明 細 書
パーマネントウエーブ保持形成剤、及び、それを用いたパーマネントゥェ ーブ保持形成方法
技術分野
[0001] 本発明は、パーマネントウエーブ保持形成剤に関するものであり、さらに詳細には、 効果的にウェーブ効果をあげ、毛髪に酸ィ匕的損傷を与えない、しかも頭皮、皮膚に 対して安全なパーマネントウエーブ保持形成剤及びそれを用いたパーマネントゥエー ブ保持形成方法に関するものである。
背景技術
[0002] パーマネントウエーブ用剤には、基本的機能としてウェーブ形成あるいは縮毛矯正 効果を具備することが求められて 、る。パーマネントウエーブ用剤の効果発現理論は 「1剤による毛髪内のシスチン結合の切断、及び 2剤による再結合」と一般的に定義さ れ、そのため第 1剤には還元剤が、第 2剤には酸化剤が有効成分として配合されて いる。
[0003] パーマネントウエーブ剤第 1剤(単に、第 1剤ということもある)としては、チォグリコー ル酸、システィン、システアミン、チォ乳酸、亜硫酸塩等が使用され、これらの還元剤 の少なくとも 1つが毛髪ケラチンのジスルフイド結合を還元して、 S— S 結合を切 断する。
[0004] パーマネントウエーブ剤第 2剤(単に、第 2剤と 、うこともある)としては、臭素酸塩、 過酸ィ匕水素等が使用され、これらの酸化剤の少なくとも 1つが、パーマネントウエーブ 剤第 1剤によって還元されて生成した毛髪ケラチンチオール基 SHを、もととは異な つた形態で、再結合を行い、ジスルフイド基を再形成させる。
[0005] し力しながら、現在使用されている第 2剤は、強力な酸化剤であるため、その取り扱 いに注意を要するだけでなぐ毛髪を脱色したり、まつ毛パーマに使用時等のトラブ ルが報告されており、これらのトラブルの少な!/、パーマネントウエーブ保持形成剤の 開発が、当該分野で要望されている。
非特許文献 1: Science of Wave, 日本パーマネントウエーブ液工業組合編、 p.26〜27
(2003)新美容出版株式会社
特許文献 1 :EP 0 448 185 A2
特許文献 2:特表 2002— 529488
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] 上記したように、現在一般的に第 2剤として使用されている無機の臭素酸塩及び過 酸ィ匕水素は強力な酸化剤であるために、それ自体の毒性もさることながら、第 1剤の 還元によってできた毛髪ケラチンのチオール基が過度に酸ィ匕されてシスティン酸(一 SO H)となり、毛髪損傷の主たる原因となっている。又強い酸化力のために、毛髪の
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メラニンが破壊され、所謂「退色 Z脱色」 t 、う好ましくな 、現象を呈する。
[0007] 更には、頭皮及び皮膚にこれらの酸化剤が付着し、各種のトラブルが発生しており 、特に「まつ毛パーマ」の場合、細心の注意と高度な技術が要求される。
[0008] これらの点に鑑み、本発明は、ウェーブ効果に優れ、毛髪の損傷を起こさず、し力も 毛髪及び皮膚に対しても安全なパーマネントウエーブ保持形成剤及びそれを用いた パーマネントウエーブ保持形成方法を新たに開発する目的でなされたものである。 課題を解決するための手段
[0009] 上記課題を解決することを目的としてなされた本発明パーマネントウエーブ保持形 成の構成は、チオールスルフォネートイ匕合物を有効成分としてなることを特徴とするも のである。
[0010] また、上記課題を解決することを目的としてなされた本発明のパーマネントウエーブ 保持形成方法の構成は、パーマネントウエーブ処理工程において、パーマネントゥェ 一ブ剤第 1剤によって還元的に切断された毛髪ケラチンを請求項 1〜3のいずれか の保持形成剤と反応させて、パーマネントウエーブを保持,形成することを特徴とする ものである。
[0011] 更に、上記課題を解決することを目的としてなされた本発明のパーマネントウエーブ 保持形成方法の他の構成は、パーマネントウエーブ処理工程において、パーマネン トゥエーブ剤第 1剤によって還元的に切断された毛髪ケラチンを、前処理剤として請 求項 1〜3のいずれかの保持形成剤と反応させてパーマネントウエーブを予備固定し
た後、低濃度の過酸化水素又は臭素酸塩を用いて前記ウェーブを保持,形成するこ とを特徴とするものである。
[0012] 而して、従来の第 2剤である臭素酸塩や過酸化水素等が、酸素の介在を必須とす る点に着目し、酸素を介在しない系で毛髪のウェーブ形成をすれば、毛髪損傷、即 ちチオール基の過酸ィ匕でシスティン酸の生成やメラニン色素の破壊による「退色 Z 脱色」が防止できるのではないかと、酸素の介在しないパーマネントウエーブ系を新 たに構築し、それに適する化合物のスクリーニングを鋭意行った。
その結果、水溶性のチオールスルフォネートイ匕合物(一 S— SO —構造をもつ化合
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物)がこの目的に適合することをはじめて見出した。
[0013] 今までに、同様な目的でなされた先行技術には、シスタミン等のジスルフイド化合物
、るが、化合物の 安定性や効果の点で十分とは言えな 、。
[0014] そして、更に研究を行った結果、入手の容易性、価格の面から、例えば下記化 1に 示す一般式(1)で示されるチオールスルフォネート基を有する化合物を使用すれば
、従来の第 2剤とは全く異なり、反応系に酸素を介在させることなぐ安全で、しかも従 来の毛髪及び皮膚に損傷を与えることなぐ効果的に毛髪のウェーブを形成、固定 ィ匕剤として使用できることを確認し本発明に至った。
[0015] [化 1]
¾—— NH-CH-CH2-S02
I · nHX (1)
Rl一 NH-†H-CH2-S
R2
Κχ: H, CH3CO, NH2(NH=)-C
R2: H, COOH
n : 0, 1, 2
X: CI, Br, HSO4
[0016] 本発明にお!/、ては、チオールスルフォネート基を有する化合物であれば、全てのも のが適宜使用可能である力 一般式(1)の化合物の中で、特に次の化合物が有用
化合物として例示される。
(I) 2 アミノエチル 2—アミノエタンチオールスルフォネート 2塩酸塩 Z硫酸塩 [化 2]
R, = H, R2 = H, n 二 2/1, X = C I / HS04 NH2-CH2-CH2-S02
I ■ 2HGI Z H2S04
NH2-CH2-CH2-S
(II) 2 グァ-ジノエチル 2—グァ-ジノエタンチオールスルフォネート 2臭素酸塩 [化 3]
R】 = NH2 (NH=) -C-, R2 = H, n = 2, X = Br
NH2 (NH=) -C-NH-CH2-CH2-S02
I ■ 2HBr
NH2 (NH=) -C-NH-CH2-CH2-S
(III) 2 ァセタミドエチル 2—ァセタミドエタンチオールスルフォネート、
[化 4]
R〗 = CH3CO-, R2 = H, n = 0,
CH3C0-NH-CH2-CH2-S02
I
CH3C0-NH-CH2-CH2-S
(iv)シスチンチオールスルフォネート
R, = H, R2 = C00H, n = 0
NH2-CH (C00H) -CH2-S02
NH2-CH (COOH) -CH2-S
(v)グァ-ルシスチンチオールスルフォネート
[化 6]
R, = NH2 (NH=) -C-, R2 = COOH, n = 0
NH2 (NH=) -C-NH-CH (COOH) - CH2- S02
NH2 (NH=) -C-NH-CH (COOH) - CH2- S
(VI) N—ァセチルシスチンチオールスルフォネート
CH3C0- NH-GH (COOH)一 CH2-S02
CH3CO-NH-CH (COOH) - CH2-S 発明の効果
[0017] 本発明は、パーマネントウエーブ保持形成剤としてチオールスルフォネート基を有 する化合物を新たに使用する点を特徴とするものである。本化合物は、従来の強力 な酸化剤と異なり、毛髪のウェーブ固定ィ匕時に酸素の介在を必要としないという特性 を有するものであるため、安全性が高ぐ頭皮、皮膚や毛髪にダメージやトラブルを 大幅に軽減することができ、又毛髪のメラニン色素の破壊も抑制されるので、毛髪の 退色 Z脱色が生じな 、と 、う著効が奏され、し力もウェーブ効果もすぐれて 、る。
[0018] 本化合物は、安全性が高いため、全く新規な第 2剤として用いることができ、これに より毛髪や皮膚に付着しても、従来の第 2剤のように重大なトラブルを引き起こすこと
力 いため、美容師等施術者の負担を大幅に軽減することができる。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本発明は、チオールスルフォネートイ匕合物をパーマネントウェーブ保持形成剤の有 効成分として使用する点を特徴とするものである。本発明は、反応系に酸素を介在さ せて、還元型毛髪ケラチンのチオール基を酸ィ匕し、ジスルフイド結合を形成させる従 来の無機の酸化剤とは異なり、全く異なった機構の性質を持つ、有機化合物のパー マネントゥエーブ保持形成剤である。その反応機構は不明であるが、還元型毛髪ケラ チンの効果的に形成したウェーブを固定ィ匕できる。
[0020] 図 1は、パーマ剤による処理結果を示す平面図で、図 1の左側は、市販のパーマ第 1剤(チオダリコール酸)〜第 2剤 (過酸化水素)で処理したものを示し、図 1の右側は 、同じ市販のパーマ第 1剤 (チオダリコール酸)〜第 2剤として化合物 [I]の塩酸塩の 5 %水溶液で処理したものを示して 、る。
[0021] 本発明のチオールスルフォネートイ匕合物をパーマネントウエーブ保持形成剤として 使用する場合。 0.1〜50%濃度の溶液、好ましくは 3〜10%濃度の溶液である。 また、本剤の作用時間は、毛髪の性質、使用温度に依存するが 1〜45分、好ましく は 15〜30分である。又使用時の pHは中性以下が好ましい。使用時の温度は、 5〜6 0°Cで、好ましく 20〜50°Cである。
チオールスルフォネートイ匕合物が鉱酸塩の場合、施術後アンモニア、モノエタノー ルァミン、苛性ソーダ、炭酸塩等の希薄なアルカリ剤で中和、洗浄をするのが良い。
[0022] 本発明の化合物を第 2剤のウェーブ固定剤として使用する場合、本剤を単独で使 用する以外に、毛髪の性質、使用温度、ウェーブの程度等により、第 1剤及び既存の 第 2剤との組合わせにより、 V、ろ 、ろな方法が採用できる。
[0023] チオールスルフォネートイヒ合物を前固定剤として使用した後、従来の臭素酸塩又 は過酸ィ匕水素を後固定剤として使用することもできる。この方法では、毛髪ケラチン 還元性の第 1剤で一定時間処理した後、濯ぎ落し、引きつづいて前固定剤としてチ オールスルフォネートイ匕合物を用いて後、更に臭素酸塩又は過酸化水素を用いてゥ エーブを固定化する。この場合、酸化剤は低濃度であることが望ましぐ過酸化水素 では 0.1〜 1 %であること、臭素酸塩では 1〜5%が好まし 、。
[0024] この方法の利点は、チオールスルフォネートイ匕合物によって、損傷を受け易い、即 ち過酸ィ匕によって毛髪ケラチンのシスティン基がシスティン酸になり易い部分を先に 固定化し、しかる後に従来の第 2剤で固定ィ匕を完全にする方法である。この方法を用 いれば、従来の酸化剤である第 2剤を用いても、毛髪の損傷を少なくし、ウェーブの 固定ィ匕を効果的に行うことができる。
[0025] 先に、本発明者は、「損傷の少ない、安全なパーマネントウェーブ剤第 1剤」として。
N グァニノレシスティンを開発した。(WO 2006/103860 A1)
パーマネントウエーブ剤第 1剤として使用し、固定化剤としてチオールスルフォネート を単独又は従来の第 2剤と併用すれば、全く新規な、毛髪に損傷を与えない、安全 なパーマシステムができる。毛髪の還元段階とウェーブ保持形成段階で、毛髪損傷 を極力抑えられる理想的パーマネントウエーブ ·システムである。
[0026] 以上の事例を、以下実施例にて、例証するが、本発明は、これらの実施例にのみ 限定されるものでない。
(実施例 1:チオールスルフォネートイ匕合物の合成)
(1)2-アミノエチル 2—アミノエタンチオールスルフォネート 2塩酸塩 Z硫酸塩の合 成
アミノエタンチオール.塩酸塩 114g (1.0モル)とヨウ化カリ lgを 2リツターの反応コル ベン中、 200mlの水に溶解し、冷却攪拌しながら 30%過酸ィ匕水素溶液の 1.5モル溶液 (約 140ml)を 25°C以下で滴下し、一夜攪拌放置する。反応液を減圧濃縮し、酢酸を 加えて晶出を行い、結晶をろ過し、採取する。
[0027] 採取した結晶を少量の水に溶解し、 95%のエタノールをカ卩え、再結晶を行う。得ら れた結晶をろ過、乾燥して、 110gの 2 アミノエチルー 2 アミノエタンチオールスル フォネート 2塩酸塩を得た。収率: 85.5%
元素分析は次の通りであった。
C (%) H (%) N (%)
(実測地) 18.58 5.65 10.93
(理論値) 18.67 5.49 10.89
アミノエタンチオール ·塩酸塩に代えて、アミノエタンチオール ·硫酸塩を使用して
、上記と同様な方法で合成して、 2—アミノエチル一 2—アミノエタンチオールスルフ ォネート硫酸塩を得た。
[0028] (II) 2 グァ-ジノエチルー 2 グァ-ジノエタンチオールスルフォネート 2臭素酸塩
S (アミノエチル)イソ尿素 · 2臭素酸塩 (AET · 2HBr) 11.24g (40.0 mmol)を水酸 ィ匕バリウム 8水塩 12.6g (40.0 mmol) Z水、 200mlの溶液に素早く投入し、 10分後に、 氷冷下、濃硫酸 4.0gをカ卩える。少量のヨウ素と 30%過酸ィ匕水素の 60mmol相当の約 6 .2mlをカ卩える。 30°Cで、 2日間放置後、沈澱 (BaSO )を濾別し。濾液を減圧濃縮し、
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酢酸溶液より結晶を晶出させて 5.5g (72%) m.p.l62— 164°Cの 2 グァ-ジノエチル 2—グァ-ジノエタンチオールスルフォネート 2臭素酸塩を得た。
[0029] (III) 2 ァセタミドエチルー 2 ァセタミドエタンチオールスルフォネート、
2 ァセタミドエタンチオール(122g)とヨウ化カリ(lg)を水(375ml)に溶解し、冷 却攪拌しながら、 30%過酸ィ匕水素 150mlを 25°C以下で滴下し、一夜攪拌放置する。 蒸発、晶出し、結晶を 1-ブタノールより再結晶して、 116.5g (収率: 87%)、 m.p. 95— 9 6°Cの 2 ァセタミドエチル 2 ァセタミドエタンチオールスルフォネートを得た。
[0030] (IV)シスチンチオールスルフォネート
500mlの反応コルベン中で L-シスチン 9.6g (0.04モル)を 88%蟻酸 222mlに攪拌、溶 解し、冷却して以下の操作を、 20°Cで行う。 30%濃塩酸 8mlを加え、後 30%過酸化水 素 10mlを滴下する。 2.5時間攪拌を続け、シラップ状になるまで減圧濃縮し、水 100ml を加え、 pH3〜4になるまで濃アンモニア水約 10mlを加える。 4°Cで一夜放置し、析 出した結晶をろ過し、減圧乾燥して、 9.3g (収率 85%)、 m.p. 172— 175°Cの、シスチ ンチオールスルフォネートを得た。
[0031] (V)グァ-ルシスチンチオールスルフォネート
L—シスチンに代えて N グァ-ルー L シスチンを使用して、化合物(IV)の合成 と同様な方法で、グァ-ルシスチンチオールスルフォネートを得た。
[0032] (VI) N-ァセチルシスチンチオールスルフォネート
L シスチンに代えて N ァセチル— L シスチンを使用して、化合物(IV)の合 成と同様な方法で、 N ァセチルシスチンチオールスルフォネートを得た。
[0033] (実施例 2)
ウェーブ保持形成剤としてチオールスルフォネートイ匕合物を単独で使用した場合 <パーマネントウェーブ試験法 >
市販のテスト用毛髪を用い、希薄な中性洗剤で洗浄し、十分すすいで自然乾燥した 毛髪束 (20本)をキルビー (Kirby)法の測定器具にセットし、ウェーブテストに供した。 第一液処理 (30分、 25°C)〜第 2液処理 (30°C、 25分)〜水洗(10分)但し、亜硫酸水 素ナトリウムと亜硫酸ナトリウムの場合は、 40°C、 30分処理した。
処理後、毛髪束をていねいに器具からはずし、ろ紙上において、形成されたゥエー ブの 5つの山の距離 (bcm)を測定し、次式 (数 1)にしたがってウエーブ効率(%) (W. E. %)を算出した。
[0034] 〔数 1〕
W. E. (%) = 100 100 X (b-a) / (c-a)
a:器具の棒の第 1番目から第 6番目までの距離 (30mm)
b:形成されたウェーブの 5つの山の距離(mm)
c: bをまっすぐに伸ばしたときの距離(90mm)
[0035] 実験結果を以下に示す。
第 1剤の還元剤は市販のチォグリコール酸製剤を使用し、固定剤にはチオールス ルフォネート化合物(1)の各 6%水溶液で処理した。
[0036] [表 1]
*):ベネゼルウエーブパーマ液第 1剤 (チォグリコール酸製剤)、 ダリヤ株式会社 **): ベネゼルウェーブパーマ液第 2剤 (過酸化水素製剤)、 ダリヤ株式会社
***)使用後、 2%重炭酸ソーダで中和、 洗浄を行った。
表の数値は同一条件で、 3回の試験の W.E.(%)の平均値。
(+):処理した毛髪の退色が僅かに認められる。
(一):処理した毛髪の退色は認められない。
[0037] 市販の酸化剤 (過酸化水素)を使用したよりも、チオールスルフォネートイ匕合物をゥ
エーブの固定化剤として使用した場合、ウェーブ効果も良好であり、しかも毛髪の退 色も認められない。
[0038] (実施例 3)
第 2剤としてチオールスルフォネートイ匕合物で前固定ィ匕し、後既存の第 2剤で処理 する方法。
第 1剤で処理した還元毛髪を、各チオールスルフォネート化合物の 7%水溶液を前 固定剤として処理し (25分 Z30°C)、引き続き希薄な 1%過酸ィ匕水素で酸ィ匕した。 (25 分 Z30°C)
[0039] [表 2]
*):ベネゼルウェーブパーマ液第 1剤 げォグリコール酸製剤)、 ダリヤ株式会社
**) :ベネゼルウェーブパーマ液第 2剤 (過酸化水素製剤)、 ダリヤ株式会社
表の数値は同一条件で、 3回の試験の W.E.(%)の平均値。
(+):処理した毛髪の退色が僅かに認められる。
(-):処理した毛髪の退色は認められない。
[0040] 実験結果力 分力るように、チオールスルフォネートイ匕合物を前固定剤として使用 し、引き続いて希薄な酸化剤を使用すれば、毛髪を損傷することなぐウェーブを効 果的に固定できる。
[0041] (実施例 4)
第 1剤の N—グァニルシスティンと第 1剤との組み合わせ。
第 1剤の還元剤の 0.22モルの水溶液をアンモニアで pH9に調整し処理し、前固定 剤には化合物(1)の塩酸塩の 7%水溶液で処理し、続いて酸化剤の第 2剤には 3% 臭素酸ソーダ (PH6.5)で処理した。
[0042] [表 3]
第 1剤 化合物(1 )の 7 %水溶液 ( + ) 3%臭素酸ソーダ溶液 チォグリコール酸 19.3 (-) 21.3 (-)
システィン 15.6 (-) 17.3 (一)
N-グァニルシスティン 23.1 (一) 26.8 (―)
表の数値は同一条件で、 3回の試験の W.E.(%)の平均値。
(一)は処理した毛髪の退色は認められない。
[0043] N—グァ-ルシスティン >システィン >チォグリコール酸の順で、総合的な官能試 験の結果を得た。
以上のように。第 1剤として N—グァ-ルシスティンとチオールスルフォネートとを組 合わせるとウェーブ効果が高ぐ毛髪の損傷の極めて少ないパーマネントシステムが できる。
産業上の利用可能性
[0044] 上記カゝら明らかなように、本発明によれば、従来の過酸化水素、臭素酸塩等の酸化 剤のように、反応系に酸素を介在させないため、過酸化や退色 Z脱色による毛髪に 酸ィ匕的ダメージを与えることなぐ又頭皮や皮膚に対しても安全なので、従来品とは 全く異なったメカニズムで、従来品よりも効率よぐ毛髪のウェーブを形成させ、固定 化する有機化合物のパーマネントウェーブ保持形成剤を提供するものである。 図面の簡単な説明
[0045] [図 1]パーマ剤による処理結果を示す平面図。