JP2003252734A - 二浴式パーマネントウェーブ用中間処理剤、二浴式パーマネントウェーブ用剤及び二浴式パーマネントウェーブ処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪に対する損傷防止効果、弾力性向上効果
及び保湿効果に優れ、毛髪の仕上がり感触も良好なパー
マネントウェーブ用剤を提供する。 【解決手段】 以下の第１剤、中間処理剤及び第２剤か
らなる二浴式パーマネントウェーブ用剤。 （１）還元剤を含有する第１剤。 （２）アニオン化高分子化合物及び／又はアニオン性界
面活性剤を含有する中間処理剤。好ましくは更に両性高
分子化合物及び／又は両性界面活性剤を含有し、より好
ましくは更にアルキルグルコシドを含有する。 （３）酸化剤と、カチオン化高分子化合物及び／又はカ
チオン性界面活性剤とを含有する第２剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、二浴式パーマネン
トウェーブの施術における中間処理の重要性に着目した
二浴式パーマネントウェーブ用中間処理剤、二浴式パー
マネントウェーブ用剤及び二浴式パーマネントウェーブ
処理方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】二浴式パーマネントウェーブの施術にお
いては、基本的には、少なくとも還元剤を含有する第１
剤によって毛髪蛋白質のシスチン結合（ジスルフィド結
合）を還元切断し、次いで器具を用いたワインディング
等を行った後、少なくとも酸化剤を含有する第２剤によ
って毛髪蛋白質のシスチン結合を酸化再生している。し
かし、上記の第１剤及び第２剤処理のみでは、毛髪は還
元・酸化と言う過酷な処理によってかなり大きな損傷を
受け、例えば毛髪の弾力性や強度性の低下、感触の劣化
等と言う不具合を生ずる恐れがある。

【０００３】このような不具合に対して、第１剤処理と
第２剤処理との中間において、毛髪の損傷を回復させた
り毛髪の弾力性や感触を向上させたりする等の目的で、
種々の組成の中間処理剤を用いて中間処理を行うことが
提案されている。一方、上記第１剤，第２剤又は中間処
理剤に対する配合成分として高分子化合物や界面活性剤
等が種々に提案されている。

【０００４】例えば、特開昭５６−１００７１０号公報
に係るパーマネント用組成物では、第１剤にカチオンポ
リマーを含有し、第２剤にアニオン性界面活性剤を含有
している。このカチオンポリマーは、毛髪に吸着されて
その損傷をカバーすると共に弾力性を向上させ、更に、
第２剤のアニオン性界面活性剤と複合体を形成して、毛
髪の感触（指通り感）も良くする効果を期待したもので
ある。

【０００５】特開平７−８９８２９号公報に係るパーマ
ネントウェーブ中間処理剤は、トリグリセライドと界面
活性剤を含有している。この界面活性剤中には、保湿効
果を期待できるアルキルグルコシドも開示されている。
そして、界面活性剤は毛髪の疎水性表面の水に対する濡
れ性等を改善して、毛髪に対する各種成分の浸透を促進
すると言う効果を期待できると考えられている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭５６−
１００７１０号公報に係るパーマネント用組成物では、
カチオンポリマーが第１剤に配合され、未だ十分に膨潤
していない状態の毛髪に対して適用されるため、毛髪に
対して必ずしも十分量のカチオンポリマーが吸着されな
い可能性がある。従って、カチオンポリマーと第２剤の
アニオン性界面活性剤との複合体形成も不十分に終わる
恐れがある。その結果、毛髪の弾力性向上効果が不十分
なものとなる恐れがある。更に、カチオンポリマーを第
１剤に、アニオン性界面活性剤を第２剤に用いる場合、
毛髪の仕上がり時の感触が必ずしも良好なものとならな
い。

【０００７】一方、特開平７−８９８２９号公報に係る
発明のように中間処理剤に界面活性剤を含有させると、
前記した界面活性剤の一般的な効果を期待できる。しか
し、従来、界面活性剤自体は毛髪の弾力性向上には寄与
しないと考えられており、従って毛髪の弾力性向上をも
意図して界面活性剤を配合すると言う処方は行われてい
ない。

【０００８】以上の点に鑑み、本発明は、二浴式パーマ
ネントウェーブ用剤において、とりわけその中間処理剤
と第２剤との特定の配合処方の組合わせを工夫すること
により、毛髪に対して優れた損傷防止効果と弾力性向上
効果を示し、毛髪の仕上がり時の良好な感触も得られ、
更には毛髪の保湿効果をも高め得る二浴式パーマネント
ウェーブ用剤を提供することを、解決すべき課題とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段及びその作用・効果】（第
１発明の構成）上記課題を解決するための本願第１発明
（請求項１に記載の発明）の構成は、二浴式パーマネン
トウェーブ用剤における第１剤の処理後、第２剤の処理
前に使用する中間処理剤であって、アニオン化高分子化
合物及び／又はアニオン性界面活性剤を含有する、パー
マネントウェーブ用中間処理剤である。

【００１０】（第１発明の作用・効果）第１発明に係る
中間処理剤は、アニオン化高分子化合物及び／又はアニ
オン性界面活性剤を含有する。

【００１１】後述するように、二浴式パーマネントウェ
ーブ用剤においては、その第２剤にカチオン化高分子化
合物及び／又はカチオン性界面活性剤を配合すること
が、毛髪の仕上がり時の良好な感触（指通り感）のため
に特に好ましい。そのため、中間処理剤に配合する高分
子化合物及び／又は界面活性剤としては、第２剤のカチ
オン化高分子化合物及び／又はカチオン性界面活性剤と
良好に複合体を形成し得るアニオン化高分子化合物及び
／又はアニオン性界面活性剤が特に好ましい。よって第
１発明に係る中間処理剤は、上記のような第２剤との組
合わせにおいて、毛髪の弾力性向上効果及び仕上がり時
の感触が特に優れる。

【００１２】アニオン化高分子化合物に関しては、これ
が第１剤処理により十分に膨潤した状態の毛髪に対して
適用されることとなるため、毛髪に対してアニオン化高
分子化合物が十分に吸着され、毛髪に対する損傷回復と
毛髪の弾力性向上とが十分に果たされる。又、アニオン
性界面活性剤に関しては、毛髪に対する各種成分の浸透
を促進すると言う従来公知の効果に加え、これが毛髪の
弾力性向上にも寄与し得ることが分かった。従ってアニ
オン性界面活性剤もアニオン化高分子化合物と同様の効
果を期待できる。

【００１３】（第２発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第２発明（請求項２に記載の発明）の構成は、
前記第１発明に係る中間処理剤が、更に両性高分子化合
物及び／又は両性界面活性剤を含有する、パーマネント
ウェーブ用中間処理剤である。

【００１４】（第２発明の作用・効果）中間処理剤に配
合した両性高分子化合物及び／又は両性界面活性剤は、
中間処理剤のｐＨにもよるが、一般的にアニオン化高分
子化合物あるいはアニオン性界面活性剤としての幾分穏
やかな挙動を示す。従って一定の限度においてアニオン
化高分子化合物あるいはアニオン性界面活性剤と同様の
効果を奏する。しかも、幾分穏やかな挙動のために、毛
髪の弾力性を向上させつつも、毛髪のゴワツキ等の過剰
効果を回避させる効果がある。このため、毛髪の弾力性
向上を特に強く考慮しない場合には、第２発明の中間処
理剤を好ましく用いることができる。

【００１５】（第３発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第３発明（請求項３に記載の発明）の構成は、
前記第１発明又は第２発明に係る中間処理剤が、更にア
ルキルグルコシドを含有する、パーマネントウェーブ用
中間処理剤である。

【００１６】（第３発明の作用・効果）第３発明の中間
処理剤が含有するアルキルグルコシドは界面活性剤又は
保湿剤として機能するため、毛髪に好ましい保湿効果を
もたらし、毛髪の柔らかくシットリとした感触を実現で
きる。一方、従来は、界面活性剤や保湿剤は、毛髪の弾
力性向上への影響に関しては、無関係もしくはネガティ
ブに作用すると考えられていた。しかし本願発明者の研
究により、アルキルグルコシドは保湿作用を示す一方で
毛髪の弾力性を向上させる効果もあることが分かった。
従って第３発明の中間処理剤は、上記の毛髪の保湿効果
に加え、第１剤処理後の毛髪に対して一層優れた損傷防
止効果と弾力性向上効果を示す。

【００１７】即ち、第３発明の中間処理剤は、毛髪の柔
らかくシットリとした感触と、ウェーブの優れた弾力性
とを両立させることができる。

【００１８】（第４発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第４発明（請求項４に記載の発明）の構成は、
以下の（１）〜（３）からなる二浴式パーマネントウェ
ーブ用剤である。 （１）還元剤を含有する第１剤。 （２）アニオン化高分子化合物及び／又はアニオン性界
面活性剤を含有する中間処理剤。 （３）酸化剤と、カチオン化高分子化合物及び／又はカ
チオン性界面活性剤とを含有する第２剤。

【００１９】（第４発明の作用・効果）第４発明のパー
マネントウェーブ用剤は、還元剤を含有する第１剤によ
る毛髪蛋白質のシスチン結合の還元切断、中間処理剤に
よる毛髪の損傷回復あるいは保護、酸化剤を含有する第
２剤による毛髪蛋白質のシスチン結合の酸化再生と言う
基本的な作用・効果に加え、次の特別な作用・効果を奏
する。

【００２０】即ち、第４発明のパーマネントウェーブ用
剤はアニオン化高分子化合物及び／又はアニオン性界面
活性剤を含有する中間処理剤を含むので、パーマネント
ウェーブ処理において上記第１発明の効果を確保するこ
とができる。そして中間処理剤のアニオン化高分子化合
物及び／又はアニオン性界面活性剤が毛髪に十分に吸着
された後に、これに対して第２剤のカチオン化高分子化
合物及び／又はカチオン性界面活性剤が複合体を形成す
るので、毛髪の弾力性が一層向上する。更に、アニオン
性−カチオン性複合体の形成に当たり、カチオン性成分
を第２剤に用いるため、毛髪の仕上がり時の感触（指通
り感）が特に良好である。

【００２１】（第５発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第５発明（請求項５に記載の発明）の構成は、
前記第４発明に係る中間処理剤が、更に両性界面活性剤
及び／又は両性高分子化合物を含有する、二浴式パーマ
ネントウェーブ用剤である。

【００２２】（第５発明の作用・効果）第５発明におい
ては、その中間処理剤が更に両性界面活性剤及び／又は
両性高分子化合物を含有するので、これを用いたパーマ
ネントウェーブ処理において、上記第４発明の効果に加
え、中間処理剤に起因する前記第２発明の作用・効果を
得ることができる。

【００２３】（第６発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第６発明（請求項６に記載の発明）の構成は、
前記第４発明又は第５発明に係る中間処理剤が更にアル
キルグルコシドを含有する、二浴式パーマネントウェー
ブ用剤である。

【００２４】（第６発明の作用・効果）第６発明のパー
マネントウェーブ用剤は、その中間処理剤が更にアルキ
ルグルコシドを含有するので、これを用いたパーマネン
トウェーブ処理において、上記第４発明の効果に加え、
中間処理剤に起因する前記第３発明の効果を得ることが
できる。

【００２５】（第７発明の構成）上記課題を解決するた
めの本願第７発明（請求項７に記載の発明）の構成は、
第４発明〜第６発明のいずれかに係るパーマネントウェ
ーブ用剤を用いて、毛髪に対して前記第１剤、中間処理
剤及び第２剤を順次処理する、二浴式パーマネントウェ
ーブ処理方法である。

【００２６】（第７発明の作用・効果）第７発明によっ
て、上記第４発明〜第６発明の効果を伴うパーマネント
ウェーブ処理方法が提供される。

【００２７】

【発明の実施の形態】次に、第１発明〜第７発明の実施
の形態について説明する。以下において単に「本発明」
と言うときは、第１発明〜第７発明を一括して指してい
る。

【００２８】〔パーマネントウェーブ用剤〕本発明のパ
ーマネントウェーブ用剤は、二浴式のパーマネントウェ
ーブ用剤であって、少なくとも還元剤を含有する第１
剤、少なくともアニオン化高分子化合物及び／又はアニ
オン性界面活性剤を含有する中間処理剤、及び、少なく
とも酸化剤とカチオン化高分子化合物及び／又はカチオ
ン性界面活性剤とを含有する第２剤からなる。中間処理
剤は、好ましくは更に両性高分子化合物及び／又は両性
界面活性剤を含有し、特に好ましくは更にアルキルグル
コシドを含有する。

【００２９】中間処理剤が含有するアニオン化高分子化
合物及び／又はアニオン性界面活性剤に関しては、アニ
オン化高分子化合物のみを含有する実施形態、アニオン
性界面活性剤のみを含有する実施形態、及び、これらの
両方を含有する実施形態がある。

【００３０】中間処理剤が含有する両性高分子化合物及
び／又は両性界面活性剤に関しては、両性高分子化合物
のみを含有する実施形態、両性界面活性剤のみを含有す
る実施形態、及び、これらの両方を含有する実施形態が
ある。

【００３１】第２剤が含有するカチオン化高分子化合物
及び／又はカチオン性界面活性剤に関しては、カチオン
化高分子化合物のみを含有する実施形態、カチオン性界
面活性剤のみを含有する実施形態、及びこれらの両方を
含有する実施形態がある。

【００３２】本発明のパーマネントウェーブ用剤を構成
する第１剤，中間処理剤及び第２剤は、別の容器に封入
されたセット物として販売及び流通に供されても良い
し、これらの各剤が別個に販売及び流通に供される場合
でも、結果的にパーマネントウェーブ用剤としてセット
使用される限りにおいて、本発明のパーマネントウェー
ブ用剤を構成する。

【００３３】〔第１剤〕第１剤は、還元剤を含有するも
のである限りにおいて限定されないが、好ましくはアル
カリ剤と還元剤とを含有する。還元剤の種類は限定され
ないが、例えば、チオグリコール酸やその塩類、及び／
又は、システインやその塩類等が選ばれる。チオグリコ
ール酸としては、チオグリコール酸アンモニウムやチオ
グリコール酸モノエタノールアミン等が例示される。ア
ルカリ剤の種類も限定されないが、例えばアンモニア，
アルカノールアミン類，有機アミン類，塩基性アミノ
酸，無機アルカリ及びそれらの塩等が例示される。

【００３４】第１剤には、他にも、例えば高級アルコー
ル，界面活性剤，蛋白質あるいはポリペプチド，キレー
ト剤，油成分，アミノ酸，養毛剤，着色剤等を任意に配
合することができる。第１剤は、例えば可溶化ローショ
ン状，乳化ローション状，クリーム状，ジェル状，エア
ゾール状等の剤型で用いることができる。

【００３５】〔中間処理剤〕中間処理剤は、二浴式パー
マネントウェーブ用剤における第１剤の処理後、第２剤
の処理前に使用する中間処理剤である。この中間処理剤
は、前記した配合成分を含有する限りにおいて、その剤
型，ｐＨ，その他の配合剤の種類及び配合量等は限定さ
れない。例えば、中間処理剤の剤型は、溶液，乳液，エ
アゾール，可溶化ローション状，乳化ローション状，ク
リーム状，ジェル状，エアゾール状等とすることができ
る。中間処理剤のｐＨは、必要に応じ酸性〜アルカリ性
領域において任意に設定できる。

【００３６】中間処理剤には、上記配合成分の他に、高
級アルコール，蛋白質あるいはポリペプチド，キレート
剤，油成分，アミノ酸，養毛剤，着色剤等を任意に配合
することができる。中間処理剤は、例えば可溶化ローシ
ョン状，乳化ローション状，クリーム状，ジェル状，エ
アゾール状等の剤型で用いることができる。

【００３７】〔第２剤〕第２剤は、前記した配合成分を
含有する限りにおいて、内容を限定されない。酸化剤の
種類は限定されないが、例えば、臭素酸カリウム，臭素
酸ナトリウム，過ホウ素酸ナトリウム，過酸化水素水等
を例示できる。

【００３８】第２剤には、他にも、例えば高級アルコー
ル，蛋白質あるいはポリペプチド，キレート剤，油成
分，アミノ酸，養毛剤，着色剤等を任意に配合すること
ができる。第２剤は、例えば可溶化ローション状，乳化
ローション状，クリーム状，ジェル状，エアゾール状等
の剤型で用いることができる。

【００３９】〔高分子化合物〕アニオン化高分子化合物 中間処理剤に配合するアニオン化高分子化合物の種類は
限定されないが、例えば、アクリル酸・アクリル酸アミ
ド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸・アクリル
酸アミド・アクリル酸エチル共重合体カリウム塩液、ア
クリル酸アルキルエステル・メタクリル酸アルキルエス
テル・ジアセトンアクリルアミド・メタクリル酸共重合
体液、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ア
クリル樹脂アルカノールアミン液、カルボキシビニルポ
リマー、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
ブチルアミノエチル、アクリル酸オクチルアミドの共重
合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、酢酸ビニル・
クロトン酸・ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル
・クロトン酸・プロピオン酸ビニル共重合体、メチルビ
ニルエーテル・マレイン酸モノブチルエステル共重合体
等が挙げられる。

【００４０】中間処理剤におけるアニオン化高分子化合
物の配合量は、必要に応じて任意に設定され、特段の限
定はない。但し、配合量が０．０１重量％未満であると
十分な配合効果を確保できない恐れがあり、配合量が
２．０重量％を超えると仕上がり後の毛髪への残留性が
多くなって毛髪のゴワツキを招く恐れがある。

【００４１】両性高分子化合物 中間処理剤に配合する両性高分子化合物の種類は限定さ
れないが、例えば、Ｎ−メタクリロイルエチルＮ，Ｎ−
ジメチルアンモニウムα−Ｎ−メチルカルボキシベタイ
ン・メタクリル酸ブチル共重合体（市販名；ユカフォー
マーＡＭ−７５；三菱化学社製）、アクリル酸ヒドロキ
シプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリ
ル酸オクチルアミド共重合体（市販名；アンフォマー２
８−４９１０；ナショナルスターチ社製）、塩化ジメチ
ルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体（市販
名；マーコート２８０，２９５；カルゴン社製）、塩化
ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アク
リル酸のターポリマー（市販名；マーコートプラス３３
３０，３３３１；カルゴン社製）、アクリル酸・アクリ
ル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチル
アンモニウム共重合体（市販名；マーコート２００１；
カルゴン社製）等が挙げられる。

【００４２】中間処理剤における両性高分子化合物の配
合量は、必要に応じて任意に設定され、特段の限定はな
い。但し、配合量が０．１重量％未満であると十分な配
合効果を確保できない恐れがあり、配合量が１０重量％
を超えると仕上がり後の毛髪への残留性が多くなって毛
髪のゴワツキを招く恐れがある。

【００４３】カチオン化高分子化合物 第２剤に配合するカチオン化高分子化合物の種類は限定
されないが、ポリマー鎖に結合したアミノ基又はアンモ
ニウム基を含むか、又は少なくともジメチルジアリルア
ンモニウムハライドを構成単位として含む水溶性のもの
であり、例えばカチオン化セルロース誘導体、カチオン
性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジアリル４級ア
ンモニウム塩重合物、ジアリル４級アンモニウム塩・ア
クリルアミド共重合物及び４級化ポリビニルピロリドン
誘導体などが挙げられる。

【００４４】カチオン化セルロース誘導体の市販品とし
ては、ライオン（株）のレオガードＧ，ＧＰ、ユニオン
カーバイド社のポリマーＪＲ−１２５，ＪＲ−４００，
ＪＲ−３０Ｍ，ＬＲ−４００，ＬＲ−３０Ｍ等が挙げら
れる。その他のカチオン化セルロース誘導体としてはヒ
ドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウ
ムクロリドが挙げられ、市販品としてはナショナルスタ
ーチアンドケミカル社のセルコートＨ−１００，Ｌ−２
００等が挙げられる。カチオン化グアーガム誘導体とし
ては、例えば、特公昭５８−３５６４０号、特公昭６０
−４６１５８号及び、特開昭５８−５３９９６号公報に
記載され、RHONE-POULENC 社のジャガーＣ−１３Ｓ，同
−１４Ｓ，同−１７，同−２１０，同−１６２，ＨＩ−
ＣＡＲＥ１０００として市販されている。ジアリル４級
アンモニウム塩重合物としては、市販品としてカルゴン
社のマーコート１００等が挙げられる。カチオン性のジ
アリル４級アンモニウム塩・アクリルアミド共重合物と
しては、市販品としては、カルゴン社のマーコート２２
００，５５０等が挙げられる。４級化ポリビニルピロリ
ドン誘導体としては、分子量１万〜２００万のものが好
ましく、市販品としては、アイエスピー・ジャパン
（株）のガフコート７３４，７５５，７５５Ｎ等が挙げ
られる。

【００４５】第２剤におけるカチオン化高分子化合物の
配合量は、必要に応じて任意に設定され、特段の限定は
ない。但し、配合量が０．０１重量％未満であると十分
な配合効果を確保できない恐れがあり、配合量が１．０
重量％を超えると仕上がり後の毛髪への残留性が多くな
って毛髪のゴワツキを招く恐れがある。

【００４６】〔界面活性剤〕アニオン性界面活性剤 中間処理剤に配合されるアニオン性界面活性剤の種類は
限定されないが、例えば、硫酸エステル塩，リン酸エス
テル塩，スルホン酸塩及びカルボン酸塩等が挙げられ
る。

【００４７】硫酸エステル塩であるアニオン性界面活性
剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム，ラウリル硫酸ト
リエタノールアミン，ラウリル硫酸アンモニウム，セチ
ル硫酸ナトリウム，ステアリル硫酸ナトリウム等のアル
キル硫酸エステル塩を例示することができる。ポリオキ
シエチレン（以下、ＰＯＥと略す。）ラウリルエーテル
硫酸ナトリウム，ＰＯＥラウリルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミン，ＰＯＥラウリルエーテル硫酸アンモニウ
ム，ＰＯＥアルキルエーテル硫酸ナトリウム，ＰＯＥア
ルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン，ＰＯＥアル
キルエーテル硫酸ジエタノールアミン，ＰＯＥアルキル
エーテル硫酸アンモニウム等のアルキル及びアルキルア
リルエーテル硫酸エステル塩も例示することができる。
硬化ヤシ油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム等の高級脂
肪酸エステル塩の硫酸エステル塩も例示することができ
る。高級脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩も
例示することができる。硫酸化油硫酸化ヒマシ油等も例
示することができる。

【００４８】リン酸エステル塩であるアニオン性界面活
性剤としては、ＰＯＥラウリルエーテルリン酸，ＰＯＥ
オレイルエーテルリン酸，ＰＯＥセチルエーテルリン
酸，ＰＯＥステアリルエーテルリン酸，ＰＯＥアルキル
エーテルリン酸，ＰＯＥアルキルフェニルエーテルリン
酸及びその塩（ナトリウム塩、トリエタノールアミン
塩）等を例示することができる。

【００４９】スルホン酸塩であるアニオン性界面活性剤
としては、α−オレフィンスルホン酸塩を例示すること
ができる。高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩も例示す
ることができる。ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウ
ム，ラウロイルメチルタウリンナトリウム等の高級脂肪
酸アミドのスルホン酸塩も例示することができる。ドデ
シルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアル
キルベンゼンスルホン酸塩も例示することができる。ス
ルホコハク酸ナトリウム，スルホコハク酸ラウリル二ナ
トリウム，ＰＯＥスルホコハク酸二ナトリウム，ＰＯＥ
スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム，スルホコハク酸
ＰＯＥラウロイルエタノールアミドエステル二ナトリウ
ム，ウンデシレノイルアミドエチルスルホコハク酸二ナ
トリウム等のスルホコハク酸塩も例示することができ
る。

【００５０】カルボン酸塩であるアニオン性界面活性剤
としては、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物であるラウロ
イルサルコシンナトリウム等のＮ−アシルサルコシン
塩，Ｎ−ラウロイル−Ｌ−グルタミン酸ナトリウム，Ｎ
−ステアロイル−Ｌ−グルタミン酸二ナトリウム，Ｎ−
ミリストイル−Ｌ−グルタミン酸ナトリウム等のＮ−ア
シルグルタミン酸塩等を例示することができる。脂肪酸
石鹸であるオレイン酸，ステアリン酸，ラウリン酸，パ
ルミチン酸等のナトリウム塩，カリウム塩，トリエタノ
ールアミン塩あるいはアンモニウム塩を例示することが
できる。

【００５１】中間処理剤におけるアニオン性界面活性剤
の配合量は、必要に応じて任意に設定されるものであ
り、特段の限定はない。但し、配合量が０．０１重量％
未満であると十分な配合効果を確保できない恐れがあ
り、配合量が２．０重量％を超えると仕上がり後の毛髪
への残留性が多くなって毛髪のゴワツキを招く恐れがあ
る。

【００５２】両性界面活性剤 中間処理剤に配合される両性界面活性剤の種類は限定さ
れないが、例えば、２−ウンデシル−Ｎ，Ｎ，Ｎ−（ヒ
ドロキシエチルカルボキシメチル）−２−イミダゾリン
ナトリウム、２−ココイル−２−イミダゾリニウムヒド
ロキサイド−１−カルボキシエチロキシ二ナトリウム
塩、２−ヘプタデシル−Ｎ−カルボキシメチル−Ｎ−ヒ
ドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ココアミド
プロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ラウラミドプロピルベタイン等が挙げられる。

【００５３】中間処理剤における両性界面活性剤の配合
量は、必要に応じて任意に設定されるものであり、特段
の限定はない。但し、配合量が０．０１重量％未満であ
ると十分な配合効果を確保できない恐れがあり、配合量
が２．０重量％を超えると仕上がり後の毛髪への残留性
が多くなって毛髪のゴワツキを招く恐れがある。

【００５４】カチオン性界面活性剤 第２剤に配合されるカチオン性界面活性剤の種類は限定
されないが、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ア
ルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメ
チルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウ
ム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、エチル硫
酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモ
ニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリ
ン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン等が挙げ
られる。

【００５５】第２剤におけるカチオン性界面活性剤の配
合量は、必要に応じて任意に設定されるものであり、特
段の限定はない。但し、配合量が０．０１重量％未満で
あると十分な配合効果を確保できない恐れがあり、配合
量が２．０重量％を超えると頭皮刺激を生じる恐れがあ
る。

【００５６】非イオン界面活性剤 非イオン界面活性剤としては、ＰＯＥセチルエーテル，
ＰＯＥステアリルエーテル，ＰＯＥベヘニルエーテル，
ＰＯＥオレイルエーテル，ＰＯＥラウリルエーテル，Ｐ
ＯＥオクチルドデシルエーテル，ＰＯＥヘキシルデシル
エーテル，ＰＯＥイソステアリルエーテル等の、ＰＯＥ
アルキルエーテルを例示することができる。

【００５７】〔アルキルグルコシド〕アルキルグルコシ
ドの種類は限定されないが、炭素数が８〜１６であるア
ルキル部分を持つアルキルグルコシドが例示される。エ
チルグルコシド，ブチルグルコシド，デシルグルコシ
ド，ウンデシルグルコシド，ラウリルグルコシド，ミリ
スチルグルコシド，セトステアリルグルコシド，セトス
テアリルグルコシド・セトステアリルアルコール，オリ
ゴブドウ糖デカノール配糖体，ポリオキシエチレンメチ
ルグルコシド，炭素数が１４〜１８であるアルキル部分
を持つポリオキシプロピレンカルボキシアルキルジグル
コシド，ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等も例
示される。

【００５８】中間処理剤におけるアルキルグルコシドの
配合量は、必要に応じて任意に設定されるものであり、
特段の限定はない。但し、一般的には０．１重量％以上
を配合することが好ましく、又、配合量の上限を１０重
量％とすることが好ましい。アルキルグルコシドの配合
量が１０重量％を超えると、ウェーブの弾力性を向上さ
せる効果が不十分となる恐れがある。

【００５９】〔パーマネントウェーブ処理方法〕本発明
に係るパーマネントウェーブ処理方法は二浴式パーマネ
ントウェーブ処理方法であって、上記本発明のパーマネ
ントウェーブ用剤を用いて施術される。施術内容とし
て、少なくとも、毛髪に対して上記第１剤、中間処理剤
及び第２剤を順次処理するプロセスを含む。

【００６０】このパーマネントウェーブ処理方法の適用
対象は限定されない。通常の一般毛（健康毛）に適用し
ても良いし、染毛処理又は脱色処理された毛髪に適用し
ても良い。

【００６１】

【実施例】〔パーマネントウェーブ用剤の調製〕それぞ
れ常法に従い、末尾の表１の「ＴＧ」，「ＣＹＳ」の欄
に示す組成のパーマネントウェーブ用第１剤と、末尾の
表２の「中実施例−１」〜「比較例」の欄に示す組成の
パーマネントウェーブ用中間処理剤と、末尾の表３の
「実施例−１」〜「実施例−３」の欄に示す組成の
パーマネントウェーブ用第２剤とを調製した。

【００６２】表１〜表３中のそれぞれの組成分の欄にお
いて、数値は該組成分の配合割合を重量％で示し、
「−」の表記は該組成分を配合していないことを示す。
表２中、「乳酸／乳酸ナトリウム液」の欄に「ｐＨ５．
０」とあるのは、中間処理剤のｐＨが５．０となるよう
に乳酸／乳酸ナトリウム液を配合したことを表し、表３
中、「リン酸／リン酸水素二ナトリウム」の欄に「ｐＨ
６．５」とあるのは、第２剤のｐＨが６．５となるよう
にリン酸／リン酸水素二ナトリウムを配合したことを表
す。

【００６３】〔パーマネントウェーブ用剤の評価〕上記
表１〜表３に示した各例のパーマネントウェーブ用第１
剤，中間処理剤，第２剤を、末尾の表４の「試験１」〜
「試験８」の欄にそれぞれ示す組合わせで用いて、モデ
ルに対するパーマネントウェーブ施術のモニター試験を
行った。そして同表に示すように、試験１〜試験８のモ
ニター試験について、「弾力感（施術後の毛髪の弾力
性）」、「風合（毛髪の仕上がり時の感触）」及び「保
湿効果（施術後の毛髪のシットリとした感触）」を評価
した。その評価結果を表４中に◎〜△で示すが、これら
の判断基準は末尾の表５の通りである。

【００６４】

【表１】

【００６５】

【表２】

【００６６】

【表３】

【００６７】

【表４】

【００６８】

【表５】

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相武 久美子 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字櫨木１番 地の12ホーユー株式会社総合研究所内 Ｆターム(参考） 4C083 AB082 AB282 AB312 AB332 AC022 AC092 AC172 AC302 AC442 AC532 AC542 AC582 AC691 AC692 AC711 AC712 AC772 AD072 AD091 AD092 AD131 AD132 AD162 AD201 AD202 AD442 BB05 BB06 BB07 BB33 BB34 BB35 BB41 CC34 DD06 DD08 DD22 DD23 DD31 DD41 EE06 EE07 EE09 EE25 EE29

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 二浴式パーマネントウェーブ用剤におけ
   る第１剤の処理後、第２剤の処理前に使用する中間処理
   剤であって、 アニオン化高分子化合物及び／又はアニオン性界面活性
   剤を含有することを特徴とするパーマネントウェーブ用
   中間処理剤。
2. 【請求項２】 前記中間処理剤が、更に両性高分子化合
   物及び／又は両性界面活性剤を含有することを特徴とす
   る請求項１に記載のパーマネントウェーブ用中間処理
   剤。
3. 【請求項３】 前記中間処理剤が、更にアルキルグルコ
   シドを含有することを特徴とする請求項１又は請求項２
   に記載のパーマネントウェーブ用中間処理剤。
4. 【請求項４】 以下の（１）〜（３）からなることを特
   徴とする二浴式パーマネントウェーブ用剤。 （１）還元剤を含有する第１剤。 （２）アニオン化高分子化合物及び／又はアニオン性界
   面活性剤を含有する中間処理剤。 （３）酸化剤と、カチオン化高分子化合物及び／又はカ
   チオン性界面活性剤とを含有する第２剤。
5. 【請求項５】 前記中間処理剤が、更に両性界面活性剤
   及び／又は両性高分子化合物を含有することを特徴とす
   る請求項４に記載の二浴式パーマネントウェーブ用剤。
6. 【請求項６】 前記中間処理剤が更にアルキルグルコシ
   ドを含有することを特徴とする請求項４又は請求項５に
   記載の二浴式パーマネントウェーブ用剤。
7. 【請求項７】 請求項４〜請求項６のいずれかに記載の
   パーマネントウェーブ用剤を用いて、毛髪に対して前記
   第１剤、中間処理剤及び第２剤を順次処理することを特
   徴とする二浴式パーマネントウェーブ処理方法。