JP3948341B2 - 印刷装置、プログラム及びコンピュータシステム - Google Patents

印刷装置、プログラム及びコンピュータシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙などの被印刷体に印刷を行う印刷装置に関する。また、本発明は、このような印刷装置を制御するプログラム及びコンピュータシステムに関する。
【0002】
【背景技術】
紙、布、フィルム等の各種の被印刷体に画像を印刷する印刷装置として、インクを断続的に吐出して印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。このようなインクジェットプリンタでは、被印刷体を紙搬送方向に移動させて位置決めする工程と、走査方向にノズルを移動させながらインクを吐出する工程とを交互に繰り返し、印刷を行っている。
そして、従来では、被印刷体を搬送するときの目標搬送量は、被印刷体に形成されるドットの間隔を基準に設定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
搬送機構が目標搬送量に基づいて搬送すると、搬送誤差により、実際の搬送量は目標搬送量と一致していない。しかし、搬送誤差を見込んで目標搬送量を設定しても、目標搬送量がドットの間隔を基準に設定されていたので、搬送誤差の調整が困難であった。このような搬送誤差は、画質の良否に影響を与えることになる。
本発明は、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための主たる発明は、被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する搬送動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置において、前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な間隔を基準として設定され、1回の前記搬送動作によって前記間隔よりも小さい搬送誤差が生じる場合、前記繰り返し行われる複数回の前記搬送動作のうちの一部の搬送動作の前記目標搬送量を変更し、複数回の前記搬送動作によって蓄積した前記搬送誤差を補正することを特徴とする。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を以下の順序で説明する。
『開示の概要』
『紙の滑りと画質の関係』
『印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要』
『本実施形態の搬送量の制御』
『コンピュータシステム等の構成』
『その他の実施の形態』
【0006】
===開示の概要===
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
【0007】
被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置において、前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な前記間隔を基準として設定されることを特徴とする印刷装置。このような印刷装置によれば、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0008】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報に応じて、設定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、被印刷体の特性に応じた目標搬送量の設定を行うことができ、画質を向上させることが可能である。
【0009】
かかる印刷装置であって、前記被印刷体に関する情報は、印刷条件の設定内容に基づいて、取得されることが望ましい。このような印刷装置によれば、設定された印刷条件を利用して、目標搬送量を設定することができる。
【0010】
かかる印刷装置であって、前記被印刷体の種類に関する情報は、前記被印刷体に関する情報に含まれることが望ましい。このような印刷装置によれば、被印刷体の特性に応じた目標搬送量の設定を行うことができ、画質を向上させることができる。
【0011】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、被印刷体が滑り易いほど、大きくなることが望ましい。このような印刷装置によれば、被印刷体を搬送する際の滑りに起因する搬送誤差を考慮して、目標搬送量を設定することができる。
【0012】
かかる印刷装置であって、写真用紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、普通紙に比べて搬送時に滑り易い写真用紙であっても、印刷に適した位置に搬送することができる。
【0013】
かかる印刷装置であって、光沢紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、普通紙に比べて搬送時に滑り易い光沢紙であっても、印刷に適した位置に搬送することができる。
【0014】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報と前記目標搬送量とを関連付けたテーブルに基づいて、設定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、被印刷体の情報を取得すれば、テーブルを参酌して、目標搬送量を設定することができる。
【0015】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、外部の装置から送信された印刷データに基づいて、設定されることが望ましい。このような印刷装置によれば、外部からの印刷データを利用して目標搬送量を設定することができるので、印刷装置の構成を簡略化することができる。
【0016】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、前記基準に設定された搬送量の整数倍であることが望ましい。このような印刷装置によれば、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0017】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、前記検出器が検出可能な搬送量の整数倍であることが望ましい。このような印刷装置によれば、搬送機構が制御可能な搬送量に応じて目標搬送量を設定することができ、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0018】
かかる印刷装置であって、前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのローラを備え、前記検出器は、前記ローラの回転量を検出することが望ましく、前記検出器は、エンコーダであることが好ましい。このような印刷装置によれば、ローラの回転量に基づいて、搬送機構による被印刷体の搬送量を検出することができる。
【0019】
かかる印刷装置であって、前記目標搬送量は、搬送回数に応じて、変更して設定できることが望ましい。このような印刷装置によれば、目標搬送量の設定の基準となる量よりも搬送誤差の方が小さい場合であっても、目標搬送量を変更して調整することにより、印刷に適した位置に被印刷体を搬送することができる。
【0020】
また、被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置において、前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な前記間隔を基準として設定され、前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報に応じて、設定され、前記被印刷体に関する情報は、印刷条件の設定内容に基づいて、取得され、前記被印刷体の種類に関する情報は、前記被印刷体に関する情報に含まれ、前記目標搬送量は、被印刷体が滑り易いほど、大きくなり、写真用紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定され、光沢紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定され、前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報と前記目標搬送量とを関連付けたテーブルに基づいて、設定され、前記目標搬送量は、外部の装置から送信された印刷データに基づいて、設定され、前記目標搬送量は、前記基準に設定された搬送量の整数倍であり、前記目標搬送量は、前記検出器が検出可能な搬送量の整数倍であり、前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのローラを備え、前記検出器は、エンコーダであって、前記ローラの回転量を検出し、前記目標搬送量は、搬送回数に応じて、変更して設定できることを特徴とする印刷装置。このような印刷装置によれば、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0021】
また、被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置に、前記検出器が検知可能な前記間隔を基準として前記目標搬送量を設定する機能を実現させることを特徴とするプログラム。このようなプログラムによれば、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0022】
また、コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシステムであって、前記印刷装置は、被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置であって、前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な前記間隔を基準として設定されることを特徴とするコンピュータシステム。このようなコンピュータシステムによれば、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることが可能である。
【0023】
===紙の滑りと画質の関係(参考)===
まず、紙の滑りと画質の関係について説明する。
図17は、滑りにくい紙Sを搬送した場合のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図18は、滑り易い紙Sを搬送した場合のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図19は、図17及び図18における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
同図では、説明の便宜上、ヘッド21は、1色分の7個のノズルのみを有するものとしている(つまり、n=7)。また、同図では、説明の便宜上、紙Sが走査方向にも移動しているかのように描かれているが、実際には、紙Sは紙搬送方向に移動するだけであって走査方向には移動しない。
【0024】
同図において、このノズル群のノズルピッチk・Dは、ドットピッチDの4倍である(つまり、k=4)。なお、ヘッド21の中において、丸の中に示されている数字1〜7は、ノズル番号を意味している。同図に示された通り、ノズル番号が若いノズルほど、紙搬送方向の下流に設けられている。
【0025】
紙Sは、ノズルが走査方向に1回走査移動した(以下、『パス』と呼ぶ)後に、搬送ユニット10によって、紙走査方向に搬送量F=L・D(Lは整数、Dはドットピッチ)だけステップ移動する。同図では、搬送ユニット10による搬送量Fは7・D(つまり、L=7)であり、目標搬送量も7・Dである。なお、一定の搬送量F(=L・D)で紙Sの搬送を行う場合、整数Lが、整数Lを整数kで割ったときの余りが(k−1)になるような値を採用することが好ましい。
【0026】
紙S内において、丸印は1回目のパスで形成されるドットの位置(画素の位置)を示し、四角形印は2回目のパスで形成されるドットの位置を示し、六角形印は3回目のパスで形成されるドットの位置を示し、八角形印は4回目のパスで形成されるドットの位置を示している。そして、各印の中の数字は、そのドットを形成するためのインクを吐出したノズルの番号を示している。また、同図では、1回のパス毎に2つのドットを形成しているが、実際には、ノズルが走査方向に移動しながら間欠的にインクを吐出するので、走査方向に沿って多数のドットがライン状に形成される(以下、これを『ラスタライン』と呼ぶ)。
【0027】
同図の記録方式では、紙Sが走査方向に搬送量Fで搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。また、同図の記録方式は、『インターレース印刷』の一例でもある。ここで、『インターレース印刷』とは、kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式を意味する。
【0028】
<滑りにくい紙の場合>
図17では、目標搬送量がF(=L・D)であるときに、搬送ユニットは、一定のプラス誤差δの誤差を含む搬送量(F+δ)で紙を搬送している。すなわち、目標搬送量Fに対して、紙Sが、誤差δだけ余分に紙搬送方向下流側に搬送されている。
このように目標搬送量Fに対して実際の搬送量がプラスの誤差を含んでいる理由は、紙が滑りにくい紙のため、紙搬送ローラ17Aと紙Sとの間で滑りが生じにくいからである。
【0029】
その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス2で記録されるラスタラインとパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがδだけ短くなり、パス3で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ短くなる。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図19Aで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3δだけ広がる。図19Aで示されるように搬送誤差が蓄積されてドットの間隔が広がると、肉眼では色の薄い縞が発生する。このような色の薄い縞(以下、『明バンディング』と呼ぶ。但し、『白バンディング』又は『淡バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0030】
<滑り易い紙の場合>
図18では、目標搬送量がF(=L・D)であるときに、搬送ユニットは、一定のマイナス誤差−δの誤差を含む搬送量(F−δ)で紙を搬送している。すなわち、目標搬送量Fに対して、紙Sが、誤差δだけ不足して紙搬送方向下流側に搬送されている。
このように目標搬送量Fに対して実際の搬送量がマイナスの誤差を含んでいる理由は、紙が滑り易い紙のため、紙搬送ローラ17Aと紙Sとの間で滑りが生じるからである。
【0031】
その結果、パス1で記録されるラスタライン(L2、L6)とパス2で記録されるラスタライン(L1、L5)との間のドットピッチがδだけ長くなり、パス2で記録されるラスタラインとパス3で記録されるラスタライン(L4)との間のドットピッチがδだけ長くなり、パス3で記録されるラスタラインとパス4で記録されるラスタライン(L3)との間のドットピッチがδだけ長くなる。そして、このように搬送の誤差が蓄積された結果、図19Bで示される通り、例えば第2列目のラスタライン(L2:パス1で第6番ノズルにより形成されるライン)と第3列目のラスタライン(L3:パス4で第1番ノズルにより形成されるライン)との間のドットピッチが、3δだけ狭まる。図19Bで示されるように搬送誤差が蓄積されてドットの間隔が狭まると、肉眼では色の濃い縞が発生する。このような色の濃い縞(以下、『暗バンディング』と呼ぶ。但し、『黒バンディング』又は『濃バンディング』ともいう。)は、画質劣化として観察される。
【0032】
<下記の本実施形態について>
上記の説明の通り、搬送誤差は、紙の滑り易さ等の紙の特性に関係していると考えられる。そのため、紙の種類に応じて、紙の滑り等に起因する搬送誤差を予想することは可能である。そのため、以下に説明する本実施形態では、目標搬送量は、紙の種類に基づいて、設定されている。
一方、紙の滑りに起因する搬送誤差は、紙に形成されるドットの最小の間隔(最小ドット間隔)よりも小さいことがある。この場合、目標搬送量がドット間隔の整数倍として設定されていると、目標搬送量を調整してもバンディングの発生を抑制することができない。そのため、以下に説明する本実施形態では、目標搬送量は、紙に形成される最小ドット間隔よりも小さい搬送量(具体的には、エンコーダが検出可能な最小搬送量C)の整数倍として設定されている。
【0033】
===印刷装置(インクジェットプリンタ)の概要===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1、図2、図3および図4を参照しつつ、印刷装置としてインクジェットプリンタを例にとって、その概要について説明する。なお、図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。また、図2は、本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。また、図3は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。また、図4は、本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
本実施形態のインクジェットプリンタは、紙搬送ユニット10、インク吐出ユニット20、クリーニングユニット30、キャリッジユニット40、計測器群50、および制御ユニット60を有する。
【0034】
紙搬送ユニット10は、被印刷体である例えば紙を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の方向(図1において紙面に垂直な方向(以下、紙搬送方向という))に所定の移動量で紙を移動させるためのものである。すなわち、紙搬送ユニット10は、紙を搬送する搬送機構として機能する。紙搬送ユニット10は、紙挿入口11A及びロール紙挿入口11Bと、給紙モータ(不図示)と、給紙ローラ13と、プラテン14と、紙送りモータ(以下、PFモータという)15と、紙送りモータドライバ(以下、PFモータドライバという)16と、紙送りローラ17Aと排紙ローラ17Bと、フリーローラ18Aとフリーローラ18Bとを有する。ただし、紙搬送ユニット10が搬送機構として機能するためには、必ずしも、これらの構成要素を全て要するというわけではない。
【0035】
紙挿入口11Aは、被印刷体である紙を挿入するところである。給紙モータ(不図示)は、紙挿入口11Aに挿入された紙をプリンタ内に搬送するモータであり、パルスモータで構成される。給紙ローラ13は、紙挿入口11に挿入された紙をプリンタ内に自動的に搬送するローラであり、給紙モータ12によって駆動される。給紙ローラ13は、略D形の横断面形状を有している。給紙ローラ13の円周部分の周囲長さは、PFモータ15までの搬送距離よりも長く設定されているので、この円周部分を用いて被印刷体をPFモータ15まで搬送できる。なお、給紙ローラ13の回転駆動力と分離パッド(不図示)の摩擦抵抗とによって、複数の被印刷体が一度に給紙されることを防いでいる。被印刷体の搬送のシーケンスについては、後で詳述する。
【0036】
プラテン14は、印刷中の紙Sを支持する。PFモータ15は、被印刷体である例えば紙を紙搬送方向に送り出すモータであり、DCモータで構成される。PFモータドライバ16は、PFモータ15の駆動を行うためのものである。紙送りローラ17Aは、給紙ローラ13によってプリンタ内に搬送された紙Sを印刷可能な領域まで送り出すローラであり、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Aは、紙送りローラ17Aと対向する位置に設けられ、紙Sを紙送りローラ17Aとの間に挟むことによって紙Sを紙送りローラ17Aに向かって押さえる。
【0037】
排紙ローラ17Bは、印刷が終了した紙Sをプリンタの外部に排出するローラである。排紙ローラ17Bは、不図示の歯車により、PFモータ15によって駆動される。フリーローラ18Bは、排紙ローラ17Bと対向する位置に設けられ、紙Sを排紙ローラ17Bとの間に挟むことによって紙Sを排紙ローラ17Bに向かって押さえる。
【0038】
インク吐出ユニット20は、被印刷体である例えば紙にインクを吐出するためのものである。インク吐出ユニット20は、ヘッド21と、ヘッドドライバ22とを有する。ヘッド21は、インク吐出部であるノズルを複数有し、各ノズルから断続的にインクを吐出する。ヘッドドライバ22は、ヘッド21を駆動して、ヘッドから断続的にインクを吐出させるためのものである。
【0039】
クリーニングユニット30は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するためのものである。クリーニングユニット30は、ポンプ装置31と、キャッピング装置35とを有する。ポンプ装置は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、ノズルからインクを吸い出すものであり、ポンプモータ32とポンプモータドライバ33とを有する。ポンプモータ32は、ヘッド21のノズルからインクを吸引する。ポンプモータドライバ33は、ポンプモータ32を駆動する。キャッピング装置35は、ヘッド21のノズルの目詰まりを防止するため、印刷を行わないとき(待機時)に、ヘッド21のノズルを封止する。
【0040】
キャリッジユニット40は、ヘッド21を所定の方向(図1において紙面の左右方向(以下、走査方向という))に走査移動させるためのものである。キャリッジユニット40は、キャリッジ41と、キャリッジモータ(以下、CRモータという)42と、キャリッジモータドライバ(以下、CRモータドライバという)43と、プーリ44と、タイミングベルト45と、ガイドレール46とを有する。キャリッジ41は、走査方向に移動可能であって、ヘッド21を固定している(したがって、ヘッド21のノズルは、走査方向に沿って移動しながら、断続的にインクを吐出する)。また、キャリッジ41は、インクを収容するインクカートリッジ48を着脱可能に保持している。CRモータ42は、キャリッジを走査方向に移動させるモータであり、DCモータで構成される。CRモータドライバ43は、CRモータ42を駆動するためのものである。プーリ44は、CRモータ42の回転軸に取付けられている。タイミングベルト45は、プーリ44によって駆動される。ガイドレール46は、キャリッジ41を走査方向に案内する。
【0041】
計測器群50には、リニア式エンコーダ51と、ロータリー式エンコーダ52と、紙検出センサ53と、紙幅センサ54とがある。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ41の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17Aの回転量を検出するためのものである。なお、エンコーダの構成等については、後述する。紙検出センサ53は、印刷される紙の先端の位置を検出するためのものである。この紙検出センサ53は、給紙ローラ13が紙送りローラ17Aに向かって紙を搬送する途中で、紙の先端の位置を検出できる位置に設けられている。なお、紙検出センサ53は、機械的な機構によって紙の先端を検出するメカニカルセンサである。詳しく言うと、紙検出センサ53は紙搬送方向に回転可能なレバーを有し、このレバーは紙の搬送経路内に突出するように配置されている。そのため、紙の先端がレバーに接触し、レバーが回転させられるので、紙検出センサ53は、このレバーの動きを検出することによって、紙の先端の位置を検出する。紙幅センサ54は、キャリッジ41に取付けられている。紙幅センサ54は、発光部541と受光部543を有する光学センサであり、紙によって反射された光を検出することにより、紙幅センサ54の位置における紙の有無を検出する。そして、紙幅センサ54は、キャリッジ41によって移動しながら紙の端部の位置を検出し、紙の幅を検出する。また、紙幅センサ54は、キャリッジ41の位置によって、紙の先端を検出できる。紙幅センサ54は、光学センサなので、紙検出センサ53よりも位置検出の精度が高い。
【0042】
制御ユニット60は、プリンタの制御を行うためのものである。制御ユニット60は、CPU61と、タイマ62と、インターフェース部63と、ASIC64と、メモリ65と、DCコントローラ66とを有する。CPU61は、プリンタ全体の制御を行うためのものであり、DCコントローラ66、PFモータドライバ16、CRモータドライバ43、ポンプモータドライバ32およびヘッドドライバ22に制御指令を与える。タイマ62は、CPU61に対して周期的に割り込み信号を発生する。インターフェース部63は、プリンタの外部に設けられたホストコンピュータ67との間でデータの送受信を行う。ASIC64は、ホストコンピュータ67からインターフェース部63を介して送られてくる印刷情報に基づいて、印刷の解像度やヘッドの駆動波形等を制御する。メモリ65は、ASIC64及びCPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、PROM、RAM、EEPROM等の記憶手段を有する。DCコントローラ66は、CPU61から送られてくる制御指令と計測器群50からの出力に基づいて、PFモータドライバ16及びCRモータドライバ43を制御する。
【0043】
<エンコーダの構成について>
図5は、ロータリー式エンコーダ52の説明図である。
ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラの回転量を検出するためのものであり、スケール521と検出部522とを有する。
スケール521は、所定の間隔毎にスリットが設けられている。スケール521は、紙送りローラ17Aに設けられており、紙送りローラ17Aとともに回転する。
【0044】
検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に設けられている。検出部522は、発光ダイオード522Aと、コリメータレンズ522Bと、検出処理部522Cとを有しており、検出処理部522Cは、複数(例えば、4個)のフォトダイオード522Dと、信号処理回路522Eと、2個のコンパレータ522Fa、522Fbとを備えている。
【0045】
発光ダイオード522Aは、両端の抵抗を介して電圧Vccが印加されると光を発し、この光はコリメータレンズに入射される。コリメータレンズ522Bは、発光ダイオード522Aから発せられた光を平行光とし、スケール521に平行光を照射する。スケールに設けられたスリットを通過した平行光は、固定スリット(不図示)を通過して、各フォトダイオード522Dに入射する。フォトダイオード522Dは、入射した光を電気信号に変換する。各フォトダイオードから出力される電気信号は、コンパレータ522Fa、522Fbにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。そして、コンパレータ522Fa、522Fbから出力されるパルスENC−A及びパルスENC−Bが、ロータリー式エンコーダ52の出力となる。
【0046】
図6は、ロータリー式エンコーダ52の2種類の出力信号の波形を示すタイミングチャートである。図6Aは、PFモータ15が正転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。図6Bは、PFモータ15が反転しているときにおける出力信号の波形のタイミングチャートである。
【0047】
図6A及び図6Bに示す通り、PFモータ15の正転時および反転時のいずれの場合であっても、パルスENC−AとパルスENC−Bとは、位相が90度ずれている。PFモータ15が正転しているとき、すなわち、紙送りローラ17Aが紙を搬送方向に搬送するように回転するときは、図6Aに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が進んでいる。一方、PFモータ15が反転しているときは、図6Bに示す通り、パルスENC−Aは、パルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れている。各パルスの1周期Tは、紙送りローラ17Aがスケール521のスリットの間隔分だけ回転する時間に等しい。そして、1周期分のパルスは、紙送りローラ17Aが所定の角度だけ回転したことを意味し、紙が所定の搬送量だけ搬送されたことを意味する。
【0048】
紙の搬送量(又は紙の位置、又は紙送りローラの回転量)の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントする。このカウント数に基づいて、紙送りローラ17Aの回転量を演算する。カウント数は、PFモータ15が正転しているときに一つのエッジが検出されると『+1』を加算し、PFモータ15が反転しているときに一つのエッジが検出されると『−1』を加算する。パルスENCの周期は紙送りローラ17Aの回転量に対応するので、カウント数に紙送りローラ17Aの回転量を乗算すれば、カウント数が『0』のときの紙の位置からの搬送量を求めることができる。つまり、この場合におけるロータリー式エンコーダ52の解像度は、スケール521のスリット間隔と対応する。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、紙の搬送量(紙送りローラ17Aの回転量)を検出しても良い。パルスENC−AとパルスENC−Bの各々の周期は紙送りローラ17Aの回転量に対応し、かつ、パルスENC−AとパルスENC−Bとは位相が90度ずれているので、各パルスの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数をカウントすれば、カウント数『1』は、スケール521のスリット間隔の1/4に対応する。よって、カウント数に紙送りローラの回転量の1/4を乗算すれば、カウント数が『0』のときの紙の位置からの搬送量を求めることができる。つまり、この場合におけるロータリー式エンコーダ52の解像度は、スケール521のスリット間隔の1/4に対応する。
【0049】
紙の搬送速度(又は紙送りローラ17Aの回転速度)の検出は、以下のように行う。まず、パルスENC−A又はENC−Bについて、立ち上がりエッジ又は立ち下りエッジを検出する。一方、パルスのエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、スケール521のスリット間隔をλとすると、紙の搬送速度は、λ/Tに基づいて、順次求めることができる。また、パルスENC−AとパルスENC−Bの両方を用いて、紙の搬送速度を検出しても良い。各パルスの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを検出することにより、スケール521のスリット間隔の1/4に対応するエッジ間の時間間隔をタイマカウンタによってカウントする。このカウント値から周期T(T=T1、T2、・・・)が求められる。そして、スケール521のスリット間隔をλとすると、紙の搬送速度は、λ/(4T)に基づいて、順次求めることができる。
【0050】
本実施形態のロータリー式エンコーダ52は、紙に形成される最小のドットの間隔よりも高い解像度で紙の搬送量を検出することができる。例えば、紙に形成される最小のドットの間隔が1/720インチ(約35.3μm)であるが、ロータリー式エンコーダ52は1/5760インチ(約4.4μm)単位で紙の搬送量を検出することができる。つまり、本実施形態では、ロータリーエンコーダが検出可能な搬送量は、紙に形成される最小のドットの間隔よりも小さい。
【0051】
なお、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には、紙送りローラ17Aの回転量を検出している。一方、紙送りローラ17Aが回転して紙を搬送するとき、紙送りローラ17Aと紙との間の滑りによって、搬送誤差が生じている。したがって、ロータリー式エンコーダ52は、直接的に、紙の搬送量を検出しているわけではない。そこで、ロータリー式エンコーダ52が検出した回転量と搬送誤差との関係を表すテーブルを作成し、そのテーブルを制御ユニット60のメモリ65に格納しても良い。そして、ロータリー式エンコーダの検出結果に基づいてテーブルを参照し、紙の搬送量(又は搬送誤差)を検出する。このテーブルは、回転量と搬送誤差との関係を表すものに限られず、回転量と搬送量との関係を表すものであっても良く、搬送回数等と搬送誤差との関係を表すものであっても良い。また、紙質に応じて滑りが異なるので、紙質に応じた複数のテーブルを作成し、メモリ65に格納しても良い。
【0052】
なお、リニア式エンコーダ51では、紙送りローラ17Aの回転に応じて回転する回転円板521の代わりにプリンタ本体側に設けられた上記スケール511を用いる点と、プリンタ本体側に設けられた検出部522の代わりにキャリッジ41に設けられた検出部512を用いる点が異なるだけで、他の構成はロータリー式エンコーダ52とほぼ同様である。
【0053】
<ノズルの構成について>
図7は、ヘッド21の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド21の下面には、濃ブラックインクノズル群KDと、淡ブラックインクノズル群KLと、濃シアンインクノズル群CDと、淡シアンインクノズル群CLと、濃マゼンタインクノズル群MDと、淡マゼンタノズル群MLと、イエローインクノズル群YDが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態ではn個)備えている。なお、各ノズル群を示す符号の最初のアルファベットはインク色を意味しており、また、添え字の「 D」は濃度が比較的高いインクであることを意味しており、また、添え字の「 L 」は濃度が比較的低いインクであることをそれぞれ意味している。
【0054】
各ノズル群の複数のノズルは、紙搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、紙搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)であり、例えば、印刷の解像度が720dpiであれば1/720インチ(約35.3μm)である。また、kは、1以上の整数である。
【0055】
また、各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど若い番号が付されている(♯1〜♯n)。また、各ノズル群のノズルは、紙搬送方向の位置に関して、隣のノズル群のノズルの間に位置するように設けられている。例えば、淡ブラックインクノズル群KLの一番ノズル♯1は、紙搬送方向の位置に関して、濃ブラックインクノズル群KDの一番ノズル♯1と二番ノズル♯2との間に設けられている。また、紙幅センサ54は、紙搬送方向の位置に関して、一番下流側にあるn番ノズル♯nとほぼ同じ位置に設けられている。各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてピエゾ素子(不図示)が設けられている。
【0056】
なお、印刷時には、紙Sが紙搬送ユニット10によって間欠的に搬送され、その間欠的な搬送の間にキャリッジ41が走査方向に移動して各ノズルからインク滴が吐出される。
【0057】
===本実施形態の搬送量の制御===
<目標搬送量の設定>
目標搬送量と実際の紙の搬送量は一致しないため、目標搬送量が理想的な搬送量に設定されていても、実際の紙の搬送量は印刷に理想的な搬送量とはならず、印刷縞(バンディング)が発生する。そこで、本実施形態では、搬送誤差δを考慮し、搬送誤差を見込んだ搬送量を目標搬送量として設定し、実際の搬送量が印刷に理想的な搬送量に近づくようにしている。
【0058】
ただし、搬送誤差δはドットピッチDよりも小さいので、搬送誤差δを見込んだ目標搬送量は、ドットピッチDよりも小さい搬送量を基準に設定されるのが良い。一方、ロータリー式エンコーダが検出可能な最小の搬送量を基準搬送量Cとすると、プリンタが制御可能な紙の搬送量は、Cの整数倍である。
【0059】
そこで、本実施形態では、目標搬送量は、ロータリー式エンコーダが検出可能な最小の搬送量である基準搬送量Cに基づいて設定している。すなわち、本実施形態では、目標搬送量は、基準搬送量Cの整数倍としている。これにより、ドットピッチを目標搬送量の基準としていた場合と比較して、搬送機構に対して細かく目標搬送量を設定できるので、搬送機構の搬送量を調整して、画質を向上させることができる。
【0060】
例えば、紙をF(=L・D)だけ搬送したい場合、目標搬送量はF+m・C(mは整数)となる(但し、Fは、Cの整数倍である)。具体的には、紙を7/720インチだけ搬送したい場合、目標搬送量は、(56+m)/5760インチ(=7/720インチ+m/5760インチ)になる。つまり、目標搬送量は、基準搬送量Cの整数倍で設定される。なお、目標搬送量F+m・Cについて、『搬送量Fが、基準搬送量Cに基づいて、補正されている』と表現しても良い。
【0061】
<紙の種類の設定>
図8は、コンピュータ本体(後述)に接続された表示装置の画面に表示されたプリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。ユーザーは、入力装置を用いて、プリンタドライバの各種の設定を行うことができる。
【0062】
ユーザーは、この画面上から、印刷する紙の種類を選択することができる。紙の種類が選択されると、その紙の滑り易さ等の紙の特性を判断することができるので、紙の滑り易さ等の紙の特性に応じて、前述の搬送誤差δを予想することができる。
【0063】
そこで、本実施形態では、プリンタドライバの設定によって紙の種類に関する情報(紙情報)を取得し、その紙情報に基づいて、目標搬送量を決定することにしている。なお、目標搬送量F+m・Cは、滑り易い紙であるほど大きくなり(mが大きくなり)、滑りにくい紙であるほど小さくなる(mが小さくなる)。例えば、写真用紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定される。また、光沢紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定される。
【0064】
本実施形態では、紙の種類と目標搬送量とを関連付けたテーブルが、コンピュータ本体のメモリに記憶されている。そして、ユーザーがプリンタドライバの設定の際に、選択した紙の種類に基づいてテーブルが参照され、目標搬送量が設定される。なお、テーブルは、紙の種類と上記の整数mとを関連付けたものであっても良い。
【0065】
<印刷データの内容>
図9は、コンピュータ本体からプリンタに供給される印刷データのフォーマットの説明図である。この印刷データは、プリンタドライバの設定に基づいて、画像情報から作成されるものである。
【0066】
印刷データは、印刷条件コマンド群と各パス用コマンド群とを有する。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、目標搬送量コマンドCLや、画素データコマンドCPとを含んでいる。画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。なお、同図に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、簡略して描かれている。また、これらのコマンド群は、コマンド毎にコンピュータ本体側からプリンタ側に間欠的に供給される。但し、印刷データは、このフォーマットに限られるものではない。
【0067】
本実施形態では、印刷データ中の目標搬送量コマンドCLは、基準搬送量Cを基準として設定された目標搬送量に基づいて、作成されている。言いかえると、印刷データには、目標搬送量に関する情報が含まれている。また、本実施形態では、印刷データに含まれる目標搬送量は、搬送される紙の種類に基づいて、設定される。
【0068】
<搬送量の制御>
図10は、PFモータ15の制御ブロック図である。同図において、既に説明された構成要素は、同じ符号を付しているので、説明を省略する。
【0069】
プリンタ本体は、外部のコンピュータから印刷データを受信する。そして、この印刷データには、紙の目標搬送量に関する情報が含まれている。なお、本実施形態では、この目標搬送量は、基準搬送量Cの整数倍として設定されている。
【0070】
制御ユニット60のCPU61は、紙送りローラ17Aの目標となる回転速度の履歴(速度プロファイル)を決定するする決定手段611を備えている。この決定手段611は、目標搬送量に基づいて、紙送りローラ17Aの目標となる回転速度の履歴を算出する。そして、CPU61は、決定手段611によって求められた履歴に基づいて、指令値を出力する。なお、決定手段611は、プログラムによってソフト的に実現されるものであっても良いし、回路によってハード的に実現されるものであっても良い。
【0071】
DCユニット66は、差分器661とPID制御系662とを有する。差分器661は、CPU61から出力された指令値とエンコーダ52からの検出値との差分値を求める。PID制御系662は、差分器661によって求められた差分値を基に、PID制御を行うための制御系である。なお、差分器及びPID制御系は、どちらも、プログラムによってソフト的に実現されるものであっても良いし、回路によってハード的に実現されるものであっても良い。
【0072】
PFモータ15は、制御ユニット60から出力される信号を、紙送りモータドライバ16(図10では不図示)を介して受信し、その信号に基づいて、所定の回転量だけ回転する。紙送りローラ17Aは、PFモータの回転によって回転し、PFモータの回転量に対応する搬送量で紙を搬送する。
【0073】
ロータリー式エンコーダ52は、紙送りローラ17Aの回転量を検出し、検出結果を制御ユニット60に出力する。なお、既に説明した通り、ロータリー式エンコーダによって検出できる搬送量(基準搬送量C)は、紙に形成されるドットの間隔(例えば、1/720インチ)よりも小さい搬送量である(例えば、1/5760インチ)。
【0074】
本実施形態では、上記のようなフィードバック回路により、ロータリー式エンコーダ52を用いて紙送りローラ17Aの回転量を検出しつつ、紙の搬送量が目標搬送量になるようにPFモータ15を制御している。
【0075】
<ドット形成の様子>
図11は、搬送誤差δを見込んだ目標搬送量(F+m・C)に基づいて紙を搬送した場合のドット形成の様子を示す説明図である。
本実施形態では、目標搬送量がドットピッチDよりも小さい搬送量Cを基準に設定されているので、実際の紙の搬送量を理想的な紙の搬送量Fに近づくようにしている。これにより、印刷縞の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、印刷される紙の種類に応じて目標搬送量を設定している。これにより、搬送される紙の滑りを考慮して目標搬送量を設定できるので、印刷される紙が異なっても、印刷縞の発生を抑制することができる。
【0076】
===コンピュータシステム等の構成===
次に、コンピュータシステム、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0077】
図12は、コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。コンピュータシステム1000は、コンピュータ本体1102と、表示装置1104と、プリンタ1106と、入力装置1108と、読取装置1110とを備えている。コンピュータ本体1102は、本実施形態ではミニタワー型の筐体に収納されているが、これに限られるものではない。表示装置1104は、CRT(Cathode Ray Tube:陰極線管)やプラズマディスプレイや液晶表示装置等が用いられるのが一般的であるが、これに限られるものではない。プリンタ1106は、上記に説明されたプリンタが用いられている。入力装置1108は、本実施形態ではキーボード1108Aとマウス1108Bが用いられているが、これに限られるものではない。読取装置1110は、本実施形態ではフレキシブルディスクドライブ装置1110AとCD−ROMドライブ装置1110Bが用いられているが、これに限られるものではなく、例えばMO(Magnet Optical)ディスクドライブ装置やDVD(Digital Versatile Disk)等の他のものであっても良い。
【0078】
図13は、図12に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。コンピュータ本体1102が収納された筐体内にRAM等の内部メモリ1202と、ハードディスクドライブユニット1204等の外部メモリがさらに設けられている。上述したプリンタの動作を制御するコンピュータプログラムは、記録媒体であるフレキシブルディスクFDやCD−ROM等に記録され、読取装置1110により読みこまれる。また、コンピュータプログラムは、インターネット等の通信回線を介して、コンピュータシステム1000にダウンロードされるようにしても良い。
【0079】
なお、以上の説明においては、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110と接続されてコンピュータシステムを構成した例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、コンピュータシステムが、コンピュータ本体1102とプリンタ1106から構成されても良く、コンピュータシステムが表示装置1104、入力装置1108及び読取装置1110のいずれかを備えていなくても良い。また、例えば、プリンタ1106が、コンピュータ本体1102、表示装置1104、入力装置1108、及び、読取装置1110のそれぞれの機能又は機構の一部を持っていても良い。一例として、プリンタ1106が、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部等を有する構成としても良い。
【0080】
また、上述した実施形態において、プリンタを制御するコンピュータプログラムが、制御ユニット60のメモリ65に取り込まれていても良い。そして、制御ユニット60が、このコンピュータプログラムを実行することにより、上述した実施形態におけるプリンタの動作を達成しても良い。
【0081】
このようにして実現されたコンピュータシステムは、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
【0082】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき、本発明に係るプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に係る印刷装置に含まれるものである。
【0083】
<搬送誤差δが小さい場合>
1回の搬送によって生じる搬送誤差δが基準搬送量Cよりも小さい場合、目標搬送量を基準搬送量Cの整数倍に設定しても、搬送誤差を吸収しきれないことがある。しかし、このような場合であっても、搬送誤差が蓄積されると、印刷縞(バンディング)が発生する。
【0084】
そこで、以下のようにして、間欠的な搬送毎に目標搬送量を変更しても良い。図14は、本実施形態のドットの形成の様子を示す説明図である。また、図15は、印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子を示す説明図である。
【0085】
ここでは、目標搬送量がF+m・Cのとき、実際の搬送量は、理想の搬送量Fに対して、+δのずれを生じる。また、目標搬送量がF+(m−1)・Cのとき、実際の搬送量は、理想の搬送量Fに対して、−δのずれを生じる。すなわち、本実施形態のδは、基準搬送量Cの調整では誤差を吸収できないほど小さい。
【0086】
仮に、全ての搬送の際の目標搬送量をF+m・Cにすると、L2(第2列目のラスタライン(パス1で第6番ノズルにより形成されるライン))とL3(第3列目のラスタライン(パス4で第1番ノズルにより形成されるライン))の間のドットピッチは、D+3δになる。一方、全ての搬送の際の目標搬送量をF+(m−1)・Cにすると、L2とL3の間のドットピッチは、D−3δになる。いずれの場合も、搬送誤差が蓄積されているので、印刷縞が発生する。
【0087】
本実施形態では、パス1とパス2との間の搬送量及びパス3とパス4との間の目標搬送量はF+m・Cに設定し、パス2とパス3との間の目標搬送量はF+(m−1)・Cに設定されている。その結果、本実施形態では、図15で示される通り、L2とL3との間のドットピッチがD+δになる。
本実施形態では、目標搬送量が一定の場合と比較すると、搬送誤差の蓄積が軽減されるため、ドットピッチの近接や離間を抑えることができ、バンディング(暗バンディング及び淡バンディング)の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、2回の搬送に1回の割合で目標搬送量を変えていたが、これに限られるものではなく、n回の搬送につき1回の割合で目標搬送量を変えても良い。
【0088】
図16は、目標搬送量を変えるタイミングを示すフロー図である。この実施形態では、間欠的な搬送の搬送回数が判断要素になっていて、具体的には、n回の搬送につき1回の割合で目標搬送量を変えている。
【0089】
まず、フロー図の『START』の状態は、紙Sの先端が紙幅センサ54によって検出され、その位置から印刷開始位置に搬送された状態である。このときのカウントiは、ゼロである(S101)。
次に、カウントiに1が加算される(S102)。これは、紙を間欠的に搬送する際の1回分の搬送が行われることを意味する。
次に、n回の搬送につき1回の補正動作を行うので、カウントiが、nよりも大きいかどうかを判断する(S103)。なお、n回の搬送が行われたときに、理想的な搬送量に対して+δのずれが生じていると考えられる。
カウントiがnよりも小さいならば、目標搬送量をF+m・Cとして(S104)、目標搬送量に基づいて紙を搬送する(S105)。
カウントiがnよりも大きいならば、目標搬送量をF+(m−1)・Cに変更して(S111)、目標搬送量に基づいて紙を搬送する(S112)。また、この場合、カウントiからnを減算する(S113)。
【0090】
次に、キャリッジを走査方向に移動して、ノズルからインクを吐出して、紙にドットを形成し、印刷を行う(S121)。そして、印刷が終了しないならば、工程S102に戻る(S122)。これを繰り返すことによって、紙は間欠的に搬送される。また、紙の間欠的な搬送の間に、紙にドットが形成されて印刷が行われる。なお、工程S122における印刷終了の判断は、紙の総搬送量から判断することができる。
【0091】
本実施形態のように、間欠的な搬送の際の搬送回数に基づいて目標搬送量を変えれば、ドットピッチDの極端な近接や離間を抑えることができるので、バンディングの発生を抑えることができる。
なお、上記の説明で用いたnは、整数である必要はない。例えば、n=4/3ならば、4回の搬送のうち3回の割合で目標搬送量の変更ができる。
また、印刷する紙の種類に応じて、何回の搬送に1回の割合で目標搬送量を変更するのかを定めていても良い。この場合、プリンタドライバの設定のときに入力した紙情報を用いて、印刷する紙の種類を判断する。
【0092】
<目標搬送量の設定の主体について>
前述の実施形態では、目標搬送量の設定は、プリンタドライバの設定を行うコンピュータ本体が行っていた。しかし、目標搬送量の設定は、コンピュータ本体によって行われるものに限られるものではない。例えば、パソコン本体の制御ユニット60が、目標搬送量の設定を行っても良い。この場合、制御ユニット60は、コンピュータ本体から送られる印刷データ中の搬送量に関する情報を補正し、目標搬送量を設定する。
【0093】
<印刷方法について>
前述の実施形態では、インターレース方式の印刷方法を行う場合の搬送量の補正について述べたが、印刷方法は、これに限られるものではない。
また、前述の実施形態では、一つのラスタラインは、一つのノズルから吐出されたインク滴によるドットから形成されていた。しかし、これに限られるものではない。例えば、一つのラスタラインが、二つ以上のノズルから吐出されたインク滴によるドットから形成されていても良い(いわゆるオーバーラップ印刷方式)。
また、他の印刷方法であっても、上述した実施形態の目標搬送量の設定方法を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0094】
<搬送量について>
前述の実施形態では、紙を間欠的に搬送する際の搬送量は、一定の搬送量であった。しかし、紙の搬送量は、これに限られるものではない。例えば、印刷モードによって、搬送量が異なっても良い。また、紙の上端や下端において、搬送量が異なっても良い。そして、搬送量が異なると目標搬送量が変化するように、プリンタ本体やプリンタドライバ等の設定を行ってもよい。
【0095】
<インクの吐出方法について>
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインク滴を吐出させていた。しかし、インクの吐出方法は、これに限られるものではない。例えば、ヒーターを用いて泡を発生させることによって、インク滴をノズルから吐出させても良いし、他の方法でインク滴を吐出しても良い。
【0096】
<ノズルについて>
前述の実施形態によれば、ノズルはヘッド21に設けられ、ヘッド21はキャリッジ41に設けられていたので、ノズルはキャリッジ41と一体的に設けられていた。しかし、ノズルやヘッド21の構成は、これに限られるものではない。例えば、ノズルやヘッドが、カートリッジ48(図2参照)と一体的に設けられ、キャリッジ41に対して着脱可能であっても良い。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、被印刷体の搬送の精度を高めて、画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェットプリンタの全体構成の説明図である。
【図2】本実施形態のインクジェットプリンタのキャリッジ周辺の概略図である。
【図3】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の説明図である。
【図4】本実施形態のインクジェットプリンタの搬送ユニット周辺の斜視図である。
【図5】ロータリー式エンコーダの構成の説明図である。
【図6】ロータリー式エンコーダの出力信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図7】ヘッドの下面におけるノズルの配列を示す説明図である。
【図8】プリンタドライバのユーザーインターフェースを示す説明図である。
【図9】印刷データのフォーマットの説明図である。
【図10】PFモータ15の制御ブロック図である。
【図11】搬送誤差δを見込んだ目標搬送量(F+m・C)に基づいて紙を搬送した場合のドット形成の様子を示す説明図である。
【図12】コンピュータシステムの外観構成を示した説明図である。
【図13】図12に示したコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【図14】他の実施形態のドットの形成の様子を示す説明図である。
【図15】他の実施形態において印刷縞(バンディング)の発生が抑制された様子を示す説明図である。
【図16】目標搬送量を変えるタイミングを示すフロー図である。
【図17】滑りにくい紙Sを搬送した場合のドットの形成の様子を示す説明図である。
【図18】滑り易い紙Sを搬送した場合のドットの形成の様子を示す説明図である。
【図19】図17及び図18における印刷縞(バンディング)の発生の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 紙搬送ユニット
11A 紙挿入口
11B ロール紙挿入口
13 給紙ローラ
14 プラテン
15 紙送りモータ(PFモータ)
16 紙送りモータドライバ(PFモータドライバ)
17A 紙送りローラ
17B 排紙ローラ
18A、18B フリーローラ
20 インク吐出ユニット
21 ヘッド
22 ヘッドドライバ
30 クリーニングユニット
31 ポンプ装置
32 ポンプモータ
33 ポンプモータドライバ
35 キャッピング装置
40 キャリッジユニット
41 キャリッジ
42 キャリッジモータ(CRモータ)
43 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
44 プーリ
45 タイミングベルト
46 ガイドレール
50 計測器群
51 リニア式エンコーダ
52 ロータリー式エンコーダ
521 スケール
522 検出部
522A 発光ダイオード
522B コリメータレンズ
522C 検出処理部
522D フォトダイオード
522E 信号処理回路
522F コンパレータ
53 紙検出センサ
54 紙幅センサ
60 制御ユニット
61 CPU
62 タイマ
63 インターフェース部
64 ASIC
65 メモリ
66 DCコントローラ
67 ホストコンピュータ

Claims (16)

  1. 被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、
    前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する搬送動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置において、
    前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な間隔を基準として設定され、
    1回の前記搬送動作によって前記間隔よりも小さい搬送誤差が生じる場合、前記繰り返し行われる複数回の前記搬送動作のうちの一部の搬送動作の前記目標搬送量を変更し、複数回の前記搬送動作によって蓄積した前記搬送誤差を補正する、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報に応じて、設定される。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記被印刷体に関する情報は、印刷条件の設定内容に基づいて、取得される。
  4. 請求項2又は3に記載の印刷装置であって、
    前記被印刷体の種類に関する情報は、前記被印刷体に関する情報に含まれる。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、被印刷体が滑り易いほど、大きくなる。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    写真用紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定される。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の印刷装置であって、
    光沢紙に対する目標搬送量は、普通紙に対する目標搬送量と比較して、大きく設定される。
  8. 請求項2〜7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、前記被印刷体に関する情報と前記目標搬送量とを関連付けたテーブルに基づいて、設定される。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、外部の装置から送信された印刷データに基づいて、設定される。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、前記基準に設定された搬送量の整数倍である。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、前記検出器が検出可能な搬送量の整数倍である。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記搬送機構は、前記被印刷体を搬送するためのローラを備え、
    前記検出器は、前記ローラの回転量を検出する。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記検出器は、エンコーダである。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、搬送回数に応じて、変更して設定できる。
  15. 被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する搬送動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置に、
    前記検出器が検知可能な前記間隔を基準として前記目標搬送量を設定する機能と、
    1回の前記搬送動作によって前記間隔よりも小さい搬送誤差が生じる場合、前記繰り返し行われる複数回の前記搬送動作のうちの一部の搬送動作の前記目標搬送量を変更し、複数回の前記搬送動作によって蓄積した前記搬送誤差を補正する機能と、
    を実現させることを特徴とするプログラム。
  16. コンピュータ本体と、前記コンピュータ本体に接続可能な印刷装置を備えたコンピュータシステムであって、
    前記印刷装置は、
    被印刷体を搬送するための搬送機構と、前記搬送機構の搬送量を、前記被印刷体上の最小ドット間隔よりも小さい間隔にて検出可能な検出器と、を有し、
    前記検出器を用いて前記搬送機構の搬送量が目標搬送量となるように制御する搬送動作と、前記被印刷体にドットを形成する動作とを繰り返して印刷を実行する印刷装置であって、
    前記目標搬送量は、前記検出器が検知可能な間隔を基準として設定され、
    1回の前記搬送動作によって前記間隔よりも小さい搬送誤差が生じる場合、前記繰り返し行われる複数回の前記搬送動作のうちの一部の搬送動作の前記目標搬送量を変更し、複数回の前記搬送動作によって蓄積した前記搬送誤差を補正する、
    ことを特徴とするコンピュータシステム。
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