JP4449394B2 - 印刷装置、印刷方法、及び、印刷システム - Google Patents

印刷装置、印刷方法、及び、印刷システム Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷方法、及び、印刷システムに関する。
従来、印刷装置において、「縁無し印刷」と呼ばれる印刷機能が設けられている。この「縁無し印刷」とは、媒体よりも広い範囲にインクを吐出する印刷方法のことで、媒体には余白が形成されないように印刷が施される。「縁無し印刷」では媒体よりも広い範囲にインクが吐出されるので、媒体から外れるインクが存在する。このため、このような印刷装置にあっては、打ち捨てられたインクを堆積するインク堆積部が設けられている。
特開2002−103586号公報
ところが、このような「縁無し印刷」にあっては、次のような問題があった。すなわち、媒体を印刷開始位置まで搬送するときに、媒体が、インクが吐出される位置よりも搬送方向上流側に大きく離れた位置に搬送されると、インク堆積部に打ち捨てられるインク量が多くなる。一方、媒体が、インクが吐出される位置よりも媒体搬送方向の下流側に搬送されると、媒体に余白が形成されてしまう。したがって、このような「縁無し印刷」にあっては、媒体を印刷開始位置まで搬送するときに、媒体を、媒体搬送方向の上流側のギリギリの位置を目標として正確に搬送することが好ましい。
また、「縁無し印刷」に限らず、例えば、媒体の端部に所定の大きさの余白を設けるようにして印刷を行う場合にも、余白の大きさを所定の大きさにするためには、目標とする印刷開始位置まで媒体を正確に搬送する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みたものであって、印刷される媒体を目標とする位置に正確に搬送することにある。
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
複数のノズルが前記搬送方向に並ぶ印刷ヘッドであって、前記搬送方向と交差する移動方向に移動して前記媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷ヘッドと、
前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部と、
を備え、
所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、
前記印刷開始位置まで搬送された媒体に、前記印刷ヘッドを前記移動方向に移動させつつ前記インクを噴射するノズルを切り替えて、前記移動方向にのびる罫線からなる複数のパターンであって、隣り合うパターンが前記搬送方向について所定距離だけ間隔があけられた複数のパターンを形成し、
前記複数のパターンの形成において、いくつかのパターンを形成するためのインクは前記インク堆積部に打ち捨てられ、
前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、
他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送する、ことを特徴とする印刷装置。
本発明の他の特徴は、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
印刷される媒体を目標とする位置に正確に搬送することが可能となる。
本明細書及び添付図面の記載により少なくとも以下の事項が明らかとなる。
媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットにより搬送された前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、を備え、所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、前記印刷開始位置まで搬送された媒体に前記印刷ヘッドにより複数のパターンを形成し、前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置にあっては、印刷開始位置まで搬送された媒体に印刷ヘッドにより複数のパターンを形成し、複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、他の媒体に印刷ヘッドによって印刷を行うとき、補正量により補正された目標搬送量に基づいて、搬送ユニットにより他の媒体を印刷開始位置まで搬送するので、印刷される媒体を目標とする位置に正確に搬送することが可能となる。
前記媒体を検出するセンサをさらに備え、前記センサが前記媒体を検出した後、前記搬送ユニットは、前記目標搬送量に基づいて、前記媒体を搬送することが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記媒体を検出するセンサをさらに備え、前記センサが前記媒体を検出した後、前記搬送ユニットは、前記目標搬送量に基づいて、前記媒体を搬送するので、媒体を目標とする位置に正確に搬送することが可能である。
前記センサは、キャリッジに設けられていることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記センサは、キャリッジに設けられているので、媒体を正確に検出することが可能である。
前記複数のパターンは、キャリッジの移動する方向に沿って媒体に形成されることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記複数のパターンは、キャリッジの移動する方向に沿って媒体に形成されるので、前記複数のパターンを形成するときに、キャリッジをキャリッジ移動方向と逆方向に戻す必要はない。
前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向の異なる位置に形成されることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向の異なる位置に形成されるので、目標搬送量を補正するための基準とすることができる。
前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向に等間隔で形成されることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向に等間隔で形成されるので、目標搬送量を補正するための基準とすることができる。
前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数のノズルのうちの前記媒体の搬送方向最下流に設けられたノズルから吐出されるインクによって形成されることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数のノズルのうちの前記媒体の搬送方向最下流に設けられたノズルから吐出されるインクによって形成されるので、前記複数のパターンを正確に形成することができる。
前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数の異なるノズルから吐出されるインクによって形成されることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数の異なるノズルから吐出されるインクによって形成されるので、前記複数のパターンを形成するときに、前記搬送ユニットは、前記媒体を搬送方向に繰り返し移動する必要はない。
前記インクの色は、ブラックであることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記インクの色は、ブラックであるので、ユーザーは、前記複数のパターンを目視し易い。
前記媒体に、縁無し印刷を行うことが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記媒体に、縁無し印刷を行うことができる。
前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部をさらに備えることが好ましい。
このような印刷装置にあっては、前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部をさらに備えるので、前記媒体に着弾しないインクをインク堆積部に堆積させることができる。
また、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットにより搬送された前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、を備え、所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、前記印刷開始位置まで搬送された媒体に前記印刷ヘッドにより複数のパターンを形成し、前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送し、前記目標搬送量は、前記媒体がセンサに検出されてから印刷開始時までに搬送される搬送量であり、前記センサは、キャリッジに設けられ、前記複数のパターンは、キャリッジの移動する方向に沿って媒体に形成され、前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向の異なる位置に形成され、前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向に等間隔で形成され、前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数のノズルのうちの前記媒体の搬送方向最下流に設けられたノズルから吐出されるインクによって形成され、前記インクの色は、ブラックであり、前記媒体に、縁無し印刷を行い、前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部をさらに備えることを特徴とする印刷装置も実現可能である。
このようにすれば、既述の総ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、所定の目標搬送量に基づいて、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、前記印刷開始位置まで搬送された媒体に印刷を行う印刷ヘッドにより複数のパターンを形成し、前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送することを特徴とする印刷方法も実現可能である。
このようにして実現された印刷方法は、従来方法よりも優れた方法となる。
また、コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムであって、前記印刷装置は、媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、前記搬送ユニットにより搬送された前記媒体に印刷を行う印刷ヘッドと、を備え、所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、前記印刷開始位置まで搬送された媒体に前記印刷ヘッドにより複数のパターンを形成し、前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送することを特徴とする印刷システムも実現可能である。
このようにして実現された印刷システムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===装置の概要===
図1は、インクジェットプリンタを備えた印刷システムの概略構成図である。図2は、コントローラを中心とした印刷システムの構成を示すブロック図である。
インクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1と称する)は、インクをノズルから吐出して、媒体に画像を印刷する印刷装置である。このプリンタ1は、搬送ユニット10と、キャリッジユニット20と、ヘッドユニット30と、操作パネル40と、コントローラ50とを備えている。
搬送ユニット10は、媒体Pを印刷可能な位置まで搬送する。そして、媒体Pを印刷するとき、搬送ユニット10は、所定の搬送量で媒体Pを間欠的に搬送する(なお、搬送ユニット10が媒体Pを搬送する方向を搬送方向と呼ぶ)。この搬送ユニット10は、搬送モータ12と、搬送ローラ14とを有する。搬送モータ12は、回転駆動力を発生する。搬送ローラ14は、搬送モータ12の回転駆動力によって回転し、媒体Pを搬送方向に搬送する。なお、搬送ユニット10による媒体Pの搬送については、後で詳述する。
キャリッジユニット20は、キャリッジを往復移動させるための装置である。つまり、キャリッジユニット20は、キャリッジを移動させることによって、インクを吐出するノズルを移動させる。なお、キャリッジ移動方向とは、図1の左右方向に平行な方向であって、搬送方向と交差する方向である。このキャリッジユニット20は、キャリッジ21と、キャリッジモータ22と、プーリ23と、ベルト24と、ガイド25と、位置センサ26とを有する。キャリッジ21は、キャリッジ移動方向に沿って往復移動可能である。また、キャリッジ21は、インクを収容するインクカートリッジ70を装着できる。キャリッジモータ22は、キャリッジ21をキャリッジ移動方向に沿って移動させるための駆動力を発生する。キャリッジモータ22は、キャリッジ21がキャリッジ移動方向に往復できるように、正回転と逆回転とを切り替え可能である。プーリ23は、キャリッジモータ22の回転軸に取り付けられて、キャリッジモータ22によって回転させられる。ベルト24は、プーリ23によって駆動される。ベルト24の一部とキャリッジ21の一部とが接合されているので、キャリッジモータ22が回転すると、プーリ23を介してベルト24が駆動され、キャリッジ21がキャリッジ移動方向に移動する。ガイド25は、断面が円形の棒状部材であって、キャリッジ21をキャリッジ移動方向に沿って案内するための案内部材である。ガイド25とベルト24の一部とによって、キャリッジ移動方向を軸とする回転方向のキャリッジ21の動きが規制される。位置センサ26は、キャリッジ21の原点位置(キャリッジ移動方向の原点位置)を検出する。また、キャリッジユニット20は、リニア式エンコーダ(不図示)等も有する。リニア式エンコーダは、原点位置に対するキャリッジ21の相対位置(キャリッジ移動方向の相対位置)を検出する。
ヘッドユニット30は、媒体Pにインクを吐出するための装置であって、複数のノズルと駆動素子とを備えたヘッド31を有する。ヘッド31はキャリッジ21と一体的に設けられているので、キャリッジ21がキャリッジ移動方向に移動すると、ヘッド31も同様にキャリッジ移動方向に移動する。したがって、キャリッジ21の移動中にヘッド31のノズルから間欠的にインクを吐出すると、媒体Pにインク滴が順次着弾し、媒体Pにはライン状のドットの列が形成される。また、ヘッドユニット30は、導入管やインク流路(後述)等も有する。
操作パネル40は、複数の操作ボタンや、LED等の発光素子からなるランプを有する。操作者は、操作ボタンを押すことによって、プリンタ1に対して直接的に印刷条件を入力することができる。ランプは、例えば、赤いLEDを発光させて、操作者に異常を報知すること等に用いられる。
コントローラ50は、プリンタ1の制御を行う。特に、コントローラ50は、上記の搬送ユニット10、キャリッジユニット20、ヘッドユニット30及び操作パネル40に対して信号を受け渡し、各ユニットの制御を行う。このコントローラ50は、CPU51と、RAM52と、ROM53とを備え、算術論理演算回路を構成している。CPU51は、プリンタ1全体の制御を行うためのものであり、各ユニットに制御指令を与える。RAM52は、CPU51の作業領域を確保する。ROM53は、プログラムを格納する記憶手段であって、例えばEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリから構成され、データの書き換えも可能である。後述するプリンタ1の各種の動作は、このROM53に格納されたプログラムによって実現される。また、ROM53は、テストパターンやプリンタフォントに関する情報を記録している。そして、プリンタ1がテストパターンや文字を特定する情報を受信したとき、プリンタ1はROM53の中に記憶されている情報を参照し、対応するテストパターンや文字を出力する。また、ROM53は、搬送量を補正するための補正量に関する情報などを格納する記憶手段でもある。
また、コントローラ50は、I/F専用回路55と、モータ駆動回路56と、ヘッド駆動回路57とを有する。I/F専用回路55は、インタフェースを専用に行う。モータ駆動回路56は、I/F専用回路55に接続され、CPU51からの信号に基づいて搬送モータ12やキャリッジモータ22を駆動する。ヘッド駆動回路57は、I/F専用回路55に接続され、CPU51からの信号に基づいてヘッド31を駆動する。
なお、コントローラ50は、コネクタ3を介してコンピュータ5に接続されている。このコンピュータにはプリンタ1のドライバが搭載されている。プリンタ1のドライバは、キーボードやマウス等の入力手段の操作によって指令を受け付け、また、プリンタ1における種々の情報をディスプレイの画面表示によって操作者に提示するユーザインターフェイスとしての機能を備える。
===ヘッドの構成===
図3は、ヘッドの内部の概略構成を示す説明図である。図4は、ピエゾ素子35とノズルNzとの構造を示す説明図である。図5は、ヘッドにおけるノズルNzの配列を示す説明図である。
キャリッジ21は、ブラックインク(K)用のカートリッジ70Kと、濃シアンインク(C)用のカートリッジ70Cと、淡シアンインク(LC)用のカートリッジ70LCと、濃マゼンタインク(M)用のカートリッジ70Mと、淡マゼンタインク(LM)用のカートリッジ70LMと、イエローインク(Y)用のカートリッジ70Yを装着できる。各色のインクに対するヘッドの構成はほぼ同様なので、以下の説明では一部説明が省略されている。
キャリッジ21の下側には、6つのヘッドユニット30(30K、30C、30LC、30M、30LM、30Y)が設けられている。各ヘッドユニット30は、導入管33とインク流路34とを有する。導入管33は、カートリッジ70がキャリッジに装着されたとき、カートリッジ70に設けられている接続孔(不図示)に挿入され、ヘッドユニット30にインクを供給する。インク流路34は、カートリッジ70から供給されるインクをヘッド31まで導くための流路である。
ヘッド31は、複数のノズルNzが設けられている。各ノズルNzには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子35が設けられている。なお、各ノズルは、液体であるインクを吐出するための液体吐出部として機能する。
ピエゾ素子35は、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。ピエゾ素子35は、ピエゾ素子35の両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印加すると、電圧の印加時間に応じて伸張し、インク流路34の側壁を変形させる。この結果、インク通路34の体積がピエゾ素子35の伸張に応じて収縮し、この収縮分に相当するインクが、インク滴Ipとなって、ノズルNzの先端から吐出される。このインク滴Ipが媒体Pに着弾することにより、ドットが媒体に形成される。
複数のノズルは、ヘッド31の下面に、搬送方向に沿って整列している。これらのノズルは、一定の間隔で整列している。また、各ノズルには、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。このように配列されたノズル列は、色毎にヘッドの下面に設けられている。各色のノズル列は、走査方向に沿って隣り合うように、配置されている。
なお、印刷時には、搬送ユニット10が媒体Pを間欠的に所定の搬送量で搬送し、その間欠的な搬送の間にキャリッジ21が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。本実施形態では、ノズルの間隔は180dpiである。
===媒体の搬送===
<搬送ユニットの構成について>
図6は、搬送ユニット10の構成を説明するための説明図である。
搬送ユニット10は、媒体Pを印刷可能な位置に送り込み、印刷時に搬送方向に所定の移動量で媒体を移動させるためのものである。すなわち、搬送ユニット10は、媒体を搬送する搬送機構として機能する。搬送ユニット10は、搬送モータ12と搬送ローラ14の他に、搬送フリーローラ15と、プラテン16と、排紙ローラ17と、排紙フリーローラ18と、ロータリー式エンコーダ19とを有する。
搬送フリーローラ15は、搬送ローラ14と対向する位置に設けられ、媒体Pを搬送ローラ14との間に挟むことによって媒体Pを搬送ローラ14に向かって押さえる。プラテン16は、印刷中の媒体Pを下から支持する。排紙ローラ17は、印刷が終了した媒体Pをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17は、歯車により、搬送モータ12によって駆動される。つまり、搬送モータ12は、搬送ローラ14を駆動すると共に、排紙ローラ17も駆動する。排紙フリーローラ18は、排紙ローラ17と対向する位置に設けられ、媒体Pを排紙ローラ17との間に挟むことによって媒体Pを排紙ローラ17に向かって押さえる。
<ロータリー式エンコーダについて>
図7は、ロータリー式エンコーダ19の説明図である。
ロータリー式エンコーダ19は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであり、スケール191と検出部192とを有する。
スケール191は、所定の間隔毎にスリットが設けられており、搬送ローラ14側に設けられている。つまり、スケール191は、搬送ローラ14が回転すると、一緒に回転する。本実施形態では、搬送ローラ14が媒体Pを1/1440インチ分の搬送を行うように回転すると、搬送ローラはスケール191のスリット間隔分だけ回転する。
検出部192は、スケール191と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。検出部192は、発光ダイオード192Aと、コリメータレンズ192Bと、検出処理部192Cとを有しており、検出処理部192Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード192Dと、信号処理回路192Eと、2個のコンパレータ192Fa、192Fbとを備えている。
発光ダイオード192Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ192Bは、発光ダイオード192Aから発せられた光を平行光とし、スケール191に平行光を照射する。スケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード192Dに入射する。フォトダイオード192Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ192Fa、192Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ192Fa、192Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、ロータリー式エンコーダ19の出力となる。
図8Aは、搬送モータ12が正転しているときの出力信号の波形のタイミングチャートである。図8Bは、搬送モータ12が反転しているときの出力信号の波形のタイミングチャートである。
図8A及び図8Bに示す通り、搬送モータ12の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。搬送モータ12が正転しているとき、すなわち、媒体Pが搬送方向に搬送されているときは、図8Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、搬送モータ12が反転しているとき、すなわち、媒体Pが搬送方向とは逆方向に搬送されているときは、図8Bに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、搬送ローラ14がスケール191のスリットの間隔(例えば、1/1440インチ(1インチ=2.54cm))分だけ回転する時間に等しい。
<媒体の搬送について>
図9は、媒体の搬送の流れを説明するためのフロー図である。以下に説明されるプリンタ1(又は搬送ユニット10)の各種の動作は、プリンタ1内のROM53に格納されたプログラムによって実現される。また、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
まず、目標搬送量が設定される(S101)。目標搬送量とは、搬送ユニット10が目標とする移動量で媒体Pを搬送するため、搬送ユニット10の駆動量を決める値である。この目標搬送量は、コンピュータ5から受信した印刷データの中に含まれている目標搬送量に関する情報に基づいて、決定される。そして、目標搬送量は、カウンタの値を設定することによって、設定される。本実施形態では、目標搬送量をXとしているので、カウンタの値をXに設定する。
次に、搬送モータ12が駆動する(S102)。搬送モータ12が駆動すると、歯車を介して、搬送ローラ14が回転する。そして、搬送ローラ14が回転すると、搬送ローラ14に設けられたロータリー式エンコーダも回転する。
次に、ロータリー式エンコーダのパルス信号のエッジを検出する(S103)。すなわち、まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。本実施形態では、1個のエッジを検出することは、搬送ローラが1/1440インチで媒体Pを搬送することを意味する。
ロータリー式エンコーダのパルス信号のエッジを検出したら、カウンタの値を減算する(S104)。つまり、カウンタの値がXのときに、パルス信号のエッジを検出したら、カウンタの値をX−1に設定する。
そして、カウンタの値がゼロになるまで、S102〜S104の動作を繰り返す(S105)。最初にカウンタに設定された値のパルス数を検出するまで、搬送モータ12を駆動する。これにより、搬送ユニット10は、最初にカウンタに設定された値に応じた搬送量で、媒体Pを搬送方向に搬送できる。
例えば、媒体Pを90/1440インチだけ搬送するとき、目標搬送量を設定するため、カウンタの値を90に設定する。そして、ロータリー式エンコーダのパルス信号の立ち上りエッジ又は立ち下りを検出するたびに、カウンタの値を減算する。そして、カウンタの値がゼロになったとき、搬送ユニット10は、搬送動作を終了する。90個のパルス信号を検出することは、搬送ローラが90/1440インチで媒体Pを搬送することを意味する。したがって、目標搬送量の設定としてカウンタの値を90に設定すれば、搬送ユニット10は、90/1440インチで媒体Pを搬送することになるのである。
なお、上記の説明では、パルスENC−A又はENC−Bの立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出していたが、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方のエッジを検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はスケール191のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのいずれかを検出することは、搬送ローラが1/5760インチで媒体を搬送することを意味する。この場合、カウンタの値を90に設定すれば、搬送ユニット10は、90/5760インチで媒体Pを搬送することになる。以下に説明される本実施形態では、カウンタの値が1であれば、搬送ユニット10は、1/5769インチで媒体を搬送する。
上記の説明は、1回の搬送動作に関するものである。複数回の搬送動作を間欠的に行う場合、それぞれの搬送動作が終わるたびに目標搬送量が設定(カウンタが設定)され、設定された目標搬送量に従って媒体Pを搬送する。
ところで、ロータリー式エンコーダ19は、直接的には、搬送ローラ14の回転量を検出するのであって、媒体の搬送量を検出していない。しかし、搬送ローラ14が回転して媒体Pを搬送するとき、搬送ローラ14と媒体Pとの間の滑りによって、搬送誤差が生じている。このように、搬送ローラ14と媒体Pとの間で滑りが生じている場合、媒体Pを目標搬送量で搬送するためには、目標搬送量よりも大きい搬送量で搬送ローラ14を駆動する必要がある。そこで、本実施形態のプリンタは、搬送誤差を打ち消して媒体Pを最適な搬送量で搬送するため、目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に応じた値にカウンタを設定することが可能である。
===「縁無し印刷」における搬送量の補正について===
ここで、図10、図11A、及び、図11Bを参照して、「縁無し印刷」における搬送量の補正の必要性について説明する。
図10は、「縁無し印刷」において、媒体Pが、センサに検出された位置から印刷開始位置まで目標搬送量Lだけ搬送される様子を説明するための説明図である。図11Aは、インク堆積部に打ち捨てられたインクが山積みとなる様子を説明するための説明図である。図11Bは、媒体Pが印刷開始時にインクが吐出される位置より媒体搬送方向の下流部に搬送される様子を説明するための説明図である。
「縁無し印刷」とは、媒体よりも広い範囲にインクを吐出する印刷方法のことである。「縁無し印刷」では、媒体には余白が形成されないように、媒体より外側の範囲にもインクが吐出される。そして、媒体に着弾しないインクは、インク堆積部に堆積される。図10においては、キャリッジ22の媒体搬送方向上流部には、プラテン16と対向するようにセンサ27が設けられている。このように、センサ27は、媒体Pを挟む排紙ローラ17と排紙フリーローラ18よりも、媒体搬送方向下流部に位置するキャリッジ22に設けられている。したがって、センサ27は媒体Pの位置をより正確に検出できるので、媒体Pの位置が検出された位置から印刷開始位置まで、媒体Pが目標搬送量Lだけ搬送されるときの搬送誤差を少なくすることができる。そして、プラテン16には、媒体に着弾しないインクを堆積するためのインク堆積部28、及び、29が設けられている。インク堆積部28は、プラテン16の媒体搬送方向下流部に設けられており、媒体の先端部に着弾しないインクを堆積する。インク堆積部29は、プラテン16の媒体搬送方向上流部に設けられており、媒体の後端部に着弾しないインクを堆積する。
「縁無し印刷」においては、キャリッジ22に設けられたセンサ27が媒体Pの位置を検出した位置から印刷開始位置まで目標搬送量Lだけ、媒体Pが搬送される。しかしながら、媒体Pが、インクが吐出される位置よりも搬送方向上流側に大きく離れた位置に搬送されると、図11Aに示されるように、インク堆積部に打ち捨てられるインク量は、多くなる。一方、図11Bに示されるように、印刷開始時にインクが吐出される位置より媒体搬送方向の下流側に媒体Pが搬送されると、媒体Pには余白が形成されてしまう。以上の考察により、このような「縁無し印刷」にあっては、媒体を印刷開始位置まで搬送するときに、媒体を、インクが吐出される位置の手前ギリギリの位置に正確に搬送することが好ましい。このような位置に媒体を搬送できれば、インク堆積部に打ち捨てられるインク量は少なくなり、媒体に余白も形成されない。なお、媒体が、インクが吐出される位置の手前ギリギリの位置まで搬送された状態においては、媒体の先端は、インクを吐出するノズルとインク堆積部との間に存在している。
本実施形態の印刷装置は、搬送誤差を打ち消して媒体Pを最適な搬送量で搬送するため、目標搬送量Lを補正し、補正された目標搬送量に応じた値にカウンタを設定することが可能である。
===補正量の決定方法===
まず、ユーザーは、「縁無し印刷」を実行する前に、目標搬送量に対する補正量を予め決定する必要がある。そこで、以下に、補正量の決定方法を説明する。
<補正量の決定手順について>
図12は、補正量の決定手順を説明するためのフロー図である。以下に説明されるプリンタの各種の動作は、プリンタ内のROM53に格納されたプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
プリンタは、まず、搬送量補正用のテストパターンの印刷を指示する指示信号を受ける(S201)。この指示信号は、コンピュータ本体から受信しても良いし、プリンタ本体に設けられたボタンから入力されても良い。コンピュータ本体からテストパターンの印刷を指示する場合、例えば図13に示されるようなユーザインターフェースが、コンピュータ本体に接続された表示装置に表示される。表示装置に表示されたウィンドウW1内には、「搬送量補正用テストパターン印刷」と表示されている。そして、ユーザーが、ウィンドウW1の下部に設けられたOKボタンをクリックすると、コンピュータ本体からプリンタ1側にテストパターンの印刷を指示する信号が送信される。
次に、プリンタは、搬送量補正用のテストパターンを印刷する(S202)。指示信号を受信したプリンタは、ROM53内にあるテストパターンのうち、搬送量補正用のテストパターンに関する情報を検索する。そして、プリンタは、搬送量補正用のテストパターンに関する情報に従って、媒体Pにテストパターンを印刷する。なお、搬送量補正用のテストパターンの印刷方法については、後述する。
搬送量補正用のテストパターンの印刷後、ユーザは、テストパターンとして印刷された複数の補正用パターンの中から、最適な補正用パターンの選択を行う(S203)。この最適なパターンの選択は、コンピュータ本体側で行っても良いし、プリンタ本体側で行っても良い。コンピュータ本体側で最適なパターンの選択を行う場合、例えば図14に示されるようなユーザインターフェースが、コンピュータ本体に接続された表示装置に表示される。表示装置に表示されたウィンドウW2内には、印刷された複数の補正用パターンに対応するように、複数のボタンが表示されている。ユーザがこのボタンをクリックし、そして、ウィンドウW2の下部に設けられたOKボタンをクリックすることによって、クリックされたボタンに対応する補正用パターンが、最適なパターンとして選択される。
次に、搬送量を補正するための補正量が、プリンタに保存(記憶)される(S204)。コンピュータ本体側で最適なパターンの選択を行った場合、最適パターンに対応する補正量に関する情報(搬送量に関する情報)が、コンピュータ本体側からプリンタ側に送信される。そして、プリンタは、受信した補正量に関する情報をプリンタ内のEEPROM54に保存する。
<テストパターンの印刷方法について>
次に、図15、図16A、及び、図16Bを参照して、前述のステップS202の処理におけるテストパターンの印刷方法について説明する。図15は、ステップS202の処理において、媒体に印刷されるテストパターンを説明するための説明図である。図16Aは、テストパターンの印刷方法について説明するための説明図である。図16Bは、テストパターンの他の印刷方法について説明するための説明図である。
図15は、ステップS202の処理において、媒体に印刷されるテストパターンである。図15に示されるテストパターンにおいては、媒体に「−4」、「−3」、「−2」と印刷されている部分には、補正用パターンは形成されていない。媒体に「−1」と印刷されている部分の媒体の端部には、1番目の補正用パターンが形成されている。媒体に「0」と印刷されている部分には、1番目の補正用パターンから、媒体搬送方向に所定の距離(本実施形態においては、1/180インチ)だけ間隔を空け、2番目の補正用パターンが形成されている。媒体に「1」と印刷されている部分には、2番目の補正用パターンから、媒体搬送方向に所定の距離(本実施形態においては、1/180インチ)だけ間隔を空け、3番目の補正用パターンが形成されている。以下、媒体に「2」、「3」、「4」と印刷されている部分には、それぞれ、直前の補正用パターンから媒体搬送方向に所定の距離(本実施形態においては、1/180インチ)だけ間隔を空け、4番目、5番目、及び、6番目の補正用パターンが形成されている。それぞれの補正用パターンは、キャリッジ移動方向に沿って所定の長さを有している。上述したように、図15に示されるテストパターンは、複数の補正用パターンから構成される。
次に、図16Aを参照して、図15に示されるテストパターンの印刷方法について説明する。図16Aにおいて、黒丸はノズルからインクが吐出されることを示し、白丸はノズルからインクが吐出されないことを示す。図16Aにおいては、ヘッド31Kの♯1のノズルのみによって、図15に示されるテストパターンが印刷される。また、図16Aにおいては、ヘッド31Kが媒体Pに対して移動しているように見えるが、この図は、ヘッド31Kと媒体Pとの相対位置を示したものであって、実際には、媒体Pが搬送方向に搬送されることによって両者の相対位置が移動している。
搬送ユニット10の搬送誤差がない場合には、図15に示される媒体の「0」と印刷される部分の端部には、1番目の補正用パターンが形成される。図15に示されるような、テストパターンにおいては、隣り合う補正用パターンの搬送方向の間隔は、それぞれ、1/180インチである。したがって、印刷装置が、テストパターンを形成するときには、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、4×1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離の4倍)だけ小さく媒体Pを搬送し、ヘッド31Kの♯1のノズルからインクを吐出しながら、キャリッジ21をキャリッジ移動方向に所定量移動させる。その後、搬送ユニット10は、媒体Pを媒体搬送方向に1/180インチ搬送し、ヘッド31Kの♯1のノズルからインクを吐出しながら、キャリッジ21をキャリッジ移動方向に所定量移動させる。この動作を順次繰り返せば、図15に示されるようなテストパターンを形成することができる。
図15に示されるテストパターンにおいては、媒体の「−4」、「−3」、及び、「−2」と印刷される部分の媒体の端部には、補正用パターンは形成されていない。その理由は、キャリッジ21がキャリッジ移動方向であって、媒体の「−4」、「−3」、及び、「−2」と印刷される部分に対応する位置に位置しているときに吐出されるインクは、インク堆積部28に打ち捨てられ、媒体Pには着弾しないからである。
次に、図16Bを参照して、テストパターンの上述した方法とは異なる印刷方法について説明する。図16Bにおいて、黒丸はノズルからインクが吐出されることを示し、白丸はノズルからインクが吐出されないことを示す。
搬送ユニット10の搬送誤差がない場合には、図15に示される媒体の「0」と印刷される部分の媒体の端部には、1番目の補正用パターンが形成される。図15に示されるようなテストパターンにおいては、隣り合う補正用パターンの間隔は、それぞれ1/180インチずつ離れている。したがって、印刷装置が、テストパターンを形成するときには、搬送ユニット10は、媒体Pを目標搬送量Lから、4×1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離の4倍)だけ小さく媒体Pを搬送する。そして、キャリッジ21のキャリッジ移動方向への移動を開始する。そして、ヘッド31Kの♯1のノズルからインクを吐出する。所定時間後、ヘッド31Kの♯1のノズルからインクの吐出を中止し、ヘッド31Kの♯2のノズルからインクを吐出させる。この動作は、一般的には、次のように表すことができる。まず、キャリッジ21のキャリッジ移動方向への移動を開始する。そして、ヘッド31Kの♯n(n=1,2…8)のノズルからインクを吐出する。所定時間後、ヘッド31Kの♯n(n=1,2…8)のノズルからインクの吐出を中止し、ヘッド31Kの♯n+1(n=1,2…8)のノズルからインクを吐出させる。印刷装置が、以上の動作を行うことにより媒体には、テストパターンが形成される。このように、ヘッド31Kに設けられた複数の異なるノズルから吐出されるインクによって、印刷装置は、搬送方向の異なる位置に複数の補正用パターンを形成し、テストパターンを形成することができる。
<搬送誤差と補正量について>
次に、媒体に形成されるテストパターンの意味について説明する。「縁無し印刷」において、図10に示されるように、媒体Pが端部をセンサに検出された位置から印刷開始位置まで目標搬送量Lだけ搬送される場合、搬送ユニット10の搬送誤差がないならば、媒体Pの先端は、印刷開始時にインクが吐出される位置の手前ギリギリの位置まで搬送される。搬送ユニット10の搬送誤差がない場合には、媒体に「0」と印刷されている部分の媒体の端部には、1番目の補正用パターンが形成される。
しかし、図15に示される本実施形態のテストパターンにおいては、媒体に「−1」と印刷されている部分の媒体の端部に、1番目の補正用パターンが形成されている。そして、媒体に「0」と印刷されている部分には、1番目の補正用パターンから、媒体搬送方向に所定の距離(本実施形態においては、1/180インチ)だけ間隔を空け、2番目の補正用パターンが形成されている。すなわち、媒体に「0」と印刷されている部分には、1番目の補正用パターンではなく、2番目の補正用パターンが形成されている。
このことは、図15に示される本実施形態の補正用パターンは、搬送ユニット10の搬送誤差が、1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離)であることを示している。この場合、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離)だけ大きく、媒体を搬送したことになる。この場合、目標搬送量はLであるが、実際にはL+1/180インチ媒体が搬送されたことになる。
このように、媒体に「0」と印刷されている部分に形成される補正用パターンから搬送ユニット10の搬送誤差を知ることができる。例えば、媒体に「0」と印刷されている部分に、3番目の補正用パターンが形成されている場合、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、2×1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離の2倍)だけ大きく、媒体を搬送したことになる。この場合、目標搬送量はLであるが、実際にはL+2×1/180インチ媒体が搬送されたことになる。
一般的には、媒体に「0」と印刷されている部分に、n(n=2,3…)番目の補正用パターンが形成されている場合、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、(n−1)×1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離の(n−1)倍)だけ大きく、媒体を搬送したことになる。すなわち、目標搬送量はLであるが、実際にはL+(n−1)×1/180インチ媒体が搬送されたことになる。
また、例えば、媒体に「0」と印刷されている部分に補正用パターンが形成されない場合について考える。例えば、媒体に「1」と印刷されている部分の媒体の端部に1番目の補正用パターンが形成された場合、搬送ユニット10の搬送誤差がない場合には2番目の補正用パターンが形成される位置に、1番目の補正用パターンが形成される。したがって、この場合、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離)だけ小さく、媒体を搬送したことになる。つまり、目標搬送量はLであるが、実際にはL−1/180インチ媒体が搬送されたことになる。
一般的には、媒体に「n」(n=1,2…)と印刷されている部分の媒体の端部に1番目の補正用パターンが形成された場合、搬送ユニット10の搬送誤差がない場合には、(n+1)(n=1,2…)番目の補正用テストパターンが形成される位置に、1番目の補正用パターンが形成されている。したがって、この場合、搬送ユニット10は、目標搬送量Lから、n×1/180インチ(本実施形態においては、隣り合う補正用パターンの媒体搬送方向の距離のn倍)だけ小さく、媒体を搬送したことになる。すなわち、目標搬送量はLであるが、実際にはL−n×1/180インチ媒体が搬送されたことになる。
以上のように、ユーザーは、媒体に形成されたテストパターンを検査することによって、搬送ユニット10の搬送誤差を知ることができる。ユーザーは、複数の補正用パターンの中から搬送誤差を補正する補正用パターンを選択する。そして、選択された補正用パターンに対応する補正量がコンピュータに記憶される。例えば、図14に示されるようなユーザーインターフェイスに「−1」と表示されている補正用パターンが選択された場合を例にとって説明する。この場合、媒体は当初の目標搬送量Lより1/180インチだけ大きく搬送されている。印刷装置は、−1/180インチを補正量として記憶する。そして、別の媒体に印刷するときに、媒体を補正量(この場合−1/180インチ)に基づいて補正された目標搬送量(この場合L−1/180インチ)で搬送する。そうすれば、搬送誤差が相殺され、実際の搬送量が目標搬送量に近いものとなる。したがって、媒体が搬送される位置は、当初の目標位置へより近い位置となる。
なお、搬送ユニット10に搬送誤差が生じる理由としては、駆動力となる搬送モータ12の回転軸に結合された歯車と、排紙ローラ17から延長された回転軸に結合された歯車の製造公差による噛み合わせの誤差等があげられる。
===目標搬送量の補正===
図17は、媒体に画像を形成するときの流れを説明するためのフロー図である。以下に説明されるプリンタの各種の動作は、プリンタ内のROM53に格納されたプログラムによって実現される。また、以下に説明されるコンピュータ本体の各種の動作は、コンピュータ本体に格納されたプログラムであるプリンタドライバによって実現される。そして、これらのプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
まず、ユーザは、プリンタの電源を付け、プリンタを印刷待機状態にする(S311)。そして、ユーザは、コンピュータ側で動作するアプリケーション上から印刷指示を与える(S301)。ユーザがコンピュータに印刷指示を与える際に、プリンタドライバのユーザインターフェースを介して印刷モード(印刷方式)の設定が行われる。したがって、コンピュータ本体は、設定された印刷モードに基づいて、目標搬送量を決定することができる(S302)。
また、印刷対象となるRGB系の画像データが、CMYK系の2値データに変換される(S303)。この際、プリンタドライバ内のルックアップテーブル(LUT)が参照されて、RGBデータからCMYKデータへの変換が行われる。次に、CMYKデータに基づいて、ラスタデータが作成される(S304)。ラスタデータとは、各ノズルに対応するドット列に関するデータであり、前述の印刷信号PRT(i)に相当する。そして、コンピュータ本体は、目標搬送量に関するデータとラスタデータとを含む印刷データをプリンタ側に送信する(S305)。
印刷データを受信したプリンタは、EEPROM内に保存されている補正値を読み出す(S312)。次に、プリンタは、読み出された補正値に基づいて、目標搬送量を補正する(S313)。そして、補正された目標搬送量に基づいて、搬送ユニット10が媒体を搬送する際に設定されるカウンタの値が決定される。次に、プリンタは、印刷データに応じて、補正された目標搬送量にて印刷処理を行う(S314)。
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図18は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図19は、図18に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
図20は、コンピュータ本体1102からプリンタ1106に供給される印刷データのフォーマットの説明図である。この印刷データは、プリンタドライバの設定に基づいて画像情報から作成されるものである。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマンドCPとを含んでいる。画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群は、コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォーマットに限られるものではない。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
本実施形態においては、「縁無し印刷」における搬送量の補正を例に説明したが、次に、図25を参照して、「縁無し印刷以外の印刷」における搬送量の補正について説明する。
図25は、例えば、媒体の端部に所定の大きさの余白を設けるようにして印刷を行う場合の搬送量の補正について説明するための説明図である。図25に示されるように、媒体の端部に所定の大きさの余白を設けるようにして印刷を行う場合にも、余白の大きさを所定の大きさにするためには、目標とする印刷開始位置まで媒体を正確に搬送する必要がある。なぜなら、インクが吐出される位置より搬送方向上流側に、媒体が搬送されると、媒体に形成される余白は小さくなり、インクが吐出される位置より搬送方向下流側に、媒体が搬送されると、媒体に形成される余白は大きくなるからである。したがって、「縁無し印刷」における搬送量の補正と同様に、媒体の搬送量を補正すれば、形成される余白の大きさがより正確なものとなる。
また、テストパターンに基づいて決定される補正量を媒体の種類に対応させて記憶し、媒体に印刷を行うとき、媒体の種類に対応する補正量により補正された目標搬送量に基づいて、搬送ユニットにより媒体を印刷開始位置まで搬送するようにすることもできる。そのような実施の形態について図26を参照して説明する。図26は、媒体の種類と補正量との対応関係を示す表である。
ユーザーは、図12に示される補正量の決定手順を説明するためのフロー図に基づいて、種々の媒体について、それぞれテストパターンを印刷し、それぞれ補正量を決定する。決定された補正量は、プリンタ内のEEPROM54に保存される。これらの補正量は、媒体の種類に対応させて保存される。例えば、ユーザーが、補正量を決定する媒体として、光沢紙、マット紙、写真用紙、ファイン用紙、及び、普通紙を選択した場合について説明する。その場合、EEPROM54には、図26に示されるような媒体の種類と補正量との対応関係を示すデータが保存される。図26に示される例においては、光沢紙の補正量は0、マット紙の補正量は1、写真用紙の補正量は3、ファイン用紙の補正量は1、普通紙の補正量は2となっている。
ユーザーは、図26に示されるいずれかの媒体に印刷を行うとき、コンピュータを操作し、印刷データをプリンタに送信する。ユーザーは、コンピュータのユーザーインターフェイスを介して、印刷される媒体の種類を選択することができる。選択された印刷される媒体の種類に関する情報は、印刷データに付加される。図17に示されるステップS312において、プリンタは、印刷データに含まれる媒体の種類に関する情報に基づき、EEPROM54に記憶されているそれぞれの媒体に対応する補正量を読み出す。そして、ステップS313において、プリンタは、読み出された補正量に基づいて目標搬送量を補正する。そして、ステップS314において、補正された目標搬送量に基づいて、搬送ユニット10が媒体を搬送する際に設定されるカウンタの値が決定される。すなわち、図9に示される媒体の搬送の流れを説明するためのフロー図の目標搬送量を設定する処理(ステップS101)において、カウンタの値が設定される。本実施の形態においては、目標搬送量をXとしているので、カウンタの値はXに設定されるはずであるが、このとき、図26に示される媒体の種類に対応する補正量に応じてカウンタの値が決定される。例えば、図26に示される光沢紙が選択された場合には、光沢紙の補正量は0であるので、カウンタの値はXのままである。そして、マット紙が選択された場合には、マット紙の補正量は1であるので、カウンタの値はX+1に決定される。以上のようにして、図26に示される媒体の種類に対応する補正量に応じてカウンタの値が決定される。そして、プリンタは、印刷データに応じて、補正された目標搬送量にて印刷処理を行う。
以上のようにして、媒体の種類に対応した補正量を記憶し、媒体に印刷を行うとき、媒体の種類に対応する補正量により補正された目標搬送量に基づいて、搬送ユニットにより媒体を印刷開始位置まで搬送することができる。
このように、媒体の種類に対応する補正量により目標搬送量を補正することができるので、媒体の種類によって目標搬送量に誤差が生じるのを防ぐことができる。媒体の種類によって搬送誤差が異なる理由は、媒体の種類によって表面状態や厚さが異なるため、搬送ローラ14とそれぞれの媒体との間で生じる摩擦が異なるからである。
また、上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、調節方法、補正方法、印刷装置、印刷方法、プログラム、記憶媒体、コンピュータシステム、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、テストパターン、テストパターンの印刷方法、記録装置、液体の吐出装置等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<テストパターンについて>
次に、図15に示されるテストパターンとは異なるテストパターンの例について、図22、図23、及び、図24を参照して説明する。図22は、図15に示されるテストパターンとは異なるテストパターンについて説明するための説明図である。図23は、図15、及び、図22に示されるテストパターンとは異なるテストパターンについて説明するための説明図である。図24は、図23に示されるテストパターンの印刷方法について説明するための説明図である。図24において、黒丸はノズルからインクが吐出されることを示す。
図22に示されるテストパターンは、図15に示されるテストパターンを媒体搬送方向に所定量だけずらしたものである。図15に示されるテストパターンにおいては、ユーザーが媒体の端部に形成された補正用パターンを目視することによって、搬送ユニット10の搬送誤差を知ることができた。ところが、図15に示されるテストパターンにおいては、補正用パターンはライン状のパターンであるので、媒体の端部に形成された補正用パターンを、ユーザーは、認識し難い。そこで、図22に示されるテストパターンにおいては、図15に示されるテストパターンを媒体搬送方向に所定量、例えば、3mmだけずらしてある。したがって、ユーザーは、図22に示される媒体の端部から媒体搬送方向にちょうど3mm離れた位置に形成される補正用パターンを検査することによって、搬送ユニット10の搬送量を知ることができる。
また、補正用パターンは、ライン状のパターンに限るものではない。例えば、図23に示されるように、補正用パターンをブロック状のパターンとしてもよい。図23に示されるブロック状の補正用パターンの印刷方法について、図24を参照して説明する。ブロック状の補正用パターンを印刷するには、まず、キャリッジ21のキャリッジ移動方向への移動を開始する。そして、ヘッド31Kの♯1、♯2、及び、♯3のノズルからインクを吐出する。所定時間後、ヘッド31Kの♯1、♯2、及び、♯3のノズルからインクの吐出を中止し、ヘッド31Kの♯2、♯3、及び、♯4のノズルからインクを吐出させる。印刷装置が、以上の動作を行うことにより媒体には、図23に示されるテストパターンが形成される。
<補正量について1>
前述の実施形態によれば、目標搬送量に対する補正量の決定は、プリンタ側で行われていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、コンピュータ側のプリンタドライバが目標搬送量に対する補正量を決定しても良い。
また、前述の実施形態によれば、目標搬送量の補正は、プリンタ側で行われていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、コンピュータ側のプリンタドライバが目標搬送量を補正し、補正された目標搬送量に関する情報をプリンタに送信しても良い。
図21は、他の実施形態における媒体に画像を形成するときの流れを説明するためのフロー図である。以下に説明されるプリンタの各種の動作は、プリンタ内のROM53に格納されたプログラムによって実現される。また、以下に説明されるコンピュータ本体の各種の動作は、コンピュータ本体に格納されたプログラムであるプリンタドライバによって実現される。そして、これらのプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。なお、前述の実施形態と同じ動作については、説明を省略する。
本実施形態では、ラスタデータを作成した後(S304)、コンピュータ側のメモリから補正量を読み出し(S305)、この補正量に基づいて目標搬送量を補正する(S306)。そして、コンピュータは、補正した目標搬送量とラスタデータとを含む印刷データを、プリンタ側に送信している(S307)。プリンタは、受信した印刷データに含まれる補正された目標搬送量に関する情報に基づいてカウンタを設定し、印刷処理を行う(S312)。
このような場合であっても、前述の実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、本実施形態によれば、目標搬送量に対する補正がコンピュータ側で行われるので、プリンタ側のメモリに補正量に関する情報を記憶しておくことになる。
<補正量について2>
前述の実施形態によれば、テストパターンに基づいて決定される補正量は、プリンタ側のEEPROMに記憶されていた。しかし、補正量の記憶場所は、これに限られるものではない。例えば、コンピュータ側で補正量を記憶しても良い。コンピュータが印刷データをプリンタ側に送信するときに、印刷データに補正量に関する情報(又は補正された目標搬送量)を含めればよい。
<搬送動作について1>
前述の実施形態によれば、搬送ユニット10が媒体Pを搬送することによって、媒体Pとヘッド31とが搬送方向に沿って相対的に移動していた。しかし、両者の相対的な移動は、これに限られるものではない。例えば、ヘッドを搬送方向に移動させることによって、両者を搬送方向に沿って相対的に移動するようにしても良い。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、用途はこれに限られるものではない。例えば、記録装置、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<ノズルについて>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
プリンタを備えた印刷システムの概略構成図である。 コントローラを中心としたブロック図である。 ヘッドの内部の概略構成を示す説明図である。 ピエゾ素子とノズルとの構造を示す説明図である。 ヘッドにおけるノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニットの構成を説明するための説明図である。 ロータリー式エンコーダの説明図である。 図8Aは、正転時の出力信号の波形のタイミングチャートである。図8Bは、反転時の出力信号の波形のタイミングチャートである。 媒体の搬送の流れを説明するためのフロー図である。 「縁無し印刷」において、媒体Pがセンサに検出された位置から印刷開始位置まで目標搬送量Lだけ搬送される様子を説明するための説明図である。 図11Aは、インク回収部に打ち捨てられたインクが山積みとなる様子を説明するための説明図である。図11Bは、媒体Pが印刷開始時にインクが吐出される位置より媒体搬送方向の奥側に搬送される様子を説明するための説明図である。 補正量の決定手順を説明するためのフロー図である。 表示装置の表示の説明図である。 表示装置の表示の説明図である。 媒体に印刷されるテストパターンを説明するための説明図である。 図16Aは、テストパターンの印刷方法について説明するための説明図である。図16Bは、テストパターンの他の印刷方法について説明するための説明図である。 画像形成時のフロー図である。 コンピュータシステムの外観構成図である。 コンピュータシステムの構成を示すブロック図である。 印刷データのフォーマットの説明図である。 他の画像形成時のフロー図である。 媒体に印刷される第2のテストパターンを説明するための説明図である。 媒体に印刷される第3のテストパターンを説明するための説明図である。 第3のテストパターンの印刷方法について説明するための説明図である。 媒体の端部に所定の大きさの余白を設けるようにして印刷を行う場合の搬送量の補正について説明するための説明図である。 媒体の種類と補正量との対応関係を示す表である。
符号の説明
1 プリンタ 3 コネクタ 5 コンピュータ
10 搬送ユニット 12 搬送モータ 14 搬送ローラ
20 キャリッジユニット 21 キャリッジ 22 キャリッジモータ
23 プーリ 24 ベルト 25 ガイド
26 位置センサ 30 ヘッドユニット 31 ヘッド
40 操作パネル 50 コントローラ 51 CPU
52 RAM 53 ROM 55 I/F専用回路
56 モータ駆動回路 57 ヘッド駆動回路 70 カートリッジ
P 媒体

Claims (14)

  1. 媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
    複数のノズルが前記搬送方向に並ぶ印刷ヘッドであって、前記搬送方向と交差する移動方向に移動して前記媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部と、
    を備え、
    所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、
    前記印刷開始位置まで搬送された媒体に、前記印刷ヘッドを前記移動方向に移動させつつ前記インクを噴射するノズルを切り替えて、前記移動方向にのびる罫線からなる複数のパターンであって、隣り合うパターンが前記搬送方向について所定距離だけ間隔があけられた複数のパターンを形成し、
    前記複数のパターンの形成において、いくつかのパターンを形成するためのインクは前記インク堆積部に打ち捨てられ、
    前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、
    他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送する、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記媒体を検出するセンサをさらに備え、
    前記センサが前記媒体を検出した後、前記搬送ユニットは、前記目標搬送量に基づいて、前記媒体を搬送する
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記センサは、キャリッジに設けられている
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載の印刷装置において、
    前記複数のパターンは、キャリッジの移動する方向に沿って媒体に形成される
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至請求項4に記載の印刷装置において、
    前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向の異なる位置に形成される
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置において、
    前記複数のパターンは、前記媒体の搬送方向に等間隔で形成される
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至請求項6に記載の印刷装置において、
    前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数のノズルのうちの前記媒体の搬送方向最下流に設けられたノズルから吐出されるインクによって形成される
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項1乃至請求項6に記載の印刷装置において、
    前記複数のパターンは、前記印刷ヘッドに設けられた複数の異なるノズルから吐出されるインクによって形成される
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項7または請求項8に記載の印刷装置において、
    前記インクの色は、ブラックである
    ことを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項1乃至請求項9に記載の印刷装置において、
    前記補正量は、前記媒体の種類に対応させて記憶される
    ことを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項1乃至請求項10に記載の印刷装置において、
    前記他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記他の媒体の種類に対応する前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送する
    ことを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1乃至請求項11に記載の印刷装置において、
    前記媒体に、縁無し印刷を行う
    ことを特徴とする印刷装置。
  13. 媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、複数のノズルが前記搬送方向に並ぶ印刷ヘッドであって前記搬送方向と交差する移動方向に移動して前記媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷ヘッドと、前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部と、を備える印刷装置における印刷方法において、
    所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、
    前記印刷開始位置まで搬送された媒体に、前記印刷ヘッドを前記移動方向に移動させつつ前記インクを噴射するノズルを切り替えて、前記移動方向にのびる罫線からなる複数のパターンであって、隣り合うパターンが前記搬送方向について所定距離だけ間隔があけられた複数のパターンを形成するとともに、前記複数のパターンの形成において、いくつかのパターンを形成するためのインクを前記インク堆積部に打ち捨て、
    前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、
    他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送する、
    ことを特徴とする印刷方法。
  14. コンピュータ本体と、このコンピュータ本体に接続可能な印刷装置とを具備した印刷システムであって、
    前記印刷装置は、
    媒体を搬送方向に搬送する搬送ユニットと、
    複数のノズルが前記搬送方向に並ぶ印刷ヘッドであって、前記搬送方向と交差する移動方向に移動して前記媒体にインクを吐出して印刷を行う印刷ヘッドと、
    前記媒体に着弾しないインクを堆積するインク堆積部と、
    を備え、
    所定の目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記媒体を印刷開始位置まで搬送し、
    前記印刷開始位置まで搬送された媒体に、前記印刷ヘッドを前記移動方向に移動させつつ前記インクを噴射するノズルを切り替えて、前記移動方向にのびる罫線からなる複数のパターンであって、隣り合うパターンが前記搬送方向について所定距離だけ間隔があけられた複数のパターンを形成し、
    前記複数のパターンの形成において、いくつかのパターンを形成するためのインクは前記インク堆積部に打ち捨てられ、
    前記複数のパターンの中から選択されたパターンに対応する補正量を記憶し、
    他の媒体に前記印刷ヘッドによって印刷を行うとき、前記補正量により補正された前記目標搬送量に基づいて、前記搬送ユニットにより前記他の媒体を印刷開始位置まで搬送する、ことを特徴とする印刷システム。
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