JP2003312284A - 動力伝達装置の緩衝機構 - Google Patents
動力伝達装置の緩衝機構Info
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Abstract
る十分な衝突エネルギー吸収作用が得られないと共に、
車両に応じた緩衝要求性能が得られない。 【解決手段】 駆動側シャフト2に等速ジョイント4を
介して連結されて軸方向へ摺動自在な円筒状の従動側シ
ャフト3と、駆動側シャフトを車体に回転自在に支持す
るセンターベアリング5と、該センターベアリングの内
部をシールするラビリンス機構28とを備えている。保
持部7の他端部7bに設けられたブーツ11の補強芯材
11cとラビリンス機構のシール部材30とを軸方向で
対向配置させ、前記駆動側シャフトの従動側シャフトに
対する軸方向の入力荷重によって、該両シャフトが互い
に接近する方向に摺動した際に、前記補強芯材11cを
シール部材に軸方向から衝突させて、互いの圧潰変形に
より緩衝させるようにした。
Description
置であるプロペラシャフトの緩衝機構、とりわけ車両の
衝突時にプロペラシャフトの軸方向に作用する入力荷重
を吸収する緩衝機構に関する。
としては、例えば特開平10−250390号公報に記
載されているものが知られている。
のプロペラシャフトに適用されたもので、プロペラシャ
フトのトランスミッション側の円筒状の第1シャフトと
駆動輪側の第2シャフトがトリポード自在継手を介して
連結されており、前記第1シャフトの後端部には、トリ
ポード自在継手のアウターレースが一体に設けられてい
る一方、第2シャフトの第1シャフト側の端部には、先
端部が前記アウターレースの内部に挿通配置されたイン
ナー軸が一体に設けられている。
され、底壁に対して反対側の開口は円環部材とブーツに
よって覆われていると共に、前記底壁の外面に環状溝が
形成されている。一方、前記インナー軸は、センターベ
アリングによって車体に回転自在に支持されていると共
に、先端部の外周に環状突起に位置決め保持されたトリ
ポードが突設されて、このトリポードがアウターレース
の内周面に形成された3条の溝条に摺動自在に嵌合して
自在継手を構成している。また、センターベアリングは
外周に段差円筒状の支持部材が被嵌配置されていると共
に、該支持部材の外周面には環状弾性体が一体に設けら
れている。
が伝達され、第1シャフトが後退すしたとすると、第1
シャフトとともにアウターレースが後方へ移動して、こ
の底壁にインナー軸部とトリポードとが衝突する。
ことによりインナー軸部がアウターレースの底壁に強く
当たって環状溝に沿って該底壁を破壊して貫通するが、
トリポードは底壁の環状溝の外側に衝突して底壁に押さ
れる。このため、トリポードを位置決めしていた環状突
起がストッパとして機能し、この所定の抗力を越えて環
状突起を破壊してトリポードとともに後方へ移動し、こ
れらによって緩衝作用が行われるようになっている。
来の緩衝機構にあっては、前述のように第1シャフトの
後退に伴ってインナー軸部がアウターレースの底壁を破
壊すると共に、トリポードが環状突起を破壊しながら乗
り越えることによって緩衝作用を得るようになってお
り、これら底壁や環状突起を破壊するためには極めて大
きなエネルギーが必要になる。特に、底壁の環状溝の外
側が肉厚に形成されて、その剛性が高くなっていると共
に、環状突起も通常ストローク時の結合強度を確保する
ために、それ自体相当の強度を備えていることから、こ
れらへの衝突反力が大きくなって衝突エネルギーを十分
に吸収することができない。
述のようにそれぞれの形成目的がらして画一的に設定さ
れていることから、車両の仕様や大きさなどの応じて各
剛性を変化させることが困難であり、車両の緩衝要求荷
重に十分に対応させることができない。
手部材の技術的課題に鑑みて案出されたもので、請求項
1に記載の発明は、とりわけ、第2シャフトの第1シャ
フト側の一端部と前記ラビリンス機構とを軸方向で対向
配置させ、前記第1シャフトと第2シャフトに対する軸
方向の入力荷重によって、該両シャフトが互いに接近す
る方向に摺動した際に、前記第2シャフトの一端部をラ
ビリンス機構に軸方向から衝突させるように構成したこ
とを特徴としている。
突によって第1シャフトに軸方向の衝突荷重が入力され
て該第1シャフトが後退方向へストローク移動し、所定
のストローク移動量になると、ラビリンス機構が第2シ
ャフトの一端部に衝突してここでまずエネルギー吸収が
行われ、さらにストローク移動すると、入力荷重によっ
てラビリンス機構が圧潰変形する。このようにラビリン
ス機構の圧潰変形によるエネルギー吸収されるため、良
好な緩衝性能が発揮される。
目的がセンターベアリング内部のシールにあることか
ら、その肉厚などを任意に設定することができ、剛性の
設定の自由度が向上し、車両の仕様などに応じて緩衝要
求性能を変更することが可能になる。
置の緩衝機構を車両のプロペラシャフトに適用した実施
形態を図面に基づいて詳述する。
示すように、トランスミッションに接続された第1シャ
フトであるトランスミッション側の駆動側シャフト2
と、該駆動側シャフト2にスライドベアリングである等
速ジョイント4を介して軸方向から連結された駆動輪側
の第2シャフトである従動側シャフト3と、前記駆動側
シャフト2の従動側シャフト3側の端部を車体に回転自
在支持するセンターベアリング5とから主として構成さ
れている。また、前記等速ジョイント4とセンターベア
リング5とは、プロペラシャフト1の回転駆動に伴う車
両の音振を十分に低減されるように、互いに短い距離で
近接して配置されている。
ョン側の管状本体6と、該管状本体6の一端部に軸方向
から摩擦溶接によって結合された段差径状の小径なスタ
ブ軸6aとから構成されており、スタブ軸6aの先端側
の小径部が前記従動側シャフト3の内部に挿通して等速
ジョイント4の一部を構成している。
4のアウターレースを構成する円筒状の保持部7と、該
保持部7に軸方向から摩擦溶接によって結合された管軸
部8とから構成されており、前記保持部7と管軸部8と
の結合部位には摩擦溶接時に発生した外側カール9と内
側カール10が残存している。
部7aが段差大径状に形成されていると共に、該一端部
7aの肉厚が他の部位に比べて薄肉に形成されている。
一方、前記管軸部8は、その外径が保持部7の一端部7
aの外径とほぼ同一に設定されていると共に、その肉厚
も一端部7aと同じく薄肉に形成されている。このよう
に、一端部7aと管軸部8の両肉厚は比較的薄肉に形成
されているが、摩擦溶接の溶接面積としては十分に確保
されている。
軸6aの先端部側との間には、保持部7内へのゴミなど
の塵芥の侵入を防止するブーツ11が取り付けられてい
る。このブーツ11は、ゴム製の本体11aと、該本体
の内部に埋設された補強芯材11bとから構成されてい
る。前記本体11aは、ほぼ段差径状の円筒状に形成さ
れ、大径な基部がクランプ部材を介して前記保持部7の
他端部7b外周面に嵌合固定されていると共に、小径な
先端部がスタブ軸6aの外周にクランプ部材を介して被
嵌状態に当接している。また、前記補強芯材11bは、
金属製の薄板をほぼ段差径状の円筒状に形成してなり、
主として本体の基部内部にほぼクランク状に折曲形成さ
れ、前端部11cが保持部7の他端部7の先端側から軸
方向に沿ってセンターベアリング5方向へ延設されてい
る。
よって構成されたアウターレースと、前記スタブ軸6a
の小径部の外周に設けられた円環状のインナーレース1
2と、該インナーレース12と保持部7との間に転動自
在に設けられた複数のボール13と、該各ボール13を
保持するケージ14と、保持部7の内端部に設けられ
て、保持部7内の潤滑グリースを保持シールする横断面
ほぼコ形状のシールプレート15とから構成されてい
る。
は、その外縁が保持部7の内周面に軸方向に沿って形成
された保持溝7cに転動保持されており、前記保持溝7
cの内径は前記段差溝18の内径よりも小さく設定され
て、各ボール13の外縁は保持溝7cの内周面よりも内
側に配置されることになる。したがって、等速ジョイン
ト4を構成する各構成部材の外径が、前記内側カール1
0の内径よりも小さく設定されている。なお、前記小径
部の先端部には、インナーレース12の軸方向の移動を
規制するスナップリング16が嵌着固定されている。
aが保持部7の内端部に形成された円環状の段差溝18
の内周面に内に圧入固定されていると共に、その外径が
前記内側カール10の内径よりも小さく設定されてい
る。また、このシートプレート15は、前記段差溝18
の端部に嵌着されたCリング17によって管状軸8の内
部方向への抜け出しを規制されるようになっている。
aの中径部の外周側に設けられたケーシング19内にボ
ール軸受20が収容されていると共に、ケーシング19
の外周に設けられた防振ゴムブシュ21と下端部に取り
付けられた図外のブラケットとを介して車体のフロアに
取り付けられている。
に、スタブ軸6aの中径部の外周面に固定された内輪2
2と、前記ケーシング19の中央段差中径部位19aの
内周に保持された外輪23と、該内外輪22,23の対
向面の中央に形成された円弧状の保持溝の間に転動自在
に保持された複数の鋼製ボール24とから主として構成
されており、前記内外輪22,23の幅方向の両端部に
は、円環状のカバープレート25a、25bが取り付け
られている。
中径部の段差面に当接支持されていると共に、他端縁が
中径部の外周に嵌合された円筒状のリテーナ26の端面
に当接支持されており、このリテーナ26は、前記中径
部の外周に嵌着された規制リング27によって従動側シ
ャフト3の方向への抜け出しが規制されている。
グ19の中径部位の端部に当接支持されていると共に、
他端縁が後述する支持部28のほぼ中央部に当接支持さ
れて、これらによって軸方向の位置決めがなされてい
る。
テーナ26との間に、前記ボール軸受20の内部への水
や塵芥等の侵入を防止するラビリンス機構28が設けら
れている。このラビリンス機構28は、ケーシング19
の大径部の内周側に取り付けられて、ほぼ横U字形状に
折曲形成された前記支持部29と、前記リテーナ26の
外周部に取り付けられて、ほぼクランク状に折曲形成さ
れたシール部30とから構成されている。
30は、それぞれ薄肉な金属板を前述のような断面形状
に折曲形成されてなり、支持部材29は、外周部が前記
ケーシング19の内周部に嵌着固定されていると共に、
内周部29aがリテーナ26から所定の隙間をもって離
間配置されている。一方、シール部材30は、小径な基
端部30aがリテーナ26の外周部に嵌着固定されてい
ると共に、中央の立ち上がり部30bからほぼ水平に延
設された先端部30cが支持部材29の内部に嵌挿配置
されている。また、シール部材30は、立ち上がり部位
30bの径方向の形成位置が前記ブーツ11の補強芯材
11bの先端部11cの形成位置とほぼ同一に設定され
ている。
衝突時などにおいてトランスミッション側から衝突入力
荷重が図2の矢印方向から駆動側シャフト2に入力され
るため、駆動側シャフト2が従動側シャフト3方向へス
トローク移動して、センターベアリング20及びラビリ
ンス機構28も一緒に所定量ストローク移動すると、こ
れに伴ってブーツ11の先端部側が切り取られる。
ーク移動すると、図3及び図4に示すように、ラビリン
ス機構28のシール部材30の立ち上がり部30bの外
面が、ブーツ11の補強芯材11bの先端部11cに軸
方向から突き当たって、ここで一旦衝突エネルギー吸収
し、この入力荷重によって補強芯材11bが軸方向から
潰れ変形して衝突エネルギーを吸収する。
5に示すように圧潰された補強芯材11bによって今度
はシール部材30が立ち上がり部30bと先端部11c
が潰れ変形すると共に、支持部材29の内周部も潰れ変
形する。このため、かかる各部材29,30の潰れ変形
によってエネルギー吸収作用が効果的に行われる。
材11bとラビリンス機構28の圧潰変形によるエネル
ギー吸収作用が得られるため、良好な緩衝性能を発揮す
ることができる。
使用目的がセンターベアリング20のシールにあること
から、支持部材29やシール部材30の肉厚などを任意
に設定することができ、これによって、剛性や設計の自
由度が向上する。この結果、車両の仕様などに応じて緩
衝要求性能を自由に変更することが可能になる。
トローク移動することによって、等速ジョイント4も駆
動側シャフト2と一緒に従動側シャフト3の保持部7内
から管軸部8の内部方向へスライド移動するが、これに
伴ってスラブ軸6aの先端と等速ジョイント4が前記シ
ールプレート15を管軸部8内部方向へ押し出す。この
ため、該シールプレート15は、図2及び図3に示すよ
うに、かかる入力荷重によって変形しながら外周面がC
リング17を乗り越えながら押し出される。したがっ
て、かかるシールプレート15の変形とCリング17の
乗り越え時に摩擦抵抗力が働いてエネルギー吸収作用が
得られる。
フト3に対する相対的なストローク量が大きくなること
から、衝突時の衝撃吸収効果が高くなって、乗員の衝撃
をさらに緩和させることが可能になる。
の保持部7を等速ジョイント4のアウターレースとして
利用したため、部品点数の削減が図れ、製造作業能率の
向上とコストの低廉化が図れる。
7をシールプレート15の外側ではなく内側に設けたも
ので、駆動側シャフト2のストローク移動に伴って等速
ジョイント4の各ボール13が直接Cリング17を乗り
越える形になる。このため、シートプレート15乗り越
える場合に比較して摩擦抵抗が若干大きくなることから
エネルギー吸収力が大きくなる。
ート15の外周部のCリング17側外面15aテーパー
状に形成したものである。これによって、前記駆動側シ
ャフト2のストローク移動に伴いシールプレート15が
Cリング17を乗り越え易くなり、摩擦抵抗が小さくな
って駆動側シャフト2のストローク移動性が良好にな
る。したがって、シールプレート15によるあまり大き
な抵抗力を必要としない緩衝機構に対応させることがで
きる。
動側シャフト3の保持部3と管軸部8との外径を同一に
設定すると共に、該両者7,8間の摩擦溶接位置をシー
ルプレート15の近傍に設定し、かつ摩擦溶接により発
生した内側カール部10の内径をシールプレート15の
外径よりも小さく設定した。なお、ブーツ11はゴム製
本体11aと補強芯材11bとが分離形成されている。
ト2のストローク移動に伴い、図10にも示すように等
速ジョイント4のケージ14端部がシールプレート15
の外周側内面に突き当たって管軸部8の内方へ押し出す
と、該シールプレート15の外周部が内側カール部10
の側部に突き当たって変形しながら乗り越え、ここで比
較的大きな摩擦抵抗力を発揮する。このため、かかる部
位での効果的な衝突エネルギー吸収作用を得ることがで
き、特に内側カール部10の剛性が大きいため、比較的
大きな摩擦抵抗力が得られる。したがって、大きな摩擦
抵抗力が必要な緩衝機構に対応させることができる。
施形態の構成を前提として、図9に示す実施形態と同じ
くシールプレート15の外周部の外面15aをテーパー
状に形成して、該シールプレート15が内側カール部1
0を乗り越え易くし、摩擦抵抗が小さくなるようにした
ものである。
れるものではなく、プロペラシャフト以外に適用するこ
とも可能である。
やシール部材30の肉厚をさらに厚く形成して剛性を高
くしたり、逆に薄く形成して剛性を低くすることも可能
であり、これによって車両の仕様に応じた要求緩衝力を
的確に得ることが可能になる。
端部7bをラビリンス機構28に直接衝突させることも
可能である。
項以外の技術的思想について、以下にその効果とと共
に、記載する。
において、前記ラビリンス機構は、駆動側シャフトの外
周側に配置されて、金属板をほぼ横U字形状に折曲形成
した支持部材と、金属板をほぼクランク状に折曲形成し
て先端部が前記支持部材の内部に嵌挿配置されたシール
部材とから構成したことを特徴とする動力伝達装置の緩
衝機構。
面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 回転駆動力を伝達する第1シャフトと、
該第1シャフトにスライドジョイントを介して連結さ
れ、かつ第1シャフトと相対的に軸方向へ摺動可能な円
筒状の第2シャフトと、前記第1シャフトの外周側に設
けられて、該第1シャフトを車体に回転自在に支持する
センターベアリングと、第1シャフトの外周側に設けら
れて、前記センターベアリングの内部をシールするラビ
リンス機構とを備えた動力伝達装置において、 前記第2シャフトの第1シャフト側の一端部と前記ラビ
リンス機構とを軸方向で対向配置させ、前記第1シャフ
トと第2シャフトに対する軸方向の入力荷重によって、
該両シャフトが互いに接近する方向に摺動した際に、前
記第2シャフトの一端部をラビリンス機構に軸方向から
衝突させるように構成したことを特徴とする動力伝達装
置の緩衝機構。 - 【請求項2】 前記第2シャフトの一端部に、前記スラ
イドベアリングの内部をシールする円筒状のブーツ部材
を設けると共に、該ブーツ部材の内部に前記ラビリンス
機構方向へ延出した補強芯材を埋設し、前記第1シャフ
トと第2シャフトが軸方向へ接近摺動した際に、前記ラ
ビリンス機構に対して前記補強芯材を介してブーツ部材
を衝突させるように構成したことを特徴とする請求項1
に記載の動力伝達装置の緩衝機構。 - 【請求項3】 前記スライドベアリングの前記センター
ベアリングと反対側の位置に、スライドベアリング内に
潤滑油を保持するシールプレートを第2シャフトの内周
面に圧入固定し、前記両シャフトが接近摺動した際に、
前記スライドベアリングが前記シールプレートを軸方向
から押し出すように構成したことを特徴とする請求項2
に記載の動力伝達装置の緩衝機構。
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