JP2006120916A - 透明導電性積層体およびそれを用いたディスプレイ用フィルタ - Google Patents

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浅川  幸紀
Tomoyuki Okamura
友之 岡村
Shin Morohashi
諸橋  慎
Tomoaki Ito
智章 伊藤
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Abstract

【課題】
低表面抵抗率と良好な反射特性を両立した透明導電性積層体を提供する。
【解決手段】
透明基板(A)の一方の主面上に高屈折率透明薄膜層(B)と少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)を(B)/(C)を繰り返し単位として4回から7回繰り返し積層し、さらにその上に高屈折率透明薄膜層(B)を積層した透明導電層を形成し、さらに該透明導電層上に透明材層を少なくとも一層形成した透明導電性積層体であって、標準光源Cを該透明材層側から入射角60°で入射した場合、透明材層側から測定したL*a*b*表色系C*値が20以下である透明導電性積層体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は透明導電性積層体およびその用途に関する。詳しくは、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等の表示装置から発生する電磁波を効率良く低減させることのできる透明導電性積層体およびそれを用いたディスプレイ用フィルタに関する。
近年の社会情勢にみられる高度情報化に伴い、マンーマシンインターフェイスの役割を担う表示装置の重要性が高まっている。その中でテレビジョン用、パーソナルコンピュータ用、駅や空港などの案内表示用その他各種の情報提供用に用いられる大画面表示装置には高画質化、高効率化、薄型化が要求される。
現在、次世代大画面フラットパネルディスプレイとして、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す。)が注目されており、既に市販されている。しかしながら、PDPにはその原理上の問題から強度の漏洩電磁界を発生するという問題点を有している。漏洩電磁界は他の電気電子機器等の誤作動、通信障害などを引き起こし、最近では人体に対する影響も懸念されている。特にPDP装置は、そのプラズマ中の励起原子から発生する近赤外線光がコードレスフォン、リモコン等の電子機器に作用する問題がある。
そのため、一般的にディスプレイ装置、特にPDPには、漏洩電磁界および近赤外光をシールドするためのフィルタ(以下、電磁波フィルタ)が用いられている。一般的な電磁波フィルタの構成は、支持板の片面に電磁波シールド層を形成し、支持板の他の片面および電磁波シールド層が形成されたフィルム表面に反射防止層が形成されたものが挙げられる。これらの部材を貼り合わせ、塗布等の手法で組み合わせてPDP光学フィルタとして用いられる。
電磁波フィルタの近赤外線および電磁界のシールド材料としては現在のところ大きく分けて1)アースした金属メッシュまたは、合成樹脂または金属繊維のメッシュに金属を被覆したものと近赤外線を吸収する色素とを組み合わせたもの、2)アースした酸化インジウム−錫(ITO)に代表される透明導電性薄膜と(場合によっては)近赤外線を吸収する色素とを組み合わせたものがある。
1)の例としては特開平9−330667号公報(特許文献1)に、透明樹脂板上に導電性ペーストをメッシュ状に塗布乾燥させて作成した電磁波シールド板が開示されている。2)の透明導電性薄膜を基板上に形成した例としては特開平10−73719号公報(特許文献2)などに記載された、透明高分子フィルムの一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(B)、金属薄膜層(C)が順次、(B)/(C)を繰り返し単位として4回以上繰り返し積層され、さらにその上に高屈折率透明薄膜層(B)、透明樹脂層が形成された調光フィルムが貼り合わされたディスプレイ用光学フィルタが挙げられる。これらの電磁波フィルタを用いると効率良くPDP(匡体)から発生する電磁波、および近赤外線をシールドすることが可能となる。特に2)の例にある電磁波シールド層として透明導電性薄膜を使用したフィルタは、1)の例と比較して、メッシュによる遮光部分の発生やモワレの発生がないという優れた特徴を有している。
これらの中でも、ITO等の金属酸化物等で形成された高屈折率薄膜層と銀を主成分とする金属薄膜層とを積層したものは、透明性が高く、表面抵抗率が低く、良好な電磁波シールド機能を有するため、好ましく用いることができる。
上記の透明導電性フィルムをプラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等の表示装置に適用する場合、表示装置の色再現性を高めるため、反射防止フィルム、選択性吸収色素等を含む調光フィルムや粘着材等を組み合わせてフィルタの光学特性を制御できる。しかしながら、フィルタの反射特性は上記の導電性フィルムの各高屈折率薄膜層、金属薄膜層の積層膜厚構成によって決められるため予め最適化しておく必要がある。一般に従来のフィルタは正面から入射する外光の反射特性は好ましい特性、特に好ましい反射色に設計されているが、斜めから入射する外光の反射特性、特に反射色までは考慮されていなかった。また、斜めから入射する外光の反射色を最も好まれる無彩色にしようとすると、表面抵抗率が高くなってしまい、良好な電磁波シールド能を確保できなかった。
特開平9−330667号公報 特開平10−73719号公報
従って、本発明の目的は、従来の技術では解決することの困難であった低い表面抵抗率を有し、斜めから入射する外光の反射特性、特に反射色が無彩色の電磁波シールド用フィルタが得られる透明導電性フィルムを提供することにある。
上記の課題を解決するために本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、高屈折率透明薄膜層と少なくとも銀を主成分とする金属薄膜層を特定の構成で積層した透明導電性積層体が低い表面抵抗率と良好な反射特性を両立出来ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は
(1) 透明基板(A)の一方の主面上に高屈折率透明薄膜層(B)と少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)を(B)/(C)を繰り返し単位として4回から7回繰り返し積層し、その上に高屈折率透明薄膜層(B)を積層して透明導電性積層体を形成したのち、さらに該透明導電層上に透明材層を少なくとも一層積層した透明導電性積層体であって、標準光源Cを該透明材層側から入射角60°で入射した場合、透明材層側から測定したL*a*b*表色系C*値が20以下であることを特徴とする透明導電性積層体であり、前記金属薄膜層(C)の片面または両面にキャップ層が形成されていることは好ましい態様である。
(2) 好ましくは、標準光源Cを透明材層側から入射角2°で入射した場合、透明材層側から測定した色度座標a*およびb*値が、それぞれ−15≦a*≦15および−40≦b*≦0であり、
(3) 好ましくは、透明導電層の表面抵抗値Rが0.1Ω/□≦R≦2.5Ω/□であり、かつ、可視域透過率Tvisが40%≦Tvis≦80%であり、好ましくは、高屈折率透明導電層の総厚みをdDE、金属薄膜層の総厚みをdとした場合、dDE/dが7.0以上であり、かつ、(B)/(C)の繰り返し積層数をnとすると、透明基板(A)側より1およびn番目の金属薄膜層(C)の厚みが他の金属薄膜層厚み平均値に対し、60〜80%の厚みで成膜されており、好ましくは、透明材層側から測定した波長700nmの2°反射率が10%以下であり、上記の透明導電性積層体を用いた、または上記の透明導電性積層体と色素を組み合わせたディスプレイ用フィルタまたはそれを用いたプラズマディスプレイである。
本発明における透明導電性積層体を用いると、従来の透明導電性フィルムと同等の表面抵抗率を保ち、斜め入射光に対する反射特性を両立出来るため、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等の表示装置に適用する場合、表示装置の演色性、意匠性、電磁波遮蔽に優れるフィルタを実現することができる。
本発明の透明導電性積層体およびそれを用いたディスプレイ用フィルタは従来の透明導電性フィルムに比べ斜め入射光に対する反射特性が良好なだけでなく、従来と同等の透過率、電磁波シールド能を有している。そのため、プラズマディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイの電磁波シールド用フィルタとして好適に使用することができる。
本発明の透明導電性積層体は、透明基板(A)、高屈折率透明薄膜層(B)、少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)、透明材層からなり、これらの層が特定の構成を有することを特徴とする。
本発明に用いる透明基板(A)としては、ガラス板、透明プラスチック板、透明プラスチックフィルムなどが用いられる。透明導電層をロールトゥロールで連続して形成できる透明プラスチックフィルムが最も好ましく用いられる。また、透明プラスチックフィルム上に透明導電層を形成した場合、ガラス板や透明プラスチック板、更には直接PDPモジュールに貼合することもできる。
透明基板(A)の全光線透過率は特に制限を受けることではないが、70%以上であることが好ましく、75%以上であることが更に好ましく、特に80%以上であることが好ましい。全光線透過率の上限値は当然100%である。しかし、一般的には基板表面での反射等により光線透過率が低下することが多いので、全光線透過率は92%以下でも実質上充分な透明性を有している。
本発明の透明基板(A)は無色である必要はない。例えば、後述する高屈折率透明薄膜層(B)、金属薄膜層(C)の種類などによっては透明導電性フィルムの透過色が好ましくない色になる場合、その色の補正を目的として、着色した透明プラスチックフィルムを使用することも可能である。
着色の方法としては、前記プラスチックフィルムを形成する際に色素と前もって混合してからフィルム化する方法、色素をバインダー樹脂中に分散させてインキ化し、これを塗布乾燥させる方法、着色したプラスチックフィルムを貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の透明基板(A)は、透明導電層との密着性を向上させることを目的として、透明導電層を形成する面に、例えば水性ポリウレタン系、シリコン系コート剤等の下地層を形成したり、コロナ処理等をしたりすることも可能である。
本発明で用いる透明プラスチックフィルムとしては透明であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂からなるプラスチックフィルムが挙げられる。上記の樹脂は、透明であれば、他のコモノマーを用いた共重合体であっても勿論構わない。
透明基板(A)として用いられる透明プラスチックフィルムの成形法としては、Tダイ成形法、インフレーション成形法等の各種溶融押し出し法、キャスト法、カレンダー法等、公知のプラスチックフィルムの製造法を用いることが可能である。また、透明プラスチックフィルムの厚みには特に規定を設けないが、ハンドリング性の観点から25〜250μmが好ましく、更には30〜200μmである。
本発明の透明導電性積層体は、透明基板(A)上に少なくとも高屈折率透明薄膜層(B)、金属層(C)からなるいわゆる透明導電層が形成され、その上に透明材層を少なくとも一層積層したものである。透明導電層の形成は、透明プラスチックフィルムの場合、片面上に形成することが好ましい。両面に形成すると積層時にかかる熱が透明プラスチックフィルムを熱収縮させることにより成膜が困難になる場合や、透明導電層の両面ともアースを取ることが困難な場合がある。
本発明で用いる高屈折率透明薄膜層(B)は、金属酸化物および/または金属硫化物が好ましい。好ましくは屈折率が1.8以上の材料が好ましい。このような高屈折率透明薄膜層(B)を形成しうる具体的な材料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、錫、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム、タングステン等の酸化物、これらの酸化物の混合物、複合酸化物や硫化亜鉛等が挙げられる。これらの材料の中で酸化インジウムや酸化インジウム−錫(ITO)、酸化錫は透明性が高く、屈折率が高いことに加えて、成膜速度が速く、後述する金属薄膜層(C)との密着性が良好であることから好ましく用いることができる。
高屈折率透明薄膜層(B)の厚みは、要求する光学特性によって異なるので特に制限されるものではないが、2〜600nmが好ましく、20〜200nmが更に好ましい。高屈折率透明薄膜層(B)の成膜方法としてはスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法など公知の手法を用いることができる。これらの内、スパッタリング法が最も好ましい。
本発明の金属薄膜層(C)の材料は、少なくとも銀を含む金属であり、特には銀金属単体や銀合金であることが好ましい。銀合金としては、公知の物を用いることが出来る。銀以外の金属とは、公知の金、パラジウム、銅等を挙げることが出来、その含有率は、好ましくは合金中の20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。銀はその表面抵抗率の低さ、赤外反射特性が良好なこと、高屈折率透明薄膜層(B)と積層した場合の可視光線透過特性が優れるために好ましく用いることができる。
金属薄膜層(C)の厚みは要求される光学特性と表面抵抗率によって異なるので一概に規定できないが4nm以上が連続層を形成するために好ましく、透明性の観点からは30nm以下が好ましい。厚さが4nm未満では、金属が島状構造となり導電性が低下することがある。一方、厚さが30nmを越えると全光線透過率が不十分となることがある。金属薄膜層の成膜方法としてはスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法など公知の手法を用いることができる。これらの内、スパッタリング法が最も好ましい。
金属薄膜層(C)の形成直後の変質および物理的損傷の保護を目的として、キャップ層を設ける場合がある。キャップ層の形成は金属薄膜層(C)の上部のみまたは下部のみでもよいし、両面でもよい。キャップ層を設けた場合、キャップ層と金属薄膜層をまとめて金属薄膜層(C)とみなすことができ、本発明の好ましい態様の一つである。但し、金属薄膜層の総厚みdを計算する場合はキャップ層の厚みを含めない。キャップ層の材料は、金属および/または金属酸化物であり、高屈折率透明薄膜層(B)とは異なるものを使用する。好ましくは薄膜とした時にガスバリア性に優れた金属および/または金属酸化物である。特に屈折率が高屈折率透明薄膜層(B)に近いものが好ましい。このような金属および金属酸化物として具体的にはアルミニウム、シリコン、チタン、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタルおよびその酸化物が挙げられる。特に好ましくは、チタンおよび酸化チタンである。
キャップ層は、金属および/または金属酸化物からなるので、高屈折率透明薄膜層(B)や金属薄膜層(C)との密着性に優れている。
キャップ層の厚みとしては要求する光学特性によって異なるので、特に制限されるものではないが、好ましい下限値は2nm、より好ましくは3nmであり、好ましい上限値は20nm、より好ましくは10nmである。厚さが2nm未満だと金属薄膜層(C)の形成直後の変質および物理的損傷の保護力の低下が起こることがあり、20nmを越えると透明性が不十分になることがある。金属でキャップ層を形成した場合、透明導電層成膜後にキャップ層は金属酸化物として観察される場合がある。これはキャップ層の酸化防止効果の現れで好ましい形態のひとつである。キャップ層の成膜方法としてはスパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法、真空蒸着法、湿式塗工法など公知の手法を用いることができる。これらの内、スパッタリング法が最も好ましい。
本発明の透明導電性フィルムの透明導電層は、少なくとも高屈折率透明導電層(B)、金属薄膜層(C)からなり、透明基板(A)の少なくとも一方の主面上に形成される。更に高屈折率透明薄膜層(B)と金属薄膜層(C)とは、(B)/(C)の積層構成を単位として4単位〜7単位積層された構成を有する。且つ高屈折率透明薄膜層(B)、金属薄膜層(C)のうち、透明基板(A)と反対側の最外層は、高屈折率透明薄膜層(B)である。上記最外層が金属薄膜層(C)である場合、金属層(C)が酸化されやすく、光線透過率が大幅に低下することがある。また、表面反射率が高くなり過ぎることもある。上記最外層は、特に高屈折率透明薄膜層(B)であることが好ましい。
本発明の透明導電層断面構成の具体例としては、
(A)/[(B)/(C)/](B)、
(A)/[(B)/(C)/](B)、
(A)/[(B)/(C)/](B)、
(A)/[(B)/(C)/](B)、

が挙げられる。(B)/(C)の積層単位数は、好ましくは4単位〜7単位、より好ましくは5単位〜6単位である。上記積層単位数が6単位を越えると、各層の膜厚の誤差が全体の光学特性の精度におよぼす影響が大きく製品品質制御が困難になることがあり、また生産性の低下によるコストアップになることがある。
透明導電層上に積層する透明材層は、可視領域における屈折率が1.4から1.7の範囲にある材料が好ましく、具体的には機能性フィルムを貼り合わせる為の粘着材(接着材)層、機能性透明層、ハードコート層、機能性フィルム等が挙げられる。これらの層またはフィルムを1層以上積層してもよい。
本発明の透明導電性積層体の光学特性、特に反射特性は主に透明導電層の膜厚構成によって決まる。つまり、所望の反射特性を得るには、透明基板(A)、高屈折率薄膜層(B)、金属薄膜層(C)、透明材層の材料の光学定数を用い、ベクトル法、アドミッタンス図を用いる方法等による光学設計を行い、所望の電磁波シールド能を確保するための導電性、すなわち金属薄膜層(C)の材料、総厚みを合わせて考慮して、各層の薄膜材料、層数、膜厚を決める必要がある。
上記のように光学設計を行うことにより検討を重ねた結果、本発明を実現する膜厚構成の具体例としては、高屈折率透明導電層(B)の総厚みをdDE、金属薄膜層(C)の総厚みをdとするとdDE/dが7.0以上、より好ましくは、7.5以上とすることが好ましいことを見出した。さらに、(B)/(C)を繰り返し単位として繰り返し積層数をnとすると、透明基板(A)側より1およびn番目の金属薄膜層(C)の各膜厚は他の金属薄膜層(C)の厚み平均値に対し、60〜80%、更に好ましくは65〜75%の厚みとすることが好ましいことを見出した。
本発明の透明導電性積層体は、標準光源Cを透明材層側から60°入射した場合、透明材層側から測定したL*a*b*表色系C*値が20以下である。より好ましくは、15以下である。これは透明材層側から斜めに見た反射色が無彩色であることを示し、斜め入射光に対する反射特性として好ましい特性である。更に、本発明の透明導電性積層体は、標準光源Cを透明材層側から2°入射した場合、透明材層側から測定した色度座標a*およびb*値が、それぞれ−15≦a*≦15および−40≦b*≦0であることが好ましく、更に好ましくは、0≦a*≦15および−15≦b*≦−35である。これは透明材層側から見た反射色が薄青色であることを示し、垂直入射光に対する反射特性として好ましい特性である。
本願発明において、透明材層とは、光線を透過する材料で構成される層を意味し、後述の機能性透明層、透明な粘着剤層、接着剤層等が挙げられる。
本発明に係る透明導電層の表面抵抗率は、0.1Ω/□〜2.5Ω/□であることが好ましく、0.7Ω/□〜1.5Ω/□であることが更に好ましい。表面抵抗率が上記の範囲内である場合、良好なシールド特性と光学特性とを両立することが可能となるので好ましい。表面抵抗率が上記の範囲よりも低い場合、光線透過率が低下し過ぎたり、良好な反射特性が得られないことがある。また、表面抵抗率が上記の範囲よりも高い場合は、電磁波シールド特性が低下し過ぎることがある。 上記透明導電性積層体の可視光線透過率(Tvis)は40%以上であることが好ましく、50%以上であることが更に好ましく、55%以上であることが最も好ましい。可視光線透過率が上記の値よりも低い透明導電性フィルムを用いた電磁波フィルタをディスプレイに組み付けると画面の輝度が不十分となることがある。
好ましい可視光線透過率は100%が理想ではあるが、上記の各層の光の吸収・反射があるので一般的には80%以下である。
上記透明導電性積層体において、標準光源を透明材層側から2°で入射した場合、波長700nmの2°反射率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることが更に好ましい。2°反射率が上記の値よりも高くなると、斜めから見た反射色が赤色になり、良好な反射特性が得られないことがある。
本発明において、各薄膜層形成に用いられる成膜装置は一般にいうロールコーター装置が望ましい。ロールコーターはターゲット、成膜用ガスなどのリソース、成膜条件、基板搬送、真空ポンプ制御などのアプリケーション、雰囲気分離のための隔壁などが1組になった成膜室を2個以上有することが好ましく、5個以上有することが最も好ましい。
本発明の透明導電層は、メッシュフィルムの場合と異なり、電磁波シールド面全体を覆っており、ディスプレイの表示分解能を落とすことがない。また、近赤外線の反射能も兼ね備えており、更に生産性の高いロール・トゥー・ロールプロセスで生産することが可能であり、各種用途へ適用する際にロール・トゥ・シート加工が可能であるなど多くの優れた特徴を有しており、本発明の目的に良く合致する。
本発明の透明導電性積層体をディスプレイ用フィルタとして使用する場合は、上記の透明導電層上に機能性透明層を積層する。機能性透明層は、透明導電層の上に直接形成された機能膜そのものを指す場合や機能膜を設けたフィルムを指す場合がある。機能性透明層がフィルムの場合は、透明導電性積層体上に透明な粘着剤、接着剤を介して貼り合せればよい。機能性透明層の機能としては、反射防止機能、防眩機能、調色機能、粘着機能、防汚機能、静電防止機能、赤外線カット機能、紫外線カット機能等が挙げられる。好ましい例として具体的には、特願平9−132343号公報に記載された機能性透明層を用いることが出来る。
本発明のディスプレイ用フィルタは、ニュートラルグレーまたはニュートラルブルーの透過色が好ましく、透明導電性フィルムの光学設計による調色と可視領域に吸収のある色素を用いてことによる調色を併用することがある。ここでいう調色とは、ディスプレイの色純度を向上させたり、コントラストを向上させたりすることである。その場合、ディスプレイの要求性能によって変わるので特に制限は受けないが、調色後の可視光線透過率(Tvis)は30%以上70%以下が好ましい。
調色に用いる色素は可視域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料でよく、特にその種類は限定されるものではないが、ディスプレイ自体の特性およびディスプレイの使用される目的・環境に応じた耐熱性、耐湿性、耐光性等を有する色素を用いることが肝要である。色素を含有させる方法としては、透明基板(A)に含有させたり、機能性透明層(F)の形成材料に含有させたり、貼りあわせに使用される透明粘着材に含有させたりする。
以下、実施例により本発明を説明する。
なお、評価項目・評価方法に関しては以下のようにして行なった。
(1)可視光線透過率(%)分光光度計[(株)日立製、製品名:U−3500型]を用いて、得られた分光特性より、JIS R 3106に準じて計算した。評価サンプルは実際に表示装置に応用される電磁波フィルタと同じ構造に加工した。構造はガラス/透明粘着材/透明導電性積層体/透明粘着材/無反射フィルムとした。透明粘着材は屈折率が1.5のものを使用した。
(2)表面抵抗率(Ω/□)
4探針式表面抵抗率測定装置[三菱化学(株)製、製品名:ロレスタSP]を用いて得られた各試料の任意の13点を測定し、その平均値を用いた。
(3)2°反射色度、60°反射色度
分光光度計[PerkinElmer製、製品名:Lambda900]を用いて(1)のサンプル構造にて2°反射は全反射測定により、60°反射はVN法による角度固定絶対反射率測定より得られた分光特性より、JIS Z 8729に準じてL*a*b*値を計算した。計算にはC光源を用いた。
(実施例1)
厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、製品名:OX)の一方の主面上にPETフィルム側から酸化インジウム薄膜/銀薄膜/チタン薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/チタン薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/チタン薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/チタン薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/チタン薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造からなり、それぞれの厚みが35/8/3/80/11/3/80/11/3/80/11/3/80/8/3/35nmである透明導電性フィルムを得た。dDE/dは約7.9であり、透明基板側より1および5番目の銀薄膜層の厚みは、他の銀薄膜層厚みの平均値に対し、約73%である。
なお、酸化インジウム薄膜の形成は、ターゲットにインジウムを用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、スパッタリングガス流量比をアルゴンガス:酸素ガス=1:1とし、全圧が0.5Paになるまで導入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法により成膜した。
また、銀薄膜の形成は、ターゲットに銀を用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、全圧が0.5Paになるまでアルゴンガスを導入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法により成膜した。
チタン薄膜の形成は、ターゲットにチタンを用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、全圧が0.5Paになるまでアルゴンガスを導入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法により成膜した。
実際ディスプレイに応用される形態にするためガラス/透明粘着材/透明導電性フィルム/透明粘着材/無反射フィルムの構造に加工し、全光線透過率、表面抵抗率、2°反射色度、60°反射色度を上記方法により測定し、結果を表1にまとめた。波長700nmの2゜反射率は3%であった。
(比較例1)
厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、製品名:OGX)の一方の主面上にPETフィルム側から酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜/銀薄膜/酸化インジウム薄膜の積層構造からなり、それぞれの厚みが40/10/75/13/75/13/75/13/40nmである透明導電性フィルムを得た。dDE/d は6.2であり、透明基板側より1番目の銀薄膜層の厚みは、他の銀薄膜層厚みの平均値に対し約77%であり、4番目の銀層の厚みは、他の銀薄膜層厚みの平均値に対し100%であった。
なお、酸化インジウム―錫薄膜の形成は、ターゲットに酸化インジウム―錫を用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、スパッタリングガス流量比をアルゴンガス:酸素ガス=100:7とし、全圧が0.5Paになるまで導入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法により成膜した。
また、銀薄膜の形成は、ターゲットに銀を用い、圧力が0.01Paとなるように排気した後、全圧が0. 5Paになるまでアルゴンガスを導入した。この状態でマグネトロンDCスパッタリング法により成膜した。
実際ディスプレイに応用される形態にするためガラス/透明粘着材/透明導電性フィルム/透明粘着材/無反射フィルムの構造に加工し、全光線透過率、表面抵抗率、2°反射色度、60°反射色度を実施例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
波長700nmの2゜反射率は40%であった。
Figure 2006120916

Claims (9)

  1. 透明基板(A)の一方の主面上に高屈折率透明薄膜層(B)と少なくとも銀を含む金属薄膜層(C)を(B)/(C)を繰り返し単位として4回から7回繰り返し積層し、その上に高屈折率透明薄膜層(B)を積層して透明導電層を形成したのち、さらに該透明導電層上に透明材層を少なくとも一層形成した透明導電性積層体であって、標準光源Cを該透明材層側から入射角60°で入射した場合、透明材層側から測定したL*a*b*表色系C*値が20以下であることを特徴とする透明導電性積層体。
  2. 前記金属薄膜層(C)の片面または両面にキャップ層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
  3. 標準光源Cを透明材層側から入射角2°で入射した場合、透明材層側から測定した色度座標a*およびb*値が、それぞれ−15≦a*≦15および−40≦b*≦0であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
  4. 透明導電層の表面抵抗値Rが0.1Ω/□≦R≦2.5Ω/□であり、かつ、可視域透過率Tvisが40%≦Tvis≦80%であることを特徴とする請求項1または2に記載の透明導電性積層体。
  5. 高屈折率透明薄膜層(B)の総厚みをdDE、金属薄膜層(C)の総厚みをdとした場合、dDE/dが7.0以上であり、かつ、(B)/(C)の繰り返し積層数をnとすると、透明基板側より1およびn番目の金属薄膜層(C)の厚みが他の金属薄膜層(C)の厚みの平均値に対し、60〜80%の厚みで成膜されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の透明導電性積層体。
  6. 透明材層側から測定した波長700nmの2°反射率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性積層体。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の透明導電性積層体を含むディスプレイ用フィルタ。
  8. 色素を含有することを特徴とする請求項7記載のディスプレイ用フィルタ。
  9. 請求項7または8に記載のフィルタを用いたプラズマディスプレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015172803A (ja) * 2014-03-11 2015-10-01 コニカミノルタ株式会社 透明導電体、その製造方法及び導電性ペースト
JP2015228363A (ja) * 2014-05-07 2015-12-17 Tdk株式会社 積層型透明導電膜
CN111285620A (zh) * 2020-03-25 2020-06-16 四川猛犸半导体科技有限公司 一种薄膜器件

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