JP2003303006A

JP2003303006A - 素材・ワークの予約入出庫管理システム

Info

Publication number: JP2003303006A
Application number: JP2002105775A
Authority: JP
Inventors: Kaoru Nakamura; 薫中村
Original assignee: Amada Co Ltd
Current assignee: Amada Co Ltd
Priority date: 2002-04-08
Filing date: 2002-04-08
Publication date: 2003-10-24

Abstract

(57)【要約】【課題】加工設備の作業指示（加工スケジュール）に
対し、効率的な素材・ワーク供給を実現させて稼動率を
向上させる。【解決手段】複数の加工設備、および、各加工設備で
用いられる素材・ワークを保管する保管設備を備えた板
金加工ラインにおいて、保管設備に対して素材・ワーク
を入庫または出庫する入出庫手段と、各加工設備で実行
予定の加工スケジュールに基づいて、所要の素材・ワー
クの入出庫スケジュールを作成する入出庫スケジュール
作成手段と、入出庫スケジュールに基づいて、入出庫手
段による入出庫動作を実行させる予約入出庫制御手段と
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、加工設備および
保管設備を備えた板金加工ラインに適用される素材・ワ
ークの予約入出庫管理システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えば、加工設備として、パンチング加
工セルおよびベンディング加工セルを備えた板金加工ラ
インがある。このような板金加工ラインにおいて、シー
ト材をパンチング加工セルでブランク加工し、得られた
パーツをその後ベンディング加工セルで曲げ加工して、
板金製品を生産する場合は、シート材をパンチング加工
セルでブランク加工したのち、ジョイントバラシ作業
を行い、パーツ仕分け作業を行い、仕分けられた中
間在庫（仕掛品）の中から部品探しを行い、曲げ段取
り（必要な金型交換、材料セット、データ呼び出し）を
行ってはじめて、ベンディング加工セルで曲げ加工を実
行できるものである。

【０００３】このような板金加工ラインでは、シート材
またはブランク材などの１次加工品（以下、素材とい
う。）、および、パーツまたは仕掛品などの２次加工品
（以下、ワークという。）を、必要な加工作業に供する
かまたは出荷するまで在庫として保管するため、棚や自
動倉庫あるいは平置エリアなど保管用の適宜の設備（以
下、保管設備という。）を備えている。

【０００４】そして、このような保管設備への素材・ワ
ークの入出庫の実行にあたり、従来は、図１５に示すよ
うに、作業者がクレーン、フォーク等を操作して、素材
・ワークを入出庫ステーションまで搬送する。そして、
入出庫ステーションに備えられた入出庫装置を用いるこ
とで、素材の入庫については、空パレットを入出庫ステ
ーションへ出庫させ、この空パレットに素材を積載して
その素材積載パレットを保管装置へ入庫させている。ま
た、ワークの出庫については、ワーク積載パレットを入
出庫ステーションへ出庫させ、このワーク積載パレット
からワークを必要数出庫した後、残りのワークを積載パ
レットとともに保管装置へ再度入庫させている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のものは、保管設備への素材・ワークの入出庫
作業の実行中、作業者が拘束されることになり、とく
に、ワークの出庫作業者が次工程作業者である場合、そ
の作業者がワークの出庫と次工程への搬送作業に拘束さ
れることで、次工程の稼動に大きな影響を及ぼすことに
加えて、つぎのような種々の問題があった。

【０００６】各加工設備で実行する予定の作業指示
（加工スケジュール）と、素材・ワーク保管装置の在庫
情報との連携が弱いため、該当加工設備で使用すべき素
材の供給量、供給時点の予測が難しい。また、次工程加
工設備で使用するワークの供給についても、同様に予測
が難しい。また、次工程行先もわからない。

【０００７】各加工設備で使用すべき素材・ワークを
準備し終わるまで、作業開始に着手できないため、加工
設備の稼動率が低下する。

【０００８】多種類の素材・ワークを保管装置から入
出庫させる場合、搬送装置および作業者が入出庫作業に
長時間拘束されるため、効率が低下する。

【０００９】作業者が必要な時に、必要な物を取り出
せない。同時に複数の作業者が入出庫させても、タイム
リーに出庫させられない。

【００１０】この発明の課題は、上記従来のもののもつ
問題点を排除して、加工設備の作業指示（加工スケジュ
ール）に対し、効率的な素材・ワーク供給を実現させて
稼動率を向上させることができ、また、搬送装置および
作業者が入出庫作業に拘束される時間を減らすととも
に、複数工程の場合に次工程への搬送予測をさせること
により、工程間リードタイムの低減を図ることのできる
素材・ワークの予約入出庫管理システムを提供すること
にある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するものであって、請求項１に係る発明は、加工設備
およびこの加工設備で用いられる素材・ワークを保管す
る保管設備を備えた板金加工ラインにおいて、前記保管
設備に対して素材・ワークを入庫または出庫する入出庫
手段と、前記加工設備で実行予定の加工スケジュールに
基づいて、所要の素材・ワークを前記入出庫手段により
事前に入出庫させる予約入出庫制御手段とを備えている
素材・ワークの予約入出庫管理システムである。

【００１２】請求項２に係る発明は、複数の加工設備、
および、各加工設備で用いられる素材・ワークを保管す
る保管設備を備えた板金加工ラインにおいて、前記保管
設備に対して素材・ワークを入庫または出庫する入出庫
手段と、前記各加工設備で実行予定の加工スケジュール
に基づいて、所要の素材・ワークの入出庫スケジュール
を作成する入出庫スケジュール作成手段と、前記入出庫
スケジュールに基づいて、前記入出庫手段による入出庫
動作を実行させる予約入出庫制御手段とを備えている素
材・ワークの予約入出庫管理システムである。

【００１３】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図面を
参照して説明する。図１は、この発明による素材・ワー
クの予約入出庫管理システムの一実施の形態を示すシス
テム全体構成図、図２はシステムブロック図である。こ
の素材・ワークの予約入出庫管理システム１は、図２に
示すように、主として、工程進捗管理装置５０、設備統
括管理装置７０および作業設備群１００で構成され、素
材・ワークを効率的に入出庫させるものである。

【００１４】また、この素材・ワークの予約入出庫管理
システム１は、図１に示すように、生産管理システム１
０および設備加工情報作成装置（板金ＣＡＤ／ＣＡＭ）
３０と組み合わされ、変種変量少ロットおよびアセンブ
リセット加工に際して中間在庫の圧縮を実現するシステ
ムであり、製品組立／出荷工程の作業指示（加工スケジ
ュール）から、部品供給の曲げ工程の作業指示（加工ス
ケジュール）が作成され、この曲げ工程の作業指示（加
工スケジュール）が、前工程にあたる穴明け／切断工程
の作業指示（加工スケジュール）に反映されるという、
ＰＵＬＬ（引き込み）方式のスケジュール生産実行シス
テムに適用して、とくに好適な素材・ワークの予約入出
庫管理システムである。

【００１５】まず、図１に基づいて説明すると、生産管
理システム１０は、システム全体の生産管理に関する製
作手配、進捗情報、在庫情報を管理するものであり、そ
れらの情報を工程進捗管理装置５０との間でやりとりす
る。

【００１６】設備加工情報作成装置（板金ＣＡＤ／ＣＡ
Ｍ）３０は、各ワークの穴明け／切断工程〜曲げ／組立
工程に亘る加工情報を作成するものであり、ワーク用加
工情報作成機能３１、板取配置処理（ネスティング）機
能３２、および、ワーク集積荷姿情報編集機能３３を備
えている。

【００１７】このうち、ワーク用加工情報作成機能３１
は、各工程における作業設備用の加工情報、および、パ
ーツプログラムを作成するものであり、加工情報には、
ＣＡＤ展開図、立体図、使用工具情報、その他の情報が
含まれる。そして、穴明け／切断工程〜曲げ工程間での
各種データの共有化と一元管理を実現する。

【００１８】また、板取配置処理（ネスティング）機能
３２は、各作業設備で加工すべきワーク群を指定分類条
件で素材上に板取配置することで、シートプログラム、
シート情報、および、加工スケジュールを作成するもの
であり、指定分類条件の項目には、素材情報、板厚、材
質、素材寸法、使用工具情報、納期、製造オーダ番号、
後工程先、などの情報が含まれる。

【００１９】板取配置処理（ネスティング）機能３２
は、工程進捗管理装置５０の加工スケジューリング機能
５１からのＰＵＬＬ方式で生成された板取作業指示情報
と、後工程先を考慮したパレット上の部品別集積荷姿情
報を併せて、ネスティング指示情報を生成し、板取配置
処理（ネスティング）を実行し、穴明け工程用シートプ
ログラムと作業指示（加工スケジュール）を作成し、曲
げ工程作業指示も作成する。ここでの板取処理では、穴
明け加工後、ミクロジョイントレス加工を行い、部品を
１枚ずつ切り離しながら部品別仕分け集積装置１１２に
より集積パレット上に部品別仕分け集積するためのシー
トプログラム、および、後工程間との部品の受け渡し情
報も作成する。作業指示は自動的に工程進捗管理装置５
０の加工スケジューリング機能５１に報告され、最終的
に確定した作業指示を設備統括管理装置７０へ渡し、各
工程の自動加工を行う。但し、システム運用時に工程進
捗管理装置５０との連携がない場合は、作成された作業
指示を直接設備統括管理装置７０へ渡すことも可能であ
る。

【００２０】また、ワーク集積荷姿情報編集機能３３
は、各ワークを加工する際に、作業設備でのワーク供
給、および、集積装置への搬送・集積指示を指定させる
ものである。すなわち、該当部品の後工程先を考慮した
部品別集積分類指示を行い、板取配置処理を実行させ
る。この機能は、現場側の設備統括管理装置７０でも指
示することが可能である。これにより、現場での素材・
ワークの集積、搬送時の荷姿を考慮した穴明け加工指示
をすることが可能となる。

【００２１】つぎに、図１、図２に基づいて説明する
と、工程進捗管理装置５０は、各作業設備や搬送設備を
統括管理する設備統括管理装置７０用の作業指示（加工
スケジュール）や、各作業設備で使用する素材・ワーク
の前後工程（作業設備）に対する素材・ワークの準備、
段取処理のための予約入出庫指示スケジュールを作成す
る加工スケジューリング機能５１と、各作業設備群の作
業指示、作業実績の進捗および素材・ワークの各工程、
保管場所の在庫情報管理を行う工程進捗管理機能５２と
を備えている。そして、各ワークの穴明け／切断工程〜
曲げ／組立工程〜出荷工程に亘る全工程の工程進捗管理
を行うものである。

【００２２】このうち、加工スケジューリング機能５１
は、ＰＵＬＬ生産管理方式による負荷計画（山積、山
崩、作業設備の号機割付）処理を行い、これは、製品出
荷および組立工程の作業指示（加工スケジュール）から
の部品供給スケジュールが曲げ工程作業指示となり、ま
た、穴明け工程作業指示を作成する。これにより、各工
程間での中間仕掛品在庫レスと工程リードタイムの短縮
が図れる。また、各工程の作業設備の稼動率アップと作
業段取り工数低減のための、作業指示（加工スケジュー
ル）と同期させ、その作業設備に対する前後工程間での
素材・ワークの検索、搬送、設定作業のための段取り指
示スケジュールを作成する。また、該当作業設備につい
て、素材上に複数部品を板取配置処理させながら加工す
る場合の板取作業指示情報と、設備加工情報作成装置
（板金ＣＡＤ／ＣＡＭ）３０での板取配置処理（ネステ
ィング）機能３２への指示と処理結果情報が受け渡され
る仕組みを備えている。さらに、該当作業設備での該当
ワークの生産運用形態に合わせた作業指示、例えば、ス
ケッチ材加工（１素材：１パーツ）、多数個取り加工
（１素材：同一複数パーツ）、板取配置シート加工（１
素材：複数種類／複数パーツ）、アセンブリセット加工
（Ｐ１〜Ｐｎ）＊Ｍ枚、などを行う。

【００２３】また、工程進捗管理機能５２は、各部品に
対する各工程の作業設備での作業指示（加工スケジュー
ル）に基づき、各作業設備の加工終了時の作業実績を収
集し、工程間の工程進捗管理を行う。また、各工程間
（保管／搬送装置、平置き場）および作業設備での素材
・ワーク等の在庫管理を行う。

【００２４】設備統括管理装置７０は、日程管理・運転
管理機能７１、作業設備制御機能７２、保管／搬送装置
制御機能７３、素材・ワーク在庫管理機能７４、およ
び、ワーク集積荷姿情報編集機能７５を備えている。そ
して、工程進捗管理装置５０から指示された作業指示
（加工スケジュール）および素材・ワーク予約入出庫指
示に基づく作業設備制御機能７２と、保管／搬送装置制
御機能７３とにより、設備制御装置１７０経由で、作業
設備と搬送設備群を稼動管理するものである。また、作
業実績（加工スケジュール実績）や素材・ワーク保管装
置内の在庫情報を管理するとともに、この情報を工程進
捗管理装置５０へ通知する。

【００２５】このうち、日程管理・運転管理機能７１
は、自動運転中に該当設備を停止させずに、工程進捗管
理装置、板取配置処理から指示された作業指示（加工ス
ケジュール）や、日程管理で作成された作業指示の編集
を行う。また、タレットパンチングセル（ＮＣＴ）１１
０＋ベンディングロボットセル１５０ラインのオンライ
ンスケジュール運転管理、例えば、起動／停止指示、運
転状況監視、アラーム復帰処理の他、単独セル運転モー
ド、複合セル運転モード、複合ストレートライン運転モ
ード、などの管理を行う。

【００２６】また、作業設備制御機能７２は、各作業設
備の作業指示（加工スケジュール）に基づき、該当素材
・ワークの搬送指示、および、加工を行うものであり、
ＮＣＴ工程の作業指示（加工スケジュール）を基に、該
当作業設備での加工と部品別仕分け集積装置１１２の高
速仕分け集積制御、素材パレットの引き当て、仕掛品積
載パレット部品別集積処理を行う。集積された仕掛品情
報には、板取配置処理で作成された後工程引き渡し情報
（ワークＩＤ、後工程ＩＤ、集積位置情報、集積／一枚
取り指示情報、など）が含まれる。また、曲げ工程の作
業指示を行う。すなわち、工程進捗管理装置５０の加工
スケジューリング機能５１、または日程管理で作成され
た作業指示にしたがって、ベンディングロボットへのロ
ット運転を基本とした部品別一枚取りスケジュールのオ
ンライン運転を実行する。

【００２７】また、保管／搬送装置制御機能７３は、該
当保管と作業設備間の自動搬送制御を行う。

【００２８】また、素材・ワーク在庫管理機能７４は、
集積されたワークについてはビジュアル表示（鳥瞰図、
平面図）形式での部品別集積およびネスティング集積の
在庫管理（部品番号、製造ロット番号、在庫情報、次工
程、など）を行う。また、該当保管と作業設備間の入出
庫指示を行う。

【００２９】また、ワーク集積荷姿情報編集機能７５
は、該当部品の後工程先を考慮した部品別集積分類指示
を行い、板取配置処理に実行を移す。この機能は、事務
所側の設備加工情報作成装置（板金ＣＡＤ／ＣＡＭ）３
０でも指示することが可能である。これにより、現場で
の素材・ワークの集積、搬送時の荷姿を考慮した穴明け
加工指示をすることが可能となる。

【００３０】作業設備群１００は、穴明け／切断工程作
業設備（タレットパンチングセル）１１０、素材・ワー
クの保管／搬送装置１３０、曲げ工程作業設備（ベンデ
ィングロボットセル）１５０、および、これらの各作業
設備用の設備制御装置１７０を備えている。また、素材
・ワークの保管／搬送装置１３０には、素材・ワーク連
続予約入出庫装置１９０が設けられている。

【００３１】このうち、各設備制御装置１７０は、設備
統括管理装置７０からの作業指示（加工スケジュール）
に基づいて、穴明け／切断工程作業設備（タレットパン
チングセル）１１０、素材・ワークの保管／搬送装置１
３０、曲げ工程作業設備（ベンディングロボットセル）
１５０の作動をそれぞれ制御するものである。

【００３２】また、素材・ワーク連続予約入出庫装置１
９０は、図３に示すように、素材・ワーク保管装置１９
１、搬送装置１９２、連続入出庫専用ステーション１９
３、入出庫装置１９４、および、乗継入出庫ステーショ
ン１９５で構成される。素材・ワーク保管装置１９１
は、例えば、各棚に素材・ワーク積載用のパレットを保
管可能な複数段の棚を有するフロントオープン式のもの
である。搬送装置１９２は、ワーク保管装置１９１と連
続入出庫専用ステーション１９３との間で素材・ワーク
用パレットの移動搬送を行なうもので、例えば、スタッ
カクレーンで構成される。入出庫装置１９４は、連続入
出庫専用ステーション１９３と乗継入出庫ステーション
１９５との間で素材・ワーク用パレットの移動搬送を行
なうもので、例えば、スタッカクレーンで構成される。

【００３３】連続入出庫専用ステーション１９３は、図
３では垂直方向に一列に構成してあるが、横方向や手前
方向を適宜組み合わせて拡張することが可能である。ま
た、連続入出庫専用ステーション１９３および入出庫装
置１９４は、例えば、素材・ワークの入出庫の頻度や設
置スペース（高さ、幅、面積など）の制約に応じて、適
宜に拡張することが可能であり、また、ワーク保管装置
１９１の棚数が少ない場合は、入出庫装置１９４を搬送
装置１９２と共用することも可能である。これらの種々
のバリエーションを図４に示す。さらに、乗継入出庫ス
テーション１９５は、通常は独立した作業設備と直結さ
れないが、例えば、図５に示すように、自動化されたオ
ンライン作業設備と直結することも可能である。

【００３４】そして、素材・ワーク連続予約入出庫装置
１９０は、図６に示すように、設備統括管理装置７０の
素材・ワーク入出庫スケジュール処理機能による入出庫
指令に基づいて、素材・ワークの入出庫処理動作を運用
するものである。

【００３５】次に、上記の実施の形態の作用について、
図７〜図１４を参照しながら説明する。

【００３６】図７は、工程進捗管理装置５０の加工スケ
ジューリング機能５１における素材の予約入出庫指示ス
ケジュール処理を示し、図８、図９は、設備統括管理装
置７０における素材の予約入出庫指示スケジュール処理
を示し、図１０は、素材の連続予約入出庫処理動作を示
す。

【００３７】また、図１１は、工程進捗管理装置５０の
加工スケジューリング機能５１におけるワークの予約入
出庫指示スケジュール処理を示し、図１２、図１３は、
設備統括管理装置７０におけるワークの予約入出庫指示
スケジュール処理を示し、図１４は、ワークの連続予約
入出庫処理動作を示す。

【００３８】工程進捗管理装置５０の加工スケジューリ
ング機能５１は、各作業設備の作業指示（加工スケジュ
ール）作成機能と、作業設備の前後の作業段取を効率的
に指示するための素材・ワーク予約入出庫指示スケジュ
ール作成機能とで構成される。

【００３９】＜各作業設備の作業指示（加工スケジュー
ル）作成機能＞一般的なスケジュール作成の運用とし
て、現在ある所要量を現時点から最初の作業工程から次
作業工程に向かって、いつ頃の納期で完成するか積み上
げながら決定する山積方式と、最初に該当所要量の製品
の納期を決定し、その製造を最終工程から最初工程への
負荷を積み上げる山崩方式がある。近年の製造業におけ
る変種変量ロットの中間在庫を極力少なくさせて、各作
業工程間のリードタイムを短縮させる目的の、素材・ワ
ーク保管装置での効率的な素材／仕掛品の入出庫処理シ
ステムの運用では、次工程から前工程の作業指示（加工
スケジュール）、予約入出庫指示を決定することが前提
になる。

【００４０】作業指示（加工スケジュール）作成機能
は、所要量と部品マスタの各標準時間（加工、段取り、
搬送／物流）から各作業設備の作業指示（加工スケジュ
ール）を作成する。この場合、各種段取りを考慮したス
ケジュール実行順序を決定し、使用素材番号や加工開始
予定時刻を決定する。

【００４１】＜素材の予約入庫指示スケジュール作成機
能＞素材の予約入庫指示スケジュール作成機能は、保管装
置の制御管理下にある作業設備（♯１〜♯ｎ）の作業指
示（加工スケジュール）を引き当てる。

【００４２】つぎに、この作業指示の各スケジュール
で加工すべき素材Ｓｍの加工数Ｓｃを引き当てる。

【００４３】つぎに、この引き当てたスケジュールで
使用する素材Ｓｍの加工数Ｓｃと、保管装置内（棚・自
動倉庫）の素材在庫情報の同一素材Ｉｍの在庫総数合計
ΣＩｃとの関係は、次のようなる。ただし、在庫総数Σ
Ｉｃは直前の処理された作業指示で今後引き当てられる
予定数は含まれないことを前提にする。

【００４４】すなわち、素材予約入庫指示スケジュール
での同一素材Ｏｍの入庫数Ｏｃは、Ｏｃ＝Ｓｃ−ΣＩｃ

【００４５】また、平置保管場所での素材在庫情報の該
当素材Ｈｍの入荷数Ｈｃと、素材予約入庫指示での入庫
数Ｏｃとの関係は次のようになる。Ｈｃ≧Ｏｃただし、Ｈｃ＞Ｏｃの場合は、Ｏｃ＝Ｈｃとする。

【００４６】また、素材予約入庫指示スケジュール情報
の入庫要求時刻Ｏｔは、該当作業指示のスケジュールを
実行させる加工開始予定時刻Ｓｔから、該当スケジュー
ルで使用する素材Ｓｍの仮置保管場所Ｈｍと入庫させる
べき保管装置間の工程間搬送段取時間Ｔｔ以上を前倒し
した時間になる。すなわち、入庫要求時刻Ｏｔは、Ｏｔ＝Ｓｔ−Ｔｔ

【００４７】また、該当作業指示で使用する素材Ｓｍが
複数スケジュールにまたがっていた場合は、最初に実行
するスケジュール加工開始予定時刻に合わせて、一括し
て入庫させるか否かについては、運用上選択が行えるよ
うにする。

【００４８】そして、〜の処理を繰返し、全作業
設備の素材予約入庫指示スケジュールを作成する。

【００４９】＜仕掛品の予約出庫指示スケジュール作成
機能＞仕掛品の予約出庫指示スケジュール作成機能は、保管
装置内の仕掛品在庫管理された次工程作業設備（♯１〜
♯ｎ）の作業指示（加工スケジュール）を引き当てる。

【００５０】つぎに、この作業指示の各スケジュール
で加工すべき部品Ｓｍの加工数Ｓｃを引き当てる。

【００５１】つぎに、この引き当てたスケジュールで
使用する部品Ｓｍの加工数Ｓｃと、保管装置内（棚・自
動倉庫）の仕掛品在庫情報の同一製造番号部品番号Ｉｍ
の在庫総数合計ΣＩｃとの関係は、次のようなる。

【００５２】すなわち、仕掛品予約出庫指示スケジュー
ルでの該当部品Ｏｍの出庫数Ｏｃは、Ｏｃ＝Ｓｃ（≦ΣＩｃ）

【００５３】また、平置保管場所での仕掛品在庫情報の
該当部品Ｈｍの在庫数Ｈｃと、仕掛品予約出庫指示での
出庫数Ｏｃとの関係は次のようになる。Ｈｃ＝Ｏｃ

【００５４】また、仕掛品予約出庫指示スケジュール情
報の出庫要求時刻Ｏｔは、該当作業指示のスケジュール
を実行させる加工開始予定時刻Ｓｔから、該当スケジュ
ールで使用する仕掛品Ｓｍの保管装置、平置保管場所と
本次工程作業設備間の工程間搬送段取時間Ｔｔ以上を前
倒しした時間になる。すなわち、出庫要求時刻Ｏｔは、Ｏｔ＝Ｓｔ−Ｔｔ

【００５５】そして、〜の処理を繰返し、全作業
設備の仕掛品予約出庫指示スケジュールを作成する。

【００５６】上記のような素材・ワークの予約入出庫管
理システム１によれば、あらかじめ連続予約指示された
入出庫動作を実行することができ、また、作業者に入出
庫操作を極力拘束させない運用を実現することができ、
さらに、工程進捗管理装置５０および設備統括管理装置
７０と連携させることで、各作業設備と連動した素材・
ワーク入出庫搬送段取りの効率化を実現することができ
る他、つぎのような効果がある。

【００５７】素材・ワーク連続予約入出庫装置１９０
を利用することで、多種類の素材・ワークを保管装置か
ら入出庫させる場合、作業者や搬送装置を入出庫動作時
間に長時間拘束されることなく、入出庫処理を行なうこ
とができる。また、作業者が予約入出庫指示で連続入出
庫専用ステーションにある素材・ワークを、必要な時に
入出庫させることができる。また、予約入出庫指示スケ
ジュール（優先度）を変更することで、割込み入出庫が
行なえる。同時に複数作業者が入出庫処理の確認を行な
うことができる。また、素材・ワークを入庫および出庫
させる作業者は該当作業設備のオペレータである場合が
多いが、この作業者の拘束時間が低減できるため、作業
設備の稼動率を向上させることができる。また、自動化
作業設備にも利用できるため、素材・ワークの入出庫処
理を先出し運用させることにより、作業設備の段取りの
効率化を図ることができ、稼動率の向上が図れる。

【００５８】工程進捗管理装置５０による各作業設備
で実行する作業指示や、素材・ワーク連続予約入出庫指
示と在庫情報の連携を強化することで、該当作業設備で
使用する素材・ワークがどこにあるか、加工完了したか
を作業者が探し回る必要がなくなる。また、該当作業設
備の負荷を考慮した作業指示（加工スケジュール）を実
行するに際し、あらかじめ準備すべき素材・ワーク連携
予約入出庫指示が実行される。その作業設備の担当者
は、入出庫要求時刻に所定の入出庫ステーションに該当
素材・ワークを回収すれば良い。つまり、必要な時刻に
必要な物を入出庫させることができる。すべての予想が
つくため、効率な作業を進められる。この作業を作業設
備操作者とは別の専任担当者が実施すれば、作業設備の
稼動率を大幅に向上させることが可能である。また、ワ
ーク保管装置から該当ワークを出庫させたときに、現品
票印刷を行うことにより、それ以降の現物の次工程先へ
の搬送指示や現品との突き合わせが容易になり、搬送、
検品工程の効率化を図ることができる。

【００５９】なお、上記の実施の形態では、加工設備と
して、パンチング加工セルおよびベンディング加工セル
を備えた板金加工ラインを例示したが、これに限定する
ものでなく、例えば、加工設備が１台だけの板金加工ラ
インにも適用することが可能である。

【００６０】

【発明の効果】この発明は以上のように、加工設備およ
びこの加工設備で用いられる素材・ワークを保管する保
管設備を備えた板金加工ラインにおいて、保管設備に対
して素材・ワークを入庫または出庫する入出庫手段と、
加工設備で実行予定の加工スケジュールに基づいて、所
要の素材・ワークを入出庫手段により事前に入出庫させ
る予約入出庫制御手段とを備えた構成としたので、加工
設備の作業指示（加工スケジュール）に対し、効率的な
素材・ワーク供給を実現させて稼動率を向上させること
ができ、また、搬送装置および作業者が入出庫作業に拘
束される時間を減らすとともに、複数工程の場合に次工
程への搬送予測をさせることにより、工程間リードタイ
ムの低減を図ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による素材・ワークの予約入出庫管理
システムの一実施の形態を示すシステム全体構成図であ
る。

【図２】素材・ワークの予約入出庫管理システムのシス
テムブロック図である。

【図３】素材・ワーク連続予約入出庫装置の基本構成を
示す斜視説明図である。

【図４】素材・ワーク連続予約入出庫装置の種々のバリ
エーションを示す斜視説明図である。

【図５】素材・ワーク連続予約入出庫装置の他のバリエ
ーションを示す斜視説明図である。

【図６】素材・ワーク連続予約入出庫装置の運用時にお
ける構成を示す説明図である。

【図７】工程進捗管理装置の加工スケジューリング機能
における素材の予約入出庫指示スケジュール処理を示す
ブロック図である。

【図８】図９とともに設備統括管理装置における素材の
予約入出庫指示スケジュール処理を示すフローチャート
の部分説明図である。

【図９】図８とともに設備統括管理装置における素材の
予約入出庫指示スケジュール処理を示すフローチャート
である。

【図１０】素材の連続予約入出庫処理動作を示す説明図
である。

【図１１】工程進捗管理装置の加工スケジューリング機
能におけるワークの予約入出庫指示スケジュール処理を
示すブロック図である。

【図１２】図１３とともに設備統括管理装置におけるワ
ークの予約入出庫指示スケジュール処理を示すフローチ
ャートの部分説明図である。

【図１３】図１２とともに設備統括管理装置におけるワ
ークの予約入出庫指示スケジュール処理を示すフローチ
ャートである。

【図１４】ワークの連続予約入出庫処理動作を示す説明
図である。

【図１５】従来の素材・ワーク保管装置および入出庫装
置を示す斜視説明図である。

【符号の説明】

１素材・ワークの予約入出庫管理システム１０生産管理システム３０設備加工情報作成装置（板金ＣＡＤ／ＣＡＭ）５０工程進捗管理装置７０設備統括管理装置１００作業設備群１１０穴明け／切断工程作業設備（タレットパンチン
グセル）１３０素材・ワークの保管／搬送装置１５０曲げ工程作業設備（ベンディングロボットセ
ル）１７０設備制御装置１９０素材・ワーク連続予約入出庫装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加工設備およびこの加工設備で用いられ
る素材・ワークを保管する保管設備を備えた板金加工ラ
インにおいて、前記保管設備に対して素材・ワークを入庫または出庫す
る入出庫手段と、前記加工設備で実行予定の加工スケジュールに基づい
て、所要の素材・ワークを前記入出庫手段により事前に
入出庫させる予約入出庫制御手段と、を備えていること
を特徴とする素材・ワークの予約入出庫管理システム。
【請求項２】複数の加工設備、および、各加工設備で
用いられる素材・ワークを保管する保管設備を備えた板
金加工ラインにおいて、前記保管設備に対して素材・ワークを入庫または出庫す
る入出庫手段と、前記各加工設備で実行予定の加工スケジュールに基づい
て、所要の素材・ワークの入出庫スケジュールを作成す
る入出庫スケジュール作成手段と、前記入出庫スケジュールに基づいて、前記入出庫手段に
よる入出庫動作を実行させる予約入出庫制御手段と、を
備えていることを特徴とする素材・ワークの予約入出庫
管理システム。