JP2003291068A - 光ファイバー端面用研磨媒体 - Google Patents

光ファイバー端面用研磨媒体

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JP2003291068A
JP2003291068A JP2002092288A JP2002092288A JP2003291068A JP 2003291068 A JP2003291068 A JP 2003291068A JP 2002092288 A JP2002092288 A JP 2002092288A JP 2002092288 A JP2002092288 A JP 2002092288A JP 2003291068 A JP2003291068 A JP 2003291068A
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Shinichi Takahashi
真一 高橋
Takeshi Takizawa
剛 滝沢
Yukio Okuyama
幸夫 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持体上に研磨層を設けてなる研磨媒体で、
光ファイバーコネクタの端面研磨用であり、研磨層の研
磨材に対する結着剤の比率を高めずに塗膜強度を向上
し、表面に傷を発生することなく、研磨端面の光学特性
の向上、光ファイバーとフェルールの段差の低減を図
る。 【解決手段】 支持体2上に研磨材と結着剤を含む研磨
層3を塗布してなり、研磨層3は、研磨材として平均粒
径が5〜50nmのシリカ粒子による第1粒子を含有す
ると共に、該第1粒子の平均粒径に対して50〜250
0倍の平均粒径を有するシリカ粒子による第2粒子を含
有してなる。ファイバーかすの速やかな排出により傷の
発生を防止し、研磨特性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、フェルールの中心
穴に光ファイバーを挿入固定してなる光ファイバーコネ
クタのフェルール端面の仕上げ研磨に用いる研磨シー
ト、研磨ディスク等の光ファイバー端面用研磨媒体に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】光ファイバーコネクタは、光ファイバー
と光ファイバーを接続する際に使用するもので、光ファ
イバーの接続端部の周りをフェルールと呼ばれるジルコ
ニアで被覆してなり、その接続端面を鏡面加工し、この
端面同士を治具を使用して突き合わせて接続する。この
光ファイバーコネクタはその取り扱いの容易さから光通
信において広く使用されている。 【0003】光ファイバーコネクターのフェルール端面
の鏡面加工は、研磨材の粒子サイズを順次小さくして粗
研磨から最終仕上げ研磨までの複数段階の研磨によって
行われている。光ファイバーコネクタは光ファイバー内
を光が通過するため端面の加工精度と光学特性が重要で
あり、最終研磨の精度は光学特性に影響を及ぼすため特
に重要となる。光ファイバーコネクタのフェルール端
面、特に光ファイバーの平滑性(鏡面具合)が不十分で
あると良好な光学特性が得られず、光反射減衰量(光損
失率)が増大する問題があり、異種材質である光ファイ
バーとフェルールの研磨端面に大きな段差が発生した
り、研磨傷が発生すると光学特性に加えて耐久性等の劣
化原因ともなる。 【0004】従来の光ファイバーコネクタの端面研磨の
一例としては、研磨層を有するか有しないシートに光フ
ァイバーコネクタ端面を押圧して摺動させる際に、研磨
部分にダイヤモンドやシリカなどの研磨粒子を分散した
研磨液を供給し、両者の併用により研磨することが行わ
れていた。しかし、研磨液を使用した場合には、研磨液
の濃度むらや液だまりによる偏摩耗や研磨端面への研磨
材付着等が発生しやすく、研磨後の端面の光学特性(光
反射減衰量、鏡面具合)に影響を及ぼし、光ファイバー
とフェルールの段差の増大等の問題がある。 【0005】また、他の仕上げ研磨としては、特開平8
−336758号に見られるように、セリウムやシリカ
等を研磨材に使用した研磨層を有する研磨媒体を使用
し、この研磨層の研磨力のみで光ファイバーコネクタの
最終端面研磨を行うものが知られている。 【0006】この研磨媒体は支持体上に研磨材粒子およ
び結着剤を主体とした研磨層を有してなり、光ファイバ
ーが要求している研磨精度に応じて研磨層の粗さが異な
る研磨媒体が使用される。研磨材粒子は通常モース硬度
が6以上で、例えば酸化クロム、アルミナ、ダイヤモン
ド等が使用され、最終仕上げ用の研磨媒体では特に粒子
サイズの小さい研磨材が使用され、目標精度の研磨が行
えるようにしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の研磨媒体では、光ファイバーコネクタ端面
の研磨時に、研磨により発生した光ファイバーまたはフ
ェルールの研磨物と研磨層の磨耗物が介在することなど
によって、光ファイバーまたはフェルールの端面に研磨
傷が発生しやすく、研磨後の端面の光学特性に影響を及
ぼす問題がある。表面の形状を変化させて研磨傷を発生
しにくくしているものもあるが、まだ傷の発生防止には
不十分であり、光学特性も十分ではない。 【0008】一方、研磨媒体による光ファイバーコネク
タの端面研磨では、研磨材に対する結着剤の比率を少な
くすると研磨精度が向上して、光ファイバーコネクタ端
面の光学特性を高めることができるが、研磨層の塗膜強
度が弱くなり、研磨作業中に研磨材の離脱、塗膜破壊に
よる研磨層の剥がれが発生しやすい。 【0009】上記点から、結着剤の比率を増やすと、単
位体積当たりの研磨材が少なくなるため均一に削れなく
なり、研磨後の光ファイバー端面の平坦性、鏡面具合が
不足し光学特性が低下して、光反射減衰量が増大し、段
差および傷の発生が大きくなる問題がある。 【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みな
されたものであり、光ファイバーコネクタの仕上げ研磨
において、研磨材に対する結着剤の比率を高めずに塗膜
強度を向上し、表面に傷を発生することなく、研磨端面
の光学特性(光反射減衰量、鏡面具合)の向上、光ファ
イバーとフェルールの段差の低減、研磨媒体の耐久性を
向上した光ファイバー端面用研磨媒体を提供することを
目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバー端
面用研磨媒体は、支持体上に研磨材と結着剤を主成分と
する塗料を塗布してなる研磨層を有し、この研磨層に
は、前記研磨材として平均粒径が5〜50nmのシリカ
粒子による第1粒子を含有すると共に、該第1粒子の平
均粒径に対して50〜2500倍の平均粒径を有するシ
リカ粒子による第2粒子を含有することを特徴とするも
のである。 【0012】研磨材と併用して使用する第2粒子は、第
1粒子100重量部に対して1〜5重量部の比率で混入
するのが好適である。第2粒子は、吸油量が100〜4
00ml/100gのものが好ましい。第2粒子の形状は球状
が望ましい。 【0013】研磨層の結着剤としては、ポリウレタン樹
脂を含むものが好適であり、特に、ガラス転移点Tgが
40℃以下および/または伸びが200%以上であるポ
リウレタン樹脂が好ましい。第1粒子および第2粒子と
結着剤を比率が1:0.2〜2で混合し、固形分濃度を
5〜30重量%に調整した塗料を、支持体上にマイクロ
グラビア法、コンマコート法、ドクターコート法で支持
体上に塗布し110〜130℃の雰囲気中で乾燥して、
研磨媒体を作成するのが好適である。 【0014】前記第1粒子および第2粒子と結着剤は機
械式混練機で分散して塗料とするのが、シリカ粒子の良
好な分散性を得る上で好適である。 【0015】前記研磨媒体による光ファイバー端面研磨
は、フェルールの中心穴に光ファイバーを挿入固定して
なる光ファイバーフェルールの端面を、研磨媒体の研磨
層に摺接させつつ、その摺接部分に蒸留水または遊離砥
粒と水を含むスラリーによる研磨液を供給し、前記端面
を凸球面状に仕上げ研磨するものである。上記スラリー
としては、一次粒子の平均粒子サイズ(D50)が5〜
50nmのシリカ粒子を含むシリカスラリーが好適であ
る。また、スラリーの遊離砥粒としては、酸化セリウ
ム、酸化チタン等も使用できる。 【0016】 【発明の効果】上記のような本発明によれば、研磨層に
研磨材として平均粒径が5〜50nmのシリカ粒子によ
る第1粒子を含有すると共に、該第1粒子の平均粒径に
対して50〜2500倍の平均粒径を有するシリカ粒子
による第2粒子を含有することにより、研磨に伴い離脱
した研磨材、削れたファイバーかすなどの研磨物が第2
粒子の吸着作用により研磨部分より速やかに排除でき、
研磨傷が発生することなく、高精度に光ファイバーコネ
クタの端面が研磨でき、研磨後の光ファイバーの鏡面具
合が良好で光学特性が飛躍的に向上し、光反射減衰量
(光損失率)が−65dB程度以下にまで低減できると
共に、研磨によるコネクタ端面の光ファイバー部分が凸
形状になり、フェルール端面との段差も小さくできる。 【0017】さらに、研磨材に対する結着剤の比率を高
めずに塗膜強度を向上したために、研磨を短時間で効率
よく行え、研磨作業中に塗膜破壊による支持体と研磨層
との剥がれが発生せず、研磨媒体の耐久性が高く研磨工
程での交換回数の低減が図れ、少ない結着剤量で研磨材
を結着することができて高精度の研磨を効率よく行うこ
とができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の研磨媒体および
その製造方法の実施の形態を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。図1は一つの実施形態にかかる研磨媒体に
よる研磨状態を示す概念図である。 【0019】光ファイバー端面用研磨媒体1は、ポリエ
ステルフィルム等による厚みが25〜100μm(例え
ば75μm)の支持体2上に、研磨材として平均粒径
(D50)が5〜50nm(例えば5〜30nm)のシ
リカ粒子による第1粒子と、この第1粒子の平均粒径の
50〜2500倍の平均粒径を有するシリカ粒子による
第2粒子と、ポリウレタン樹脂を含む結着剤を、第1粒
子および第2粒子が1に対して結着剤が0.2〜2の比
率で構成した研磨層3を、例えば1〜15μmの厚みに
積層してなるものであり、円盤状等の研磨シートなどに
形成されている。 【0020】図1に示すように、上記研磨媒体1によっ
て研磨する被研磨体としての光ファイバーコネクタ5
は、ジルコニア等のセラミック素材によるフェルール6
の中心穴に、石英ガラス等のガラス素材による光ファイ
バー7が挿入固定されてなる。この光ファイバーコネク
タ5の端面研磨は、基盤10(回転台)上に設置したゴ
ム等の弾性体11に研磨媒体1を貼り付け、この研磨媒
体1にコネクタ5(通常複数本)の先端を所定圧で押圧
接触させ、例えば上記基盤10を所定回転数で回転させ
ると共に遊星回転運動させるもので、供給ノズル15か
ら研磨部分に蒸留水またはシリカスラリーなどのスラリ
ーによる研磨液16を供給して湿式研磨を行う。 【0021】前記研磨媒体1の製造は、例えば、機械式
混練機に溶剤、結着剤、第1粒子、第2粒子等を投入し
て混練した後、粘度を調整する。その後、分散機に移し
て溶剤等を加えてさらに分散し、固形分濃度を5〜50
重量%に調整した塗料を作成する。この塗料をマイクロ
グラビア法、コンマコート法、メイヤーバー法などの塗
布装置により、所定の速度で走行する支持体2上に所定
の厚みに塗布し、110〜130℃の加熱雰囲気中で乾
燥して研磨層3を形成する。そして、打ち抜き加工、裁
断加工等によって所定形状に形成して研磨シート1を構
成してなる。 【0022】本発明の研磨層3で用いられる研磨材(第
1粒子)はシリカ(二酸化珪素)であり、その一次粒子
の平均粒径は5〜50nmである。研磨材の粒径は小さ
いほど研磨時の光学特性は良好になるが、分散しにくく
なり多量の結着剤が必要となる。研磨材の配合は研磨材
100重量部に対して結着剤20〜200重量部(比率
では0.2〜2)の範囲、好ましくは25〜150重量
部の範囲で用いられる。 【0023】シリカ粒子の具体例としては、徳山曹達社
製の合成球状シリカ、日本アエロジル社製のアエロジ
ル、日本シリカ工業社製のニップシール、富士シリシア
化学社製のサイリシア、水澤化学工業社のミズカシルな
どが挙げられる。 【0024】本発明の研磨層3の第2粒子はシリカであ
り、吸油量が100〜400ml/100gのものが好まし
く、さらに好ましくは200〜350ml/100gのものを
使用する。吸油量が大きいほど粒子中の空間が多く、削
りカスをこの空間に吸着して閉じこめることと、粒子が
比較的もろくなるためファイバー面に傷を付けにくくす
ることができる。逆に吸油量が多すぎると塗料化する際
に粉砕されてしまうばかりか、削りカスを空間に閉じこ
める効果が低くなってしまう。粒径は第1粒子に対して
50〜2500倍、好ましくは100〜500倍である
ものがよい。第1粒子との粒径の差が小さいと削りカス
を速やかに排除できず、粒径の差が大きすぎると第1粒
子による研磨性能が低下してしまう。この第2粒子の形
状は球形が好ましい。 【0025】本発明の研磨層3における結着剤は、ポリ
ウレタン樹脂を含むものが好ましい。その他、従来公知
の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬
化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂やこ
れらの混合物を添加してもかまわない。 【0026】ポリウレタン樹脂としては、光ファイバー
とフェルールの研磨後の端面の段差が小さいという利点
が得られるという点から、特にガラス転移点Tgが40
℃以下で好ましくは0℃以下、また伸びが200〜80
0%で好ましくは400〜600%の特性を有するもの
が好ましい。平均分子量は10000〜100000程
度のもので、より好ましくは15000〜50000程
度のものがよい。 【0027】また、ポリウレタン樹脂以外の樹脂として
次のような素材がある。熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としては、塗布液の状態では200000以下の分子量
であり、塗布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮
合、付加等の反応により分子量が無限大となるものが好
適である。また、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱分解
するまでの間に軟化または溶融しないものが好ましい。
具体的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカー
ボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹
脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメ
ラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジ
イソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポ
リオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルム
アルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオー
ル/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物、
ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂およびこれらの混合物
等である。 【0028】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン
酸(COOM)、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホ
ン酸(SO3M)、燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホ
ン酸、硫酸(OSO3M)、およびこれらのエステル基
等の酸性基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、
アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキ
ルベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イミ
ド基、アミド基等、また、水酸基、アルコキシル基、チ
オール基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F,Cl,B
r,I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ基、イソ
シアナト基、シアノ基、ニトリル基、オキソ基、アクリ
ル基、フォスフィン基を通常1種以上6種以内含み、各
々の官能基は樹脂1gあたり1×10 -6eq〜1×10
-2eq含むことが好ましい。 【0029】本発明には必要に応じて研磨層中に潤滑剤
(無機微粉末、樹脂微粉末、有機化合物系、有機酸およ
び有機酸エステル化合物、脂肪酸エステル類、脂肪酸或
いは脂肪酸アミド類、脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族
アルコ−ル類、酸化防止剤等)、研磨材の分散剤または
分散助剤(炭素数2〜40個の脂肪酸、炭素数4〜40
の高級アルコ−ル、金属石鹸、脂肪酸アミド及びこれら
の硫酸エステル等)、防黴剤(2−(4−チアゾリル)
−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジクロロメチル
チオ)−フタルイミド、10,10’−オキシビスフェ
ノキサルシン、2,4,5,6テトラクロロイソフタロ
ニトリル、P−トリルジヨードメチルスルホン、トリヨ
ードアリルアルコール、ジヒドロアセト酸、フェニルオ
レイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル錫)、サルチルア
ニライド等)、帯電防止剤(カーボンブラック、酸化チ
タン−酸化錫−酸化アンチモン等の導電性粉末、サポニ
ン等の天然界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン
界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤
等)、カップリング剤を添加してもよい。潤滑剤は結着
剤100重量部に対して0.01〜30重量部の範囲で
添加される。 【0030】本発明の研磨塗料の分散、混練、塗布の際
に使用する有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケト
ン系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール
(IPA)、メチルシクロヘキサノールなどのアルコー
ル系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソ
ブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、2−エトキシ
エチルアセテート等のエステル系;ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サンなどのエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クレゾール、クロルベンゼン、スチレンなどのター
ル系(芳香族炭化水素);メチレンクロライド、エチレ
ンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素、
N・N−ジメチルホルムアルデヒド、ヘキサン等が使用
できる。またこれら溶媒は通常任意の比率で2種以上で
用いる。また1重量%以下の量で微量の不純物(その溶
媒自身の重合物、水分、原料成分等)を含んでもよい。 【0031】研磨塗料の分散、混練の方法には特に制限
はなく、また各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、
溶媒等)、分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜8
0℃)などは適宜設定することができる。研磨塗料の調
製には通常の混練機、例えば、二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、ペイ
ントシェイカー、サンドグラインダー、ツェグバリ(S
zegvari)アトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダ
ー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、
ディスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し
出し機、二軸スクリュ−押し出し機、および超音波分散
機などを用いることができる。これら分散、混練の補助
材料として分散・混練を効率よく進めるため、球相当径
で10cmφ〜0.05mmφの径のスチールボール、
スチールビーズ、セラミックビーズ、ガラスビーズ、有
機ポリマービーズを用いることができる。またこれら材
料は球形に限らない。 【0032】使用する支持体2は表面が平滑で塗料を塗
布できるものであれば特に何でもよいが、コストや使い
やすさを考慮するとポリエチレンテレフタレート(PE
T)フイルムが好ましい、厚みは25〜100μm、望
ましくは75μmである。支持体は研磨層3との密着性
を向上させるために塗布前にコロナ処理、プラズマ処
理、EB処理、易接着層塗布処理、熱処理等の研磨層と
の密着性を向上させるような前処理を行ってもよい。 【0033】支持体2上へ前記の研磨層3を塗設し、1
10〜130℃で乾燥したあと冷却し巻き取る。このよ
うに作成した研磨媒体を裁断したあと所望の形状に加工
する。 【0034】前記研磨液16に使用されるスラリーは、
平均粒径が5〜50nm、好ましくは5〜30nmの遊
離砥粒を水溶液に分散してなるもので、メタノール等の
アルコール類を混合してもよい。遊離砥粒としては、シ
リカ、酸化セリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等
が使用でき、1種類単独または2種類以上混合させて使
用してもよい。固形分濃度は1〜50重量部、好ましく
は5〜30重量部である。 【0035】 【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を示
し、その特性を評価する。なお、実施例中の「部」は
「重量部」を示す。 【0036】実施例1〜18および比較例1〜3で使用
した原材料は、シリカ粒子が、触媒化成工業社製のコロ
イダルシリカであり、第1粒子の平均粒径Xnmおよび
第2粒子の平均粒径Yμm、第1粒子の平均粒径に対す
る第2粒子の平均粒径の倍率Y/Xを、後述の表2に示
す。結着剤が日本ポリウレタン工業社製のポリウレタン
樹脂A〜Fで、その諸特性(ガラス転移点Tg、伸び、
分子量)を表1に示す。 【0037】 【表1】 【0038】 【実施例1】下記組成の原材料を、機械式混練機に投入
し、羽根の回転により混練する。次に、希釈後に分散機
に移し分散する。この後、添加剤等を加えてさらに分散
し、塗布液を作成した。この塗布液を厚さ75μmのポ
リエチレンテレフタレ−ト(PET)支持体上に、乾燥
後5μmの厚さになるように塗布を行い、乾燥して研磨
層を形成し、研磨シートサンプルを作成した。乾燥はオ
ーブンで115℃×60秒で行った。 【0039】なお、第1粒子の平均粒径Xが12nm、
第2粒子の平均粒径Yが2.7μmであることから、Y
/Xの粒径比は225倍であり、第2粒子の吸油量は3
00ml/100gである。また、第1粒子に対し第2粒子を
1重量部配合している。 【0040】作成した研磨シートを直径110mmの円
に加工し、研磨機(SII社)に取り付け、研磨液とし
て蒸留水を3ml使用し、2.5mmφの光ファイバーコ
ネクタを12本同時に90秒間研磨して光ファイバーの
光反射損失率と段差、傷の状態を測定した。 【0041】 [塗布液組成] 研磨材:第1粒子シリカ(平均粒径12nm) 10部 第2粒子シリカ(平均粒径2.7μm) 0.1部 結着剤:樹脂A 10部 溶 剤:IPA 79部 計 99.1部 【0042】 【実施例2】結着剤に樹脂Bを用い、その他は実施例1
と同様である。 【0043】 【実施例3】結着剤に樹脂Cを用い、その他は実施例1
と同様である。 【0044】 【実施例4】実施例1の第1粒子に平均粒径が5nmの
シリカ粒子を用い、その他は実施例1と同様である。 【0045】 【実施例5】実施例1の第1粒子に平均粒径が30nm
のシリカ粒子を用い、その他は実施例1と同様である。 【0046】 【実施例6】実施例1の第2粒子に平均粒径が3.6μ
m(第1粒子の300倍)、吸油量290ml/100gのシ
リカ粒子を用い、その他は実施例1と同様である。 【0047】 【実施例7】実施例1の第2粒子に平均粒径が9.6μ
m(第1粒子の800倍)、吸油量250ml/100gのシ
リカ粒子を用い、その他は実施例1と同様である。 【0048】 【実施例8】研磨液として蒸留水の代わりに平均粒径1
0nmのシリカ粒子を含むシリカスラリーを用い、その
他は実施例1と同様である。 【0049】 【実施例9】研磨液として実施例8と同様のシリカスラ
リーを用い、その他は実施例6と同様である。 【0050】 【実施例10】研磨液として平均粒径30nmのシリカ
粒子を含むシリカスラリーを用い、その他は実施例6と
同様である。 【0051】 【実施例11】実施例1における第2粒子の添加量を第
1粒子の1重量部から5重量部に増加し、その他は実施
例1と同様である。 【0052】 【実施例12】実施例7における第2粒子の添加量を第
1粒子の1重量部から5重量部に増加し、その他は実施
例7と同様である。 【0053】 【実施例13】実施例8における研磨液のスラリーのシ
リカ粒子を、平均粒径が30nmの酸化セリウム(セリ
ア)に代え、その他は実施例8と同様である。 【0054】 【実施例14】結着剤に樹脂Dを用い、その他は実施例
1と同様である。 【0055】 【実施例15】結着剤に樹脂Eを用い、その他は実施例
1と同様である。 【0056】 【実施例16】結着剤に樹脂Fを使い、その他は実施例
1と同様である。 【0057】 【実施例17】実施例1における第2粒子に吸油量が9
5ml/100g(平均粒径は2.7μm)のシリカ粒子を使
用し、その他は実施例1と同様である。 【0058】 【実施例18】実施例6における第2粒子に吸油量が9
5ml/100g(平均粒径は2.7μm)のシリカ粒子を使
用し、その他は実施例6と同様である。 【0059】 【比較例1】実施例1における研磨材としての第1粒子
に平均粒径が1μmのシリカ粒子を用い、その他は実施
例1と同様である。 【0060】 【比較例2】実施例1における第2粒子に平均粒径が6
0μm(第1粒子の5000倍)のシリカ粒子を用い、
その他は実施例1と同様である。 【0061】 【比較例3】研磨媒体として研磨層を有していないPE
Tフィルムを使用し、研磨液として平均粒径が1μmの
シリカ粒子を含むシリカスラリーを使用して研磨を行っ
た。 【0062】上記のような実施例1〜18および比較例
1〜3の研磨シートサンプルを使用して研磨試験を行
い、後述のような評価方法によって研磨特性を評価した
結果を、各種条件と共に表2に示す。 【0063】 【表2】【0064】<評価方法>研磨機にシートサンプルを貼
り付け、シートサンプル上に蒸留水3mlを垂らし、
2.5mmφの光ファイバーコネクタを12本同時に9
0秒研磨した。研磨後光ファイバーコネクタは水洗いを
行い、端面をクリーニングした後に以下の評価を行っ
た。研磨機:OFL−12(SII社)を使用した。 【0065】光損失率:RM3750B(JDS社)の
検査機により、λ…1310nmにて光ファイバーの損
失率をdBで求めた。この光損失率(リターンロス)
は、光ファイバーの研磨面の反射で生じる伝達光量のロ
ス量を測定したもので、入射光量をP2、出力光量をP
1として、10 log(P1/P2)で表し、表面の平滑性等
を評価でき、このdB値が小さい(マイナス方向に大き
い)ほど低反射で伝達ロスが少なく伝達効率が高い良好
な伝達状態を示すものである。 【0066】段差:ZX−1 MINI(Direct Optic
al Research Company)の測定機により光ファイバーと
フェルールとの端面の段差をnmで求めた。フェルール
端面の仮想曲面の中心位置から光ファイバー端面の中心
位置の高さが段差であり、+値が突出方向であり、±0
nm近傍が最適で、±50nmが許容値である。 【0067】ファイバー端面傷:倍率400倍の顕微鏡
で研磨した端面を観察し、研磨した12本中に傷の発生
しているファイバーの数量で判定を行う。1本以下:
◎、2〜3本:○、4〜5本:△、6本以上:×と評価
している。 【0068】総合判定:問題の無いものを○、一つでも
悪いものがある場合を△、悪いものを×とした。 【0069】<評価結果>表2から分かるように、実施
例1〜18では、平均粒径が5〜30nmのシリカ粒子
による第1粒子(研磨材)に加えて、第1粒子の90〜
800倍の平均粒径を有するシリカ粒子による第2粒子
を研磨層に含有することにより、削りかすでファイバー
端面に傷を付けることもなく光ファイバー端面の特性
(光損失率、段差)が良好な研磨が行えた。 【0070】実施例8〜10,13では、研磨液として
遊離砥粒(シリカ、酸化セリウム)を含むスラリーを使
用したことにより、さらによい結果が得られた。また、
実施例11,12では、第2粒子の添加量を増加したこ
とにより、よい結果が得られた。一方、実施例14〜1
6では、結着剤(ポリウレタン樹脂)のガラス転移点T
gが高く、伸びが小さい樹脂であり、研磨後の光損失率
が前記実施例1〜3より大きな値となっている。実施例
17,18では、第2粒子のシリカ粒子の吸油量が低
く、研磨結果は実施例1〜3より劣っている。 【0071】これに対し、比較例1は第1粒子の平均粒
径が大きく、第2粒子との径差が小さいことにより、フ
ァイバーかすの排出が不十分で、ファイバー端面に傷が
発生し、段差も大きく、光損失率が大きな値となってい
る。比較例2は第2粒子の平均粒径が大きく、第1粒子
との径差が過大であるため、ファイバー端面に傷が発生
し、光損失率も大きな値となっている。比較例3では、
シリカスラリーの遊離砥粒のみによって研磨するため、
ファイバー端面に傷が発生し、段差も大きく、光損失率
が大きな値となっている。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一つの実施の形態にかかる研磨媒体に
よる光ファイバーコネクタの研磨状態を概念的に示す正
面図 【符号の説明】 1 光ファイバー端面用研磨媒体 2 支持体 3 研磨層 5 光ファイバーコネクタ 6 フェルール 7 光ファイバー 10 基盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C049 AA07 AC04 CA04 CB01 3C058 AA05 CA05 CA06 CB02 DA02 3C063 AB05 AB07 BB01 BB07 BB20 BC03 BG07 BG08 CC16 EE01 FF23

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に研磨材と結着剤を主成分とす
    る塗料を塗布してなる研磨層を有する光ファイバー端面
    用研磨媒体において、 前記研磨層には、前記研磨材として平均粒径が5〜50
    nmのシリカ粒子による第1粒子を含有すると共に、該
    第1粒子の平均粒径に対して50〜2500倍の平均粒
    径を有するシリカ粒子による第2粒子を含有することを
    特徴とする光ファイバー端面用研磨媒体。
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