JP2003261717A - 高減衰エラストマー組成物 - Google Patents

高減衰エラストマー組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高減衰で、かつ、剛性の温度依存性の小さい高
減衰エラストマー組成物を提供する。 【解決手段】下記の(A)と(B)とを必須成分とする
高減衰エラストマー組成物であって、上記(A)中のジ
ブロック成分と(B)との合計量が、(A)と(B)の
合計量の70〜95重量%の範囲内に設定されている。 (A)ジブロック成分含有の熱可塑性エラストマー、お
よびジブロック成分非含有の熱可塑性エラストマーの少
なくとも一方。 (B)未加硫ゴム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動吸収材料、衝
撃吸収材料等の用途に適した高減衰エラストマー組成物
に関するものであり、詳しくは建築分野における制震、
免震等の用途に好適な高減衰エラストマー組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】建築分野における制震装置や免震装置
は、地震や風等による振動、大型車の走行等による交通
振動等から、建築物に対する振動を抑制する目的で使用
され、そのため、制震装置や免震装置等の用途に使用さ
れる減衰材料には、建築物の剛性にあわせて小振幅から
大振幅までの振動吸収能が求められる。建築分野におい
て安定した減衰性能を発揮するためには、建築物の外気
雰囲気において安定した減衰性能が求められることにな
り、剛性の温度依存性が小さいことが望まれる。従来、
このような用途に用いられる減衰材料としては、ガラス
転移温度(Tg)の高いアクリル系ポリマーやエポキシ
系ポリマー等からなる高分子材料、あるいはゴムやポリ
ジエン系熱可塑性エラストマー(TPE)等に、ガラス
転移温度(Tg)の高いポリマーや軟化点の高い粘着付
与剤等を配合してなる高分子材料が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記高
分子材料(減衰材料)で大きな減衰性能を発現させる場
合、主にtanδ(損失正接)ピークの存在するガラス
転移温度(Tg)領域が用いられることになり、このガ
ラス転移温度(Tg)領域は、ガラス状態からゴム状態
へと急激な変化を起こす領域であるため、剛性の温度依
存性が極めて大きいという難点がある。例えば、10℃
の等価剛性(Ke10)と、30℃の等価剛性(Ke3
0)との比(Ke10/Ke30)は、ほとんどの場合
2倍以上となってしまう。また、これらの温度依存性を
改良するために、シリコーン系の材料を使用する例もみ
られるが、材料コストが大幅にアップするため、建築費
用の負担増加に繋がるという難点がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、高減衰で、かつ、剛性の温度依存性の小さい高
減衰エラストマー組成物の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の高減衰エラストマー組成物は、下記の
(A)と(B)とを必須成分とする高減衰エラストマー
組成物であって、上記(A)中のジブロック成分と
(B)との合計量が、(A)と(B)の合計量の70〜
95重量%の範囲内に設定されているという構成をと
る。 (A)ジブロック成分含有の熱可塑性エラストマー、お
よびジブロック成分非含有の熱可塑性エラストマーの少
なくとも一方。 (B)未加硫ゴム。
【0006】すなわち、本発明者らは、高減衰で、か
つ、剛性の温度依存性の小さい高減衰エラストマー組成
物を得るため、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱
可塑性エラストマーを中心に鋭意研究を重ねた。一般的
な熱可塑性エラストマーの性質としては、トリブロック
以上のブロック成分、例えば、スチレン系熱可塑性エラ
ストマーでは、ポリスチレンセグメント間で疑似架橋点
が生成してハードセグメントとなり、これによってソフ
トセグメントのずれが防止され、ゴム弾性のような弾性
が生み出される。一方、ジブロック成分は、長いソフト
セグメントの末端が固定されておらず、非常に運動性の
高い状態で用いられるため、この部分では滑り(粘性)
が生じる。そこで、本発明者らは、熱可塑性エラストマ
ーのトリブロック成分による弾性と、ジブロック成分に
よる粘性的な性質(=減衰性)とに着目し、両者を併用
することを考えたが、両者のバランスを調整するのみで
は所望の粘弾性を得ることは困難であった。そこで、さ
らに研究を重ねた結果、上記熱可塑性エラストマーとと
もに未加硫ゴムを用い、未加硫ゴムによる粘性的な性質
(=減衰性)を利用することを着想し、好結果を得た。
本発明者らは、これについてさらに研究を重ねた結果、
熱可塑性エラストマー中のジブロック成分と、未加硫ゴ
ムとの割合を所定の範囲に設定すると、所望の粘弾性が
得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】なお、本発明において、ジブロック成分と
は、熱可塑性エラストマー中に、ハードセグメントとソ
フトセグメントとが1セットづつしかないもののことを
いい、トリブロック成分とは、ハードセグメントが2セ
ットで、ソフトセグメントが1セットのものをいう。
【0008】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0009】本発明の高減衰エラストマー組成物は、下
記の(A)と(B)とを必須成分とするものである。そ
して、本発明では、上記(A)中のジブロック成分と
(B)との合計量が、(A)と(B)の合計量の70〜
95重量%の範囲内に設定されていることが最大の特徴
である。 (A)ジブロック成分含有の熱可塑性エラストマー、お
よびジブロック成分非含有の熱可塑性エラストマーの少
なくとも一方。 (B)未加硫ゴム。
【0010】上記(A)の熱可塑性エラストマーとして
は、特に限定はないが、トリブロック成分を含有するも
のが好ましく、ジブロック成分は含有していても含有し
ていなくてもいずれであってもよい。上記熱可塑性エラ
ストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリオ
レフィン系熱可塑性エラストマー等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これら
のなかでも、減衰性能が優れている点で、スチレン系熱
可塑性エラストマーが好適に用いられる。
【0011】上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、
分子中のハードセグメントとしてポリスチレンを、ソフ
トセグメントとしてポリイソプレン、ポリブタジエン等
のポリジエンを用いたブロックコポリマーであり、具体
的には、スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリ
マー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ックポリマー(SBS)、スチレン−エチレン・ブチレ
ン−スチレンブロックポリマー(SEBS)、スチレン
−エチレン・プロピレン−スチレンブロックポリマー
(SEPS)等があげられる。これらは単独でもしくは
2種以上併せて用いられる。
【0012】上記ポリエステル系熱可塑性エラストマー
は、分子中のハードセグメントとしてポリエステルを、
ソフトセグメントとしてガラス転移温度(Tg)の低い
ポリエーテルあるいはポリエステルを用いた、マルチブ
ロックコポリマーである。
【0013】上記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、分子中のハードセグメントとしてポリプロピレン
やポリエチレン等のポリオレフィンを、ソフトセグメン
トとしてEPDM等のゴムを用いて、ハードセグメント
とソフトセグメントをブレンドした熱可塑性エラストマ
ーである。
【0014】上記(A)とともに用いられる未加硫ゴム
(B)としては、特に限定はなく、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR),エチレン−プロピレン共重合体(E
PM),エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
(EPDM),クロロプレンゴム(CR),イソプレン
ゴム(IR),ブチルゴム(IIR),ブタジエンゴム
(BR),ニトリルゴム(NBR),アクリルゴム(A
CM),塩素化ポリエチレン(CM),フッ素ゴム(F
KM)等の合成ゴムや、天然ゴムが用いられる。これら
は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらの
なかでも、スチレン系熱可塑性エラストマーとの相溶性
に特に優れる点で、BR、EPM、EPDM、IR、S
BRが好適に用いられる。
【0015】本発明においては、上記(A)中のジブロ
ック成分と(B)との合計量を、(A)と(B)の合計
量の70〜95重量%の範囲内に設定する必要があり、
好ましくは80〜90重量%の範囲内である。すなわ
ち、ジブロック成分等が70重量%未満であると、減衰
性能が著しく劣り、逆にジブロック成分等が95重量%
を超えると、コールドフロー性が著しく悪化するからで
ある。
【0016】本発明の高減衰エラストマー組成物には、
上記(A)および(B)に加えて、減衰性能を向上させ
る目的で、充填材および天然瀝青の少なくとも一方を配
合することが好ましい。
【0017】上記充填材としては、例えば、炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、
グラファイト、酸化マグネシウム等があげられる。
【0018】上記充填材の配合割合は、上記(A)と
(B)の合計100重量部(以下「部」と略す)に対し
て、20〜200部の範囲内が好ましく、特に好ましく
は20〜100部の範囲内である。すなわち、上記充填
材が20部未満では、減衰性能の向上効果が乏しく、逆
に200部を超えると、伸び等の物性が低下する傾向が
みられるからである。
【0019】本発明において、天然瀝青とは、重油の精
製時に得られる蒸留残査、すなわちストレートアスファ
ルトやそれを人工的に結合させたブローンアスファルト
を意味するものではなく、天然物として採掘される瀝青
物の意であり、軟化点が130℃以上と非常に高い等の
特徴を備えたものをいう。
【0020】また、上記天然瀝青の配合割合は、上記
(A)と(B)の合計100部に対して、10〜100
部の範囲内が好ましく、特に好ましくは20〜50部の
範囲内である。すなわち、上記天然瀝青が10部未満で
は、減衰性能の向上効果が乏しく、逆に100部を超え
ると、伸び等の物性が低下する傾向がみられるからであ
る。
【0021】なお、本発明の高減衰エラストマー組成物
には、上記各成分に加えて、さらに粘着付与剤、可塑
剤、補強剤、加硫剤、加硫促進剤、酸化防止剤(老化防
止剤)等を適宜配合しても差し支えない。
【0022】上記粘着付与剤は、減衰性や接着性の向上
を目的として用いられるものであり、例えば、水添脂環
族系炭化水素樹脂、クマロン樹脂、ロジン、ロジンエス
テル、テルペンフェノール樹脂、ケトン樹脂、ジシクロ
ペンタジエン樹脂、マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂等が好適に用いられる。これらは
単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0023】上記可塑剤は、硬度の調整等を目的とする
ものであり、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)等
の合成可塑剤、パラフィン系オイル,アロマオイル等の
鉱物油があげられる。
【0024】上記補強剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、シリカ等があげられる。
【0025】上記加硫剤としては、例えば、硫黄、有機
過酸化物、アルキルフェノール樹脂等があげられる。上
記加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系加
硫促進剤、ベンゾチアゾール系加硫促進剤、チウラム系
加硫促進剤等があげられる。
【0026】上記酸化防止剤(老化防止剤)としては、
例えば、Zincジブチルジチオカルバメート等のジチ
オカルバメート系酸化防止剤やフェノール系酸化防止剤
等があげられる。
【0027】本発明の高減衰エラストマー組成物は、例
えば、上記各成分をニーダー、プラネタリーミキサー、
混合ロール、2軸スクリュー式攪拌機等を用いて混練す
ることにより得ることができる。そして、この高減衰エ
ラストマー組成物は、溶融温度以上に加熱して溶融さ
せ、これを型枠内に流し込み、放冷して所定形状に成形
することにより製品として用いることができる。
【0028】本発明の高減衰エラストマー組成物は、例
えば、建築分野における建築用制震壁,制震ダンパー等
の制震装置および免震装置に好適に用いられ、また、家
電用制振ダンパー、電子機器用制振ダンパー、制振材、
自動車用制振材、衝撃吸収材等に用いることもできる。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0030】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す材料を準備した。
【0031】〔スチレン系熱可塑性エラストマー〕 SIS(クレイトンポリマー社製、クレイトンD111
3、ジブロック成分含量:55重量%)
【0032】〔スチレン系熱可塑性エラストマー〕 SEPS(クラレ社製、セプトン2063、ジブロック
成分含量:60重量%)
【0033】〔スチレン系熱可塑性エラストマー〕 SEBS(クレイトンポリマー社製、クレイトンG16
50、ジブロック成分含量:0重量%)
【0034】〔未加硫ゴム〕 BR(宇部興産社製、ウベポールBR150)
【0035】〔未加硫ゴム〕 EPDM(三井化学社製、EPT4010)
【0036】〔未加硫ゴム〕 EPM(JSR社製、EP11)
【0037】〔軽質炭酸カルシウム〕 白石カルシウム社製、白艶華CC
【0038】〔天然瀝青〕 荒川化学社製、ジェコ
【0039】〔ナフテン油〕 出光石油化学社製、ダイアナプロセスNS100
【0040】〔パラフィン油〕 出光石油化学社製、ダイアナプロセスPW380
【0041】〔フェノール系老化防止剤〕 大内新興化学工業社製、ノクラック200
【0042】〔フェノール系老化防止剤〕 チバガイギー社製、イルガノックス1010
【0043】〔加工助剤〕 花王社製、ルーナックS30
【0044】
【実施例1〜13、比較例1〜4】下記の表1〜表3に
示す各成分を同表に示す割合で配合し、これらをニーダ
ーで混練して、目的とするエラストマー組成物を調製し
た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】このようにして得られた実施例品および比
較例品のエラストマー組成物を用いて、下記の基準に従
い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表
4〜表6に併せて示した。
【0049】〔コールドフロー性〕各エラストマー組成
物を80℃のオーブン中で3日間放置した後、形成保持
しているかどうかを目視により観察した。コールドフロ
ー性の評価は、形成保持しているものを○、少なくとも
一部が流動しているものを×とした。
【0050】〔動的剪断特性〕図1に示すような装置を
用いて、エラストマー組成物の動的剪断特性の評価を行
った。すなわち、プラスト処理を施した金具2に、ゴム
用2液接着剤を塗布した後、上記金具2間にエラストマ
ー組成物を挟み、乾燥を行った。これを100℃で5分
間熱プレス成型して、試料(大きさ25mm×20m
m、厚み4mm)1を作製した。そして、これを、矢印
方向に加振させて、図2に示す荷重−歪みループ曲線に
基づいて、動的剪断特性の評価を行った。すなわち、加
振機(鷲宮製作所社製、DYNAMIC SERVO)
と、入力信号発振機(横河電気社製、シンセサイズドフ
ァンクションゼネレータFC320)と、出力信号処理
機(小野測器社製、ポータブルFFTアナライザーCF
−3200)を用いて、所定の条件における、加振の時
間に対する剪断歪み値(δ)と、荷重値(Qd)の解析
から、下記の数式(1)〜(3)に従い、動的剪断特性
の評価を行った。なお、測定条件は、剪断歪み量:±1
6mm(試料厚みに対して200%)、周波数(f):
0.5Hz、測定温度:10℃および30℃であった。
これらの結果を下記の表4〜表6に併せて示した。
【0051】 等価剛性:Ke=Qd/δ(kN/m) …(1) 等価減衰係数:Ce=△W/πωδ2 (kN・s/m) …(2) 減衰定数:he=△W/4πW …(3) 〔上記数式において、ω=2πf、W=Keδ2 /2、
△Wは荷重−歪みループ面積を示す。〕
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
【表6】
【0055】上記結果から、実施例品はいずれも、10
℃と30℃の減衰定数比が略1に近く、等価剛性比も
2.0以下であるため、高減衰で、かつ、剛性の温度依
存性が小さいことがわかる。また、コールドフロー性に
優れていることもわかる。
【0056】これに対して、比較例1品は、未加硫ゴム
を配合しておらず、しかも、ジブロック成分の割合が小
さすぎるため、10℃での減衰定数が小さく、減衰性能
に劣ることがわかる。比較例2品は、ジブロック成分と
未加硫ゴムとの合計量が、所定量を超えているため、コ
ールドフロー性に著しく劣ることがわかる。比較例3品
は、未加硫ゴムを配合しておらず、しかも、ジブロック
成分の割合が小さすぎるため、10℃および30℃での
減衰定数がいずれも小さく、減衰性能に著しく劣ること
がわかる。比較例4品は、ジブロック成分と未加硫ゴム
との合計量が、所定量よりも小さいため、10℃および
30℃での減衰定数がいずれも小さく、減衰性能に著し
く劣ることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の高減衰エラスト
マー組成物は、ジブロック成分含有の熱可塑性エラスト
マー、およびジブロック成分非含有の熱可塑性エラスト
マーの少なくとも一方(A)と、未加硫ゴム(B)とを
必須成分とする高減衰エラストマー組成物である。そし
て、本発明は、上記(A)中のジブロック成分と(B)
との合計量が所定の範囲内に設定されているため、熱可
塑性エラストマーのトリブロック成分による弾性と、ジ
ブロック成分による粘性的な性質(=減衰性)に加え
て、未加硫ゴムによる粘性的な性質(=減衰性)を、バ
ランス良く利用することができ、所望の粘弾性を得るこ
とが可能である。このように、本発明の高減衰エラスト
マー組成物による減衰性能は、従来の減衰材料のよう
な、ガラス転移温度(Tg)領域を利用したものではな
いため、減衰性能に優れるとともに、非常に低い温度依
存性を示し、剛性の温度依存性が小さいという効果を奏
する。また、従来、減衰性はオイルや粘着付与剤等の低
分子材料により調整していたため、コンパウンド粘度が
低く、加工性が悪いという難点があったが、本発明は熱
可塑性エラストマー等の高分子材料で減衰性を調整して
いるため、コンパウンディングやロールシート加工が容
易である。なお、本発明の高減衰エラストマー組成物
は、汎用性の高い材料を用いているため、従来のシリコ
ーン系の材料を使用する場合に比べて、材料コストの削
減を図ることもできる。
【0058】そして、上記熱可塑性エラストマー(A成
分)として、スチレン系熱可塑性エラストマーを用いる
と、減衰性能がさらに向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動的剪断特性の評価方法を説明するための模式
図である。
【図2】荷重−歪みループ曲線を示すグラフ図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J048 AA01 BA01 BA24 BD04 EA38 4J002 AC01X AC03X AC06X AC07X AC08X AC09X BB15X BB18X BB24X BD12X BG04X BP01W CF10W CF17W GL00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)と(B)とを必須成分とす
    る高減衰エラストマー組成物であって、上記(A)中の
    ジブロック成分と(B)との合計量が、(A)と(B)
    の合計量の70〜95重量%の範囲内に設定されている
    ことを特徴とする高減衰エラストマー組成物。 (A)ジブロック成分含有の熱可塑性エラストマー、お
    よびジブロック成分非含有の熱可塑性エラストマーの少
    なくとも一方。 (B)未加硫ゴム。
  2. 【請求項2】 上記(A)の熱可塑性エラストマーが、
    スチレン系熱可塑性エラストマーである請求項1記載の
    高減衰エラストマー組成物。
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