部とから構成されたものである。
【0037】また、図4(b)に示すように、第1フィ
ルタ部のLN結晶板121に第2フィルタ部を貼り合わ
せ、第2フィルタ部に第3フィルタ部のLN結晶板12
3を貼り合わせるようにすれば、図4(b)の光学ロー
パスフィルタは、入出射面が水晶板から構成されている
状態となる。従って、入出射面に、反射防止膜125や
赤外カットフィルタ126などを、容易にまた安定した
状態で形成することが可能となる。
【0038】なお、上述した実施の形態では、水晶板及
びこれより高い複屈折率の複屈折板としてLN複屈折板
を用いるようにしたが、これに限るものではない。例え
ば、水晶板及びこれより高い複屈折率の複屈折板として
LBO(LiBi35)結晶からなる複屈折板を用いる
ようにしても、同様の効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低複屈折板の分離方向は高複屈折板の分離方向の逆とな
り、高複屈折板の分離幅より低複屈折板の分離幅を減じ
た値が、光学ローパスフィルタの分離幅となるようにし
た。この結果、光学ローパスフィルをより容易に製造可
能な状態でより薄くすることができるという優れた効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における光学ローパスフ
ィルタの構成例を概略的に示す断面図(a)及びこの光
学ローパスフィルタによる分離状態を示す説明図(d)
である。
【図2】 本発明の他の形態における光学ローパスフィ
ルタの構成例を概略的に示す断面図(a),(b)及び
これら光学ローパスフィルタによる分離状態を示す説明
図(d)である。
【図3】 本発明の他の形態における光学ローパスフィ
ルタの構成例を概略的に示す断面図(a)及びこの光学
ローパスフィルタによる分離状態を示す説明図(b)で
ある。
【図4】 本発明の他の形態における光学ローパスフィ
ルタの構成例を概略的に示す断面図(a),(b)及び
この光学ローパスフィルタによる分離状態を示す説明図
(c)である。
【図5】 本発明が適用可能な構成例を示す説明図であ
る。
【図6】 本発明が適用可能な構成例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
101…ニオブ酸リチウム(LN:LiNbO3)結晶
板(高複屈折板)、102…水晶板(低複屈折板)、1
03…LN結晶板、104…水晶板。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光が通過する同一の光路上に配置さ
    れ、異なる屈折率を有する少なくとも2つの複屈折板を
    備え、前記複屈折板の一方は、前記複屈折板の他方より
    も低い複屈折性を有し、この他方の複屈折板と180°
    異なる方向に前記入射光を分離することを特徴とする光
    学ローパスフィルタ。
  2. 【請求項2】 入射光が通過する同一の光路上に配置さ
    れた第1低複屈折板、及びこれより高い複屈折性有して
    前記第1低複屈折板とは異なる分離幅を有する第1高複
    屈折板からなる第1フィルタ部と、前記光路上に配置さ
    れた第2低複屈折板及びこれより高い複屈折性有して前
    記第2低複屈折板とは異なる分離幅を有する第2高複屈
    折板からなる第2フィルタ部とを備え、前記第1低複屈
    折板は、前記第1高複屈折板と180°異なる方向に前
    記入射光を分離し、前記第2低複屈折板は、前記第2高
    複屈折板と180°異なる方向に前記入射光を分離し、
    前記第1フィルタ部による前記入射光の分離方向は、前
    記第2フィルタ部による前記入射光の分離方向と異なる
    ことを特徴とする光学ローパスフィルタ。
  3. 【請求項3】 入射光が通過する同一の光路上に配置さ
    れた第1低複屈折板、及びこれより高い複屈折性を有し
    て前記第1低複屈折板とは異なる分離幅を有する第1高
    複屈折板からなる第1フィルタ部と、前記光路上に配置
    された第2高複屈折板からなる第2フィルタ部とを備
    え、前記第1低複屈折板は、前記第1高複屈折板と18
    0°異なる方向に前記入射光を分離し、前記第1フィル
    タ部による前記入射光の分離方向は、前記第2フィルタ
    部による前記入射光の分離方向と異なることを特徴とす
    る光学ローパスフィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の光学ローパスフ
    ィルタにおいて、前記第2フィルタ部による前記入射光
    の分離方向は、前記第1フィルタ部による前記入射光の
    分離方向と45°異なることを特徴とする光学ローパス
    フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4いずれか1項に記載の光学
    ローパスフィルタにおいて、新たに、前記光路上に配置
    された第3低複屈折板及びこれより高い複屈折性を有し
    て前記第3低複屈折板とは異なる分離幅を有する第3高
    複屈折板からなる第3フィルタ部を備え、前記第3低複
    屈折板は、前記第3高複屈折板と180°異なる方向に
    前記入射光を分離し、前記第3フィルタ部による前記入
    射光の分離方向は、前記第1フィルタ部による前記入射
    光の分離方向及び第2フィルタ部による前記入射光の分
    離方向と異なることを特徴とする光学ローパスフィル
    タ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光学ローパスフィルタに
    おいて、前記第3フィルタ部による前記入射光の分離方
    向は、前記第1フィルタ部による前記入射光の分離方向
    と90°異なることを特徴とする光学ローパスフィル
    タ。
  7. 【請求項7】 入射光が通過する同一の光路上に、前記
    入射光の入射する側より順に配置された第1低複屈折
    板、第1高複屈折板、第2高複屈折板,第3高複屈折
    板,第2低複屈折板を備え、前記第1〜第3高複屈折板
    は、前記第1,2低複屈折板より高い複屈折性を有して
    前記第1,2低複屈折板とは異なる分離幅を有し、前記
    第1高複屈折板は、前記入射光を第1方向に分離し、前
    記第1低複屈折板は、前記入射光を前記第1方向と18
    0°異なる第2方向に分離し、前記第2高複屈折板は、
    前記入射光を前記第1方向と135°異なる第3方向に
    分離し、前記第3高複屈折板は、前記入射光を前記第1
    方向と90°異なる第4方向に分離し、前記第2低複屈
    折板は、前記入射光を前記第4方向と180°異なる第
    5方向に分離するものであることを特徴とする光学ロー
    パスフィルタ。
  8. 【請求項8】 入射光が通過する同一の光路上に、前記
    入射光の入射する側より順に配置された第1低複屈折
    板、第1高複屈折板、第2低複屈折板、第2高複屈折
    板,第3高複屈折板を備え、前記第1〜第3高複屈折板
    は、前記第1、2低複屈折板より高い複屈折性を有して
    前記第1,2低複屈折板とは異なる分離幅を有し、前記
    第1高複屈折板は、前記入射光を第1方向に分離し、前
    記第1低複屈折板は、前記入射光を前記第1方向と18
    0°異なる第2方向に分離し、前記第2高複屈折板は、
    前記入射光を前記第1方向と90°異なる第3方向に分
    離し、前記第2低複屈折板は、前記入射光を前記第3方
    向と180°異なる第4方向に分離し、前記第3高複屈
    折板は、前記入射光を前記第1方向と45°異なる第5
    方向に分離するものであることを特徴とする光学ローパ
    スフィルタ。
  9. 【請求項9】 入射光が通過する同一の光路上に、前記
    入射光の入射する側より順に配置された第1低複屈折
    板、第1高複屈折板、1/4λ板、第2高複屈折板、第
    2低複屈折板を備え、前記第1、2高複屈折板は、前記
    第1、2低複屈折板より高い複屈折性を有して前記第
    1,2低複屈折板とは異なる分離幅を有し、前記第1高
    複屈折板は、前記入射光を第1方向に分離し、前記第1
    低複屈折板は、前記入射光を前記第1方向と180°異
    なる第2方向に分離し、前記第2高複屈折板は、前記入
    射光を前記第1方向と90°異なる第3方向に分離し、
    前記第2低複屈折板は、前記入射光を前記第3方向と1
    80°異なる第4方向に分離するものであることを特徴
    とする光学ローパスフィルタ。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9いずれか1項に記載の光
    学ローパスフィルタにおいて、前記高複屈折板はニオブ
    酸リチウムの結晶から構成された複屈折板であり、前記
    低複屈折板は水晶から構成された複屈折板であることを
    特徴とする光学ローパスフィルタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007171370A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Canon Inc 光学素子およびそれを有する撮像装置
JP2019035946A (ja) * 2017-08-10 2019-03-07 キヤノン株式会社 光学ローパスフィルタおよび撮像装置
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JP2021189349A (ja) * 2020-06-02 2021-12-13 株式会社日本製鋼所 光学ローパスフィルタ

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