JP2003293266A - ガラスクロス開繊方法 - Google Patents

ガラスクロス開繊方法

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JP2003293266A
JP2003293266A JP2002096652A JP2002096652A JP2003293266A JP 2003293266 A JP2003293266 A JP 2003293266A JP 2002096652 A JP2002096652 A JP 2002096652A JP 2002096652 A JP2002096652 A JP 2002096652A JP 2003293266 A JP2003293266 A JP 2003293266A
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glass cloth
glass
glass fiber
foaming
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Morimasa Matsumoto
守正 松本
Masayoshi Yoshida
匡嘉 吉田
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Nitto Boseki Co Ltd
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Nitto Boseki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス繊維フィラメントの切断、毛羽の発生
及び目曲がりを抑制しつつ、経糸及び緯糸を略同等に開
繊することのできる開繊方法を提供すること 【解決手段】 発泡剤が付着したガラスクロスを、該発
泡剤の発泡温度以上に加熱することを特徴とするガラス
クロス開繊方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスクロス開繊
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスクロスは、プリント配線基板を構
成するプリプレグの補強材として使用されている。プリ
プレグは、ガラスクロスに樹脂を含浸させて樹脂を半硬
化させることにより作製されるが、かかるプリプレグの
製造工程において、ガラスクロスの樹脂含浸性を向上さ
せてプリプレグの強度を均一化させるために、ガラスク
ロスを開繊(ガラスクロスの経糸及び緯糸を構成するガ
ラス繊維束を解して、ガラス繊維束を構成するガラス繊
維フィラメント間の間隔を増大させることをいう。)す
る必要がある。
【0003】ガラスクロスを開繊する従来の方法として
は、脱油処理(ガラスクロスに付着した有機成分を焼成
等により除去することをいう。)したガラスクロスに高
圧水流をあてる方法(特開昭61−194252号公
報)、脱油処理したガラスクロスを水中で振動を与える
方法(特開平2−200861号公報)、三角柱状の棒
の稜でガラスクロスを擦る方法(特開昭63−2196
9号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高圧水
流を当てたり振動を与えたりする上記方法では、ガラス
繊維フィラメントが切断しやすく、毛羽も発生しやすい
という問題があった。また、厚さ50μm以下の薄いガ
ラスクロスでは水圧や振動によりガラスクロスを構成す
るガラス繊維が大きく動き、目曲がりが発生しやすいと
いう問題があった。更に、緯糸に比べ経糸が開繊しにく
い問題もあった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、ガラスクロスを構成するガラス
繊維フィラメントの切断、毛羽の発生及び目曲がりを防
止することができるのみならず、経糸及び緯糸を略同等
に開繊することのできる開繊方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡剤が付着した
ガラスクロスを加熱することにより、上記目的が達成可
能であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明のガラスクロス開繊方法
は、発泡剤が付着したガラスクロスを、該発泡剤の発泡
温度以上に加熱することを特徴とするものである。
【0008】本発明においては、発泡剤の発泡により、
ガラスクロスの経糸及び/又は緯糸を構成するガラス繊
維束を解して、ガラス繊維束を構成するガラス繊維フィ
ラメント間の間隔を増大させるために、摩擦力等に基づ
く開繊に比べてガラス繊維フィラメントの切断が起こり
難く、毛羽の発生も抑制される。また、発泡剤の発泡は
経糸及び緯糸において同様の条件で生じることから、経
糸と緯糸の開繊の状態が略同等となる。また、発泡剤を
経糸、緯糸のいずれか一方に付着させることにより、発
泡剤を付着させた糸のみを選択的に開繊させることも可
能になる。
【0009】上記発泡剤としては、加熱により気体を発
生する発泡剤及び加熱により体積膨張する発泡剤からな
る群より選ばれる少なくとも1つの発泡剤が好ましい。
かかる発泡剤を用いることによりガラスクロスの開繊が
より効率的に生じるようになる。
【0010】また、発泡剤が付着した上記ガラスクロス
としては、(1)経糸及び緯糸が複数本のガラス繊維フ
ィラメントからなるガラスクロスに、発泡剤を含む処理
液を付着せしめて得られたもの、(2)ガラス繊維フィ
ラメントを複数本集束してなるガラス繊維束に発泡剤を
含む処理液を付着せしめて得られる付着物を、製織すべ
き経糸及び緯糸の少なくとも一方に用いたガラスクロ
ス、又は(3)発泡剤を含むガラス繊維用集束剤でガラ
ス繊維フィラメントを複数本集束してなるガラス繊維束
を、製織すべき経糸及び緯糸の少なくとも一方に用いた
ガラスクロス、を用いることができる。
【0011】上記の方法で発泡剤が付着したガラスクロ
スを作製することにより、開繊のための特別な機械や処
理方法を用いることなく、既存のガラスクロスの製造設
備が使用でき、開繊のためのコストを低減することもで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るガラスクロス開繊方法の好適な実施形態につい
て詳細に説明する。尚、同一要素には同一符号を用いる
ものとし、重複する説明は省略する。
【0013】図1は、発泡剤が付着した加熱前のガラス
クロス1を模式的に示す斜視図である。同図に示される
ガラスクロス1は、複数のガラス繊維フィラメント16
からなる経糸10と、複数のガラス繊維フィラメント1
6からなる緯糸12とが、交互に交差した構造を有して
おり、経糸10及び緯糸12には発泡剤14aが付着し
ている。図1に示すように、互いに隣り合う経糸10と
緯糸12で仕切られてなる間隙20は大きく、この状態
で例えばガラス繊維強化樹脂形成用のマトリックス樹脂
を含浸させようとしても、マトリックス樹脂が経糸10
及び緯糸12を構成するガラス繊維フィラメント16間
に進入することは困難である。
【0014】図2は、発泡剤が付着したガラスクロスを
発泡剤の加熱温度以上に加熱した後のガラスクロス1を
模式的に示す斜視図である。同図に示すガラスクロス1
は、図1に示すのと同様に、複数のガラス繊維フィラメ
ント16からなる経糸10と、複数のガラス繊維フィラ
メント16からなる緯糸12とが、交互に交差した構造
を有しており、経糸10及び緯糸12には発泡後の発泡
剤14bが付着しているが、発泡剤14aの発泡により
経糸10及び緯糸12を構成するガラス繊維フィラメン
ト16間が広がっており、この結果、互いに隣り合う経
糸10と緯糸12で仕切られてなる間隙20は小さくな
っている。したがって、この状態でガラス繊維強化樹脂
形成用のマトリックス樹脂を含浸させた場合には、マト
リックス樹脂が経糸10及び緯糸12を構成するガラス
繊維フィラメント16間に容易に進入することから、全
体としての均一性が向上しボイドの発生も抑えられるた
めに、得られるガラス繊維強化樹脂の特性が向上する。
【0015】本発明において、ガラスクロスにおける発
泡剤の付着状態は任意であり、例えば、以下に述べるよ
うな付着がなされていればよい。
【0016】すなわち、発泡剤14aは、経糸10と緯
糸12の交点、経糸10及び/又は緯糸12の表面、経
糸10及び緯糸12を構成するガラス繊維フィラメント
16間等に存在していることが好ましい。発泡をより効
率的に行う観点からは、発泡剤14aは少なくとも経糸
10及び緯糸12を構成するガラス繊維フィラメント1
6間に存在することが好ましい。また、発泡剤14aが
粒子状である場合は粒子として付着していればよく、皮
膜形成能を有する場合は皮膜(連続皮膜である必要はな
い)として付着していることが好ましい。
【0017】ガラスクロスは、複数本のガラス繊維フィ
ラメントをガラス繊維用集束剤で集束してなるガラス繊
維束を経糸及び緯糸として用い、これらを製織して製造
される。そして、ガラス繊維強化樹脂を作製する際のマ
トリックス樹脂との濡れ性を確保するために、通常は加
熱により付着したガラス繊維用集束剤を除去し(脱油処
理)、更にシランカップリング剤を付着させる。
【0018】本発明において発泡剤を付着させるガラス
クロスは、脱油前のガラス繊維用集束剤が付着したガラ
スクロスであっても、脱油してガラス繊維用集束剤が除
去された状態のガラスクロスであっても、脱油後シラン
カップリング剤を付着させたガラスクロスであってもよ
い。なお、ガラス繊維用集束剤が付着したガラスクロス
を用いた場合は、例えば、加熱温度を調整して発泡によ
る開繊と脱油とを同時に行うこともできる。
【0019】発泡による開繊と脱油とを同時に行う場合
における脱油の方法としては、例えば、ガラスクロスを
加熱炉中に流しながら脱油する連続脱油や、巻芯に巻い
たガラスクロスを長時間加熱炉に投入して脱油するバッ
チ式脱油が挙げられる。バッチ式脱油では巻き取ったガ
ラスクロスを用いることから、ガラスクロスが積層され
た状態で発泡が生じるため、ガラスクロスの厚み方向と
垂直な方向に開繊が生じやすい。したがって、バッチ式
脱油は、発泡による開繊と脱油とを同時に行う場合にお
ける脱油方法として好適である。
【0020】ガラスクロスを構成するガラス繊維フィラ
メントとしては、Eガラス、Sガラス、Cガラス、Dガ
ラス、低誘電ガラス等からなるガラス繊維フィラメント
を用いることができるが、Eガラスからなるものが好ま
しい。また、ガラス繊維フィラメントの繊維径は3〜1
3μmであることが好ましく、ガラスクロスを構成する
経糸及び緯糸は、ガラス繊維フィラメントを50〜35
00本(好ましくは50〜1200本)束ねた、2〜5
00TEX(好ましくは5〜68TEX)のガラス繊維
束からなるものが好ましい。なお、ガラス繊維束は加撚
(13回/25mm以下が好ましい)が施されたもので
あってもよい。
【0021】ガラスクロスは、2〜500TEX(好ま
しくは5〜68TEX)のガラス繊維束を用いて、織り
密度が、経方向で16〜70本/25mm、緯方向で1
5〜70本/25mmになるように織られたものが好ま
しい。
【0022】なお、本発明のガラスクロス開繊方法は、
発泡剤の発泡により開繊を行うものであるため、通常の
厚さ(厚さ:100〜200μm程度)のガラスクロス
の開繊はもとより、従来技術では非常に困難であった、
薄物のガラスクロス(厚さ:50〜100μm程度)又
は超薄物のガラスクロス(厚さ:15〜50μm程度)
に対しても良好な開繊が可能である。そして、薄物又は
超薄物のガラスクロスを用いた場合であっても、ガラス
繊維フィラメントの切断や毛羽立ちが生じ難い。
【0023】ガラスクロスの付着させる発泡剤は、加熱
により気体を発生する発泡剤及び加熱により体積膨張す
る発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1つの発泡
剤が好ましい。加熱により気体を発生する発泡剤の例と
しては、アゾジカルボンアミド、重炭酸ナトリウム、重
炭酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、炭酸アンモン、アゾ
ビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒド
ラジド、4、4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒド
ラジド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒド
ラジン、ジニトロソペンタメチルテトラミン、p−トル
エンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリア
ジン、バリウムアゾジカルボキシレート、トルエンスル
ホヒドラジド、ジフェニルオキシ−4,4’−ジスルホ
ヒドラジド、tert−ブチルアミンニトリル、ニトロユリ
ア等の自己反応性の化合物が挙げられ、発泡助剤とし
て、フタル酸、サリチル酸、ステアリン酸、ステアリン
酸塩(亜鉛塩、鉛塩、バリウム塩、カドミウム塩等)、
ホウ酸、イミダゾール、チオ尿素、尿素等を添加しても
よい。
【0024】加熱により体積膨張する発泡剤の例として
は、内部に加熱により発泡する液体を包含するプラスチ
ックビーズが挙げられる。かかるプラスチックビーズと
しては、日本フィライトより提供されるエクスパンセル
(商品名)、松本油脂製薬社より提供されるマツモトマ
イクロスフェア(商品名)が例示可能である。なお、無
機塩類を使用する場合は発泡後、水洗等で残渣を除去す
ることが好ましい。
【0025】発泡剤が付着したガラスクロスを加熱する
温度は、発泡剤の発泡温度以上であればよい。ここで発
泡温度とは発泡剤を未発泡の状態で維持可能な最高温度
を超した温度を意味し、その温度は発泡剤の種類により
異なる。発泡剤が付着したガラスクロスを加熱する温度
としては、発泡温度以上、ガラスクロスが著しく劣化す
る温度未満であればよいが、70〜500℃が好まし
く、70〜200℃がより好ましい。また、加熱時間
は、発泡剤の種類、開繊の度合い及び加熱温度によって
適宜決定できるが、15秒〜48時間とすることが好ま
しく、5分〜2時間がより好ましい。なお、脱油と同時
に発泡させる場合は、一般の脱油条件で発泡させること
が可能である。
【0026】加熱により気体を発生する発泡剤を用いた
場合であって、発泡剤が全て気体に変化する場合には、
加熱後(開繊後)のガラスクロスには発泡剤が残留しな
い(図2における、発泡後の発泡剤14bは存在しな
い)。一方、加熱により体積膨張する発泡剤を用いた場
合は、加熱後(開繊後)のガラスクロスには体積膨張し
た発泡剤が残留するが、必要により、脱油処理等を施す
ことによりかかる発泡剤を除去することができる。
【0027】ガラスクロスに付着させる発泡剤の量は、
発泡性能やガラスクロスの番手などにより適宜選択する
ことができるが、ガラスクロス100重量部に対して、
0.1〜30重量部であることが好ましい。発泡剤の重
量が0.1重量部未満の場合は開繊が不充分になる場合
があり、30重量部を超すと発泡が激しすぎてガラス繊
維フィラメントの表面が荒れる場合がある。なお、発泡
剤の量を変化させることにより、開繊の度合いを容易に
制御することが可能になる。
【0028】発泡剤が付着したガラスクロスを得る方法
としては、(1)経糸及び緯糸が複数本のガラス繊維フ
ィラメントからなるガラスクロスに、発泡剤を含む処理
液を付着せしめる方法(以下、「第1の方法」とい
う。)、(2)ガラス繊維フィラメントを複数本集束し
てなるガラス繊維束に、発泡剤を含む処理液を付着せし
めて、それを経糸及び緯糸の少なくとも一方(好ましく
は経糸及び緯糸の両方)として用い製織する方法(以
下、「第2の方法」という。)、及び(3)発泡剤を含
むガラス繊維用集束剤でガラス繊維フィラメントを複数
本集束してなるガラス繊維束を、製織すべき経糸及び緯
糸の少なくとも一方(好ましくは経糸及び緯糸の両方)
として用いてこれらを製織する方法(以下、「第3の方
法」という。)が採用可能である。
【0029】第1の方法においては上述したガラスクロ
スに発泡剤を含む処理液を付着させればよく、処理液は
水やアルコール等の溶媒に上述した発泡剤を溶解及び/
又は分散させたものを用いることができる。処理液にお
ける発泡剤の濃度は任意であり、発泡剤の種類や開繊の
度合いに応じて適宜変更することができる。
【0030】第1の方法における処理剤は、ガラス繊維
用集束剤(又は二次サイズ剤)として用いられる成分に
発泡剤を添加したものであってもよい。なお、ガラス繊
維用集束剤は、皮膜形成剤、発泡剤及び水を基本成分と
しており、かかる集束剤に対して任意の含有量で発泡剤
を添加することができる。
【0031】ガラス繊維用集束剤に用いられる皮膜形成
剤としては、澱粉及び/又はポリビニルアルコールが好
適である。また、潤滑剤としては、変性シリコーンオイ
ル、牛脂油等の動物油及びこの水素添加物;ゴマ油、ナ
タネ油、パーム油等の植物油及びこの水素添加物;高級
飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物;パラフィン
ワックス;ポリエチレンイミン等が例示できる。ガラス
繊維用集束剤は、これらの成分以外に、界面活性剤、防
腐剤及び帯電防止剤等の添加成分を更に含んでいてもよ
く、アルコール等の有機溶剤を少量含有していてもよ
い。
【0032】ガラスクロスに処理液を付着させる方法と
しては、ガラスクロスに処理液をロールコーター、グラ
ビアコータ−等で塗布する方法、処理液をスプレー塗布
する方法、処理液中にガラスクロスを含浸させる方法が
採用可能である。
【0033】第2の方法は、ガラスクロスを作製する前
に経糸及び/又は緯糸に発泡剤を含む処理液を付着させ
る方法であり、経糸及び/又は緯糸は上述したような公
知の集束剤でガラス繊維フィラメントを集束したものを
用いることができる。
【0034】第2の方法では、第1の方法において用い
るのと同様の処理液が採用可能である。すなわち、水や
アルコール等の溶媒に発泡剤を溶解及び/又は分散させ
たもの、ガラス繊維用集束剤(又は二次サイズ剤)に発
泡剤を添加したもの等を用いることができる。
【0035】第3の方法は、発泡剤を含有するガラス繊
維用集束剤でガラス繊維フィラメントを集束することに
より、経糸及び/又は緯糸となるべきガラス繊維束を製
造し、これらを製織する方法である。ここで用いられる
処理液としては、第1の方法において例示した、皮膜形
成剤、発泡剤、水及び発泡剤を基本成分とするガラス繊
維用集束剤が挙げられる。なお、かかる集束剤を、第2
の方法においてガラス繊維フィラメントを集束する集束
剤に用いてもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0037】(実施例1)以下の表1に示す組成の溶液
(二次サイズ剤溶液)を調製し、かかる溶液5重量部に
対して水を95重量部添加して希釈液を作製した。
【表1】
【0038】かかる希釈液90重量部に、加熱により体
積膨張する発泡剤であるマツモトマイクロスフェアF−
30(松本油脂製薬社製)5重量部、加熱により気体を
発生する発泡剤であるアゾジカルボンアミド5重量部を
添加し、処理液とした。次いで、かかる処理液に20c
m×50cmに切断したガラスクロス(日東紡績社製、
WEAO5E(IPCスペック 1080スタイル)を浸漬
し、ガラスクロスに処理剤を含浸させ、このガラスクロ
スをマングルローラーで絞り水分率が30%になるよう
に調整した。110℃で5分乾燥させ、ガラスクロス1
00重量部に対して発泡剤が合計で3重量部付着した発
泡剤付着ガラスクロスを得た。次に、発泡剤付着ガラス
クロスを昇温速度10℃/分で100℃から200℃に
昇温して発泡剤を発泡させ、更にマッフル炉において4
00℃で30分加熱することにより、発泡剤を完全に発
泡させるとともに、マツモトマイクロスフェアF−30
中の有機分と表1の組成を有する溶液に含まれる成分を
脱油して除去した。加熱終了後(開繊後)のガラスクロ
スの顕微鏡写真を図3に示す。
【0039】(実施例2)表1に示す組成の溶液を調製
し、かかる溶液5重量部に対して水を95重量部添加し
て希釈液を作製した。かかる希釈液95重量部に、加熱
により気体を発生する発泡剤であるアゾジカルボンアミ
ド5重量部を添加し、処理液とした。かかる処理液を用
い実施例1と同様にして発泡剤付着ガラスクロスを得
た。そして、実施例1と同様にして、この発泡剤付着ガ
ラスクロスをマッフル炉で加熱し、開繊及び脱油を行っ
た。なお、ガラスクロス100重量部に対する発泡剤の
付着量は1.5重量部であった。加熱終了後(開繊後)
のガラスクロスの顕微鏡写真を図4に示す。
【0040】(比較例1)表1に示す組成の溶液を調製
し、かかる溶液5重量部に対して水を95重量部添加し
て希釈液を作製した。かかる希釈液(発泡剤未添加)
を、実施例1と同様にしてガラスクロスに付着させ乾燥
した。次いで、乾燥して得られたガラスクロスを、実施
例1と同様にしてマッフル炉で加熱した。加熱終了後の
ガラスクロスの顕微鏡写真を図5に示す。図3及び4と
図5とを比較して明らかなように、本発明の方法(実施
例1〜2)を実施することにより、ガラスクロスの経糸
及び緯糸を構成するガラス繊維束が解され、ガラス繊維
束を構成するガラス繊維フィラメント間の間隔が増大し
た。また、ガラス繊維フィラメントの切断、毛羽の発生
及び目曲がりも観察されなかった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラスクロスを構成するガラス繊維フィラメントの切
断、毛羽の発生及び目曲がりを防止することができるの
みならず、経糸及び緯糸を略同等に開繊することのでき
る開繊方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発泡剤が付着した加熱前のガラスクロスを模式
的に示す斜視図である。
【図2】発泡剤が付着したガラスクロスを発泡剤の加熱
温度以上に加熱した後のガラスクロスを模式的に示す斜
視図である。
【図3】実施例1において得られた開繊後のガラスクロ
スの顕微鏡写真である。
【図4】実施例2において得られた開繊後のガラスクロ
スの顕微鏡写真である。
【図5】比較例1において得られたガラスクロスの顕微
鏡写真である。
【符号の説明】
1…ガラスクロス、10…経糸、12…緯糸、14a…
発泡剤、14b…発泡後の発泡剤、16…ガラス繊維フ
ィラメント、20…間隙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 13/345 D06M 13/345 13/358 13/358 13/422 13/422 Fターム(参考) 3B154 AA13 AB03 AB09 AB12 AB20 BA19 BB12 BB32 BD20 BE03 DA22 4L033 AA09 AB01 AB03 AB05 AC08 AC09 BA01 BA11 BA45 BA51 BA58 BA76 BA78 CA06 CA59 DA02 4L048 AA03 AA48 AA53 AB07 AC09 AC14 BA03 BA04 CA01 CA06 DA43 EB05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤が付着したガラスクロスを、該発
    泡剤の発泡温度以上に加熱することを特徴とするガラス
    クロス開繊方法。
  2. 【請求項2】 前記発泡剤は、加熱により気体を発生す
    る発泡剤及び加熱により体積膨張する発泡剤からなる群
    より選ばれる少なくとも1つの発泡剤であることを特徴
    とする請求項1記載のガラスクロス開繊方法。
  3. 【請求項3】 前記発泡剤が付着した前記ガラスクロス
    は、経糸及び緯糸が複数本のガラス繊維フィラメントか
    らなるガラスクロスに、前記発泡剤を含む処理液を付着
    せしめて得られたものであることを特徴とする請求項1
    又は2記載のガラスクロス開繊方法。
  4. 【請求項4】 前記発泡剤が付着した前記ガラスクロス
    は、ガラス繊維フィラメントを複数本集束してなるガラ
    ス繊維束に前記発泡剤を含む処理液を付着せしめて得ら
    れる付着物を、製織すべき経糸及び緯糸の少なくとも一
    方に用いたガラスクロスであることを特徴とする請求項
    1又は2記載のガラスクロス開繊方法。
  5. 【請求項5】 前記発泡剤が付着した前記ガラスクロス
    は、前記発泡剤を含むガラス繊維用集束剤でガラス繊維
    フィラメントを複数本集束してなるガラス繊維束を、製
    織すべき経糸及び緯糸の少なくとも一方に用いたガラス
    クロスであることを特徴とする請求項1又は2記載のガ
    ラスクロス開繊方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008291407A (ja) * 2007-05-28 2008-12-04 Unitika Glass Fiber Co Ltd 無機繊維布帛の洗浄方法

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