JP2003243812A - 電子部品の実装構造 - Google Patents

電子部品の実装構造

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JP2003243812A
JP2003243812A JP2002356800A JP2002356800A JP2003243812A JP 2003243812 A JP2003243812 A JP 2003243812A JP 2002356800 A JP2002356800 A JP 2002356800A JP 2002356800 A JP2002356800 A JP 2002356800A JP 2003243812 A JP2003243812 A JP 2003243812A
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solder
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electronic component
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Masataka Suzuki
雅孝 鈴木
Takayuki Arafuka
貴幸 荒深
Hiroe Suzuki
浩江 鈴木
Tomoyuki Iwata
智之 岩田
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 融点とはんだ付け温度との間にわずかな温度
差しか持たせることができない場合にあってもはんだ付
け不良を低減する。 【解決手段】 プリント配線基板10に両面側に開口す
るスルーホール11を設け、スルーホール11に部品搭
載面10a側より電子部品16のリード部16aを挿入
し、リード部16aとスルーホール11との間をはんだ
17を介して電気的に接続する電子部品16の実装構造
において、プリント配線基板10には、スルーホール1
1の近傍に両面側に亘って貫通する熱伝導部材14を設
け、この熱伝導部材14のはんだ浸漬面10b側の端部
周囲には高い熱伝導性材料でなる集熱部15を設け、こ
の集熱部15の部品搭載面10a側の端部を、部品搭載
面10a側のスルーホール11近傍でこのスルーホール
11に接続された配線部13に連続するように接続し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子部品の実装構造
に関し、さらに詳しくは、プリント配線基板のスルーホ
ールに挿入された電子部品のリード部をはんだ付けする
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線基板のスルーホール
に電子部品のリード部を挿入した状態ではんだを用いて
電気的に接続した実装構造としては、図8に示すような
ものがある。この実装構造では、図8に示すように、プ
リント配線基板1は、上面が部品搭載面1aとされ、下
面がはんだ浸漬面1bとされ、プリント配線基板1の適
所には上下両面側に貫通する導電性材料でなるスルーホ
ール2が設けられている。このスルーホール2の上端部
は、部品搭載面1aに形成された配線部3に接続されて
いる。また、プリント配線基板1の部品搭載面1aに
は、この他に例えば面実装型の電子部品9がはんだ付け
によって搭載されている。さらに、スルーホール2の下
端部の周囲には、スルーホール2から延設されたランド
部4が形成されている。このランド部4は、図8に示す
ように裏面(はんだ浸漬面)側の配線パターン5に接続
されている場合もある。
【0003】上記したプリント配線基板1にリード部6
aを備えた電子部品6をはんだ付けするには、リード部
6aをプリント配線基板1の部品搭載面1a側からスル
ーホール2に挿入し、フローはんだ付け装置や浸漬はん
だ漕にて、プリント配線基板1のはんだ浸漬面1b側か
ら溶融されたはんだ7に付着させる。すると、溶融され
たはんだ7がスルーホール2内に入り込むと共に、スル
ーホール2を介してプリント配線基板1の部品搭載面1
a側に熱が伝達される。このようにしてスルーホール2
内を上昇したはんだ7がフィレット形状を形成し、これ
が冷却固化されることによって図9に示すようなはんだ
フィレットが形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、はんだ7と
して鉛フリーはんだ(SnベースにAg,Cu,Bi等
を1〜3種類添加した合金)を使用した場合には、融点
がSn/Pb共晶はんだ(183℃)に比べて高くなる
ものが多い。例えば、Sn/Ag3.5の場合には融点
が221℃、Sn/Ag3.5/Cuの場合には融点が
217℃、Sn/Ag3.0/Cu0.5の場合には融
点が218℃、Sn/Ag3.0/Cu0.7/Bi
3.0の場合には融点が211℃である。そして、プリ
ント配線基板1や電子部品6の耐熱性からはんだ付け温
度は260℃程度までしか上げることができず、融点と
はんだ付け温度との間にわずかな温度差しか持たせるこ
とができない場合がある。すると、スルーホール2内に
入り込んだはんだ7がわずかな時間で融点まで温度低下
するため、スルーホール2の上部に入り込むはんだ7の
濡れ性、広がり性が悪く、図10に示すように、スルー
ホール2の上部には良好なはんだフィレットが形成され
ずはんだ付け不良になるという問題がある。なお、図1
0の仮想線は良好なはんだフィレット形状を示す。
【0005】また、融点が一般的に低いSn/Pb共晶
はんだを使用した場合には、融点とはんだ付け温度との
間に適度の温度差を持たせることができるため、図9に
示すような良好なはんだフィレットを形成できる。しか
し、Sn/Pb共晶はんだを使用した場合にあっては、
融点とはんだ付け温度との間にわずかな温度差しかない
場合には同様の不具合が生じる。
【0006】一方、Sn/Pb共晶はんだを使用した場
合にあって、はんだ接合部分に熱疲労ストレスが加わる
と、図11に示すように、はんだ7自身にクラックaが
発生し、このクラックaが進行する。また、鉛フリーは
んだを使用する場合には、Sn/Pb共晶はんだに比べ
て合金強度が上がる場合が多く、はんだ7自身にクラッ
クが入りにくい。しかし、はんだ7のクラックによる熱
ストレスの解放がない分、その熱疲労ストレスがプリン
ト配線基板1に作用し、図12に示すように、フィレッ
トリフテングbや、スルーホール2と配線部3とが接合
する部分(コーナー)のコーナークラックcや、配線部
(ランド部)3とプリント配線基板1との間の剥離dが
発生する。このようにフィレットリフテングbやコーナ
ークラックcや剥離dが発生すると、電子部品6のリー
ド部6aとプリント配線基板1の部品搭載面1aの配線
部4との間が接続不良になる。
【0007】特に、熱疲労ストレスが大きくなる大型の
リード部付きの電子部品6をはんだ付けする場合には、
はんだ接合部分の信頼性が低下するため、鉛フリーはん
だの使用が困難となる。また、Sn/Pb共晶はんだを
使用した場合でも、ストレスが大きいときには同様の現
象が発生し、電子部品6のリード部6aとプリント配線
基板1の部品搭載面1aの配線部4との間が接続不良に
なる。
【0008】そこで、本発明は、前記した課題を解決す
べくなされたものであり、融点とはんだ付け温度との間
にわずかな温度差しか持たせることができない場合にあ
ってもはんだ付け不良を低減できる電子部品の実装構造
を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、熱疲労ストレスによりは
んだのフィレットリフテングやスルーホール周りの配線
部(ランド部)のクラックおよび剥離が発生しても電子
部品のリード部と配線基板の部品搭載面の配線部との間
の回路接続を確保できる電子部品の実装構造を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
一方の表面を部品搭載面とし、他方の表面をはんだ浸漬
面とした配線基板における前記一方又は両方の表面に配
線パターンが形成されると共に、前記配線基板の両面側
に貫通して前記配線パターンのどちらか一方又は両方に
電気的に接続されるスルーホールが形成され、該スルー
ホールに前記部品搭載面側より電子部品のリード部が挿
入された状態で、前記スルーホール内ではんだを介して
電気的に接続された電子部品の実装構造であって、前記
配線パターンに接続され、且つ前記配線基板の両面側に
亘って貫通する熱伝導部材を、前記スルーホールの近傍
に設けたことを特徴とする。
【0011】請求項1記載の発明では、電子部品のリー
ド部を配線基板の部品搭載面側からスルーホールに挿入
し、配線基板をフローはんだ付け装置や浸漬はんだ漕な
どを用いて、配線基板のはんだ浸漬面より溶融されたは
んだがスルーホール内に入り込むようになっている。そ
して、配線基板のはんだ浸漬面より熱がスルーホール内
のはんだを介して、または、スルーホールを介して配線
基板の部品搭載面側に伝達される。加えて、はんだ浸漬
面側の熱がスルーホール近傍の熱伝導部材を介して配線
基板の部品搭載面側に伝達される。このため、部品搭載
面側のスルーホール近傍の配線パターンが昇温され、ス
ルーホールの部品搭載面側まで入り込んだはんだの温度
低下を抑制して、はんだの濡れ性、広がり性を向上させ
る。従って、スルーホール上端部分に位置するはんだ
は、良好なフィレット形状を形成して冷却固化される。
この発明では、スルーホールの構造やスルーホールに接
続される配線パターンなどの変更を行わずにスルーホー
ル部分のはんだ付けを良好にすることができる。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の電
子部品の実装構造であって、前記熱伝導部材における前
記はんだ浸漬面側の端部に、該はんだ浸漬面に沿って、
金属材料でなる集熱部が延設されていることを特徴とす
る。
【0013】請求項2記載の発明では、請求項1に記載
された発明の作用に加え、はんだ浸漬面側の熱が集熱部
を介して直接に部品搭載面側のスルーホール近傍の配線
パターンに伝達される。従って、部品搭載面への熱供給
が促進されるため、スルーホールとリード部との間に良
好な形状のはんだフィレットを形成することができる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の電
子部品の実装構造であって、前記集熱部は、前記はんだ
浸漬面側の前記スルーホールの端部に電気的に接続され
ていることを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明では、請求項2に記載
された発明の作用に加え、配線基板のはんだ浸漬面側の
スルーホールと部品搭載面の配線パターンとが熱伝導部
の補助導電部を介して電気的に接続されているため、部
品搭載面側のスルーホールと熱伝導部との間の配線パタ
ーンが破損した場合でも、電子部品のリード部と配線パ
ターンとを、スルーホールおよび熱伝導部を介して電気
的に接続することができる。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のいずれか一項に記載された電子部品の実装構造で
あって、前記熱伝導部材は、バイアホールであることを
特徴とする。
【0017】請求項4記載の発明では、熱伝導部材がバ
イアホールであるため、配線基板にスルーホールを形成
する工程で熱伝導部材を同時に形成することができる。
【0018】請求項5記載の発明は、請求項4記載の電
子部品の実装構造であって、前記スルーホールの近傍に
設けられた前記バイアホールが単数であり、前記バイア
ホールの内壁面と前記スルーホールの内壁面との最短距
離Lが、0.5mm≦L≦3mmであることを特徴とす
る。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項4記載の電
子部品の実装構造であって、前記スルーホールの近傍に
設けられた前記バイアホールは、前記配線パターンの幅
方向に並ぶ一対であり、これらバイアホールにおける前
記スルーホール側に位置する内壁面を結ぶ線と前記スル
ーホールの内壁面との最短距離Lが、0.5mm≦L≦
3mmであることを特徴とする。
【0020】請求項7記載の発明は、請求項4記載の電
子部品の実装構造であって、前記スルーホールの近傍に
設けられた前記バイアホールは、前記配線パターンの長
さ方向に並ぶ一対であり、これらバイアホールのそれぞ
れのスルーホール側に最も近い内壁面同士の中央の位置
と前記スルーホールの内壁面との最短距離Lが、0.5
mm≦L≦3mmであることを特徴とする。
【0021】請求項5〜請求項7に記載された発明で
は、バイアホールをスルーホールから0.5mmより離
した位置に形成すればよいため、スルーホールの上部
に、挿入されているリード部との間に形成されるはんだ
フィレットが形成される面が確保できる。加えて、0.
5mm≦L≦3mmの範囲に位置設定することにより、
スルーホールから浸み上がるはんだの広がり量(寸法)
を大きくできることが確認された。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電子部品の実
装構造の詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明す
る。
【0023】(第1実施形態)図1および図2は本発明
の第1実施形態を示している。なお、図1は電子部品を
はんだ付けしたプリント配線基板の断面図、図2はプリ
ント配線基板の要部拡大平面図である。
【0024】図1および図2に示すように、プリント配
線基板10は、上面が部品搭載面10aであり、下面が
はんだ浸漬面10bである。プリント配線基板10の所
定の位置には、両面側に開口するスルーホール11が設
けられている。スルーホール11の部品搭載面10a側
の端部は、部品搭載面10aに設けられた例えば銅でな
る配線部(配線パターン)13に電気的に接続されてい
る。
【0025】また、各スルーホール11の近傍には、プ
リント配線基板10の両面側に亘って貫通する熱伝導部
材14が設けられている。これら熱伝導部材14は、そ
れぞれのスルーホール11が部品搭載面10a側で接続
されている配線部13に連続して形成されている。熱伝
導部材14は、スルーホール11と同様の形状に形成さ
れている。また、熱伝導部材14の下端部の周縁には、
高い熱伝導性材料でなる集熱部15が連続して設けられ
ている。この集熱部15の部品搭載面10a側はランド
部12や配線部13に接続されている。なお、本実施形
態では、熱伝導部材14および集熱部15を、スルーホ
ール11や配線部13と同じ金属材料で形成している。
なお、熱伝導部材14は、通常、径寸法が0.5mm程
度でよいため、配線部13の幅が狭い場合にも制約を受
けることがない。
【0026】上記したプリント配線基板10にリード部
付きの電子部品16をはんだ付けするには、電子部品1
6のリード部16aをプリント配線基板10の部品搭載
面10a側からスルーホール11に挿入する。そして、
プリント配線基板10をフローはんだ付け装置や浸漬は
んだ漕を用いて、プリント配線基板10のはんだ浸漬面
10bより溶融されたはんだ17を供給する。すると、
溶融されたはんだ17がスルーホール11内に入り込ん
で上昇すると共に、はんだ浸漬面10b側の熱がスルー
ホール11内のはんだ17およびスルーホール11を介
してプリント配線基板10の部品搭載面10a側に伝達
される。さらに、スルーホール11の近傍に配置されて
いる熱伝導部材14は、はんだ浸漬面10b側の熱を部
品搭載面10a側に伝達する。この結果、スルーホール
11近傍の配線部13に熱が伝達されてプリント配線基
板10の部品搭載面10a側が確実に所定のはんだ付け
温度まで上昇させることができる。したがって、スルー
ホール11の部品搭載面10a側まで入り込んだはんだ
17は冷えにくくなり、融点まで時間をかけて徐々に冷
却させることができる。このため、スルーホール11の
部品搭載面10a側まで入り込んだはんだ17の濡れ
性、広がり性が良く、はんだ17が良好なフィレット形
状を形成して冷却固化される。
【0027】したがって、融点とはんだ付け温度との間
にわずかな温度差しか持たせることができない場合(例
えばはんだ17として鉛フリーはんだを使用する場合)
にあってもはんだ付け不良を低減できる。また、このよ
うにはんだ17がフィレット形状を形成し、はんだ付け
部分のはんだ量が増加するため、接続強度が増し、信頼
性が向上する。
【0028】また、熱容量の大きい電子部品16を搭載
する場合や配線部13の幅が大きい場合には、部品搭載
面10a側ではんだ17を確実にはんだ付け温度まで上
昇させるために必要とする熱容量が大きくなるため、熱
伝導部材14の数をそれに応じて増加することが好まし
い。
【0029】さらに、本実施形態では、熱伝導部材14
のはんだ浸漬面側に集熱部15を設けているため、部品
搭載面10a側の配線部13に熱を効率的に伝達でき
る。
【0030】また、本実施形態では、集熱部15が、配
線部13やスルーホール11と同一材料で形成されてい
るため、集熱部15を配線部13およびスルーホール1
1と同じ製造工程中に作製することができるという利点
がある。
【0031】(第2実施形態)図3は本発明の第2実施
形態を示し、電子部品をはんだ付けしたプリント配線基
板の断面図である。なお、本実施形態において上記した
第1実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明す
る。図3に示すように、この第2実施形態では、熱伝導
部材14のはんだ浸漬面側の端部の周縁に形成された集
熱部15がスルーホール11におけるはんだ浸漬面10
b側の端部やはんだ浸漬面10b側の配線部18に接続
されている。
【0032】この第2実施形態でも、プリント配線基板
10にリード部付きの電子部品16をはんだ付けするに
際して、上記した第1実施形態と同様に、熱伝導部材1
4の作用によってプリント配線基板10の部品搭載面1
0a側が確実に温度上昇される。このため、はんだ17
が良好なフィレット形状を形成し、融点とはんだ付け温
度との間にわずかな温度差しか持たせることができない
場合(例えばはんだ17として鉛フリーはんだを使用す
る場合)にあってもはんだ付け不良を低減できる。
【0033】また、本実施形態では、集熱部15をはん
だ浸漬面10b側のスルーホール11端部および配線部
18に電気的に接続されているため、従来のように、熱
ストレスによりはんだ17のフィレットリフテングやス
ルーホール11と配線部13との接合する部分のコーナ
ークラックおよび剥離が発生しても電子部品16のリー
ド部12とプリント配線基板10の部品搭載面10a側
の配線部13との間の回路接続を熱伝導部14で確保で
きる。特に、熱疲労ストレスが大きくなる大型のリード
部付きの電子部品をはんだ付けする場合には、はんだ接
合部分の信頼性が低下するため、従来では鉛フリーはん
だの使用が困難であったが、本発明によれば、熱疲労ス
トレスによりはんだ17のフィレットリフテングやラン
ド部12のコーナークラック及び剥離が万一発生しても
電子部品16のリード部16aとプリント配線基板10
の部品搭載面10a側の配線部13との間の回路接続を
確保できる。このため、大型のリード部付きの電子部品
16を鉛フリーはんだを使用してはんだ付けすることが
可能となる。
【0034】また、熱伝導部材14の個数は、はんだ1
7のフィレットリフテングやランド部12のコーナーク
ラックおよび剥離が発生して電子部品16のリード部1
6aと部品搭載面10a側のスルーホール11の端部と
が断線しても配線上必要な電流を熱伝導部材14により
通電可能な個数とする。そして、熱伝導部材14の径寸
法は、通常0.5mm程度に形成されるが、それ以上の
寸法でもよい。
【0035】次に、バイアホール14が単数の場合(図
4(a)参照)、バイアホール14が2つで横方向に
(配線部の幅方向に)並んだ場合(図4(b)参照)、
バイアホール14が2つで縦方向に(配線部の長さ方向
に)並んだ場合(図4(c)参照)における、スルーホ
ール11とバイアホール14との位置と、スルーホール
11で浸み上がったはんだの横(部品搭載面)方向の広
がり量(長さ:mm)との関係を実施例1〜実施例3に
基づいて説明する。
【0036】(実施例1)図4(a)に示すように、ス
ルーホール11と、熱伝導部材としてのバイアホール1
4を形成した配線基板を用意した。バイアホール14
は、スルーホール11の部品搭載面側から延びるように
形成された配線部13の幅方向の中央に配置されてい
る。なお、図4(a)は、配線基板を部品搭載面側から
見た状態を示す平面図である。
【0037】この実施例1では、配線部13の幅寸法W
を1.0mmとした。また、本実施例1では、スルーホ
ール11の内壁面11Aとバイアホール14の内壁面1
4Aとの最短距離Lを0.4mm〜4.0mmまで変えた
ものを用意し、下面側をはんだに浸漬して、部品搭載面
側での広がり量(長さ)を測定した。
【0038】この結果、図5に示すように、バイアホー
ル14の内壁面14Aとスルーホール11の内壁面11
Aとの最短距離L(図ではバイアホールの位置)が0.
5mm以上で、且つ3.4mm以下の範囲で、好ましく
は、1.0mm〜3.2mmの範囲ではんだの広がり量が
良好となり(1.55mm以上となり)、部品搭載面側
に良好な形状のはんだフィレットを形成できることが判
った。なお、配線部13の幅寸法を2mmまで増やして
も同様の結果が得られた。
【0039】(実施例2)実施例2では、図4(b)に
示すように、配線部13に幅方向に2つのバイアホール
14を配置している。本実施例2においては、配線部1
3の幅2.0mmとして、2つのバイアホール14の内
壁面14A同士を結ぶ線とスルーホール11の内壁面1
1Aとの最短距離Lを変えたものを用意し、配線基板の
下面側をはんだに浸漬して、部品搭載面側でのはんだの
広がり量(長さ)を測定した。
【0040】この結果、図6に示すように、0.5mm
以上で且つ3.0mm以下の範囲ではんだ広がり量が良
好であることが判った。
【0041】(実施例3)実施例3では、図4(c)に
示すように、配線部13の長さ方向に沿って2つのバイ
アホール14を配置している。本実施例3においては、
配線部13の幅寸法を1.5mmとした。これらバイア
ホール(14)のそれぞれのスルーホール11側に最も
近い内壁面同士の中央の位置とスルーホール11の内壁
面との最短距離Lが、0.5mm≦L≦3mmに設定さ
れている。この最短距離Lを変えたものを用意し、配線
基板の下面側をはんだに浸漬して、部品搭載面側でのは
んだの広がり量(長さ)を測定した。
【0042】この結果、図7に示すように、最短距離L
が1.0〜3.0mmの範囲ではんだの広がりが良好であ
ることが判った。
【0043】上記した実施例1〜実施例3により、バイ
アホール14の位置がスルーホール11の近傍、特に
0.5≦L≦3.0の距離を満足する位置にあれば、はん
だの広がりが良好となり、部品搭載面側に良好な形状の
はんだフィレットを形成することができることが判る。
また、バイアホール14がスルーホール11に対して、
0.5mmよりも近くすることは基板の製造品質上の点
から一般に困難である。
【0044】以上、第1実施形態、第2実施形態並びに
実施例1〜実施例3について説明したが、本発明はこれ
らに限定されるものではなく、構成の要旨に付随する各
種の変更が可能である。
【0045】例えば、上記した各実施形態では、熱伝導
部材14をスルーホール11と同様に管状に形成した
が、熱伝導部材14の内側全部に高い熱伝導性をもつ導
電性材料を充填する構造としてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、電子部品のリード部が挿入、接続されるス
ルーホールの近傍に基板の両面側に亘って形成された熱
伝導部材を備えるため、配線基板のはんだ浸漬面側の熱
がスルーホールおよびその近傍の熱伝導部材を介して配
線基板の部品搭載面側に伝達されて部品搭載面側が昇温
されることからスルーホールの部品搭載面側まで入り込
んだはんだの濡れ性、広がり性を向上させることができ
る。このため、はんだが良好なフィレット形状を形成し
た状態で冷却固化させることができる。したがって、融
点とはんだ付け温度との間にわずかな温度差しか持たせ
ることができない場合にあっても、はんだ付け不良を低
減できる。
【0047】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
発明の効果に加え、熱が集熱部材および熱伝導部材を介
して部品搭載面側のランド部や配線部に伝達され、部品
搭載面への熱供給が促進されるため、融点とはんだ付け
温度との間にわずかな温度差しか持たせることができな
い場合であっても、はんだ温度の低下を抑制してはんだ
付け不良を低減できる。
【0048】請求項3の発明によれば、請求項2記載の
発明の効果に加え、配線基板のはんだ浸漬面側のスルー
ホールが熱伝導部材の集熱部を介しても電気的に接続さ
れるため、熱疲労ストレスによりはんだのフィレットリ
フテングやスルーホール上部のコーナークラックおよび
剥離が発生しても電子部品のリード部と配線基板の部品
搭載面の配線パターンとの間の回路接続を確保できる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、熱伝導部材
がバイアホールであるため、配線基板にスルーホールを
形成する工程で熱伝導部材を同時に形成することができ
る。
【0050】請求項5〜請求項7に記載された発明によ
れば、バイアホールをスルーホールから0.5mmより
離した位置に形成すればよいため、スルーホールの上部
に、挿入されているリード部との間に形成されるはんだ
フィレットが形成されるはんだ広がり面が確保できる。
加えて、0.5mm≦L≦3mmの範囲に位置設定する
ことにより、スルーホールから浸み上がるはんだの広が
り量(寸法)を大きくできることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、電子部品をはん
だ付けしたプリント配線基板の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、プリント配線基
板の要部拡大平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示し、電子部品をはん
だ付けしたプリント配線基板の断面図である。
【図4】(a)は本発明に係る実施例1の概略平面図、
(b)は実施例2の概略平面図、(c)は実施例3の概
略平面図である。
【図5】実施例1のバイアホールの位置とはんだ広がり
量との関係を示すグラフである。
【図6】実施例2のバイアホールの位置とはんだ広がり
量との関係を示すグラフである。
【図7】実施例3のバイアホールの位置とはんだ広がり
量との関係を示すグラフである。
【図8】従来例を示し、電子部品をはんだ付けしたプリ
ント配線基板の断面図である。
【図9】良好なはんだ付け状態を示す要部拡大断面図で
ある。
【図10】良好でないはんだ付け状態を示す要部拡大断
面図である。
【図11】はんだ付けされたはんだにクラックが発生し
た状態を示す要部拡大断面図である。
【図12】はんだ付けされたはんだ箇所にフィレットリ
フテング等が発生した状態を示す要部拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
10 プリント配線基板(配線基板) 10a 部品搭載面 10b はんだ浸漬面 11 スルーホール 13 部品搭載面側の配線部 14 熱伝導部材 15 集熱部 16 電子部品 16a リード部 17 はんだ 18 はんだ浸漬面側の配線部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 浩江 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎 部品株式会社内 (72)発明者 岩田 智之 静岡県榛原郡榛原町布引原206−1 矢崎 部品株式会社内 Fターム(参考) 5E319 AA02 AA08 AB01 AC01 AC15 CC23 GG03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面を部品搭載面とし、他方の表
    面をはんだ浸漬面とした配線基板における前記一方又は
    両方の表面に配線パターンが形成されると共に、前記配
    線基板の両面側に貫通して前記配線パターンのどちらか
    一方又は両方に電気的に接続されるスルーホールが形成
    され、該スルーホールに前記部品搭載面側より電子部品
    のリード部が挿入された状態で、前記スルーホール内で
    はんだを介して電気的に接続された電子部品の実装構造
    であって、 前記配線パターンに接続され、且つ前記配線基板の両面
    側に亘って貫通する熱伝導部材を、前記スルーホールの
    近傍に設けたことを特徴とする電子部品の実装構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子部品の実装構造であ
    って、 前記熱伝導部材における前記はんだ浸漬面側の端部に、
    該はんだ浸漬面に沿って、金属材料でなる集熱部が延設
    されていることを特徴とする電子部品の実装構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電子部品の実装構造であ
    って、 前記集熱部は、前記はんだ浸漬面側の前記スルーホール
    の端部に電気的に接続されていることを特徴とする電子
    部品の実装構造。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    記載された電子部品の実装構造であって、 前記熱伝導部材(14)は、バイアホール(14)であ
    ることを特徴とする電子部品の実装構造。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電子部品の実装構造であ
    って、 前記スルーホール(11)の近傍に設けられた前記バイ
    アホール(14)が単数であり、前記バイアホール(1
    4)の内壁面と前記スルーホール(11)の内壁面との
    最短距離Lが、0.5mm≦L≦3mmであることを特
    徴とする電子部品の実装構造。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の電子部品の実装構造であ
    って、 前記スルーホール(11)の近傍に設けられた前記バイ
    アホール(14)は、前記配線パターン(13)の幅方
    向に並ぶ一対であり、これらバイアホール(14)にお
    ける前記スルーホール(11)側に位置する内壁面を結
    ぶ線と前記スルーホール(11)の内壁面との最短距離
    Lが、0.5mm≦L≦3mmであることを特徴とする
    電子部品の実装構造。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の電子部品の実装構造であ
    って、 前記スルーホール(11)の近傍に設けられた前記バイ
    アホール(14)は、前記配線パターン(13)の長さ
    方向に並ぶ一対であり、これらバイアホール(14)の
    それぞれのスルーホール(11)側に最も近い内壁面同
    士の中央の位置と前記スルーホール(11)の内壁面と
    の最短距離Lが、0.5mm≦L≦3mmであることを
    特徴とする電子部品の実装構造。
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