JP2008260308A - 記録装置、記録方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、コンピュータシステム - Google Patents

記録装置、記録方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び、コンピュータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録を行う記録装置を提供する。
【解決手段】 紙を搬送方向に搬送するための紙搬送ユニットと、溝部及び支持部を有し、前記支持部で前記被記録体を支持するプラテンと、を備え、前記溝部及び支持部に対向する複数のノズルからインクを吐出するプリンタであって、前記紙の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記紙搬送ユニットが前記紙を搬送し、前記溝部と前記溝部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記溝部に対向するノズル及び前記支持部に対向するノズルから、前記インクを吐出することを特徴とする。
【選択図】図14

Description

本発明は、紙などの被記録体に記録を行う記録装置及び記録方法に関する。また、本発明は、このような記録装置を制御するプログラム、このようなプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びコンピュータシステムに関する。
紙、布、フィルム等の被記録体(被印刷体を含む)に情報を記録する記録装置の一例として、インク等の液体を断続的に吐出するインクジェットプリンタが知られている。
図23は、このようなインクジェットプリンタの概略図である。同図では、紙搬送ユニット110によって搬送された紙Sを支持手段114が支持し、ヘッド121に設けられたノズルからインクを吐出し、紙を印刷している様子が示されている。
このようなインクジェットプリンタを用いて、紙の先端に余白部分を作らずに印刷を行うことがある。しかし、紙の搬送誤差のため、ノズルから吐出したインクが紙に着弾しないことがある。そうすると、同図に示された通り、紙を支持する支持手段114が汚れ、紙の裏面が汚れてしまう。そのため、紙の先端を印刷するときに、周囲を汚さずに印刷することが望まれている。
一方、紙の先端を印刷する場合であっても、紙は早く印刷されることが望ましい。
本発明は、このように被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能な記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、を備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置であって、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、を備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置であって、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出することを特徴とする記録装置。このような記録装置によれば、被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能になる。
また、かかる記録装置であって、前記被記録体の先端を検出可能な検出器を更に備え、前記検出器の検出結果に基づいて、前記搬送機構が前記被記録体を搬送することが望ましい。このような記録装置によれば、紙の先端を正確に位置決めすることができるので、ノズルから吐出した液体によって周囲が汚れることを防ぐことができる。
また、かかる記録装置であって、前記搬送機構は、前記被記録体を搬送するためのローラを有し、前記検出器は、前記ローラよりも前記搬送方向に下流側に設けられていることが望ましい。このような記録装置によれば、紙の先端を正確に位置決めすることができるので、ノズルから吐出した液体によって周囲が汚れることを防ぐことができる。
また、かかる記録装置であって、前記検出器は、前記被記録体の傾きを補正した後、前記先端を検出することが望ましい。このような記録装置によれば、紙の先端を正確に位置決めすることができるので、ノズルから吐出した液体によって周囲が汚れることを防ぐことができる。
また、かかる記録装置であって、前記ノズルを走査方向に移動させるキャリッジを更に備え、前記検出器は、前記キャリッジに設けられていることが望ましい。このような記録装置によれば、この検出器を他の用途に用いることも可能になる。
また、かかる記録装置であって、前記検出器は、前記凹部に対向するノズルよりも前記搬送方向に対して上流側の位置で、前記先端を検出することが望ましい。
また、かかる記録装置であって、前記凹部は、前記支持手段に設けられた溝であることが望ましい。また、前記凹部には、前記液体を吸収するための吸収体が設けられていることが望ましい。このような記録装置によれば、ノズルから吐出された液体が紙に着弾しなかったとしても、周囲が汚れることを防ぐことができる。
また、かかる記録装置であって、前記先端を印刷するときに前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量は、前記先端の印刷を終えた後に前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量と比較して、少ないことが望ましい。このような記録装置によれば、先端処理と通常の処理とを分けて、処理に応じた搬送量で被記録体を搬送することができる。
被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、前記被記録体の先端を検出可能な検出器と、走査方向に移動するキャリッジと、を備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置であって、前記搬送機構は、前記被記録体を搬送するためのローラを有し、前記検出器は、前記ローラよりも前記搬送方向に下流側に設けられ、前記キャリッジに設けられ、前記被記録体の傾きを補正した後、前記先端を検出し、前記凹部に対向するノズルが前記先端を記録するときの前記先端の位置よりも、前記搬送方向に対して上流側の位置で前記先端を検出し、前記凹部は前記支持手段に設けられた溝であり、前記凹部には前記液体を吸収するための吸収体が設けられ、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記検出器の検出結果に基づいて、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出し、前記先端を印刷するときに前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量は、前記先端の印刷を終えた後に前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量と比較して少ないことを特徴とする記録装置。このような記録装置によれば、被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能になる。
被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、を用い、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録方法であって、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出することを特徴とする記録方法。このような記録方法によれば、被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能になる。
被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、を備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置に対し、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するときに、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させる機能と、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する機能とを実現させることを特徴とするプログラム。このようなプログラムによれば、記録装置が被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能なように、記録装置を制御することができる。
被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段とを備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置に対し、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するときに、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させる機能と、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する機能とを実現させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。このような記録媒体によれば、記録装置が被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能なように、記録装置を制御することができる。
コンピュータ本体と、被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、を備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出するコンピュータシステムであって、前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出することを特徴とするコンピュータシステム。このようなコンピュータシステムによれば、被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能になる。
===印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1、図2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてインクジェットプリンタを例にとって、その概要について説明する。
なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
本実施形態のインクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット60を有する。
紙搬送ユニット10は、被印刷体である例えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向という))に所定の移動量で紙を移動させるためのものである。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送する搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙搬送モータ(以下、PFモータという)15と、紙搬送モータドライバ(以下、PFモータドライバという)16と、搬送ローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただし、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するためには、必ずしも、これらの構成要素を全て要するというわけではない。
紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
プラテン14は、印刷中の紙Sを支持する支持手段である。このプラテン14の構成は、後で詳述する。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動を行うためのものである。搬送ローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、搬送ローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを搬送ローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを搬送ローラ17Aに向かって押さえる。
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
インク吐出ユニット20は、被印刷体である例えば紙にインクを吐出するためのものである。インク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘッドから断続的にインクを吐出させるためのものである。
クリーニングユニット30は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドライバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21のノズルを封止する。
キャリッジユニット40は、ヘッド21を所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査方向という))に走査移動させるためのものである。キャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向に移動可能であって、ヘッド21を固定している(したがって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータで構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ42を駆動するためのものである。プーリ44は、CRモータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
計測器群50には、リニア式エンコーダ51と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ53と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ17Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が搬送ローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部543を有する光学センサであり、紙によって反射された光を検出することにより、紙幅センサ54の位置における紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャリッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
制御ユニット60は、プリンタの制御を行うためのものである。制御ユニット60は、CPU61と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASIC64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うためのものであり、DCコントローラ66、PFモータドライバ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライバ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデータの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュータ67からインターフェース部63を介して送られてくる印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、CPU61から送られてくる制御指令と計測器群50からの出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモータドライバ43を制御する。
<エンコーダの構成について>
図5は、リニア式エンコーダ51の説明図である。
リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものであり、リニアスケール511と検出部512とを有する。
リニアスケール511は、所定の間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))毎にスリットが設けられており、プリンタ本体側に固定されている。
検出部512は、リニアスケール511と対向して設けられており、キャリッジ41側に設けられている。検出部512は、発光ダイオード512Aと、コリメータレンズ512Bと、検出処理部512Cとを有しており、検出処理部512Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード512Dと、信号処理回路512Eと、2個のコンパレータ512Fa、512Fbとを備えている。
発光ダイオード512Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ512Bは、発光ダイオード512Aから発せられた光を平行光とし、リニアスケール511に平行光を照射する。リニアスケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード512Dに入射する。フォトダイオード512Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ512Fa、512Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ512Fa、512Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、リニア式エンコーダ51の出力となる。
図6は、リニア式エンコーダ51の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6Aは、CRモータ42が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、CRモータ42が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
図6A及び図6Bに示す通り、CRモータ42の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。CRモータ42が正転しているとき、すなわち、キャリッジ41が主走査方向に移動しているときは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、CRモータ42が反転しているときは、図6Bに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、キャリッジ41がリニアスケール511のスリットの間隔(例えば、1/180インチ(1インチ=2.54cm))を移動する時間に等しい。
キャリッジ41の位置の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、キャリッジ41の位置を演算する。カウント数は、CRモータ42が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、CRモータ42が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しいので、カウント数にスリット間隔を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置からの移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔となる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の位置を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期はリニアスケール511のスリット間隔に等しく、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数にスリット間隔の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときのキャリッジ41の位置から移動量を求めることができる。つまり、この場合におけるリニア式エンコーダ51の解像度は、リニアスケール511のスリット間隔の1/4となる。
キャリッジ41の速度Vcの検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度は、λ/Tとして順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、キャリッジ41の速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、リニアスケール511のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、リニアスケール511のスリット間隔をλとすると、キャリッジの速度Vcは、Vc=λ/(4T)として順次求めることができる。
なお、ロータリー式エンコーダ52では、プリンタ本体側に設けられた上記リニアスケール511の代わりに搬送ローラ17Aの回転に応じて回転する回転円板521を用いる点と、キャリッジ41に設けられた検出部512の代わりにプリンタ本体側に設けられた検出部522を用いる点が異なるだけで、他の構成はリニア式エンコーダ51とほぼ同様である(図4参照)。
なお、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には、搬送ローラ17Aの回転量を検出するのであって、紙の搬送量を検出していない。しかし、搬送ローラ17Aが回転して紙を搬送するとき、搬送ローラ17Aと紙との間の滑りによって、搬送誤差が生じている。したがって、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には、紙の搬送量の搬送誤差を検出できない。そこで、ロータリー式エンコーダ52が検出した回転量と搬送誤差との関係を表すテーブルを作成し、そのテーブルを制御ユニット60のメモリ65に格納している。そして、ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいてテーブルを参照し、搬送誤差を検出することにしている。このテーブルは、回転量と搬送誤差との関係を表すものに限られず、搬送回数等と搬送誤差との関係を表すものであっても良い。また、紙質に応じて滑りが異なるので、紙質に応じた複数のテーブルを作成し、メモリ65に格納しても良い。
<ノズルの構成について>
図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド21の下面には、濃ブラックインクノズル群KDと、淡ブラックインクノズル群KLと、濃シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノズル群MLと、イエローインクノズル群YDが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。なお、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベットはインク色を意味しており、また、添え字の「 D 」は濃度が比較的高いインクであることを意味しており、また、添え字の「 L 」は濃度が比較的低いインクであることをそれぞれ意味している。
各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。
また、各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。また、各ノズル群のノズルは、紙搬送方向の位置に関して、隣のノズル群のノズルの間に位置するように設けられている。例えば、淡ブラックインクノズル群KLの一番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置に関して、濃ブラックインクノズル群KDの一番ノズル♯1と二番ノズル♯2との間に設けられている。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置に設けられている。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット10によって間欠的に所定の搬送量で搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
===紙搬送のシーケンス===
図8は、紙搬送のシーケンスを示すフロー図である。なお、このシーケンスの実行は、制御ユニット60によって行われる。また、図9は、印刷開始位置まで紙を搬送する際の各構成要素と紙との位置関係を示す図である。なお、図9は、各構成要素を上面からみた図であり、図面の下方向が紙搬送方向である。各構成要素には前述の説明で用いたものと同じ符号を付しているので、各構成要素の説明は、省略する。
まず、印刷指示がプリンタに与えられると、給紙ローラ13の回転を開始する(S101)。最初の紙Sの位置は、図9Aに示す通りである。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の紙Sが一度に給紙されることを防いでいる。
次に、給紙ローラ13によって、紙Sを紙搬送方向に搬送する(S102)。この時の紙Sの位置は、図9Bに示す通りである。なお、給紙ローラ13の円周部分の周囲長さはPFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。
次に、紙検出センサ53によって、紙Sの先端の位置が検出される(S103)。すなわち、紙Sの先端が紙検出センサ53のレバーに接触し、レバーの回転を検出することにより、紙Sの先端が紙検出センサ53の位置に到達したことを検出することができる。この時の紙Sの位置は、図9Cに示す通りである。
次に、紙の傾きを補正する(S104)。紙の傾き補正処理について、図10及び図11を用いて説明する。なお、図10は、紙の傾き補正のフロー図である。また、図11は、紙の傾き補正の様子を上面から見た図である。まず、搬送ローラ17Aの回転を停止した状態で、給紙ローラ13を順方向(紙が紙搬送方向に搬送される回転方向)に回転させて、紙Sを紙搬送方向に搬送する(S201、図11A)。次に、紙Sが搬送ローラ17Aに接触する(S202、図11B)。次に、更に給紙ローラ13を所定量だけ順方向にさせる(S203)。このとき、搬送ローラ17Aが停止状態であるため、紙Sが搬送されないので、給紙ローラ13と紙Sとの間で滑りが生じ、紙Sの先端が搬送ローラ17Aと平行になる(図11C)。次に、給紙ローラ13を逆回転させて、紙Sを搬送ローラ17Aから離す(S204、図11D)。そして、紙Sを搬送するために搬送ローラ17Aの回転を開始する。このとき、給紙ローラ13による紙搬送量と搬送ローラ17Aによる紙搬送量とが同じになるように、給紙ローラ13と搬送ローラ17Aとを同期させて回転させる(S205)。以上の処理を行うことにより、紙の傾きを補正して、紙を搬送することができる。なお、上記の紙の傾き補正処理における給紙ローラ13の回転量は、紙検出センサ53によって検出された紙の先端の位置に基づいて、制御されている。
次に、図9D(図11D)の状態から、所定の紙搬送量Xまで紙Sを搬送するように設定するため、不図示のカウンタの値をXに設定し(S105)、PFモータ15を回転させて、ロータリーエンコーダ52からのパルス信号に基づいてカウンタの値を減らし(S106)、所定の紙搬送量Xを送るまでPFモータ15を駆動する(S108)。
紙搬送量Xまで紙Sを搬送する途中で(図9E)紙幅センサ54が紙Sの先端を検出したときは(S107)、残りの紙搬送量の設定を変更し、所定の紙搬送量Yまで紙Sを搬送するようにカウンタの値を設定する(S108)。すなわち、紙検出センサ53の検知結果に基づいて設定されていた搬送量が、紙幅センサ54の検知結果に基づいて設定変更されることになる。そして、PFモータ15を回転させて、ロータリーエンコーダ52からのパルス信号に基づいてカウンタの値を減らし(S109)、紙搬送量Yを送るまでPFモータ15を駆動する(S110、図9F)。なお、図9Fでは、紙幅センサ54が紙の端部を検出するために、キャリッジ41の場所が移動されている。
上記のように紙搬送量Yだけ紙Sを搬送し終えたとき(カウンタがa=0となったとき)の紙Sの位置は、『頭出し位置』と呼ばれる。この頭出し位置から所定の搬送量だけ紙Sが搬送されることによって、紙Sは印刷される位置まで搬送され、印刷が開始される(S111)。
本実施形態では、紙幅センサ54が紙Sの先端を検出し、紙幅センサ54の検出結果に基づいて紙搬送量を設定している。つまり、本実施形態では、紙幅センサ54の検出結果に基づいて、紙Sが搬送されている。したがって、本実施形態では、紙Sが、高い位置精度で印刷位置まで搬送される。
また、本実施形態では、紙幅センサ54が、搬送ローラよりも下流側に設けられている。そのため、紙Sが搬送ローラに接触するときに紙Sが滑りを生じたとしても、紙Sの先端はその後に検出されるので、その検出結果に基づいて紙Sが搬送されれば、紙Sは高い位置精度で搬送される。
また、本実施形態では、紙の傾きが補正された後に、紙幅センサ54が紙の先端を検出している。そのため、紙の先端の位置が正しく検出されるので、紙幅センサの検出結果に基づいて紙Sが搬送されれば、紙Sは高い位置精度で搬送される。
===プラテンの構成===
図12は、プラテンに設けられた溝とノズル群との位置関係を示す説明図である。同図において、既に説明した構成要素については、同じ番号を付しているので、説明を省略する。
プラテン14は、凹部と凸部とを有する。プラテン14は、この凹部として、走査方向に沿って形成された2つの溝を有する。この2つの溝のうち、上流側の溝を上流側溝14fと呼び、下流側の溝を下流側溝14rと呼ぶ。これらの溝は、それぞれ走査方向に紙Sの幅よりも長くなるように、プラテン14に形成されている。そして、これらの溝には、インクを吸収するための吸収体が設けられている。
また、プラテン14は、凸部として、上流側支持部14sfと、中央支持部14scと、下流側支持部14srとを有する。これらの支持部によって、紙Sがヘッド21に対向するように支持される。上流側支持部14sfは、上流側溝14fよりも上流側で紙Sを支持し、また、搬送ローラ17Aと上流側溝14fとの間で紙Sを支持する。中央支持部14scは、上流側溝14fと下流側溝14rとの間で紙Sを支持する。下流側支持部14srは、下流側溝14rよりも下流側で紙Sを支持し、また、排紙ローラ17Bと下流側溝14rとの間で紙Sを支持する。
ヘッド21の各色のノズル群は、それぞれ、上流側ノズル群Nfと、上流側溝上ノズル群Nhと、中央ノズル群Niと、下流側溝上ノズル群Nrとを有する。上流側ノズル群Nfは、上流側支持部sfと対向する位置に設けられているノズル群であって、本参考例ではノズル♯35〜♯48が上流側ノズル群である。上流側溝上ノズル群Nhは、上流側溝14fと対向する位置に設けられているノズル群であって、本参考例ではノズル♯31〜♯34が上流側溝上ノズル群である。中央ノズル群Niは、中央支持部14scと対向する位置に設けられているノズル群であって、本参考例ではノズル♯6〜♯30が中央ノズル群である。下流側溝上ノズル群Nrは、下流側溝14rと対向する位置に設けられているノズル群であって、本参考例ではノズル♯1〜♯5が下流側溝上ノズル群である。なお、図中、各ノズル群は、斜線で示された領域にそれぞれ設けられている。
キャリッジ41が走査方向に移動することによって、ヘッド21も走査方向に移動するが、上流側溝14fと下流側溝14rが走査方向に沿って形成されているので、ノズル群Nhは移動中も上流側溝14fに対向し続け、ノズル群Nrは移動中も下流側溝14rに対向し続けることが可能である。仮に、紙Sが無い状態でノズル群Nhからインクを吐出したとしても、吐出されたインクは上流側溝14fに着弾するため、プラテンの支持部を汚さないので、その後に搬送される紙の裏面を汚さずに済む。同様に、仮にプラテン上に紙Sが無い状態でノズル群Nrからインクを吐出したとしても、吐出されたインクは下流側溝14rに着弾するため、プラテンの支持部を汚さないので、その後に搬送される紙の裏面を汚さずに済む。さらに、それぞれの溝にはインク吸収体が設けられているため、溝に着弾したインクはインク吸収体に吸収されるので、紙の裏面が、インクの跳ね返りによって汚れることを抑えている。
===紙の先端の印刷方法===
<参考例>
図13は、参考例における紙の先端の印刷方法の説明図である。
参考例の印刷方法では、まず、搬送ローラ17Aよりも上流側にある紙検出センサ53(図13では不図示)を用いて、紙の先端を検出する。そして、紙検出センサ53の検出結果に基づいて、紙の先端がプラテン14の中央支持部14sc上に位置するように、位置決めを行う(いわゆる頭出し動作)。そして、紙Sを間欠的に微小搬送し、その間欠的な搬送の合間にノズル群Nrのみからインクを吐出して、紙の先端の印刷を行っている。
参考例の印刷方法では、搬送ローラ17Aよりも上流側で紙の先端を検出しているので、紙の先端をプラテン上で位置決めする際は、紙は比較的大きな搬送誤差を含んで搬送されている。そして、参考例の印刷方法において、頭出し位置がプラテン14の中央支持部14sc上である理由は、それより下流側に頭出し位置を設定すると、搬送誤差の影響によって、紙の先端が下流側溝14rよりも下流側に位置決めされることがあり、紙の先端が印刷できなくなるからである。
また、参考例の印刷方法において、紙の先端を印刷するときにノズル群Nrしか用いない理由は、搬送誤差の影響によって、頭出し動作終了時に紙Sの先端がプラテン14の中央支持部14sc上に位置することがあるからである。すなわち、このような状況下であっても、ノズル群Nrを用いるのであれば、インク滴Ipは下流側溝14rに着弾するため、プラテンの支持部を汚さずにすむ。また、このような状況下で、例えばノズル♯6からインクを吐出すると、プラテンを汚してしまうからである。
しかし、参考例の先端の印刷方法では、先端の印刷時に用いるノズルの数が少ないため、先端印刷時の印刷領域が狭くなり、印刷時間が長くなる。
<本実施形態の印刷方法>
図14は、本実施形態における紙先端の印刷方法の説明図である。同図において、既に説明した構成要素に付いては、同じ番号を付しているので、説明を省略する。なお、本実施形態において、溝とノズル群との位置関係は、参考例のものと同じである。
本実施形態では、上述した通り、搬送ローラ17Aよりも下流側にある紙幅センサ54を用いて紙の先端を検出し、その検出結果に基づいて、紙Sを搬送している。したがって、紙Sを高い位置精度で搬送することが可能である。
そして、本実施形態では、紙幅センサ54の検出結果に基づいて紙を搬送し、紙の先端を下流側溝14r上に位置させる(紙の先端が下流側溝14rとノズル群Nrとの間に位置させる)。なお、本実施形態の印刷方法では、搬送ローラ17Aより下流側で紙の先端を検出しているので、参考例のように搬送ローラ17Aよりも上流側において紙の先端を検出する場合と比較して、紙の先端の正確な位置決めが可能になる。そして、紙の先端の正確な位置決めが可能となるので、紙の先端がプラテン14の下流側溝14r上に位置するような頭出し動作が可能なのである。
そして、本実施形態の印刷方法では、上記の位置に紙を搬送した後、ノズル群Nrだけでなく、その上流側のノズル(ノズル群Ni、ノズル群Nh及びノズル群Nf)をも用いて、印刷を行う。本実施形態では、紙先端の頭出し位置が下流側溝14r上にあるため、ノズル群Nrよりも上流側のノズルからインクを吐出しても、そのインク滴Ipは紙に着弾するので、プラテンの支持部を汚さずにすむ。
また、本実施形態では、紙幅センサが、下流側溝上ノズル群Nrよりも上流側に設けられているので、下流側溝上ノズル群Nrが紙Sの先端を印刷するよりも先に、紙Sの先端を検出することができる。したがって、紙幅センサの検出結果を利用して、紙を上記の位置に搬送することができる。
===紙の搬送量について===
次に、各ノズル群が48個のノズルを有し、ノズルピッチ(ノズルの間隔)が1/180インチである場合の種々の印刷方式(印刷モード)における搬送方法について説明する。溝とノズル群との位置関係は、既に説明したものと同様である。ここでは、説明を簡略化するため、一つのノズル群の印刷方式を説明するが、他の色のノズル群に付いても同様である。以下に示す説明図では、便宜上、紙Sに対してノズルが移動するように描かれている。しかし、実際には、紙Sが搬送ユニットによって移動することになる。つまり、以下の説明図は、ノズルと紙との相対的な位置関係を示している。
<バンド印刷について>
図15は、印刷方式の一例として、バンド印刷方式の場合の印刷方法を示す説明図である。
ここで、『バンド印刷方式』とは、ノズルピッチがドット間隔と等しく(k=1)、連続した複数のラスタラインを1回のパスで印刷する印刷方式を意味する。なお、『パス』とは、ノズルが走査方向に1回走査移動することをいう。『ラスタライン』とは、走査方向に並ぶ画素の列(ドット列)であり、走査ラインともいう。また、『画素』とは、インク滴を着弾させドットを記録する位置を規定するために、被印刷体上に仮想的に定められた方眼状の桝目である。また、1回のパスで印刷される複数のラスタラインを『バンド』と呼び、複数のラスタラインの幅を『バンド幅』と呼ぶ。このバンド印刷方式では、バンド幅と等しい搬送量で紙Sの間欠的な搬送が行われる。
つまり、同図では、1/180インチの間隔のラスタラインが紙に形成され、1回のパスによって48のラスタラインが形成される。
そして、同図では、ノズル♯1が、1回目のパスで第1のラスタラインに応じたインクの吐出を行い、2回目のパスによって第49番目のラスタラインに応じたインクの吐出を行うことを示している。また、同図では、各パスのドット列の形成が終わる毎に、48/180インチの紙の搬送が行われることを示している。
本実施形態では、紙の先端が下流側溝上(下流側溝とノズル♯1〜ノズル♯5との間)に位置するように、紙搬送ユニットが紙を搬送する。これにより、上述した通り、1回目のパスにおいて、下流側溝上ノズル群Nr(ノズル♯1〜♯5)からインクを吐出するだけでなく、下流側溝上ノズル群Nrよりも上流側のノズル(ノズル♯6〜ノズル♯48)からもインクを吐出することができる。その結果、紙の先端を印刷する場合であっても、印刷を早く行うことが可能である。
なお、本実施形態では、例えば最初に紙の先端がノズル♯3の位置に位置決めされたとすると、3番目のラスタラインに相当するドット列が先端に印刷される。また、この場合、1回目のパスにおいて、ノズル♯1と♯2が吐出するインク滴は、下流側溝に着弾する。
<擬似バンド印刷について>
図16は、他の印刷方式の一例として、擬似バンド印刷方式の場合の印刷方法を示す説明図である。
ここで、『擬似バンド印刷方式』とは、kが2以上であって、擬似的なバンドで印刷する印刷方式を意味する。なお、擬似的なバンドとは、複数のパスによって印刷される連続した複数のラスタラインをいう。つまり、擬似バンド印刷方式では、擬似バンドを印刷するときの紙の搬送量はドットピッチDとなり、擬似バンドが完成した後の目標搬送量は擬似バンド幅(詳しくは、擬似バンド幅から(k−1)・Dを引いた分)となる。
同図では、第1〜第192のラスタラインからなる擬似的なバンドが、4回のパスで完成されている(つまり、擬似バンド幅は、192・Dである)。また、ノズル間隔である1/180インチの間に3本のラスタラインが形成されている。つまり、同図では、1/720インチの間隔のラスタラインを紙に形成する擬似バンド印刷方式を示している。
そして、同図では、ノズル♯1が、1回目のパスで第1のラスタラインに応じたインクの吐出を行い、2回目のパスで第2のラスタラインに応じたインクの吐出を行い、3回目のパスで第3のラスタラインに応じたインクの吐出を行い、4回目のパスで第4のラスタラインに応じたインクの吐出を行い、5回目のパスで第193のラスタラインに応じたインクの吐出を行うことを示している。また、同図では、1〜4回目の各パスのドット形成が終わる毎に1/720インチの紙の搬送が行われることを示している。また、4回目のパスの終了後、189/720インチの紙の搬送が行われることを示している。
本実施形態では、紙の先端が下流側溝上(下流側溝とノズル♯1〜ノズル♯5との間)に位置するように、紙搬送ユニットが紙を搬送する。これにより、上述した通り、1回目のパスにおいて、ノズル群Nr(ノズル♯1〜♯5)からインクを吐出するだけでなく、ノズル群Nrよりも上流側のノズル(ノズル♯6〜ノズル♯48)からもインクを吐出することができる。その結果、紙の先端を印刷する場合であっても、印刷を早く行うことが可能である。
なお、本実施形態では、例えば最初に紙の先端がノズル♯3の位置に位置決めされたとすると、9番目のラスタラインに相当するドット列が先端に印刷される。また、この場合、1回目のパスにおいて、ノズル♯1と♯2が吐出するインク滴は、下流側溝に着弾する。
<インターレース印刷について>
図17は、他の印刷方式の一例として、インターレース印刷方式の場合の印刷方法を示す説明図である。
ここで、『インターレース方式』とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式を意味する。
同図では、ノズル間隔である1/180インチの間に4本のラスタラインが形成されるので、1/720インチの間隔のラスタラインを紙に形成するインターレース印刷方式を示している。本実施形態のインターレース印刷では、紙Sが走査方向に一定の搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。
そして、ノズル♯4が、1回目のパスで第1のラスタラインに応じたインクの吐出を行う。但し、1回目のパスでは、ノズル17以降のノズルは、インクを吐出しない。また、ノズル♯3が、2回目のパスで第2のラスタラインに応じたインクの吐出を行う。但し、2回目のパスでは、ノズル♯27以降のノズルは、インクを吐出しない。また、ノズル♯2が、3回目のパスで第3のラスタラインに応じたインクの吐出を行う。但し、3回目のパスでは、ノズル♯39以降のノズルは、インクを吐出しない(不図示)。また、ノズル♯1が、4回目のパスで第4のラスタラインに応じたインクの吐出を行う。また、ノズル♯1が、5回目のパスで第53のラスタラインに応じたインクの吐出を行う。なお、4回目のパス以降は、全ノズルからインクを吐出している。また、同図では、1〜4回目の各パスのドット形成が終わる毎に5/720インチの紙の搬送が行われることを示している。また、5回目以降のパスの終了後、47/720インチの紙の搬送が行われることを示している。
本実施形態では、紙の先端が下流側溝とノズル♯4〜ノズル♯5との間に位置するように、紙搬送ユニットが紙を搬送する。これにより、上述した通り、1回目のパスにおいて、ノズル♯4及び♯5からインクを吐出するだけでなく、ノズル♯6以降のノズルからもインクを吐出することができる。その結果、紙の先端を印刷する場合であっても、印刷を早く行うことが可能である。
なお、本実施形態では、例えば最初に紙の先端がノズル♯4からラスタライン2つ分上流側に位置決めされたとすると、3回目のパスにおけるノズル♯2が形成するドット列が先端に印刷される。また、この場合、1回目のパスにおけるノズル♯4が吐出するインク滴は下流側溝に着弾し、2回目のパスにおけるノズル♯3が吐出するインク滴は下流側溝に着弾する。
なお、本実施形態では、例えば、1回目のパスにおいて、ノズル♯1〜♯3は、ラスタラインに関するデータがないので、インクは吐出されないことになる。したがって、本実施形態では、紙の先端が下流側溝とノズル♯1〜♯4との間に位置するように紙搬送ユニットが紙を搬送すると、紙の先端が印刷されない。このように、紙の先端の位置決め範囲は、印刷モードに応じて、異なる必要がある。
本実施形態では、パス1〜4において、紙の先端を印刷するための先端印刷処理を行っている。このときの紙の搬送量は、5/720インチである。一方、パス5以降では、通常のインターレース方式の印刷処理を行っている。このときの紙の搬送量は、47/720インチである。なお、1回目のパスにおいて、ノズル♯17以降のノズルからインクを吐出していないのは、5回目のパス以降から通常のインターレース方式の印刷処理のための搬送量で紙を搬送するためである。また、2回目のパスや3回目のパスにおいて、インクを吐出しないノズルが存在するのも、同様の理由である。
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図18は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
図19は、図18に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。
上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、例えばインターネット等の通信回線を経由して、プリンタ1106に接続されたコンピュータ1000等にダウンロードさせることができるほか、コンピュータによる読み取り可能な記録媒体に記録して配布等することもできる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスクFD、CD−ROM、DVD−ROM、光磁気ディスクMO、ハードディスク、メモリ等の各種記録媒体を用いることができる。なお、このような記憶媒体に記憶された情報は、各種の読取装置1110によって、読み取り可能である。
図20は、コンピュータシステムに接続された表示装置1104の画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。ユーザーは、入力装置1108を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
ユーザーは、この画面上から、印刷モードを選択することができる。例えば、ユーザーは、印刷モードとして、高速印刷モード又はファイン印刷モードを選択することができる。また、ユーザーは、この画面上から、印刷するときのドットの間隔(解像度)を選択することができる。例えば、ユーザーは、この画面上から、印刷の解像度として720dpi又は360dpiを選択することができる。
図21は、コンピュータ本体1102からプリンタ1106に供給される印刷データのフォーマットの説明図である。この印刷データは、プリンタドライバの設定に基づいて画像情報から作成されるものである。印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマンドCPとを含んでいる。画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群は、各コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォーマットに限られるものではない。
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60の記憶媒体であるメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、メモリ65に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、印刷方法、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、コンピュータシステム、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、記録装置、液体の吐出装置等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<記録装置について>
前述の実施形態では、記録装置としてプリンタ(印刷装置)が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。このような分野に本技術を適用しても、液体を対象物に向かって直接的に吐出(直描)することができるという特徴があるので、従来と比較して省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<インクについて>
前述の実施形態は、プリンタの実施形態だったので、染料インク又は顔料インクをノズルから吐出していた。しかし、ノズルから吐出する液体は、このようなインクに限られるものではない。例えば、金属材料、有機材料(特に高分子材料)、磁性材料、導電性材料、配線材料、成膜材料、電子インク、加工液、遺伝子溶液などを含む液体(水も含む)をノズルから吐出しても良い。このような液体を対象物に向かって直接的に吐出すれば、省材料、省工程、コストダウンを図ることができる。
<ノズルについて1>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
<ノズルについて2>
前述の実施形態では、各色のノズル群のノズル数は、48個であった。しかし、ノズル数が48個に限られるものではないことは、言うまでもない。
また、前述の実施形態では、下流側溝上ノズル群Nrは、♯1〜♯5であった。しかし、下流側溝上ノズルNrがこれに限られるものではないことは、言うまでもない。
<紙搬送ユニットについて>
前述の実施形態によれば、紙搬送ユニットは、DCモータからなるPFモータを駆動源として、ロータリーエンコーダで搬送ローラの回転量を制御しながら紙を搬送していた。しかし、紙搬送ユニットは、このような構成に限られるものではない。例えば、駆動源としてパルスモータ等を用いるなど、他の構成であっても良い。要するに、紙搬送ユニットは、紙を搬送する搬送機構としての機能を有する構成であれば良い。
<紙幅センサについて>
前述の実施形態によれば、紙幅センサを用いて、紙の先端を検出していた。しかし、紙の先端の検出は、紙幅センサを用いるものに限られるものではない。例えば、紙の先端を検出するためのセンサを別に設けても良い。要するに、紙の先端を検出し、その検出結果を利用できるものであれば良い。
<紙検出センサについて>
前述の実施形態によれば、紙検出センサは、機械的なセンサであった。しかし、紙検出センサは、光学的なセンサでも良い。
また、前述の実施形態によれば、紙の先端を正確に位置決めするために、紙幅センサの検出結果に基づいて、紙の位置決めを行っていた。しかし、紙の先端を下流側溝の上に位置決めできるのであれば、紙検出センサの検出結果に基づいて、紙を搬送しても良い。
<溝について>
前述の実施形態によれば、プラテンは、凹部として、溝を有していた。しかし、凹部はこれに限られるものではない。例えば、図22に示すように、凹部は、紙を支持する凸部に対して単に窪んでいるだけでも良い。
<リニアエンコーダについて>
前述の実施形態によれば、キャリッジの走査方向の位置は、リニアエンコーダによって、検出されていた。しかし、キャリッジの位置の検出は、これに限られるものではない。例えば、キャリッジモータをパルスモータとし、モータに与えるパルス数に基づいて、キャリッジの位置を計測しても良い。
<印刷方式について>
前述の実施形態では、バンド印刷方式、擬似バンド印刷方式及びインターレース印刷方式について説明した。しかし、印刷方式がこれらの印刷方式に限られないことは、言うまでもない。
本発明によれば、被記録体の先端に余白部分を作らずに記録を行うときに、周囲を汚さずに、かつ、高速な記録が可能になる。
本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。 本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。 本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。 本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。 リニア式エンコーダの構成の説明図である。 リニア式エンコーダの出力信号の波形を示すタイミングチャートである。 ノズルの配列を示す説明図である。 紙搬送のシーケンスを示すフロー図である。 印刷開始位置まで紙を搬送する際の各構成要素と紙との位置関係を示す図である。 紙の傾き補正のフロー図である。 紙の傾き補正の様子を上面から見た図である。 溝とノズル群との位置関係を示す説明図である。 参考例における紙の先端の印刷方法の説明図である。 本実施形態における紙先端の印刷方法の説明図である。 バンド印刷方式の場合の搬送方法を示す説明図である。 擬似バンド印刷方式の場合の印刷方法を示す説明図である。 インターレース印刷方式の場合の印刷方法を示す説明図である。 コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。 図11に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。 ユーザーインターフェースを示す説明図である。 印刷データのフォーマットの説明図である。 他の実施形態のプラテンの説明図である。 背景技術の印刷方法の説明図である。
符号の説明
10 紙搬送ユニット
13 給紙ローラ
14 プラテン
15 紙搬送モータ(PFモータ)
16 紙搬送モータドライバ(PFモータドライバ)
17A 搬送ローラ
17B 排紙ローラ
18A、18B フリーローラ
20 インク吐出ユニット
21 ヘッド
22 ヘッドドライバ
30 クリーニングユニット
31 ポンプ装置
32 ポンプモータ
33 ポンプモータドライバ
35 キャッピング装置
40 キャリッジユニット
41 キャリッジ
42 キャリッジモータ(CRモータ)
43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ガイドレール
50 計測器群
51 リニア式エンコーダ
511 リニアスケール
512 検出部
512A 発光ダイオード
512B コリメータレンズ
512C 検出処理部
512D フォトダイオード
512E 信号処理回路
512F コンパレータ
52 ロータリー式エンコーダ
53 紙検出センサ
54 紙幅センサ
60 制御ユニット
61 CPU
62 タイマ
63 インターフェース部
64 ASIC
65 メモリ
66 DCコントローラ
67 ホストコンピュータ

Claims (15)

  1. 被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、
    凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、
    を備え、
    前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置であって、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、
    前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置であって、
    前記被記録体の先端を検出可能な検出器を更に備え、
    前記検出器の検出結果に基づいて、前記搬送機構が前記被記録体を搬送する。
  3. 請求項2に記載の記録装置であって、
    前記搬送機構は、前記被記録体を搬送するためのローラを有し、
    前記検出器は、前記ローラよりも前記搬送方向に下流側に設けられている。
  4. 請求項2又は3に記載の記録装置であって、
    前記検出器は、前記被記録体の傾きを補正した後、前記先端を検出する。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記ノズルを走査方向に移動させるキャリッジを更に備え、
    前記検出器は、前記キャリッジに設けられている。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記検出器は、前記凹部に対向するノズルよりも前記搬送方向に対して上流側の位置で、前記先端を検出する。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記凹部は、前記支持手段に設けられた溝である。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記凹部には、前記液体を吸収するための吸収体が設けられている。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記先端を記録するときに前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量は、前記先端の記録を終えた後に前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量と比較して、少ない。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の記録装置であって、
    前記搬送機構は、前記被記録体としての被印刷体を搬送し、
    前記支持手段は、前記被印刷体を支持し、
    前記ノズルは、前記液体としてのインクを吐出し、
    前記被印刷体に印刷を行う。
  11. 被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、
    凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、
    前記被記録体の先端を検出可能な検出器と、
    走査方向に移動するキャリッジと、
    を備え、
    前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置であって、
    前記搬送機構は、前記被記録体を搬送するためのローラを有し、
    前記検出器は、
    前記ローラよりも前記搬送方向に下流側に設けられ、
    前記キャリッジに設けられ、
    前記被記録体の傾きを補正した後、前記先端を検出し、
    前記凹部に対向するノズルよりも前記搬送方向に対して上流側の位置で、前記先端を検出し、
    前記凹部は前記支持手段に設けられた溝であり、前記凹部には前記液体を吸収するための吸収体が設けられ、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、
    前記検出器の検出結果に基づいて、前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出し、
    前記先端を記録するときに前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量は、前記先端の記録を終えた後に前記搬送機構が前記被記録体を搬送する搬送量と比較して、少ない
    ことを特徴とする記録装置。
  12. 被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、
    凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、
    を用い、
    前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録方法であって、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、
    前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する
    ことを特徴とする記録方法。
  13. 被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段とを備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置に対し、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するときに、
    前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させる機能と、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラム。
  14. 被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段とを備え、前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出する記録装置に対し、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するときに、
    前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させる機能と、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する機能と
    を実現させることを特徴とするプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. コンピュータ本体と、
    被記録体を搬送方向に搬送するための搬送機構と、
    凹部及び凸部を有し、前記凸部で前記被記録体を支持する支持手段と、
    を備え、
    前記凹部及び凸部に対向する複数のノズルから液体を吐出するコンピュータシステムであって、
    前記被記録体の前記搬送方向の先端を記録するとき、
    前記搬送機構が前記被記録体を搬送し、前記凹部と前記凹部に対向するノズルとの間に前記先端を位置させ、
    前記凹部に対向するノズル及び前記凸部に対向するノズルから、前記液体を吐出する
    ことを特徴とするコンピュータシステム。
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