JP2003318594A - 透明導電性フィルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フィルムの製造方法

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JP2003318594A
JP2003318594A JP2002122360A JP2002122360A JP2003318594A JP 2003318594 A JP2003318594 A JP 2003318594A JP 2002122360 A JP2002122360 A JP 2002122360A JP 2002122360 A JP2002122360 A JP 2002122360A JP 2003318594 A JP2003318594 A JP 2003318594A
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film
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JP2002122360A
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English (en)
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Yukinori Asakawa
浅川  幸紀
Masaaki Kikkai
正彰 吉開
Satoru Okada
岡田  知
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁波シールド用フィルターとして用いた場合
に高耐久性・高電磁波シールド性を達成できる透明導電
性フィルムの製造を高速に行う製造方法を提供する。 【解決手段】雰囲気を独立に制御可能な隔壁で区切られ
た複数の成膜室(チャンバー)を有する成膜装置を用い
て透明導電性フィルムを製造する方法であって、該透明
導電性フィルムが透明基体(A)の一方の主面上に金属
酸化物または金属硫化物からなる高屈折率透明薄膜層
(B)と少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)からなる
透明導電層が(B)/(C)を繰り返し単位として1回
〜5回繰り返し積層され、さらにその上に高屈折率透明
薄膜層が形成されており、該高屈折率透明薄膜層(B)
の少なくとも1層を2以上の成膜室(チャンバー)により
2回以上に分けて成膜することを特徴とする透明導電性
フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は透明導電性フィル
ムに関する。詳しくは、プラズマディスプレイ(PD
P)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)
等の表示装置から発生する電磁波を効率良く低減させる
ことのできる透明導電性フィルムの製造方法および透明
導電性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の社会情勢にみられる高度情報化に
伴い、マンーマシンインタフェイスの役割を担う表示装
置の重要性が高まっている。その中でテレビジョン用、
パーソナルコンピュータ用、駅や空港などの案内表示用
その他各種の情報提供用に用いられる大画面表示装置に
は高画質化、高効率化、薄型化が要求される。現在、次
世代大画面フラットパネルディスプレイとして、プラズ
マディスプレイパネル(以下、PDP)が注目されてお
り、また、すでに一部が市場に出始めている。しかしな
がら、PDPにはその原理上の問題から強度の漏洩電磁
界を発生するという問題点を有している。漏洩電磁界は
他の電気電子機器等の誤作動、通信障害などを引き起こ
し、最近では人体に対する影響も懸念されている。特に
PDP装置は、そのプラズマ中の励起原子から発生する
近赤外線光がコードレスフォン、リモコン等の電子機器
に作用する問題がある。
【0003】そのため、一般的にディスプレイ装置とく
にPDPには、漏洩電磁界および近赤外光をシールドす
るためのフィルター(以下、電磁波フィルター)が用い
られている。一般的な電磁波フィルターの構成は、支持
板の片面に電磁波シールド層を形成し、支持板の他の片
面および電磁波シールド層が形成されたフィルム表面に
反射防止層が形成されたものが挙げられる。これらの部
材を貼り合わせ、塗布等の手法で組み合わせてPDP光
学フィルターとして用いられる。
【0004】電磁波フィルターの近赤外線および電磁界
のシールド材料としては現在のところ大きく分けてア
ースした金属メッシュまたは、合成樹脂または金属繊維
のメッシュに金属を被覆したものと近赤外線を吸収する
色素とを組み合わせたもの、アースした酸化インジウ
ム−錫(ITO)に代表される透明導電性薄膜と(場合
によっては)近赤外線を吸収する色素とを組み合わせた
ものがある。
【0005】の例としては特開平9−330667号
公報には透明樹脂板上に導電性ペーストをメッシュ状に
塗布乾燥させて作成した電磁波シールド板がある。の
透明導電性薄膜を基体上に形成した例としては特開平1
0−73719号公報などに記載された、透明高分子フ
ィルムの一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(B)、
金属薄膜層(C)が順次、(B)/(C)を繰り返し単
位として4回以上繰り返し積層され、さらにその上に高
屈折率透明薄膜層(B)、透明樹脂層が形成された調光
フィルムが貼り合わされたディスプレイ用光学フィルタ
ーが挙げられる。これらの電磁波フィルターを用いると
効率良くPDP(匡体)から発生する電磁波、および近
赤外線をシールドすることが可能となる。特に後者の例
では、電磁波シールド層として透明導電性薄膜を使用し
ており、前者と比較してメッシュによる遮光部分の発生
やモワレの発生がない。これらの電磁波シールド層自体
は、機械的強度が充分ではないためにガラス板やプラス
チック板などの支持板とともに用いられる。
【0006】また、この中で、ITO等の金属酸化物に
代表される高屈折率薄膜層と銀を主成分とする金属薄膜
層とを積層したものは、透明性が高く、表面抵抗率が低
く、良好な電磁波シールド機能を有するために好ましく
用いることができる。しかしながら、この高屈折率薄膜
層と金属薄膜層とを積層する製造過程で高屈折率薄膜層
を目標膜厚まで堆積するための堆積時間が金属薄膜層の
目標膜厚までの堆積時間に比べ長く、製造時間を冗長す
る問題がある。また製造時間の冗長は1製造単位の製造
条件も大きく変化させ、1製造単位の透明基体で得られ
る透明導電性フィルムの特性もばらついてしまうことが
問題である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術では解決することの困難であった電磁波シールド
用フィルターとして用いた場合に高耐久性・高電磁波シ
ールド性を達成できる透明導電性フィルムの製造を高速
に行う製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、高屈折率透明
薄膜層(B)の堆積時間が製造時間を律速していること
より、高屈折率透明薄膜層(B)を複数のチャンバーを
持つ成膜装置を用い、複数チャンバーで成膜する工程に
することにより解決することを見出し、発明を完成させ
た。
【0009】すなわち本願発明は、 (1) 隔壁で区切られた複数の成膜室(チャンバー)
を有し、該成膜室(チャンバー)の雰囲気を独立に制御
可能にした成膜装置を用いて透明導電性フィルムを製造
する方法であって、該透明導電性フィルムは透明基体
(A)の一方の主面上に金属酸化物または金属硫化物か
らなる高屈折率透明薄膜層(B)と少なくとも銀を含む
金属薄膜層(C)からなる透明導電層が(B)/(C)
を繰り返し単位として1回〜5回繰り返し積層され、さ
らにその上に高屈折率透明薄膜層が形成されており、該
高屈折率透明薄膜層(B)を2以上の成膜室(チャンバ
ー)により2回以上に分けて成膜することを特徴とする
透明導電性フィルムの製造方法。 (2) 各成膜室(チャンバー)が陽極、陰極を有し、
スパッタリング法により高屈折率透明薄膜層(B)およ
び銀を含む金属薄膜層(C)を成膜することを特徴とす
る(1)記載の製造方法。 (3) 透明基体(A)が透明プラスチックフィルムで
あて、ロールトゥロールで透明導電性フィルムを形成す
ることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方
法。 (4) 高屈折率透明薄膜層(B)を2〜10個の成膜
室(チャンバー)で2〜10回に分けて成膜することを
特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の製造方法。 (5) (1)〜(4)いずれかに記載の製造方法によ
り得られた透明導電性フィルム。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係わる成膜装置としては
スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビ
ームアシスト法、真空蒸着法、など公知の手法を用いる
ことができる。これらの内、スパッタリング法が最も好
ましい。さらに成膜装置はターゲットなどのリソース、
制御などのアプリケーション、雰囲気分離のための隔壁
などが1組になった成膜室(チャンバー)を複数有し、そ
れぞれが独立に動作する成膜装置であることが望まし
い。連続的に形成する場合、透明基体(A)を連続的か
つ順番に複数の成膜室(チャンバー)中に搬送する必要
があるので、成膜装置には透明基体(A)の形態に適し
た搬送機能を有する必要がある。この場合ロールトゥロ
ールで製造できる装置が最も好ましい。
【0011】本発明に係わる透明導電性フィルムは、高
屈折率透明薄膜層(B)の金属酸化物が酸化インジウ
ム、酸化インジウムー錫、および酸化錫の中から選ばれ
た少なくとも1種の酸化物であることが好ましく、更に
高屈折率透明薄膜層(B)の厚みが5〜200nmであ
ることが好ましく、金属薄膜層(C)の厚みが4〜30
nmであることが好ましい。
【0012】本発明に係わる透明導電性フィルムの製造
方法は従来の製造方法より高速であるにも係わらず、特
性は同じであり、電磁波シールド能が高く、しかも耐環
境性に優れる。そのため、プラズマディスプレイ(PD
P)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)
等のディスプレイの電磁波シールド用フィルターとして
好適に使用することができる。
【0013】本発明に用いる透明基体としては透明プラ
スチックフィルムを好ましく用いる。透明プラスチック
フィルムとしては透明であれば特に限定されないが、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサル
フォン、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリカー
ボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレ
ン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
イミド等のホモポリマー、およびこれらの樹脂のモノマ
ーと共重合可能なモノマーとのコポリマーからなる高分
子フィルムが挙げられる。
【0014】透明プラスチックフィルムの形成法として
は、溶融押し出し法、キャスト法、カレンダー法等、公
知のプラスチックフィルムの製造法を用いることが可能
である。また、後述するように透明導電性フィルムは透
過色・反射色ともに好ましくない色である場合がある。
その際の色の補正を目的として透明プラスチックフィル
ムを着色することも可能である。着色の方法としては、
前記プラスチックフィルムを形成する際に色素と前もっ
て混合してからフィルム化する方法、樹脂中に色素を分
散させインキ化し、塗布乾燥させる方法、着色したプラ
スチックフィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。
【0015】透明プラスチックフィルムの全光線透過率
は、70%以上であることが好ましく、75%以上であ
ることが更に好ましく、80%以上であることが最も好
ましい。これらの透明プラスチックフィルムの全光線透
過率は92%を越えることは一般的にはない。ただし、
反射防止層などを形成して光線透過率を上げることによ
り上記の値を越えることは可能である。また、透明プラ
スチックフィルムの厚みには特に規定を設けないが、ハ
ンドリング性の観点から25〜250μmが好ましい。
更に透明導電層との密着性を向上させることを目的とし
て、透明導電層を形成する面に、例えば水性ポリウレタ
ン系、シリコン系コート剤等の密着性を向上させるため
の下地層を形成することも可能である。
【0016】透明導電性フィルムは、メッシュの場合と
異なり、電磁波シールド面全体を覆っており、ディスプ
レイの表示分解能を落とすことがない。また、近赤外線
の反射能も兼ね備えており、更にロール状での加工が可
能であるなど多くの優れた特徴を有しており、本発明の
目的に良く合致する。
【0017】透明導電層の形成は、透明プラスチックフ
ィルムの片面上に形成することが好ましい。両面上に形
成すると透明導電層のアースが困難となり好ましくな
い。本発明に用いる透明導電層としては、透明性が高
く、電磁波シールド能は表面抵抗に比例するため低抵抗
率の高屈折率薄膜層(B)と金属薄膜層(C)とからな
ることが好ましい。一般的に透明導電性薄膜として知ら
れている酸化インジウムー錫(ITO)や酸化亜鉛(Z
nO)などの金属酸化物系透明導電性薄膜層単独の場
合、表面抵抗値を下げるためには薄膜層を厚くする必要
があり、その場合、全光線透過率が大幅に低下し好まし
くない。また、高屈折率透明薄膜層(B)と金属薄膜層
(C)とは繰り返し積層することが好ましい。この場
合、最表面層は、高屈折率透明薄膜層(B)であること
が好ましい。最表面層が金属薄膜層(C)である場合、
空気層もしくは樹脂層と金属層との間に直接反射する界
面ができるため、光の反射が大きくなり、光線透過率が
大幅に低下するために好ましくない。また、金属層が直
接外気にさらされ金属層の劣化が進行し、この観点から
も好ましくない。
【0018】透明プラスチックフィルムの一方の主面上
に、高屈折率透明薄膜層(B)、金属薄膜層(C)が順
次、(B)/(C)を繰り返し単位として1回または2
回から5回繰り返し積層され、さらにその上に高屈折率
透明薄膜層(B)が形成されていることが好ましい。繰
り返し回数が上記の範囲よりも多い場合には、各層の膜
厚の誤差が全体の光学特性の精度に大きく影響をおよぼ
すようになり、しかも生産性が悪くなるために好ましく
ない。
【0019】本発明で用いる透明導電性フィルムの表面
抵抗率は、0.5〜8Ω/□であることが好ましく、
0.7〜4Ω/□であることが更に好ましい。表面抵抗
率が上記の範囲内である場合、良好なシールド特性と光
学特性とを両立することが可能となる。表面抵抗率が上
記の範囲よりも低い場合、電磁波シールド特性自身は良
好であるものの、光線透過率が著しく低下するために好
ましくない。また、表面抵抗率が上記の範囲よりも高い
場合は、光学特性は良好になるものの、電磁波シールド
特性が悪くなるために好ましくない。
【0020】上記透明導電性フィルムの全光線透過率は
40%以上であることが好ましく、50%以上であるこ
とが更に好ましく、55%以上であることが最も好まし
い。全光線透過率が上記の値よりも低い透明導電性フィ
ルムを用いた電磁波フィルターをディスプレイに組み付
けると画面が暗くなるために好ましくない。
【0021】本発明では透明導電層として一部に金属薄
膜層(C)を用いている。そのため、金属薄膜層(C)
と透明屈折率薄膜層(B)との厚みを光学的に最適化し
ても金属薄膜層による光の吸収・反射を避けることはで
きない。従って、本発明で用いる透明導電層の全光線透
過率は80%を越えることは一般的にはない。
【0022】本発明で用いる高屈折率透明薄膜層(B)
としては特に材質が限定されるものではないが、好まし
くは屈折率が1.8以上の材料が好ましい。このような
高屈折率透明薄膜層(B)を形成しうる具体的な材料と
しては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマ
ス、錫、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオ
ジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム
等の酸化物、これらの酸化物の混合物、複合酸化物や硫
化亜鉛等が挙げられる。これらの材料の中で酸化インジ
ウムや酸化インジウム−錫(ITO)、酸化錫は透明性
が高く、屈折率が高いことに加えて、成膜速度が速く、
金属薄膜層との密着性が良好であることから好ましく用
いることができる。
【0023】高屈折率透明薄膜層の厚みとしては要求す
る光学特性から求まるものであり、特に制限されるもの
ではないが、各層の厚みは2〜600nmが好ましく、
5〜200nmが更に好ましい。また、先にも述べたよ
うに高屈折率透明薄膜層は金属薄膜層と繰り返し積層し
て用いるが、各高屈折率透明薄膜層は同じ材料である必
要はなく、また、同じ厚みである必要もない。高屈折率
透明薄膜層の成膜方法としてはスパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸
着法、湿式塗工法など公知の手法を用いることができ
る。これらの内、スパッタリング法が最も好ましい。
【0024】金属薄膜層(C)の材料としては、銀金属
単体もしくは銀を含む金属層であることが好ましい。銀
はその表面抵抗率の低さ、赤外反射特性が良好なこと、
高屈折率透明薄膜層(B)と積層した場合の可視光線透
過特性が優れるために好ましく用いることができる。
【0025】高屈折率透明薄膜層の場合と同じように各
金属薄膜層の厚みは要求する光学特性と表面抵抗率から
求まるものであり、また、各金属層の厚みは島状構造で
ないことが好ましいため4nm以上が好ましく、透明性
の観点から30nm以下が好ましい。先にも述べたよう
に金属薄膜層は高屈折率透明薄膜層と繰り返し積層して
用いるが、各金属薄膜層は同じ材質である必要はなく、
また、同じ厚みである必要もない。金属薄膜層の成膜方
法としてはスパッタリング法、イオンプレーティング
法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法
など公知の手法を用いることができる。これらの内、ス
パッタリング法が最も好ましい。
【0026】本発明で用いる成膜装置は一般にいうロー
ルコーターが望ましい。ロールコーターはターゲット、
成膜用ガスなどのリソース、成膜条件、基体搬送、真空
ポンプ制御などのアプリケーション、雰囲気分離のため
の隔壁などが1組になった成膜室(チャンバー)を2個
以上有することが好ましく、5個以上有することが最も
好ましい。チャンバーの割り当ては透明導電性フィルム
を成膜する場合2通りある。ロール状の透明基体(A)
の繰り出し側に位置するチャンバーに金属薄膜層(C)
用ターゲット、その他のチャンバーに各高屈折率透明薄
膜層(B)用ターゲットを並べる場合と(以下(C)/
(B)オーダー)、ロール状の透明基体(A)の繰り出
し側と巻取り側の中央に位置するチャンバーに金属薄膜
層(C)用ターゲット、その他のチャンバーに各高屈折
率透明薄膜層(B)用ターゲットを並べる場合(以下
(B)/(C)/(B)オーダー)である。成膜装置の
それぞれのチャンバーは独立に動作する成膜装置である
ことが好ましいが、本発明では各高屈折率透明薄膜層
(B)成膜用に割り当てられたチャンバーはその装置が
得られる最大の堆積速度を実現する成膜条件で一定に保
たれているため、高屈折率透明薄膜層(B)成膜用チャ
ンバーの制御は独立である必要はない。
【0027】この場合、高屈折率透明薄膜層(B)膜厚
は透明基体(A)を搬送する速度で、金属薄膜層(C)
膜厚は金属薄膜層(C)成膜用チャンバーに印加する出
力と透明基体(A)の搬送速度の比で調整する必要があ
る。成膜装置のチャンバー数によらず本発明では所望の
積層数の透明導電フィルムを得るために透明基体を複数
回成膜装置内で搬送・成膜する必要がある。つまり高屈
折率透明薄膜層(B)、金属薄膜層(C)が順次、
(B)/(C)を繰り返し単位として、(C)/(B)
オーダーの場合は繰り返し数+1回の搬送・成膜(以下
パスという)、(B)/(C)/(B)オーダーの場合
は繰り返し数のパスをもつことにより所望の透明導電フ
ィルムが得られる。
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、評価項目・評価方法に関しては以下のようにして行
なった。 (1)全光線透過率(%) 分光光度計[(株)日立製、製品名:U−3500型]を
用いて、得られた各試料の任意の5点を測定し、その平
均値を用いた。 (2)表面抵抗率(%) 4探針式表面抵抗率測定装置[三菱化学(株)製、製品
名:ロレスタSP]を用いて得られた各試料の任意の1
0点を測定し、その平均値を用いた。 (3)耐環境性 耐環境性の評価は塩水中での反射性の欠陥の発生までの
時間を用いて行った。塩水は、塩化ナトリウム(和光純
薬製)7.305gを純水250ml中に溶解させた溶
液を用いた。得られた各試料を50mm×50mmに切
り出し、前述の塩水中に保管し、6時間毎に24時間ま
での全光線透過率を初期全光線透過率で割り、標準化し
た値を用いた。 (実施例1)成膜装置は5個のチャンバーを有してお
り、透明基材繰り出し側から順に酸化インジウム―錫/
酸化インジウム錫/銀/インジウム―錫/酸化インジウ
ム錫がスパッタリングできるようそれぞれのターゲット
を並べた。厚み75μmのポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム(帝人株式会社製、製品名:OGX)
に40/10/40nmの酸化インジウム―錫薄膜/銀
薄膜/酸化インジウム―錫薄膜を3回積層してPETフ
ィルム側から酸化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸化イ
ンジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸化インジウム―錫薄膜/
銀薄膜/酸化インジウム―錫薄膜の積層構造からなり、
それぞれの厚みが40/10/80/10/80/10
/40nmである透明導電性フィルムを得た。なお、酸
化インジウム薄膜の形成は、ターゲットに酸化インジウ
ム―錫を用い、圧力が0.01Paとなるように排気し
た後、スパッタリングガス流量比をアルゴンガス:酸素
ガス=100:7とし、全圧が0.5Paになるまで導
入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法
により成膜した。また、銀薄膜の形成は、ターゲットに
銀を用い、圧力が0.01Paとなるように排気した
後、全圧が0. 5Paになるまでアルゴンガスを導入
した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法に
より成膜した。得られた透明導電性フィルムの断面図を
図1に示す。全光線透過率、表面抵抗率、耐環境性、水
素含有量を上記方法により測定し、結果を表1、図2に
まとめた。 (比較例1)成膜装置は5個のチャンバーを有してお
り、透明基材繰り出し側から順に酸化インジウム―錫/
銀/酸化インジウム錫/銀/インジウム―錫/がスパッ
タリングできるようそれぞれのターゲットを並べた。厚
み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(帝人株式会社製、製品名:OGX)に40/10
/40nmの酸化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸化イ
ンジウム―錫薄膜を1回積層し、次に40/10/80
/10/40nmの酸化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/
酸化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸化インジウム―錫
薄膜を積層してPETフィルム側から酸化インジウム―
錫薄膜/銀薄膜/酸化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸
化インジウム―錫薄膜/銀薄膜/酸化インジウム―錫薄
膜の積層構造からなり、それぞれの厚みが40/10/
80/10/80/10/40nmである透明導電性フ
ィルムを得た。なお、酸化インジウム薄膜の形成は、タ
ーゲットに酸化インジウム―錫を用い、圧力が0.01
Paとなるように排気した後、スパッタリングガス流量
比をアルゴンガス:酸素ガス=100:7とし、全圧が
0.5Paになるまで導入した。この状態でマグネトロ
ンDCスパッタリング法により成膜した。また、銀薄膜
の形成は、ターゲットに銀を用い、圧力が0.01Pa
となるように排気した後、全圧が0. 5Paになるま
でアルゴンガスを導入した。この状態でマグネトロンD
Cスパッタリング法により成膜した。得られた透明導電
性フィルムの全光線透過率、表面抵抗率、耐環境性上記
方法により測定し、結果を表1にまとめた。得られた透
明導電性フィルムの断面構造を図1に示す。全光線透過
率・表面抵抗率・耐環境性を実施例1と同様にして測定
した。結果を表1にあわせて示す。
【表1】
【発明の効果】本発明における透明導電性フィルムの製
造方法を用いると、従来の製造方法より高速に製造で
き、本発明の製造方法の特定は透明導電性フィルムの深
さ方向のH/In強度を比較することにより特定でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例のスパッタリングガス組成及
び膜厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 14/20 C23C 14/20 A 14/34 14/34 V Fターム(参考) 4F100 AA09B AA17B AA33 AB01C AB24C AK42 AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D EH66 GB41 JD08 JM02B JM02C JM02D JN01A JN01B JN01D JN18B JN18D 4K029 AA11 AA25 BA04 BA10 BA15 BA45 BA47 BA50 BB02 BC09 CA05 DC39 5E321 AA04 BB23 GG05 GH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雰囲気を独立に制御可能な隔壁で区切ら
    れた複数の成膜室(チャンバー)を有する成膜装置を用
    いて透明導電性フィルムを製造する方法であって、該透
    明導電性フィルムが透明基体(A)の一方の主面上に金
    属酸化物または金属硫化物からなる高屈折率透明薄膜層
    (B)と少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)からなる
    透明導電層が(B)/(C)を繰り返し単位として1回
    〜5回繰り返し積層され、さらにその上に高屈折率透明
    薄膜層が形成されており、該高屈折率透明薄膜層(B)
    を2以上の成膜室(チャンバー)により2回以上に分け
    て成膜することを特徴とする透明導電性フィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 各成膜室(チャンバー)が陽極、陰極を
    有し、スパッタリング法により高屈折率透明薄膜層
    (B)および銀を含む金属薄膜層(C)を成膜すること
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 透明基体(A)が透明プラスチックフィ
    ルムであて、ロールトゥロールで透明導電性フィルムを
    形成することを特徴とする請求項1または2に記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 高屈折率透明薄膜層(B)を2〜10個
    の成膜室(チャンバー)で2〜10回に分けて成膜する
    ことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の製造方法
    により得られた透明導電性フィルム。
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