JP2003295473A - 平版印刷版の処理方法 - Google Patents

平版印刷版の処理方法

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JP2003295473A
JP2003295473A JP2002095568A JP2002095568A JP2003295473A JP 2003295473 A JP2003295473 A JP 2003295473A JP 2002095568 A JP2002095568 A JP 2002095568A JP 2002095568 A JP2002095568 A JP 2002095568A JP 2003295473 A JP2003295473 A JP 2003295473A
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Hajime Fujioka
肇 藤岡
Yukinao Kawamata
幸直 川真田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム板を支持体とする銀錯塩拡散転写
法を利用した平版印刷版において、多数枚の印刷時に発
生する画像部のインキ着肉性の低下を防止する。 【解決手段】陽極酸化されたアルミニウム支持体とハロ
ゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転
写法を利用した平版印刷版を露光、現像処理後に前記平
版印刷版を、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を
有するアミン化合物、脂肪族アミド化合物及び4級アン
モニウム化合物群から選ばれる少なくとも一種の化合物
と、2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしく
はその置換誘導体、または脂肪族基及び芳香族基を有さ
ず、且つ1級アミノ基を有するモノメルカプト含窒素複
素環化合物を含有する処理液で処理することを特徴とす
る平版印刷版の処理方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム板を
支持体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したアルミニウ
ム平版印刷版の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた
平版印刷版については、フォーカル・プレス、ロンドン
ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ ロット
及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィック・シル
バー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシズ」、第
101頁〜第130頁に幾つかの例が記載されている。
【0003】その中で述べられているように、DTR法
を用いた平版印刷版には、転写材料と受像材料を別々に
したツーシートタイプ、あるいはそれらを一枚の支持体
上に設けたモノシートタイプの二方式が知られている。
ツーシートタイプの平版印刷版については、特開昭57
−158844号公報に詳しく記載されている。又、モ
ノシートタイプについては、特公昭48−30562
号、同51−15765号、特開昭51−111103
号、同52−150105号などの各公報に詳しく記載
されている。
【0004】本発明が対象とするアルミニウム板を支持
体とする、銀錯塩拡散転写法を利用したモノシートタイ
プの平版印刷版(以降、アルミニウム平版印刷版と称
す)は、特開平10−198037号、同平10−24
4775号、同平10−264549号、同平11−5
2576号、同平11−95438号、同平11−30
5448号、特開2000−181052号、同200
0−267267号等の公報に詳しく記載されている。
【0005】前記アルミニウム平版印刷版は、粗面化さ
れ陽極酸化されたアルミニウム支持体上に物理現像核を
担持し、更にその上にハロゲン化銀乳剤層を設けた構成
になっている。この平版印刷版の一般的な製版方法は、
露光後、現像処理、水洗処理(ウォッシュオフ:ハロゲ
ン化銀乳剤層の除去)、仕上げ処理及び乾燥の工程から
なっている。
【0006】詳細には、現像処理によって物理現像核上
に金属銀画像部が形成され、次の水洗処理によってハロ
ゲン化銀乳剤層が除去されてアルミニウム支持体上に金
属銀画像部(以降、銀画像部と称す)が露出する。同時
に陽極酸化されたアルミニウム表面自身が非画像部とし
て露出する。ハロゲン化銀乳剤層が除去される水洗処理
工程においては、現像処理と水洗処理の間に中和処理が
施される場合もある。
【0007】露出した銀画像部及び非画像部には、その
保護のためにアラビアゴム、デキストリン、カルボキシ
メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸等の保護コ
ロイドを含有する仕上げ液が塗布される。所謂、ガム引
きと云われる処理が施される。この仕上げ液は、定着液
やフィニッシング液とも称される。
【0008】上記アルミニウム平版印刷版において、印
刷中に画像部のインキの着肉性が低下する問題がある。
多数枚印刷時に画像部のインキ着肉性が徐々に低下する
現象で、銀画像の表面層が印刷中に削られることにより
インキ受理性が低下したり、または給湿液中の親水化剤
や界面活性剤等の影響で銀画像表面が徐々に親水化され
たりする事によって発生するため、その対策に苦慮して
いた。
【0009】アルミニウム平版印刷版は、高感度と高い
解像力、高いシャープネスを持った画像を形成すること
が可能であり、光による画像形成方法としては非常に有
利な方法である。しかし金属銀によってなる銀画像部
は、感光性樹脂によって形成されたPS版等の画像部に
比べると親油性が低い。従ってアルミニウム平版印刷版
の製版工程で使用される処理液には銀画像部のインキ受
理性を高める目的で親油化剤(例えばメルカプト基また
はチオン基を有する含窒素複素環化合物)が一般的に使
用される。
【0010】同時に現像液、水洗液、仕上げ液から構成
されるこれら製版用処理液にはアルミニウム平版印刷版
の非画像部の親水性を向上させる目的で親水化剤も多く
使用される。アルミニウム平版印刷版においては強力な
親水性の付与は銀画像部の親油性を顕著に低下させるた
め、銀画像部の親油性と非画像部の親水性の両者をバラ
ンス良く高める為にはその機能が大きく制限される。
【0011】一方、製版用処理液とは別に平版印刷版の
非画像部の親水性や画像部の親油性を高める方法として
印刷開始前もしくはその直前に、スターター液と呼ばれ
る液を版面に塗布する事が行われる場合がある。このス
ターター液には画像部へ親油性や非画像部への親水性を
強力に付与する機能を持たすことが可能である。
【0012】スターター液に関しては特開平11−18
0063号、同平11−160878号、同平11−1
84096号、同平11−184098号、同平11−
184099号等の公報で報告されているが、これらの
方法では本発明が目的とする効果を得るには不十分であ
った。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、陽極
酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層の
間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した平
版印刷版において、多数枚の印刷時に発生する銀画像部
のインキ着肉性の低下を防止する事が可能となる処理方
法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、陽
極酸化されたアルミニウム支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散転写法を利用した
平版印刷版を露光、現像処理後に前記平版印刷版を、プ
ロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を有するアミン化
合物、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基を有する
脂肪族アミド化合物及びプロピレンオキシ基とエチレン
オキシ基を有する4級アンモニウム化合物群から選ばれ
る少なくとも一種の化合物と、2つ以上のメルカプト基
を有するトリアジンもしくはその置換誘導体、または脂
肪族基及び芳香族基を有さず、且つ1級アミノ基を有す
るモノメルカプト含窒素複素環化合物を含有する処理液
で処理することを特徴とする平版印刷版の処理方法によ
り達成された。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における効果は平版印刷版を現像処理して以降適
用することにより、その効果を発現するものであるが、
例えば中和液、水洗液、仕上げ液あるいはスターター液
に適用される。より好ましくはスターター液として用い
ることである。
【0016】本発明で用いられるエチレンオキシ基(E
O基)とプロピレンオキシ基(PO基)を有する化合物
はEO基とPO基がブロックもしくはランダムに重合し
た基を有するアミン化合物、EO基とPO基がブロック
もしくはランダムに重合した基を有する脂肪族アミド化
合物、EO基とPO基がブロックもしくはランダムに重
合した基を有する4級アンモニウム化合物である。中で
も好ましくはEO基とPO基がブロックもしくはランダ
ムに重合した基を有するアミン化合物が用いられる。E
O基とPO基は1分子中にそれぞれ1〜60個、好まし
くは2〜40個の範囲で含有し、その重合比は9:1〜
5:5が好ましい。
【0017】EO基とPO基を有するアミン化合物の代
表的なものは下記一般式で表される。
【0018】
【化1】 式中R1及びR2は、脂肪族基またはEO基とPO基が重
合した基を表し、m及びnはそれぞれEO基またはPO
基の繰り返し単位を表す。
【0019】更に詳細に説明すると、脂肪族基として
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げら
れる。これらの脂肪族基はアミノ基等で置換されていて
も良い。更にアミノ基は脂肪族基で置換されていても良
いし、または、EO基とPO基が重合した基が付加して
いても良い。好ましくはR1、R2のどちらか一方がEO
基とPO基が重合した基であり、他方が炭素数4〜18
の脂肪族基である。以下に具体的な化合物を挙げる。
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】次にEO基とPO基を有する脂肪族アミド
化合物を説明する。該化合物の代表的なものは下記一般
式で表される。
【0025】
【化6】 式中R3及びR4は、脂肪族基またはEO基とPO基が重
合した基を表す。m及びnは化1と同義である。
【0026】更に詳細に説明すると、R3の脂肪族基と
してはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げ
られる。これらの炭素数は4〜18程度が好ましい。R
4の脂肪族基としてはアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基が挙げられる。R4は、好ましくはEO基とP
O基が重合した基である。以下に具体的な化合物を挙げ
る。
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】次に、EO基とPO基を有する4級アンモ
ニウム化合物を説明する。該化合物の代表的なものは下
記一般式で表される。
【0030】
【化9】 式中R5はR3と同義であり、R6、R7はR4と同義であ
る。またm及びnは化1と同義である。化9の中で好ま
しい化合物は、R5が炭素数4〜18の脂肪族基、R6
びR7がEO基とPO基が重合した基である。以下に具
体的な化合物を挙げる。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】上記のEO基とPO基を有する化合物の添
加量は処理液1リットル当たり1.0×10-4〜0.5
モルの範囲で含有させるが、好ましくは1.0×10-3
〜0.2モルである。
【0034】本発明で用いられる2つ以上のメルカプト
基を有するトリアジンまたはその誘導体の具体例として
はチオシアヌル酸、2,4−ジメルカプトトリアジン、
2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミノトリアジ
ン、2,4−ジメルカプト−6−フェニルアミノトリア
ジン、2,4−ジメルカプト−6−ベンジルトリアジン
等が挙げられるがこれらには限定されない。
【0035】本発明に用いられる脂肪族基及び芳香族基
を有さず、且つ1級アミノ基を有するモノメルカプト含
窒素複素環化合物の含窒素複素環としてはアゾール類が
好ましく例えばイミダゾール、トリアゾール、テトラゾ
ール、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、オ
キサジアゾール等が挙げられる。これらの中でもチアジ
アゾールが好ましい。化合物の具体例としては2−メル
カプト−5−アミノチアジアゾール、2−メルカプト−
5−アミノオキサジアゾール、2−メルカプト−5−ア
ミノイミダゾール、1−メルカプト−5−アミノテトラ
ゾ−ル、3−メルカプト−4−アミノトリアゾール、3
−メルカプト−5−アミノトリアゾール、2−メルカプ
ト−5−アミノチアゾール、2−メルカプト−4−アミ
ノチアゾール、2−メルカプト−5−アミノオキサゾー
ル、2−メルカプト−4−アミノオキサゾール等が挙げ
られるがこれらに限定はされない。
【0036】これらの化合物の添加量は処理液1リット
ル当たり1×10-4〜0.5モル、好ましくは1×10
-3〜0.2モルである。
【0037】本発明がスターター液に適用される場合、
印刷開始前に版面に塗布する形式で用いられる。その使
用時期は、印刷版が一連の製版工程を終了し、版面が乾
燥してより後、印刷機に装着され、印刷が開始されるま
での間であればいずれの時期であっても処理可能であ
る。
【0038】また、前記スターター液の版面への塗布方
法はウエスやスポンジ等を使用した手作業による塗布の
他、市販の自動塗布装置を用いて塗布することも可能で
ある。
【0039】スターター液にはアルミニウム平版印刷版
の表面を保護する目的でアラビアゴム、デキストリン、
カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンスルホン
酸、ポリビニルアルコール等のポリマーを含有する事が
好ましい。
【0040】また、一般的に用いられている保恒剤、保
存剤等を混合することができる。例えばイミノ二酢酸、
エチレンジアミン四酢酸等のキレート剤も混合すること
ができる。
【0041】更に処理液pHを4〜9、好ましくは5〜
8の範囲に緩衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、ク
エン酸塩緩衝剤、硫酸塩緩衝剤またはそれらの混合物を
含有することができる。
【0042】また、アルミニウム表面に対して防錆性を
向上させるためにアルカノールアミン化合物を混合する
事もできる。
【0043】水洗液に本発明を適用した場合、該水洗液
にはpHを4〜10、好ましくは4.5〜8の範囲に緩
衝させる緩衝剤、例えば燐酸塩緩衝剤、クエン酸塩緩衝
剤またはそれらの混合物を含有することができる。ま
た、防腐剤を含有させてもよい。水洗液中には更にタン
パク質分解酵素(例えば、ペプシン、レンニン、トリプ
シン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、フィシ
ン、トロンビン、レニン、コラゲナーゼ、ブロメライ
ン、細菌プロティナーゼ)や、特公昭48―29723
号及び特開昭58−127928号に記載されている親
油化剤を含有させることができる。
【0044】上記水洗液はアルミニウム支持体上のハロ
ゲン化銀乳剤層を完全に除去するために用いるもので、
25〜45℃の水洗液をジェット方式で吹き付ける方
法、または水洗液を吹き付けながらスクラブローラで乳
剤層を剥離する方法が一般的に用いられるが、特開平3
−116151号、同平4−318553号に記載され
ている剥離シートの様なものを用いて乳剤層を除去する
こともできる。
【0045】アルミニウム平版印刷版において、ハロゲ
ン化銀乳剤層の水洗除去は、銀画像部及びアルミニウム
表面自身で構成する非画像部を完全に露出させるために
極めて重要な工程である。とりわけ、インキを受容する
銀画像部は強い親油性が必要であり、ゼラチン等の親油
性を阻害する物質は完全に排除する必要がある。
【0046】更に仕上げ液に本発明を適用した場合、仕
上げ液には、非画像部の陽極酸化層の保護及び親水性向
上のために、アラビヤガム、デキストリン、アルギン酸
ナトリウム、アルギン酸のプロピレングリコールエステ
ル、ヒドロキシエチル澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリド
ン、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール等
の保護コロイドを含有することが好ましい。また、画像
部の親油性を更に向上させるために、上記親油化剤を含
有することが好ましい。更に上記酵素を含有することも
できる。
【0047】本発明が対象とする平版印刷版は、アルミ
ニウム支持体上に物理現像核及びハロゲン化銀乳剤層を
有する。ハロゲン化銀乳剤は、一般に用いられる塩化
銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ
臭化銀等から選択されるが、塩化銀主体(塩化銀50モ
ル%以上のものを意味する)が好ましい。また乳剤のタ
イプとしてはネガ型、ポジ型のいずれでもよい。これら
のハロゲン化銀乳剤は必要に応じて化学増感あるいはス
ペクトル増感することができる。
【0048】ハロゲン化銀乳剤層の親水性コロイドとし
てはゼラチンを用いることがハロゲン化銀粒子を作成す
る際に好ましい。ゼラチンには酸処理ゼラチン、アルカ
リ処理ゼラチン等各種ゼラチンを用いることができる。
また、それらの修飾ゼラチン(例えばフタル化ゼラチ
ン、アミド化ゼラチンなど)も用いることができる。ま
た、更にポリビニルピロリドン、各種でんぷん、アルブ
ミン、ポリビニルアルコール、アラビアガム、ヒドロキ
シエチルセルロース、等の親水性高分子化合物を含有さ
せることができる。用いられる親水性コロイドとして
は、現像後の剥離性を容易にするために実質的に硬膜剤
を含まない親水性コロイド層を用いることが望ましい。
【0049】本発明の平版印刷版の乳剤層には、必要に
応じてアニオン、カチオン、ベタイン、ノニオン系の各
種界面活性剤、カルボキシメチルセルロース等の増粘
剤、消泡剤等の塗布助剤、エチレンジアミンテトラアセ
テート等のキレート剤、ハイドロキノン、ポリヒドロキ
シベンゼン類、3−ピラゾリジノン類等の現像主薬を含
有させてもよい。
【0050】本発明に用いられるアルミニウム支持体
は、粗面化され、陽極酸化されたアルミニウム板であ
り、特開昭63−260491号、米国特許第5,42
7,889号公報に記載された方法、または一般に知ら
れているPS版用のアルミニウム支持体の製造方法等に
よって作ることができる。
【0051】本発明で用いられる物理現像核層の物理現
像核としては、公知の銀錯塩拡散転写法に用いられるも
のでよく、例えば金、銀等のコロイド、パラジウム、亜
鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物などが使
用できる。保護コロイドとして各種親水性コロイドを用
いることもできる。これらの詳細及び製法については、
例えば、特公昭48−30562号、特開昭48−55
402号、同53−21602号、フォーカル・プレ
ス、ロンドン ニューヨーク(1972年)発行、アンドレ
ロット及びエディス ワイデ著、「フォトグラフィッ
ク・シルバー・ハライド・ディヒュージョン・プロセシ
ズ」を参照し得る。
【0052】本発明において、物理現像核層とハロゲン
化銀乳剤層の間に、特開平3−116151号公報記載
の水膨潤性中間層、同平4−282295号公報に記載
の疎水性重合体ビーズを含有する中間層を設けてもよ
い。
【0053】上記アルミニウム平版印刷版の現像処理方
法としては多量の現像液を槽中に貯留し、その槽中に平
版印刷版を挿入する現像処理方法及び特開平6−515
21号、同平6−51520号、同平7−234517
号、特開2001−174970号に開示されている様
な平版印刷版上に現像液を塗布する現像処理方法のいず
れの方法であっても得られた平版印刷版は使用すること
ができる。
【0054】以下に本発明を実施例により説明する。
【0055】
【実施例】実施例1 幅1030mm、厚み0.24mmのA1050タイプアル
ミニウム板帯を13m/minの処理速度で移動させ、60
℃、4%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した
後、水洗し、30℃の1.5%の塩酸と2%の酢酸を満
たした間接給電方式の電解槽に浸漬し、電源より40A
/dm2、50Hzの単相交流電流を30秒間流して、
交流電解粗面化し、水洗し、その後70℃、6%硝酸水
溶液に10秒間浸漬してデスマットし、水洗し、乾燥し
た。さらに25℃、20%硫酸中に通し、陽極酸化を行
い、陽極酸化アルミニウム量2.0g/m2のアルミニウ
ム支持体を得た。
【0056】これらのアルミニウム支持体に硫化パラジ
ウム核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含
まれる核量は1mg/m2であった。
【0057】ハロゲン化銀乳剤の調製は、保護コロイド
としてアルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブ
ルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイ
リジウム(III)酸カリウムを銀1モル当たり0.00
6ミリモルドープさせた臭化銀15モル%、ヨウ化銀
0.4モル%の塩ヨウ臭化銀乳剤を調製した。その後、
この乳剤をフロキュレーションさせ、洗浄した。さらに
この乳剤に硫黄金増感を施した後、安定剤を添加し、増
感色素を銀1g当たり3mg用いて赤色領域に分光増感
した。
【0058】このようにして作成したハロゲン化銀乳剤
に界面活性剤を加えて塗布液を作成した。この乳剤層塗
布液を前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体
上に銀量が2g/m2、ゼラチン量が2.0g/m2になる
ように塗布乾燥して平版印刷材料を得た。
【0059】上記平版印刷材料を633nmの赤色LD
レーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用
プロセッサー(三菱製紙社製P−α880自動現像機)
で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサー
は、現像処理工程(22℃、10秒間浸漬)、水洗処理
工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながら
スクラブローラで乳剤層をウオッシュオフする)、仕上
げ処理工程(20℃、5秒間ローラー塗布)及び乾燥工
程から構成されている。
【0060】用いた処理液を下記に示す。 〈現像液〉 水酸化ナトリウム 30g ポリスチレンスルホン酸と無水マレイン酸共重合体 (平均分子量50万) 10g ハイドロキノン 15g 1−フェニル−3ピラゾリジノン 3g 亜硫酸ナトリウム 100g モノメチルエタノールアミン 50g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.1g 5メルカプト1フェニルテトラゾール 0.8g 5メチルベンゾトリアゾール 0.2g チオ硫酸ナトリウム 20g アミノトリメチレンホスホン酸 7g 硫酸カルシウム 1g 水を加えて全量を1リットルに調整する。pHは13.3に調整した。
【0061】 〈水洗液〉 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g トリエタノールアミン 20g 重亜硫酸カリウム 6gアミノトリメチレンホスホン 酸 20g タンパク質分解酵素 1g 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは7.4に調整した。 タンパク質分解酵素として、ビオプラーゼAL−15
(細菌プロティナーゼ、長瀬産業(株)製)を用いた。
【0062】 〈仕上げ液〉 燐酸 100g N−メチルエタノールアミン 30g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5gホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコールアルキルエーテル 90g 硝酸ソーダ 20g アラビアゴム 50gエチレンシ゛アミン 4酢酸 0.5g タンパク質分解酵素 1g 脱イオン水で1000mlとする。pHは5.4に調整した。
【0063】上記処理液を用いて処理されたアルミニウ
ム平版印刷版を印刷機ハイデルベルグTOK(Heidelber
g社製オフセット印刷機の商標)に装着し、スポンジに
しみ込ませたスターター液を手作業にて版面に塗布し
た。なおインキは大日本インキ(株)社製のGEOS−
G藍H、給湿液は市販のPS版用給湿液を用いて印刷を
行い、多数枚印刷時のインキ着肉性を良好な印刷物が得
られなくなる時の印刷枚数で評価した。用いたスタータ
ー液を以下に示す。
【0064】〈スターター液〉 トリエタノールアミン 10g アラビアガム 10g エイレンジアミン4酢酸 1g 化合物A 5.0×10-2モル 化合物B 1.0×10-2モル 硫酸緩衝剤にてpHを7.0に調整した後、水を加えて
全体を1Lにした。
【0065】前記化合物Aとしては化2、化7あるいは
化10を用いた。結果を表1に示す。なお本発明の比較
として下記化合物を使用した。
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】
【化14】
【0069】
【化15】
【0070】
【化16】
【0071】
【化17】
【0072】
【表1】 ──────────────────────────────────── スターター液 化合物A 化合物B インキ着肉性 備 考 ──────────────────────────────────── 1 化2 化12 5万枚 比 較 2 化2 化13 5万枚 比 較 3 化2 化14 6万枚 比 較 4 化2 化15 6万枚 比 較 5 化2 化16 5万枚 比 較 6 化2 化17 5万枚 比 較 7 化2 2-メルカフ゜トー5-アミノチアシ゛アソ゛ール 18万枚 本発明 8 化2 2,4-シ゛メルカフ゜ト-6-シ゛フ゛チルアミノトリアシ゛ン 20万枚 本発明 9 化2 チオシアヌル酸 18万枚 本発明 10 化2 3-メルカフ゜トー4-アミノトリアソ゛ール 15万枚 本発明 11 化7 2-メルカフ゜トー5-アミノチアシ゛アソ゛ール 15万枚 本発明 12 化7 2,4-シ゛メルカフ゜ト-6-シ゛フ゛チルアミノトリアシ゛ン 18万枚 本発明 13 化7 チオシアヌル酸 15万枚 本発明 14 化7 3-メルカフ゜トー4-アミノトリアソ゛ール 13万枚 本発明 15 化10 2-メルカフ゜トー5-アミノチアシ゛アソ゛ール 15万枚 本発明 16 化10 2,4-シ゛メルカフ゜ト-6-シ゛フ゛チルアミノトリアシ゛ン 18万枚 本発明 17 化10 チオシアヌル酸 15万枚 本発明 18 化10 3-メルカフ゜トー4-アミノトリアソ゛ール 13万枚 本発明 ────────────────────────────────────
【0073】上記結果より本発明の処理方法をスタータ
ー液に用いる事により、多数枚の印刷時のインキ着肉性
の低下を防止できることがわかる。
【0074】実施例2 本発明を水洗液に適用した。下記水洗液を用いて平版印
刷版の処理を行った以外は実施例1と同様に実施し、イ
ンキ着肉性を評価した。結果を表2に示す。
【0075】 〈水洗液〉 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5g トリエタノールアミン 20g 重亜硫酸カリウム 6gアミノトリメチレンホスホン 酸 20g タンパク質分解酵素 1g 化合物A 5.0×10-2モル 化合物B 1.0×10-2モル 水を加えて全量を1000ccに調整する。pHは7.4に調整した。
【0076】
【表2】 ──────────────────────────────────── 水洗液 化合物A 化合物B インキ着肉性 備考 ──────────────────────────────────── 1 化2 化12 4万枚 比 較 2 化2 化13 4万枚 比 較 3 化2 化14 5万枚 比 較 4 化2 化15 6万枚 比 較 5 化2 化16 4万枚 比 較 6 化2 化17 5万枚 比 較 7 化2 2-メルカフ゜ト-5-アミノチアシ゛アソ゛ール 15万枚 本発明 8 化2 2,4-シ゛メルカフ゜ト-6-シ゛フ゛チルアミノトリアシ゛ン 17万枚 本発明 9 化2 チオシアヌル酸 15万枚 本発明 10 化2 3-メルカフ゜ト-4-アミノトリアソ゛ール 12万枚 本発明 ────────────────────────────────────
【0077】実施例3 本発明を仕上げ液に適用した。下記仕上げ液を用いて平
版印刷版の処理を行った以外は実施例1と同様に実施
し、インキ着肉性を評価した。結果を表3に示す。
【0078】 〈仕上げ液〉 燐酸 100g N−メチルエタノールアミン 30g 2-メルカフ゜ト-5-nヘフ゜チルオキサシ゛アソ゛ール 0.5gホ゜リフ゜ロヒ゜レンク゛リコールアルキルエーテル 90g 硝酸ソーダ 20g アラビアゴム 50gエチレンシ゛アミン 4酢酸 0.5g タンパク質分解酵素 1g 化合物A 5.0×10-2モル 化合物B 1.0×10-2モル 脱イオン水で1000mlとする。pHは5.4に調整した。
【0079】
【表3】 ──────────────────────────────────── 仕上げ液 化合物A 化合物B インキ着肉性 備考 ──────────────────────────────────── 1 化2 化12 5万枚 比 較 2 化2 化13 5万枚 比 較 3 化2 化14 6万枚 比 較 4 化2 化15 6万枚 比 較 5 化2 化16 5万枚 比 較 6 化2 化17 5万枚 比 較 7 化2 2-メルカフ゜トー5-アミノチアシ゛アソ゛ール 16万枚 本発明 8 化2 2,4-シ゛メルカフ゜ト-6-シ゛フ゛チルアミノトリアシ゛ン 19万枚 本発明 9 化2 チオシアヌル酸 17万枚 本発明 10 化2 3-メルカフ゜トー4-アミノトリアソ゛ール 13万枚 本発明 ────────────────────────────────────
【0080】上記結果より本発明を仕上げ液に適用して
もその効果が確認された。
【0081】
【発明の効果】上記結果から、本発明の処理方法を多数
枚の印刷時に発生するインキ着肉性の低下を防止し、安
定した印刷品質を得ることが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化されたアルミニウム支持体とハ
    ロゲン化銀乳剤層の間に物理現像核を有する銀錯塩拡散
    転写法を利用した平版印刷版を露光、現像処理後に前記
    平版印刷版を、プロピレンオキシ基とエチレンオキシ基
    を有するアミン化合物、プロピレンオキシ基とエチレン
    オキシ基を有する脂肪族アミド化合物及びプロピレンオ
    キシ基とエチレンオキシ基を有する4級アンモニウム化
    合物群から選ばれる少なくとも一種の化合物と、2つ以
    上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその置換
    誘導体、または脂肪族基及び芳香族基を有さず、且つ1
    級アミノ基を有するモノメルカプト含窒素複素環化合物
    を含有する処理液で処理することを特徴とする平版印刷
    版の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記処理液がスターター液である請求項
    1記載の平版印刷版の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013196779A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Mitsubishi Paper Mills Ltd 導電性材料の製造方法および導電性材料
CN106601614A (zh) * 2016-12-30 2017-04-26 常州亿晶光电科技有限公司 一种刻蚀非晶硅太阳能电池铝膜的方法

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