JP2003245837A - 工具の刃先振れ修正装置及び工具ホルダ - Google Patents

工具の刃先振れ修正装置及び工具ホルダ

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JP2003245837A JP2002044827A JP2002044827A JP2003245837A JP 2003245837 A JP2003245837 A JP 2003245837A JP 2002044827 A JP2002044827 A JP 2002044827A JP 2002044827 A JP2002044827 A JP 2002044827A JP 2003245837 A JP2003245837 A JP 2003245837A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 工具の刃先振れを小さい力で修正できるよう
にするとともに高い振れ精度を安定に維持でき、かつ刃
先振れ修正手段を既存の製品にも容易に適用可能にす
る。 【解決手段】 工具29のシャンク部29aをホルダ本
体31のチャック筒34に嵌合保持するためのコレット
40は円盤状の鍔部42を有し、この鍔部42の周方向
の複数箇所には、鍔部42を工具シャンク部29aの軸
線と平行な方向に貫通して先端面34bに達する振れ修
正用ねじ43が螺合されている。この振れ修正用ねじ4
3は、これを螺入方向に操作して、チャック筒34の先
端面34bに対する振れ修正用ねじ43の押圧力を加減
することにより、工具シャンク部29aの根元部分29
a1を工具29の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変
形させて、工具29の刃先振れを修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の主軸に
ホルダを介して装着されたバニッシングリーマやドリル
等の切削工具の刃先振れを修正できる刃先振れ修正装置
及びこの刃先振れ修正装置を用いた工具ホルダに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械加工において、高精度の加工を
実現するには、切削工具の取付け精度を高精度に維持す
る必要がある。一般に切削工具を工具ホルダでチャッキ
ングする場合の精度は、切削工具のチャック部分から刃
先方向へ所定距離離れた先端の振れ精度を指標としてお
り、高精度の工具ホルダであっても、その振れ精度は3
〜5μmである。すなわち、バニッシングリーマやドリ
ル等の工具ホルダに高精度のチャックを用いても工具の
刃先の振れを限りなくゼロに近づけることは困難であ
る。そこで、工具の刃先の振れを修正できる工具ホルダ
が提案され実用に供されている。
【0003】従来の刃先振れ修正機構付き工具ホルダに
ついて、図面を参照して説明する。図1は従来における
刃先振れ修正機構付き工具ホルダの一例を示す一部切り
欠きの側面図である。この図1において、工具ホルダ1
は、図示省略の工作機械の主軸に装着されるテーパ付き
シャンク部2と、このシャンク部2の大径側端に形成さ
れた掴持用のフランジ3と、このフランジ3の反シャン
ク部側端に軸線を一致させて一体に設けられたアーバ4
とを有し、このアーバ4の先端部にはコレットチャック
5によりドリル等の切削工具6が取り付けられている。
【0004】また、前記アーバ4のフランジ3との連接
部分にはアーバ4より径の大きい段部4aが形成され、
この段部4aには刃先振れ修正機構を構成する回転リン
グ7が回転可能に嵌合されており、この回転リング7の
段部4aと対向する箇所には固定ボルト8が半径方向に
貫通して螺合され、この固定ボルト8により回転リング
7を段部4aに固定できるようになっている。さらに、
前記回転リング7のアーバ4の根元部分と対向する円周
方向の4箇所には刃先振れ修正ねじ9がそれぞれ半径方
向に貫通して螺合されている。
【0005】このような工具ホルダ1において、切削工
具6の刃先振れを修正する場合は、切削工具6がチャッ
キングされた工具ホルダ1のシャンク部2を工作機械の
主軸に装着し、次に切削工具6の先端外周面にテストイ
ンジケータ10を押し当てて主軸の回転中におけるテス
トインジケータ10の読みの最大差を切削工具6の刃先
振れとして測定するとともに、この測定値から切削工具
6の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。その
後、主軸の回転を止めて回転リング7を回転し、その刃
先振れ修正ねじ9の1つを刃先振れ一番高くなった角度
位置と対応するアーバ4の根元部分に合わせ、この位置
に回転リング7を固定ボルト8より固定する。しかる
後、刃先振れの一番高くなった角度位置のアーバ根元部
に合わせた刃先振れ修正ねじ9を締付けることにより、
アーバ4をねじ9の締付け方向に弾性変形させて切削工
具6の刃先の芯ずれをその刃先振れが限りなくゼロに近
づくように、テストインジケータ10を見ながら調整す
る。これにより、切削工具6の刃先振れを修正できる。
【0006】次に、図2により従来の刃先振れ修正機構
付き工具ホルダの他の例について説明する。図2は従来
における刃先振れ修正機構付き工具ホルダの他の例を示
す一部の切り欠き側面図である。この図2において、工
具ホルダ12は、図示省略の工作機械の主軸に装着され
るテーパ付きシャンク部13と、このシャンク部13の
大径側端に形成された掴持用のフランジ14と、このフ
ランジ14の反シャンク部側端に軸線を一致させて一体
に設けられたアーバ15とを有し、このアーバ15の先
端部にはコレットチャック16によりドリル等の切削工
具17が取り付けられている。
【0007】また、図2において、18は前記工具ホル
ダ12にコレットチャック16によりチャッキングされ
た切削工具17の刃先の振れを修正する振れ調整器であ
り、この振れ調整器18は、アーバ15の先端部外周及
びコレットチャック16のロックナット161の外周に
着脱可能に装着されるリング部材181と、このリング
部材181にリング部材181を半径方向に貫通するよ
うに螺合された押しねじ182とを備えている。
【0008】このような振れ調整器18を用いて切削工
具6の刃先振れを修正する場合は、切削工具17がチャ
ッキングされた工具ホルダ12のシャンク部13を工作
機械の主軸に装着し、切削工具17の先端外周面にテス
トインジケータ19を押し当てて主軸の回転中における
テストインジケータ19の読みの最大差を切削工具17
の刃先振れとして測定するとともに、この測定値から切
削工具17の刃先の振れが一番高くなる角度位置を検出
する。その後、主軸の回転を止めてリング部材181を
回転し、その押しねじ182を刃先振れの一番高くなっ
た角度位置と対応するロックナット161の外周部位に
合わせ、この外周部位を押しねじ182の締付けにより
矢印方向に加圧することで、切削工具17の刃先の芯ず
れをその刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テス
トインジケータ19を見ながら調整する。これにより、
切削工具6の刃先振れを修正できる。そして、振れの調
整終了後は、振れ調整器18を工具ホルダ12から取り
外す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1に
示す工具ホルダ1では、アーバ4の根元部分に設けた刃
先振れ修正機構によりアーバ4の根元部分を支点にして
アーバ4に弾性変形を与えることで工具の刃先の芯ずれ
を調整するものであるため、刃先の振れ修正に大きな力
が必要になるほか、図3に示すように、工具6の刃先振
れが10μm、コレットチャック5の近傍である口元の
振れが2μmとした場合、刃先及び口元の回転中心線L
からの芯ずれはそれぞれ5μm、1μmとなる。したが
って、図3に示すように、10μmの刃先の振れがゼロ
になるように修正しても、口元の振れは2μm〜3μm
となる。その結果、口元部分の振れが大きくなり、ホル
ダ本体に回転アンバランスが生じてしまい、リーマなど
による穴径の加工精度に悪影響を及ぼす問題がある。ま
た、図2に示す工具ホルダ12では、刃先の振れが修正
された後に振れ調整器18を工具ホルダ12から取り外
す方式になっているため、折角修正した刃先が元の振れ
位置に戻ってしまう場合があり、刃先の振れ修正位置を
安定に維持できないという問題がある。
【0010】本発明の目的は、工具の刃先振れを小さい
力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安定
に維持でき、かつ刃先振れ修正手段を既存の製品にも容
易に適用できる工具の刃先振れ修正装置及びこれを用い
た工具ホルダを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、工具ホルダに掴持された工具の刃
先振れを修正する装置であって、前記工具ホルダの先端
面に対向して設けられ、かつ前記先端面から前方へ突出
する前記工具のシャンク部の根元部分と結合される支持
部材と、前記支持部材の周方向の複数箇所に該支持部材
を前記工具の軸線と平行な方向に貫通して前記先端面に
達するように螺合された複数の振れ修正用ねじとを備
え、前記先端面に対する前記振れ修正用ねじの押圧力を
加減して前記工具シャンク部の根元部分を工具の刃先振
れがゼロに近づく方向に弾性変形するように構成したこ
とを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載の工具の
刃先振れ修正装置において、前記工具のシャンク部はコ
レットを介して前記工具ホルダに掴持され、前記支持部
材は前記先端面に対向して前記コレットの先端に設けら
れた鍔部により構成されることを特徴とする。請求項3
の発明は、請求項1記載の工具の刃先振れ修正装置にお
いて、前記支持部材は前記工具ホルダ及び工具と別に構
成され、この支持部材は前記工具のシャンク部に着脱可
能に固定されることを特徴とする。
【0013】請求項4の発明は、工具ホルダに掴持され
た工具の刃先振れを修正する装置であって、前記工具ホ
ルダの先端面に対向して設けられた結合部材と、前記結
合部材に一端が分離可能に結合された筒状部材と、前記
筒状部材の他端部開口に揺動可能に支持され、かつ前記
先端面から前方へ突出する前記工具のシャンク部の根元
部分に着脱可能に嵌合された振れ修正用リング部材と、
前記筒状部材の円周方向の複数箇所に該筒状部材を半径
方向に貫通するように螺合され、かつ先端が前記振れ修
正用リング部材の外周面に係合された複数の振れ修正用
ねじとを備え、前記振れ修正用リング部材を前記振れ修
正用ねじにより前記工具シャンク部のラジアル方向から
押圧し、この押圧力を加減して前記工具シャンク部の根
元部分を工具の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形
させるように構成したことを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、工具ホルダに掴持され
た工具の刃先振れを修正する装置であって、前記工具ホ
ルダの先端面に対向して設けられた結合部材と、前記結
合部材に一端が分離可能に結合された筒状部材と、前記
筒状部材の他端部開口内に該筒状部材の軸線廻りに回転
可能に支持されたリング部材と、前記リング部材内に前
記工具のシャンク部の外周面と外接するように配置され
た偏心カムと、前記偏心カムを前記先端面から前方へ突
出する前記工具のシャンク部の根元外周面に圧接させな
がら回転する操作軸とを備え、前記操作軸により前記偏
心カムを回転して前記シャンク部へのラジアル方向の押
圧力を加減することにより前記工具シャンク部の根元部
分を工具の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させ
るように構成したことを特徴とする。
【0015】請求項6の発明は、請求項4または5記載
の工具の刃先振れ修正装置において、前記工具のシャン
ク部はコレットを介して前記工具ホルダに掴持され、前
記結合部材は前記先端面に対向して前記コレットの先端
に設けられた鍔部により構成されることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項4または5記載の工具の刃先
振れ修正装置において、前記結合部材は前記工具ホルダ
及び工具と別に構成され、この結合部材は前記工具のシ
ャンク部に着脱可能に固定されることを特徴とする。
【0016】請求項8の発明は、工具のシャンク部を脱
着可能に掴持する工具ホルダであって、前記工具の刃先
振れを修正する刃先振れ修正機構を備え、前記刃先振れ
修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対向して設けら
れ、かつ前記先端面から前方へ突出する前記工具のシャ
ンク部の根元部分と結合される支持部材と、前記支持部
材の周方向の複数箇所に該支持部材を前記工具の軸線と
平行な方向に貫通して前記先端面に達するように螺合さ
れた複数の振れ修正用ねじとを備えることを特徴とす
る。
【0017】請求項9の発明は、工具のシャンク部を脱
着可能に掴持する工具ホルダであって、前記工具の刃先
振れを修正する刃先振れ修正機構を備え、前記刃先振れ
修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対向して設けら
れた結合部材と、前記結合部材に一端が分離可能に結合
された筒状部材と、前記筒状部材の他端部開口に揺動可
能に支持され、かつ前記先端面から前方へ突出する前記
工具のシャンク部の根元部分に着脱可能に嵌合された振
れ修正用リング部材と、前記筒状部材の円周方向の複数
箇所に該筒状部材を半径方向に貫通するように螺合さ
れ、かつ先端が前記振れ修正用リング部材の外周面に係
合された複数の振れ修正用ねじとを備えることを特徴と
する。
【0018】請求項10の発明は、工具のシャンク部を
脱着可能に掴持する工具ホルダであって、前記工具の刃
先振れを修正する刃先振れ修正機構を備え、前記刃先振
れ修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対向して設け
られた結合部材と、前記結合部材に一端が分離可能に結
合された筒状部材と、前記筒状部材の他端部開口内に該
筒状部材の軸線廻りに回転可能に支持されたリング部材
と、前記リング部材内に前記工具のシャンク部の外周面
と外接するように配置された偏心カムと、前記偏心カム
を前記先端面から前方へ突出する前記工具のシャンク部
の根元外周面に圧接させながら回転する操作軸とを備え
ることを特徴とする。
【0019】請求項11の発明は、請求項8乃至10の
何れか1項記載の工具ホルダにおいて、工作機械のスピ
ンドルに挿着されるシャンク部及び該シャンク部の一端
に軸線を一致して延設され、外周面に先端側に行くに従
い径が小さくなるテーパ面が形成されたチャック筒を有
するホルダ本体と、前記チャック筒を外周面側から締付
ける締付筒とを備え、前記チャック筒を前記締付筒によ
り縮径または復元させて該チャック筒内に嵌挿された前
記工具のシャンク部を直接またはコレットを介して脱着
可能に掴持するように構成したことを特徴とする。
【0020】請求項12の発明は、工具のシャンク部を
脱着可能に掴持する工具ホルダであって、先端面から後
方に行くにしたがい径が減少する同心のテーパ穴を有す
るホルダ本体と、前記テーパ穴に着脱可能に嵌合され前
記工具のシャンク部を掴持するテーパコレットと、前記
ホルダ本体の先端部外周に形成した雄ねじ部に螺合して
前記テーパコレットを軸方向に移動することで前記工具
のシャンク部をチャッキング及びアンチャッキングする
筒状部材と、前記筒状部材の螺合側と反対の他端部開口
に揺動可能に支持され、かつ前記工具のシャンク部に着
脱可能に嵌合された振れ修正用リング部材と、前記筒状
部材の円周方向の複数箇所に該筒状部材を半径方向に貫
通するように螺合され、かつ先端が前記振れ修正用リン
グ部材の外周面に係合された複数の振れ修正用ねじとを
備え、前記振れ修正用リング部材を前記振れ修正用ねじ
により前記工具シャンク部のラジアル方向から押圧し、
この押圧力を加減して前記工具シャンク部の根元部分を
工具の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるよ
うに構成したことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図4(A)は本発明にか
かる工具の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホル
ダの第1の実施の形態を示す縦断側面図、図4(B)は
図4(A)の4−4線に沿う説明用側面図である。
【0022】図4(A)において、ドリルやバニッシン
グリーマ等の切削用の工具29を掴持する工具ホルダ3
0は、ホルダ本体31を有し、このホルダ本体31は、
図示省略した工作機械のスピンドルに挿着されるテーパ
シャンク部32と、このテーパシャンク部32の大径側
端部に形成したフランジ部33と、このフランジ部33
の反テーパシャンク部側の端面からテーパシャンク部3
2と反対の方向にテーパシャンク部32の軸線と一致し
て延設され、外周面にフランジ部33から先端に行くに
従い径が小さくなるテーパ面34aが形成された円筒形
状のチャック筒34とを備えている。
【0023】図4(A)において、35は前記チャック
筒34の外周に遊嵌されるローラ保持筒であり、このロ
ーラ保持筒35は、チャック筒34のテーパ面34aと
ほぼ同様なテーパ角度で先端に行くに従い径が小さくな
る筒体から形成されている。また、このローラ保持筒3
5は、チャック筒34の先端部外周に設けた止めリング
36によってチャック筒34から抜け落ちないように保
持されている。
【0024】前記ローラ保持筒35には、このローラ保
持筒35の軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜させ
て嵌め込んだニードルローラ37が円周方向に多数配設
されている。また、各ニードルローラ37はローラ保持
筒35の肉厚寸法より大きい径に形成され、これによ
り、ローラ保持筒35の内周面側へ突出する各ニードル
ローラ37をチャック筒34のテーパ面34aに当接さ
せ、ローラ保持筒34の外周面側へ突出する各ニードル
ローラ37を後述する締付筒38の内周面に当接させる
構成になっている。
【0025】前記締付筒38は、チャック筒34を縮径
させて目的の工具を緊密に掴持するものであって、チャ
ック筒34の外周にローラ保持筒35で保持されたニー
ドルローラ37を介して嵌合される。この締付筒38の
内周面は、フランジ部33と対向する端部から先端に行
くに従い径が小さくなるテーパ付き円筒面に構成されて
いる。また、締付筒38のフランジ部33側の基端部内
周には、シール兼用の抜け止めリング39が装着されて
おり、このシール兼用の抜け止めリング39はチャック
筒34の外周面に当接することによりシール機能を発揮
し、また、ローラ保持筒34の端面に当接することで締
付筒38のチャック筒34からの抜け落ちを防止してい
る。
【0026】図4(A),(B)において、40は工具
29のシャンク部29aをホルダ本体31のチャック筒
34に嵌合保持するためのコレットであり、このコレッ
ト40はチャック筒34内に嵌合できるストレートの外
周面を有し、さらに、軸方向に延在するスリ割り41が
円周方向に複数形成されている。また、前記コレット4
0は、工具ホルダ30の先端面、すなわちチャック筒3
4の先端面34bから突出する部分に、先端面34bに
対向して形成された円盤状の鍔部42を有している。こ
の鍔部42は、請求項に記載した、工具29のシャンク
部29aの根元部分と結合される支持部材を構成するも
のであり、この鍔部42の円周方向の複数箇所、例えば
互いに90度離れた4箇所には、鍔部42を工具シャン
ク部29aの軸線と平行な方向に貫通して先端面34b
に達する振れ修正用ねじ43がそれぞれ螺合されてい
る。この振れ修正用ねじ43は、これを螺入方向に操作
して、チャック筒34の先端面34bに対する振れ修正
用ねじ43の押圧力を加減して工具シャンク部29aの
根元部分29a1を工具29の刃先振れがゼロに近づく
方向に弾性変形するためのものである。
【0027】このような第1の実施の形態に示す刃先振
れ修正機構を用いて工具ホルダ30に振れ修正用ねじ4
3付きのコレット40を介して掴持された工具29の刃
先振れを修正する場合について説明する。この場合は、
まず、工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主軸に
装着する。しかる後、図4(A)に示すように、工具2
9の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ28
を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケータ
28の読みの最大差を工具29の刃先振れとして測定す
るとともに、この測定値から工具29の刃先振れが一番
高くなる角度位置を検出する。
【0028】次に、主軸の回転を止めて工具29の刃先
振れが一番高くなった角度位置、例えば図4(B)で示
す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先振れが一番
高くなって、破線に示す位置にずれているとすると、こ
の角度位置P1に近接している2つの振れ修正用ねじ4
3a,43b(図4B参照)を図示省略の作業用工具に
より螺入方向に操作して、各振れ修正用ねじ43a,4
3bの先端をチャック筒34の先端面34bに押圧す
る。これにより、振れ修正用ねじ43aと43b間に位
置する鍔部42の領域にはチャック筒34の先端面34
bから離間する方向の力が付与されるとともに、コレッ
ト40の鍔部42に対応する工具シャンク部29aの根
元部分29a1が図4(B)の矢印A2で示す方向に弾
性変形される。すなわち、工具29の刃先振れが限りな
くゼロに近づくように、テストインジケータ28を見な
がら振れ修正用ねじ43を螺入方向に操作することによ
り、図4(B)の破線に示す芯ずれ位置にあった工具2
9の刃先を実線に示す位置にくるように調整する。これ
により、工具29の刃先振れを修正することができる。
また、工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置
が、例えば振れ修正用ねじ43aと対向する角度位置P
2にある場合は、この振れ修正用ねじ43aを締め方向
に操作することにより、工具29の刃先振れを修正する
ことができる。
【0029】このような第1の実施の形態によれば、チ
ャック筒34の先端面34bに対する振れ修正用ねじ4
3の押圧力を加減して工具シャンク部29aの根元部分
を工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づく方向に弾
性変形するように構成したので、工具29の刃先振れを
小さい力で修正できるようにするとともに高い振れ精度
を安定に維持することができる。また、コレット40の
鍔部42に雌ねじ穴を形成して、この雌ねじ穴に振れ修
正用ねじ43を螺合すれば、工具の刃先振れ修正機構を
構成できるので、この刃先振れ修正機構を既存の工具ホ
ルダにも容易に適用することができるほか、振れ修正用
ねじ43付きのコレット40を購入するだけでよいた
め、経済的である。
【0030】次に、図5により本発明にかかる工具の刃
先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第2の実
施の形態について説明する。図5(A)は本発明にかか
る工具の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダ
の第2の実施の形態を示す縦断側面図、図5(B)は図
5(A)の5−5線に沿う説明用側面図である。
【0031】図5(A)において、図4(A)と同一の
構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、図
4(A)と異なる部分を重点に説明する。この第2の実
施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、図
5(A)、(B)から明らかなように、工具ホルダ30
のチャック筒34に工具29のシャンク部29aを直接
的に嵌合掴持できる構成にしたこと、及び振れ修正用ね
じ43が螺合される支持部材45を工具ホルダ30及び
工具29と別に構成したところにある。
【0032】前記支持部材45はチャック筒34の先端
面34bに対応した円盤状を呈し、この支持部材45の
中心部には工具29のシャンク部29aが貫通するボス
部45aが同心に設けられている。このような支持部材
45は、そのボス部45aを工具29のシャンク部29
aに嵌合し、このボス部45aを固定ねじ46でシャン
ク部29aに締付けることにより、チャック筒34の先
端面34bから突出する工具シャンク部29aの根元部
分29a1に固定状態に結合される。また、支持部材4
5の円周方向の複数箇所、例えば互いに90度離れた4
箇所には工具シャンク部29aの軸線と平行な方向に貫
通して先端面34bに達する振れ修正用ねじ43がそれ
ぞれ螺合されている。なお、前記支持部材45及び振れ
修正用ねじ43は工具29の刃先振れを調整する刃先振
れ修正機構を構成している。
【0033】このような第2の実施の形態に示す刃先振
れ修正機構を用いて工具ホルダ30に掴持された工具2
9の刃先振れを修正する場合について説明する。この場
合は、まず、振れ修正用ねじ43を螺合した支持部材4
5を工具シャンク部29aの根元部分29a1に固着
し、この工具29を工具ホルダ30のチャック筒34に
締付筒38で締付けることで掴持する。そして、この工
具掴持状態の工具ホルダ30を図示省略した工作機械の
主軸に装着する。しかる後、図5(A)に示すように、
工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケー
タ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジ
ケータ28の読みの最大差を工具29の刃先振れとして
測定するとともに、この測定値から工具29の刃先振れ
が一番高くなる角度位置を検出する。
【0034】次に、主軸の回転を止めて工具29の刃先
振れが一番高くなった角度位置、例えば図5(B)で示
す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先振れが一番
高くなって、破線に示す位置にずれているとすると、こ
の角度位置P1に近接している2つの振れ修正用ねじ4
3a,43b(図5B参照)を図示省略の作業用工具に
より螺入方向に操作して、各振れ修正用ねじ43a,4
3bの先端をチャック筒34の先端面34bに押圧す
る。これにより、振れ修正用ねじ43aと43b間に位
置する支持部材45の領域にはチャック筒34の先端面
34bから離間する方向の力が付与されるとともに、支
持部材45のボス部45aに対応する工具シャンク部2
9aの根元部分29a1が図5(B)の矢印A2で示す
方向に弾性変形される。すなわち、工具29の刃先振れ
が限りなくゼロに近づくように、テストインジケータ2
8を見ながら振れ修正用ねじ43を螺入方向に操作する
ことにより、図5(B)の破線に示す芯ずれ位置にあっ
た工具29の刃先を実線に示す位置にくるように調整す
る。これにより、工具29の刃先振れを修正することが
できる。また、工具29の刃先振れが一番高くなった角
度位置が、例えば振れ修正用ねじ43aと対向する角度
位置P2にある場合は、この振れ修正用ねじ43aを締
め方向に操作することにより、工具29の刃先振れを修
正することができる。
【0035】このような第2の実施の形態によれば、チ
ャック筒34の先端面34bに対する振れ修正用ねじ4
3の押圧力を加減して工具シャンク部29aの根元部分
29a1を工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づく
方向に弾性変形するように構成したので、工具29の刃
先振れを小さい力で修正できるようにするとともに高い
振れ精度を安定に維持することができる。また、この第
2の実施の形態によれば、工具29及び工具ホルダ30
と別体の支持部材45と、この支持部材45に螺合した
振れ修正用ねじ43とにより工具の刃先振れ修正機構を
構成し、この刃先振れ修正機構を工具29のシャンク部
29aに装着できる構成にしたので、刃先振れ修正機構
を既存の工具ホルダにも容易に適用することができ、し
かも、振れ修正用ねじ43付きの支持部材45を購入す
るだけでよいため、経済的である。
【0036】次に、図6により本発明にかかる工具の刃
先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第3の実
施の形態について説明する。図6(A)は本発明にかか
る工具の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダ
の第3の実施の形態を示す縦断側面図、図6(B)は図
6(A)の6−6線に沿う説明用断面図である。
【0037】図6(A)において、図4(A)と同一の
構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、図
4(A)と異なる部分を重点に説明する。この第3の実
施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、図
6(A)、(B)から明らかなように、工具の刃先振れ
修正機構の構成にある。
【0038】この第3の実施の形態にける刃先振れ修正
機構は、図6(A)、(B)に示すように、結合部材4
7、筒状部材48、振れ修正用リング部材49及び振れ
修正用ねじ50を備える。前記結合部材47は刃先振れ
修正機構を工具ホルダ30に保持するためにチャック筒
34の先端面34bに対向して同心に設けられるもの
で、この結合部材47はコレット40の鍔部42を利用
して構成され、そして、結合部材47である鍔部42の
外周面には雄ねじ部47aが形成されている。
【0039】前記筒状部材48は、振れ修正用リング部
材49及び振れ修正用ねじ50を保持するためのもの
で、この筒状部材48の一端は鍔部42の雄ねじ部47
aに同心にかつ分離可能にねじ結合され、この筒状部材
48の他端部開口には、工具29のシャンク部29aの
根元部分29a1に着脱可能に嵌合された振れ修正用リ
ング部材49が筒状部材48の半径方向に揺動可能に支
持されている。また、前記筒状部材48の他端側の円周
方向の複数箇所、例えば互いに90度離れた4箇所に
は、それぞれ振れ修正用ねじ50が筒状部材48を半径
方向に貫通するようにして螺合され、さらに、各振れ修
正用ねじ50の先端は振れ修正用リング部材49の外周
面に係合されている。
【0040】このような第3の実施の形態に示す刃先振
れ修正機構を用いて工具ホルダ30に掴持された工具2
9の刃先振れを修正する場合について説明する。この場
合は、まず、工具シャンク部29aを刃先振れ修正機構
の振れ修正用リング部材49に挿通した後、この工具シ
ャンク部29aを工具ホルダ30のチャック筒34内に
コレット40を介して挿入し、締付筒38で締付けるこ
とで工具シャンク部29aを掴持する。しかる後、筒状
部材48の一端を鍔部42の雄ねじ部47aに螺合して
刃先振れ修正機構を工具ホルダ30に装着する。そし
て、この工具掴持状態の工具ホルダ30を図示省略した
工作機械の主軸に装着する。しかる後、図6(A)に示
すように、工具29の刃部29bの先端外周面にテスト
インジケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテ
ストインジケータ28の読みの最大差を工具29の刃先
振れとして測定するとともに、この測定値から工具29
の刃先振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0041】次に、主軸の回転を止めて工具29の刃先
振れが一番高くなった角度位置、例えば図6(B)で示
す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先振れが一番
高くなって、図6(A)の仮想線に示す位置にずれてい
るとすると、この角度位置P1に近接している振れ修正
用ねじ50a(図6B参照)を図示省略の作業用工具に
より螺入方向に操作することにより、振れ修正用リング
部材49を振れ修正用ねじ50aでラジアル方向(工具
シャンク部29aの軸線に対し直角な方向)に押圧す
る。これにより、振れ修正用ねじ50aにより押圧され
た振れ修正用リング部材49はこれに対応する工具シャ
ンク部29aの根元部分29a1を図6(B)の矢印A
2で示す方向に弾性変形される。すなわち、工具29の
刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テストインジ
ケータ28を見ながら振れ修正用ねじ43を螺入方向に
操作することにより、図6(A)の仮想線に示す芯ずれ
位置にあった工具29の刃先を実線に示す位置にくるよ
うに調整する。これにより、工具29の刃先振れ量d
(μm)をゼロに修正することができる。また、工具2
9の刃先振れが一番高くなった角度位置が、例えば図6
(B)に示す振れ修正用ねじ50aと50bとの間の角
度位置P2にある場合は、この振れ修正用ねじ50aと
50bを上記と同様に締め方向に操作することにより、
工具29の刃先振れを修正することができる。
【0042】このような第3の実施の形態によれば、振
れ修正用リング部材49を振れ修正用ねじ50により工
具シャンク部29aのラジアル方向から押圧し、この押
圧力を加減して工具シャンク部29aの根元部分29a
1を工具29の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形
させるように構成したので、工具29の刃先振れを小さ
い力で修正できるようにするとともに高い振れ精度を安
定に維持することができる。また、この第3の実施の形
態によれば、工具コレット40の鍔部42に結合される
筒状部材48に振れ修正用リング部材49及び振れ修正
用ねじ50を組み付けて工具の刃先振れ修正機構を構成
し、この刃先振れ修正機構を工具29のシャンク部29
aに装着できる構成にしたので、刃先振れ修正機構を既
存の工具ホルダにも容易に適用することができ、しか
も、筒状部材48、振れ修正用リング部材49及び振れ
修正用ねじ50からなる刃先振れ修正機構を購入するだ
けでよいため、経済的である。
【0043】次に、図7により本発明にかかる工具の刃
先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第4の実
施の形態について説明する。図7は本発明にかかる工具
の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第4
の実施の形態を示す縦断側面図である。図7において、
図6(A)と同一の構成要素には同一の符号を付してそ
の説明を省略し、図6(A)と異なる部分を重点に説明
する。この第4の実施の形態において、第3の実施の形
態と異なる点は、図7から明らかなように、工具ホルダ
30のチャック筒34に工具29のシャンク部29aを
直接的に嵌合掴持できる構成にしたこと、及び筒状部材
48、振れ修正用リング部材49及び振れ修正用ねじ5
0からなる刃先振れ修正機構を工具シャンク部29aに
組み付けるように構成したところにある。
【0044】すなわち、図7に示すように、工具ホルダ
30及び工具29と別構造の結合部材51を備え、この
結合部材51はチャック筒34の先端面34bに対応し
た円盤状を呈し、この結合部材51の中心部には工具2
9のシャンク部29aが貫通するボス部51aが同心に
設けられている。このような結合部材51は、そのボス
部51aを工具29のシャンク部29aに嵌合し、この
ボス部51aを固定ねじ52でシャンク部29aに締付
けることにより、結合部材51はチャック筒34の先端
面34bから突出する工具シャンク部29aに固定状態
に結合される。また、結合部材51の外周面には雄ねじ
51bが形成されており、この雄ねじ51bには筒状部
材48の一端が同心にかつ分離可能にねじ結合され、筒
状部材48の他端部には、図6に示す場合と同様に振れ
修正用リング部材49及び振れ修正用ねじ50が設けら
れている。
【0045】このような第4の実施の形態によれば、上
記第3の実施の形態と同様な作用効果が得られるほか、
結合部材51を工具29のシャンク部29aに固定でき
る構成にすることにより、刃先振れ修正機構の既存工具
ホルダへの利用を更に容易にする効果を有する。
【0046】次に、図8により本発明にかかる工具の刃
先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第5の実
施の形態について説明する。図8(A)は本発明にかか
る工具の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダ
の第5の実施の形態を示す縦断側面図、図8(B)は図
8(A)の8−8線に沿う説明用断面図である。
【0047】図8(A)において、図4(A)と同一の
構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、図
4(A)と異なる部分を重点に説明する。この第5の実
施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、図
8(A)、(B)から明らかなように、工具の刃先振れ
修正機構の構成にある。
【0048】この第5の実施の形態にける刃先振れ修正
機構は、図8(A)、(B)に示すように、結合部材5
3、筒状部材54、リング部材55、振れ修正用の偏心
カム56及び操作軸57を備える。前記結合部材53は
刃先振れ修正機構を工具ホルダ30に保持するためにチ
ャック筒34の先端面34bに対向して工具シャンク部
29a軸線と同心に設けられるもので、この結合部材5
3はコレット40の鍔部42を利用して構成され、そし
て、結合部材53である鍔部42の外周面には雄ねじ部
53aが形成されている。
【0049】前記筒状部材54は、リング部材55及び
振れ修正用の偏心カム56を保持するためのもので、こ
の筒状部材54の一端は鍔部42の雄ねじ部53aに工
具シャンク部29aの軸線と同心にかつ分離可能にねじ
結合され、さらに、筒状部材54の他端部開口内には、
リング部材55が結合リング58により筒状部材54の
軸線廻りに回転可能に、かつ筒状部材54の軸方向に移
動できないように支持されされている。前記偏心カム5
6は円盤状を呈し、この偏心カム56はリング部材55
の内側に工具のシャンク部29aの外周面と外接するよ
うに配置されており、さらに、前記操作軸57は、工具
シャンク部29aの軸線と平行に、かつ該軸線から所望
間隔離れた軸線を中心にしてリング部材55に回転可能
に設けられ、そして、この操作軸57には前記偏心カム
56が偏心して固着されている。
【0050】このような第5の実施の形態に示す刃先振
れ修正機構を用いて工具ホルダ30に掴持された工具2
9の刃先振れを修正する場合について説明する。この場
合は、まず、工具シャンク部29aを刃先振れ修正機構
のリング部材55に挿通した後、この工具シャンク部2
9aを工具ホルダ30のチャック筒34内にコレット4
0を介して挿入し、締付筒38で締付けることで工具シ
ャンク部29aを掴持する。しかる後、筒状部材54の
一端を鍔部42の雄ねじ部53aに螺合して刃先振れ修
正機構を工具ホルダ30に装着する。そして、この工具
掴持状態の工具ホルダ30を図示省略した工作機械の主
軸に装着する。しかる後、図8(A)に示すように、工
具29の刃部29bの先端外周面にテストインジケータ
28を押し当てて主軸の回転中におけるテストインジケ
ータ28の読みの最大差を工具29の刃先振れとして測
定するとともに、この測定値から工具29の刃先振れが
一番高くなる角度位置を検出する。
【0051】次に、主軸の回転を止めて工具29の刃先
振れが一番高くなった角度位置、例えば図8(B)で示
す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先が破線に示
すように振れ、その振れが一番高くなって、図8(A)
の仮想線に示す位置にずれているとすると、まず、リン
グ部材55を回転して、偏心カム56を角度位置P1に
合わせる。この状態で操作軸57により偏心カム56を
図8(B)の矢印方向に回転することで工具シャンク部
29aへの押圧力を増大させる。これにより、工具シャ
ンク部29aはその根元部分29a1を支点にして図8
(A)の矢印A2で示す方向に弾性変形される。すなわ
ち、工具29の刃先振れが限りなくゼロに近づくよう
に、テストインジケータ28を見ながら偏心カム56を
その偏心量が増大する方向に回転することにより、図8
(A)の仮想線に示す芯ずれ位置にあった工具29の刃
先を実線に示す位置にくるように調整する。これによ
り、工具29の刃先振れ量d(μm)をゼロに修正する
ことができる。
【0052】このような第5の実施の形態によれば、操
作軸57により偏心カム56を回転して工具シャンク部
29aへのラジアル方向の押圧力を加減することにより
工具シャンク部29aの根元部分29a1を工具29の
刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるように構
成したので、工具29の刃先振れを小さい力で修正でき
るようにするとともに高い振れ精度を安定に維持するこ
とができる。また、この第5の実施の形態によれば、工
具コレット40の鍔部42に結合される筒状部材54に
振れ修正用のリング部材55を回転可能に組み込み、こ
のリング部材55に工具シャンク部29aと外接する偏
心カム56を組み込み、さらに偏心カム56の操作軸5
7を組み付けて工具の刃先振れ修正機構を構成し、この
刃先振れ修正機構を工具ホルダ30のコレット40に係
脱可能に結合する構成にしたので、刃先振れ修正機構を
既存の工具ホルダにも容易に適用することができ、しか
も、筒状部材54、リング部材55、振れ修正用の偏心
カム56及び操作軸57からなる刃先振れ修正機構を購
入するだけでよいため、経済的にも有利となる。
【0053】次に、図9により本発明にかかる工具の刃
先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第6の実
施の形態について説明する。図9は本発明にかかる工具
の刃先振れ修正装置及びこれを備えた工具ホルダの第6
の実施の形態を示す縦断側面図である。図8において、
図8(A)と同一の構成要素には同一の符号を付してそ
の説明を省略し、図8(A)と異なる部分を重点に説明
する。この第6の実施の形態において、第5の実施の形
態と異なる点は、図8から明らかなように、工具ホルダ
30のチャック筒34に工具29のシャンク部29aを
直接的に嵌合掴持できる構成にしたこと、及び筒状部材
54、リング部材55、振れ修正用の偏心カム56及び
操作軸57からなる刃先振れ修正機構を工具シャンク部
29aに組み付けるように構成したところにある。
【0054】すなわち、図9に示すように、工具ホルダ
30及び工具29と別構造の結合部材59を備え、この
結合部材59はチャック筒34の先端面34bに対応し
た円盤状を呈し、この結合部材59の中心部には工具2
9のシャンク部29aが貫通するボス部59aが同心に
設けられている。このような結合部材59は、そのボス
部59aを工具29のシャンク部29aに嵌合し、この
ボス部59aを固定ねじ60でシャンク部29aに締付
けることにより、結合部材59はチャック筒34の先端
面34bから突出する工具シャンク部29aに固定状態
に結合される。また、結合部材59の外周面には雄ねじ
59bが形成されており、この雄ねじ59bには筒状部
材54の一端が同心にかつ分離可能にねじ結合され、筒
状部材54の他端部には、図6に示す場合と同様に筒状
部材54、リング部材55、振れ修正用の偏心カム56
及び操作軸57が組み付けられている。
【0055】このような第6の実施の形態によれば、上
記第5の実施の形態と同様な作用効果が得られるほか、
結合部材59を工具29のシャンク部29aに固定でき
る構成にすることにより、刃先振れ修正機構の既存工具
ホルダへの利用を更に容易にする効果を有する。
【0056】図10(A)は本発明にかかる工具の刃先
振れ修正機構を備えた工具ホルダの第7の実施の形態を
示す縦断側面図、図10(B)は図10(A)の10−
10線に沿う説明用断面図である。
【0057】図10において、ドリルやバニッシングリ
ーマ等の切削用の工具29を掴持するとともに工具29
の刃先振れ修正する機能を備えた工具ホルダ70は、テ
ーパコレット72、筒状の締付部材73、振れ修正用リ
ング部材74及び振れ修正用ねじ75を備える。前記ホ
ルダ本体71は、図示省略の工作機械の主軸に装着され
るテーパ付きシャンク部711と、このシャンク部71
1の大径側端に形成された工具交換用のフランジ部71
2と、このフランジ部712の反シャンク部側端に軸線
を一致させて一体に設けられたアーバ713とからなる
ホルダ本体71を備えている。また、ホルダ本体71の
アーバ713には、その先端面713aから後方に行く
にしたがい径が減少する所望長さのテーパ穴714が同
心に形成され、さらに、アーバ713の先端部外周面に
は雄ねじ部715が形成されている。
【0058】前記テーパコレット72は、工具29のシ
ャンク部29aを掴持するもので、アーバ713のテー
パ穴714に着脱可能に嵌合される。また、テーパコレ
ット72には、その軸方向に延在するスリ割り721が
円周方向に複数形成されている。また、テーパ穴714
外に突出するテーパコレット72の端部外周面には係合
溝722がリング状に形成され、この係合溝722に
は、これに対向して締付部材73の内周面にリング状に
形成した凸条731に相対回転可能に係合されている。
【0059】前記筒状の締付部材73は、ホルダ本体7
1のアーバ713に形成した雄ねじ部715に螺合する
ことによりテーパコレット72を軸方向に移動して工具
29のシャンク部29aをチャッキング及びアンチャッ
キングするとともに工具29の刃先振れを修正するのに
利用されるもので、この締付部材73の螺合側と反対の
他端部開口731内には振れ修正用リング部材74が締
付部材73の半径方向に揺動可能に設けられている。ま
た、この振れ修正用リング部材74は、その中心を工具
29のシャンク部29aが貫通するように着脱可能に嵌
合されている。
【0060】また、前記締付部材73の他端側の円周方
向の複数箇所、例えば互いに90度離れた4箇所には、
それぞれ振れ修正用ねじ75が締付部材73を半径方向
に貫通するようにして螺合され、さらに、各振れ修正用
ねじ75の先端は振れ修正用リング部材74の外周面に
係合されている。
【0061】このような第7の実施の形態に示す刃先振
れ修正機構を用いて工具ホルダ70に掴持された工具2
9の刃先振れを修正する場合について説明する。この場
合は、まず、工具シャンク部29aを刃先振れ修正機構
の振れ修正用リング部材74に挿通した後、この工具シ
ャンク部29aをホルダ本体71のテーパ穴714内に
コレット72を介して挿入し、締付部材73を締付ける
ことで工具シャンク部29aを掴持する。そして、この
工具掴持状態の工具ホルダ70を図示省略した工作機械
の主軸に装着する。しかる後、図10(A)に示すよう
に、工具29の刃部29bの先端外周面にテストインジ
ケータ28を押し当てて主軸の回転中におけるテストイ
ンジケータ28の読みの最大差を工具29の刃先振れと
して測定するとともに、この測定値から工具29の刃先
振れが一番高くなる角度位置を検出する。
【0062】次に、主軸の回転を止めて工具29の刃先
振れが一番高くなった角度位置、例えば図10(B)で
示す角度位置P1で矢印A1に示す方向へ刃先振れが一
番高くなって、図10(A)の仮想線に示す位置にずれ
ているとすると、この角度位置P1に近接している振れ
修正用ねじ75a(図10B参照)を図示省略の作業用
工具により螺入方向に操作することにより、振れ修正用
リング部材74を振れ修正用ねじ75aでラジアル方向
(工具シャンク部29aの軸線に対し直角な方向)に押
圧する。これにより、振れ修正用ねじ75aにより押圧
された振れ修正用リング部材74はこれに対応する工具
シャンク部29aの根元部分29a1を図10(B)の
矢印A2で示す方向に弾性変形される。すなわち、工具
29の刃先振れが限りなくゼロに近づくように、テスト
インジケータ28を見ながら振れ修正用ねじ43を螺入
方向に操作することにより、図10(A)の仮想線に示
す芯ずれ位置にあった工具29の刃先を実線に示す位置
にくるように調整する。これにより、工具29の刃先振
れ量d(μm)をゼロに修正することができる。また、
工具29の刃先振れが一番高くなった角度位置が、例え
ば図10(B)に示す振れ修正用ねじ75aと75bと
の間の角度位置P2にある場合は、この振れ修正用ねじ
75aと75bを上記と同様に締め方向に操作すること
により、工具29の刃先振れを修正することができる。
【0063】このような第7の実施の形態によれば、締
付け兼用の締付部材73に設けた振れ修正用リング部材
74を振れ修正用ねじ75により工具シャンク部29a
のラジアル方向から押圧し、この押圧力を加減して工具
シャンク部29aの根元部分29a1を工具29の刃先
振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるように構成し
たので、工具29の刃先振れを小さい力で修正できるよ
うにするとともに高い振れ精度を安定に維持することが
できる。また、この第7の実施の形態によれば、振れ修
正用リング部材74を振れ修正用ねじ75を組み込んだ
コレット締付け兼用の締付部材73により工具の刃先振
れ修正機構を構成し、この刃先振れ修正機構を工具ホル
ダ71に装着できる構成にしたので、刃先振れ修正機構
を既存の工具ホルダにも容易に適用することができ、し
かも、振れ修正用リング部材74を振れ修正用ねじ75
を組み込んだ締付部材73を購入するだけでよいため、
経済的である。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる工具
の刃先振れ修正装置及びこれを用いた工具ホルダによれ
ば、工具ホルダの先端面に対する振れ修正用ねじの押圧
力を加減して工具シャンク部の根元部分を工具の刃先振
れがゼロに近づく方向に弾性変形するように構成したの
で、工具の刃先振れを小さい力で修正することができる
とともに高い振れ精度を安定に維持でき、かつ刃先振れ
修正手段を既存の工具ホルダ製品にも容易に適用するこ
とができる。
【0065】また、本発明にかかる工具の刃先振れ修正
装置及びこれを用いた工具ホルダによれば、振れ修正用
リング部材を振れ修正用ねじにより工具シャンク部のラ
ジアル方向から押圧し、この押圧力を加減して工具シャ
ンク部の根元部分を工具の刃先振れがゼロに近づく方向
に弾性変形させるように構成したので、工具の刃先振れ
を小さい力で修正することができるとともに高い振れ精
度を安定に維持でき、かつ刃先振れ修正手段を既存の工
具ホルダ製品にも容易に適用することができる。
【0066】また、本発明にかかる工具の刃先振れ修正
装置及びこれを用いた工具ホルダによれば、操作軸によ
り偏心カムを回転してシャンク部へのラジアル方向の押
圧力を加減することにより工具シャンク部の根元部分を
工具の刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるよ
うに構成したので、工具の刃先振れを小さい力で修正す
ることができるとともに高い振れ精度を安定に維持で
き、かつ刃先振れ修正手段を既存の工具ホルダ製品にも
容易に適用することができる。
【0067】また、本発明にかかる刃先振れ修正装置付
きの工具ホルダによれば、締付け兼用の締付部材に設け
た振れ修正用リング部材を振れ修正用ねじにより工具シ
ャンク部のラジアル方向から押圧し、この押圧力を加減
して工具シャンク部の根元部分を工具の刃先振れがゼロ
に近づく方向に弾性変形させるように構成したので、工
具の刃先振れを小さい力で修正することができるととも
に高い振れ精度を安定に維持でき、かつ刃先振れ修正手
段を既存の工具ホルダ製品にも容易に適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダ
の一例を示す一部切り欠きの側面図である。
【図2】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダ
の他の例を示す一部の切り欠き側面図である。
【図3】従来における刃先振れ修正機構付き工具ホルダ
の説明図である。
【図4】(A)は本発明にかかる工具の刃先振れ修正装
置及びこれを備えた工具ホルダの第1の実施の形態を示
す縦断側面図、(B)は(A)の4−4線に沿う説明用
側面図である。
【図5】(A)は本発明にかかる工具の刃先振れ修正装
置及びこれを備えた工具ホルダの第2の実施の形態を示
す縦断側面図、(B)は(A)の5−5線に沿う説明用
側面図である。
【図6】(A)は本発明にかかる工具の刃先振れ修正装
置及びこれを備えた工具ホルダの第3の実施の形態を示
す縦断側面図、(B)は(A)の6−6線に沿う説明用
断面図である。
【図7】本発明にかかる工具の刃先振れ修正装置及びこ
れを備えた工具ホルダの第4の実施の形態を示す縦断側
面図である。
【図8】(A)は本発明にかかる工具の刃先振れ修正装
置及びこれを備えた工具ホルダの第5の実施の形態を示
す縦断側面図、(B)は(A)の8−8線に沿う説明用
断面図である。
【図9】本発明にかかる工具の刃先振れ修正装置及びこ
れを備えた工具ホルダの第6の実施の形態を示す縦断側
面図である。
【図10】(A)は本発明にかかる工具の刃先振れ修正
機構を備えた工具ホルダの第7の実施の形態を示す縦断
側面図、(B)は(A)の10−10線に沿う説明用断
面図である。
【符号の説明】
28 テストインジケータ 29 工具 29a シャンク部 29b 刃部 29a1 根元部分 30 工具ホルダ 31 ホルダ本体 32 シャンク部 33 フランジ部 34 チャック筒 34a 先端面 35 ローラ保持筒 37 ニードルローラ 38 締付筒 40 コレット 42 鍔部 43 振れ修正用ねじ 45 支持部材 47 結合部材 48 筒状部材 49 振れ修正用リング部材 50 振れ修正用ねじ 51 結合部材 53 結合部材 54 筒状部材 55 リング部材 56 振れ修正用の偏心カム 57 操作軸 58 結合リング 59 結合部材 70 工具ホルダ 71 ホルだ本体 72 テーパコレット 73 締付部材 74 振れ修正用リング部材 75 振れ修正用ねじ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 弘英 大阪府東大阪市元町1丁目6番53号 株式 会社日研工作所内 Fターム(参考) 3C016 FA27

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具ホルダに掴持された工具の刃先振れ
    を修正する装置であって、 前記工具ホルダの先端面に対向して設けられ、かつ前記
    先端面から前方へ突出する前記工具のシャンク部の根元
    部分と結合される支持部材と、 前記支持部材の周方向の複数箇所に該支持部材を前記工
    具の軸線と平行な方向に貫通して前記先端面に達するよ
    うに螺合された複数の振れ修正用ねじとを備え、 前記先端面に対する前記振れ修正用ねじの押圧力を加減
    して前記工具シャンク部の根元部分を工具の刃先振れが
    ゼロに近づく方向に弾性変形するように構成したことを
    特徴とする工具の刃先振れ修正装置。
  2. 【請求項2】 前記工具のシャンク部はコレットを介し
    て前記工具ホルダに掴持され、前記支持部材は前記先端
    面に対向して前記コレットの先端に設けられた前記コレ
    ットの鍔部により構成されることを特徴とする請求項1
    記載の工具の刃先振れ修正装置。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は前記工具ホルダ及び工具
    と別に構成され、この支持部材は前記工具のシャンク部
    に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1記載
    の工具の刃先振れ修正装置。
  4. 【請求項4】 工具ホルダに掴持された工具の刃先振れ
    を修正する装置であって、 前記工具ホルダの先端面に対向して設けられた結合部材
    と、 前記結合部材に一端が分離可能に結合された筒状部材
    と、 前記筒状部材の他端部開口に揺動可能に支持され、かつ
    前記先端面から前方へ突出する前記工具のシャンク部の
    根元部分に着脱可能に嵌合された振れ修正用リング部材
    と、 前記筒状部材の円周方向の複数箇所に該筒状部材を半径
    方向に貫通するように螺合され、かつ先端が前記振れ修
    正用リング部材の外周面に係合された複数の振れ修正用
    ねじとを備え、 前記振れ修正用リング部材を前記振れ修正用ねじにより
    前記工具シャンク部のラジアル方向から押圧し、この押
    圧力を加減して前記工具シャンク部の根元部分を工具の
    刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるように構
    成したことを特徴とする工具の刃先振れ修正装置。
  5. 【請求項5】 工具ホルダに掴持された工具の刃先振れ
    を修正する装置であって、 前記工具ホルダの先端面に対向して設けられた結合部材
    と、 前記結合部材に一端が分離可能に結合された筒状部材
    と、 前記筒状部材の他端部開口内に該筒状部材の軸線廻りに
    回転可能に支持されたリング部材と、 前記リング部材内に前記工具のシャンク部の外周面と外
    接するように配置された偏心カムと、 前記偏心カムを前記先端面から前方へ突出する前記工具
    のシャンク部の根元外周面に圧接させながら回転する操
    作軸とを備え、 前記操作軸により前記偏心カムを回転して前記シャンク
    部へのラジアル方向の押圧力を加減することにより前記
    工具シャンク部の根元部分を工具の刃先振れがゼロに近
    づく方向に弾性変形させるように構成したことを特徴と
    する工具の刃先振れ修正装置。
  6. 【請求項6】 前記工具のシャンク部はコレットを介し
    て前記工具ホルダに掴持され、前記結合部材は前記先端
    面に対向して前記コレットの先端に設けられた鍔部によ
    り構成されることを特徴とする請求項4または5記載の
    工具の刃先振れ修正装置。
  7. 【請求項7】 前記結合部材は前記工具ホルダ及び工具
    と別に構成され、この結合部材は前記工具のシャンク部
    に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項4また
    は5記載の工具の刃先振れ修正装置。
  8. 【請求項8】 工具のシャンク部を脱着可能に掴持する
    工具ホルダであって、 前記工具の刃先振れを修正する刃先振れ修正機構を備
    え、 前記刃先振れ修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対
    向して設けられ、かつ前記先端面から前方へ突出する前
    記工具のシャンク部の根元部分と結合される支持部材
    と、前記支持部材の周方向の複数箇所に該支持部材を前
    記工具の軸線と平行な方向に貫通して前記先端面に達す
    るように螺合された複数の振れ修正用ねじとを備えるこ
    とを特徴とする工具ホルダ。
  9. 【請求項9】 工具のシャンク部を脱着可能に掴持する
    工具ホルダであって、 前記工具の刃先振れを修正する刃先振れ修正機構を備
    え、 前記刃先振れ修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対
    向して設けられた結合部材と、前記結合部材に一端が分
    離可能に結合された筒状部材と、前記筒状部材の他端部
    開口に揺動可能に支持され、かつ前記先端面から前方へ
    突出する前記工具のシャンク部の根元部分に着脱可能に
    嵌合された振れ修正用リング部材と、前記筒状部材の円
    周方向の複数箇所に該筒状部材を半径方向に貫通するよ
    うに螺合され、かつ先端が前記振れ修正用リング部材の
    外周面に係合された複数の振れ修正用ねじとを備えるこ
    とを特徴とする工具ホルダ。
  10. 【請求項10】 工具のシャンク部を脱着可能に掴持す
    る工具ホルダであって、 前記工具の刃先振れを修正する刃先振れ修正機構を備
    え、 前記刃先振れ修正機構は、前記工具ホルダの先端面に対
    向して設けられた結合部材と、前記結合部材に一端が分
    離可能に結合された筒状部材と、前記筒状部材の他端部
    開口内に該筒状部材の軸線廻りに回転可能に支持された
    リング部材と、前記リング部材内に前記工具のシャンク
    部の外周面と外接するように配置された偏心カムと、前
    記偏心カムを前記先端面から前方へ突出する前記工具の
    シャンク部の根元外周面に圧接させながら回転する操作
    軸とを備えることを特徴とする工具ホルダ。
  11. 【請求項11】 工作機械のスピンドルに挿着されるシ
    ャンク部及び該シャンク部の一端に軸線を一致して延設
    され、外周面に先端側に行くに従い径が小さくなるテー
    パ面が形成されたチャック筒を有するホルダ本体と、前
    記チャック筒を外周面側から締付ける締付筒とを備え、
    前記チャック筒を前記締付筒により縮径または復元させ
    て該チャック筒内に嵌挿された前記工具のシャンク部を
    直接またはコレットを介して脱着可能に掴持するように
    構成したことを特徴とする請求項8乃至10の何れか1
    項記載の工具ホルダ。
  12. 【請求項12】 工具のシャンク部を脱着可能に掴持す
    る工具ホルダであって、 先端面から後方に行くにしたがい径が減少する同心のテ
    ーパ穴を有するホルダ本体と、 前記テーパ穴に着脱可能に嵌合され前記工具のシャンク
    部を掴持するテーパコレットと、 前記ホルダ本体の先端部外周に形成した雄ねじ部に螺合
    して前記テーパコレットを軸方向に移動することで前記
    工具のシャンク部をチャッキング及びアンチャッキング
    する筒状部材と、 前記筒状部材の螺合側と反対の他端部開口に揺動可能に
    支持され、かつ前記工具のシャンク部に着脱可能に嵌合
    された振れ修正用リング部材と、 前記筒状部材の円周方向の複数箇所に該筒状部材を半径
    方向に貫通するように螺合され、かつ先端が前記振れ修
    正用リング部材の外周面に係合された複数の振れ修正用
    ねじとを備え、 前記振れ修正用リング部材を前記振れ修正用ねじにより
    前記工具シャンク部のラジアル方向から押圧し、この押
    圧力を加減して前記工具シャンク部の根元部分を工具の
    刃先振れがゼロに近づく方向に弾性変形させるように構
    成したことを特徴とする工具ホルダ。
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