JP2003320879A - 伝動機構 - Google Patents

伝動機構

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JP2003320879A
JP2003320879A JP2002132304A JP2002132304A JP2003320879A JP 2003320879 A JP2003320879 A JP 2003320879A JP 2002132304 A JP2002132304 A JP 2002132304A JP 2002132304 A JP2002132304 A JP 2002132304A JP 2003320879 A JP2003320879 A JP 2003320879A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンドル操作量のロスが少ない伝動機構を提
供することを課題とする。 【解決手段】 両端にフック部が設けられたトーション
スプリング45A,45Bをストッパケース内に該スト
ッパケース42内壁に当接する如く配置し、切欠が刻設
された軸21側のコア43をトーションスプリング45
A,45Bの内壁に回転可能に挿入すると共に、コア4
5の切欠の空間内にラチェット(回転体)6と一体的に
形成されたストッパプレート46の爪部46Aを挿入し
たブレーキ機構9と、中立位置に位置するように付勢さ
れたハンドル3を中立位置から一方の方向へ往復動させ
ることにより、ブレーキ機構9の軸21を前記一方の方
向へ回転させるラチェット機構とからなる伝動機構にお
いて、軸21の自転を抑制するスペーサ(抵抗手段)1
00を設け、ハンドル3が中立位置に戻るときに、軸2
1に作用する軸戻し力に打ち勝つようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両端にフック部が
設けられたトーションスプリングをストッパケース内に
該ストッパケース内壁に当接する如く配置し、切欠が刻
設された軸側のコアを前記トーションスプリングの内壁
に回転可能に挿入すると共に、前記コアの切欠の空間内
にピニオンと一体的に形成されたストッパプレートの爪
部を挿入したブレーキ機構と、中立位置に位置するよう
に付勢されたハンドルを前記中立位置から一方の方向へ
往復動させることにより、前記ブレーキ機構の軸を前記
一方の方向へ回転させるラチェット機構とからなる伝動
機構に関する。
【0002】
【従来の技術】シートのシートクッションを昇降させる
リフター機構、シートクッションの前部又は後部のみを
昇降させるバーチカル機構、シートクッションを傾ける
チルト機構等は、ブレーキ機構を有した伝動機構となっ
ている。
【0003】ブレーキ機構の一例としては、図15及び
図16に示すようなものがある。図において、ストッパ
ケース201内にトーションスプリング202がストッ
パケース201の内壁を圧接する如く配置されており、
該トーションスプリング202の内側に切欠203aが
刻設されたコア203が回転可能に挿入されている。
又、このコア203は軸204に一体的に固着されてい
る。更に、前記コア203の切欠203aの空間内であ
ってトーションスプリング202のフック部202a,
202b間には、ピニオン206と一体的に形成された
ストッパプレート205の爪部205aが軸204を中
心に回転可能に挿入配置されている。
【0004】従って、ピニオン206側からの回転力に
対しては、爪部205a の側端部205b又は側端部
205cがトーションスプリング202のフック部20
2a又はフック部202bを押し、トーションスプリン
グ202の外径を広げるように作用するため、トーショ
ンスプリング202とストッパケース201との圧接力
が強くなり、ピニオン206の回転が阻止される。一
方、軸204側からの回転力に対しては、トーションス
プリング202のフック部202a又はフック部202
bがコア203の側端部203b又は側端部203cか
ら外径を縮める方向の力を受けるので、前記圧接力は小
さくなり軸204の回転は可能になり、トーションスプ
リング202及び爪部205aを介してピニオン206
を回転させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキ機
構においては、自然状態では、ピニオン206側からの
入力に対してブレーキ力が確実に得られるように、コア
203の側端部203b,側端部203cと、トーショ
ンスプリング202のフック部202a,フック部20
2bとの間に隙間S,S′が必ず存在するように設定さ
れている。
【0006】よって、軸204には、回転方向のガタが
あることとなる。軸204を回転させる機構として、以
下の2つの機構がある。 (1)軸204に直接ハンドルを固着し、ハンドルを回
転させることにより軸204を回転させる機構。 (2)軸側のラチェットホイールと、ハンドル側のポー
ルとを有するラチェット機構を介してハンドルを設け、
付勢手段により中立位置にあるハンドルを一方の方向へ
往復動させることにより、軸204を一方の方向へ回転
させる機構。
【0007】ここで、軸204に直接ハンドルを固着す
る機構では、軸204の回転方向のガタが影響するの
は、ハンドルの回転はじめのみであり、ハンドル操作量
のロスはそれほど大きくない。
【0008】しかし、ラチェットホイールとポールとか
らなるラチェット機構を介してハンドルが設けられる機
構においては、ハンドルを回転させる力を解除すると、
ポールがラチェットホイール上を上滑りして、ハンドル
のみ戻るようになっている。この時、ポールがラチェッ
トホイール上を上滑りする際に、ラチェットホイール
(軸)には軸戻し力が作用してラチェットホイールも回
転し、コア203の側端部203b,側端部203c
と、トーションスプリング202のフック部202a,
フック部202bとの間に隙間S,S′が必ず発生す
る。即ち、ハンドルを中立位置に戻すたびに軸204の
回転方向のガタが発生し、ハンドル操作量のロスが大き
い。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、その課題は、ハンドル操作量のロスが少ない伝動
機構を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、両端にフック部が設けられたトーシ
ョンスプリングをストッパケース内に該ストッパケース
内壁に当接する如く配置し、切欠が刻設された軸側のコ
アを前記トーションスプリングの内壁に回転可能に挿入
すると共に、前記コアの切欠の空間内に回転体と一体的
に形成されたストッパプレートの爪部を挿入したブレー
キ機構と、ラチェットと該ラチェットのラチェット歯に
係合する係合部材とを有し、中立位置に位置するように
付勢されたハンドルを前記中立位置から一方の方向へ往
復動させることにより、前記ブレーキ機構の軸を前記一
方の方向へ回転させるラチェット機構とからなる伝動機
構において、前記ブレーキ機構の軸の回転に抵抗力を与
える抵抗手段を設け、前記ハンドルが中立位置に戻ると
きに、前記ラチェット機構の前記ラチェットのラチェッ
ト歯と前係合合部材との滑りにより前記軸に作用する軸
戻し力に打ち勝つようにしたことを特徴とする伝動機構
である。
【0011】前記ブレーキ機構の軸の回転に抵抗力を与
える抵抗手段を設け、前記ハンドルが中立位置に戻ると
きに、前記ラチェット機構の前記ラチェットのラチェッ
ト歯と前記係合部材との滑りにより前記軸に作用する軸
戻し力に打ち勝つようにしたことにより、ハンドルを中
立位置に戻しても軸の回転方向のガタが発生しない。よ
って、ハンドル操作量のロスが少なくなる。
【0012】請求項2記載の発明は、前記抵抗手段は、
前記ストッパケースの内壁とコアとに当接するスペーサ
であることを特徴とする請求項1記載の伝動機構であ
る。前記ストッパケースの内壁とコアとに当接するスペ
ーサの材質、厚さ、ストッパケースの内壁とコアとに当
接する面積を変えることにより、所望の抵抗値を得るこ
とができる。
【0013】請求項3記載の発明は、前記抵抗手段は、
前記ストッパケース、前記コアのうちの少なくともいす
れか一方に形成され、他方に当接する突部であることを
特徴とする請求項1記載の伝動機構である。
【0014】前記抵抗手段は、前記ストッパケース、前
記コアのうちの少なくともいすれか一方に形成され、他
方に当接する突部であることにより、コストダウンを図
ることができる。
【0015】請求項4記載の発明は、前記抵抗手段は、
前記軸を回転可能に支持する軸受部に設けられたことを
特徴とする請求項1記載の伝動機構である。軸受部と軸
との接触面積、接触圧、軸受部と軸との材質を変えるこ
とにより、所望の抵抗値を得ることができる。
【0016】軸受の一例としては、バーリング穴があ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】次に図面を用いて本発明の伝動機
構をシートリフターに適用した実施の形態例を説明す
る。
【0018】図1は、自動車の車室内に配置された座席
の概略を示す側面図である。ここに示した座席は、着座
者の尻部を支えるシートクッション1と、着座者の背部
を支えるシートバック2とを有しており、シートクッシ
ョン1は、その骨格をなすシートクッションフレームを
有していて、シートリフタのハンドル3を回動操作する
ことにより、後述するようにその高さを調節される。
【0019】シートクッション1は、シートトラック4
を介して車体のフロアパネル5に支持されており、この
シートトラック4は、フロアパネル5に固定されたロア
レール4Aと、該ロアレール4Aに沿ってその長手方向
に摺動自在に組付けられたアッパレール4Bとを有し、
そのアッパレール4Bにシートクッション1が後述する
如く支持されている。アッパレール4Bをロアレール4
Aに対して摺動させることにより、シートクッション1
をその前後方向(図1の左右方向)に調節動させること
ができる。シートクッション1をシートトラック4を介
することなく、直に、フロアパネル5に固定支持しても
よい。
【0020】図2乃至図4は、図1に示したハンドル3
の回動によって回転駆動されるピニオン6と、そのピニ
オン6の回転をシートクッション1の昇降動作に変換す
る伝動手段の一例と、リフタ支持体8とを示す側面図で
あり、これらの図には、ハンドル3と、その回転をピニ
オン6に伝える後述する伝動機構の図示は省略してあ
る。また、図2乃至図4に示した伝動手段の大半と、リ
フタ支持体8と、ピニオン6と、ハンドル3の回転をピ
ニオン6に伝える伝動機構は、これらの図に示していな
いカバーによって覆われ、ハンドル3が図1に示すよう
にカバーの外部に露出している。
【0021】図2乃至図4に示したリフタ支持体8は、
金属板又は硬質樹脂プレートなどの剛体より成り、かか
るリフタ支持体8がシートクッションフレームの一部を
構成している。ピニオン6は、後述する要素を介してリ
フタ支持体8に回転可能に支持されている。
【0022】リフタ支持体8には、ピニオン6に噛み合
うセクターギア状のラック11が支持軸10を介して回
動可能に支持されている。また、図1に示したシートト
ラック4のアッパレール4Bには、第1及び第2の支持
リンク12,13の基端側がピン14,15を介してそ
れぞれ回動可能に支持され、これらの支持リンク12,
13の自由端側はピン16,17を介してリフタ支持体
8に回動可能に連結されている。さらに、上述のラック
11と第2の支持リンク13には、ピン18,19を介
して連結リンク20の各端部がそれぞれ回動可能に連結
されている。
【0023】図2はシートクッション1が上下方向の中
間位置を占めたときの状態を示し、図3はシートクッシ
ョン1が最上位の位置を、また図4は当該シートクッシ
ョン1が最下位の位置を占めたときの様子をそれぞれ示
している。
【0024】図1に示したハンドル3は、その基部3A
と、該基部3Aからその半径方向に延びた把手部3Bと
を有するハンドル状に形成され、着座者がその把手部3
Bを掴んでハンドル3を回動操作することができる。
今、シートクッション1が図2に示した中間位置にある
とし、この状態でハンドル3を第1の方向(図1の例で
は矢印Aで示す時計方向)に回動操作すると、その回転
が後述するようにピニオン6に伝えられ、そのピニオン
6も第1の方向A(図2の時計方向)に回転する。この
ため、ラック11は、支持軸10を中心として図2にお
ける反時計方向に回転し、連結リンク20を図2の左方
向に移動させる。これにより、第1及び第2の支持リン
ク12,13が、その各基端側を中心として反時計方向
に回動し、図3に示すように、これらの支持リンク1
2,13に連結されたリフタ支持体8、すなわちシート
クッション1の全体が上昇する。
【0025】一方、シートクッション1が図2に示した
中間位置にある状態で、図1に示したハンドル3を、第
1の方向と逆の第2の方向(図1の例では矢印Bで示し
た反時計方向)に回動操作すると、図2に示したピニオ
ン6も第2の方向B、すなわち反時計方向に回転する。
これによってラック11は支持軸10を中心として、図
2における時計方向に回動し、連結リンク20は図2に
おける右方に移動する。これによって、第1及び第2の
支持リンク12,13は、その基端側を中心として時計
方向に回動し、これによって図4に示すようにシートク
ッション1が下降する。
【0026】図2乃至図4は、シートクッション1の幅
方向(図1乃至図4の紙面に垂直な方向)における一方
の側部の構成を示しているが、他方の側部にも、リフタ
支持体、上記ラック11と同様に回動する回動体、第1
及び第2の支持リンク、その第2の支持リンクと上記回
動体に各端部がそれぞれ枢着された連結リンクが設けら
れている。ラック11は支持軸10の一端に固定され、
その支持軸10はリフタ支持体8と他方の側部のリフタ
支持体とに回転自在に支持されてシートクッション1の
幅方向に長く延び、当該支持軸10の他端に上述の回動
体が固定されている。従って、ピニオン6が前述の如く
回転することにより、シートクッション1の他方の側部
の回動体と、連結リンクと、第1及び第2のリンクは、
図2乃至図4に示したラック11と、連結リンク20
と、第1及び第2のリンク12,13と同じ動作を行
い、これによってシートクッション1は安定状態で上昇
又は下降することができる。
【0027】上述のように、第1及び第2の支持リン
ク、ラック、回動体、支持軸及び連結リンクは、ピニオ
ン6の回転をシートクッション1の昇降動作に変換する
伝動手段の一例を構成している。
【0028】図示した形態以外の伝動手段を適宜採用す
ることもできる。また図2乃至図4に示したシートリフ
タにおいては、ピニオン6の回転によってシートクッシ
ョン1が昇降するように構成したが、ピニオン以外の回
転体を用い、その回転体の回転をシートクッション1の
昇降動作に変換するように構成することもできる。この
ように、本例のシートリフタは、リフタ支持体8と、ハ
ンドル3と、回転体の一例であるピニオン6と、その回
転体の回転をシートクッション1の昇降動作に変換する
手段とを具備している。
【0029】図5はハンドル3と、その回転をピニオン
6に伝達する伝動機構の一例を示す断面図であり、図6
はその分解断面図である。また、図7は伝動機構を図5
の右方より見た図であって、その一部の要素を省略し、
かつハンドル3を鎖線で表わした図であり、図8は伝動
機構の一部の要素のそれぞれを示す図である。
【0030】図5及び図6から判るように、シートリフ
タは軸21を有し、この軸21は、リフタ支持体8に固
定された支持部片8Aと、後に詳しく説明するブレーキ
機構9とを介してリフタ支持体8に対して回転可能に支
持されている。ハンドル3には、ハンドルジョイントブ
ラケット22と、ハンドルブラケット23とが、複数の
ねじ24によって固定されている。ハンドルジョイント
ブラケット22とハンドルブラケット23は板材より成
り、ハンドルブラケット23の中心孔25は、軸21に
回転自在に嵌合している。このように、ハンドル3は、
ハンドルジョイントブラケット22とハンドルブラケッ
ト23を介して、軸21に対して相対回転可能に、該軸
21に支持されている。ハンドルジョイントブラケット
22とハンドルブラケット23を省き、ハンドル3を軸
21に直に回転自在に支持してもよい。ハンドル3と軸
21は、その共通の回転軸線Xを中心として回転する。
【0031】また軸21には、その軸21と同心状に配
置されたラチェットホイール26が固定され、図2乃至
図4に示した回転体の一例であるピニオン6は、図5に
示すように軸21と同心状に配置されている。また、前
述のブレーキ機構9は、軸21の回転がピニオン6より
成る回転体に伝わることを許容するが、その回転体に軸
以外から回転力が加えられたとき、該回転体が回転する
ことを禁止する働きをなすものであって、その具体的構
成は後に詳しく説明する。
【0032】シートリフタは、さらに薄板より成るガイ
ド部材27を有し、このガイド部材27は、図7及び図
8に示すように一対のアーム27Aを有していて、その
各アーム27Aが図示していないねじによってリフタ支
持体8に不動に固定され、ガイド部材27の中心孔28
に軸21が入り込んでいる。かかるガイド部材27に
は、図7及び図8に示すように、ハンドル3の回転軸線
Xを中心とする円弧状の長孔29が形成され、その長孔
29に、第1及び第2のポール30A,30Bをそれぞ
れ支持した第1及び第2のポール支持部材31A,31
Bが当該長孔29に沿って摺動可能に嵌合している。本
例のポール支持部材31A,31Bはピンにより構成さ
れ、その各先端部が、図5及び図6に示すようにハンド
ルブラケット23に形成された各孔32A,32B(図
8)に嵌合し、ここに固定されている。また第1及び第
2のポール30A,30Bは、そのそれぞれに形成され
た孔33A,33B(図8)が、第1及び第2のポール
支持部材31A,31Bに回転自在に嵌合している。こ
のようにして各ポール30A,30Bは、各ポール支持
部材31A,31Bに、揺動可能に支持され、このとき
の揺動中心となる揺動軸線Y1,Y2は、各ポール支持
部材31A,31Bの中心軸線となる。
【0033】上述のように第1及び第2のポール支持部
材31A,31Bは、ハンドルブラケット23を介して
ハンドル3に固定されているが、そのポール支持部材3
1A,31Bを直にハンドル3に固定してもよく、また
第1及び第2のポール30A,30Bをポール支持部材
31A,31Bを介することなく、直にハンドル3に揺
動可能に支持してもよい。いずれの場合も、図7に示す
ように、第1及び第2のポール30A,30Bは、その
各揺動軸線Y1,Y2がハンドル3の回転軸線Xからそ
の半径方向に距離L1をあけて位置し、従って、第1及
び第2のポール30A,30Bは、ハンドル3が回動し
たとき、その回転の中心である回転軸線Xのまわりを公
転する。しかも、第1及び第2のポール30A,30B
は、それぞれ自らの揺動軸線Y1,Y2を中心として揺
動可能に他の要素を介し(又は直接)ハンドル3に支持
されている。
【0034】図7に示すように、第1及び第2のポール
30A,30B(係合部材)の各爪部34A,34B
は、ラチェットホイール26の周面の歯(ラチェット
歯)35に対し、そのラチェットホイール26の周方向
における互いに異なった位置でそれぞれ係合することが
できる。
【0035】また、図7及び図8に示すように、前述の
ガイド部材27の外周部にはカム36が形成され、この
カム36は、ガイド部材外周部の一部を、これに隣接す
るガイド部材外周部よりも半径方向に膨出させることに
より形成されている。一方、第1及び第2のポール30
A,30Bは、カム36を含めたガイド部材27の外周
部に摺接する突部37A,37Bを有している。さら
に、第1及び第2のポール30A,30Bは、板ばねよ
り成るポール押し込み用のばね38の付勢作用によっ
て、各ポール30A,30Bの爪部34A,34Bがラ
チェットホイール26の歯35に確実に係合することが
できる。その際、第1及び第2のポール30A,30B
は、ばね38の保持部38A,38Bにそれぞれ嵌合し
て保持されている。
【0036】図7は、ハンドル3が中立位置にあるとき
の様子を示しており、このとき第1及び第2のポール3
0A,30Bの爪部34A,34Bは、上記ばね38の
付勢作用によって共にラチェットホイール26の歯35
に係合している。しかも各ポール30A,30Bの突部
37A,37Bは、カム36を挟んだ状態で、そのカム
36に隣接したガイド部材外周部の部分に圧接してい
る。
【0037】ここで、前述のように、図1に示したシー
トクッション1を上昇させるべく、ハンドル3を第1の
方向A、すなわち図7における時計方向に回動させる
と、第1及び第2のポール30A,30Bは、ハンドル
3の回転軸線Xのまわりに第1の方向Aに公転する。こ
のため、第1のポール30Aの突部37Aはカム36か
ら離れる向きに移動し、該第1のポール30Aの爪部3
4Aはラチェットホイール26の歯35に係合したまま
である。これに対し、第2のポール30Bの突部37B
はカム36に乗り上がるので、その第2のポール30B
はその揺動軸線Y2を中心として図7における時計方向
に揺動し、そのポール30Bの爪部34Bがラチェット
ホイール26の歯35から離間し、両者の係合が解除さ
れる。
【0038】第1のポール30Aの爪部34Aはラチェ
ットホイール26の歯35に係合したままであり、かか
る第1のポール30Aが第1の方向Aに公転するので、
その爪部34Aはラチェットホイール26の歯35に強
く噛み合いながら、ラチェットホイール26を第1の方
向A、すなわち図7の時計方向に回転させる。このよう
にラチェットホイール26が回転すると、このラチェッ
トホイール26に固定された軸21も同じ第1の方向A
に回転し、この回転は後述する態様でブレーキ機構9を
介してピニオン6に伝えられ、その回転によって、図2
及び図3を参照して先に説明したようにシートクッショ
ン1が上昇する。
【0039】ハンドル3を360°よりも小なる所定角
度、例えば20°乃至30°程第1の方向Aに回動させ
ると、第1のポール支持部材31Aが長孔29の一方の
端部29Aに当り、これによってハンドル3のそれ以上
の回動が阻止される。このように長孔29の端部29A
はポール支持部材31Aのストッパとしての用をなす。
【0040】次いで、着座者がハンドル3から手を離す
と、後述するリターンスプリングの作用で、ハンドル3
は、第1及び第2のポール30A,30B及び第1及び
第2のポール支持部材31A,31Bと共に、図7に示
した中立位置に戻り、このとき、第2のポール30Bの
爪部34Bも歯35に係合する。この戻り動作時も、第
1のポール30Aの爪部34Aは、ラチェットホイール
26の歯35に係合したままであるが、きのときは後述
するようにその爪部34Aが、ラチェットホイール26
の歯35に対して滑り、ラチェットホイール26が第2
の方向B、すなわち図7の反時計方向に回転することは
ない。
【0041】上述したハンドル3の回動操作(ハンドル
3を中立位置から一方の方向へ往復動させる操作)を行
う毎に、シートクッション1は、所定量ずつ上昇して行
き、かかる回動操作を繰返すことによって、最終的に図
3に示した最上位の位置までシートクッション1を持ち
上げることができる。
【0042】ハンドル3が図7に示した中立位置にある
状態から、そのハンドル3を第2の方向B、すなわち図
7の反時計方向に回動させると、今度は、第1のポール
30Aの突部37Aがカム36に乗り上がるので、その
爪部34Aがラチェットホイール26の歯35から離間
し、第2のポール30Bの爪部34Bがラチェットホイ
ール26の歯35に噛み合って、ラチェットホイール2
6を第2の方向B(図7の反時計方向)に回転させる。
そして、その回転が軸21及びブレーキ機構9を介して
ピニオン6に伝えられ、これによってシートクッション
1は所定量だけ下降する。この場合も、ハンドル3を3
60°よりも小なる所定角度回動させると、第2のポー
ル支持部材31Bが長孔29の他方の端部29Bに当接
し、ハンドル3のそれ以上の回動が禁止される。この状
態でハンドル3から手を離せば、この場合もリターンス
プリングの作用で、ハンドル3は図7に示した中立位置
に戻る。再びハンドル3を第2の方向Bに回動させるこ
とにより、シートクッション1は所定量下降し、かかる
動作を繰返すことによって、シートクッション1を図4
に示した最下位の位置まで下降させることができる。
【0043】上述のように、ハンドル3を360°より
も小なる所定の角度だけ第1又は第2の方向に回動させ
ることにより、シートクッション1を上昇又は下降させ
ることができ、その回動操作を繰返すことによって、シ
ートクッション1を最上位又は最下位の位置にもたらす
ことができる。ハンドル3を一度に大きな角度、例えば
360°或いはそれ以上の角度を回わすことなく、シー
トクッション1を最上位又は最下位の位置に昇降させる
ことができるのである。これにより、着座者は楽にその
操作を行うことができる。このようにして、着座者は、
シートクッション1を自らが望む高さ位置に調節し、楽
な姿勢で座席に着座することができる。
【0044】上述したところから了解されるように、カ
ム36は、中立位置にあったハンドル3を第1の方向A
に回転させたとき、それまでラチェットホイール26の
歯35に係合していた第1及び第2のポール30A,3
0Bの爪部34A,34Bのうちの第2のポール30B
の爪部34Bがラチェットホイール26の歯35から離
間してその係合を解除するように当該第2のポール30
Bを揺動させ、かつ中立位置にあったハンドル3を第2
の方向Bに回転させたとき、それまでラチェットホイー
ル26の歯35に係合していた第1及び第2のポール3
0A,30Bの爪部34A,34Bのうちの第1のポー
ル30Aの爪部34Aがラチェットホイール26の歯3
5から離間してその係合を解除するように当該第1のポ
ール30Aを揺動させる用をなす。
【0045】図9は、第1のポール30Aとラチェット
ホイール26の歯35の係合状態を示す説明図である。
第1のポール30Aが、ラチェットホイール26の歯3
5に係合した状態で、図7に示した位置から第1の方向
Aに公転する場合を考えると、このとき、第1のポール
30Aの爪部34Aは、ラチェットホイール26の歯3
5に対して、垂直方向の力Fを加える。このため、爪部
34Aは歯35に強く噛み合って、ラチェットホイール
26を第1の方向Aに回転させる。逆に第1のポール3
0Bが第2の方向Bに公転するときは、そのポール30
Aの爪部34Aは、矢印Cで示すようにラチェットホイ
ール26の歯35に対し滑るので、ラチェットホイール
26は第2の方向Bにも、また第1の方向Aにも回転せ
ず、爪部34Aはラチェットホイール26の歯35を乗
り越えながら図7に示した位置に戻ることができる。こ
のような作用が得られるように、第1のポール30Aの
揺動軸線Y1とラチェットホイール26の歯35に係合
する第1のポール30Aの爪部34Aの相対位置が設定
されているのである。
【0046】同様に、第2のポール30Bが図7に示し
た位置から第2の方向Bに公転すると、その爪部34B
がラチェットホイール26の歯35に対して垂直方向の
力を加え、そのラチェットホイール26を第2の方向に
回転させ、逆にその第2のポール30Bが第1の方向A
に公転すると、その爪部34Bがラチェットホイール2
6の歯35を滑り、ラチェットホイール26は回転せず
に停止する。
【0047】上述のように、第1のポール30Aの爪部
34Aがラチェットホイール26の歯35に係合した状
態で、該第1のポール30Aが第1の方向Aに公転した
とき、その第1のポール30Aの爪部34Aがラチェッ
トホイール26の歯35に噛み合って該ラチェットホイ
ール26を第1の方向Aに回転させ、かつ第1のポール
30Aの爪部34Aがラチェットホイール26の歯35
に係合した状態で、該第1のポール30Aが第1の方向
Aと逆の第2の方向Bに公転したとき、該第1のポール
30Aの爪部34Aがラチェットホイール26の歯35
に対し滑って該ラチェットホイール26を回転させるこ
とがないように、該第1のポール30Aの揺動軸線Y1
とラチェットホイール26の歯35に係合する第1のポ
ール30Aの爪部34Aの相対位置が設定されている。
同じく、第2のポール30Bの爪部34Bがラチェット
ホイール26の歯35に係合した状態で、該第2のポー
ル30Bが第2の方向Bに公転したとき、該第2のポー
ル30Bの爪部34Bがラチェットホイール26の歯3
5に噛み合って該ラチェットホイール26を第2の方向
Bに回転させ、かつ第2のポール30Bの爪部34Bが
ラチェットホイール26の歯35に係合した状態で、該
第2のポール30Bが第1の方向Aに公転したときは、
該第2のポール30Bの爪部34Bがラチェットホイー
ル26の歯35に対し滑って該ラチェットホイール26
を回転させることがないように、第2のポール30Bの
揺動軸線Y2とラチェットホイール26の歯35に係合
する第2のポール30Bの爪部34Bの相対位置が設定
されている。
【0048】かかる構成により、ハンドル3を第1の方
向Aに回動操作することにより、ラチェットホイール2
6を第1の方向Aに回転させ、逆にハンドル3を第2の
方向Bに回転させることにより、ラチェットホイール2
6を第2の方向Bに回転させることができる。
【0049】図10は前述のリターンスプリングの一例
を示す斜視図であり、ここに示したリターンスプリング
39はねじりコイルばねより成る(図10以外の図に
は、リターンスプリング39は図示されていない)。ハ
ンドル3が図7に示した中立位置にあるとき、リターン
スプリング39の各端部39A,39Bはハンドルブラ
ケット23の立上り部23A(図5及び図6には示さ
ず)の各側縁に形成された切欠40A,40Bにそれぞ
れ圧接していると共に、その各端部39A,39Bの先
端の折り曲げ部がガイド部材27の一方のアーム部27
Aの各側縁41A,41Bに圧接している。
【0050】ハンドル3を第1の方向Aに回動させる
と、ハンドルブラケット23はハンドル3と共に第1の
方向Aに回転するが、ガイド部材27は停止したままで
あるため、リターンスプリング39の一方の端部39A
は、ハンドルブラケット23の一方の切欠40Aに係合
したまま第1の方向Aに移動する。これに対し、リター
ンスプリング39の他方の端部39Bはガイド部材27
の側縁41Bに圧接したまま停止し、ハンドルブラケッ
ト23の切欠40Bはリターンスプリング39の他方の
端部39Bから離れる。これによりリターンスプリング
39には弾性エネルギーが蓄積される。
【0051】次いでハンドル3から手を離すと、リター
ンスプリング39の弾性によって、ハンドルブラケット
23はリターンスプリング39の第1の端部39Aから
力を受け、そのハンドルブラケット23はハンドル3と
共に第2の方向Bに回転し、該ハンドル3が図7に示し
た中立位置に至ったとき、リターンスプリング39の一
方の端部39Aは再びガイド部材27の一方の側縁41
Aに当る。このようにしてハンドル3は自動的に中立位
置に戻り、ここで停止する。
【0052】中立位置にあったハンドル3を第2の方向
Bに回動させたときは、上述したところと逆に、リター
ンスプリング39の他方の端部39Bが、第2の方向B
に回転するハンドルブラケット23の切欠40Bに係合
したまま、第2の方向Bに移動し、一方の端部39Aは
ガイド部材27の一方の側縁41Aに圧接したまま停止
する。このため、この状態でハンドル3から手を離せ
ば、ハンドルブラケット23はリターンスプリング39
の他方の端部39Bによって加圧され、ハンドル3と共
に自動的に中立位置に復帰する。
【0053】図11は、図5及び図6に示したブレーキ
機構9の横断面図である。図5、図6及び図11から判
るように、このブレーキ機構9は、リフタ支持体8に固
定されたストッパケース42を有し、このストッパケー
ス42は、一端側が解放されたカップ状に形成されてい
る。また、このストッパケース42は、同心状の内側壁
42Aと外側壁42Bとを有し、その内側壁42Aと外
側壁42Bは、開放端と逆側の環状の端壁42Cを介し
て一体化され、内側壁42Aの内側は中空となってい
る。
【0054】ストッパケース42内には、切欠が形成さ
れ、ほぼ扇形の横断面形状を有するコア43が回転可能
に収容され、そのコア43の中心部に前述の軸21が貫
通し、該軸21とコア43は互いに固定され、これらは
一体となって前述の回転軸線Xを中心として回転するこ
とができる。
【0055】またコア43には回転軸線Xを中心とした
環状溝44が形成され、ここにストッパケース42の内
側壁42Aが嵌合すると共に、その内側壁42Aの内側
に小径コイルばね(トーションスプリング)45Aが配
置されている。しかも、コア43の外周面と、ストッパ
ケース42の外側壁42B内周面との間に大径コイルば
ね(トーションスプリング)45Bが配置されている。
【0056】さらに、ストッパケース42にはストッパ
プレート46が回転可能に収容され、その爪部46A
は、コア43の切欠の空間に位置している。ストッパプ
レート46の爪部46Aにも回転軸線Xを中心とした環
状溝47が形成され、この環状溝47にストッパケース
42の内側壁42Aと小径コイルばね45Aが配置され
ている。ストッパプレート46の貫通孔48(図5)に
軸21が相対回転自在に嵌合し、しかもこのストッパプ
レート46に前述のピニオン6が固定されている。
【0057】大径コイルばね45Bの一方の端部(フッ
ク部)49Aはコア43の一方の周方向端壁面50Aに
係合可能であり、該ばね45Bの他方の端部(フック
部)49Bはストッパプレート46に形成された孔51
Aに係止されている。また小径コイルばね45Aの一方
の端部(フック部)52Aはコア43の他方の周方向端
壁面50Bに係合可能であり、該ばね45Aの他方の端
部(フック部)52Bはストッパプレート46に形成さ
れた孔51Bに係止されている。
【0058】上述したところから判るように、軸21
は、コア43、ストッパプレート46及びストッパケー
ス42を介して、リフタ支持体8に対して回転可能に支
持され、またピニオン6もストッパプレート46とスト
ッパケース42を介してリフタ支持体8に回転可能に支
持され、軸21と同心状に位置する。
【0059】ここで、前述のようにハンドル3を第1の
方向Aに回動操作することによってラチェットホイール
26と軸21を第1の方向Aに回転させると、ストッパ
ケース42内のコア43も同じ第1の方向Aに回転す
る。これにより、コア43の他方の周方向端壁面50B
が小径コイルばね45Aの一方の端部52Aを加圧し、
これによって小径コイルばね45Aはその径を縮め、小
径コイルばね45Aとストッパケース42の内側壁42
Aとの圧接力が減少する。これによってコア43は、ス
トッパプレート46と共に、第1の方向Aに回転するこ
とができ、これに伴ってピニオン6が第1の方向Aに回
転する。
【0060】ハンドル3を第2の方向Bに回動操作する
ことにより、コア43がこれと同じ第2の方向に回転し
たときも、コア43の一方の周方向端壁面50Aが大径
コイルばね45Bの一方の端部49Aに係合してこれを
加圧する。これにより、大径コイルばね45Bの径が縮
小し、そのコイルばね45Bとストッパケース42の外
側壁42Bとの圧接力が弱まるので、コア43はストッ
パプレート46及びピニオン6と共に、第2の方向Bに
回転する。
【0061】これに対し、例えばシートクッション1が
最上位の位置にあるとき、そのシートクッション1に着
座者が着座するなどして、当該シートクッション1に大
きな荷重が加わると、図3に示したラック11には、当
該ラック11が同図における時計方向に回転する向きの
回転力が連結リンク20を介して作用する。このため、
ピニオン6とストッパプレート46には、これが図3に
おける反時計方向(第2の方向B)に回転する向きの回
転力がラック11を介して加えられる。ところが、この
ときそのストッパプレート46の孔51Aに大径コイル
ばね45Bの一方の端部49Bが係合しているので、大
径コイルばね45Bの径が拡大し、そのコイルばね45
Bとストッパケース42の外側壁45Bとの間に大きな
摩擦力が作用する。このため、ピニオン6は、極くわず
かに第2の方向Bに回転することはあるとしても、これ
が大きく回転することはない。これにより、シートクッ
ション1に大きな荷重が加えられても、これが下降する
ことはない。
【0062】また、ピニオン6とストッパプレート46
に対して、これらが図11における時計方向(第1の方
向A)に回転する向きの回転力が加えられた場合にも、
小径コイルばね45Aの他方の端部52Bがストッパプ
レート46の孔51Bに係止されているので、その小径
コイルばね45Aが径を拡大し、当該コイルばね45A
とストッパケース42の内側壁42Aとの間に大きな摩
擦力が作用する。このため、ピニオン6とストッパプレ
ート46は、極くわずかに第1の方向Aに回転すること
はあるとしても、これらが大きく回転することは阻止さ
れる。
【0063】上述のように、ブレーキ機構9は、軸21
の回転がピニオン6より成る回転体に伝わることを許容
するが、その回転体に、軸21以外から、すなわちシー
トクッション1の側から回転力が加えられたとき、該回
転体が回転することを禁止するブレーキ手段の一例を構
成している。かかるブレーキ手段を設けることにより、
シートクッション1の高さを調整した後、そのシートク
ッション1に外力が加えられても、当該シートクッショ
ンが下降したり、或いは上昇することを阻止できる。
【0064】そして、本実施の形態例のブレーキ機構9
においては、ケース42の端壁42Cの内壁面と、ケー
ス42の端壁42Cと対向するコア43の面との間に
は、両者に当接するスペーサ100が配設されている。
スペーサ100の材質としては、ポリエーテルエラスト
マーがある。
【0065】スペーサ100とコア43との間に発生す
る摩擦力により、このスペーサ100はコア43(軸2
1)の自転を抑制する抵抗手段となっている。このスペ
ーサ100による抵抗値は、ハンドル3から手を離し
て、ハンドル3を中立位置に復帰させるときに、ポール
30Aの爪部34B又はポール30Bの爪部34Bがラ
チェットホイール26の歯35上を滑る際に、ラチェッ
トホイール26(軸21)を回転させる力(軸戻し力)
より大きな力に設定されている。
【0066】上記構成によれば、以下のような効果を得
ることができる。 (1)ブレーキ機構9に、軸21の自転を抑制する抵抗
手段としてのスペーサ100を設け、ハンドル3が中立
位置に戻るときに、軸21に作用する軸戻し力に打ち勝
つようにしたことにより、ハンドル3を中立位置に戻し
ても軸21の回転方向のガタが発生しない。よって、ハ
ンドル操作量のロスが少なくなる。
【0067】(2)スペーサ100の材質、厚さ、スト
ッパケース42の内壁とコア43とに当接する面積を変
えることにより、所望の抵抗値を得ることができる。 (3)本実施の形態例のシートリフタは、ハンドル3の
回転軸線Xを中心とする円弧状の長孔29が形成された
ガイド部材27と、その長孔29に摺動可能に嵌合して
いると共に、第1及び第2のポール30A,30Bを揺
動可能に支持するポール支持部材31A,31Bとを有
していて、長孔29の各端部29A,29Bがポール支
持部材31A,31Bのストッパとしての用をなすよう
に構成されている。かかるガイド部材27の長孔29に
より、第1及び第2のポール30A,30Bを正しく案
内しながら、回転軸線Xのまわりに公転させることがで
き、しかもその長孔29の各端部29A,29Bが各ポ
ール30A,30Bを停止させるストッパとしての機能
を有しているので、第1及び第2のポール30A,30
Bを案内する案内部材と、これを停止させるためのスト
ッパを別々に設ける必要がなく、シートリフタの部品点
数を減少させることができる。
【0068】(4)本実施の形態例のシートリフタに
は、第1及び第2のポール30A,30Bの爪部34
A,34Bがラチェットホイール26の歯35に確実に
係合するように、その各ポール30A,30Bをラチェ
ットホイール26の歯35に向けて付勢する付勢手段の
一例であるばね38が設けられており、これにより、第
1及び第2のポール30A,30Bの公転によって、ラ
チェットホイール26を正しく回転させることができ
る。しかも、図示した例のばね38は、第1及び第2の
ポール30A,30Bを共に保持する保持部38A,3
8Bを備えた1つの板ばねより成るため、当該ばね38
の構造を簡素化することができる。
【0069】尚、本発明は、上記実施の形態例に限定す
るものではない。抵抗手段としては、図12〜図14に
示すような構成であってもよい。図12において、コア
43には、ケース42の端壁42Cの内壁面に当接する
突部103を形成し、抵抗手段としている。コア43に
突部103を形成するだけなので、コストダウンが図れ
る。
【0070】また、ケース42の端壁42Cの内壁面に
コア43に当接する突部を形成してもよいし、コア4
3、ストッパケース42に突部を形成してもよい。図1
3において、軸21は、リフタ支持体8に固定された支
持部片8Aのバーリング穴8Cに回転可能に支持されて
いるが、このバーリング穴8Cのバーリング(円筒面)
を塑性変形させ、軸21との接触圧を増やして、抵抗手
段としている。塑性変形の程度により、所望の抵抗値を
得ることができる。また、バーリングと軸との接触面
積、バーリングと軸との材質を変えても、所望の抵抗値
を得ることができる。
【0071】図14において、軸21を回転可能に支持
しているストッパプレート46の貫通孔48と、軸21
との間にOリング105を設け、抵抗手段としている。
Oリング105の材質、大きさを変えることにより、所
望の抵抗値を得ることができる。
【0072】また、図示した例では、第1及び第2のポ
ール支持部材31A,31Bを設け、そのそれぞれに第
1及び第2のポール30A,30Bを揺動可能に支持し
たが、1つのポール支持部材を設け、その1つのポール
支持部材に、第1及び第2のポール30A,30Bを共
に揺動自在に支持するようにしてもよい。
【0073】図示したブレーキ機構9以外の各種形態の
ブレーキ手段、例えば、従来例で示したトーションスプ
リングが1コのブレーキ機構を採用することもできる。
更に、本発明は、自動車の車室内に設けられる座席のシ
ートクッションを昇降させるシートリフタ機構に限ら
ず、シートクッションの前部又は後部のみを昇降させる
バーチカル機構、シートクッションを傾けるチルト機構
等にも適用できる。
【0074】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明に
よれば、前記ブレーキ機構の軸の回転に抵抗力を与える
抵抗手段を設け、前記ハンドルが中立位置に戻るとき
に、前記ラチェット機構の前記ラチェットのラチェット
歯と前記係合部材との滑りにより前記軸に作用する軸戻
し力に打ち勝つようにしたことにより、ハンドルを中立
位置に戻しても軸の回転方向のガタが発生しない。よっ
て、ハンドル操作量のロスが少なくなる。
【0075】請求項2記載の発明によれば、前記ストッ
パケースの内壁とコアとに当接するスペーサの材質、厚
さ、ストッパケースの内壁とコアとに当接する面積を変
えることにより、所望の抵抗値を得ることができる。
【0076】請求項3記載の発明によれば、前記抵抗手
段は、前記ストッパケース、前記コアのうちの少なくと
もいすれか一方に形成され、他方に当接する突部である
ことにより、コストダウンを図ることができる。
【0077】請求項4記載の発明によれば、軸受部と軸
との接触面積、接触圧、軸受部と軸との材質を変えるこ
とにより、所望の抵抗値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】座席の側面図である。
【図2】シートクッションが中間の高さ位置にあるとき
の伝動手段の状態を示す図である。
【図3】シートクッションが最上位の位置にあるときの
伝動手段の状態を示す図である。
【図4】シートクッションが最下位の位置にあるときの
伝動手段の状態を示す図である。
【図5】ハンドルとその回転をピニオンに伝える伝動機
構の断面図である。
【図6】図5に示した要素を分離して示す分解断面図で
ある。
【図7】ハンドルと第1及び第2のポールの位置関係を
説明する図である。
【図8】伝動機構の一部の要素をそれぞれ示す図であ
る。
【図9】ポールの爪部とラチェットホイールの歯の係合
状態を説明する図である。
【図10】リターンスプリングを示す斜視図である。
【図11】ブレーキ機構の横断面図である。
【図12】抵抗手段の他の例を説明する図である。
【図13】抵抗手段の他の例を説明する図である。
【図14】抵抗手段の他の例を説明する図である。
【図15】従来のブレーキ機構の分解斜視図である。
【図16】図15のブレーキ機構の横断面図である。
【符号の説明】
3 ハンドル 8 リフタ支持体 21 軸 26 ラチェットホイール 29 長孔 29A 端部 29B 端部 30A 第1のポール 30B 第2のポール 31A ポール支持部材 31B ポール支持部材 34A 爪部 34B 爪部 35 歯 36 カム 42 ストッパケース 45A コイルばね(トーションスプリング) 45B コイルばね(トーションスプリング) 46 ストッパプレート 46A 爪部 100 スペーサ(抵抗手段) A 第1の方向 B 第2の方向 X 回転軸線 Y1 揺動軸部 Y2 揺動軸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端にフック部が設けられたトーション
    スプリングをストッパケース内に該ストッパケース内壁
    に当接する如く配置し、切欠が刻設された軸側のコアを
    前記トーションスプリングの内壁に回転可能に挿入する
    と共に、前記コアの切欠の空間内に回転体と一体的に形
    成されたストッパプレートの爪部を挿入したブレーキ機
    構と、 ラチェットと該ラチェットのラチェット歯に係合する係
    合部材とを有し、中立位置に位置するように付勢された
    ハンドルを前記中立位置から一方の方向へ往復動させる
    ことにより、前記ブレーキ機構の軸を前記一方の方向へ
    回転させるラチェット機構とからなる伝動機構におい
    て、 前記ブレーキ機構の軸の回転に抵抗力を与える抵抗手段
    を設け、 前記ハンドルが中立位置に戻るときに、前記ラチェット
    機構の前記ラチェットのラチェット歯と前記係合部材と
    の滑りにより前記軸に作用する軸戻し力に打ち勝つよう
    にしたことを特徴とする伝動機構。
  2. 【請求項2】 前記抵抗手段は、 前記ストッパケースの内壁とコアとに当接するスペーサ
    であることを特徴とする請求項1記載の伝動機構。
  3. 【請求項3】 前記抵抗手段は、 前記ストッパケース、前記コアのうちの少なくともいす
    れか一方に形成され、他方に当接する突部であることを
    特徴とする請求項1記載の伝動機構。
  4. 【請求項4】 前記抵抗手段は、 前記軸を回転可能に支持する軸受部に設けられたことを
    特徴とする請求項1記載の伝動機構。
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