JP2003320719A - 印刷装置、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

印刷装置、プログラム及びコンピュータシステム

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JP2003320719A JP2002133508A JP2002133508A JP2003320719A JP 2003320719 A JP2003320719 A JP 2003320719A JP 2002133508 A JP2002133508 A JP 2002133508A JP 2002133508 A JP2002133508 A JP 2002133508A JP 2003320719 A JP2003320719 A JP 2003320719A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷体の搬送が画質の良否に影響を与える
ことになるので、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質
の向上を図る。 【解決手段】 本発明の印刷装置は、被印刷体を間欠的
に搬送する搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被
印刷体を印刷する印刷装置であって、間欠的に前記被印
刷体を搬送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印
刷体の搬送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送す
る前記被印刷体の搬送量を補正しない場合とがあること
を特徴とするこのような印刷装置によれば、被印刷体の
搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙などの被印刷体
に印刷を行う印刷装置に関する。また、本発明は、この
ような印刷装置を制御するプログラム及びコンピュータ
システムに関する。
【0002】
【背景技術】紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画
像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出し
て印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
このようなインクジェットプリンタでは、被印刷体を紙
搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向に
ノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互
に繰り返し、印刷を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】被印刷体を間欠的に搬
送し、その間欠的な搬送の間に印刷を行うプリンタで
は、被印刷体の搬送が、画質の良否に影響を与えること
になる。本発明は、被印刷体の搬送の精度を高めて、画
質の向上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の主たる発明は、被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構
を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印
刷装置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際
に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補
正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の
搬送量を補正しない場合とがあることを特徴とする。本
発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記
載により明らかにする。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を以下の
順序で説明する。 『開示の概要』 『印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要』 『紙の搬送量と画質の劣化の関係(参考例)』 『本実施形態の搬送量の補正』 『コンピュータシステム等の構成』 『その他の実施の形態』
【0006】===開示の概要=== 本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下
の事項が明らかとなる。
【0007】被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備
え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装
置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前
記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する
場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量
を補正しない場合とがあることを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、被印刷体の搬送の精度を
高めて、画質の向上を図ることができる。
【0008】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の補正の要否は、前記搬送機構が搬送する被印刷体の
搬送量の誤差に基づいて、決定されることが望ましい。
このような印刷装置によれば、搬送量の誤差を抑制する
ことができるので、ドットピッチの極端な近接や離間を
抑制することができる。
【0009】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の補正の要否は、前記間欠的な搬送によって蓄積され
た搬送量の誤差に基づいて、決定されることが望まし
い。このような印刷装置によれば、搬送機構が補正可能
な最小補正量よりも1回の搬送で生じる誤差の方が小さ
かった場合でも、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質
の向上を図ることができる。
【0010】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
機構が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された誤差の方
が大きいとき、前記搬送量を補正することが望ましい。
このような印刷装置によれば、搬送機構が補正可能な最
小補正量よりも1回の搬送で生じる誤差の方が小さかっ
た場合でも、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向
上を図ることができる。
【0011】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められることが
望ましい。このような印刷装置によれば、誤差が実際に
生ずる前に、その誤差を抑制することができる。
【0012】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の補正の要否は、前記被印刷体の搬送量に基づいて、
決定されることが望ましい。このような印刷装置によれ
ば、検知が容易な搬送量に基づいて、補正の要否を判断
することができる。
【0013】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の総搬送量に基づ
いて、決定されることが望ましい。このような印刷装置
によれば、検知が容易な総搬送量に基づいて、補正の要
否を決定することができる。
【0014】また、かかる印刷装置であって、前記搬送
量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の回数に基づい
て、決定されることが望ましい。このような印刷装置に
よれば、検知が容易な搬送回数に基づいて、補正の要否
を決定することができる。
【0015】被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備
え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装
置であって、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前
記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する
場合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量
を補正しない場合とがあり、この搬送量の補正の要否
は、前記間欠的な搬送によって蓄積された搬送量の誤差
に基づいて、決定されるものであって、前記搬送量の誤
差は、実際に誤差が生ずる前に求められ、前記搬送機構
が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された誤差の方が大
きいとき、前記搬送量を補正することを特徴とする印刷
装置。このような印刷装置によれば、被印刷体の搬送の
精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【0016】被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備
え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装
置に対し、間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記
搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場
合と、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を
補正しない場合とがあるように前記被印刷体の搬送を実
行させることを特徴とするプログラム。このようなプロ
グラムによれば、被印刷体の搬送の精度を高めて画質の
向上を図ることができるように、印刷装置を制御するこ
とができる。
【0017】コンピュータ本体と、前記コンピュータ本
体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシステム
であって、前記印刷装置は、被印刷体を間欠的に搬送す
る搬送機構を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を
印刷する印刷装置であって、間欠的に前記被印刷体を搬
送する際に、前記搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬
送量を補正する場合と、前記搬送機構が搬送する前記被
印刷体の搬送量を補正しない場合とがあることを特徴と
するコンピュータシステム。このようなコンピュータシ
ステムによれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質
の向上を図ることができる。
【0018】===印刷装置(インクジェットプリン
タ)の概要=== <インクジェットプリンタの構成について>図1、図
2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてイン
クジェットプリンタを例にとって、その概要について説
明する。なお、図1は、本実施形態のインクジェットプ
リンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実
施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概
略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェッ
トプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、
図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の斜視図である。
【0019】本実施形態のインクジェットプリンタは、
紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリー
ニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器
群50、および制御ユニット60を有する。
【0020】紙搬送ユニット10は、被印刷体である例
えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方
向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向
という))に所定の移動量で紙を移動させるためのもの
である。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送す
る搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、紙
挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ
(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙
送りモータ(以下、PFモータという)15と、紙送り
モータドライバ(以下、PFモータドライバという)1
6と、紙送りローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリ
ーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただ
し、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するため
には、必ずしも、これらの構成要素を全て要するという
わけではない。
【0021】紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿
入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入
口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータ
であり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13
は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的
に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動
される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有し
ている。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PF
モータ15までの搬送距離よりも長く設定されているの
で、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15ま
で搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分
離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印
刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の
搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
【0022】プラテン14は、印刷中の紙Sを支持す
る。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬
送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成され
る。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動
を行うためのものである。紙送りローラ17Aは、給紙
ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷
可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15
によって駆動される。フリーローラ18Aは、紙送りロ
ーラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを紙送りロ
ーラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを紙送りロー
ラ17Aに向かって押さえる。
【0023】排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙S
をプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ
17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によっ
て駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17
Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17B
との間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向
かって押さえる。
【0024】インク吐出ユニット20は、被印刷体であ
る例えば紙にインクを吐出するためのものである。イン
ク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ
22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノ
ズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出す
る。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘ
ッドから断続的にインクを吐出させるためのものであ
る。
【0025】クリーニングユニット30は、ヘッド21
のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリ
ーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピ
ング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21の
ノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを
吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータ
ドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド
21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドラ
イバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピン
グ装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止す
るため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21
のノズルを封止する。
【0026】キャリッジユニット40は、ヘッド21を
所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査
方向という))に走査移動させるためのものである。キ
ャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッ
ジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッ
ジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)
43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイ
ドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向
に移動可能であって、ヘッド21を固定している(した
がって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動
しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリ
ッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48
を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリ
ッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータ
で構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ
42を駆動するためのものである。プーリ44は、CR
モータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベ
ルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレ
ール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
【0027】計測器群50には、リニア式エンコーダ5
1と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ5
3と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ5
1は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであ
る。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17
Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコ
ーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53
は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのもので
ある。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が紙送
りローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先
端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙
検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検
出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出
センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、こ
のレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されて
いる。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが
回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバー
の動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出
する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられ
ている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部54
3を有する光学センサであり、紙によって反射された光
を検出することにより、紙幅センサ54の位置における
紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャ
リッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出
し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャ
リッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙
幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53
よりも位置検出の精度が高い。
【0028】制御ユニット60は、プリンタの制御を行
うためのものである。制御ユニット60は、CPU61
と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASI
C64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有
する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うための
ものであり、DCコントローラ66、PFモータドライ
バ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライ
バ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。
タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信
号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの
外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデー
タの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュー
タ67からインターフェース部63を介して送られてく
る印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波
形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCP
U61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保
するためのものであり、PROM、RAM、EEPRO
M等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、C
PU61から送られてくる制御指令と計測器群50から
の出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモ
ータドライバ43を制御する。
【0029】<エンコーダの構成について>図5は、リ
ニア式エンコーダ51の説明図である。リニア式エンコ
ーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのも
のであり、リニアスケール511と検出部512とを有
する。リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、
1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にス
リットが設けられており、プリンタ本体側に固定されて
いる。
【0030】検出部512は、リニアスケール511と
対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられ
ている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、
コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを
有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4
個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路51
2Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbと
を備えている。
【0031】発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を
介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコ
リメータレンズに入射される。コリメータレンズ512
Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行
光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リ
ニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光
は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイ
オード512Dに入射する。フォトダイオード512D
は、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオ
ードから出力される電気信号は、コンパレータ512F
a、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスと
して出力される。そして、コンパレータ512Fa、5
12Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスE
NC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
【0032】図6は、リニア式エンコーダ51の2種類
の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図
6Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出
力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、
CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の
波形のタイミングチャートである。
【0033】図6A及び図6Bに示す通り、CRモータ
42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、
パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90
度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、す
なわち、キャリッジ41が主走査方向に移動していると
きは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルス
ENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、
CRモータ42が反転しているときは、図6Bに示す通
り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90
度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャ
リッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔
(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54c
m))を移動する時間に等しい。
【0034】キャリッジ41の位置の検出は、以下のよ
うに行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bにつ
いて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、
検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント
数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウ
ント数は、CRモータ42が正転しているときに一つの
エッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ4
2が反転しているときに一つのエッジが検出されると
『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケ
ール511のスリット間隔に等しいので、カウント数に
スリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のとき
のキャリッジ41の位置からの移動量を求めることがで
きる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ5
1の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔と
なる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両
方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。
パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリ
ニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パ
ルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ず
れているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下
がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウン
トすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511
のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント
数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が
『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求め
ることができる。つまり、この場合におけるリニア式エ
ンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリ
ット間隔の1/4となる。
【0035】キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下
のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−B
について、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出
する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウ
ンタによってカウントする。このカウント値から周期T
(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リ
ニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャ
リッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができ
る。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方
を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各
パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出す
ることにより、リニアスケール511のスリット間隔の
1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタ
によってカウントする。このカウント値から周期T(T
=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニア
スケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッ
ジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求める
ことができる。
【0036】なお、ロータリー式エンコーダ52では、
プリンタ本体側に設けられた上記リニアスケール511
の代わりに紙送りローラ17Aの回転に応じて回転する
回転円板521を用いる点と、キャリッジ41に設けら
れた検出部512の代わりにプリンタ本体側に設けられ
た検出部522を用いる点が異なるだけで、他の構成は
リニア式エンコーダ51とほぼ同様である(図4参
照)。
【0037】なお、ロータリー式エンコーダ52は、直
接的には、紙送りローラ17Aの回転量を検出してい
る。一方、紙送りローラ17Aが回転して紙を搬送する
とき、紙送りローラ17Aと紙との間の滑りによって、
搬送誤差が生じている。したがって、ロータリー式エン
コーダ52は、直接的に、紙の搬送量を検出しているわ
けではない。そこで、ロータリー式エンコーダ52が検
出した回転量と搬送誤差との関係を表すテーブルを作成
し、そのテーブルを制御ユニット60のメモリ65に格
納しても良い。そして、ロータリー式エンコーダの検出
結果に基づいてテーブルを参照し、紙の搬送量(又は搬
送誤差)を検出する。このテーブルは、回転量と搬送誤
差との関係を表すものに限られず、回転量と搬送量との
関係を表すものであっても良く、搬送回数等と搬送誤差
との関係を表すものであっても良い。また、紙質に応じ
て滑りが異なるので、紙質に応じた複数のテーブルを作
成し、メモリ65に格納しても良い。
【0038】<ノズルの構成について>図7は、ヘッド
21の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
ヘッド21の下面には、濃ブラックインクノズル群KD
と、淡ブラックインクノズル群KLと、濃シアンインク
ノズル群CDと、淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼ
ンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノズル群MLと、
イエローインクノズル群YDが形成されている。各ノズ
ル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノ
ズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。な
お、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベットはイ
ンク色を意味しており、また、添え字の「 D」は濃度が
比較的高いインクであることを意味しており、また、添
え字の「 L」は濃度が比較的低いインクであることをそ
れぞれ意味している。
【0039】各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向
に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれ
ぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における
最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドット
の最高解像度での間隔)であり、例えば、解像度が72
0dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)
である。また、kは、1以上の整数である。
【0040】また、各ノズル群のノズルは、下流側のノ
ズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。ま
た、各ノズル群のノズルは、紙搬送方向の位置に関し
て、隣のノズル群のノズルの間に位置するように設けら
れている。例えば、淡ブラックインクノズル群KLの一
番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置に関して、濃ブラッ
クインクノズル群KDの一番ノズル♯1と二番ノズル♯
2との間に設けられている。また、紙幅センサ54は、
紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズ
ル♯nとほぼ同じ位置に設けられている。各ノズルに
は、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆
動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0041】なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット
10によって間欠的に所定の搬送量Fで搬送され、その
間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査方向に移動し
て各ノズルからインク滴が吐出される。
【0042】===紙の搬送量と画質の劣化の関係(参
考例)=== <搬送誤差がない場合>図8は、紙Sを搬送するときに
誤差がない場合(つまり、搬送ユニットによる搬送量
が、目標搬送量と一致している場合)のドットの形成の
様子を示す説明図である。同図では、説明の便宜上、ヘ
ッド21は、1色分の7個のノズルのみを有するものと
している(つまり、n=7)。また、同図では、説明の
便宜上、紙Sが走査方向にも移動しているかのように描
かれているが、実際には、紙Sは紙搬送方向に移動する
だけであって走査方向には移動しない。
【0043】同図において、このノズル群のノズルピッ
チk・Dは、ドットピッチDの4倍である(つまり、k
=4)。なお、ヘッド21の中において、丸の中に示さ
れている数字1〜7は、ノズル番号を意味している。同
図に示された通り、ノズル番号が若いノズルほど、紙搬
送方向の下流に設けられている。
【0044】紙Sは、ノズルが走査方向に1回走査移動
した(以下、『パス』と呼ぶ)後に、搬送ユニット10
によって、紙走査方向に搬送量F=L・D(Lは整数、
Dはドットピッチ)だけステップ移動する。同図では、
搬送ユニット10による搬送量Fは7・D(つまり、L
=7)であり、目標搬送量も7・Dである。なお、一定
の搬送量F(=L・D)で紙Sの搬送を行う場合、整数
Lが、整数Lを整数kで割ったときの余りが(k−1)
になるような値を採用することが好ましい。
【0045】紙S内において、丸印は1回目のパスで形
成されるドットの位置(画素の位置)を示し、四角形印
は2回目のパスで形成されるドットの位置を示し、六角
形印は3回目のパスで形成されるドットの位置を示し、
八角形印は4回目のパスで形成されるドットの位置を示
している。そして、各印の中の数字は、そのドットを形
成するためのインクを吐出したノズルの番号を示してい
る。また、同図では、1回のパス毎に2つのドットを形
成しているが、実際には、ノズルが走査方向に移動しな
がら間欠的にインクを吐出するので、走査方向に沿って
多数のドットがライン状に形成される(以下、これを
『ラスタライン』と呼ぶ)。
【0046】同図の記録方式では、紙Sが走査方向に搬
送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパス
で記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記
録する。また、同図の記録方式は、『インターレース印
刷』の一例でもある。ここで、『インターレース印刷』
とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラ
スタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれる
ような印刷方式を意味する。
【0047】<搬送誤差がある場合>図9は、紙Sを搬
送するときに誤差がある場合(つまり、搬送ユニットに
よる搬送量が、目標搬送量に対して、誤差を含んでいる
場合)のドットの形成の様子を示す説明図である。ま
た、図10は、紙Sを搬送するときに誤差がある場合に
搬送ユニットの搬送量を毎回補正したときのドットの形
成の様子を示す説明図である。また、図11は、図9及
び図10における印刷縞(バンディング)の発生の様子
を示す説明図である。
【0048】図9では、搬送ユニットは、目標搬送量F
(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一定のプ
ラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送し
ている。すなわち、図8の場合と比較して、紙Sが、誤
差δだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている。そ
の結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L
6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)
との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス2で記録
されるラスタラインとパス3で記録されるラスタライン
(L4)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス
3で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラス
タライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くな
る。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、
図11Aで示される通り、例えば第2列目のラスタライ
ン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライ
ン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番
ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチ
が、3δだけ広がる。そのため、図11Aで示される通
り、理想的なドットピッチDよりも大きいので、肉眼で
は色の薄い縞が発生する。このような色の薄い縞(以
下、『明バンディング』と呼ぶ。但し、『白バンディン
グ』又は『淡バンディング』ともいう。)は、画質劣化
として観察される。
【0049】図10では、搬送ユニットは、搬送ユニッ
トの搬送量F+δに補正量−Cを加えている。ここで、
Cは、プリンタが補正可能な最小の搬送量であり、紙送
りモータやロータリー式エンコーダの解像度などから決
まる値である。但し、ここでは、搬送誤差δが最小補正
量Cよりも小さいため、搬送量Fを毎回補正したので
は、δ−Cが、図9とは逆方向の誤差となる。したがっ
て、図10では、図8の場合と比較して、紙Sが、δ−
Cだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている(つま
り、紙Sが、C−δだけ不足して紙搬送方向に搬送され
ている)。そして、このように搬送の誤差が蓄積された
結果、図11Bで示される通り、例えば第2列目のラス
タライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成され
るライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で
第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドット
ピッチが、3D−3δだけ狭くなる(3δ−3Dだけ広
がる)。そのため、図11Aで示される通り、理想的な
ドットピッチDよりも狭いので、肉眼では色の濃い縞が
発生する。このような色の濃い縞(以下、『暗バンディ
ング』と呼ぶ。但し、『黒バンディング』又は『濃バン
ディング』ともいう。)は、画質劣化として観察され
る。
【0050】===本実施形態の搬送量の補正=== <ドットの形成の様子について>図12は、本実施形態
のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図1
3は、印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子
を示す説明図である。ここでは、搬送誤差δと最小補正
量Cとの関係は、δ=0.5Cが成り立つ関係である。
本実施形態では、上記の参考例と比較すると、搬送ユニ
ットの搬送量を補正する場合と、搬送ユニットの搬送量
を補正しない場合との両方がある点で異なっている(同
図では、2回の搬送につき1度の割合で搬送量を補正し
ている)。
【0051】本実施形態でも、搬送ユニットは、目標搬
送量F(=L・D)の指令信号が入力されたときに、一
定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を
搬送している。そして、パス1とパス2との間の搬送量
及びパス3とパス4との間の搬送量は、補正していな
い。その結果、パス1で記録されるラスタライン(L
2、L5)とパス2で記録されるラスタライン(L1、
L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3
で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラスタ
ライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くな
る。
【0052】一方、本実施形態では、パス2とパス3と
の間の搬送量には、補正量−Cが加えられている。その
結果、パス2で記録されるラスタラインとパス3で記録
されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがC
−δだけ広くなる(δ−Cだけ短くなる)。よって、本
実施形態では、図13で示される通り、例えば第2列目
のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形
成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パ
ス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間の
ドットピッチが、D+3δ−C(=D+δ)になる。
【0053】本実施形態では、上記の参考例の場合と比
較すると、搬送誤差の蓄積が軽減されるため、理想的な
ドットピッチDに対して極端に近接や離間することがな
いので、バンディング(暗バンディング及び淡バンディ
ング)の発生を抑制することができる。
【0054】<補正を行うタイミングについて>図14
は、本実施形態の搬送量の補正を行うタイミングを示す
フロー図である。以下、同図を用いて、搬送量の補正を
行うタイミングについて説明する。なお、以下に説明す
るプリンタの動作は、制御ユニット60によって制御さ
れる(又は、プリンタドライバによって制御される)。
【0055】まず、フロー図の『START』の状態
は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、そ
の位置から印刷開始位置に搬送された状態である。この
ときの搬送誤差の蓄積(以下、蓄積誤差δTという)
は、ゼロである(S101)。
【0056】次に、累積誤差δTに搬送誤差δが加算さ
れる(S102)。ここで、搬送誤差δは、目標搬送量
Fに基づいて紙を搬送したときに、実際の搬送量に含ま
れる誤差である。また、搬送誤差δは、プリンタ本体の
メモリに記憶されているか、または、プリンタドライバ
によって予め設定されている。
【0057】次に、累積誤差δTが、プリンタの搬送量
の最小補正量Cよりも大きいかどうかを判断する(S1
03)。なお、この判断を行う前(つまり、実際の搬送
を行う前)に累積誤差δTに搬送誤差δを加算している
(S102)ので、ここでの判断の対象となる累積誤差
δTは、紙を搬送する前の累積誤差ではなく、紙を搬送
した後に予想される累積誤差である。
【0058】累積誤差δTが最小補正量Cよりも小さい
ならば、目標搬送量Fを補正せず(S104)、目標搬
送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際
の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含ん
でいる(S105)。
【0059】累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きい
ならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S11
1)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。な
お、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−C
に対して、誤差δを含んでいる(S112)。また、こ
の場合、紙の累積誤差δTが補正されているので、累積
誤差δTから最小補正量Cを減算する(S113)。
【0060】次に、キャリッジを走査方向に移動して、
ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印
刷を行う(S121)。そして、印刷が終了しないなら
ば、工程S102に戻る(S122)。これを繰り返す
ことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間
欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行わ
れる。なお、工程S122における印刷終了の判断は、
紙の目標搬送量の累積から判断することができる。
【0061】本実施形態の搬送量の補正方法のフローで
は、紙を搬送した後に予想される累積誤差δTが最小補
正量Cよりも大きいときに搬送量を補正しているので、
実際の累積誤差が最小補正量を超えることがない。その
結果、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えること
ができるので、バンディングの発生を抑えることができ
る。
【0062】図15は、本実施形態の一例として、δ=
0.75Cである場合の累積誤差δTと搬送回数との関
係を示すグラフである。以下、同図と図14とを用い
て、この場合の搬送量の補正を行うタイミングを説明す
る。
【0063】1回目の紙の搬送(パス1)では、S10
2において累積誤差δTは0.75Cなので、δT<C
と判断されるため(S103)、目標搬送量はFになる
(S104)。つまり、この場合、パス1では、搬送量
は補正されない。そして、実際には、紙は搬送量F+δ
だけ搬送され(S105)、印刷が行われる(S12
1)。なお、グラフにおいて、横軸の1の手前で累積誤
差δTが0.75Cになっているのは、S102におい
て、紙を搬送する前に予想される累積誤差を考慮してい
るためである(以下、同様である)。
【0064】次に、2回目の紙の搬送(パス2)では、
S102において累積誤差δTは1.50Cなので、δ
T≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF
−Cになる(S111)。つまり、この場合、パス2で
は、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送
量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われ
る(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送
量が補正されているので、δT=0.5Cになる。
【0065】次に、3回目の紙の搬送(パス3)では、
S102において累積誤差δTは1.25Cなので、δ
T≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF
−Cになる(S111)。つまり、この場合、パス3で
は、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送
量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われ
る(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送
量が補正されているので、δT=0.25Cになる。
【0066】次に、4回目の紙の搬送(パス4)では、
S102において累積誤差δTは1.0Cなので、δT
≧Cと判断されるため(S103)、目標搬送量はF−
Cになる(S111)。つまり、この場合、パス4で
は、搬送量が補正される。そして、実際には、紙は搬送
量F+δ−Cだけ搬送され(S112)、印刷が行われ
る(S121)。なお、この時の累積誤差δTは、搬送
量が補正されているので、δT=0になる。
【0067】次のパス以降の動作は、パス1〜パス4で
の動作とほぼ同様である。すなわち、4回の搬送のうち
の3回の搬送は、搬送量の補正を行う。
【0068】<搬送誤差δの決定について>上記の通
り、搬送誤差δは、搬送量の補正のタイミングを決める
要素となる。この搬送誤差δは、主に、(1)プリンタ
本体の製造のばらつき、(2)搬送する紙の種類、
(3)紙の搬送量、等に依存していると考えられる。
【0069】(1)プリンタ本体の製造のばらつきによ
る搬送誤差δは、例えば、搬送ユニットの紙送りローラ
の径のばらつき等によって、発生する。この搬送誤差
は、プリンタを工場から出荷する際に、工場でのプリン
タの検査において決定される。例えば、工場において、
出荷前のプリンタを用いてテストパターン(いわゆるパ
ッチパターン)を印刷し、そのテストパターンの印刷状
況に基づいて、搬送誤差δが決定される。なお、このよ
うなテストパターンとしては、異なる搬送量で印刷した
複数のパターンを印刷したものが考えられる。そして、
この複数のパターンの中から最適なパターンを選択する
ことによって、搬送誤差δが決定されるのである。
【0070】(2)搬送する紙の種類による搬送誤差δ
は、例えば、紙が搬送時に紙送りローラに対して滑るこ
と等によって、発生する。したがって、この搬送誤差
は、紙が滑りやすいほど小さい値になり、紙が滑りにく
いほど大きい値になる。例えば、普通紙と光沢紙では、
普通紙の方が搬送誤差が大きい値になる。また、紙がロ
ール紙であれば、紙がロール側(すなわち搬送方向と反
対方向)に引っ張られる傾向にあるので、搬送誤差が小
さい値になる。この場合、搬送誤差δと紙の種類とを関
連付けたテーブルが、プリンタ本体のメモリに記憶され
るか、または、プリンタドライバによって予め設定され
ている。
【0071】(3)紙の搬送量による搬送誤差は、例え
ば、搬送量Fが大きいと大きい値になり、搬送量Fが小
さいと小さい値になる。この場合、搬送誤差δと目標搬
送量Fとを関連付けたテーブルが、プリンタ本体のメモ
リに記憶されるか、または、プリンタドライバによって
予め設定されている。
【0072】なお、搬送誤差δは、上記の3つの要因に
依存するものに限られない。また、搬送誤差δは、上記
の3つの要因のうちの少なくとも1つの要因に依存する
ものであっても良い。
【0073】===コンピュータシステム等の構成==
= 次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラ
ム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体
の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0074】図16は、コンピュータシステムの外観構
成を示した説明図である。コンピュータシステム100
0は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104
と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装
置1110とを備えている。コンピュータ本体1102
は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されてい
るが、これに限られるものではない。表示装置1104
は、CRT(CathodeRay Tube:陰極線管)やプラズマ
ディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的
であるが、これに限られるものではない。プリンタ11
06は、上記に説明されたプリンタが用いられている。
入力装置1108は、本実施形態ではキーボード110
8Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限
られるものではない。読取装置1110は、本実施形態
ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとC
D−ROMドライブ装置1110Bが用いられている
が、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet
Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Ve
rsatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0075】図17は、図16に示したコンピュータシ
ステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本
体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ
1202と、ハードディスクドライブユニット1204
等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリ
ンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録
媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等
に記録され、読取装置1110により読みこまれる。ま
た、コンピュータプログラムは、インターネット等の通
信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウ
ンロードされるようにしても良い。
【0076】図18は、コンピュータシステムに接続さ
れた表示装置1104の画面に表示されたプリンタドラ
イバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
ユーザーは、入力装置1108を用いて、プリンタドラ
イバの各種の設定を行うことができる。例えば、ユーザ
ーは、この画面上から、印刷する紙の種類を選択するこ
とができる。そして、選択された紙の種類に応じて、前
述の搬送誤差δを決定又は算出することができる。ま
た、ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択す
ることができる。そして、印刷モードが決まれば、紙の
搬送量が決定されるので、前述の搬送誤差δを決定又は
算出することができる。
【0077】図19は、コンピュータ本体1102から
プリンタ1106に供給される印刷データのフォーマッ
トの説明図である。この印刷データは、プリンタドライ
バの設定に基づいて画像情報から作成されるものであ
る。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマ
ンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度
を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示す
コマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマ
ンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマ
ンドCPとを含んでいる。上述した搬送量の補正をコン
ピュータ本体側で行うのであれば、この目標搬送量コマ
ンドCLは補正量を既に含まれている。また、上述した
搬送量の補正をプリンタ本体側で行うのであれば、この
目標搬送量コマンドCLは補正量を含んでいない。画素
データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画
素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。な
お、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部と
データ部とを有しているが、簡略して描かれている。ま
た、これらのコマンド群は、各コマンド毎にコンピュー
タ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、
印刷データは、このフォーマットに限られるものではな
い。
【0078】なお、以上の説明においては、プリンタ1
106が、コンピュータ本体1102、表示装置110
4、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続
されてコンピュータシステムを構成した例について説明
したが、これに限られるものではない。例えば、コンピ
ュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリン
タ1106から構成されても良く、コンピュータシステ
ムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置
1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例
えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体110
2、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取
装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持って
いても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処
理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、
デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録し
た記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等
を有する構成としても良い。
【0079】また、上述した実施形態において、プリン
タを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット
60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、
制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実
行することにより、上述した実施形態におけるプリンタ
の動作を達成しても良い。このようにして実現されたコ
ンピュータシステムは、システム全体として従来システ
ムよりも優れたシステムとなる。
【0080】===その他の実施の形態=== 以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を
説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易に
するためのものであり、本発明を限定して解釈するため
のものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することな
く、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物
が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる
実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれる
ものである。
【0081】<搬送量の補正の要否の判断について1>
前述の実施形態では、紙を搬送する前に予め搬送後の累
積誤差δTを求め、その累積誤差δTと最小補正量Cと
の関係から、搬送量の補正が必要であるか否かの判断を
していた。しかし、搬送量の補正の要否の判断は、これ
に限られるものではない。例えば、図20は、他の実施
形態における搬送量の補正を行うタイミングを示すフロ
ー図である。以下に説明するプリンタの動作は、制御ユ
ニット60によって制御される(又は、プリンタドライ
バによって制御される)。
【0082】まず、フロー図の『START』の状態
は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、そ
の位置から印刷開始位置に搬送された状態である。この
ときの搬送誤差の蓄積(以下、蓄積誤差δTという)
は、ゼロである(S201)。
【0083】次に、累積誤差δTが、プリンタの搬送量
の最小補正量Cよりも大きいかどうかを判断する(S2
03)。前述の実施形態では、この判断の対象となる累
積誤差δTは、実際の搬送を行う前に予め求めた値であ
った。一方、本実施形態では、現在の搬送量の累積誤差
δTを判断の対象としている。
【0084】累積誤差δTが最小補正量Cよりも小さい
ならば、目標搬送量Fを補正せず(S204)、目標搬
送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際
の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含ん
でいる(S205)。そして、紙を搬送した後、現在の
累積誤差δTを記憶するために、累積誤差δTにδを加
算する(S206)。
【0085】累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きい
ならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S21
1)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。な
お、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−C
に対して、誤差δを含んでいる(S212)。そして、
紙を搬送した後、現在の累積誤差δTを記憶するため
に、累積誤差δTにδを加算するとともに、紙の累積誤
差δTが補正されているので、累積誤差δTから最小補
正量Cを減算する(S213)。
【0086】次に、キャリッジを走査方向に移動して、
ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印
刷を行う(S221)。そして、印刷が終了しないなら
ば、工程S203に戻る(S222)。これを繰り返す
ことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間
欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行わ
れる。なお、工程S222における印刷終了の判断は、
紙の目標搬送量の累積から判断することができる。
【0087】本実施形態の搬送量の補正方法のフローで
は、現在の累積誤差δTが最小補正量Cよりも大きいと
きに搬送量を補正している。このようにしても、ドット
ピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるの
で、バンディングの発生を抑えることができる。
【0088】<搬送量の補正の要否の判断について2>
また、搬送量の補正の要否の判断要素は、上述した実施
形態のように累積誤差と最小補正量との大小関係に限ら
れるものではなく、他の判断要素に基づいても良い。図
21は、他の実施形態における搬送量の補正を行うタイ
ミングを示すフロー図である。この実施形態では、紙の
総搬送量が補正の要否の判断要素になっている。なお、
以下に説明するプリンタの動作は、制御ユニット60に
よって制御される(又は、プリンタドライバによって制
御される)。
【0089】まず、フロー図の『START』の状態
は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、そ
の位置から印刷開始位置に搬送された状態である。この
ときの繰越搬送量FTは、ゼロである(S301)。
【0090】次に、繰越搬送量FTに対して、搬送量F
が加算される(S302)。ここで、搬送量Fは、紙を
間欠的に搬送する際の1回分の搬送量である。また、搬
送量Fは、印刷モード等によって定まるものであり、プ
リンタ本体のメモリに記憶されているか、または、プリ
ンタドライバによって予め設定されている。
【0091】次に、繰越搬送量FTが、基準搬送量Aよ
りも大きいかどうかを判断する(S303)。なお、紙
の搬送量は、基準搬送量Aだけ搬送されたときに、目標
搬送量に対して最小補正量Cだけ搬送誤差が生じる。
【0092】繰越搬送量FTが基準搬送量Aよりも小さ
いならば、目標搬送量Fを補正せず(S304)、目標
搬送量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実
際の紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含
んでいる(S305)。
【0093】繰越搬送量FTが基準補正量Aよりも大き
いならば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S31
1)、目標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。な
お、この場合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−C
に対して、誤差δを含んでいる(S312)。また、こ
の場合、紙の搬送量Fが補正されているので、繰越搬送
量FTから基準搬送量Aを減算する(S313)。
【0094】次に、キャリッジを走査方向に移動して、
ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印
刷を行う(S321)。そして、印刷が終了しないなら
ば、工程S302に戻る(S322)。これを繰り返す
ことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間
欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行わ
れる。なお、工程S322における印刷終了の判断は、
紙の総搬送量から判断することができる。
【0095】本実施形態のように、紙の総搬送量に基づ
いて搬送量の補正の要否を判断しても、ドットピッチD
の極端な近接や離間を抑えることができるので、バンデ
ィングの発生を抑えることができる。
【0096】<搬送量の補正の要否の判断について3>
また、搬送量の補正の要否の判断要素は、上述した実施
形態のように限られるものではなく、他の判断要素に基
づいても良い。図22は、他の実施形態における搬送量
の補正を行うタイミングを示すフロー図である。この実
施形態では、間欠的な搬送の搬送回数が判断要素になっ
ている。具体的には、n回の搬送につき1回、搬送量の
補正を行っている。なお、以下に説明するプリンタの動
作は、制御ユニット60によって制御される(又は、プ
リンタドライバによって制御される)。
【0097】まず、フロー図の『START』の状態
は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、そ
の位置から印刷開始位置に搬送された状態である。この
ときのカウントiは、ゼロである(S401)。次に、
カウントiに1が加算される(S402)。これは、紙
を間欠的に搬送する際の1回分の搬送が行われることを
意味する。次に、n回の搬送につき1回の補正動作を行
うので、カウントiが、nよりも大きいかどうかを判断
する(S403)。なお、n回の搬送が行われたとき
に、目標搬送量に対して最小補正量Cだけ搬送誤差が生
じていると考えられる。カウントiがnよりも小さいな
らば、目標搬送量Fを補正せず(S404)、目標搬送
量Fに基づいて紙を搬送する。なお、この場合、実際の
紙の搬送量は、目標搬送量Fに対して、誤差δを含んで
いる(S405)。カウントiがnよりも大きいなら
ば、目標搬送量FをF−Cに補正して(S411)、目
標搬送量F−Cに基づいて紙を搬送する。なお、この場
合、実際の紙の搬送量は、目標搬送量F−Cに対して、
誤差δを含んでいる(S412)。また、この場合、紙
の搬送量Fが補正されているので、カウントiからnを
減算する(S413)。
【0098】次に、キャリッジを走査方向に移動して、
ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印
刷を行う(S421)。そして、印刷が終了しないなら
ば、工程S402に戻る(S422)。これを繰り返す
ことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間
欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行わ
れる。なお、工程S422における印刷終了の判断は、
紙の総搬送量から判断することができる。本実施形態の
ように、間欠的な搬送の際の搬送回数に基づいて搬送量
の補正の要否を判断しても、ドットピッチDの極端な近
接や離間を抑えることができるので、バンディングの発
生を抑えることができる。
【0099】なお、上記の説明で用いたnは、整数であ
る必要はない。例えば、n=4/3ならば、前述の図1
5で説明した実施例と同様に、4回の搬送のうち3回の
搬送において搬送量の補正ができる。また、n回の搬送
のうちの何回目の搬送時に補正を行うのかを予め定めて
いても良い。この場合、条件をプリンタ本体のメモリに
記憶させることが望ましく、又は、その条件に基づいて
コンピュータ本体のプリンタドライバを設定することが
望ましい。このようにすれば、搬送誤差を決定しなくて
も、搬送の精度を高めることができる。
【0100】<搬送誤差の決定方法について>前述の実
施形態では、工場においてパッチパターンを印刷し、こ
のパターンを用いて搬送誤差を求めていた。しかし、搬
送誤差の決定方法は、これに限られるものではない。例
えば、ユーザー先において搬送誤差を求めても良い。ま
た、例えば、複数の条件で印刷を行い、適当な印刷条件
を選択することによって、搬送誤差が求められても良
い。また、上述したように、搬送誤差以外の要件に基づ
いて搬送量の補正の要否を判断する場合ならば、搬送誤
差を直接的に求めていなくても良い。
【0101】<印刷方法について>前述の実施形態で
は、インターレース方式の印刷方法を行う場合の搬送量
の補正について述べたが、印刷方法は、これに限られる
ものではない。また、前述の実施形態では、一つのラス
タラインは、一つのノズルから吐出されたインク滴によ
るドットから形成されていた。しかし、これに限られる
ものではない。例えば、一つのラスタラインが、二つ以
上のノズルから吐出されたインク滴によるドットから形
成されていても良い(いわゆるオーバーラップ印刷方
式)。また、他の印刷方法であっても、上述した実施形
態の搬送量の補正を適用することが可能であることは言
うまでもない。
【0102】<搬送量について>前述の実施形態では、
紙を間欠的に搬送する際の搬送量は、一定の搬送量Fで
あった。しかし、紙の搬送量は、これに限られるもので
はない。例えば、印刷モードによって、搬送量が異なっ
ても良い。また、紙の上端や下端において、搬送量が異
なっても良い。そして、搬送量が異なるときに搬送量の
補正の条件が異なるように、プリンタ本体やプリンタド
ライバ等の設定を行ってもよい。
【0103】<インクの吐出方法について>前述の実施
形態では、ピエゾ素子を用いてインク滴を吐出させてい
た。しかし、インクの吐出方法は、これに限られるもの
ではない。例えば、ヒーターを用いて泡を発生させるこ
とによって、インク滴をノズルから吐出させても良い
し、他の方法でインク滴を吐出しても良い。
【0104】<ノズルについて>前述の実施形態によれ
ば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャ
リッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ
41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッ
ド21の構成は、これに限られるものではない。例え
ば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)
と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能
であっても良い。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、被印刷体の搬送の精度
を高めて、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構
成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリ
ッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の説明図である。
【図4】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユ
ニット周辺の斜視図である。
【図5】リニア式エンコーダの構成の説明図である。
【図6】リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタ
イミングチャートである。
【図7】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明
図である。
【図8】紙Sを搬送するときに誤差がない場合のドット
の形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図9】紙Sを搬送するときに誤差がある場合のドット
の形成の様子を示す説明図である(参考例)。
【図10】紙Sを搬送するときに誤差がある場合に搬送
ユニットの搬送量を毎回補正したときのドットの形成の
様子を示す説明図である(参考例)。
【図11】図9及び図10における印刷縞(バンディン
グ)の発生の様子を示す説明図である(参考例)。
【図12】本実施形態のドットの形成の様子を示す説明
図である。
【図13】印刷縞(バンディング)の発生が抑制された
様子を示す説明図である。
【図14】本実施形態の搬送量の補正を行うタイミング
を示すフロー図である。
【図15】累積誤差δTと搬送回数との関係を示すグラ
フである(δ=0.75C)。
【図16】コンピュータシステムの外観構成を示した説
明図である。
【図17】図16に示したコンピュータシステムの構成
を示すブロック図である。
【図18】プリンタドライバのユーザーインターフェー
スを示す説明図である。
【図19】コンピュータ本体からプリンタに供給される
印刷データのフォーマットの説明図である。
【図20】他の実施形態における搬送量の補正を行うタ
イミングを示すフロー図である。
【図21】他の実施形態における搬送量の補正を行うタ
イミングを示すフロー図である。
【図22】他の実施形態における搬送量の補正を行うタ
イミングを示すフロー図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット 11A 紙挿入口 11B ロール紙挿入口 13 給紙ローラ 14 プラテン 15 紙送りモータ(PFモータ) 16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ) 17A 紙送りローラ 17B 排紙ローラ 18A、18B フリーローラ 20 インク吐出ユニット 21 ヘッド 22 ヘッドドライバ 30 クリーニングユニット 31 ポンプ装置 32 ポンプモータ 33 ポンプモータドライバ 35 キャッピング装置 40 キャリッジユニット 41 キャリッジ 42 キャリッジモータ(CRモータ) 43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライ
バ) 44 プーリ 45 タイミングベルト 46 ガイドレール 50 計測器群 51 リニア式エンコーダ 511 リニアスケール 512 検出部 512A 発光ダイオード 512B コリメータレンズ 512C 検出処理部 512D フォトダイオード 512E 信号処理回路 512F コンパレータ 52 ロータリー式エンコーダ 53 紙検出センサ 54 紙幅センサ 60 制御ユニット 61 CPU 62 タイマ 63 インターフェース部 64 ASIC 65 メモリ 66 DCコントローラ 67 ホストコンピュータ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を
    備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷
    装置であって、 間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が
    搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記
    搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    場合とがあることを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷装置であって、 前記搬送量の補正の要否は、前記搬送機構が搬送する被
    印刷体の搬送量の誤差に基づいて、決定される。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の印刷装置であっ
    て、 前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送によって
    蓄積された搬送量の誤差に基づいて、決定される。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の印刷装置であって、 前記搬送機構が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された
    誤差の方が大きいとき、前記搬送量を補正する。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記搬送量の誤差は、実際に誤差が生ずる前に求められ
    る。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記搬送量の補正の要否は、前記被印刷体の搬送量に基
    づいて、決定される。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の総搬送
    量に基づいて、決定される。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷装
    置であって、 前記搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送の回数に
    基づいて、決定される。
  9. 【請求項9】 被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を
    備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷
    装置であって、 間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が
    搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記
    搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    場合とがあり、 この搬送量の補正の要否は、前記間欠的な搬送によって
    蓄積された搬送量の誤差に基づいて、決定されるもので
    あって、 前記搬送量の誤差は、実際に誤差が生ずる前に求めら
    れ、 前記搬送機構が補正可能な搬送量よりも前記蓄積された
    誤差の方が大きいとき、前記搬送量を補正することを特
    徴とする印刷装置。
  10. 【請求項10】 被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構
    を備え、間欠的な搬送の間に前記被印刷体を印刷する印
    刷装置に対し、 間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が
    搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記
    搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    場合とがあるように前記被印刷体の搬送を実行させるこ
    とを特徴とするプログラム。
  11. 【請求項11】 コンピュータ本体と、前記コンピュー
    タ本体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシス
    テムであって、 前記印刷装置は、 被印刷体を間欠的に搬送する搬送機構を備え、間欠的な
    搬送の間に前記被印刷体を印刷する印刷装置であって、 間欠的に前記被印刷体を搬送する際に、前記搬送機構が
    搬送する前記被印刷体の搬送量を補正する場合と、前記
    搬送機構が搬送する前記被印刷体の搬送量を補正しない
    場合とがあることを特徴とするコンピュータシステム。
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US7445329B2 (en) 2006-11-14 2008-11-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
US7665818B2 (en) 2005-09-30 2010-02-23 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Multipass image-forming device having large feed calibration
JP2011224885A (ja) * 2010-04-20 2011-11-10 Mimaki Engineering Co Ltd 搬送方法、画像記録方法及び画像記録装置

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